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【発明の名称】 農業用隔離ベッド栽培における温水配管方法
【発明者】 【氏名】岩男 吉昭

【要約】 【課題】熱の利用率を向上し、空気抜きを容易とする農業用隔離ベッドにおける温水配管方法を提供する。

【解決手段】農業用隔離ベッドにおける温水循環設備1に於いて、花や野菜を栽培する施設内の配管を構成する送り本管2と戻り本管3及び支管4の全てを地上配管とした。然も、隔離ベッド7内の支管より送りと戻りの両本管の位置を高くとり、両本管の位置が作業者の通行を妨げない高さとした。従って、本発明の方法に基づいた温水配管は、配管側面が恰も両本管で支管を懸垂するような形状を呈する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物を栽培するため、周囲を覆い構成した施設内で使用する温水循環設備に於いて、温水循環設備(1)を構成する配管の内、植物を栽培する施設内に配置する送り本管(2)及び戻り本管(3)を地上配管とする農業用隔離ベッド栽培における温水配管方法。
【請求項2】 送り本管(2)及び戻り本管(3)の間を支管(4)で接続し、該支管を地上配管とする請求項1に記載の農業用隔離ベッド栽培における温水配管方法。
【請求項3】 送り本管(2)及び戻り本管(3)の位置を支管(4)の位置より高くする請求項2に記載の農業用隔離ベッド栽培における温水配管方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業用隔離ベッド栽培で使用する温水配管方法に関する。
【0002】
【従来の技術】花や野菜のような植物は、それぞれに適した季節に種を播くと、露地栽培でも十分な日差しと降水で成長し、花を付け収穫に適した大きさになる。然し、生長に必要な温度が得られない冬季などでは、露地栽培では気温及び地温が十分に上がらないため、果樹や野菜類では収穫が殆ど望めない。
【0003】然し、需要の傾向が季節を問わず、年間を通じて安定して見込まれるようになると共に、生産者も季節とは関係なく人工的に生産を推進させる手段の開発と改善に取り組み始めた。例えば、多くの花や野菜は、外気を避けるためビニールシートで囲い、ボイラー等の加熱設備を置いた施設内で栽培する。
【0004】施設内で、花や野菜を栽培する設備の一つに、隔離ベッドを使用する方法がある。該隔離ベッドは地面から離した台に温水循環用の配管を配置し、台上を栽培床として使用する。従って、循環する温水温度により栽培床は低温期でも生育に必要な地温に保つことができる。
【0005】図1のレイアウトのように、温水を循環する配管は、栽培床を加温する支管を挟み、一方に分配用送り本管、他方に回収用戻り本管を置く。両本管の端部にボイラーを置きポンプで温水を循環する。配管材料は、支管にポリエチレン、本管に塩化ビニールもしくは鋼管を使用することが多い。
【0006】栽培作業を容易にするため、温水配管の支管同士の間を作業通路に充て、図2のように、両本管を地中に埋設し支管両端を立ち上げ鳥居型に配置する。加熱が不要な季節には温水の循環を止め、必要な季節に循環を再開する。配管の所要箇所には空気抜き弁を備える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】管内空気の除去は、支管壁から苗床に伝わる熱量を均一化し、配管を保護するための処置である。然し、鳥居型配管は本管を埋設するので、本管に溜まる空気も、小口径の長い支管内に溜まりやすく、支管毎の空気抜きを必要とする。この作業は時間の割りに除去が難しく、熱の伝わりを不均一にする原因になる。
【0008】本管は支管より太く表面積も大きい。本管の埋設は障害物を減らすので作業をしやすくするが、熱損失が増えて熱利用効率を下げるので燃料費を増加する。また、埋設物の点検が難しく改善や保全作業に支障を来し易い。本発明は、前記諸問題を解決した農業用隔離ベッド栽培用の温水配管方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、植物を栽培するため、周囲を覆い構成した施設内で使用する温水循環設備に於いて、温水循環設備を構成する配管の内、植物を栽培する施設内に配置する送り本管及び戻り本管を地上配管とする農業用隔離ベッド栽培用の温水配管方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の農業用隔離ベッド栽培における温水配管は、隔離ベッド上に配置した支管より送り本管と戻り本管を高い位置、例えば歩行者の障害にならない高さに配置し、前記送り本管と戻り本管の間を、前記隔離ベッド上に配置した支管で接続する方法により構成する。
【0011】本方法は、配管系や温水に含まれる空気が太い本管内に溜まり除去し易い。空気を抜かれた温水が送り本管から支管に流れ込むと、温水は支管内の空気を戻り本管側に押し出し、支管毎に空気を抜く必要性は少なくなる。隔離ベッド内の支管に戻り本管側が高くなる勾配を付けると空気が溜まり難くなる。
【0012】地中埋設した配管では熱は伝導で失われ、大気中に置いた本管からは熱は伝達で失われ、熱損失量は伝導に比べて低くなる。失われる熱量は、前者の場合は成長に寄与する可能性が低く、後者の場合は施設内の空気を温め生長に寄与する。後者の燃料費は前者の約1/2になる。
【0013】本方法が適用される配管の目安は、送り本管と戻り本管の呼称径がD=40〜100mmの範囲、支管の呼称径がd=13〜25mmの範囲、隔離ベッドの長さがL=20〜60mの範囲、両本管の設置位置が地面からH=1.8〜3mの範囲を対象とすればよい。
【0014】
【作用】本発明の農業用隔離ベッド栽培における温水配管方法は、配管内の空気が抜け易く、熱の有効利用率を高める働きがある。
【0015】
【実施例】図1は、隔離ベッド栽培における温水循環設備1の構成を示した平面のレイアウト、図3は、本発明の方法による配管側面図である。図1のように、温水循環設備は隔離ベッド7に置いた口径d=13mmで長さL=20mの支管4の両側に、口径D=50mmの送り本管2と同口径の戻り本管3を置いて接続する。
【0016】両本管の間にボイラー5とポンプ6を置き、ボイラー内の温水をポンプで、送り本管2から支管4を経て戻り本管3経由で循環する。少なくとも一本の支管を隔離ベッド7内に配置する。支管の配置を要しない隔離ベッドの間は作業通路として使用する。
【0017】図3のように、隔離ベッド7は地面8から離れ構築した加熱可能な台である。該台上に栽培床を構築して使用する。隔離ベッド内の支管4両端と、高さH=2mの空中に置いた送りと戻りの両本管2,3を接続して使用する。横置きの支管は勾配を付し戻り本管側を高めとするとよい。
【0018】この様な配管は、送り本管2と戻り本管3とで隔離ベッド上の支管4を懸垂した形状になる。本形状は図2の鳥居型配管に比べ、管内空気の排除と本管から発散する熱を有効に利用し、保全業務も楽にする。懸垂型は支間4の接続を解くか支管に排水弁を付けておくと温水を抜き取り易い。
【0019】配管に通水を開始すると、管内空気は送り本管2では同管上方に溜まり、勾配を付した支管4では送り本管から流れ込む温水で、順次に戻り本管3に押し出され、同管上方に溜るので抜き取り易い。従って、空気抜き弁9は両本管2,3に付ければよく、支管毎に必要な鳥居型配管に比べて数が少なくて済む。
【0020】本発明は施設の柱や梁を利用するので、埋設式に比べると設置が簡単になる。また、全設備の目視点検が可能で保全作業が容易になる。本管の発散熱は栽培床に直接寄与しないが、施設内の空気を温めて間接寄与する。燃料費は埋設式に比べて格段に改善され、本実施例では約50%の節約が出来た。
【0021】
【発明の効果】農業用隔離ベッド栽培における温水配管方法から下記の効果を得た。
■全配管の地上配置で、設置工事を容易にした。
■全配管の地上配置は、目視点検による改善や保全作業を実施しやすくした。
■空気抜きが本管だけで済み、従来、必要とした支管毎の空気抜きを減らし、作業時間を短縮した。
■本管の地上配置で、発散する熱が施設内の空気を温め、熱の利用率を向上し、燃料費を大幅に低減して、生産コストの引き下げに寄与した。
■本管の地上配管で、配管寿命を延ばした。
■懸垂型配管は支管を外すか支管の排水弁を利用で、未使用時の温水の抜き取りが簡単に出来る。
【出願人】 【識別番号】593008645
【氏名又は名称】株式会社ジャット
【識別番号】500339754
【氏名又は名称】青山種苗株式会社
【出願日】 平成14年1月15日(2002.1.15)
【代理人】 【識別番号】100062498
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 卓 (外1名)
【公開番号】 特開2003−204726(P2003−204726A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−6353(P2002−6353)