| 【発明の名称】 |
液状種菌充填バッグ、その液状種菌充填バッグを用いた液状種菌の接種方法および液状種菌の接種装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤沢 正彦 【住所又は居所】新潟県長岡市東蔵王2丁目2番34号 日本精機株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】本発明は、種菌接種設備を大きく変更することなく比較的に簡易にして、液状種菌を接種する種菌接種方法と接種装置および簡易に持ち運びを可能とする液状種菌を充填する充填バッグを提供することにある。
【解決手段】液状種菌Bを培養貯留してなる種菌貯蔵タンク1から無菌状態にて前記液状種菌Bを小分け充填してなる柔軟性を有する液状種菌充填バッグ2である。また無菌状態に小分けされた前記液状種菌充填バッグ2から種菌供給管路4を介して前記液状種菌Bを加圧供給して液状種菌噴射機構30へと送り出す注出工程と、前記液状種菌噴射機構30に設けられた噴射ノズル36から栽培容器18の培養基Cへと所定量の液状種菌を加圧して噴霧するために切換作動する流量設定工程とからなる液状種菌Bの接種方法によって達成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液状種菌を培養貯留してなる種菌貯蔵タンクから無菌状態にて前記液状種菌を小分け充填してなることを特徴とする柔軟性を有する液状種菌充填バッグ。 【請求項2】 前記液状種菌充填バッグには、その液状種菌充填バッグ内の液状種菌を外部へと注出可能とする供給口を設けてなることを特徴とする請求項1に記載の液状種菌充填バッグ。 【請求項3】 前記液状種菌充填バッグを内袋とし、その外側を硬質材料からなる外箱によって覆ってなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液状種菌充填バッグ。 【請求項4】 無菌状態に小分けされた前記液状種菌充填バッグから種菌供給管路を介して前記液状種菌を加圧供給して液状種菌噴射機構へと送り出す注出工程と、前記液状種菌噴射機構に設けられた噴射ノズルから栽培容器の培養基へと所定量の液状種菌を加圧して噴霧するために切換作動する流量設定工程とからなる液状種菌の接種方法。 【請求項5】 請求項4における液状種菌の接種方法において、前記液状種菌噴射機構に設けられた噴射ノズルによる接種時に、前記栽培容器内の培養基の床面位置を主体にして液状種菌を接種する工程と、培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体にして液状種菌を接種する工程とからなることを特徴とする液状種菌の接種方法。 【請求項6】 栽培容器内の培養基に種菌を接種する接種装置において、液状種菌を培養貯留してなる種菌貯蔵タンクから殺菌処理状態にて前記液状種菌が小分け充填された柔軟性を有する液状種菌充填バッグと、この液状種菌充填バッグから液状種菌を供給するための種菌供給管路と、前記液状種菌充填バッグあるいは前記種菌供給管路の搬送経路途上において液状種菌を加圧して送り出すための液状種菌加圧供給手段と、この液状種菌加圧供給手段から加圧供給された前記液状種菌を前記栽培容器の培養基に噴霧して接種する液状種菌噴射機構と、この液状種菌噴射機構に設けられ、前記液状種菌充填バッグから前記種菌供給管路を介して圧送されてきた液状種菌の供給,遮断を行う噴霧開閉弁とを備えてなることを特徴とする液状種菌の接種装置。 【請求項7】 前記噴霧開閉弁を切換作動して液状種菌を接種する流量あるいは接種時間を設定する弁開閉駆動制御手段を備えてなることを特徴とする請求項6に記載の液状種菌の接種装置。 【請求項8】 前記液状種菌噴射機構には、前記栽培容器に対して接近離反移動可能とする昇降機構が設けられ、この昇降機構による所定の作動位置にて、前記液状種菌噴射機構によって前記栽培容器内の培養基の床面位置を主体にして液状種菌を噴霧して接種するとともに、前記培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体にして液状種菌を噴霧して接種するように構成してなることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の液状種菌の接種装置。 【請求項9】 前記栽培容器として合成樹脂製などからなる包装袋によって形成してなることを特徴とする請求項6から請求項8に記載の液状種菌の接種装置。 【請求項10】 前記栽培容器として合成樹脂製などからなる蓋付きの栽培瓶により形成するとともに、この栽培瓶を縦横に複数整列して収納したコンテナを搬入側から供給し、かつ前記栽培瓶を間欠移送しつつ搬出側へとコンテナを搬送する搬送機構と、この搬送機構により種菌接種位置に移送された前記コンテナ内の栽培瓶の蓋を順次所定の個数を開閉作動する蓋開閉機構と、この蓋開閉機構により開閉作動される栽培瓶の数に合わせて設けられ、前記蓋開閉機構により蓋が開放作動された前記栽培瓶内の培養基に向けて液状種菌を噴霧して接種する前記液状種菌噴射機構とを備えてなることを特徴とする請求項6から請求項8に記載の液状種菌の接種装置。 【請求項11】 前記栽培容器として合成樹脂製などからなる蓋付きの栽培瓶により形成するとともに、この栽培瓶を縦横に複数整列して収納したコンテナを搬入側から供給し、かつ前記栽培瓶を間欠移送しつつ搬出側へとコンテナを搬送する搬送機構と、この搬送機構により間欠移送された前記コンテナ内の栽培瓶の蓋を横一列単位で開閉作動する蓋開閉機構と、この蓋開閉機構により蓋が開放された横一列単位の栽培瓶に対して所定量の液状種菌を前記栽培瓶内にそれぞれ供給する前記液状種菌噴射機構とを備えてなることを特徴とする請求項6から請求項8に記載の液状種菌の接種装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、きのこ栽培容器内に充填した培養基にきのこの種菌を接種する種菌接種方法と接種装置および種菌を充填する充填バッグに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、大鋸屑や米ぬかなどを主成分に栄養源を配合した培養基を用いてきのこ類を人工栽培する方法としては、培養基を栽培容器に充填して殺菌処理し、その充填した栽培容器の中にエノキダケ,マイタケなどのきのこ類の種菌を接種した後に、栽培容器の口部に蓋を被せて閉塞し、予め決められた温度,湿度条件下で菌を培養して工業的に栽培する方法などが行われている。 【0003】ところで、従来の培養基を用いたきのこの人工栽培で一般的に用いられている種菌としては、大鋸屑や米ぬかなどを主成分に栄養源を配合した固形の種菌培養基に種菌を種菌瓶内にて繁殖させている。この固形の種菌培養基に種菌を接種し培養するまでに通常3週間以上も費やしてしまうということから、種菌培養時に多くの種菌瓶を格納するスペースが必要であり、種菌を供給する種菌センターなどにおいては広大なスペースを確保する必要がある。従って、個人栽培者にあっては、スペースの問題、設備の問題などでコストもかかるため、種菌センターなどから種菌を購入してきのこの栽培を行っている。 【0004】この際、前記種菌瓶内の固形の種菌を接種する場合にあっては、種菌が収容された種菌瓶を逆さ状態にして接種装置の本体フレーム側に装着し、この状態で種菌瓶を回転させるとともに、この種菌瓶の口部から掻き出し刃を設けた掻き出し軸を回転させながら種菌瓶内に挿入し、その掻き出し軸を回転させつつ徐々に上昇させながら掻き出し刃によって種菌を掻き出し、ホッパーなどを介して栽培容器内に掻き出された種菌を充填するように構成している。 【0005】また上記従来技術においては、種菌の充填量は一般的に栽培するきのこの種類によって前記掻き出し軸の回転時間を設定しているため、逆さにセットされた種菌瓶の口部の外径寸法と胴部の外径寸法の差によって種菌の掻き出し量が異なってしまうことがあったり、また種菌瓶内の種菌自体が固形状であるため、種菌の掻き出しの際に掻き出される種菌(大鋸屑)の大きさがばらつくことがあり、この結果、種菌の充填量にばらつきが生じることがあり、特に種菌の充填量が所定量以下であった場合、種菌の菌糸が栽培容器内に繁殖しづらく培養日数がかかってしまうことがある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】この点を考慮するものとして、固形状の種菌に比べて培養期間の短い液状種菌による接種方法の開発が進められており、液状種菌培養タンク内にて液体状の種菌を培養し、その液状種菌培養タンク内の液状種菌を栽培容器内の培養基に向けて噴射あるいは噴霧することによって接種する種菌接種装置が種々提案されている。たとえば特公昭47−41805号公報には、液状種菌培養タンク内にて液体状の種菌を培養し、その培養後において液状の種菌を取り出す構造が提案されており、また特開昭62−171618号公報などにおいては、キノコの人工栽培法として、液体状の種菌を培養し、種菌活性の高まる急速増殖期に移行した段階で種菌をキノコ栽培容器内に接種するようにする方法および装置が提案されている。この場合、培養された液状の種菌は、接種時において雑菌の侵入を防ぐために、液体種菌培養タンクから種菌取り出しノズルを介して栽培容器内に向けて直接的に接種するようにしている。 【0007】しかしながら、上述した液体状の種菌接種方法あるいは接種装置にあっては、前述した特開昭62−171618号公報などにおいて提案されているように、いくつかの工程を経て液状種菌培養タンク内に液状の種菌が貯留されるものであり、装置自体が大がかりとなるため、経営規模の小さい企業や個人栽培者などにおいては、接種工程設備に加えて、高額な種菌培養タンクや室内クリーン設備や室内空調設備などの種菌培養設備などが必要となるため、液状種菌の培養設備までは導入することができないことが実状である。このため、液状種菌を貯留した液状種菌培養タンクを経営規模の小さい企業や個人栽培者宅へと運搬し、その液状種菌培養タンク内の液状種菌を接種するということも想定されるが、培養タンクは約300リットルから500リットルの大きさを有するため運搬作業も大変であり、生産数量の比較的に少ない零細企業や個人栽培者には不向きである。 【0008】また前述した問題とは別にして、一般的に、栽培容器である栽培瓶や栽培袋の内部に充填された培養基の表面部分には、その中央部分に培養基の上面から底に向けて植菌孔を設けている。この植菌孔は培養基中での菌まわりをよくするために設けられるもので、培養基自体の通気性を良くしたり、栽培容器(栽培瓶、栽培袋)の内部に種菌を接種した際に培養基の底部まで種菌が行き渡り易くする目的で行ってはいるが、前述の液体状の種菌を接種する方法あるいは接種装置では、培養基の表面部分である床面と植菌孔とに種菌が行き渡らないことがあるため、菌まわりが良好に行えないという問題も残されている。 【0009】そこで本発明は、前述の問題を解決するものであって、種菌接種設備を大きく変更することなく比較的に簡易にして、液状種菌を接種する種菌接種方法と接種装置および簡易に持ち運びを可能とする液状種菌を充填する充填バッグを提供することにある。また種菌の供給量をほぼ一定に保ちながら安定した種菌充填を行うことのできる液状種菌の接種装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1では、液状種菌を培養貯留してなる種菌貯蔵タンクから無菌状態にて前記液状種菌を小分け充填してなる柔軟性を有する液状種菌充填バッグである。 【0011】また請求項2では、請求項1において、前記液状種菌充填バッグには、その液状種菌充填バッグ内の液状種菌を外部へと注出可能とする供給口を設けてなる液状種菌充填バッグである。 【0012】また請求項3では、請求項1または請求項2において、前記液状種菌充填バッグを内袋とし、その外側を硬質材料からなる外箱によって覆ってなる液状種菌充填バッグである。 【0013】また請求項4では、無菌状態に小分けされた前記液状種菌充填バッグから種菌供給管路を介して前記液状種菌を加圧供給して液状種菌噴射機構へと送り出す注出工程と、前記液状種菌噴射機構に設けられた噴射ノズルから栽培容器の培養基へと所定量の液状種菌を加圧して噴霧するために切換作動する流量設定工程とからなる液状種菌の接種方法である。 【0014】また請求項5では、請求項4における液状種菌の接種方法において、前記液状種菌噴射機構に設けられた噴射ノズルによる接種時に、前記栽培容器内の培養基の床面位置を主体にして液状種菌を接種する工程と、培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体にして液状種菌を接種する工程とからなる液状種菌の接種方法である。 【0015】また請求項6では、栽培容器内の培養基に種菌を接種する接種装置において、液状種菌を培養貯留してなる種菌貯蔵タンクから殺菌処理状態にて前記液状種菌が小分け充填された柔軟性を有する液状種菌充填バッグと、この液状種菌充填バッグから液状種菌を供給するための種菌供給管路と、前記液状種菌充填バッグあるいは前記種菌供給管路の搬送経路途上において液状種菌を加圧して送り出すための液状種菌加圧供給手段と、この液状種菌加圧供給手段から加圧供給された前記液状種菌を前記栽培容器の培養基に噴霧して接種する液状種菌噴射機構と、この液状種菌噴射機構に設けられ、前記液状種菌充填バッグから前記種菌供給管路を介して圧送されてきた液状種菌の供給,遮断を行う噴霧開閉弁とを備えてなる液状種菌の接種装置である。 【0016】また請求項7では、請求項6において、前記噴霧開閉弁を切換作動して液状種菌を接種する流量あるいは接種時間を設定する弁開閉駆動制御手段を備えてなる液状種菌の接種装置である。 【0017】また請求項8では、請求項6または請求項7において、前記液状種菌噴射機構には、前記栽培容器に対して接近離反移動可能とする昇降機構が設けられ、この昇降機構による所定の作動位置にて、前記液状種菌噴射機構によって前記栽培容器内の培養基の床面位置を主体にして液状種菌を噴霧して接種するとともに、前記培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体にして液状種菌を噴霧して接種するように構成してなる液状種菌の接種装置である。 【0018】また請求項9では、請求項6から請求項8において、前記栽培容器として合成樹脂製などからなる包装袋によって形成してなる液状種菌の接種装置である。 【0019】また請求項10では、請求項6から請求項8において、前記栽培容器として合成樹脂製などからなる蓋付きの栽培瓶により形成するとともに、この栽培瓶を縦横に複数整列して収納したコンテナを搬入側から供給し、かつ前記栽培瓶を間欠移送しつつ搬出側へとコンテナを搬送する搬送機構と、この搬送機構により種菌接種位置に移送された前記コンテナ内の栽培瓶の蓋を順次所定の個数を開閉作動する蓋開閉機構と、この蓋開閉機構により開閉作動される栽培瓶の数に合わせて設けられ、前記蓋開閉機構により蓋が開放作動された前記栽培瓶内の培養基に向けて液状種菌を噴霧して接種する前記液状種菌噴射機構とを備えてなる液状種菌の接種装置である。 【0020】また請求項11では、請求項6から請求項8において、前記栽培容器として合成樹脂製などからなる蓋付きの栽培瓶により形成するとともに、この栽培瓶を縦横に複数整列して収納したコンテナを搬入側から供給し、かつ前記栽培瓶を間欠移送しつつ搬出側へとコンテナを搬送する搬送機構と、この搬送機構により間欠移送された前記コンテナ内の栽培瓶の蓋を横一列単位で開閉作動する蓋開閉機構と、この蓋開閉機構により蓋が開放された横一列単位の栽培瓶に対して所定量の液状種菌を前記栽培瓶内にそれぞれ供給する前記液状種菌噴射機構とを備えてなる液状種菌の接種装置である。 【0021】 【発明の実施の形態】請求項1の発明では、液状種菌を培養貯留してなる種菌貯蔵タンクから無菌状態にて前記液状種菌を小分け充填してなる柔軟性を有する液状種菌充填バッグであるため、重量の重い液状種菌を培養貯留してなる種菌貯蔵タンクを運搬する必要もなく、コンパクトな持ち運びやすい液状種菌充填バッグに液状種菌を充填することで操作性が良好で、しかも殺菌処理状態にて液状種菌が封入されてパックされているため、次の工程である接種作業をも簡便に行うことが可能となる。 【0022】また請求項2の発明では、前記液状種菌充填バッグには、その液状種菌充填バッグ内の液状種菌を外部へと注出可能とする供給口を設けてなることにより、供給口から簡単に外部へと液状種菌を供給することが可能となる。 【0023】また請求項3の発明では、前記液状種菌充填バッグを内袋とし、その外側を硬質材料からなる外箱によって覆ってなることにより、型くずれを抑えつつ充填バッグの外側を部分的にでも覆うことによって保護することができ、持ち運びも良好に行うことができる。 【0024】また請求項4の発明では、無菌状態に小分けされた前記液状種菌充填バッグから種菌供給管路を介して前記液状種菌を加圧供給して液状種菌噴射機構へと送り出す注出工程と、前記液状種菌噴射機構に設けられた噴射ノズルから栽培容器の培養基へと所定量の液状種菌を加圧して噴霧するために切換作動する流量設定工程とからなる液状種菌の接種方法であり、液状種菌充填バッグによって小分けされるため、操作性が良好であり、液状種菌を加圧しつつ液状種菌噴射機構側へと供給し、流量設定工程において、液状種菌噴射機構に設けられた噴射ノズルから所定量の液状種菌を加圧しながら噴霧することができ、これにより栽培容器の培養基に所定量の液状種菌を噴霧して接種することができる。 【0025】また請求項5の発明では、前記液状種菌噴射機構に設けられた噴射ノズルによる接種時に、前記栽培容器内の培養基の床面位置を主体にして液状種菌を接種する工程と、培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体にして液状種菌を接種する工程とからなる液状種菌の接種方法であるため、栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分とその床面部分の一部を窪ませて穿設された植菌孔とのそれぞれの表面部分に液状種菌を満遍なく接種することが可能となり、これにより種菌による培養基への菌糸の育成を良好に促すことが可能となる。 【0026】また請求項6の発明では、栽培容器内の培養基に種菌を接種する接種装置において、液状種菌を培養貯留してなる種菌貯蔵タンクから殺菌処理状態にて前記液状種菌が小分け充填された柔軟性を有する液状種菌充填バッグと、この液状種菌充填バッグから液状種菌を供給するための種菌供給管路と、前記液状種菌充填バッグあるいは前記種菌供給管路の搬送経路途上において液状種菌を加圧して送り出すための液状種菌加圧供給手段と、この液状種菌加圧供給手段から加圧供給された前記液状種菌を前記栽培容器の培養基に噴霧して接種する液状種菌噴射機構と、この液状種菌噴射機構に設けられ、前記液状種菌充填バッグから前記種菌供給管路を介して圧送されてきた液状種菌の供給,遮断を行う噴霧開閉弁とを備えてなる液状種菌の接種装置であるため、コンパクトな持ち運びやすい液状種菌充填バッグに液状種菌を充填することで操作性を良好にして、接種装置に設けた種菌供給管路と接続することができるとともに、液状種菌加圧供給手段によって液状種菌を直接的に加圧しつつ液状種菌噴射機構側へと供給し、噴射開閉弁の作動により液状種菌充填バッグから種菌の供給量をほぼ一定に送り出すことができ、これにより栽培容器の培養基に所定量の液状種菌を噴霧して接種することができるものである。 【0027】また請求項7の発明では、前記噴霧開閉弁を切換作動して液状種菌を接種する流量あるいは接種時間を設定する弁開閉駆動制御手段を備えてなる液状種菌の接種装置であり、液状種菌噴射機構の噴射形態や噴射口の口径に合わせたりあるいは栽培容器内の培養基の容量や形態あるいは培養基の媒質などに応じて種菌の接種充填量を弁開閉駆動制御手段によって調節して設定することができ、バラツキもなく種菌の充填量を設定しながらしかもほぼ一定量に保つことができ、安定した接種工程作業を行うことができる。 【0028】また請求項8の発明では、前記液状種菌噴射機構には、前記栽培容器に対して接近離反移動可能とする昇降機構が設けられ、この昇降機構による所定の作動位置にて、前記液状種菌噴射機構によって前記栽培容器内の培養基の床面位置を主体にして液状種菌を噴霧して接種するとともに、前記培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体にして液状種菌を噴霧して接種するように構成してなる液状種菌の接種装置であるため、前記昇降装置による所定の作動位置にて、前記栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分とその床面部分の一部に窪ませて穿設された植菌孔とのそれぞれの表面部分に前記液状種菌噴射機構によって液状種菌を満遍なく接種することができる。 【0029】また請求項9の発明では、請求項6から請求項8において、前記栽培容器として合成樹脂製などからなる包装袋によって形成してなることにより、その包装袋の袋口側から培養基に向けて所定量の液状種菌を接種することができる。 【0030】また請求項10の発明では、請求項6から請求項8において、前記栽培容器として合成樹脂製などからなる蓋付きの栽培瓶により形成するとともに、この栽培瓶を縦横に複数整列して収納したコンテナを搬入側から供給し、かつ前記栽培瓶を間欠移送しつつ搬出側へとコンテナを搬送する搬送機構と、この搬送機構により種菌接種位置に移送された前記コンテナ内の栽培瓶の蓋を順次所定の個数を開閉作動する蓋開閉機構と、この蓋開閉機構により開閉作動される栽培瓶の数に合わせて設けられ、前記蓋開閉機構により蓋が開放作動された前記栽培瓶内の培養基に向けて液状種菌を噴霧して接種する前記液状種菌噴射機構とを備えてなる液状種菌の接種装置であり、コンテナ内に収納された状態にて、栽培容器の蓋を蓋開閉機構により所定の個数を開閉作動するとともに、その蓋の開放時に液状種菌噴射機構によって液状種菌を接種するため、液状種菌の接種作業効率を高めることができるとともに、栽培容器の蓋の開放時間を極力短縮して雑菌の侵入を抑制することができる。また接種工程完了後においては、前記搬送機構によりコンテナ内に収納されている栽培容器が搬出側へと移送される。また昇降装置による所定の作動位置にて、前記栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分とその床面部分の一部に窪ませて穿設された植菌孔とのそれぞれの表面部分に前記液状種菌噴射機構によって液状種菌を満遍なく接種することが可能となる。これにより種菌による培養基の内部への菌糸の育成を良好に促すことが可能となる。 【0031】また請求項11の発明では、請求項6から請求項8において、前記栽培容器として合成樹脂製などからなる蓋付きの栽培瓶により形成するとともに、この栽培瓶を縦横に複数整列して収納したコンテナを搬入側から供給し、かつ前記栽培瓶を間欠移送しつつ搬出側へとコンテナを搬送する搬送機構と、この搬送機構により間欠移送された前記コンテナ内の栽培瓶の蓋を横一列単位で開閉作動する蓋開閉機構と、この蓋開閉機構により蓋が開放された横一列単位の栽培瓶に対して所定量の液状種菌を前記栽培瓶内にそれぞれ供給する前記液状種菌噴射機構とを備えてなる液状種菌の接種装置であり、前記搬送機構により種菌接種位置に間欠移送され、この種菌接種位置にて前記コンテナ内の栽培容器の蓋が横一列単位で開閉する蓋開閉機構によって開放され、蓋開閉機構により蓋が開放された横一列単位の栽培容器に対して所定量の液状種菌が前記栽培容器内に前記液状種菌噴射機構を介してそれぞれ供給されて接種され、その接種後に前記蓋開閉機構によって蓋が閉塞され、順次この繰り返しに基づいて前記搬送機構によりコンテナ内の栽培容器が横一列単位で間欠的に搬出側へと移送される。この接種時においては、コンテナ内の栽培容器の蓋が横一列単位で蓋開閉機構により開放され、その開放時に液状種菌噴射機構によって液状種菌を接種するため、液状種菌の接種作業効率を高めることができるとともに、栽培容器の蓋の開放時間を極力短縮して雑菌の侵入を抑制することができる。また昇降装置による所定の作動位置にて、前記栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分とその床面部分の一部に窪ませて穿設された植菌孔とのそれぞれの表面部分に前記液状種菌噴射機構によって液状種菌を満遍なく接種することが可能となるため、種菌による培養基の内部への菌糸の育成を良好に促すことができる。 【0032】 【実施例】以下、本発明に係る液状種菌による接種装置の第1実施例を図1から図29を参照にして説明する。図1は種菌貯蔵タンクと、液状種菌充填バッグおよび液状種菌による接種装置との全体構成概要図を示すもので、種菌センターにて培養される液状種菌Bは約300リットルから500リットルの大きさの金属製からなる種菌貯蔵タンク1内に培養貯留されており、この種菌貯蔵タンク1から液状種菌Bを無菌状態を保ったまま柔軟性を有する液状種菌充填バッグ2にそれぞれ小分けにされて充填密封されて保管される。この小分けにされた無菌状態の液状種菌充填バッグ2は、それぞれの栽培者へと運搬されて液状種菌がBが栽培者に供給される。また各栽培者による接種時においては、液状種菌充填バッグ2と接種装置3とを柔軟性を有するチューブからなる種菌供給管路4を介して連結するとともに、液状種菌充填バッグ2内の液状種菌Bを加圧して接種装置3側へと供給するように構成している。 【0033】第1実施例の前記液状種菌充填バッグ2としては、図2に示すように供給口5が設けられるとともに、この供給口5から吸出パイプ6が液状種菌充填バッグ2の内部側に挿入されて配設されている。また液状種菌充填バッグ2自体は硬質の外箱となる加圧容器7内に収容されるように設けられている。この加圧容器7側には、前記液状種菌充填バッグ2から液状種菌Bを前記種菌供給管路4を介して接種装置3側へと加圧して供給するために、コンプレッサーなどからなる液状種菌加圧手段8によって加圧エアーホース9を介して液状種菌充填バッグ2を外側から空気圧によって加圧することが可能となるように接続して構成している。その際、液状種菌充填バッグ2を加圧する圧力を調整する圧力調整器10を液状種菌加圧手段8と加圧容器7との間に介在して空圧力を設定可能に設けている。 【0034】また前記接種装置3としては、接種装置3の本体フレーム11の略全長に渡りコンベヤからなる搬送機構12が設けられ、この搬送機構12は操作パネル13のスイッチの操作により起動,停止が可能に設けられている。また本体フレーム11の両端側にそれぞれ複数個のスプロケットホイール14が軸支され、本体フレーム11の両端に設けられた前記スプロケットホイール14間にエンドレスのチェーン15が平行に掛け渡され、駆動源側となる前記スプロケットホイール14にはモータ16による回転力が伝達されるようになっている。 【0035】そして、大鋸屑や米ぬかなどの培養基Cが充填され蓋17で密封された合成樹脂製の栽培瓶からなる栽培容器18をたとえば縦列4個,横列4個を収納した合成樹脂製のコンテナ19を移送始端側におけるコンベヤからなる搬送機構12のチェーン15上に載せ、その搬送機構12を始動させるとチェーン15の走行によってコンテナ19を移送終端側に向かって搬送できるようになっている。 【0036】前記本体フレーム11に設けられた搬送機構12によって、栽培容器18を縦横に複数整列して収納したコンテナ19を搬入側から種菌を接種する領域へと移送し、かつその種菌の接種領域にて前記コンテナ19とともに栽培容器18を間欠的に移送するように構成している。この場合、栽培容器18が適正な種菌接種領域に到達した際に搬送機構12を介して送られてくるコンテナ19を停止する手段として、この実施例においてはストッパピン20Aを備えたストッパ機構20が設けられるとともに、コンテナ19内の栽培容器18を位置規整しつつ蓋17を開閉作動する際に栽培容器18を位置決め保持可能とする栽培容器位置決め保持機構21が設けられている。 【0037】この場合、コンテナ19を所定の位置で停止するためのコンテナ19のストッパ機構20に設けられたストッパピン20Aの間隔は、コンテナ19内に収納されている栽培容器18の縦列(4個)に整列された栽培容器18の間隔に合わせて4列に配設されており、このストッパ機構20の各ストッパピン20Aは駆動手段であるエアシリンダ20Bを介して上下動可能に設けられるとともに、各ストッパピン20Aはそれぞれ独立して搬送機構12の搬送面より上方に向かって常時弾発付勢されるようにスプリング20Cを介して設けられている。 【0038】また搬送機構12によってコンテナ19内に収納されている栽培容器18が接種領域位置に搬送されてきたときに、横一列単位に並んでいる栽培容器18の肩部を位置決め保持可能とする前記栽培容器位置決め保持機構21としては、その横一列単位に配列されている外側に位置した栽培容器18の肩部と、前記横一列単位に並んでそれぞれ隣り合う栽培容器18の肩部とを各々保持する肩部押さえアーム部材22がそれぞれ配設されている。この実施例では、横一列単位の栽培容器18の個数が4個であるため、それぞれの栽培容器18の肩部を各々保持する5個の肩部押さえアーム部材22を配設しており、この各肩部押さえアーム部材22は押さえアーム取付軸23に挿通されて固定され、この押さえアーム取付軸23の両端はそれぞれL字状アーム24に設けた長穴箇所に固定ボルトやビスなどを介して位置調整可能に取付固定され、各L字状アーム24の先端部は、種菌接種装置の本体フレーム11側に設けられた支軸25を支点にして回動可能に支持されている。またL字状アーム24の基端部には連結ロッド26を介して駆動手段である駆動シリンダ27がそれぞれ取付固定され、この各駆動シリンダ27は本体フレーム11に架け渡されたシリンダ支持軸28に固定されている。 【0039】従って、駆動シリンダ27の作動によって連結ロッド26が押されることによりL字状アーム24が支軸25を基点として回動し、L字状アーム24の中間部に取付固定された押さえアーム取付軸23とこの取付軸23に回り止め状態に取り付けられている肩部押さえアーム部材22が支軸25位置を基点として回動し、肩部押さえアーム部材22の先端部が横一列に並んでいる栽培容器18の肩部を押さえ付けることによって所定の位置に栽培容器18が保持されるように構成されている。なお肩部押さえアーム部材22の先端部裏面側にウレタンゴムなどを貼り付けるとともにその先端部には、直接的に栽培容器18に大きな負荷を加えないようにするために、柔軟性を有する樹脂チューブを被嵌している。 【0040】また前記搬送機構12によってコンテナ19内に収納されている栽培容器18が種菌接種領域位置に搬送されてきたときに、横一列単位にて栽培容器18が前記栽培容器位置決め保持機構21によって位置決め保持されるとともに、その種菌接種領域の上方位置にて横一列単位に配列された栽培容器18の蓋17を開閉作動するための蓋開閉機構29が配列されている。 【0041】また蓋開閉機構29の作動によって栽培容器18の最前列位置に整列された横一列単位の蓋17の開放時に、蓋17が開放されて整列されている横一列単位の栽培容器18内の培養基Cに対して、横一列単位の栽培容器18の個数(4個)に合わせて1列(4個)に配列したそれぞれの液状種菌噴射機構30を介して液状種菌Bを噴射し、前記開放された栽培容器18内に液状種菌Bを充填して接種するように構成している。この実施例にあっては、たとえば本願出願人が先に提案した特願2000−323298号などに開示しているように、液状種菌Bを栽培容器18内に供給する液状種菌噴射機構30として、前記栽培容器18が通過する上方側に位置して1列に配列し、その横一列単位の個数としては栽培容器18の個数である4個と同数の4個の液状種菌噴射機構30が横一列単位に等間隔に設置されているが、栽培容器18の外径寸法やコンテナ19の大きさなどによって横一列単位の個数が5個になったり、6個に設定される場合もあり、またコンテナ内19に整列されている栽培容器18を接種する場合、本願出願人が先に提案した特願2000−389972号などに開示しているように、横2列を同時に接種できるように蓋開閉機構29と液状種菌噴射機構30をそれぞれ横2列に配列して一挙に液状種菌Bを接種できるように構成することも可能であり、その場合、仕様に応じて適宜設定すればよい。 【0042】また前記液状種菌噴射機構30によって開放された横一列単位の前記栽培容器18内に液状種菌Bを充填して接種した後、蓋開閉機構29の復帰作動によって蓋17を栽培容器18に被着する。その蓋17の閉塞が完了した後に栽培容器18を保持していた栽培容器位置決め保持機構21の作動を復帰することにより、最前列に位置した横一列の栽培容器18内に液状種菌Bが接種される。次いで搬送機構12によってコンテナ19を間欠的に移送してコンテナ19内に収納されている栽培容器18の第2列目に整列されている4個の栽培容器18を栽培容器位置決め機構21の作動によって保持するとともに、その第2列目の栽培容器18の蓋17を横1列単位にて前記蓋開閉機構29によって開閉作動し、同様に横1列単位にて配列した4個の液状種菌噴射機構30によって液状種菌Bを噴霧して栽培容器18内に接種した後、蓋開閉機構29の復帰作動によって蓋17を栽培容器18に被着し、続いて栽培容器位置決め機構21の復帰作動により第2列目の接種工程が完了する。そしてコンテナ19内に整列されている栽培容器18の第3列目と第4列目も同様にしてコンテナ19内の全ての栽培容器18の培養基Cに対して接種が完了した後、搬送機構12によりコンテナ19を搬出側へと移送するようにしている。 【0043】この第1実施例にあっては、前述したように、種菌貯蔵タンク1から液状種菌Bを無菌状態のまま小分けされた液状種菌充填バッグ2は、その充填バッグ2の供給口5に前記チューブからなる種菌供給管路4を介して前記接種装置3の液状種菌噴射機構30側へと連結するように構成している。 【0044】この際、液状種菌充填バッグ2自体は前述したように硬質の外箱となる加圧容器7内に収容されるとともに、前記液状種菌充填バッグ2から液状種菌Bを前記種菌供給管路4を介して液状種菌噴射機構30へと加圧して供給するために、コンプレッサーなどからなる液状種菌加圧手段8によって加圧エアーホース9を介して液状種菌充填バッグ2の外側から空気圧によって加圧するようにしている。 【0045】また前記液状種菌加圧手段8によって加圧供給される液状種菌充填バッグ2内の液状種菌Bは、液状種菌噴射機構30により栽培容器18内の培養基Cに噴射されて接種されるが、液状種菌噴射機構30に設けられた噴射開閉弁31の作動によって前記液状種菌充填バッグ2から種菌供給管路4を介して圧送されてきた液状種菌Bの供給,遮断が行われるように構成している。 【0046】この実施例では、前記液状種菌噴射機構30に設けられた液状種菌Bの供給,遮断を行う前記噴射開閉弁31を往復作動するために、その噴射開閉弁31にエアを供給するコンプレッサーなどからなる気体加圧手段32が設けられ、この気体加圧手段32と噴射開閉弁31が設けられた液体種菌噴射機構30との間にフィルタ33を介して柔軟性を有するチューブからなる気体供給管路34が接続されるとともに、フィルタ33と液状種菌噴射機構30との間に加圧気体であるエアの供給,遮断を行う電磁弁35が介在されている。 【0047】またフィルタ33は気体加圧手段32から送り出されるエアを浄化するために設けられているものであり、液状種菌噴射機構30の内部に雑菌が入り込まないように構成している。 【0048】この第1実施例における液状種菌噴射機構30は、前記栽培容器18が通過する上方側に位置して、前記横一列の個数である4個の栽培容器18と同数配置されており、それぞれの液状種菌噴射機構30には栽培容器18内の培養基Bに噴霧して接種する噴射ノズル36を先端側に備えた液状種菌噴射シリンダ本体37が設置されている。この液状種菌噴射シリンダ本体37には、図17から図19などに示されるように、前記種菌供給管路4側と連結される種菌供給口37Aと、この種菌供給口37Aから連続して液状種菌Bが流入可能な中空状流体通路37Bとが形成され、その中空状流体通路37Bの先端部側に前記噴射ノズル36が取り付け固定されるとともに、噴射ノズル36と種菌供給口37Aとの間の前記中空状流体通路37Bには、圧送されてくる液状種菌Bの供給,遮断を行う前記噴射開閉弁31が配設されている。 【0049】また噴射開閉弁31に設けられた弁体31A部分の動きに連れて開放状態となったり、閉塞状態となったりする弁座37Cが中空状流体通路37Bの途中に形成されるとともに、液状種菌噴射シリンダ本体37の後端側には、気体供給管路34の端部と連結される気体供給口37Dが設けられている。また噴射ノズル36と種菌供給口37Aとの間の中空状流体通路37Bの途中に設けられた弁座37Cに対して前記噴射開閉弁31の往復移動の動きに連れて噴射開閉弁31に設けられた弁体31Aが開放作動したり,閉塞作動したりすることにより、圧送されてくる液状種菌Bの供給,遮断が行われる。 【0050】また前記噴射開閉弁31には、液状種菌噴射シリンダ本体37に設けられた中空状流体通路37Bを開閉する前記弁体311Aが設けられるとともに、その弁体31Aから連続して後方に延びるピストンシャフト31Bの端部が前記液状種菌噴射シリンダ本体37の気体供給口37Dに臨んで配設されている。またピストンシャフト31Bに設けられた径大部分と液状種菌噴射シリンダ本体37との間にピストンスプリング31Cが介在され、そのピストンスプリング31Cによって弁体31Aが液状種菌噴射シリンダ本体37に設けられた中空状流体通路37Bの弁座37Cに向けて常時弾発付勢されるように配設されている。 【0051】また液状種菌噴射シリンダ本体37に設けられた中空状流体通路37B側と液状種菌噴射シリンダ本体37の後端側に設けられた気体供給口37Dとの間を水密に保つために、ピストンシャフト31Bと液状種菌噴射シリンダ本体37との間に気密部材となる合成ゴムなどの柔軟性材料からなるダイアフラム31Dが配設されている。 【0052】また液状種菌噴射シリンダ本体37の中空状流体通路37Bの先端側に取り付け固定された噴射ノズル36は、その内部に液状種菌Bを噴射する際に所定の噴射パターンとなるように設定されたノズルチップ36Aが配設され、噴射ノズル36の噴射口36Bから加圧された液状種菌Bが栽培容器18の培養基Cに向けて噴射するように構成されている。 【0053】前述した液状種菌噴射機構30に設けられた4個の噴射ノズル36を備えた液状種菌噴射シリンダ本体37は、固定ビスなどによってそれぞれノズル固定部材38を介して着脱可能にプレート状のノズル取付部材39に固定保持されるとともに、このノズル取付部材39は接種装置の本体フレーム11側となる支持プレート40に着脱可能に取り付け固定されている。この場合、前記ノズル取付部材39の両端側には切り欠き溝39Aが設けられており、前記支持プレート40に前記ノズル取付部材39の切り欠き溝39Aを合わせて固定用ネジRによって回し締め固定するように構成している。従って、固定用ネジRを緩めることにより支持プレート40に対してノズル取付部材39が、切り欠き溝39Aに沿って取り外されるように設けられている。(図10,図11などを参照) 【0054】また前記支持プレート40はエアシリンダ41の作動によって上下方向に往復移動可能に設けられ、このエアシリンダ41はシリンダ支持板42に固定されており、このシリンダ支持板42の下端側に取り付け固定された駒部42Aが本体フレーム11側に設けられた案内ロッド43沿って水平方向に往復移動可能に配設されている。 【0055】また種菌接種領域において、横一列単位にて栽培容器18の蓋17を開閉作動するそれぞれの蓋開閉機構29としては、本願出願人が先に提案した特開平5−103542号公報等に示されているように、横一列に位置決め配列されたそれぞれの栽培容器18の蓋17をその上面側と下面側とから挟着可能とする対をなす固定挟着部材44と挟着シャフトからなる可動挟着部材45とを設け、その可動挟着部材44を進退駆動可能とし、可動挟着部材45と固定挟着部材44間に横一列単位の各蓋17を挟着およびその解除を行う挟着部材開閉手段となるエアシリンダ46がそれぞれ設けられている。この各シリンダ46は接種装置本体の本体フレーム11の幅方向に沿って設けられたシリンダ保持板47上に取り付け固定されるとともに、このシリンダ保持板47の端部に逆T字状のリンクアーム部材からなる伝達移動手段48が取り付け固定され、前記シリンダ保持板47上に取り付けられた固定挟着部材44、可動挟着部材45およびエアシリンダ46は前記リンクアーム部材48(伝達移動手段48)を介して前記栽培容器18の蓋閉塞位置と蓋開放位置との間を移動可能に設けて構成しているものであり、この場合、前記リンクアーム部材48は、本体フレーム11に設けられた支軸25(この実施例では前述した栽培容器位置決め保持機構21に設けられた支軸25と兼用している。)を介して回動可能に設けられている。(図14から図16を参照) 【0056】また前記搬送機構12の下方側には、駆動シリンダ49が設けられ、この駆動シリンダ49に設けられたロッド50の先端部が前記リンクアーム部材48の端部に枢着されて連結固定されるとともに、このリンクアーム部材48の端部側と、前記案内ロッド43に沿って往復移動可能に配設されたシリンダ支持板42に取り付け固定された駒部42A側との間に連結ロッド51の両端部が枢着されて連結固定されている。 【0057】また前記駆動シリンダ49によって、蓋開閉機構29の蓋開閉動作に応じて蓋開閉機構29を栽培容器18の蓋閉塞位置と蓋開放位置との間を往復移動させる蓋開閉駆動手段と、前記液状種菌噴射機構30を前記栽培容器18の口部位置から離脱した位置と栽培容器18の口部上の位置との間を往復移動させる種菌供給駆動手段とが兼用して構成されている。これにより、前記蓋開閉機構29の開放動作と前記液状種菌噴射機構30を前記栽培容器18の口部上に移動する動作とが同期して作動されるとともに、前記蓋開閉機構29の閉塞動作と前記液状種菌噴射機構30を前記栽培容器18の口部位置から離脱する移動動作とが同期して作動されるように構成している。 【0058】なお図12,図13,図17などに示すように、栽培容器18の内部には培養基Cが充填されており、その栽培容器18内に加圧されて充填された培養基Cの表面部分である床面C1には、その中央部分に培養基Cの上面から底に向けて植菌孔C2が設けられている。この植菌孔C2は培養基C中での菌まわりをよくするために設けられるもので、培養基C自体の通気性を良くしたり、液状種菌Bを接種した際に培養基Cの底部まで種菌が行き渡り易くする目的で行っている。 【0059】前記栽培容器18の内部に充填された培養基Cにおいて、植菌孔C2を有する培養基Cの表面部分に接種するに好適な接種方法および接種装置として、前記液状種菌噴射機構30による接種工程として、前記栽培容器18内の培養基Cの床面C1位置を主体に前記液状種菌Bを接種する工程と、培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2位置を主体に前記液状種菌Bを接種する工程とからなる液状種菌方法であり、栽培容器18内の培養基Cの表面部分である床面C1部分とその床面C1部分の一部に窪ませて穿設された植菌孔C2とのそれぞれの表面部分に液状種菌Bを満遍なく接種することを可能とし、これにより種菌による培養基Cの内部への菌糸の育成を良好に促すことが可能とするため、前述したような液状種菌接種工程を達成するための装置構造として、この第1実施例にあっては、前記液状種菌噴射機構30を種菌接種領域に供給された前記栽培容器18と対向して配置するとともに、前記液状種菌噴射機構30を栽培容器18に対して接近離反移動可能とする前記エアシリンダ41を主体としてなる昇降装置52によって構成している。 【0060】昇降装置52として、この実施例では、前記エアシリンダ41に前記支持プレート40を介して前記液状種菌噴射機構30の液状種菌噴射シリンダ本体37が着脱可能に取り付け固定されるとともに、昇降装置52の主要部を構成するエアシリンダ41は接種装置の本体フレーム11に設けられたシリンダ支持板42上に固定されている。また噴射ノズル36を備えた液状種菌噴射シリンダ本体37の上下動する移動領域の所定位置、この実施例では栽培容器18内の培養基Cの床面C1箇所を主体に液状種菌Bを噴霧する位置に合わせてノズル位置検出センサ53が配設され、前記噴射ノズル36の下降作動時において、前記ノズル位置検出センサ53によって噴射ノズル36が所定位置に到達した際に停止するように検知信号を発するように構成している。 【0061】また前記液状種菌噴射機構3を上下動するための昇降装置52として、前記エアシリンダ41は、図24から図29の動作図に示すように、コンプレッサーなどからなるエアー供給源Pからの空圧力を電磁弁54の切り換え作動によって液状種菌噴射機構30を所定の位置にて昇降移動可能に設けて構成している。この場合、エア供給源Pから流体管路55を介して前記電磁弁54へと連結されるとともに、この電磁弁54から流体管路56,57を介して前記エアシリンダ41の上下部へと連結して構成している。 【0062】前述した構成からなる液状種菌充填バッグ2と接種装置3とにあっては、液状種菌充填バッグ2を液状種菌Bを培養貯蔵してなる大型の種菌貯蔵タンク1から無菌状態にして小分けに充填することにより、コンパクトで持ち運びを簡便に行うことができ、これにより種菌の販売者あるいは種菌の購入者側の搬入作業や搬出作業あるいは設置作業などにおいて簡単に行うことができる。 【0063】また液状種菌充填バッグ2の搬出入作業などにおいて、その充填バッグ2を硬質のケース内に収納して運搬することにより、その操作性をも良好に行うことができるものであり、その際、充填バッグ2の周囲を全て覆うようにしても良いし、場合によっては枠状のケースであっても良いものであり、要するに柔軟性を有する液状種菌充填バッグ2の型くずれを抑えることにより、持ち運びを良好に行うことができるものであればよい。 【0064】また液状種菌充填バッグ2には、その液状種菌充填バッグ2内の液状種菌Bを外部側へと注出可能とする供給口5を設けてなることにより、供給口5と接種装置3に形成した液状種菌噴射機構30側とをチューブからなる種菌供給管路4によって簡単に連結することができるとともに、無菌状態のまま接種装置3側へと液状種菌Bを供給することが可能となるものである。なお、液状種菌Bを培養貯留してなる種菌貯蔵タンク1から無菌状態にて液状種菌充填バッグ2内に小分けして充填する際に、前記供給口5を介して液状種菌充填バッグ2内に充填するようにしてもよい。 【0065】また液状種菌充填バッグ2の通常の状態においては、この実施例では前記供給口5には図示しないがキャップを被せることによって液状種菌Bを密封状態に維持するようにしており、接種時などにおいてキャップを外して前記種菌供給管路4と接続可能に設けているが、場合によっては、キャップを設けることなく供給口5は液状種菌Bを充填した際に樹脂皮膜によって封止するように構成し、前記種菌供給管路4を接続する際に前記皮膜を破って連通することができるように構成してあればよいものである。 【0066】次に前述した構成において、液状種菌充填バッグ2を用いた液状種菌Bの接種装置3の一連の動作を説明する。先ず、接種装置3の電源投入時においては、その初期設定として、前記液状種菌噴射機構30の液状種菌噴射シリンダ本体37が栽培容器18と接触しないように最上段(上限位置)に位置するようにソレノイドへの通電によって電磁弁54を作動させ、エアシリンダ41の下側に位置した流体管路57側に空圧力を加えることにより、ピストンが上方へ移行して噴射ノズル36が上死点位置に復帰作動する。(図24を参照)この状態にて、搬送機構12上に載せられた蓋17付きの栽培容器18を縦横に複数収納したコンテナ19が移送され、そのコンテナ19が種菌接種領域に到達すると、搬送機構12の搬送面上に対して出没可能に上下動するストッパ機構20に設けられたストッパピン20Aによってコンテナ19の前端側が位置規制されて停止保持される。 【0067】この第1実施例では、搬送機構12によってコンテナ19内の栽培容器18が所定の種菌接種領域に搬送されてきたときに、前記ストッパ機構20によってコンテナ19が所定の位置に位置規制されて停止し、この停止後において栽培容器位置決め保持機構21が作動するように構成している。この際、栽培容器位置決め保持機構21によって、事前にコンテナ19内の栽培容器18を横一列単位にて位置規制したり、あるいは接種時において、一連の接種工程と連動させて蓋17を開閉作動する際に栽培容器18を位置決め保持するように設けている。 【0068】すなわち、栽培容器位置決め保持機構21に構成されている肩部押さえアーム部材22が駆動シリンダ27の作動によって回動移動し、肩部押さえアーム部材22の先端部側が横一列に並んでいる栽培容器18の肩部を押さえることによって所定の位置に栽培容器18が保持され、次工程である栽培容器18の蓋17の開閉作動時おいて栽培容器18の浮き上がりを抑制しつつ所定位置を維持するようにしている。(図3から図9などを参照) 【0069】また前記栽培容器位置決め保持機構21の作動による栽培容器18の位置決め固定時において、エアシリンダ46の作動により、図14の状態から図15の状態へと移行し、最前列に位置した横一列に位置決め配列された栽培容器18の蓋17が可動挟着部材45によってその上面から押圧され、下面に設けられた固定挟着部材44と前記可動挟着部材45との間で蓋17が横一列単位にて挟着保持される。 【0070】次いで栽培容器位置決め保持機構21による位置決めが行われつつ、蓋17が挟着保持された後に、駆動シリンダ49の作動に伴って支軸25を基点としてリンクアーム部材48がロッド50の動きに連れて回動し、図16に示すように、リンクアーム部材48に取り付けられている蓋開閉機構29により蓋17が蓋開放位置まで回動する。この蓋開放動作に同期してリンクアーム部材48の端部に取り付けられた連結ロッド51を介して前記シリンダ支持板42に取り付け固定された駒部42Aが前記本体フレーム21側に設けられた案内ロッド43に沿って移動し、このシリンダ支持板42の移動によって種菌供給機構である液状種菌噴射機構30に設けられた4個の噴射ノズル36は、栽培容器18の口部位置である蓋17を取り外した栽培容器18の真上に移行される。(図4,図25などを参照) 【0071】この移行時、すなわち種菌供給機構である液状種菌噴射機構30に設けられた4個の噴射ノズル36が、蓋17を取り外した栽培容器18の口部位置の真上に移行された時、電磁弁54のソレノイドへの通電によって作動して流体管路56側に空圧力がエアシリンダ41の上側に加わり、エアシリンダ41のピストンが下方へ向けて作動し、このエアシリンダ41に取り付けられている液状種菌噴射機構30の液状種菌噴射シリンダ本体37側が噴射ノズル36とともに栽培容器18の口部側位置へと接近あるいはその口部内に挿入配置される。(図5,図25などを参照) 【0072】この時、噴射ノズル36の下降作動時において、ノズル位置検出センサ53によって噴射ノズル36の通過が検知され、その検知信号によって前記電磁弁54のソレノイドへの通電が絶たれることによって、電磁弁54は中立位置へと移行するため、給気ポートおよび排気ポートのすべてがブロックされ、エアシリンダ41の給排気空気が遮断されることによって、エアシリンダ41の動きが停止する。(図26を参照) 【0073】このエアシリンダ41の停止時において、前記蓋開閉機構29による栽培容器18の蓋17の開放時に、蓋17が開放された横一列単位の栽培容器18内の培養基Cの床面C1箇所を主体にして液状種菌Bを噴射ノズル36を介してそれぞれ噴霧することによって、横一列単位の栽培容器18内の培養基Cの床面C1部分が接種される。(図6,図12,図20,図27を参照) 【0074】所定量の液状種菌Bを噴射ノズル36によって横一列単位の前記栽培容器18内の培養基Cの床面C1箇所に接種した後、続いて前記電磁弁54のソレノイドへの通電によってエアシリンダ41の上側に連結された流体管路56側に空圧力を加えることにより、昇降装置52の主要部を構成するエアシリンダ41のピストンがさらに下方へ向けて作動し、エアシリンダ41に取り付けられている液状種菌噴射機構30の液状種菌噴射シリンダ本体37側が噴射ノズル36とともにさらに横一列単位の栽培容器18の口部内に挿入配置されて最下段位置(下限位置)にて停止する。(図7,図28などを参照) 【0075】この下限位置において、前記栽培容器18内の培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2位置を主体にして、所定量の液状種菌Bを液状種菌噴射機構30の噴射ノズル36を介して噴霧することによって、横一列単位を一組とする栽培容器18内の培養基Cの植菌孔C2部分が主体的に接種される。(図8,図13,図21,図29などを参照) 【0076】このようにして噴射ノズル36によって所定量の液状種菌Bを接種した後、電磁弁54のソレノイドへの通電を切り換えて流体管路57側に空圧力をエアシリンダ41の下側に加えることにより、前記エアシリンダ41の復帰作動によって液状種菌噴射機構30に設けられた噴射ノズル36がそれぞれの栽培容器18の口部位置から離れて、最初の位置である上方へと復帰作動する。 【0077】その後駆動シリンダ49のロッド50の復帰作動により噴射ノズル36が栽培容器18の位置から横方向へと退避移動して復帰すると同時に、蓋開閉機構29の回転復帰作動によって液状種菌Bが接種された横一列単位の栽培容器18の蓋17が被嵌される。 【0078】この際、種菌接領域に移送された横一列単位の栽培容器18において、それぞれ隣り合う栽培容器18の肩部を各々保持する栽培容器位置決め保持機構21によって横一列単位の栽培容器18を位置のずれを抑制しながら保持するため、蓋17の開閉作動を良好に行うことができるとともに、種菌Bの接種作業も良好に行われる。 【0079】従って、栽培容器位置決め保持機構21によって事前に横一列単位の栽培容器18を押さえて保持しつつ、蓋開閉機構29により横一列単位の栽培容器18の蓋17を開閉作動し、種菌供給機構である液状種菌噴射機構30を前記栽培容器18に対して接近離反移動可能とした昇降装置52の作動による一連の工程を順次作動することによって、種菌接種領域にてコンテナ19の移送方向に対して最前列の栽培容器18が横一列単位において栽培容器18内の培養基Cの表面全体、すなわち培養基Cの床面C1箇所および植菌孔C2箇所を良好に接種することができる。 【0080】そして、最前列の栽培容器18を基準とする一連の接種工程が終了すると、コンテナ19の前端部を停止保持していたストッパピン20Aがエアシリンダ20Bを介して一旦下方へ下がった後に上方へと復帰作動するとともに、搬送機構12が作動することによってコンテナ19が搬出方向へと移送される。このコンテナ19の移送動作により、最初にコンテナ19の前端部を停止保持していたストッパピン20Aも上方へと復帰作動しようとするがコンテナ19の搬送作動により今まで停止保持していたストッパピン20Aは、その上端部分がコンテナ19の底面部分に突き当たる。しかしながら、ストッパピン20Aの上方への弾発付勢力を弱く設定しているためにコンテナ19の搬送を妨げることなくスムーズに移送することができるものであり、ストッパ機20の次の列に設けられた他のストッパピン20Aによってコンテナ19の前端側が停止保持される。(図22を参照) 【0081】またコンテナ19の停止時において、前述したように、蓋開閉機構29と液状種菌接種機構30および昇降装置52とによって栽培容器18の第2列目を基準とする一連の接種工程が行われることにより、第2列目の栽培容器18を図21に示すように接種することができ、続いて第3列目,第4列目と順次横列単位にて接種工程を行うことにより、コンテナ19内の栽培容器18の全てを接種することができる。 【0082】またコンテナ19内の全ての栽培容器18の接種工程が終了すると、図23に示されるように、ストッパ機構20のストッパピン20Aをエアシリンダ20Bを介して一旦下方へ下げた後に上方へと復帰作動し、かつ搬送機構12により接種済みの栽培容器18を収納したコンテナ19が搬出側へと移送されるとともに、新たに接種を行う栽培容器18を収納したコンテナ19が搬送機構12の搬入側から供給されることによって連続して接種作業を行うことができる。 【0083】また横一列単位の栽培容器18に対して最前列位置から順次横一列単位にて蓋開閉機構29による蓋17の開放動作,種菌供給機構である液状種菌噴射機構30および昇降装置52による液状種菌Bの接種動作,蓋開閉機構29による蓋17の閉塞動作の繰り返し作動によってコンテナ19内に収納された栽培容器18を横一列単位で連続して接種することができるものであり、また液状種菌Bの接種作業能率を高めることことができるとともに、横一列を列単位として栽培容器18の蓋17の開閉動作と接種動作とを行うため、栽培容器18の蓋17の開放時間を極力短縮することができ、雑菌の侵入を抑制することも可能となる。 【0084】ところで、本願発明の第1実施例では、液状種菌接種装置の稼動時においては、液状種菌Bを無菌状態にして充填してなる柔軟性を有する液状種菌充填バッグ2の内部は、コンプレッサーなどからなる液状種菌加圧手段8によりエア圧を加えることによって加圧容器7内の空気圧が高められ、この高められた空気圧によって液状種菌充填バッグ2自体が外側から加圧されることにより、液状種菌充填バッグ2内の内圧が常に高めらるため、この内圧が高められている液状種菌充填バッグ2から種菌供給管路4を介して圧送された液状種菌Bが、液状種菌噴射シリンダ本体37に設けられた種菌供給口37Aへと供給されて中空状流体通路37B内へと加圧状態にて流入される。(図2および図17を参照) 【0085】この流入時において、噴射ノズル36により液体種菌Bを噴霧して接種している間を除く液状種菌噴射機構30の非作動時にあっては、噴射開閉弁31の弁体31Aが液状種菌噴射シリンダ本体37の中空状流体通路37Bに設けた弁座37Cと接触して密閉状態を維持することによって、中空状流体通路37Bの先端側に取り付けられている噴射ノズル36側に液体種菌Bが供給されることがないため、液状種菌Bが噴霧されることはない。 【0086】すなわち、液状種菌噴射シリンダ本体37に設けられた中空状流体通路37Bの弁座37Cに対して噴射開閉弁31の弁体31Aによって密閉状態を維持する手段として、この実施例では、コンプレッサーなどからなる気体加圧手段32によって加圧されたエアを気体供給管路34を介して圧送し、フィルタ33を介して液状種菌シリンダ本体37の後端側に設けられた気体供給口37Dへと導くように設けているが、フィルタ33と気体供給口37Dとの間に配設した電磁弁35を閉塞動作することにより、エア圧が高められた気体が噴射開閉弁31のピストンシャフト31B側へと伝わることなく遮断される。このため、ピストンシャフト31Bに設けられた径大部分と液状種菌噴射シリンダ本体37との間に介在されたピストンスプリング37Cによって弁体37Aが液状種菌噴射シリンダ本体37に設けた中空状流体通路37Bの弁座37Cに向けて常時弾発付勢され、この弾発付勢力により液状種菌Bが供給されることなく遮断状態が維持される。(図17を参照) 【0087】また液状種菌Bの噴射時(図6,図8,図12,図13,図18,図19,図27および図29を参照)においては、図18,図19に示すように、前記電磁弁35を開放動作することによって液状種菌噴射シリンダ本体37に設けられた中空状流体通路37Bの弁座37Cに対して噴射開閉弁31の弁体31Aが開放状態に維持される。すなわち、前記電磁弁35を開放動作することにより、コンプレッサーなどからなる気体加圧手段32によって気体供給管路34を介して圧送されたエアが、フィルタ33を介して液状種菌噴射シリンダ本体37の後端側に設けられた気体供給口37Dへと導かれる。この気体供給口37Dから加圧されたエアは、ピストンシャフト31Bと液状種菌噴射シリンダ本体37との間に配設された柔軟性材料からなるダイアフラム31Dに直接加わるためにダイアフラム31Dが押圧されて撓んで移動する。その撓みによるダイアフラム31Dの動きに連れてピストンシャフト31Bが移動し、そのピストンシャフト31Bの先端部に設けられている弁体31Aが液状種菌噴射シリンダ本体37に設けられた中空状流体通路37Bの弁座37Cから離れる状態となり、この前記噴射開閉弁31の弁体31Aを密閉状態から開放することによって液状種菌Bが噴射ノズル36から噴霧される。 【0088】この際、電磁弁35の開放時間を所定時間に設定したり、あるいは液状種菌Bの流量が所定量となったところで電磁弁35を遮断することにより液体種菌Bの接種量を適正な状態に設定することができる。 【0089】すなわち、この実施例においては、電磁弁35の遮断,開放の切換作動に伴い、前記噴射開閉弁31を切換作動して液状種菌Bを接種する流量あるいは接種時間を設定する弁開閉駆動制御手段13Aを操作パネル13上に設けてなることにより、栽培容器18内の培養基Cの容量や形態あるいは培養基Cの媒質などに応じて液状種菌Bの接種充填量を弁開閉駆動制御手段13Aによって調節して設定することができ、ばらつきもなく液状種菌Cの充填量をほぼ一定量に保つことができ、安定した接種工程作業を行うことができる。 【0090】また液状種菌噴射シリンダ本体37に設けられた中空状流体通路37B側と液状種菌噴射シリンダ本体37の後端側に設けられた気体供給口37Dとの間を水密に保つために、ピストンシャフト31Bと液状種菌噴射シリンダ本体37との間に気密部材となる合成ゴムなどの柔軟性材料からなるダイアフラム31Dを配設してなることにより、噴射開閉弁31の切換作動のために加圧された空気を中空状流体通路37B側へと混入することなく遮断することができ、しかもダイアフラム31Dの動きに連動させて弁体31Aを開放することにより、液状種菌加圧手段8によって加圧供給された液状種菌Bを液状種菌噴射シリンダ本体37の先端側に設けた噴射ノズル36を介して栽培容器18の培養基Cに噴霧して接種することができるものであり、接種時において雑菌の侵入を極力抑制することができるという効果もある。 【0091】また液状種菌噴射機構30に設けられた4個の噴射ノズル36を備えた液状種菌噴射シリンダ本体37は、図示しないが固定ビスによってそれぞれノズル固定部材38を介して着脱可能にプレート状のノズル取付部材39に固定保持されるとともに、このノズル取付部材39は接種装置の本体フレーム11側となる支持プレート40に着脱可能に取り付け固定されるため、簡単に取り外しを行うことができる。すなわち、ノズル取付部材39に設けられた切り欠き溝39Aによって、前記支持プレート40ともにノズル取付部材39とが固定用ネ40Aにより共締め固定されており、この固定用ネジRを緩めることによって支持プレート40側に対してノズル取付部材39を切り欠き溝39Aに沿って簡単に取り外すことができ、これによりノズル取付部材39に4個の液状種菌噴射機構30を組み付けた状態にて一つのユニットとして脱着することができるため、各構成部品の分解や組み付け作業などのメンテナンス作業や殺菌処理,消毒作業,洗浄作業などを簡単に行うことも可能となる。しかも液状種菌噴射機構30の分解作業を行う場合、液状種菌噴射シリンダ本体37の供給口37Aに連結された種菌供給管路4を取り外し、液状種菌噴射機構30である液状種菌噴射シリンダ本体37と噴射ノズル36および噴射開閉弁31とをアルコール消毒することで雑菌処理を簡単に行うことができるものであり、各部品などの保守管理も容易に行うことができるという効果もある。なお、保守,点検あるいは殺菌処理のために、液状種菌Bを供給する側である噴射ノズル36や種菌供給管路4,気体供給管路34などは部品交換作業あるいは洗浄作業,消毒作業などを行う必要(場合)があるため、固定用ビスや脱着ノブあるいはバヨネット結合などによる固定手段によって簡単に脱着作業,交換作業を行うことができるように構成することが望ましい。 【0092】また液状種菌噴射機構30を設置する際、栽培容器18の高さ寸法,大きさ,コンテナ19内に収納される位置関係などに合わせて噴射ノズル36のセット位置を調整移動可能に設けて構成することにより、栽培容器18内に液状種菌Bを良好に噴射させて接種することが可能となる。 【0093】また液状種菌充填バッグ2内の液状種菌Bがなくなった時は、液状種菌Bが充填されている別の液状種菌充填バッグ2にチューブやパイプなどを切り換えて接続することにより液状種菌充填バッグ2の交換作業を行うことができ、場合によっては複数個の液状種菌充填バッグ2を用意し、液状種菌充填バッグ2内の液状種菌Bがなくなった際に、開閉バルブの切り換えによる交換作業を簡単に行うことも可能である。また液状種菌Bが使い切ってなくなった後は、液状種菌充填バッグ2は合成樹脂製の柔軟性を有する材料により形成されているため、嵩張ることもなく持ち運びが容易となる。 【0094】また液状種菌噴射シリンダ本体37の中空状流体通路3Bの先端側に取り付け固定された噴射ノズル36は、その内部に液状種菌Bを噴霧する際に所定の噴射パターンとなるように設定されたノズルチップ36Aを配設することにより、噴射ノズル36の噴射口36Bから加圧された液状種菌Bが栽培容器18の培養基Cに向けて噴霧することができ、また栽培容器18内に充填された培養基Cの表面部分の床面C1箇所を主体に接種する工程と、植菌孔C2の箇所を主体に接種する工程とによって培養基Cの表面全体にほぼ均一的に種菌が行き渡ることとなり、これにより種菌による菌糸の育成を促すことが可能となる。 【0095】図30から図33は本願発明の第2実施例を示すもので、図30は前述した第1実施例と同様に、種菌貯蔵タンク1から液状種菌Bが無菌状態を保ったまま液状種菌充填バッグ2にそれぞれ小分けにされて充填密封されている。この小分けにされた無菌状態の液状種菌充填バッグ2は種菌の接種時において、柔軟性を有するチューブからなる種菌供給管路4を介して接種装置3の液状種菌噴射機構30側と連結している。 【0096】また第2実施例の前記液状種菌充填バッグ2は、図30に示すように硬質の外箱となる容器7A内に収容されるように設けられている。この容器7A側には、前記液状種菌充填バッグ2から液状種菌Bを前記種菌供給管路4を介して接種装置3の液状種菌噴射機構30側へと加圧して供給するために、容器7Aの上側から液状種菌充填バッグ2を押し圧するための押圧プレートからなる液状種菌加圧手段8Aが設けられており、その押圧プレートからなる液状種菌加圧手段8Aは図示しないがスプリングやシリンダなどの押圧手段によって所定の加圧力が液状種菌充填バッグ2の外側から加わるように構成している。 【0097】また前記接種装置3としては、接種装置3の本体フレーム11の略全長に渡りコンベヤからなる搬送機構12が設けられ、この搬送機構12は操作パネル13のスイッチの操作により起動,停止が可能に設けられている。そして、この実施例では、栽培容器18Aとして図31に示すように角形の包装袋によって容器を形成しており、この角形の包装袋からなる栽培容器18A内には大鋸屑や米ぬかなどの培養基Cが押し固められて充填されるとともに、その培養基Cの表面部分である床面C1には、所定の間隔を置いて培養基Cの上面側から底に向けて二つの植菌孔C2が設けられている。この合成樹脂製の包装袋からなる栽培容器18Aを前記移送始端側における搬送機構12上に載せ、その搬送機構12を始動させることによって前記包装袋からなる栽培容器18Aを移送終端側に向けて搬入側から液状種菌Bを接種する接種領域へと移送し、かつその液状種菌Bの接種領域にて前記栽培容器18Aを間欠的に移送するように構成している。この場合、栽培容器18Aが適正な種菌接種領域に到達した際に搬送機構12を介して送られてくる栽培容器18Aを停止する手段として、この実施例においては接種装置3の本体フレーム11の所定箇所に栽培容器検出手段となる検出スイッチSが設けられている。 【0098】また種菌接種領域にて停止される包装袋からなる栽培容器18Aは、予めその包装袋の袋口を開放状態にして接種装置3の搬送機構12上に供給したり、あるいは接種装置3に組み込まれた図示しない袋口の開封機構などによって包装袋の袋口を開口状態にして前記種菌接種領域へと送り込まれるように構成している。 【0099】また接種装置3の種菌接種領域において、搬送されてくる前記角形の包装袋による栽培容器18A内の植菌孔C2の位置およびその数に合わせて二つの液状種菌噴射機構30を設けており、それぞれの液状種菌噴射機構30に設けられた噴射ノズル36を備えた液状種菌噴射シリンダ本体37は、前記角形の包装袋からなる栽培容器18Aに対して接近離反移動可能とする昇降装置52に取付固定されている。この昇降装置52の主要部を構成する駆動手段として第1実施例と同様にエアシリンダ41Aが用いられており、エアシリンダ41Aに支持プレート40Aを介して二つの前記液状種菌噴射機構30の液状種菌噴射シリンダ本体37が着脱可能に取り付け固定されるとともに、昇降装置52を構成するエアシリンダ41Aは接種装置3の本体フレーム11に設けられたシリンダ支持板42B上に固定されている。 【0100】また噴射ノズル36を備えた液状種菌噴射シリンダ本体37の上下動する移動領域(作動領域)の所定位置、この実施例では栽培容器18A内の培養基Cの床面C1箇所を主体に液状種菌Bを噴霧する位置に合わせてノズル位置検出センサ53Aが配設され、前記噴射ノズル36の下降作動時において、噴射ノズル36が所定位置に到達した時点で前記ノズル位置検出センサ53Aが働き、噴射ノズル36から所定時間の間に設定された所定量の液状種菌Bが噴霧される。この時、昇降装置52である前記エアシリンダ18Aのピストンは下方に向けて連続して移動しているため、前記栽培容器18A内の培養基Cの床面C1箇所に加えて、噴射ノズル36の下方への移行に伴って培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2箇所をも連続して接種されるように構成している。 【0101】なお、この第2実施例における前記液状種菌噴射機構30を上下動するための前記昇降装置52であるエアシリンダ41Aは、エアー供給源Pからの空圧力を電磁弁54Aの切り換え作動によって上限位置と下限位置との間を昇降移動可能に設けて構成している。この場合、エア供給源Pから流体管路55Aを介して前記電磁弁54Aに連結され、この電磁弁54Aから流体管路56A,57Aを介して前記エアシリンダ41Aの上下部へと連結されている。 【0102】また前記液状種菌加圧手段8Aによって加圧供給される液状種菌Bは、液状種菌噴射機構30により栽培容器18A内の培養基Cに噴射されて接種されるが、液状種菌噴射機構30に設けられた噴射開閉弁31の作動によって前記液状種菌充填バッグ2から種菌供給管路4を介して圧送されてきた液状種菌Bの供給,遮断が行われるように構成している。 【0103】この実施例では、前記液状種菌噴射機構30に設けられた液状種菌Bの供給,遮断を行う前記噴射開閉弁31を往復作動する手段として、電磁石とアーマチュアなどからなる電磁駆動手段31Aを設けるとともに、この電磁駆動手段31Aの作動と連動させて噴射開閉弁31を切換作動し、液状種菌Bを接種する時間あるいは接種する流量などを設定する弁開閉駆動制御手段13Aを操作パネル13上に設けている。また電磁駆動手段31Aの作動によって図示はしないが前述した第1実施例と同様に噴射開閉弁31に設けられた弁体を備えたシャフトが往復移動するように構成されている。この場合、噴射開閉弁31の往復作動を電磁駆動手段31Aによって行っているため、空圧による駆動手段を用いることがないため、液状種菌噴射機構30によって液状種菌Bを噴射する際にエアが混合することもなく、結果として雑菌の侵入をさらに防ぐことができるように構成している。 【0104】上述した構成からなる液状種菌充填バッグ2と接種装置3においては、前述した第1実施例と同様に液状種菌Bを培養貯蔵してなる大型の種菌貯蔵タンク1から無菌状態にして液状種菌充填バッグ2内に小分けにして充填することにより、液状種菌充填バッグ2をコンパクトにして持ち運びを容易に行うことができ、これにより液状種菌充填バッグ2の搬入作業や搬出作業あるいは接種時における設置作業などを従来に比べて簡単に行うことができる。 【0105】次に第2実施例における液状種菌接種装置の一連の動作を説明する。操作パネル13のスイッチの操作により電源を投入後、角形の包装袋からなる栽培容器18Aを搬送機構12上に載せて移送し、その栽培容器18Aが種菌接種領域に到達すると、栽培容器検出手段となる検出スイッチSが作動し、搬送機構12が停止する。この停止位置、すなわち種菌接種領域にて、液状種菌噴射機構30のそれぞれの噴射ノズル36の真下に前記角形の包装袋からなる栽培容器18Aが送り込まれて停止する。 【0106】また前記検出スイッチSの検知信号に基づいて、電磁弁54Aのソレノイドへの通電によって作動して流体管路55A側に空圧力がエアシリンダ41Aの上側に加わり、昇降装置52であるエアシリンダ41Aのピストンが下方へ向けて作動し、このエアシリンダ41Aに取り付けられている二つのシリンダ本体37が噴射ノズル36とともに角形の包装袋からなる栽培容器18Aの袋口部側位置へと接近あるいはその袋口部内に挿入配置される。 【0107】この時、噴射ノズル36の下降作動時において、噴射ノズル36を備えた液状種菌噴射シリンダ本体37の上下動する移動領域(作動領域)の所定位置、この実施例では包装袋からなる栽培容器18A内の培養基Cの床面C1箇所を主体に液状種菌Bを噴霧する位置に合わせてノズル位置検出センサ53Aが配設され、このノズル位置検出センサ53Aによって噴射ノズル36が所定の位置を通過したことが検知されると、その検知信号に基づき前記電磁駆動手段31Aを作動して噴射開閉弁31が所定時間の間開放され、この開放により設定された所定量の液状種菌Bが噴霧される。この際、昇降装置52である前記エアシリンダ41Aのピストンは下方に向けて連続して移動しているため、前記栽培容器18A内の培養基Cの床面C1箇所に加えて、噴射ノズル36の下方への移行に伴って培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2箇所をも連続して噴霧されて接種される。 【0108】従って、噴射ノズル36の上下動の動きに連れて、その上下動による所定のストロークの間(噴霧領域)において、液状種菌Bを連続して噴霧することにより培養基Cの床面C1箇所と植菌孔C2箇所とを一挙に接種することができる。 【0109】また栽培容器18内に充填された培養基Cの表面部分の床面C1箇所を主体に接種する工程と、植菌孔C2の箇所を主体に接種する工程とを連続して一挙に行うことによって、培養基Cの表面全体に種菌が満遍なく行き渡ることとなり、これにより種菌による菌糸の育成を促すことが可能となる。 【0110】なお本発明は上述した実施例に限定されるものでなく本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能であり、第1実施例および第2実施例においては、液状種菌充填バッグ2として合成樹脂製の袋によって形成していたが、たとえば特開平8−268491号公報などの布製バッグからなる包装袋などを用いてもよいものであり、また液状種菌充填バッグ2を吊り下げタイプのものを採用してもよく、運搬作業などを考慮するものとしてバックインボックスタイプの包装袋であってもよい。 【0111】また液状種菌充填バッグ2内の液状種菌Bを接種装置3の液状種菌噴射機構30側へと送り出す手段として、第1実施例では液状種菌充填バッグ2を加圧容器7内に収容し、その加圧容器7内の内気圧を高めて液状種菌充填バッグ2を加圧して液状種菌Bを種菌供給管路4を介して送り出したり、第2実施例では直接的に液状種菌充填バッグ2の外側から押圧プレートからなる液状種菌加圧手段8Aによって押圧して、前記種菌供給管路4を介して送り出すように構成していたが、たとえば液状種菌充填バッグ2と液状種菌噴射機構30との間の種菌供給管路4の搬送経路途上にて供給ポンプなどを介して加圧しながら液状種菌Bを液状種菌充填バッグ2から液状種菌噴射機構30側へと供給するようにしてもよいものである。 【0112】また液状種菌充填バッグ2には種菌供給管路4と連結して外部側へと液状種菌Bを供給案内するための供給口5が一体的に設けられているが、たとえば供給口5を金属製の材料によって形成することによって、供給口5を洗浄したり、あるいはアルコール噴霧による消毒作業や火炎消毒などを行う場合において傷めてしまうという虞もないため有益である。 【0113】また第1実施例においては、液状種菌噴射機構30による接種工程手順として、最初に栽培容器18内の培養基Cの床面C1箇所を主体にして、液状種菌噴射機構30の噴射ノズル36を所定位置に停止して噴霧し、次いで培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2箇所を主体にして、液状種菌噴射機構30の噴射ノズル36を所定位置に停止した状態にして噴霧することによって接種するようにしていたが、一旦昇降装置52の作動によって噴射ノズル36を下限位置に移動させた後に、培養基Cの植菌孔C2箇所を最初に接種し、次いで噴射ノズル36を上昇させて所定の位置にて噴射ノズル36を停止状態とした後、培養基Cの床面C1箇所を接種するようにしてもよいものであり、また第2実施例では、エアシリンダ41Aのピストンの下方への連続した動き(下降移動)の中で、包装袋からなる栽培容器18A内の培養基Cの床面C1箇所に加えて植菌孔C2箇所をも連続して接種するようにしていたが、エアシリンダ41Aの上昇移動の途上において同様に植菌孔C2箇所と培養基Cの床面C1箇所とを連続して接種するようにしてもよいものであり、また昇降装置52であるエアシリンダ41Aに設けられているピストンの下方への連続した動きの中において、決められた所定位置にて培養基Cの床面C1位置と植菌孔C2の位置とに液状種菌噴射機構30の噴射ノズル36によってそれぞれ間欠的に噴霧して接種するようにしても同様の効果が得られるものである。 【0114】また各実施例においては、液状種菌噴射機構30を栽培容器18,18Aへと接近,離反するように昇降装置52の駆動手段としてエアシリンダ41,41Aによって上下方向に往復移動可能に設けて構成していたが、その駆動手段としてカム機構やモータなどの駆動手段を用いて作動するようにしてもよい。 【0115】また第1実施例では栽培瓶からなる栽培容器18内に培養基Cを収納し、その培養基Cの表面部分である床面C1のほぼ中央に植菌孔C2を1個設けたものを例にし、また第2実施例では角形の包装袋からなる栽培容器18A内に培養基Cを収納し、その培養基Cの表面部分である床面C1に所定の間隔を配して2個の植菌孔C2を設けたものを例にして説明していたが、植菌孔C2の数やその窪みの大きさや深さなど適宜設定すればよいものであり、場合によっては通気用としての小さな植菌孔C2を付け加えて設けることもあり、その培養基Cの表面積や表面形状に合わせて液状種菌噴射機構30に設けた噴射ノズル36による噴射形態や噴霧量あるいは噴射ノズル36などの個数や配置などは適宜設定すればよいものである。 【0116】また培養基Cの表面積や表面形状あるいは植菌孔C2の大きさや深さなどに合わせて噴射ノズル36による液状種菌Bの噴射流量や噴射位置などを設定することにより、栽培容器18,18A内に充填された培養基Cの表面部分に接種される液状種菌Bの噴射による流量分布を適量に設定することができ、これにより、栽培容器18,18A内に液状種菌Bを良好に噴射させて接種することができるものである。 【0117】なお、実施例においては、噴射開閉弁31の作動切り換えとして、空圧制御、電磁制御などによって行っていたが、油圧制御あるいはカム機構による往復動によって切り換えるようにしてもよいものである。 【0118】また種菌供給機構である液状種菌噴射機構30を栽培容器18の口部位置から離脱した位置と、栽培容器18の口部上の位置との間を往復移動させる際に、第1実施例においては蓋開閉機構29の作動に妨げとならないように液状種菌噴射機構30に設けられた噴射ノズル36を駆動シリンダ49の作動によって案内ロッド43に沿って水平方向に往復移動可能に配設するとともに、前記栽培容器18の真上位置から栽培容器18へと接近,離反するようにエアシリンダ41によって上下方向に往復移動可能に設けて構成していたが、場合によっては案内ロッド43を欠如し、栽培容器18の横一列単位の種菌接種領域の位置関係に合わせて栽培容器18の真上位置にて液状種菌供給機構30を上下動するエアシリンダ41の構造のみを採用してもよいものであり、その際、蓋開閉機構29の作動に妨げとならないように設定してあればよい。 【0119】また前述した実施例にあっては、蓋開閉機構29を栽培容器18の蓋閉塞位置と蓋開放位置との間を往復移動させる蓋開閉駆動手段と、種菌供給機構である液状種菌噴射機構30を栽培容器18の口部位置から離脱した位置と栽培容器18の口部上の位置との間を往復移動させる液状種菌供給駆動手段とを兼用して駆動シリンダ49によって構成していたが、それぞれの駆動手段を個別に設けてもよいものであり、またその駆動手段としてカム機構やモータなどの駆動手段を用いて作動するようにしてもよい。 【0120】 【発明の効果】以上詳述したように、請求項1から請求項3の発明では、液状種菌を培養貯留してなる種菌貯蔵タンクから無菌状態にて前記液状種菌を小分け充填してなる柔軟性を有する液状種菌充填バッグであるため、重量の重い液状種菌を培養貯留してなる種菌貯蔵タンクを運搬する必要もなく、コンパクトな持ち運びやすい液状種菌充填バッグに液状種菌を充填することで操作性が良好で、しかも殺菌処理状態にて液状種菌が封入されてパックされているため、次工程である接種作業をも簡便に行うことが可能となる。また前記液状種菌充填バッグには、その液状種菌充填バッグ内の液状種菌を外部へと注出可能とする供給口を設けてなることにより、供給口から簡単に外部へと液状種菌を供給することが可能となる。また前記液状種菌充填バッグを内袋とし、その外側を硬質材料からなる外箱によって覆ってなることにより、型くずれを抑えつつ充填バッグの外側を部分的にでも覆うことによって保護することができ、持ち運びも良好に行うことができる。 【0121】また請求項4の発明では、無菌状態に小分けされた前記液状種菌充填バッグから種菌供給管路を介して前記液状種菌を加圧供給して液状種菌噴射機構へと送り出す注出工程と、前記液状種菌噴射機構に設けられた噴射ノズルから栽培容器の培養基へと所定量の液状種菌を加圧して噴霧するために切換作動する流量設定工程とからなる液状種菌の接種方法であり、液状種菌充填バッグによって小分けされるため、操作性が良好であり、液状種菌を加圧しつつ液状種菌噴射機構側へと供給し、流量設定工程において、液状種菌噴射機構に設けられた噴射ノズルから所定量の液状種菌を加圧しながら噴霧することができ、これにより栽培容器の培養基に所定量の液状種菌を噴霧して接種することができる。 【0122】また請求項5の発明では、前記液状種菌噴射機構に設けられた噴射ノズルによる接種時に、前記栽培容器内の培養基の床面位置を主体にして液状種菌を接種する工程と、培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体にして液状種菌を接種する工程とからなる液状種菌の接種方法であるため、栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分とその床面部分の一部を窪ませて穿設された植菌孔とのそれぞれの表面部分に液状種菌を満遍なく接種することが可能となり、これにより種菌による培養基への菌糸の育成を良好に促すことが可能となる。 【0123】また請求項6の発明では、栽培容器内の培養基に種菌を接種する接種装置において、液状種菌を培養貯留してなる種菌貯蔵タンクから殺菌処理状態にて前記液状種菌が小分け充填された柔軟性を有する液状種菌充填バッグと、この液状種菌充填バッグから液状種菌を供給するための種菌供給管路と、前記液状種菌充填バッグあるいは前記種菌供給管路の搬送経路途上において液状種菌を加圧して送り出すための液状種菌加圧供給手段と、この液状種菌加圧供給手段から加圧供給された前記液状種菌を前記栽培容器の培養基に噴霧して接種する液状種菌噴射機構と、この液状種菌噴射機構に設けられ、前記液状種菌充填バッグから前記種菌供給管路を介して圧送されてきた液状種菌の供給,遮断を行う噴霧開閉弁とを備えてなる液状種菌の接種装置であるため、コンパクトな持ち運びやすい液状種菌充填バッグに液状種菌を充填することで操作性を良好にして、接種装置に設けた種菌供給管路と接続することができるとともに、液状種菌加圧供給手段によって液状種菌を直接的に加圧しつつ液状種菌噴射機構側へと供給し、噴射開閉弁の作動により液状種菌充填バッグから種菌の供給量をほぼ一定に送り出すことができ、これにより栽培容器の培養基に所定量の液状種菌を噴霧して接種することができるものである。 【0124】また請求項7の発明では、前記噴霧開閉弁を切換作動して液状種菌を接種する流量あるいは接種時間を設定する弁開閉駆動制御手段を備えてなる液状種菌の接種装置であり、液状種菌噴射機構の噴射形態や噴射口の口径に合わせたりあるいは栽培容器内の培養基の容量や形態あるいは培養基の媒質などに応じて種菌の接種充填量を弁開閉駆動制御手段によって調節して設定することができ、バラツキもなく種菌の充填量を設定しながらしかもほぼ一定量に保つことができ、安定した接種工程作業を行うことができる。 【0125】また請求項8の発明では、前記液状種菌噴射機構には、前記栽培容器に対して接近離反移動可能とする昇降機構が設けられ、この昇降機構による所定の作動位置にて、前記液状種菌噴射機構によって前記栽培容器内の培養基の床面位置を主体にして液状種菌を噴霧して接種するとともに、前記培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体にして液状種菌を噴霧して接種するように構成してなる液状種菌の接種装置であるため、前記昇降装置による所定の作動位置にて、前記栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分とその床面部分の一部に窪ませて穿設された植菌孔とのそれぞれの表面部分に前記液状種菌噴射機構によって液状種菌を満遍なく接種することができる。 【0126】また請求項9の発明では、請求項6から請求項8において、前記栽培容器として合成樹脂製などからなる包装袋によって形成してなることにより、その包装袋の袋口側から培養基に向けて所定量の液状種菌を接種することができる。 【0127】また請求項10の発明では、請求項6から請求項8において、前記栽培容器として合成樹脂製などからなる蓋付きの栽培瓶により形成するとともに、この栽培瓶を縦横に複数整列して収納したコンテナを搬入側から供給し、かつ前記栽培瓶を間欠移送しつつ搬出側へとコンテナを搬送する搬送機構と、この搬送機構により種菌接種位置に移送された前記コンテナ内の栽培瓶の蓋を順次所定の個数を開閉作動する蓋開閉機構と、この蓋開閉機構により開閉作動される栽培瓶の数に合わせて設けられ、前記蓋開閉機構により蓋が開放作動された前記栽培瓶内の培養基に向けて液状種菌を噴霧して接種する前記液状種菌噴射機構とを備えてなる液状種菌の接種装置であり、コンテナ内に収納された状態にて、栽培容器の蓋を蓋開閉機構により所定の個数を開閉作動するとともに、その蓋の開放時に液状種菌噴射機構によって液状種菌を接種するため、液状種菌の接種作業効率を高めることができるとともに、栽培容器の蓋の開放時間を極力短縮して雑菌の侵入を抑制することができる。また接種工程完了後においては、前記搬送機構によりコンテナ内に収納されている栽培容器が搬出側へと移送される。また昇降装置による所定の作動位置にて、前記栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分とその床面部分の一部に窪ませて穿設された植菌孔とのそれぞれの表面部分に前記液状種菌噴射機構によって液状種菌を満遍なく接種することが可能となる。これにより種菌による培養基の内部への菌糸の育成を良好に促すことが可能となる。 【0128】また請求項11の発明では、請求項6から請求項8において、前記栽培容器として合成樹脂製などからなる蓋付きの栽培瓶により形成するとともに、この栽培瓶を縦横に複数整列して収納したコンテナを搬入側から供給し、かつ前記栽培瓶を間欠移送しつつ搬出側へとコンテナを搬送する搬送機構と、この搬送機構により間欠移送された前記コンテナ内の栽培瓶の蓋を横一列単位で開閉作動する蓋開閉機構と、この蓋開閉機構により蓋が開放された横一列単位の栽培瓶に対して所定量の液状種菌を前記栽培瓶内にそれぞれ供給する前記液状種菌噴射機構とを備えてなる液状種菌の接種装置であり、前記搬送機構により種菌接種位置に間欠移送され、この種菌接種位置にて前記コンテナ内の栽培容器の蓋が横一列単位で開閉する蓋開閉機構によって開放され、蓋開閉機構により蓋が開放された横一列単位の栽培容器に対して所定量の液状種菌が前記栽培容器内に前記液状種菌噴射機構を介してそれぞれ供給されて接種され、その接種後に前記蓋開閉機構によって蓋が閉塞され、順次この繰り返しに基づいて前記搬送機構によりコンテナ内の栽培容器が横一列単位で間欠的に搬出側へと移送される。この接種時においては、コンテナ内の栽培容器の蓋が横一列単位で蓋開閉機構により開放され、その開放時に液状種菌噴射機構によって液状種菌を接種するため、液状種菌の接種作業効率を高めることができるとともに、栽培容器の蓋の開放時間を極力短縮して雑菌の侵入を抑制することができる。また昇降装置による所定の作動位置にて、前記栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分とその床面部分の一部に窪ませて穿設された植菌孔とのそれぞれの表面部分に前記液状種菌噴射機構によって液状種菌を満遍なく接種することが可能となるため、種菌による培養基の内部への菌糸の育成を良好に促すことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000231512 【氏名又は名称】日本精機株式会社 【住所又は居所】新潟県長岡市東蔵王2丁目2番34号
|
| 【出願日】 |
平成13年12月27日(2001.12.27) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2003−189738(P2003−189738A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月8日(2003.7.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−397843(P2001−397843) |
|