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【発明の名称】 植物の生育抑制方法
【発明者】 【氏名】柳田 友隆
【住所又は居所】東京都世田谷区松原6−39−18 株式会社クレアテラ内

【要約】 【課題】植物の生育を抑制する安価な植栽方法を提供することである。

【解決手段】本発明は、土壌面上に根の伸長を制限する層を敷設し、その上部に自然土壌もしくは根の生育を阻害する資材を盛土したことにより、または、土壌面となる部分の土壌もしくは盛土資材を植物生育に障害があるものにしたことにより、または、根の伸長を制限する層として浸透性の遮根性シートを敷設したことにより、または、盛土の厚さを3〜40cmとしたことにより、植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法である。または、根の伸長を制限する層に部分的に穴を設けそこに緑化、園芸植物を植栽することにより、雑草の生育を抑制しながら緑化、園芸植物を健全に生育させる植栽方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】土壌面上に根の伸長を制限する層を敷設し、その上部に自然土壌もしくは根の生育を阻害する資材を盛土した植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法【請求項2】請求項1において土壌面となる部分の土壌もしくは根の生育を阻害する盛土資材を強アルカリ性あるいは強酸性の酸度異常および/あるいは保水力不足の状態に改質するか、それと同様の性状の材料を投入した地盤を構成したことにより、植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法【請求項3】請求項1、2において根の伸長を制限する層が浸透性の遮根性シートである植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法【請求項4】請求項1、2において土壌面もしくは根の生育を阻害する盛土資材が、乾燥、アルカリ性あるいは酸性状態を助長する材料、たとえば礫、砂、コンクリート塊、コンクリート・アスファルト塊、貝殻、珊瑚砂、アルカリ性カルシウム化合物混合土壌、パイライト含有土壌である植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法【請求項5】請求項1、2および4において盛土の厚さが3〜40cmである植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法【請求項6】請求項1、2、3、4および5において根の伸長を制限する層に部分的に穴を設け、そこに植栽する緑化、園芸植物は健全に生育させるが周囲に生える雑草の生育は抑制することを特徴とする植栽方法
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植え込み地などでの雑草の生育を抑制する植栽方法と地表面保護方法に関し、特に農林、園芸、造園、土木の分野において、管理コストの低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、農林、園芸、造園、土木の分野において植栽管理の中で雑草防除のコストが高いにもかかわらず、よい管理方法が見つかっていないため、低コストで雑草生育抑制効果が高い抜本的な方法の開発が待たれている。
【0003】植栽地における雑草の発生と生育を抑制する方法として、地表をシートや樹皮あるいは小石でマルチする方法があった。
【0004】しかし、シートマルチはシートが劣化し、長期間の効果を維持しない、あるいは樹皮マルチは他から飛んでくる雑草種子の発芽を抑えることが困難である。また、小石マルチは10cm程度の厚さにしなければ、効果が出にくい欠点があった。
【0005】また、地表に酸化チタンをコーティングした砂を撒く方法もあるが、材料コストが極めて高い欠点があった。
【0006】これら問題を解決するために、本発明者による特許願平11−267925号および特願2001−124103号がある。これは、耐アルカリ性あるいは耐乾燥性が極めて強い特殊な目的植物以外の植物の生育には適さない地盤を作り、そこに植栽した目的植物は正常に生育するが、雑草の発生と生育は抑制しようとする方法である。
【0007】しかし、この方法は目的植物以外の雑草の発生を抑制する方法であったため、目的植物を導入する必要があった。
【0008】また、この方法で用いる透水、遮根シートは根の伸長を完全に阻止するため、シート上部の土壌が薄いばあい、乾燥が続くと植物が枯れることがあった。一方、シート上部の土壌が厚いと生育抑制効果は高くなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、植栽もしくは播種する植物の有無にかかわらず、飛散してくる雑草種子や埋土種子を発生させ、それらも使って地表を覆うこと、生育を小さい状態に保ち大きくしないことを特徴とする、安価な地表面保護方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、土壌面上に根の伸長を制限する層を敷設し、その上部に自然土壌もしくは根の生育を阻害する資材を盛土した植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法をその解決手段とするものである。
【0011】また、第2発明は、第1発明において土壌面となる部分の土壌もしくは根の生育を阻害する資材を強アルカリ性あるいは強酸性の酸度異常および/あるいは保水力不足の状態に改質するか、それと同様の性状の材料を投入した地盤を構成したことにより、植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法をその解決手段とするものである。
【0012】また、第3発明は第1発明および第2発明において根の伸長を制限する層が浸透性の遮根性シートである植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法をその解決手段とするものである。
【0013】また、第4発明は、第1、2発明において土壌面もしくは根の生育を阻害する盛土資材が、乾燥、アルカリ性あるいは酸性状態を助長する材料、たとえば礫、砂、コンクリート塊、コンクリート・アスファルト塊、貝殻、珊瑚砂、アルカリ性カルシウム化合物混合土壌、パイライト含有土壌である植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法をその解決手段とするものである。
【0014】また、第5発明は、第1、2、4発明において盛土の厚さが3〜40cmである植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法をその解決手段とするものである。
【0015】また、第6発明は、第1〜5発明において根の伸長を制限する層に部分的に穴を設け、そこに植栽する緑化、園芸植物は健全に生育させるが、周囲に生える雑草の生育は抑制する植栽方法をその解決手段とするものである。
【0016】以下、本発明に係る植物の生育を抑制する植栽方法についてさらに詳細に説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】第1発明は、土壌面上に根の伸長を制限する層を敷設し、その上部に自然土壌もしくは根の生育を阻害する資材を盛土した植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法である。
【0018】本発明での土壌面の対象は自然土壌、土地造成地、埋立地などがあり、それら場所の露出面あるいは掘削面が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0019】本発明での根の伸長を制限する層は、根の伸長を阻止するか部分的に伸長させ、しかも雨水を浸透させるものである。この層の存在により、植物根は自由に伸長できないが、部分的に下層に伸長するため、生命活動の維持に必要な程度のわずかな量の養水分吸収をできるので、植物は生命活動を維持するものの生育は抑制される。根の伸長を制限する層として固結土層、軟岩破砕物や再生砕石を締め固めた層、亀裂入りのソイルセメント被覆層、穴あきフィルム等あるいは不織布等の浸透性の遮根性シートが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0020】本発明での根の伸長を制限する層の上部に盛土する自然土壌は、自然土壌、土地造成地の露出土壌あるいは埋立地の露出土壌などの近隣に分布する土壌が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0021】本発明での植物は、人為的に播種するもの、植え付けるもの、雑草飛散種子あるいは埋土種子から発生するものが含まれる。特に、人為的に播種あるいは植栽することをしないで、飛散種子あるいは埋土種子から発生する雑草を利用することは、その地域の植生に馴染んだ植物で地被し、しかも草丈を制御できるので好ましい。
【0022】第2発明は、第1発明において土壌面となる部分の土壌もしくは根の生育を阻害する盛土資材を強アルカリ性あるいは強酸性の酸度異常および/あるいは保水力不足の状態に改質するか、それと同様の性状の材料を投入した地盤を構成したことにより、植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法である。
【0023】アルカリ性に改質する資材としてアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などがあり、酸性に改質する資材として鉱酸、酸性塩、パイライトなどがあり、保水性を低下させる資材として礫、砂、含油物質があるが、これらに限定されるものではない。
【0024】本発明で植物の生育を抑制するための土壌の強アルカリ性の範囲はpH8〜12である。好ましくは9〜12で、より好ましくは10〜12である。
【0025】本発明で植物の生育を抑制するための土壌の強酸性の範囲はpH5〜2.5である。好ましくは4.5〜2.5で、より好ましくは4〜2.5である。
【0026】含油素材は流動性の低い油で、高い撥水性が維持され、植物生育に対する阻害性能の経時変化が少ないものが好ましい。たとえば、アスファルトあるいはワックスで被覆された礫、アスファルト製品破砕物、アスファルト舗装破砕物、アスファルトを含むものなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。好ましくはアスファルトで被覆された礫である。
【0027】第3発明は第1、2発明において根の伸長を制限する層が浸透性の遮根性シートである植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法である。
【0028】根の伸長を制限し浸透性のある層として施工性が良く、安定した性能が見込める安価な不織布等の浸透性の遮根性シートがある。中でも熱融着したものは繊維同士が強固に結合し、網目が強固であるので、盛土層中の水を下層へ浸透する能力があるとともに根の下層への伸長を阻止もしくは制限する高い効果が維持するので好ましい。
【0029】不織布の1平方メートル当りの繊維重量である目付け量は、30〜400g/m2で効果があり、好ましくは50〜200g/m2、より好ましくは70〜200g/m2のもの効果とその持続性から望ましい。
【0030】また、第4発明は、第1、2発明において土壌面もしくは根の生育を阻害する盛土資材が、乾燥、アルカリ性あるいは酸性状態を助長する材料、たとえば礫、砂、コンクリート塊、コンクリート・アスファルト塊、貝殻、珊瑚砂あるいはアルカリ性カルシウム化合物混合土壌、パイライト含有土壌である植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法である。
【0031】第4発明は土壌面もしくは植物根が主に生育する盛土部分の資材を、これら物質により植物生育にとって条件を悪くし植物の生育を抑制している。なお、植物生育に障害を与えるものならば、これらの材料に限定されるものではない。
【0032】また、第5発明は、第1、2、4発明において盛土の厚さが3〜40cmである植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法である。
【0033】第1、2、4発明において根が自由に伸張できる範囲は根の伸長を制限する層上部の盛土部分に限定される。したがって、この層厚を厚くすると植物は過繁茂し、薄くすると生育が悪くなり、極端な場合裸地化する。大規模造成地のように草丈が50cm以下ならばよい場所にあっては盛土厚を厚くできる。沿道植栽のように草丈を20cm以下に抑えたい場所にあっては盛土厚を薄くする必要がある。盛土の厚さは3〜40cmであり、好ましくは5〜20cm、より好ましくは5〜15cmである。
【0034】また、第6発明は第1〜5発明において根の伸長を制限する層に部分的に穴を設け、そこに植栽する緑化、園芸植物は健全に生育させるが周囲に生える雑草の生育は抑制することを特徴とする植栽方法である。
【0035】中央分離帯や沿道植栽において、中木や低木の植栽地で中・低木周りの部分に雑草が繁茂し、管理が困難となっている。
【0036】このような場所で、例えば、浸透性の遮根性不織布に穴を明け、そこに中・低木を植栽することにより、中・低木の根は不織布下部の土壌中で健全に生育するが、中・低木周りの雑草などの植物は不織布に根の伸長を阻害され、生育が抑制される。
【0037】根の伸長を制限する層に明ける穴は、中・低木の植栽時に明けても、予め明けたものを用いてもよい。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。1999年5月19日に千葉ニューウタウン内の放置された宅地造成地内に試験区を設けた。1区画の面積は4m2とした。試験区設定後の地表面のレベルが周辺と同一になるように計算量捨土し、現れた面を自然土壌面とした。その面上に実施例1〜7の処理を行なった後放置した。なお、制限層として不織布、砕石締め固め層を敷設した。
【0039】[実施例1]自然土壌面上に目付け量50gの不織布を敷設した後、周辺の自然土壌を5cm、10cm、20cm盛土した区を設けた。図1参照。
【0040】[実施例2]自然土壌面上に目付け量70gの不織布を敷設した後、周辺の自然土壌を5cm、10cm、20cm盛土した区を設けた。図1参照【0041】[実施例3]自然土壌面上に目付け量100gの不織布を敷設した後、周辺の自然土壌を5cm、10cm、20cm盛土した区を設けた。図1参照。
【0042】[実施例4]自然土壌面上に目付け量200gの不織布を敷設した後、周辺の自然土壌を5cm、10cm、20cm盛土した区を設けた。図1参照。
【0043】[実施例5]自然土壌面上に砕石40〜0mmを敷設し、よく締め固め10cm厚さの層を作った後、周辺の自然土壌を5cm、10cm、20cm盛土した区を設けた。図2参照。
【0044】[実施例6]自然土壌面上に目付け量100gの不織布を敷設した後、周辺の自然土壌1立方メートル当りに消石灰を35kg混合し調整したpH9.5の土壌を、5cm、10cm、20cm盛土した区を設けた。
【0045】[実施例7]自然土壌面上に目付け量100gの不織布を敷設した後、コンクリート・アスファルト塊を5cm、10cm、20cm盛土した区を設けた。図1参照。
【0046】比較例として、自然土壌面の試験区を設けた。
【0047】試験期間は1999年5月19日から2001年10月12日までの2.5年間である。なお、各試験区の草丈は季節により変動し、8月から10月にかけて高くなった。また、2年目は1年目に比べて高かった。
【0048】2001年10月12日に各試験区の雑草の生育状況を観察し、地表被覆状況、草丈および地下20cmを通過した根の数を制限層通過根数として観察,計数した。その結果を表1に示した。
【0049】なお、制限層通過根数は10cm平方の制限層を通過している根数を示した。
【0050】
【表1】

【0051】2.5年目の2001年10月の観察時点では、実施例1〜5および比較例ではシロザ、エノコログサ、ヤハズソウ、ノゲシ、メヒシバ、セイタカアワダチソウが混在していた。実施例6ではシロザが、実施例7ではエノコログサが優占していた。
【0052】表1に示したように、実施例1〜6では盛土厚が5cmと薄く制限層がある場合でも地表被覆率が50%以上で裸地化せずに地表面全面を植物が覆っていた。しかし、実施例7の地表被覆率は5%とほぼ裸地化していた。
【0053】一方、比較例では、雑草の生育がよくて、地表被覆率が100%、草丈が100cm以上に達した。また、地表下20cm以下の層への通過根数は80本以上であった。以上のことから、実施例1〜4及び6、7では、雑草の生育抑制効果が高く、また、雑草の生育状況を制御できることが示された。
【0054】また、不織布の目付け量が100g以上となると、根の伸長を制限する層を通過する根数が激減し、植物は主に盛土部分のみで生育していた。このような場合、盛土厚が20cmと厚くなると草丈は高くなり、10cm以下となると草丈は30cm以下と低くなった。
【0055】根の伸長を制限する層として不織布を用いる場合、目付け量が200gではほぼすべての根の伸長を阻止した。目付け量が100gでは根の通過はかなり抑えられたが、50gではかなり多くの根が通過し、地表被覆率もほぼ100%だった。目付け量が多くなるに従って通過根数は少なくなった。
【0056】このように、不織布の網目の大きさと数つまり目付け量を変えることにより、根の通過数を制御し、植物の草丈を制御することができた。
【0057】目付け量が50gと薄い不織布であっても、1年目は雑草の生育を抑制し植物はまばらに生育していた。しかし、2年目になってから植物の密度が高くなりはじめたが、比較例よりもはるかに抑制された生育をしていた。薄い不織布であっても自然土壌面と盛土層との間に敷設したことにより毛管水の移動が抑制されたため、盛土層が乾燥気味となったことが1年目の雑草の生育を抑制したと考えられる。2年目になっても根の一部のみが下方に伸長しただけであるが、その結果、植物の被覆率が上がったと考えられる。
【0058】これらの実施例からわかるように、自然土壌面上に敷設する根の伸長を制限する層およびその上部の盛土厚等の状態により、埋土種子もしくは飛散種子から雑草が発生し生育する状況を制御することができた。また、これらを根の伸長を制限する層と盛土の条件を組み合わせることにより、実用的な精度で雑草の発生と生育を制御できた。
【0059】
【発明の効果】本発明は、土壌面上に根の伸長を制限する層を敷設し、その上部に自然土壌もしくは根の生育を阻害する資材を盛土したことにより、または、その土壌面となる部分の土壌もしくは根の生育を阻害する資材を強アルカリ性あるいは強酸性の酸度異常および/あるいは保水力不足の状態に改質するか、それと同様の性状の土壌を投入した地盤を構成したことにより、または、根の伸長を制限する層として浸透性の遮根性シートを敷設したことにより、または、土壌面もしくは根の生育を阻害する盛土資材が、乾燥、アルカリ性あるいは酸性状態を助長する材料、たとえば礫、砂、コンクリート塊、コンクリート・アスファルト塊、貝殻、珊瑚砂、アルカリ性カルシウム化合物混合土壌、パイライト含有土壌としたことにより、または、盛土の厚さを3〜40cmとしたことにより、植物の生育を抑制することを特徴とする植栽方法である。または、根の伸長を制限する層に部分的に穴を設けそこに緑化、園芸植物を植栽することにより、周囲に生える雑草の生育を抑制しながら緑化、園芸植物を健全に生育させる植栽方法である。また、本発明の植物の発生と生育を抑制する地表面保護方法は、農林、園芸、造園、土木の分野において、管理コストの低減に好適である。
【出願人】 【識別番号】390039907
【氏名又は名称】株式会社クレアテラ
【住所又は居所】東京都世田谷区松原6丁目39番18号
【出願日】 平成14年2月20日(2002.2.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−235342(P2003−235342A)
【公開日】 平成15年8月26日(2003.8.26)
【出願番号】 特願2002−43587(P2002−43587)