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【発明の名称】 ヘッジトリマーなどの動力切断具における刃板開き防止構造
【発明者】 【氏名】小林 一明
【住所又は居所】兵庫県加西市朝妻町1146番地の2 伊東電機株式会社内

【要約】 【課題】園芸用のヘッジトリマなど上刃板1と下刃板2を長手方向に摺動させて切断作業を行う動力切断具において、刃板先端部の開き現象を防止し刃板先端部に位置する切刃による良好な切断状態を維持する。

【解決手段】上固定板3と下固定板4によって挟まれて支持された上刃板1と下刃板2の外側縁に形成した切刃のせん断作用によって枝の剪定などを行う動力切断具において、上固定板3と下固定板4の先端部分を例えば連続する如く固定する。これにより、上固定板と下固定板によって挟まれている刃板の先端部分が開くのを防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】上固定板と下固定板によって挟まれて支持された上刃板と下刃板の相対的な摺動運動によって、上刃板の外側縁に形成した切刃と下刃板の外側縁に形成した切刃で枝などの切断を行うものにおいて、上固定板と下固定板の先端部を連続する如く一体的に固定したことを特徴とするヘッジトリマーなどの動力切断具における刃板開き防止構造。
【請求項2】上固定板と下固定板によって挟まれた上刃板と下刃板の先端を、中心部から側方に向けて後退する傾斜面に形成してなる請求項1記載のヘッジトリマーなどの切断工具における刃板開き防止構造。
【請求項3】上固定板と下固定板によって挟まれて支持された上刃板と下刃板の相対的な摺動運動によって、上刃板の外側縁に形成した切刃と下刃板の外側縁に形成した切刃で枝などの切断を行うものにおいて、上固定板と下固定板の先端部を一定間隔に保持するスペーサを介して固定することを特徴とするヘッジトリマーなどの動力切断具における刃板開き防止構造。
【請求項4】上下いずれか一方に配置した固定板に支持された上刃板と下刃板の相対的な摺動運動によって、上刃板の外側縁に形成した切刃と下刃板の外側縁に形成した切刃で枝などの切断を行うものにおいて、固定板の先端から後方に向けて上刃板と下刃板の先端部を抱持する支持片を設けたことを特徴とするヘッジトリマーなどの動力切断具における刃板開き防止構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヘッジトリマーのように、長寸法の上刃板と下刃板を長手方向の固定部材で支持し、長手方向に相対的に摺動する上刃板と下刃板の外側縁に形成した切刃によって枝の切断、すなわち垣根の剪定や芝生の剪定を行うような動力切断具に関する発明である。より詳しくは、上記動力切断具の上刃板と下刃板の開きを防止する構造に係る発明である。
【0002】
【従来の技術】園芸用のヘッジトリマーなど、長寸法の上刃板と下刃板を長手方向の固定部材で支持する動力切断具では、往復運動をする上刃板と下刃板の複数の中間位置に長孔を穿設し、上記長孔を貫通させたガイドピンと上下の固定板、固定板の間隔を一定に保持するスペーサなどの保持手段によって一対の刃板を支持して、上刃板と下刃板の摺動状態を維持させている。ところが、例えば上固定板と下固定板で上刃板と下刃板を上下の固定板で挟み込むように支持する従来のヘッジトリマーでは、上下の固定板ひいては上刃板と下刃板の先端が開放状態になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】先端が開放状態となっている従来のヘッジトリマーでは、刈り込み作業中に上刃板と下刃板の間、あるいは上固定板と下固定板の間に異物が入るなどの理由によって間隔が広げられる傾向がある。上刃板と下刃板の間隔が広げられると、上刃板と下刃板の側方に形成した先端部分の切れ刃の間隔が広がって、切れ味が低下する欠点があった。上記、従来技術の欠点に鑑み、本発明は上刃板と下刃板の先端部分の広がりを防止することにより、安定した切れ味を維持することができる刃板開き防止構造を実現することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は上固定板3と下固定板4によって挟まれて支持された上刃板1と下刃板2の相対的な摺動運動によって、上刃板の外側縁に形成した切刃5と下刃板2の外側縁に形成した切刃6で枝などを切断する剪定作業を行うものにおいて、上固定板3と下固定板4の先端部を連続する如く一体的に固定するものである。これにより、上刃板1と下刃板2の先端部における広がりを防止することができる。このとき、上刃板1と下刃板2の前方が閉塞されることになるため、上刃板1と下刃板2の先端を、中心部から側方に向けて後退する傾斜面16,17に形成しておくと、切屑などが閉塞されている上下固定板の先端部分に詰まるのを防止することができる。
【0005】上固定板3と下固定板4の先端部は、連続的に固定するだけでなく、例えばスリーブ状のスペーサ7を装着したボルト8やリベットで上固定板3と下固定板4を一定間隔に保持した状態で固定することもできる。このようなものでは、固定板の先端部分が閉塞されないため切屑が排出され易い。また、上下いずれか一方に配置した固定板に上刃板1と下刃板2を支持させるものでは、固定板の先端から後方に向けて支持片20を設けて上刃板1と下刃板2の先端部を抱持するようにするとよい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るヘッジトリマーなどの動力切断具における刃板開き防止構造の実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。図1は、本発明を園芸用のヘッジトリマーに応用した全体の側面図、図2は上刃板1や下刃板2及び上固定板3や下固定板4の分解斜視図である。
【0007】図1に示すヘッジトリマーは、モータなどの動力駆動手段を備えた本体10に上刃板1及び下刃板2を装着し、この上刃板1及び下刃板2を本体10内部の動力駆動手段によって長手方向に往復運動をさせる。往復運動をする上刃板1及び下刃板2は、基端部を本体に固定した上固定板3と下固定板4によって挟まれて摺動可能な状態に支持されている。
【0008】上刃板1の複数位置に長手方向の長孔11,11を、下刃板2には前記上刃板1の長孔11,11に対応させて長手方向に長孔12,12を穿設してある。そして、この長孔11,12及び上固定板3と下固定板4に設けたビス孔13、14を貫通させるとともに、上固定板3と下固定板4の間隔を一定に保持するためのスペーサ9を介在させてガイドビス15を装着している。この構成により、上刃板1と下刃板2はスペーサによって遊動可能な状態を維持して長孔11,12に沿って長手方向に相対的に摺動運動を行うことになり、上刃板1の外側縁に突出形成した切刃5と下刃板2の外側縁に突出形成した切刃6によって切断作用を行わせ、垣根や芝生の剪定作業を行うことができる。剪定などの作業を行うには、本体10の基端部に形成した把手18と本体の前方部分に装着したハンドル19を持って作業を行う。ハンドル19の前方には、被切断物の飛散から作業者を守るためのガード21を装着している。
【0009】上固定板3の先端部は、下方に向けて鈎形に折曲形成するとともに、この折曲形成した上固定板3の先端部3aに下固定板4の先端部4aを溶接その他の固定手段で固定する。これにより、上固定板3と下固定板4の先端部は間隔が開くことができなくなくなる。換言すれば、上固定板3と下固定板4で挟まれている上刃板1と下刃板2の先端部の間隔が開くのを防止することができる。上固定板3と下固定板4は、それぞれ平板状であってもよいが図示実施形態では平板の中心部に長手方向の窪み3b及び4bを形成し、上下の固定板が上刃板1及び下刃板2の表面に対して周辺の少ない面積で当接し安定よく摺動させることができるようにしている。
【0010】上固定板3の先端部と下固定板4の先端部を連続的に固定すると、上刃板1と下刃板2の先方が閉塞されることになる。このように先方が閉塞された状態で上刃板1と下刃板2が互いに摺動運動を行うと、切断作業によって発生する切屑が先方に押し出されて、閉塞されている上下固定板の先端部分に詰まる可能性がある。そこで、図示例では、上刃板1と下刃板2の先端に中心から左右側方に向けて後退する傾斜面16,17を形成している。換言すれば刃板の先端部分を矢形に形成している。上刃板1と下刃板2の先端にそれぞれ傾斜面16,17を形成することにより、剪定作業などによって発生した切屑が刃板1,2の前方に位置しても、これが側方に排出され、切屑の詰まり現象を回避することができる。
【0011】上固定板3の先端部3aと下固定板4の先端部4aは、必ずしも全面が連続的に接続される必要はなく、一部分のみの細幅連続部分を形成してもよい。図6に示す実施形態は、上固定板3を前方に延長させて下刃板側に折曲するのではなく、1又は複数本のボルト8で固定している。この場合、上固定板3と下固定板4で挟まれる上下の刃板が円滑に摺動することができるように、一定間隔を保持するスペーサ7を介在させておく。この実施形態では、上刃板1と下刃板2の先方が完全には閉塞されていないため、切屑の詰まりを少なくすることができる。着脱可能なボルトに代えてリベットやスペーサの溶接によって完全に固定することもできる。しかしながら、ボルト8を用いて着脱可能とした場合は上固定板3と下固定板4を分解することが可能となる。ひいては、上刃板1と下刃板2の取替えなどにも便利なものとなる。
【0012】上刃板1と下刃板2は、必ずしも上固定板3と下固定板4によって挟持させる必要はない。例えば、上固定板に対してガイドビス15によって上刃板1と下刃板2を摺動可能な状態に垂設させることも可能である。この場合、図7に示すように、上固定板3の先端部を折り返して支持片20を形成し、支持片20によって下刃板2の先端部下面を支持させるようにするとよい。これにより、上刃板1と下刃板2の先端部が上固定板の先端部と支持片20によって挟持され、上刃板1と下刃板先端の開き現象を防止することができる。固定板は、上固定板ではなく下固定板だけが設けられるものであってもよい。この場合、支持片20は下固定板の先端部を上方に向けて折曲して支持片20を形成することになる。
【0013】前記支持片20は、必ずしも固定板の先端部分を折曲することにより形成する必要はなく、固定板とは別に形成した支持片20をビス止めなどによって装着するものであってもよい。また、支持片20そのものの変形、撓みなどによって固定板との間隔が開くのを防止するため、支持片20の先端は図7に示すように先端近くに位置するガイドビス15によって上下の刃板を挟み込んで一定間隔に保持するようにするのが好ましい。
【0014】以上述べたように、本発明に係る刃板開き防止構造を採用することによって、上刃板と下刃板先端部分の開き現象を防止することができるため、刃板の先端部分に位置する切刃5,6の切れ味を向上させることができる。したがって、剪定作業をきわめて能率的に進めることが可能となる。本発明の刃板開き防止構造は、ヘッジトリマーだけでなく、上下一対の刃板を長手方向に摺動させて切断作業を行う動力切断具、例えば茶葉の収穫機などにも応用することができる。
【0015】
【発明の効果】請求項1記載の本発明ヘッジトリマーなどの動力切断具における刃板開き防止構造によれば、上刃板と下刃板の先端部の開き現象を防止することができ、刃板先端部分の切刃による切断を確実に行うことができる。ヘッジトリマーなどによる剪定作業では、長寸法の切刃の先端部分での切れ味が剪定状態や作業能率を大きく左右する。したがって、本発明ではきれいな状態での剪定作業、その他の切断作業を能率的に行うことができることになる。
【0016】請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明を実施するに際し、剪定作業による切屑が閉塞される上下固定板の先端部分に詰まるのを防止することができる。
【0017】請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同等の効果を奏するとともに、切断作業による切屑が詰まるのを少なくすることができる。
【0018】請求項4記載の発明によれば、固定板が上下いずれか一方に設けられて上刃板と下刃板が支持されている動力切断工具であっても、上下刃板先端部の開き現象を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
【住所又は居所】兵庫県加西市北条町栗田223番地
【出願日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【代理人】 【識別番号】100103654
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 邦彦 (外2名)
【公開番号】 特開2003−189740(P2003−189740A)
【公開日】 平成15年7月8日(2003.7.8)
【出願番号】 特願2001−393639(P2001−393639)