| 【発明の名称】 |
牧草の栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】永田 照喜治
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| 【要約】 |
【課題】枯死を防ぎながら塩分を散布して糖度の高い牧草を栽培する。
【解決手段】(1)地表面に珪酸分として10a当り50〜200kgの発根促進剤を散布する段階と、(2)牧草の葉面と地表面に塩分濃度0.1〜0.3重量%の塩水又は海水を10a当り300〜1000kg上下散布する段階とを有する栽培方法により牧草を栽培する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】(1)地表面に珪酸分として10a当り50〜200kgの発根促進剤を散布する段階と、(2)牧草の葉面と地表面に塩分濃度0.1〜0.3重量%の塩水又は海水を10a当り300〜1000kg上下散布する段階とを有することを特徴とする牧草の栽培方法。 【請求項2】発根促進剤が珪カル又は相当量の珪カルを含むカルシウム堆肥である請求項1の牧草の栽培方法。 【請求項3】(2)の段階を繰り返す請求項1の牧草の栽培方法。 【請求項4】塩水又は海水の上下散布量が10a当り300〜500kgである請求項1の牧草の栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は牧草の栽培方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、場所によっては海岸近くの牧草を家畜が喜んで食べ、食べた家畜の肉質が良いことが知られている。ここで「肉質」とは肉の商品価値の判断に通常用いられる色調、弾力、芳香、コレステロールの多少、脂の入り具合及び食味等により判断される肉の品質を云う。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】然し、何故場所によって海岸近くの牧草を家畜が喜んで食べ、食べた家畜の肉質が良いのかは知られていない。また、家畜に喜んで食べさせるための手段も知られていない。また、牧草の糖度は従来測定されていない。 【0004】本発明者は塩分が牧草の糖度を高めることを見出した。また、本発明者は糖度を高めた牧草を家畜が喜んで食べることを見出した。また、本発明者は糖度を高めた牧草を食べた家畜の肉質が良いことを見出した。さらに、本発明者は家畜が喜んで食べる海岸近くの場所の牧草の糖度は約5〜6度であるのに対し、内陸部の牧草の糖度は約3〜4度であり、家畜が海岸近くの牧草を糖度が高いため喜んで食べることを見出した。従って、本発明の目的の一つは、牧草の糖度を約5〜6度に高めるにある。然し、牧草は塩分により容易に枯死するので、枯死を防ぎながら糖度を高めることは極めて困難である。従って、本発明の他の目的は、枯死を防ぎながら牧草の糖度を約5〜6度に高める好適な方法を提供するにある。本発明のさらに他の目的は、糖度約6〜8度の牧草を提供するにある。本発明のさらに他の目的は、枯死を防ぎながら糖度約6〜8度の牧草を提供するにある。これ等の目的は本発明により達成される。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は(1)地表面に珪酸分として10a当り50〜200kgの発根促進剤を散布する段階と、(2)牧草の葉面と地表面に塩分濃度0.1〜0.3重量%の塩水又は海水を10a当り300〜1000kg上下散布する段階とを有することを特徴とする牧草の栽培方法である。ここで「家畜」とは、牛、馬、羊、豚及び鶏を云う。また、「糖度」とは、光の屈折原理を用いた簡易糖度計により測定した牧草の養液濃度(Brix)を云う。また、「塩分」とは、食塩以外にも海水に含まれる塩類を云う。また、「牧草」とは、牧草以外にもトウモロコシ、ソルガム、燕麦等の飼料作物を云う。 【0006】発根促進剤は珪カル又は相当量の珪カルを含むカルシウム堆肥を用いる。カルシウム堆肥は本発明者の発明による特許第1343663号のカルシウム堆肥を用いることができる。塩分濃度0.1〜0.3重量%の塩水又は海水は、塩水又は海水の濃度を水で調整又は希釈することにより容易に調製できる。塩水よりは海水の方が多くの微量成分を含むので好ましい。「上下散布」とは、牧草の葉面と地表面の双方に散布するので上下散布と称する。(1)と(2)の段階で所望の糖度を得られない場合は、(2)の段階を繰り返すことにより容易に所望の糖度を得ることができる。糖度は簡易糖度計により容易に測定することができる。塩水又は海水の散布量は、概して農薬散布量よりも多く、液体肥料の散布量よりも少ない量が好ましく、通算して10a当り300〜1000kgである。1000kgより多くては牧草が枯死し易く、300kgより少なくては散布効果が乏しい。通常、塩水又は海水の上下散布量は10a当り300〜500kgである。 【0007】 【発明の作用】発根促進剤を散布すると、発根促進剤中の活性珪素の作用により牧草が地表面付近に多量の活性根を生成する(根の有効量が増える)。多量の活性根の作用により0.1〜0.3重量%の塩分濃度の塩水又は海水を散布しても、牧草が枯死せずに高い糖度を達成することができる。珪酸分として10a当り50〜200kgの発根促進剤を散布する理由は、50kgより少なくては効果が少なく、200kgより多くては無駄になり易いためである。塩分濃度を0.1〜0.3重量%と規定する理由は、0.3重量%より高くては牧草が枯死し易く、0.1重量%より低くては散布効果が乏しいためである。珪カルやカルシウム堆肥に含まれるカルシウム分は、牧草の細胞膜の生成に関与し、土壌中の有機酸を中和し、蛋白質の合成と根粒菌による窒素固定に関与し、根の発育を促進し、土壌の酸度と物理性を改善する。 【0008】 【発明の効果】本発明は海水を入手し難い内陸部の牧草に容易に適用することができる。本発明方法により栽培した牧草は糖度が約5〜6度以上、時には約6〜8度にも達し、著しく高い。この為、家畜が喜んで食べ、家畜の肉質が良い。本発明は危険な体組織や肉骨粉(反すう動物の組織)を使用しなくて済む。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明を次に実施例につきさらに詳細に説明する。 【0010】 【実施例1】本発明方法をイタリアンライグラスについて実施した。結果は次の通りであった(各10a当り)。 作業内容 本発明栽培区 対照区 播種時期 5月 左記と同時 発根促進剤散布 播種後6日 散布せず 散布量 100kg 塩水上下散布 播種後35日 散布せず 濃度 0.1% 散布量 約300kg 糖度の計測(塩水上下散布から30日後) 左記と同時 糖度 約4〜5 約3〜4 糖度の計測(塩水上下散布から49日後) 左記と同時 糖度 約5〜6 約3〜4本発明により栽培した牧草は対照区に比べ明らかに糖度が高く、羊が喜んで食べ、肉質が良かった。本発明による羊の肉質は色調、弾力、芳香及び食味が良く、コレステロールが少く、脂の入り具合が適当であった。食味は複数の試食員によるパネルテストにより判断した。 【0011】 【実施例2】本発明方法をオーチャードグラスについて実施した。結果は次の通りであった(各10a当り)。 作業内容 本発明栽培区 対照区 播種時期 4月 左記と同時 発根促進剤散布 播種後6日 散布せず 散布量 100kg 塩水上下散布 播種後35日 散布せず 濃度 0.1% 散布量 約400kg 塩水上下再散布 播種後84日 散布せず 濃度 0.1% 散布量 約400kg 糖度の計測(塩水上下散布から21日後) 左記と同時 糖度 約4〜5 約3〜4 糖度の計測(塩水上下再散布から14日後) 左記と同時 糖度 約5〜6 約3〜4本発明により栽培した牧草は対照区に比べ明らかに糖度が高く、牛が喜んで食べ、肉質が良かった。本発明による牛の肉質は色調、弾力、芳香及び食味が良く、コレステロールが少く、脂の入り具合が適当であった。食味は複数の試食員によるパネルテストにより判断した。 【0012】 【実施例3】本発明方法を青刈用燕麦について実施した。結果は次の通りであった(各10a当り)。 作業内容 本発明栽培区 対照区 播種時期 4月 左記と同時 発根促進剤散布 播種後6日 散布せず 散布量 100kg 塩水上下散布 播種後56日 散布せず 濃度 0.15% 散布量 約300kg 塩水上下再散布 播種後84日 散布せず 濃度 0.15% 散布量 約300kg 糖度の計測(塩水上下散布から28日後) 左記と同時 糖度 約4〜5 約3〜4 糖度の計測(塩水上下再散布から28日後) 左記と同時 糖度 約5〜6 約3〜4 糖度の計測(塩水上下再散布から42日後) 左記と同時 糖度 約6〜8 約3〜4本発明により栽培した牧草は対照区に比べ明らかに糖度が高く、牛が喜んで食べ、肉質が良かった。本発明による牛の肉質は色調、弾力、芳香及び食味が良く、コレステロールが少く、脂の入り具合が適当であった。食味は複数の試食員によるパネルテストにより判断した。 【0013】かくて本発明によれば、牧草の枯死を防ぎながら塩分を散布して、糖度の高い牧草を栽培することができる。以上、本発明を特定の数値及び実施例につき詳細に説明したが、本発明の広範な精神と視野を逸脱することなく種々な変更と修整が可能なこと勿論である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591105292 【氏名又は名称】株式会社永田農業研究所
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| 【出願日】 |
平成14年1月31日(2002.1.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072051 【弁理士】 【氏名又は名称】杉村 興作
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| 【公開番号】 |
特開2003−219726(P2003−219726A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月5日(2003.8.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−23636(P2002−23636) |
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