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【発明の名称】 支持棒加工装置および支持棒加工方法
【発明者】 【氏名】木下 明
【住所又は居所】大阪府泉佐野市土丸1912番地 ハイトカルチャ株式会社内

【要約】 【課題】加工初期だけでなく、加工終期においても支持棒の外周面に突部を均等のピッチで形成できる支持棒加工装置および支持棒加工方法を提供することにある。

【解決手段】回転ドラム20を相互に連結するかさ歯車23を設け、前記かさ歯車23を介して回転ドラム20を連動して回動するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外周面に均等のピッチで切り欠き部を形成した複数の型歯車を均等角度で放射状に配置するとともに、隣り合う前記型歯車を連結手段を介して相互に回動可能に連結し、前記連結手段を介して前記型歯車を連動して回動させることにより、前記型歯車の対向する外周面間に挿入した支持棒の表面に、前記型歯車の外周面を押し付けて突部を形成する支持棒加工装置。
【請求項2】 連結手段が、かさ歯車であることを特徴とする請求項1に記載の支持棒加工装置。
【請求項3】 芯棒の表面を合成樹脂材で被覆した後、前記合成樹脂材の硬化完了前に、外周面に切り欠き部を均等のピッチで形成し、かつ、連結手段を介して連動して回動する複数の型歯車を、前記合成樹脂材の表面に押し付けることにより、前記芯棒の表面に突部を均等のピッチで形成したことを特徴とする支持棒加工方法。
【請求項4】 合成樹脂材からなり、かつ、型歯車を押し付けられる複数列の突条を、芯棒の表面に長さ方向に沿って設けたことを特徴とする請求項3に記載の支持棒加工方法。
【請求項5】 芯棒が、複数本のパイプを略同一直径を有する合成樹脂材で同一軸心上に連結一体化したものであることを特徴とする請求項3または4に記載の支持棒加工方法。
【請求項6】 均等のピッチで突部を形成した後、パイプを連結一体化する合成樹脂材を切断して切り離すことを特徴とする請求項5に記載の支持棒加工方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は支持棒加工装置、特に、苗木及び林地植栽木の育成時、成長を促進させるとともに、鹿、兎、鼠等の動物による食害を防止するため、苗木に被せて使用する多角形状のツリープロテクタを支持する支持棒の加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、前記ツリープロテクタを支持する支持棒としては、例えば、図4(特開2001−045955号公報)に示すように、土中に打ち込んだ支持棒30で締付具8を介してツリープロテクタ1を支持している。そして、時間の経過につれて生じる緩みや冬期の積雪荷重によって締付具8が下方側にズレ落ちないようにするため、支持棒30の外周面に係止用突部を長さ方向に沿って所定のピッチで形成することが提案されている。
【0003】特に、前記突部は、組立ての便宜および締結具のズレ落ち防止を考慮し、支持棒30の円周に沿って隣り合うように均等のピッチで形成することが好ましい。このため、例えば、芯棒の表面を合成樹脂材で被覆した後、前記合成樹脂材の硬化完了前に、外周面に切り欠き部を均等のピッチで形成した複数の型歯車を、前記合成樹脂材の表面に押し付けることにより、長さ方向に沿って複数列の突部を所定のピッチで形成することが考えられている。
【0004】しかしながら、4個の前記型歯車を独立して回転させると、前記型歯車の寸法誤差,組立誤差等の集積により、突部の形成終期において形成された突部に位置ズレが生じる。このため、支持棒の加工初期において円周に沿って突部を隣り合うように形成できても、加工終期においては突部を円周に沿って隣り合う位置に形成できず、突部が揃わない。この結果、締付具を所望の位置に正確、かつ、強固に固定できず、ズレ落ちやすいという問題点がある。
【0005】本発明は、前記問題点に鑑み、加工初期だけでなく、加工終期においても支持棒の外周面に均等のピッチで突部を形成できる支持棒加工装置および支持棒加工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる支持棒加工装置は、前記目的を達成すべく、外周面に均等のピッチで切り欠き部を形成した複数の型歯車を均等角度で放射状に配置するとともに、隣り合う前記型歯車を連結手段を介して相互に回動可能に連結し、前記連結手段を介して前記型歯車を連動して回動させることにより、前記型歯車の対向する外周面間に挿入した支持棒の表面に、前記型歯車の外周面を押し付けて突部を形成する構成としてある。特に、前記連結手段は、かさ歯車であってもよい。
【0007】本発明にかかる支持棒加工装置によれば、複数の型歯車が、かさ歯車等からなる連結手段を介して連動して回転するとともに、支持棒の表面に押し付けられるので、常に均等のピッチで突部が支持棒の表面に形成される。このため、締結具を所望の位置に正確、かつ、強固に固定でき、締結具のズレ落ちを確実に防止できる。
【0008】本発明にかかる支持棒加工方法は、前記目的を達成すべく、芯棒の表面を合成樹脂材で被覆した後、前記合成樹脂材の硬化完了前に、外周面に切り欠き部を均等のピッチで形成し、かつ、連結手段を介して連動して回動する複数の型歯車を、前記合成樹脂材の表面に押し付けることにより、前記芯棒の表面に突部を均等のピッチで形成する工程からなる。本発明によれば、連結手段を介し、複数の型歯車が連動して回転するので、支持棒の表面に突部を常に均等のピッチで形成できる。このため、前述の効果と同様、締結具を所望の位置に正確、かつ、強固に固定でき、締結具のズレ落ちを確実に防止できる。
【0009】前記芯棒の表面には、合成樹脂材からなり、かつ、型歯車を押し付けられる複数列の突条を長さ方向に沿って設けてもよい。本実施形態によれば、突条を部分的に押し付けることにより、高さ寸法の大きい突部を均等のピッチで形成できる。
【0010】また、前記芯棒は、複数本のパイプを略同一直径を有する合成樹脂材で同一軸心上に連結一体化したものであってもよく、そして、均等のピッチで突部を形成した後、前記パイプを連結一体化する前記合成樹脂材を切断して切り離してもよい。本実施形態によれば、複数本の支持棒に突部を均等のピッチで連続的に形成でき、生産性の高い支持棒加工方法が得られる。さらに、円筒形パイプを連結一体化する合成樹脂材で円筒形パイプを連結一体化するだけでなく、その両端開口部を閉鎖できるという効果がある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明にかかる支持棒加工装置の実施形態を図1ないし図3の添付図面に従って説明する。本実施形態にかかる支持棒加工装置10は、略正方形のフレーム枠10内に支持ベース11およびボルト12を介して4個の回転ドラム20を組み合わせて構成されている。
【0012】前記回転ドラム20は、図2に示すように、一端縁部にテーパ面21aを形成した一対のドラム21,21で、外周面に均等のピッチで切り欠き部22aを形成した型歯車22を挟持して構成されている。そして、前記ドラム21の一端面にはかさ歯車23を同一軸心上に配置してある。一方、前記型歯車22の外周面22bは支持棒30が脱落しないように湾曲している。ただし、図1に示すように、4個の回転ドラム20のうち、中央上方に位置する回転ドラム20は、被加工物である支持棒30の位置ズレをより一層確実に防止するため、型歯車22がテーパを備えた一対のガイドプレート24,24で挟持されている。
【0013】前記回転ドラム20は、前記フレーム10に支持ベース11およびボルト12を介して回転可能に支持されているとともに、上下端部に設けたかさ歯車23を相互に噛合するように組み付けてある。特に、各回転ドラム20はかさ歯車23で相互に連結されているので、各回転ドラム20が連動して回動し、支持棒30の表面に突部33が均等のピッチで形成される。このため、加工初期から加工終期の間においても突部33が均等のピッチで形成されるので、各突部33は常に円周に沿って隣り合う位置に形成され、使い勝手の良い支持棒30を製造できるという利点がある。
【0014】次に、本実施形態にかかる支持棒加工装置10による支持棒30の製造方法について説明する。まず、支持棒30の芯棒31は、巻き取られているテープ状鋼材に曲げ加工を施して連続パイプを形成した後、規定長さに切断して得られる。そして、規定長さに切断された前記パイプを、対向する切断面間に配置した略同一直径の合成樹脂材で開口部を封止するとともに、同一軸心に連結一体化する。ついで、連結一体化した前記芯棒31の表面を、合成樹脂材32で均一に被覆するとともに、型歯車22を押し付ける位置に長さ方向に沿って4本の突条(図示せず)を形成する。なお、使用される合成樹脂材32としては、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン,塩化ビニール等が挙げられる。
【0015】ついで、表面を合成樹脂材32で被覆した芯棒31を支持棒加工装置10の中心に挿入する。前記支持棒30の合成樹脂材32は完全に硬化しておらず、柔らかい。このため、回転ドラム20の型歯車22を合成樹脂材32で形成した前記突条に押し付けると、型歯車22の切り欠き部22aに前記合成樹脂材32の突条が食い込み、突部33を均等のピッチで4個ずつ形成する。特に、本実施形態にかかる4個の型歯車22はかさ歯車23を介して連動して回転しながら突部33を形成する。このため、加工初期から加工終期の間において突部33を均等のピッチで形成でき、円周に沿って常に隣り合う突部33を形成できるという利点がある。
【0016】そして、切断されたパイプを連結する合成樹脂材を切断して支持棒30を1本ずつ切り出した後、その一端部を地面に打ち込みやすくなるように鋭く切削する一方、他端部に金属製キャップ34を被せることにより、支持棒30が完成する。
【0017】次に、本実施形態の使用方法について説明する。本実施形態では、図3に示すように、ツリープロテクタ1を締結具9を介して支持棒30で支持する場合である。
【0018】前記ツリープロテクタ1は、従来と同様、6つの側面を備えた正六角形状の筒体形状を有する。特に、前記ツリープロテクタ1は、ロール状に巻かれた透明または半透明の樹脂シートに切込部を設け、折り曲げて形成される。使用する樹脂シートとしては、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等の材料に紫外線吸収剤を添加することにより、紫外線をカットし、ツリープロテクタ1の劣化防止を図るようにしたものを使用することが好ましい。
【0019】前記ツリープロテクタ1には、上端部、下端部および中間部に上端保持具2、下端保持具3および中間保持具4がそれぞれ嵌合されている。前記保持具2,3,4には、側方に突出する取付部5が設けられている。前記取付部5には、後述する支持棒30に固定する際に使用する締付具8の挿通孔6が設けられている。特に、前記上端保持具2は、その上部に外向きに広がる拡開部2aが設けられている。一方、前記下端保持具3は、その下端部に地面に差し込むためのノコギリ刃状の差込部3aを形成してある。
【0020】そして、正六角形の筒体としたツリープロテクター1の一端から中間保持具4を挿入して所定の位置に適宜スライド移動させた後、その上下端部に上端保持具2および下端保持具3をそれぞれ嵌め込む。本実施形態では、前記保持具2,3,4を利用しているため、正六角形の組立状態を確実に保持できる。
【0021】次に、前述のように組み立てたツリープロテクタ1を苗木9に上方から被せ、この苗木9の外周を包囲させる。この際、下端保持具3の差込部3aを地面に差し込んでツリープロテクタ1を固定するとともに、地面との間に隙間が生じるのを防止する。
【0022】ついで、ツリープロテクタ1近傍の地面に支持棒30を打ち込んで立設する。その後、締付具8を用いて各保持具2,3,4の取付部5と支持棒30とを連結して固定する。ここで、前記締付具8は可撓性を有し、係止溝が刻設されたバンド部の一端に係止部が一体成形された周知のものである。そして、前記固定作業の際には、前記バンド部を取付部5の挿通孔6に挿通させた後、支持棒30の外周に巻き付けて係止する。前記締付具8による支持棒30への固定は、各保持具2,3,4に多数の取付部5が設けられている。一方、支持棒30に多数の突部33が円周に沿って隣り合うように形成されているので、支持棒30とツリープロテクター1とを正確、かつ、強固に取り付けることができ、作業性に優れている。
【0023】このようにして取り付けたツリープロテクタ1は、従来と同様、鹿、兎、鼠等が苗木9の新芽、葉あるいは茎等を食べるという食害を防止する。そして、半透明で形成しているため、照射される光を散乱光として苗木9が加熱され過ぎないようにし、苗木9から発生した炭酸ガスを内部に蓄積する。これにより、苗木9にとって良好な保温及び保湿状態が得られる。さらに、活発な炭酸同化作用により、成長を促進させるという作用、効果を与える。
【0024】また、冬場になって雪が降り積もると、ツリープロテクタ1には、従来と同様に上部に積もった雪の積雪圧が加わる。しかし、本実施形態では、ツリープロテクタ1に上端保持具2、下端保持具3、および、複数の中間保持具4を配設している。このため、水平方向の強度が強くなり、積雪圧による変形を抑制することができる。この結果、ツリープロテクタ1が使用不可能な状態になることを防止できるうえ、内部の苗木9が損傷することもない。
【0025】さらに、本実施形態によれば、土中に打ち込んだ支持棒30で締付具8を介してツリープロテクタ1を支持すると、前記突部33に締結具8が係止することにより、位置ズレが生じない。このため、時間の経過に伴う緩みや、冬期の積雪荷重によっても前記締結具8のズレ落ちがなく、所望の位置でツリープロテクタ1を締結具8を介して支持棒30に正確、かつ、強固に支持でき、使い勝手のよい支持棒30が得られるという利点がある。
【0026】前述の実施形態では、外周面に隣り合う突部33を均等のピッチで4列形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限らず、例えば、外周面の対向する位置に突部を2列設けてもよい。この場合には、前述の実施形態にかかる4個の回転ドラムのうち、対向する2個の回転ドラムを単なるドラムとすればよい。
【0027】また、外周面の同一高さ位置に均等の角度で突部を3列設ける場合には、かさば歯車の角度を異ならしめて3個の回転ドラムを連動して回転するように構成してもよい。なお、前記パイプは円筒形に限らず、例えば、三角形、方形、六角形等であってもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、かさ歯車等からなる連結手段を介して回転ドラムが回転し、各歯車が連動して支持棒の表面に押し付けられる。このため、突条のピッチに集積誤差が生ぜず、支持棒の円周に沿って常に隣り合う突部を形成できるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】594161884
【氏名又は名称】ハイトカルチャ株式会社
【住所又は居所】大阪府泉佐野市土丸1912番地
【出願日】 平成14年1月28日(2002.1.28)
【代理人】 【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外4名)
【公開番号】 特開2003−219740(P2003−219740A)
【公開日】 平成15年8月5日(2003.8.5)
【出願番号】 特願2002−18635(P2002−18635)