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【発明の名称】 植木鉢土床加温受皿
【発明者】 【氏名】大越 見寿

【要約】 【課題】鉢土床の加温を、電源があれば、好きな鉢を、好きな時に、好きな場所で、受皿に載せ置くだけで植物根に害を与えることなく安全、便利に行うことのできる省エネルギー型の鉢土床加温装置を提供する。

【解決手段】受皿(1)の鉢載置面(1b)の中央部(1c)下方に電気ヒーター(2)を備えることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中央部(1c)下方に電気ヒーター(2)を備えた植木鉢土床加温用の受皿(1)。
【請求項2】 中央部(1c)面に電気ヒーター(2)と連通する加熱通気孔(1j)を備えることを特徴とする請求項1記載の植木鉢土床加温用の受皿(1)。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植木鉢用受皿に関するもので、植木鉢土床を加温して植木の寒枯れを防止し、栽培育成を図る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、熱帯、亜熱帯および温室で栽培された蘭やその他の熱帯系植物の鉢植えが安く市販され、鉢植えを事務所や家庭で飾って観賞するようになったが、特に冬季の夜間暖房の無い環境の場所に飾って栽培管理する場合は鉢植えの土床に加熱保温を施し植木の寒枯れ、育成障害等の悪影響を防止していた。しかし従来技術では下述するような使用上の制約があり、使い方が難しいという問題があった。
ア、 植木鉢に加熱装置を付けて加熱する方法は加熱装置付植木鉢へ植え替えするか、または初めから加熱装置付植木鉢のものを入手するかの面倒な制約があった。(特開昭61−177930、特開昭59−143527)
イ、 鉢植え土床に加熱装置を挿して加熱する方法は植物の根を傷めないように根から離して挿すか、加熱器から根を離すように植え直すかの制約があった。(特開平7−255282)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では前述したように植替えや加熱器具挿入で植物の根を傷める可能性があり、鉢植え土床を自由に加熱加温することが困難であった。本発明は鉢、場所、時に制約されことなく自由に植物を傷めずに鉢植え土床を加温する受皿を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明は受皿(1)の鉢載置面(1b)中央部(1c)の下方に電気ヒーター(2)を備える構成とした。これにより、加温したい鉢植えの鉢(3)を鉢載置面(1b)上に載せ置いて、電気ヒーター(2)に通電加熱し、載置した鉢(3)土床(3f)を鉢載置面(1b)の中央部(1c)下方位置から間接的に加熱、加温するものである。
【0005】
【作用】先ず、一般的な土床の伝熱特性について述べる。土床は主物質の土粒等の固形物と少量の水と空気が混入したもので、下から上への熱伝導率が特に高い。それは土床の一部が熱を受けると熱を受けた部分で、現象としては先ず空気が膨張し軽くなって上昇し、次に水の一部が気化膨張し軽くなり水滴を伴いながら空気に混じって上昇し、空気と水の熱を高効率の対流伝熱で上へ上へと伝えているのに対して、最後に残った土粒等の固形物間では熱は全方向へ接触伝導伝熱の低い効率でしか伝わらないためである。
【0006】次に図3に基づき、鉢植えの鉢(3)と土床(3f)の伝熱特性について詳しく述べる。鉢植えの構造は一般に、その中央部に水抜き用の鉢底孔(3c)の有る鉢底(3b)と、鉢底孔(3c)上を被う防虫網(3d)と、鉢側壁(3a)と、鉢(3)内の最下部即ち鉢底(3b)および防虫網(3d)上の排水性の良い大粒ゴロ土(3e)と、ゴロ土(3e)上の栽培用の土床(3f)と、植物(3h)根と、鉢縁(3g)から成っている。そして、横方向の鉢側壁(3a)から鉢内土床(3f)中心部への伝熱は伝導伝熱が主で且つ物質特性上から熱伝達率が非常に低く、他方、下から上方向である鉢底孔(3c)から鉢内ゴロ土(3e)までの間は通気性が非常に良い構造になっており空気による対流伝熱が優勢で熱伝達率が非常に高い。言い換えると、鉢底孔(3c)を通して加熱、加温する方法は合理的で優れた加温方法であることが分かる。
【0007】まとめとして、前述手段構成での加熱加温作用について図3に基づき述べる。受皿(1)の鉢載置面(1b)中央部(1c)下方の電気ヒーター(2)に通電加熱し、中央部(1c)上面の空気を間接的にまたは直接的に加熱、加温すると、加温された空気が対流を起こし上昇して、図に示すSとTの二つのルートで土床(3f)を加温する。Sのルートは鉢底孔(3c)および防虫網(3d)を通過し、土床最下部のゴロ土(3e)全体を対流伝熱で効率良く加温し、その上の土床(3f)へは下方全面から対流伝熱及び伝導伝熱で加温する。Tのルートは鉢底(3b)および鉢側壁(3a)から鉢(3)内の土床(3f)へ伝導伝熱で加温する。従って、本発明は土床(3f)を下方から効率良く加熱空気を介して間接加熱するため、従来の直接的な加熱方法よりも局部的な加熱が少なく植木(3h)に対し優しい加温となり、且つほぼ同等の加温効率が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
【実施例1】受皿(1)の中央部(1c)裏面下方に設けた電気ヒーター(2)で中央部(1c)上面の空気を下面から加熱し対流させて間接的に鉢(3)土床(3f)を加熱加温する場合の一例を図1〜3に示した。その具体的な構造を説明する。電気ヒーター(2)は電気抵抗で発熱する面状発熱体(2a)である。受皿(1)は普通一般にある形の絶縁性プラスチックの受皿(1)であり、受皿(1)鉢載置面(1b)の中央部(1c)裏側下方に加熱室(1d)を設けて電気ヒーター(2)即ち面状発熱体(2a)を設置し底板部(1f)で密閉する構造にしてある。
【0009】電気ヒーター(2)は過剰加熱を防止する機能を備えたものであれば安全上充分であるが、受皿(1)の装飾品としての造形、大きさ、皿構造、置かれる場所条件や加温温度条件を満たすには過剰加熱を起こさない自己温度調節機能をもつ正温度特性の電気抵抗発熱体がコンパクト設計に適し好ましい(正温度特性発熱体については特開平8−222355、特開平5−174953を参照)。受皿(1)構造は上方に自然放熱しやすくて下方の底板部(1f)を断熱する等の工夫をすると良い。また、電気ヒーター(2)に自己温度調節機能をもつ正温度特性の電気抵抗発熱体を使う代わりに電気系の温度制御を付加しても良い。受皿(1)で鉢(3)土床を加熱する必要のない季節の間は電気コード(2e)をプラグ(2d)から切り離して従来の受皿として使えばよい。
【0010】
【実施例2】 加熱通気孔(1j)を設けて加熱効率の向上を図った一例を図4〜6に示した。受皿(1)鉢載置面(1b)の中央部(1c)に電気ヒーター(2)の加熱室(1d)と連通する加熱通気孔(1j)を設けて電気ヒーター(2)即ち線状加熱体(2b)で加熱室(1d)の空気を加熱してその加温空気を直接的に底孔(3c)へ上昇対流させ、鉢(3)土床(3f)下部のゴロ土へ対流伝熱させて土床(3f)を間接的に加熱する方法である。受皿(1)鉢載置面(1b)下位部分に凹状の排水溜(1g)を設け、加熱通気孔(1j)には排水侵入防止傘(1k)を被せ、鉢の排水が鉢載置面(1b)上から加熱通気孔(1j)に侵入ることなく排水溜(1g)に落ちる構造としてある。電気ヒーター(2)は自己温度調節機能をもつ正温度特性の線状加熱体(2b)の例として示したが、加温条件に合わせて強弱切替えできる抵抗可変型の線状加熱体(2b)でも良い。線状加熱体(2b)は水平面で幾回にも折り曲げたものを並列接続で幾重にも重ねて総表面積を大きくし且つ対流伝熱を促進させる構造とした。受皿(1)底板部(1f)は前述の線状加熱体と直接触れることなく空隙を設けてある。加熱室壁に通気孔(1l)を設け、更にその通気孔(1l)に連通する通気量調整口(1m)を脚部(1d)に設けた。電気ヒーター(2)即ち線状加熱体(2b)で加熱室(1d)空気を加熱し対流させ鉢載置面(1b)の加熱通気孔(1j)から鉢の底孔(3c)へ、さらにゴロ土(3e)へと加熱加温空気を送って土床(3f)を効率良く加熱加温する。そして、加熱通気孔(1j)、通気孔(1l)および通気量調整口(1m)を連通させて通気量調整口(1m)の開閉調整で加熱空気の対流強度を調整して鉢(3)の大きさ等に合わせて土床(3f)加温能力を設定するようにした例である。加熱後の空気温度は鉢植えへの悪影響のない30度程度以下が好ましい。電気ヒーター(2)に自己温度調節型の線状加熱体(2b)を用いると、鉢土床(3f)へ送る加温用空気の温度を例えば30度程度の一定温度になるように線状加熱体(2b)の特性および長さで設定し、加温空気量を通気量調整口(1m)の開閉で調整する構造を作ることが容易となる。上述から、実施例2は鉢植え即ち加温対象条件に合わせて通気量調整口(1m)の開閉調整を行って経済的に使うことができる理想的な省エネルギー型の植木鉢土床加温受皿と云える。ただし、加熱通気孔(1j)を設ける必要から小型受皿には不向きである。因みに、電気ヒーター(2)の所要能力は植物、土床(3f)および気温条件等によって変わるが5号鉢で5〜10Wが設計上の目安である。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の植木鉢土床加温受皿は構造が簡単で且つ加温効率が高いため装置費および電力費が経済的となった。電源があれば、好きな鉢を、好きな時に、好きな場所で、受皿に載せ置くだけで鉢土床を安全に加温できて便利になった。
【出願人】 【識別番号】398048187
【氏名又は名称】大越 見寿
【出願日】 平成14年2月4日(2002.2.4)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−225022(P2003−225022A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−66106(P2002−66106)