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【発明の名称】 圃場排水促進用土壌改良作業機および土壌改良方法
【発明者】 【氏名】田辺 義男
【住所又は居所】茨城県稲敷郡美浦村大字間野字天神台300 スガノ農機株式会社茨城工場内

【氏名】谷水 幹夫
【住所又は居所】茨城県稲敷郡美浦村大字間野字天神台300 スガノ農機株式会社茨城工場内

【氏名】下村 剛
【住所又は居所】茨城県稲敷郡美浦村大字間野字天神台300 スガノ農機株式会社茨城工場内

【要約】 【課題】圃場の透水、排水を促進することで圃場環境を改良することができる作業機を提供する。

【解決手段】トラクタに装着された作業機フレーム10に搭載されている疎水材の収容タンク20と、掘削体30と、排水管51を巻装したリール50を備える。疎水材の収容タンク20はその内部に回転自在に駆動される攪拌スクリュウ24と、底部に形成された供給口と、シャッタをもち、リール50に巻かれて案内空間に導かれる排水管をもつ。掘削体30は掘削刃と、下端部に取付けたチゼル32をもち、掘削刃の後方には側板により区画されていて、落下供給される疎水材の供給収容空間34をもつ。これに沿ってその前方位置にガイド部があって、これにリール50に巻装された排水管51が通されており、掘削体30を作業進行方向に沿った平面内で下端部が揺動する駆動系とを備え構成した圃場排水促進用土壌改良作業機である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トラクタに装着されて使用される作業機であって、作業機を構成する作業機フレームと、この作業機フレームはこれに搭載されている疎水材の収容タンクと、作業機フレームに対して上端部が枢着されている掘削体と、この作業機フレームに搭載されていて排水管を巻装したリールと、を備え、前記疎水材の収容タンクはその内部に回転自在に駆動される装備されている攪拌スクリュウと、この疎水材の収容タンク底部に形成された供給口と、この供給口に開閉自在に施されているシャッタをもち、リールに巻かれて案内空間に導かれる排水管をもち、前記掘削体は前縁が掘削機能をもった掘削刃と、下端部に取付けたチゼルをもち、掘削刃の後方には側板により区画されていて、落下供給される疎水材を案内する案内空間をもち、この案内空間に沿ってその前方位置にガイド部があって、これに前記リールに巻装された排水管が通されており、前記掘削体を作業進行方向に沿った平面内で下端部が揺動する駆動系とを備え構成したことを特徴とする圃場排水促進用土壌改良作業機。
【請求項2】 前記収容タンクはその底面が前記攪拌スクリュウの回転軌跡に沿った円筒形の一部の形状をして形成されていることを特徴とする請求項1記載の圃場排水促進用土壌改良作業機。
【請求項3】 前記攪拌スクリュウは捩り方向が左ねじ部と、右ねじ部に回転軸の略中央位置で二分されている構成としたことを特徴とする請求項1、2記載の圃場排水促進用土壌改良作業機。
【請求項4】 前記収容タンクの回転軸は収容タンク端面外の大歯車とこれに噛み合う小歯車によりトルク伝動が行われる構成としたことを特徴とする請求項1、2記載の圃場排水促進用土壌改良作業機。
【請求項5】 収容タンク底部開口部に装着されたシャッタは回転軸を回転中心として回転させることで開口部の開口面積を調整できるように構成したことを特徴とする請求項1,2,3記載の圃場排水促進用土壌改良作業機。
【請求項6】 作業移動できる収容タンク内にロックウールを投入して、これにバインダを加えてロックウールをとき解しながら攪拌し、これを収容タンク底部の開口部から所望の量落下供給しながら、作業移動とともに掘削体による圃場の土壌中に形成した縦長の空間を形成し、その空間底部に排水管を埋設するために底部に位置するように供給しつつ、排水管の上層位置に前述のとき解されたロックウールを充填して土中に疎水材の壁を形成することで圃場排水を促進することで土壌を改良することを特徴とする土壌改良方法。
【請求項7】 バインダとしてセメントを使用することを特徴とする請求6記載の土壌改良方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圃場排水促進用土壌改良作業機ならびに排水を促進することで土壌を改良する方法に関し、さらに詳しくは、水田のような水分の多い圃場や、さらに詳しくは、畑の余剰水分を確実に排水できる圃場とするための圃場排水促進用土壌改良作業機ならびに改良方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知にように、わが国の農業環境は、狭隘な耕地に他品目の農作物を栽培して市場の要求に応えているのが現状であり、加えて高温多湿の気象環境からも圃場の管理に幾多の問題を内包している。例えば、長年の耕作により農地の多くは連作障害の嫌いを含み、また、圃場の排水機能も長年の耕作により不透水層である硬化層が形成されて余剰水の処理に問題を含んでいる。圃場における排水の促進には硬化層を破砕し、表面から下の余剰水を硬化層以下の深い位置に導き、さらには、その余剰水を明渠などに積極的導き,圃場の土壌を乾燥状態に保持することが行われている。このために、従来圃場に暗渠を形成して土壌中の水分を暗渠を通じて排水することが図られており、この暗渠形成には圃場の深い位置に籾殻などの疎水材による透水性に富んだ層を形成し、あるいは排水管を埋設することで排水作用を促進している。代表的な例としては、本出願人が先に提案した主として籾殻による排水層を形成するばかりか、暗渠構成部材である排水管を同時に埋設するもの(特開2000−125603号)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の排水対策では籾殻などの疎水材が大量に必要であり、また、圃場に大型のトラクタや作業機を乗り入れた場合、耕耘深さによっては疎水材層の部分を破壊して籾殻などの疎水材を表面に掘り出したりすることがある。最近では籾殻の不足から輸入を余儀なくされているのも事実である。また後者は圃場の深い位置に配水管を埋設する作業に多大の労力を必要とし、さらには、一旦圃場を掘り下げる関係から土壌を撹乱してしまい圃場構造を破壊する問題があり、また、永年の圃場利用が原因して土が圧縮作用を受けて排水管が目詰まりなどの障害を受けて敷設に多くの労力を要した割には比較的短い期間でその機能を果たせなくなることが問題視されている。
【0004】そこで、籾殻以外の疎水材に着目して火山礫や、木材チップなどの使用が試みられている。しかし、上述の作業機によりこれらの疎水材を確実に硬化層以下の空間に供するにはこれまた困難な問題があり、具体的には疎水材収容タンク内において目詰まり状態になり安定して疎水材の供給ができないなどの問題があった。
【0005】例えば、籾殻の場合ホッパ型の籾殻収納タンクは底部がロート状になっていて傾斜した底面を利用して籾殻がすべり落ちるように改良が施されてはいるが、底面の最も低い位置にスクリュウコンベアが配置されているがこのスクリュウコンベアの外周部分に籾殻が連なって(ブリッジ状態といわれている)恰もスクリュウコンベアの部分のみが空間となり、籾殻を移送することなくただ空転する状態に陥ることがある。
【0006】また、火山礫を疎水材として充填する際には粒の大きさが一定していないことが原因して大きな塊状の礫には送り作用が働かなくなり。所期の目的を果たすことができない問題があった。
【0007】また、木材チップの場合には、長さに問題があってスクリュウコンベアのピッチ以上に長いものが存在するとこれまた送り作用が加わらずホッパ型の底部において目詰まりが生じる問題があった。
【0008】また、それ以上に問題な点は、前記疎水材は火山礫を除いて有限材料であって、籾殻同様に輸入などの手立てが必要になることが予想される。そこで、最近では製鉄産業において溶鉱炉などから発生する高炉スラッグ、いわゆるノロといわれる鉱滓の処分工程において発生する副産物から通称ロックウールと呼ばれているものを得て、これを土壌改良に転用することが提案されている。このロックウールが疎水材として利用することができれば、産業廃棄物に心痛する必要がなくなり大変好ましいことである。
【0009】このロックウールは作物に施されている石灰、苦土と、水稲などの生育に良い影響を与える珪酸質を多く含む無機質材であって、土壌改良には最適なものと云うことができる。また、このロックウールは土壌の内部において水分を吸収することで団粒構造を保持して固化し、粒の内部に連続気泡をもっているので透水性に優れ、しかもこれを永年持続する。
【0010】これらのロックウールを疎水材として用いることを是認できてもこれを圃場内部に供給できる作業となると改めて問題が発生する。前記作業機を用いて圃場の改良作業が円滑に行うことができれば問題は無いのであるが、ロックウールは長い繊維質であって粒状ではないのでスクリュウコンベアによりホッパ内部から圃場の内部に供給することは困難である。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は繊維質のロックウールを粒状に解し、さらに確実に圃場内部に供給することができる作業機を提供することを目的とするもので、上述の目的を達成するために、トラクタに装着されて使用される作業機であって、作業機を構成する作業機フレームと、この作業機フレームはこれに搭載されている疎水材の収容タンクと、作業機フレームに対して上端部が枢着されている掘削体と、この作業機フレームに搭載されていて排水管を巻装したリールと、を備え、前記疎水材の収容タンクはその内部に回転自在に駆動される装備されている攪拌スクリュウと、この疎水材の収容タンク底部に形成された供給口と、この供給口に開閉自在に施されているシャッタをもち、リールに巻かれて案内空間に導かれる排水管をもち、前記掘削体は前縁が掘削機能をもった掘削刃と、下端部に取付けたチゼルをもち、掘削刃の後方には側板により区画されていて、落下供給される疎水材を案内する案内空間をもち、この案内空間に沿ってその前方位置にガイド部があって、これに前記リールに巻装された排水管が通されており、前記掘削体を作業進行方向に沿った平面内で下端部が揺動する駆動系とを備え構成したことを特徴とするものである。これにより、排水促進空間の形成作業と、これに埋設する排水管の埋め込み、さらには、疎水材の供給を一連の作業として行うことができ、しかも、能率的に連続作業として実施できるので圃場改良を確実に短期間で行うことができる。
【0012】また、前記収容タンクはその底面が前記攪拌スクリュウの回転軌跡に沿った円筒形の一部の形状をして形成されていることを特徴とするもので、これにより疎水材の供給、言い換えると、疎水材の落下をが円滑に行うことができ、作業の能率向上に寄与できる。
【0013】また、前記攪拌スクリュウは捩り方向が左ねじ部と、右ねじ部に回転軸の略中央位置で二分されている構成としたことを特徴とするものであるから、疎水材が中央部分で互いにもみ合って確実に解き解されて落下口において目詰まり状態になることがない。
【0014】また、前記収容タンクの回転軸は収容タンク端面外の大径のチェンホィールは小径のチェンホィ−ルとの間のチェンなどにより減速伝達のでトルク伝動が行われる構成としたことを特徴とするものであるから、収容タンク内の負荷の変化に確実に対応することができる。
【0015】また、収容タンク底部開口部に装着されたシャッタは回転軸を回転中心として回転させることで開口部の開口面積を調整できるように構成したことを特徴とするものであるから、疎水材の種類に応じた開口面積の調節を確実に行うことができる。
【0016】また、作業移動できる収容タンク内にロックウールを投入して、これに造粒材を加えてロックウールをとき解しながら攪拌し、これを収容タンク底部の開口部から所望の量落下供給しながら、作業移動とともに掘削体による圃場の土壌中に形成した縦長の空間を形成し、その空間底部に排水管を埋設するために底部に位置するように供給しつつ、排水管の上層位置に前述のとき解されたロックウールを充填して土中に疎水材の壁を形成することで圃場排水を促進することで土壌を改良することを特徴とするものであるから、圃場環境の改良を少ない労力で確実に行うことができる。
【0017】また、バインダとしてセメントを使用することを特徴とするものであるから、排水空間溝内において確実に粒状疎水材を充填することになり排水空間形成が確実になる。
【0018】
【発明の実施態様】以下、本発明の実施態様を添付した図面に沿って説明する。図1において、符号100は圃場排水促進用土壌改良作業機(以下、作業機という)を示し、この作業機100は作業機フレーム10と、この作業機フレーム10に搭載されている疎水材の収容タンク20と、この収容タンク20から疎水材の供給を受けながら圃場の掘削作業を行う掘削体30と、この掘削体30に駆動力を供給する動力源40と、さらには暗渠を形成する排水管を巻いているリール50などにより構成されている。
【0019】次に、各構成部材について詳しく説明を加える。先ず、作業機フレーム100は全体として方形をしたシャシ上のもので、その前端部にトラクタとの装着を行うことができるようにマストフレーム11、さらには、このマストフレーム11に対応してロアリンク装着用のロアリンク装着ピン12があり、トラクタに対して作業機フレーム10を装着することができるようになっている。言い換えると、作業機100全体がトラクタに対して作業する上では一体化された状態になっている。
【0020】そして、この作業機フレーム10には疎水材としてのロックウールWを収容する収容タンク20が搭載されており、この収容タンクは正面視上上縁が開いたV型、あるいは上縁が開いたU型になっているが、底部はいずれにしても部分円を描いた円筒形の一部周面を形成する底面21になっている。この収容タンク20の前面、後面は端面板22、23により閉塞状態になって上面は開かれた容器を形成している。
【0021】これらの端面板22、23間には攪拌スクリュウ24の中心になる回転軸25が架設されており、端面板22、23に設けた軸受22A、23Aにより回転自在に取付けられている。この端面板22においてはその回転軸25の端部25Aは外部に大きく突き出ていて、この端部25Aに大径のチェンホィール25Bが取付けられている。収容タンク20の底面21の曲率は回転軸25を中心とした同心円形の曲率になっていて、攪拌スクリュウ24の正面視上の曲率も回転軸25の中心とした円形を描いて回転するようになっている。前記攪拌スクリュウ24は底面21に接触はしないがこれに接近する直径をもち、外周縁は収容タンク20の両側面部に相当する壁部材に対しても接近状態になっている。
【0022】また、攪拌スクリュウ24には回転軸25を中心として回転させられるもので、これに左右2方向のねじりが与えられていて、収容タンク内部に収容されるロックウールに対して中央に向って送りを与えることができるようになっている。
【0023】また、この攪拌スクリュウ24は帯状の鋼板(通称、帯平鋼と称されるもの)を曲成形したものに全体として捩りを与えて直径の大きいねじ山に沿った形状に形成したもので、回転軸25との間はステーにより連結状態になっており、回転軸25とともに回転できるようになっている。
【0024】そして、攪拌スクリュウ24の直径は底面21の底部近くの一部に存在するものではなく、収容タンク20の深さに比較してやや小さい程度のもので、深さの8割程度の寸法になっていて、前記収容タンク20内では収容されたロックウールが上から下まで攪拌されるようになっている。この攪拌は前記大径のチェンホィール25Aと小径のチェンホィ−ルとの直径比の関係で定められるが、さらには、後述する駆動軸の回転数との関係でその回転速度が決定される。疎水材としてロックウールを用いた場合には比較的低回転数で、ロックウールを上下反転するように攪拌することが望ましい。
【0025】また、収容タンク20で、その底面21の略前記には疎水材としてのロックウールを下方にある後述する掘削体30の供給空間部に落下させることで供給口としての開口部21Aが収容タンクの長さ方向に沿って、略全長にわたって開設されており、この開口部21Aにはこれを開閉できるようにするシャッタ26が施されていて、シャッタ26の開閉運動は底面21の外側において曲面に沿って移動できるようになっている。
【0026】この開閉運動は、前記回転軸25を中心とするボス27から延びるアーム27Aの端部がシャッタ26の内側に固定されていて、ボス27を中心としたアーム27Aと対称的に他のアーム27Bが延びている。このアーム27Bの端部には開閉駆動シリンダ28のロッド28Aの端部が枢着されていて、開閉駆動シリンダ28の伸縮によりシャッタ26を収容タンク20の底面21の曲面に沿った回転運動で開口部21Aを開閉、開度調整を行うことができるようになっている。
【0027】前記回転軸25の端部に取付けられた大径のチェンホィ−ル25Bには後述する動力減からトルク供給を受ける小径のチェンホィ−ル29がチェン29X懸架されていて(図9)、回転軸25を介して攪拌スクリュウ24を回転させる構成になっている。
【0028】次に、掘削体30について説明する。先ず、掘削体30はサブソイラ型のナイフ31の下端部にサクション角をもったチゼル32が取付けられており、このナイフ31は下端部がやや後退した形状で、前縁には掘削刃が形成されており、また後端縁には長さ方向に沿って排水管を通す空間のガイド部33が形成されている。このガイド部33は排水管が円滑に移動できるように十分な空間が形成されており、このガイド部33の後端縁に沿って一対の側板34A、34Aの端縁が間隔を保って固定されて疎水材を収容するとともに収容タンクから落下供給されるロックウールを受け入れる受け入れ口34Xを介して供給空間部34が形成されている。
【0029】この供給空間部34は後面板35によりが閉塞状態になっているが下面は開放口35Xとなって、後面板35の下端部は後方に跳ね上げ状態になって押し付け部35Aになって開放されている。さらに供給空間部34の下端縁は後ろに向って尻上がり状態のなって開放されて開放口35Yを形成している。この開放口35Yの前部は前記排水管のガイド部33に向って曲線を描いて、前記ガイド部33の下端開放口33Xと上下関係を保って共通の開放空間に連続している。
【0030】また、ロックウールWの供給空間部34の前部位置にはロックウールの繰り出しスクリュウ37が上部から下部に向って配置されており、駆動軸37Aの端部に設けてある油圧モータ37Bにより駆動されるようになっている。これによりロックウールWが開放口35Xに向って供給されて排水管の上に積層状態になって充填される。
【0031】この掘削体30を形成するナイフ31、ガイド部33、供給空間部34は一体的になっており、ナイフ31の上端部には前記作業機フレーム10に支持されている枢着軸11に対して作業進行方向を含む垂直な平面内で揺動できるように支持されている。この枢着軸11に支えられたボス部11Aにはアーム36があって、このアーム36の端部において後述のクランクシャフトのコンロッドの端部、言い換えるとスモールエンドが支えていて、最端部は駆動軸41に支持されている軸受38により支持されている。
【0032】前記コンロッド44は動力源40の駆動シャフト41に偏心量eをもつクランクシャフト部42に支持されているビッグエンド43から延びたもので、駆動軸41の回転運動をコンロッド44と、スモールエンド43Aを介して前記アーム36の上下運動、いわゆる首振り運動に変換し、掘削体30を前後方向に揺動させることができるようになっている。
【0033】前記駆動源40はトラクタのTPOからプロペラシャフト、駆動シャフト41により動力供給を受けるもので、クランクシャフト部42に至る途中にクラッチ45、その操作ハンドル46を備えている。
【0034】さらに、前記作業機フレーム11の前方側部には排水管を巻いたリール50が回転自在に支持されており、これに巻いた排水管51は周面に孔が穿たれており、しかも蛇腹状のフレキシブルパイプになっている。この排水管51は前記掘削体30のガイド部33に挿入されて、作業機の移動とともに圃場の深い位置に埋設することができるようになっている。
【0035】作業機フレーム10における前方右側にはステー52により回転自在に支持されているリール50があって、作業機フレーム10の幅より張り出した状態でこのリール50にフレキシブルな排水管51が巻装されていて、端部が固定などにより拘束された状態で作業機が移動すると、排水管51に対して引張力が加わってリール50が回転しながら排水管が解かれるようになっている。
【0036】また、前記作業機フレーム10には作業機の格納状態の際に安定姿勢を保持するスタンド61が着脱自在に取付けられ、作業中にはこれらのスタンド61は取り外されて別途格納される。
【0037】次に、本発明に係る作業機100を用いた作業の実際を方法の説明を兼ねて説明する。先ず作業に疎水材を代表してロックウールWを用いる作業を説明する。このロックウールWは高炉滓などを急速に冷却することで得られた繊維質で粒状のものがバインダとともに押し固められてブロック型の塊状にされて市場に供給されている。
【0038】これを圃場の土内部に供給するのであるが、当然のことながらロックウールを供給するには圃場内部に空間を形成する必要がある。そこで、本発明作業機100があらかじめ掘削形成された溝空間Mに対して掘削体30を位置させてナイフ31、チゼル32を図6に示すような溝壁mに当ててトラクタにより作業開始する。このとき、トラクタからの動力供給を得て掘削体30は前後方向に揺動運動させられながらチゼル32は掘削作用を営みながら前進移動する。
【0039】この掘削体30の揺動運動はクランク部42の偏心回転がコンロッド44を介してアーム36に伝えられて上下運動に変換されることで行われる。この揺動運動によりチゼル32の先端部は掘削対称土壌に対して食い込み、さらには図7に示すようにナイフ31がスリット型の溝Kを圃場に形成する。言い換えると、圃場内部に空間掘削体30が通過した跡に空間である溝Kが形成される。
【0040】掘削体30の通過により形成される溝Kには収容タンク20に予め積載されているロックウールが解されながら充填されるのであるが、収容タンク20に塊状のロックウールが供給されるに際して多少のセメントが加えられる。これはロックウールを粒状化するためであって、収容タンク内の攪拌スクリュウ24の回転により塊が解されながら独立に近い粒状にされる。これが収容タンク20の底面21に形成してある開口部21Aから掘削体30の供給空間34にロックウールが供給される。
【0041】この供給空間30に導かれたロックウールはこの空間の高さ方向に形成された開放口35Xの高さ(深さ)に対応して掘削空間に充填される。言い換えると、図7に示すように圃場の内部に形成される空間、溝K中にロックウールWが充填される。充填されたロックウールWは開放口35Xの後面板35に形成してある押し付け部35Aにより上側から押さえつけることでロックウールの充填密度高めている。
【0042】このとき、掘削体30のガイド空間33からはリール50に巻装されている排水管51が装通されており、その端部は圃場に形成した前記溝Mの外部において固定されている。従って、図6に示すように作業機100の移動に伴い排水管51はリール50が回転することで繰り出されて圃場内部に敷設されることになり、この排水管51の上部空間に前記ロックウールが充填される。即ち、排水促進空間は底部に排水管、その上部の空間にはロックウールが充填されることで形成される。
【0043】前記ロックウールWは収容タンク20において攪拌スクリュウ24の回転によりとき解されて、かつ、バインダとしてセメントが加えられて混合攪拌されて粒状化される。この加えられるセメントの量はロックウールの5%程で、収容タンク20内において、攪拌スクリュウ24はロックウールWをその底部において部分的に攪拌するのではなく、上下に大きく持ち上げては落下させるなどしながら攪拌する。
【0044】さらには、攪拌スクリュウ24には与えられている送り作用は左右のねじ送り作用によりロックウールWが一方向だけでなく、中央部に向って送られることで中央部分に集中移動させられる。これによりロックウールWが互いに衝突する状態になって干渉して、恰も、もまれる状態化におかれロックウールWはとき解され、セメントの作用と相俟って独立した粒状となって掘削体30の供給空間34に落下供給される。
【0045】さらに、収容タンク20の底部21に穿けてある開口部21AからロックウールWを掘削体30の供給空間34中に供給する。このときシャッタ26を回転駆動シリンダ28の伸縮により回転させて開口分21Aの開口面積の調節を行い、ロックウールWの供給量を選択する。ロックウールWの供給収容空間34の内部ではロックウールが落下供給されるとともに、繰り出しスクリュウ37によるロックウールWの繰り出し作用により確実に開放口35Xから供給している。
【0046】また、掘削体30はトラクタからの動力供給により枢着軸11を中心として揺動運動させられ、これによりチゼル32は未作業地に対して掘削作業を行うものである。この作業とともに、排水管の敷設とともに前述のロックウールの供給を行い圃場内部にロックウールWの壁を形成する(図7)。この際に、ロックウールWの上面は掘削体30が形成する空間溝Kの上面より低い位置にあり、ロックウールWは掘削体30の供給収容空間34の後側に設けてある押し付け部34Aにより空間溝Kに充填された後、その上面が押し込まれる状態に加圧されることになって充填空間内ではやや圧縮された状態になっている。
【0047】この作業を繰り返しながら、圃場全体にわたって一定間隔に空間溝Kが形成されるとともに、その内部底部に排水管51を埋設され、さらには、掘削体30により形成された空間溝Kに疎水材としてのロックウールWが密に充填される。これにより圃場内部には排水促進空間が形成される。従って、圃場内部に含まれる余剰水はロックウールWが充填された排水促進空間へと移動させられて排水され、さらにその下部空間に埋設されている排水管へと導かれて、排水管の端部が開放されている明渠へと排出される。
【0048】圃場表面は排水促進空間が形成されている部分は低くなって、表面に凸凹が形成されることになるが、圃場全体の作業が終了後レベラ作業機を用いた作業により均平化される。あるいは均平作業に先立ってプラウ作業を行い反転耕起作業を行ってもよい。
【0049】以上の説明では、疎水材としてロックウールを挙げて説明したが、ロックウールの他に籾殻や、木材チップ、火山礫、さらには、軽焼マグネシアを主成分とする水硬性硬化物と圃場の土を混合したものを用いることができる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかように、本発明の圃場排水促進用土壌改良作業機によれば、掘削体の掘削作業とともに、掘削形成された溝空間に疎水材を充填して排水促進溝を形成するとともに、この排水促進溝の底部に排水管を敷設してその端部を明渠などに開放して圃場の構造改善を行うことができ、これらの作業を機械的に労力負担少なく行うことができる。
【0051】また、作業機における疎水材の収容タンクはその底面が前記攪拌スクリュウの回転軌跡に沿った円筒形の一部の形状をして形成されていることを特徴とするものであるから、攪拌スクリュウの回転領域を大きくすることができ、これ如理、ロックウールなどの繊維質のものを確実に粒状化でき溝空間中に確実に供給することができる。
【0052】また、前記攪拌スクリュウは捩り方向が左ねじ部と、右ねじ部に回転軸の略中央位置で二分されている構成としたことを特徴とするものであるから、疎水材の粉砕、攪拌を確実に行うことができる。
【0053】また、収容タンクの回転軸は収容タンク端面外の大径の歯車とこれに噛み合うピニオンによりトルク伝動が行われる構成としたから、攪拌スクリュウの回転トルクを大きくすることでき、疎水材の粉砕攪拌を能率よく行うことができる。
【0054】また、収容タンク底部開口部に装着されたシャッタは回転軸を回転中心として同心円に沿って回転させることで開口部の開口面積を調整できるように構成したので、疎水材の物性に合わせた供給量調節を容易にすることができる。
【出願人】 【識別番号】391057937
【氏名又は名称】スガノ農機株式会社
【住所又は居所】北海道空知郡上富良野町西2線北25号
【出願日】 平成14年2月4日(2002.2.4)
【代理人】 【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
【公開番号】 特開2003−225018(P2003−225018A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−26750(P2002−26750)