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【発明の名称】 携帯用電動工具の電源コード
【発明者】 【氏名】小川 真二
【住所又は居所】広島県府中市目崎町762番地 リョービ株式会社内

【要約】 【課題】作業中、誤って刈り刃が電源コードに接触した場合でも、電源コードが簡単に心線まで切断されることがなくなるとともに、電源コードを刈り刃から遠ざけ、刈り刃を電源コードに接触しにくくし、電源コードが刈り刃により切断される恐れのない携帯用電動工具の電源コードを提供することを目的とする。

【解決手段】複数の切り刃3c、3d、31c、31dからなる刈り刃3,31と、電源コード6、61を備えた携帯用電動工具において、前記電源コード6、61に保護部材7、70、71、72、73を設けたことを最も主要な特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の切り刃からなる刈り刃と、電源コードを備えた携帯用電動工具において、前記電源コードに保護部材を設けたことを特徴とする携帯用電動工具の電源コード。
【請求項2】 前記電源コードは本体コードと延長コードからなり、延長コードのソケットの近傍に保護部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の携帯用電動工具の電源コード。
【請求項3】 前記電源コードは本体コードと延長コードからなり、本体コードの電動工具本体側端部に保護部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の携帯用電動工具の電源コード。
【請求項4】 前記保護部材の外径を、刈り刃を構成している切り刃間の距離より大きく形成したことを特徴とする請求項1乃至3に記載の携帯用電動工具の電源コード。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、携帯用電動工具、特に複数の切り刃からなる刈り刃を備えた携帯用電動工具の電源コードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の携帯用電動工具、特に剪定機といわれているバリカン、ヘッジトリマの電源コードについて、図8、図9により説明する。
【0003】図8は、バリカン10の作業中の状態を示す平面図を示す。20はバリカン本体、30は多数の切り刃30cを櫛状に形成した上部切り刃体30aと多数の切り刃30dを櫛状に形成した下部切り刃体30bとからなる刈り刃であり、この刈り刃30は、上部切り刃体30aと下部切り刃30b体のその両方が左右に揺動する。なお、バリカン10の刈り刃30には、上部切り刃体30aのみが揺動し、下部切り刃体30bは固定されたものもある。次に、60は、電源コードであり、本体コード40と延長コード50から構成されている。本体コード40は、その一端にコードホルダー40bを嵌装しバリカン本体20に組み込まれ、他端にプラグ40aを有する長さ0.2メートル乃至0.3メートルのコードである。延長コード50は、その一端に前記本体コード40に設けられたプラグ40aを差し込むためのソケット50aと、他端に電源に差し込むための図示していないプラグを有し、広い範囲の作業を容易にするために数メートルの長さからなるコードである。なお、一般的に、電源コード60の太さは、前記上部切り刃体30aの切り刃30cと下部切り刃体30bの切り刃30dの間に入り込む太さとなっている。
【0004】このバリカン10を使用して生け垣等の上部の刈込をする場合には、作業者がバリカン本体20を手に持ち、ほぼ水平に前後方向(図8中、X及びY方向)に動かすこととなる。この時、電源コード60もバリカン本体10のX方向への動きに伴って、一旦前(X方向)に引き出され、バリカン本体10をY方向へ後退させる時には、電源コード60を構成している本体コード40全体と延長コード50のソケット50a側の一部は一緒にY方向へ後退するが、延長コード50の大半はバリカン本体10の刈り刃30より前(X方向)に残った状態となる。この状態から、再度バリカン本体10をX方向へ前進させると、誤って刈り刃30が延長コード50に接触することがあり、上部切り刃体30aの切り刃30cと下部切り刃体30bの切り刃30dとの間に延長コード50が挟まれ、図示していない延長コードの心線までも切断し、使用不能となる場合がある。
【0005】次に、図9は、ヘッジトリマ100の作業中の状態を示す平面図を示す。200はヘッジトリマ本体、300は多数の切り刃300cを櫛状に形成した上部切り刃体300aと多数の切り刃300dを櫛状に形成した下部切り刃体300bとからなる刈り刃、この刈り刃300は、上部切り刃体300aと下部切り刃体300bのその両方が前後に摺動する。なお、ヘッジトリマ100の刈り刃300には、上部切り刃体300aのみが摺動し、下部切り刃体300bは固定されたものもある。次に、600は、電源コードであり、本体コード400と延長コード500から構成されている。本体コード400は、その一端にコードホルダー400bを嵌装しヘッジトリマ本体200に組み込まれ、他端にプラグ400aを有する長さ0.2メートル乃至0.3メートルのコードである。延長コード500は、その一端に前記本体コード400に設けられたプラグ400aを差し込むためのソケット500aと、他端に電源に差し込むための図示していないプラグを有し、広い範囲の作業を容易にするために数メートルの長さからなるコードである。なお、一般的に、電源コード600の太さは、前記上部切り刃体300aの切り刃300cと下部切り刃体300bの切り刃300dとの間に入り込む太さとなっている。
【0006】このヘッジトリマ100を使用して生け垣等の正面下部や側面下部の刈込をする側面刈りの場合には、作業者がヘッジトリマ本体200を手に持ち、刈り刃300を下方に向け、円弧(図9中、矢印方向)を描くように動かすこととなる。この時、電源コード600は、ヘッジトリマ本体200の後部から下方に垂れ下がり、延長コード500の一部、特にソケット500aからあまり離れていない、例えば約1メートル以内の範囲が刈り刃300の動作範囲に入る。この状態で、円弧を描くように刈り込み作業を続けていると、いきおい余って刈り刃300が延長コード500に接触することがあり、上部切り刃体300aの切り刃300cと下部切り刃体300bの切り刃300dとの間に延長コード500が挟まれ、図示していない延長コードの心線までも切断し、使用不能となる場合がある。なお、特にバリカン10やヘッジトリマ100においては、延長コード50、500の側にあって、プラグ40a、400aとソケット50a、500aの連結部から1メートルの範囲内で切断される場合が多い。
【0007】そこで、本件出願人は、上記問題を解決するために、先に特開2000−209759において、作業者のベルト等に係止するための係止部を設けたコードストラップを提案し、電源コードを固定したコードストラップを、例えば作業者のベルトに係止することで、作業中、バリカンやヘッジトリマ等の刈り刃が動作する範囲から電源コードを遠ざけるとともに、電源コードが作業者と一体で移動するようにして、誤って携帯用電動工具の刈り刃により、電源コードを切断するのを防止するようにした。
【0008】しかし、このコードストラップを、例えば作業者のベルトに係止して使用する場合、ベルトからバリカン本体やヘッジトリマ本体までの電源コードの長さを、作業者が腕を一杯に伸ばして作業が可能なように、また、作業者が腕を一杯に伸ばした状態においても、本体コードのプラグから延長コードのソケットが抜け落ちないように、多少たるませる場合がある。そのためベルトからバリカン本体やヘッジトリマ本体までの電源コードの長さが長くなり、前述と同様の問題を生じる可能性があった。また、電源コード自体に対する切断防止は、特に提案されてなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記問題点を解決しようとするもので、作業中、誤って刈り刃が電源コードに接触した場合でも、電源コードが簡単に心線まで切断されることがなくなるとともに、電源コードを刈り刃から遠ざけ、刈り刃を電源コードに接触しにくくし、電源コードが刈り刃により切断される恐れのない携帯用電動工具の電源コードを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、複数の切り刃3c、3d、31c、31dからなる刈り刃3,31と、電源コード6、61を備えた携帯用電動工具において、前記電源コード6、61に保護部材7、70、71、72、73を設けたことを最も主要な特徴とする。
【0011】次に、請求項2に記載の発明は、前記電源コード6は本体コード4と延長コード5からなり、延長コード5のソケット5aの近傍に保護部材7、70、71、72を設けたことを特徴とする。
【0012】請求項3に記載の発明は、前記電源コード61は本体コード41と延長コード5からなり、本体コード41の電動工具本体側端部に保護部材73を設けたことを特徴とする。
【0013】請求項4に記載の発明は、前記保護部材7、70、71、72、73の外径を、刈り刃3,31を構成している切り刃間3c、3d、31c、31dの距離より大きく形成したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態に係る携帯用電動工具の電源コードを、図1乃至図7に基づき説明する。
【0015】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施形態に係るバリカンの電源コードを示す正面図である。図2は、図1のバリカンの刈り刃を構成している切り刃と電源コードとの関係を示す拡大図である。図3は、ヘッジトリマの刈り刃を構成している切り刃と電源コードとの関係を示し、(A)は下部刈り刃体の切り刃、との関係を示す拡大図であり、(B)は下部切り刃体の切り刃と上部切り刃体の切り刃との関係を示す図である。図4は、第2の実施形態に係る電源コードの内の延長コードを示す正面図である。図5は、第3の実施形態に係る電源コードの内の延長コードを示す正面図である。図6は、第4の実施形態に係る電源コードの内の延長コードを示す正面図である。図7は、第5の実施形態に係るバリカンの電源コードを示す正面図である。
【0016】まず、図1および図2により、本発明の第1の実施形態に係るバリカンの電源コードについて説明する。1は剪定作業等を行なうバリカン、2は図示していないモータ等を内蔵するバリカン本体、3は木の枝等を刈り込むための刈り刃、この刈り刃3は、図2に示す様に多数の切り刃3cを櫛状に形成した上部切り刃体3aと多数の切り刃3dを櫛状に形成した下部切り刃体3bとから構成され、それぞれの刈り刃体3a、3bが図中左右方向に揺動し、切り刃3c、3dの間に入り込んだ芝生、枝葉等を切断する。
【0017】次に、6は、電源コードであり、本体コード4と延長コード5から構成されている。本体コード4は、コードホルダー4bによりその一端を補強され、バリカン本体2に組み込まれるとともに、他端にプラグ4aを有する。その長さは、前記刈り刃3に向けて本体コード4を引っ張った時に、本体コード4が刈り刃3に届かない長さに設定している。例えば、0.2メートル乃至0.3メートルの長さであるが、長さは、これに限定されるものではない。延長コード5は、その一端に前記本体コード4に設けられたプラグ4aを差し込むためのソケット5aと、他端に電源に差し込むための図示していないプラグを有し、広い範囲の作業を容易にするために数メートルの長さからなるコードである。
【0018】7はゴム、或いは、合成樹脂からなり、外形が円形に形成された筒状の保護部材であり、延長コード5に嵌装して設けられている。その長さは、0.2メートル乃至0.4メートルであり、ソケット5aから図示していないプラグ方向に長く形成されている。なお、長さは、この長さに限定されるものでなく、作業性に影響なければ、1メートル程度でもよい。また、嵌装位置は、ソケット5aから少し離して、例えば、0.2メートル程離した位置に嵌装してもよい。更に、この保護部材7の延長コード5への嵌装を、作業者の手の力で動かせる程度の嵌合強さとし、嵌装位置を作業の状況に合わせて移動可能としてもよい。そして、この保護部材7の外径bは、図2に示すように、上部刈り刃体3aの一つの切り刃3cと、下部切り刃体3bの一つの切り刃3dとが最も離れた時の先端間距離aよりも大きい径に設定されている。5bは、延長コード5の心線である。なお、保護部材7の外径形状は円形に限定されるものではない。また、その外径bは、前記切り刃3cと、切り刃3dとが最も離れた時の先端間距離aよりも小さい径で切り刃3cと切り刃3dとの間に入り込むような径であっても、そのまま切り刃3cと切り刃3dが交差した場合に心線5bが切断されない径、すなわち、切り刃軌道外径の外に心線5bがあるような径であればよい。
【0019】図3(A)(B)により本発明の第1の実施形態を、ヘッジトリマの刈り刃を構成している切り刃と電源コードとの関係について説明する。図3(A)において、31はヘッジトリマの刈り刃である。図示していないヘッジトリマ本体に設けられた電源コード5に嵌装する保護部材7の外径cは、上部刈り刃体31aを形成している切り刃31cと、下部切り刃体31bを形成している切り刃31dとが重なった状態で、切り刃31dと一つ隣の切り刃31dとの先端間距離dよりも大きく設定されている。
【0020】次に、図3(B)は、ヘッジトリマの刈り刃31の切り刃31cと切り刃31dの関係において、最適な保護部材7の外径eの設定条件を示したものである。この場合の外径eは、上部刈り刃体31aを形成している切り刃31cが、下部切り刃体31bを形成している隣り合う2つの切り刃31d、31dの中間に位置した状態で、その各先端(f、g、h)を通る径である。
【0021】この様に、本発明の第1の実施形態は構成されているので、図2、図3(A)に示す電源コード5の保護部材7においては、保護部材7の外径が、バリカン1の切り刃3c、3d、或いは、ヘッジトリマの切り刃31c、31dの先端間距離よりも大きな外径に形成されているので、保護部材7に切り刃3c、3d、31c、31dが接触しても、各切り刃3c、3d、31c、31d間に入り込んでいる一部分のみが切断されることはあっても、電源コード5、特に心線5bまでが切断されるということはなくなる。
【0022】更に、図3(B)に示す電源コード5の保護部材7においては、上部刈り刃体31aを形成している切り刃31cと、下部切り刃体31bを形成している切り刃31dとの間に、保護部材7の外径が全く入り込むことがないので、保護部材7に切り刃3c、3dが接触しても、保護部材7も切断されることがなくなる。
【0023】図4により、第2の実施形態に係る電源コードの保護部材を説明する。延長コード5を構成している部材は、第1の実施形態と同じであるためその説明は省略する。本実施形態に係る電源コードを構成している延長コード5の保護部材70は、ゴム、或いは、合成樹脂からなる蛇腹チューブである。その外径、長さ、嵌装位置は、第1の実施形態と同じに設定している。この蛇腹チューブからなる保護部材70では、蛇腹部が自在に湾曲するので、電源コードの取り扱いが容易である。なお、第1、第2の実施形態に係る電源コードの保護部材は、筒状の一体の物で、延長コード5への二重成形、或いは、インサート成形により嵌装されたものであったが、軸方向にスリットが入り、嵌装時、スリットを広げ延長コード5にかぶせることができる筒状の物であってもよい。
【0024】図5により、第3の実施形態に係る電源コードの保護部材を説明する。延長コード5を構成している部材は、第1の実施形態と同じであるためその説明は省略する。本実施形態に係る電源コードを構成している延長コード5の保護部材71は、ゴム、或いは、合成樹脂からなり、螺旋状の帯を筒状としたチューブを2層に巻装したものである。なお、所定の外径が確保できれば、一層の巻装であってもよい。また、その巻き上がりの外径、長さ、嵌装位置は、第1の実施形態と同じに設定している。この保護部材71では、螺旋部が自在に湾曲するので、電源コードの取り扱いが容易であるばかりでなく、何層にも巻装が容易であるため所定の外径を確保し易い。
【0025】図6により、第4の実施形態に係る電源コードの保護部材を説明する。延長コード5を構成している部材は、第1の実施形態と同じであるためその説明は省略する。本実施形態に係る電源コードを構成している延長コード5の保護部材72は、金属からなるコイルバネである。その巻き上がりの外径、長さ、嵌装位置は、第1の実施形態と同じに設定している。この保護部材72では、コイルバネが自在に湾曲するので、電源コードの取り扱いが容易であるばかりでなく、金属であるためより切断されにくい。なお、この保護部材72は金属であるため、その外径は、必ずしも第1の実施形態と同じ外径である必要はなく、これより小さくてもよい。
【0026】次に、図7により、本発明の第5の実施形態に係るバリカンの電源コードについて説明する。なお、第1の実施形態と同じ部材には、同じ符号を付し、その説明は省略する。61は電源コードである。41は電源コード61を構成する本体コードである。本体コード41はコードホルダー41bによりその一端を補強され、バリカン本体2に組み込まれるとともに、他端にプラグ41aを有する長さ0.2メートル乃至0.3メートルのコードである。なお、長さは、これに限定されるものではない。73は、ゴム、或いは、合成樹脂からなり、外形が円形に形成された筒状の保護部材であり、この保護部材73は本体コード41を、バリカン本体2側の端部から約0.1メートル乃至0.3メートルの間を、コードホルダー41bとともに嵌装している。
【0027】この様に、本発明の第5の実施形態に係るバリカンの電源コードは構成されているので、電源コード61を構成している本体コード41がバリカン本体2の付け根から曲がることがなくなり、本体コード41自体がバリカン1の刈り刃3から遠ざかるばかりでなく、延長コード5、特に、延長コード5の一端に設けられたソケット5aから他端側に約1メートルの範囲もバリカン1の刈り刃3から遠ざかり、電源コード61が刈り刃3の切り刃3c、3dにより切断されるということがなくなる。なお、上記実施例では、コードホルダー41bと保護部材73は、別部材で形成したが、一体に成形して製造することもできる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る携帯用電動工具の電源コードでは、複数の切り刃3c、3d、31c、31dからなる刈り刃3、31と、本体コード4、41と延長コード5からなる電源コード6、61を備えた携帯用電動工具において、前記電源コード6、61に保護部材7、70、71、72、73を設けたので、作業中、誤って刈り刃3、31が電源コード6に接触した場合でも、電源コード6が簡単に心線5bまで切断されることがなくなるとともに、本体コード41の電動工具本体側端部に保護部材73を設けたので、電源コード61が刈り刃3、31から遠ざけられ、刈り刃3、31が電源コード61に接触することがない携帯用電動工具の電源コードを提供できる。
【出願人】 【識別番号】000006943
【氏名又は名称】リョービ株式会社
【住所又は居所】広島県府中市目崎町762番地
【出願日】 平成14年2月20日(2002.2.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−235350(P2003−235350A)
【公開日】 平成15年8月26日(2003.8.26)
【出願番号】 特願2002−43601(P2002−43601)