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【発明の名称】 果実の袋掛け器
【発明者】 【氏名】服部 貴應

【要約】 【課題】果実の袋掛けの紙袋は何処でも低価格で入手でき、自然材料の糸で縛って使用後の廃棄はそのまま腐食できるよう考慮し、袋掛け器は自動で袋の口開け、果実挿入後の袋閉じ、糸の巻きつけ、糸切断及び縛りを確実に行なえる道具の開発。

【解決手段】軽量であって、自動で袋の開閉、糸巻き付け、糸切断を素早く行なうため乾電池または充電式の電池によるモーター駆動で、全ての動作を制御するコンピュータを内蔵するのが最適である。糸縛りは沢山の果実を袋掛けするのに十分な長さの糸を保持するボビンを持っていて、糸を縛る方法は巻きつけた糸の束の内側を通して切断した糸の端を引っ張り締め付けるのが、果実の軸と袋の隙間をなくす最良の方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 果樹の枝についた果実をそのまま紙袋内に挿入し、袋掛けする自動袋掛け器において、袋の口開け、果実挿入後の袋の口閉じ、糸縛りを自動で行なうことを特徴とする果実の袋掛け器。
【請求項2】 前記袋の口開け、袋の口閉じ、糸縛りを全てコンピュータ制御によって実施することを特徴とする請求項1に記載の果実の袋掛け器。
【請求項3】 前記糸縛りの糸は自然材料を使うことを特徴とする請求項1に記載の果実の袋掛け器。
【請求項4】 前記糸縛りは、果実の軸と閉じた袋を隙間無く巻き付けることを特徴とする請求項1に記載の果実の袋掛け器。
【請求項5】 前記糸縛りは、果実の軸と閉じた袋の周りを糸ボビンが回りながら巻き付けることを特徴とする請求項1に記載の果実の袋掛け器。
【請求項6】 前記糸縛りは、果実の軸と閉じた袋の周りを糸ボビンが巻き付けを完了した時に、巻初めの位置にボビンが戻ることを特徴とする請求項1に記載の果実の袋掛け器。
【請求項7】 前記糸縛りは、果実の軸と閉じた袋の周りを糸ボビンが回りながら巻き付けを完了した後に切断し、糸の端を巻きつけた糸の束の内側を通して引っ張ることによって縛りを完成することを特徴とする請求項1に記載の果実の袋掛け器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】果実の防虫防疫のために用いる袋掛け器に関する。
【0002】
【従来の技術】最も古くから行なわれ、現在も最も多く行なわれているのは全て手作業により袋掛けされ、果実栽培の労力を必要としている部分である。しかるに手作業に置き換わる機械、装置の開発は進まず、作業の合理化は殆ど為されていない。又、果実の収穫時に袋を取り除いて出荷するとき、袋そのもの、袋の口を縛った糸、針金等を選別して処理しなければならず現在手作業で行われている。袋と糸が自然材料によって構成されていれば後処理の手間は省かれる。
【0003】各種のアイデアから合理化のための装置開発内容をこの点から見てみると、袋自体に針金を取付け、果実を袋に挿入した後この針金で縛り付ける方法を提案している特開平11−103698、特開平9−275825、果実を袋に挿入した後ホッチキスで止めることで密封すると書かれた特開平9−7499が出されており、いずれも金属の封止を基本としている。前述のように収穫時に袋と留金の針金やホッチキスを選別して廃棄物の処理しなければならない点が解決されていない。
【0004】これら留金は約半年にわたる風雨に曝されて腐食せず、封止機能を満足することが要求されるために、袋と共に廃棄しても金属のみ腐食せず残り前述の廃棄物処理の手間が必要で、作業をする農家に不評である。なお袋にあらかじめ針金を取付けた袋はコスト面でも高くなり望ましくない。袋自身は極普通の紙であって、縛った糸と共にそのまま畑で腐食し土に返すことが容易で袋の縛りに金属を使わない自動袋掛け器が希望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】紙袋は何処でも低価格で入手できる。自然材料の糸で縛ることができ、しかも自動で袋の口開け、果実挿入後の袋閉じ、糸の巻きつけ、糸切断を確実に行なえる道具の開発が必要である。
【0006】
【課題を解決するための手段】この様な条件を満足する袋掛け器は、沢山の果実を袋掛けするために軽量であって、自動で袋の開閉、糸巻き付け、糸切断を素早く行なうことが重要で、乾電池または充電式の電池によるモーター駆動が最適である。次にこれらの駆動を確実に順序良く実行するためにコンピュータを内蔵することが都合良い。
【0007】糸縛りは沢山の果実を袋掛けするのに十分な長さの糸を保持するボビンを持っていることと、交換を容易にできるボビンの取付け方法が考慮されていること。糸巻きつけの終わりは、ボビンが定位置である次の巻きつけ開始位置に戻り、糸を切断する。糸を縛る方法は巻きつけた糸の束の内側を通して切断した糸の端を引っ張り締め付けるのが、果実の軸と袋の隙間をなくす最良の方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下の図は前述の最良の方法を実現した果実の袋掛け器の構成と動作を図によって説明する。図1は口を広げた紙袋に果実1を挿入するところを想定し、紙袋を広げた状態の本発明果実の袋掛け器2を示し、図2、図3は紙袋5を広げる過程を上から見て示したものである。図2の右側には果実を収納する部分のメカニズム位置の断面を表し、図の左を上にして開袋部9(図5に構造を示す)、次に縛り部8、最も下が袋の口の絞り部10である。
【0009】図4は紙袋の口を広げるための爪の位置6、7と定位置から袋の口の部分への動きを横から見たところを示し、図5はこの部分の構造全体9である。爪7を袋の周辺に沿って移動させるガイド14と駆動部11、12、13を示し、140度と示した角度は凡その目安と考えて良い。図6は開袋部9の横から見た動きの軌跡15を示し、右に上下動をする部分のメカニズムを示した。
【0010】果実を挿入後袋の絞り込みを図7に示す。縛り部8の下側についた絞りの爪11は鎌のような板で構成され、中央に押し出しながら左右から中央に向かって動き、袋の首となる部分、即ち果実の入った袋の口の部分を果実の軸を中心に絞る。この時開袋部9は元の位置に戻って本体内に収納される。
【0011】図8は袋の絞込みが完了した後、開袋部9と絞りの爪11の間に有る縛り部8が絞った袋5の首を中心にして動いた状態を示し、その縛り部8の構造を図9、図10、図11に示すが夫々が一体となっている。縛り部8の動作を説明すると、袋の周りを回転してボビン19の糸を巻き付けるために図9のフレームに逆T字型の断面の溝16を同心円に構成し、ボビン付きリング17が容易に回転できるガイドとなっている。ボビン付きリング17の裏側には図11の歯車22がモーター20に取付けられた小歯車21と組み合わさり、ボビン19が果物の軸の周りを回転する。糸を軸に巻き付けるこの回転は、後述する糸の切断、次の巻きつけを容易にするため定位置で停止する必要があり、一定回数巻き終わると歯車の下側に固定ピン24が動作して最初の位置に戻る。
【0012】図12、図13は糸縛りの構成で27、28は糸を巻き付ける時に果実の軸1及び袋の絞った部分5と一緒に巻きつける糸抜き軸27、28でともに先端に糸を引掛け止める爪26を持ち、27は糸を巻きつけた後果実側(下側)へ移動し28は反対側(上側)へ移動する。この時糸引掛け26には糸の先端がくわえられていて夫々が上下に動くことによって、糸の先端は糸の束の中を潜り抜けるようになり、更に先端を引っ張れば糸の全体が締め付けられることになる。即ち糸縛りが完成することになる。当然のことながら引掛け26の糸を保持する力は糸を縛る力となるために糸を切断した後も強力に糸をくわえている必要がある。
【0013】図12は果物の軸と絞った袋の口に糸を巻き付ける寸法を示した。糸を巻く幅29は約5mm程度となる。糸の先端は27の糸引掛けにあるとすれば巻終わりの糸処理は28の糸引掛につけた後図14の30で糸を切り、27、28ともに夫々上下に動かして糸縛りを行なう。完了した状態が図15のようになる。
【0014】
【発明の効果】本発明の果実の袋掛け器は極普通の紙袋と自然材料の糸を用いたものである。紙袋は何処でも低価格で入手でき自然材料の糸も容易に入手できる。また自動で袋の口開け、果実挿入後の袋閉じ、糸の巻きつけ、糸切断を確実に行なえる道具の開発ができた。袋掛けの労力の軽減と、収穫時の袋と糸による縛りの採用で廃棄処理材料の選別を必要とせず、袋と糸は畑で腐食し土に返すことができ自然環境に対して負担を掛けないことを考慮したものである。
【出願人】 【識別番号】591051852
【氏名又は名称】株式会社エヌエステイー
【出願日】 平成13年11月14日(2001.11.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−219739(P2003−219739A)
【公開日】 平成15年8月5日(2003.8.5)
【出願番号】 特願2001−348761(P2001−348761)