| 【発明の名称】 |
薄層緑化設備用仕切材及びそれを用いた薄層緑化設備 |
| 【発明者】 |
【氏名】金坂 聖于
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| 【要約】 |
【課題】排水性能を十分に確保して、薄層緑化設備の耐久性を向上可能な薄層緑化設備用仕切材及びそれを用いた薄層緑化設備を提供する。
【解決手段】建築物に設置した薄層緑化積層体の側縁に沿って配置される薄層緑化設備用仕切材10であって、建築物に対する固定部11と、薄層緑化積層体の外側面に沿って配置される板状の仕切部12とを有し、仕切部12の下部にその略全長にわたって、複数の排水孔15を打抜金網状に形成してなる排水部16を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建築物に設置した薄層緑化積層体の側縁に沿って配置される薄層緑化設備用仕切材であって、前記建築物に対する固定部と、薄層緑化積層体の外側面に沿って配置される板状の仕切部とを有し、前記仕切部の下部にその略全長にわたって、複数の排水孔を打抜金網状に形成してなる排水部を設けた、ことを特徴とする薄層緑化設備用仕切材。 【請求項2】 前記排水部を薄層緑化積層体に積層される遮根シートに対面する位置よりも下側にのみ形成した請求項1記載の薄層緑化設備用仕切材。 【請求項3】 前記仕切部の単位長さ当たりの排水孔の総開口面積を12000〜30000mm2/mに設定した請求項1又は2記載の薄層緑化設備用仕切材。 【請求項4】 前記固定部を仕切部の下端から側方へ略水平に延ばして、その上に薄層緑化積層体の側縁部を設置可能となし、薄層緑化積層体の下部に配置される排水材の側端位置を位置規制するための位置決め部を、仕切部から一定距離隔てた位置において固定部に、固定部の長さ方向に間隔をあけて立起可能に複数形成した請求項1〜3のいずれか1項記載の薄層緑化設備用仕切材。 【請求項5】 建築物に敷設した防水シートと、前記防水シート上に設置した薄層緑化積層体と、前記薄層緑化積層体の側縁に沿って設けた請求項1〜4のいずれか1項記載の薄層緑化設備用仕切材と、を備えたことを特徴とする薄層緑化設備。 【請求項6】 前記仕切材として位置決め部を立起させた請求項4記載の仕切材を用い、位置決め部に排水材の側縁を当接させて薄層緑化積層体を設置し、薄層緑化積層体の排水材と仕切部間に一定幅の排水溝を形成した請求項5記載の薄層緑化設備。 【請求項7】 前記仕切材を直列状に連結する連結手段であって、薄層緑化積層体との対面側において、隣接する仕切材の仕切部と固定部とにわたって密接配置され、仕切材の排水孔に対応させて排水孔を形成してなる連結板と、連結板を両仕切材の仕切部にそれぞれ固定するボルトとを有する連結手段を設けた請求項5又は6記載の薄層緑化設備。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、薄層緑化積層体の側縁に沿って設けられる薄層緑化設備用仕切材及びそれを用いた薄層緑化設備に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、温暖化等に対する都市環境の改善を目的として、ビルやマンション等の屋上や家屋における屋根上のスペースを有効活用して設置可能な屋上緑化設備が普及しつつある。このような屋上緑化設備としては、屋上庭園タイプと薄層緑化タイプが実用化されており、特に薄層緑化タイプの屋上緑化設備(以下、薄層緑化設備と称する。)は、屋上庭園タイプの屋上緑化設備と比較して格段に軽量で、既設の建築物に対しても容易に適用できること、排水性を良好に維持できるとともに建築物の屋上表面の温度変化を抑制できるので、建築物の耐久性を向上できること、建築物の遮温性と保温性が高くなり光熱費を低減できること、などの優れた利点を有することから注目されている。 【0003】前記薄層緑化設備としては、建築物に防水シートを敷設し、その上に排水マットと遮根シートと植生マットとを下側から順番に積層してなる薄層緑化積層体を設置したものが実用化されている。そして、植生マットとして、耐乾性に優れたセダム類を中心とした植生を薄い培土に植え付けてマット状にしたものを用いることで、薄層緑化積層体に対する保水量を低く設定可能となし、薄層緑化積層体の重量を軽減するとともに、温度変化の低減と紫外線の遮断による建築物の耐久性の低下を防止できるように構成されている。 【0004】また、前記薄層緑化設備において、薄層緑化積層体の側縁に沿って配置される仕切材として、例えば特開2001−190152号公報には、薄層緑化積層体と建築物間に配置される固定部と、固定部の側縁から上方へ延びて薄層緑化積層体の外側面に沿って配置される板状の仕切部と有し、帯板をその途中部において略L字状に折曲してなる仕切材が提案されている。また、この公報に記載には、仕切材の固定方法として、天井スラブに対してボルトを打ち込んで仕切材を固定する方法が記載されるとともに、降雨水の排水孔として、仕切部の下端部に長さ方向に間隔をあけて形成した角穴状の排水孔が記載されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前記薄層緑化設備は、ここ2〜3年前の比較的最近になって注目された緑化設備であることから、その構成について、まだ十分な検討がなされていない。例えば、降雨水の排水に関して、本出願人は次のような問題を有することを見出した。 【0006】この薄層緑化設備では、耐乾性に優れたセダム類を中心とした植生を用いることから、排水性を良好にできるという利点を有しているが、前記公報に記載の仕切材のように間隔をあけて排水孔を形成すると、排水マットにおける水平方向への排水抵抗により、図9に示す薄層緑化設備100のように、隣接する排水孔101間において薄層緑化設備100の外縁付近のハッチングで示す領域102に、降雨水の滞留し易い部分が発生する。そして、降雨水が多くなると、該領域102に滞留する降雨水が仕切材103を乗り越えて外部に溢れ出し、この越流水とともに植生マットの培土が外部に流失して、引いては植生が枯れるという致命的な問題に発展することがあった。 【0007】また、薄層緑化設備の中央部においても、前述のように仕切材における排水が円滑になされないことから、降雨水の水位が上昇し易くなり、植生マット内にまで溢れた降雨水の流れとともに培土が薄層緑化設備の外縁側へ移動し、培土の少ない領域が発生する。特に、培土として水よりも軽い軽量土壌を使用すると、植生マット内に溢れた降雨水の流れによる培土の移動が促進され、しかも植生の上部側へ培土が移動して、風により飛ばされ易くなることから、培土の移動や流失の問題がさらに助長される。 【0008】また、前記公報に記載の仕切材では、スラブに対して仕切材をボルトで固定する関係上、防水シートにボルトの挿通孔が形成され、該部分から降雨水がスラブと防水シート間に流れ込んだり、ボルトとスラブ間の隙間を通ってスラブに染み込み、建築物に悪影響を及ぼすという問題もある。 【0009】更に、薄層緑化設備で使用されている仕切材は、前記公報に記載の仕切材のように建築物に対して個別に固定しているが、相互に連結しないのが一般的である関係上、前述のようなボルトを用いないで仕切材を固定する場合、即ち接着剤等で仕切材を固定する場合には、建築物に対する十分な取付強度を確保することが困難になり、強風等で仕切材が吹き飛ばされることも考えられる。 【0010】本発明の目的は、排水材の特性を踏まえた排水構造を採用することで、排水性能を十分に確保して、薄層緑化設備の耐久性を向上可能な薄層緑化設備用仕切材及びそれを用いた薄層緑化設備を提供することである。 【0011】 【課題を解決するための手段及びその作用】本発明に係る薄層緑化設備用仕切材は、建築物に設置した薄層緑化積層体の側縁に沿って配置される薄層緑化設備用仕切材であって、前記建築物に対する固定部と、薄層緑化積層体の外側面に沿って配置される板状の仕切部とを有し、前記仕切部の下部にその略全長にわたって、複数の排水孔を打抜金網状に形成してなる排水部を設けたものである。 【0012】この仕切材においては、仕切部の下部にその略全長にわたって、複数の排水孔を打抜金網状に形成してなる排水部を設けることにより、排水孔の総開口面積を十分に確保できるとともに、排水孔を仕切材の全長にわたって略均一に分散できる。このため、薄層緑化積層体から外部への排水を円滑に且つ仕切材の全長にわたって均一に行うことが可能となり、仕切材の排水不良に起因する、薄層緑化設備の部分的な降雨水の上昇や、仕切材における降雨水の越流を防止して、降雨水による培土の流失や移動、風による消失を効果的に防止できる。 【0013】ここで、前記排水部を薄層緑化積層体に積層される遮根シートに対面する位置よりも下側にのみ形成してもよい。薄層緑化積層体としては、排水マットと遮根シートと植生マットを順次積層したものが広く採用されており、遮根シートよりも上側に排水部を形成すると、排水孔からセダム等の植生の根が外部へ伸びて、薄層緑化設備の外観が低下するので、排水部は遮根シートに対面する位置よりも下側にのみ形成することが好ましい。 【0014】前記仕切部の単位長さ当たりの排水孔の総開口面積を12000〜30000mm2/mに設定したものである。仕切部の単位長さにおける排水孔の総開口面積が30000mm2/mよりも大きいと、排水部における部材の強度を十分に確保できず、また12000mm2/mよりも小さいと、十分な排水性能を確保できないので、12000〜30000mm2/mに設定することが好ましい。 【0015】前記固定部を仕切部の下端から側方へ略水平に延ばして、その上に薄層緑化積層体の側縁部を設置可能となし、薄層緑化積層体の下部に配置される排水材の側端位置を位置規制するための位置決め部を、仕切部から一定距離隔てた位置において固定部に、固定部の長さ方向に間隔をあけて立起可能に複数形成してもよい。このように構成すると、仕切材を薄層緑化積層体の側縁に沿って施工するときに、位置決め部を立起させて、位置決め部が薄層緑化積層体の下部に配置される排水材の側縁に当接するように仕切材を施工することで、仕切部と薄層緑化積層体の排水材間に一定幅の排水溝を容易に形成することが可能となる。そして、このような排水溝を形成することで、仕切部の長さ方向の各部における、排水材から仕切部へ供給される降雨水量のバラツキを排水溝内において平滑にして、薄層緑化積層体から外部への排水を仕切材の全長にわたってより均一に行うことが可能となり、仕切材の排水性能を一層向上することが可能となる。また、位置決め部は予め立起させておいてもよいが、施工時に立起させるように構成すると、仕切材をコンパクトに重ねて配置できるので、輸送性や保管性を改善する上で好ましい。更に、このような位置決め部を設けると、地震等による排水マットの水平方向に対する位置ズレを防止できるので好ましい。 【0016】本発明に係る薄層緑化設備は、建築物に敷設した防水シートと、前記防水シート上に設置した薄層緑化積層体と、前記薄層緑化積層体の側縁に沿って設けた請求項1〜4のいずれか1項記載の薄層緑化設備用仕切材とを備えたものである。この薄層緑化設備では、前述した本発明に係る仕切材を用いているので、前記と同様の作用が得られる。 【0017】ここで、前記仕切材として位置決め部を立起させた請求項4記載の仕切材を用い、位置決め部に排水材の側縁を当接させて薄層緑化積層体を設置し、薄層緑化積層体の排水材と仕切部間に一定幅の排水溝を形成してもよい。この場合には、仕切部の長さ方向の各部における、排水材から仕切部へ供給される降雨水量のバラツキを排水溝内において平滑にして、薄層緑化積層体から外部への排水を仕切材の全長にわたってより均一に行うことが可能となり、仕切材の排水性能を一層向上することが可能となる。 【0018】前記仕切材を直列状に連結する連結手段であって、薄層緑化積層体との対面側において、隣接する仕切材の仕切部と固定部とにわたって密接配置され、仕切材の排水孔に対応させて排水孔を形成してなる連結板と、連結板を両仕切材の仕切部にそれぞれ固定するボルトとを有する連結手段を設けてもよい。この場合には、複数の仕切材を相互に連結できるので、薄層緑化設備における仕切材の取付強度を格段に向上できる。また、仕切部と固定部とにわたって連結板を密接させるので、曲げや捻れに対する仕切材の連結強度を十分に確保できる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、薄層緑化設備1は、建築物2のスラブや屋根上に敷設した防水シート3と、防水シート3上に設置した薄層緑化積層体4と、薄層緑化積層体4の側縁に沿って設けた仕切材10とを備えている。 【0020】防水シート3としては、加硫ゴム系、非加硫ゴム系、塩化ビニル樹脂系、エチレン酢酸ビニル樹脂系、改質アスファルト系などの周知の防水シートを採用でき、この防水シート3は建築物2のスラブや屋根に敷設され、接着剤により建築物2に固定されている。防水シート3の敷設範囲は、少なくとも薄層緑化積層体4の下側の領域全体に形成されていればよいが、薄層緑化積層体4からはみ出して設けてもよい。また、防水シート3に代えて、防水塗料を塗布したり吹き付けたりして、防水性を有するプライマー層を形成してもよいし、建築物2に形成されている既設の防水層をそのまま利用してもよい。 【0021】薄層緑化積層体4は、排水マット5と遮根シート6と植生マット7とを下側から順番に積層してなるもので、既設の建築物2に対して施工できるように、その重量は建築基準法の許容積載荷重に準拠して180kg/m2以下、好ましくは20〜60kg/m2に設定したもので、適当間隔おきに配置した図示外の固定具を介して防水シート3に固定されている。 【0022】植生マット7は、アルブム、タイトゴメ、リフレクサム、マルバマンネン、メキシコマンネンなどのベンケイソウ科に属するセダム類や芝生などのように、比較的乾燥に強い植生を薄い培土に植え付けてマット状にした、周知の構成のものである。 【0023】遮根シート6は、植生マット7からの水は通すが植生の根の通過を阻止するもので、合成繊維や天然繊維からなる透水性に優れた織布や不織布で構成され、その側端部は植生マット7の側縁に沿って上方へ折曲されている。この遮根シート6としては任意の厚さのものを採用できるが、薄層緑化積層体4の厚さをできるだけ薄肉軽量に構成するため、植生の根の通過を阻止できる範囲で極力薄肉に構成することが好ましく、例えば厚さ2mm以下に設定することになる。 【0024】排水マット5は、遮根シート6を通過した植生マット7からの水を薄層緑化積層体4外へ円滑に排出するためのもので、合成樹脂材料からなる繊維材を押出成形法によりマット状に成形し、必要な耐圧強度を確保しつつ大きな空隙を持つ立体網状構造体に構成されている。より具体的には、排水マット5の上面部は遮根シート6を受けるため密な網状構造に構成され、下部は水を速やかに排水できるように、空隙の多い網状構造に構成されている。尚、この排水マット5が排水材に相当する。 【0025】排水マット5の素材としては、耐環境性に優れ十分な耐圧強度を確保できるものであれば任意の素材を採用でき、例えばポリエチレンやポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂材料を好適に利用できる。特に、ポリプロピレンは、耐酸性、耐アルカリ性、耐微生物性などに優れた特性を有するので好適である。尚、このような構成以外の排水マット5を採用してもよい。 【0026】排水マット5は、隙間なく密に配置することも可能であるが間隔をあけて配置すると、隣接する排水マット5間の隙間を排水溝として活用できるので、排水性能を向上する上で好ましい。但し、この場合には、隣接する複数の排水マット5にわたって遮根シート6と植生マット7とを敷設することになる。 【0027】次に、仕切材10について説明する。仕切材10は、図1〜図3に示すように、ステンレス板や鉄板などの金属製の一定長さの帯板をその幅方向の途中部において約90°折曲して断面略L字状に形成したもので、薄層緑化積層体4の側縁部と防水シート3間に配置される固定部11と、固定部11の側縁から薄層緑化積層体4の側面に沿って上方へ延びる仕切部12とを備えている。この仕切材10は、後述する連結手段13を介して長さ方向に連結され、薄層緑化積層体4の外側縁に沿って連続的に配置されている。尚、鉄板のように錆びやすい素材で構成する場合には、加工後に防錆処理を施すことになる。 【0028】仕切部12の上端部には折返部14が形成され、仕切材10の強度アップと、仕切材10を取り扱う際における安全性を向上するように構成され、仕切部12の下半部には、複数の排水孔15が打抜金網状(パンチングメタル状)に一体形成され、これら複数の排水孔15により降雨等を薄層緑化積層体4から外部へ排水するための排水部16が形成されている。 【0029】排水孔15の形状は、丸孔状や角穴状、細長いスリット状や十文字状、ハート形や星形、或いはこれらの組み合わせなど任意の形状に形成可能である。また、図3に示すように千鳥状に配置してもよいし、縦横の行列状に配置してもよい。更に、スリット状に形成する場合には、縦方向に細長く形成してもよいし、横方向に細長く形成してもよいし、斜め方向に細長く形成してもよい。更に、全ての排水孔15は、同じサイズに設定してもよいが、意匠性を向上させるなどの目的で、異なるサイズの排水孔15を形成してもよいく、例えば上側へ行くにしたがってサイズを小さく設定してもよい。 【0030】排水孔15は仕切部12の全面に設けることも可能ではあるが、仕切部12の強度が低下するので、仕切部12の下半部にのみ形成することが好ましい。より具体的には、図1に示すように、排水孔15は仕切部12の遮根シート6に対応する位置よりも下側に配置され、植生の根が排水孔15から外部へ延びることによる、薄層緑化設備1の外観低下が防止されるように構成されている。また、排水性能をできるだけ良好に確保するため、仕切部12の下端部まで形成することが好ましい。特に、排水孔15の一部が固定部11側に形成されるように構成すると、固定部11と仕切部12との境界部にまで排水孔15を形成することが可能となり、排水性を向上できるとともに、仕切材10をL字状に折り曲げて仕切部12と固定部11とを形成するときの加工性を向上できるので好ましい。但し、図2では、固定部11と仕切部12の境界部が最下端の排水孔15の途中部に位置するように仕切材10を折り曲げたが、該境界部が幅方向の途中部の排水孔15に位置するように仕切材10を折り曲げてもよい。また、図1に示すように、遮根シート6の外縁部を上方へ折曲させる場合には、遮根マット6の上端位置まで排水孔15を形成してもよい。更に、遮根シート6の上縁部を折返部14内に装着して、排水孔15を仕切部12の上端部まで形成してもよい。 【0031】排水孔15の直径は、排水性を十分に確保しつつ仕切部12の強度を十分に確保するため4〜6mmに設定することが好ましい。排水マット5に対面する部分における仕切部12の単位長さあたりに対する排水孔15の総開口面積は、12000〜30000mm2/mに設定され、また排水部16における排水孔15の開口率は30〜65%に設定されている。このように設定すると、十分な排水性能を確保しつつ、仕切材10の機械的強度を向上できるので好ましい。 【0032】固定部11には先端部を仕切部12の下端に位置させた三角形状の折曲用切欠部17が一定間隔おきに形成され、この折曲用切欠部17において仕切材10を薄層緑化積層体4の外縁に沿って折曲できるように構成されている。折曲用切欠部17の個数は任意に設定可能であるが、間隔が広すぎると薄層緑化積層体4の側縁に沿って配置させる事が困難になり、狭すぎると、固定部11の強度を十分に確保できないことから、200〜300mmに1つの割合で形成することが好ましい。 【0033】折曲用切欠部17の形状は三角形状に形成したが、少なくと固定部11の側縁から仕切部12の下端部まで切り欠かれているものであれば、台形状や細長いスリット状に形成することも可能である。 【0034】排水部16は仕切部12の全長にわたって連続的に形成することも可能であるが、図5に示す仕切材10Aのように間欠的に形成して、隣接する排水部16間に排水孔15を有しない補強部18を形成してもよい。補強部18の幅は任意に設定可能であるが、広すぎると排水孔15の開口面積が少なくなって排水性能が低下し、狭すぎると十分な強度アップを期待できないので、20〜100mmの範囲に設定することが好ましい。また、この補強部18を折曲用切欠部17に対応させて形成し、折曲用切欠部17における仕切材10の強度低下を補償して、仕切材10が折曲用切欠部17において折曲することによる取扱性の低下を防止してもよい。 【0035】図1〜図5に示すように、固定部11の長さ方向の途中部には仕切部12から一定の間隔をあけて略U字状の立起用切欠部20が形成され、立起用切欠部20の仕切部12側の両端部には折目線21に沿って内側へ延びる折曲案内用の切欠部からなる折曲案内部21aが形成され、立起用切欠部20と折目線21とで囲まれる部分には略台形状の位置決め部22が形成され、この位置決め部22は、下側から手指で押し操作することで、折目線21に沿って折れ曲がって、固定部11の上側に略垂直に立起するように構成されている。尚、位置決め部22は、予め立起させておいてもよいが、仕切材10をコンパクトに重ねることができなくなるので、必要に応じて立起させることが好ましい。また、折曲案内部21aとしては、切欠部以外に折り目やミシン目などを形成してもよいし、これらを組み合わせて形成してもよい。 【0036】この位置決め部22は、図1に示すように、薄層緑化積層体4の側縁に仕切材10を施工するときに、位置決め部22を排水マット5の側縁に当接するまで固定部11を排水マット5と防水シート3間に挿入することで、排水マット5と仕切部12間に一定幅の排水溝8が容易に形成されるようにするためのものである。そして、このように排水マット5と仕切部12間に排水溝8を形成することで、排水孔15が排水マット5で塞がれて仕切材10における排水性能の低下が防止されることになる。また、このような位置決め部22を設けると、地震等による排水マット5の水平方向に対する位置ズレを防止できるので好ましい。 【0037】尚、位置決め部22は、任意の形状に形成することが可能で、台形状以外の方形状や三角形状に形成してもよい。例えば、図6に示す仕切材10Bのように、立起用切欠部20に代えて略コ字状の立起用切欠部20Bを形成し、台形状の位置決め部22に代えて方形状の位置決め部22Bを立起可能の形成してもよいし、図7に示す仕切材10Cのように、立起用切欠部20に代えて固定部11の側縁から途中部まで延びる立起用切欠部20Cを形成し、この立起用切欠部20Cの奧部に方形状や三角形状の位置決め部22Cを立起可能に形成してもよい。また、図1に仮想線で示すように、位置決め部22の端部に排水マット5側へ折曲可能な係合部23を一体的に形成し、この係合部23を排水マット5に係合させ、地震等による排水マット5端部の上下方向や水平方向に対する位置ズレを防止してもよい。係合部23としては、排水マット5に挿入可能な形状であれば、三角形状や鋸歯状などの任意の形状のものを採用できる。但し、この位置決め部22、22B、22Cは必ずしも必要なものではなく、省略することも可能である。 【0038】次に、仕切材10の具体例について説明すると、図3に示すように、例えば厚さ1mm、幅150mm、長さL1が2000mmのステンレス鋼板をその幅方向の途中部で折曲して、幅W1が80mmの固定部11と、高さH1が70mmの仕切部12とを形成し、固定部11に底辺の長さBが80mmの二等辺三角形状の折曲用切欠部17を仕切材10の長さ方向に250mmのピッチPで一定間隔おきに形成し、仕切部12の下部に仕切部12の下端からの高さH2が30mmの範囲に、直径5mmの排水孔15を千鳥状に形成した排水部16を仕切材10の全長に形成し、固定部11に仕切部12からの距離L2が25mmの位置に高さH3が20mmの略U字状の立起用切欠部20を形成することになる。 【0039】連結手段13は、図2、図8に示すように、薄層緑化積層体4側において仕切部12と固定部11とに沿って配置可能な縦壁部30と水平壁部31とを有する断面略L字状の連結板32と、仕切部12に連結板32を固定するボルト部材33及びナット部材34とを備えている。 【0040】仕切部12の両端部上部にはボルト部材33の取付孔35が形成され、連結板32の縦壁部30の両端上部には取付孔35に対応させてボルト部材33の挿通孔36が形成されている。連結板32の挿通孔36間の距離は、隣接する仕切材10を突き合わせた状態で、その突き合わせ側において隣接する取付孔35間の距離と同じに設定され、2本の仕切材10を略隙間なく直列状に連結できるように構成されている。 【0041】縦壁部30の高さは仕切材10の折返部14の下端の高さよりも高く設定され、連結板32はその縦壁部30の上端部を折返部14に内嵌装着することにより強固に組付けられている。縦壁部30の下部には仕切材10の排水孔15に対応させて排水孔37が形成され、連結板32を仕切材10に組み付けた状態で両排水孔15,37を連通させることで、連結板32を設けた位置における排水性の低下を防止できるように構成されている。 【0042】水平壁部31には折曲用切欠部17に対応させて折曲用切欠部38が形成され、仕切材10をその連結部分において薄層緑化積層体4の外縁形状に応じて折曲できるように構成されている。 【0043】この連結手段13を用いて2本の仕切材10を連結する際には、縦壁部30の上端部を折返部14に内嵌装着して、縦壁部30と水平壁部31とを仕切材10の仕切部12と固定部11とに密接させ、更に両排水孔15,37が連通するように連結板32を位置合わせした状態で、2本のボルト部材33を2つの取付孔35と挿通孔36とにわたってそれぞれ挿通させて、ボルト部材33にナット部材34を締結することで、2本の仕切材10を直列状に連結することになる。 【0044】尚、連結板32に形成する排水孔37の直径を仕切材10に形成する排水孔15よりも多少大径に構成して、両排水孔15,37とが容易に連通できるようにで構成してもよい。また、ボルト部材33とナット部材34に代えて、リベット等の固定具を介して連結板32と仕切材10とを連結してもよいし、これらの固定具と接着剤とを併用して連結板32を仕切材10と連結してもよい。更に、連結板32を省略して隣接する仕切材10の少なくとも仕切部12を重ね合わせ、この重ね合わせた部分において前述のような固定具で両仕切材10を連結してもよい。 【0045】尚、本発明に係る仕切材10は、軽量は薄層緑化積層体を備えた薄層緑化設備であれば、任意の構成の薄層緑化設備に対しても適用できる。 【0046】 【発明の効果】本発明に係る薄層緑化設備用仕切材によれば、仕切部の下部にその略全長にわたって、複数の排水孔を打抜金網状に形成してなる排水部を設けることにより、排水孔の総開口面積を十分に確保できるとともに、排水孔を仕切材の全長にわたって略均一に分散できる。このため、薄層緑化積層体から外部への排水を円滑に且つ仕切材の全長にわたって均一に行うことが可能となり、仕切材の排水不良に起因する、薄層緑化設備の部分的な降雨水の上昇や、仕切材における降雨水の越流を防止して、降雨水による培土の流失や移動、風による消失を効果的に防止でき、薄層緑化設備の耐久性を向上できる。 【0047】排水部を薄層緑化積層体に積層される遮根シートに対面する位置よりも下側にのみ形成すると、排水孔からセダム等の植生の根が外部へ伸びることを防止して、植生の根による薄層緑化設備の外観低下を防止できる。 【0048】仕切部の単位長さ当たりの排水孔の総開口面積を12000〜30000mm2/mに設定すると、仕切材の強度を十分に確保しつつ、その肉厚を極力薄肉に構成して、仕切材の製作コストの上昇を抑制できるとともに、十分な排水性能を確保できる。 【0049】固定部に位置決め部を立起可能に形成すると、仕切材を薄層緑化積層体の側縁に沿って施工するときに、位置決め部を立起させて、位置決め部が薄層緑化積層体の下部に配置される排水材の側縁に当接するように仕切材を施工することで、仕切部と薄層緑化積層体の排水材間に一定幅の排水溝を容易に形成することが可能となる。そして、このような排水溝を形成することで、仕切部の長さ方向の各部における、排水材から仕切部へ供給される降雨水量のバラツキを排水溝内において平滑にして、薄層緑化積層体から外部への排水を仕切材の全長にわたってより均一に行うことが可能となり、仕切材の排水性能を一層向上することが可能となる。また、位置決め部は予め立起させておいてもよいが、施工時に立起させるように構成すると、仕切材をコンパクトに重ねて配置できるので、仕切材の輸送性や保管性を向上できる。更に、このような位置決め部を設けると、地震等による排水マットの水平方向に対する位置ズレを防止できるので好ましい。 【0050】本発明に係る薄層緑化設備よれば、本発明に係る仕切材を用い、仕切部の下部にその略全長にわたって打抜金網状の複数の排水孔が形成されるので、薄層緑化積層体から外部への排水を円滑に且つ仕切材の全長にわたって均一に行うことが可能となり、仕切材の排水不良に起因する、薄層緑化設備の部分的な降雨水の上昇や、仕切材における降雨水の越流を防止して、降雨水による培土の流失や移動、風による消失を効果的に防止でき、薄層緑化設備の耐久性を向上できる。 【0051】ここで、仕切材として位置決め部を立起させた仕切材を用い、位置決め部に排水材の側縁を当接させて薄層緑化積層体を設置し、薄層緑化積層体の排水材と仕切部間に一定幅の排水溝を形成すると、仕切部の長さ方向の各部における、排水材から仕切部へ供給される降雨水量のバラツキを排水溝内において平滑にして、薄層緑化積層体から外部への排水を仕切材の全長にわたってより均一に行うことが可能となり、仕切材の排水性能を一層向上することが可能となる。 【0052】薄層緑化設備の外縁部を構成する複数の仕切材を連結手段で直列状に連結すると、薄層緑化設備における仕切材の取付強度を格段に向上でき、強風等により仕切材が吹き飛ばされるのを確実に防止できる。また、仕切部と固定部とにわたって連結板を密接させるので、曲げや捻れに対する仕切材の連結強度を十分に確保できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】302003233 【氏名又は名称】株式会社都市基盤コンサルタント 【識別番号】302003222 【氏名又は名称】有限会社ケイエスディー
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| 【出願日】 |
平成14年1月30日(2002.1.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074561 【弁理士】 【氏名又は名称】柳野 隆生
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| 【公開番号】 |
特開2003−219733(P2003−219733A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月5日(2003.8.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−21597(P2002−21597) |
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