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【発明の名称】 緑化構造体及びその施工方法
【発明者】 【氏名】山本 俊也
【住所又は居所】滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡績株式会社総合研究所内

【氏名】櫻井 淳
【住所又は居所】静岡県焼津市下小田508番地 株式会社静岡グリーンサービス内

【要約】 【課題】雨水によって土が押し流されるのを確実に防止でき、しかも低コストでの施工が可能な緑化構造体及びその施工方法を提供する。

【解決手段】緑化対象となる建物の壁面3a上に配設される緑化構造体1であって、植物の植生が行われる土を充填可能な立体形状の網状体15と、壁面3aと網状体15との間に配設される吸水シート13と、壁面3aと吸水シート13と間に配設される耐根シート9と備えていることを特徴とする緑化構造体1。この構成により、コストの高い粘土質の土を多量に使用することなく、土の流出を確実に防止することが可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 緑化対象となる施工面上に配設される緑化構造体であって、植物の植生が行われる土を充填可能な立体形状の網状体と、前記施工面と前記網状体との間に配設される吸水体と、前記施工面と前記吸水体との間に配設される耐根シートとを備えていることを特徴とする緑化構造体。
【請求項2】 前記網状体は、熱可塑性樹脂からなる線条材が複数のループを有するように構成され、該複数のループを互いに接触させるとともに少なくともその一部を融着或いは接着することで立体的に形成されており、しかも、前記施工面と反対側を向く面において前記線条材が密になっていることを特徴とする請求項1に記載の緑化構造体。
【請求項3】 前記網状体は、空隙率が90%以上、見掛け密度が5〜100kg/m3、厚さが20〜100mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の緑化構造体。
【請求項4】 前記吸水体は、目付が100〜1000g/m2、厚さが1〜50mmの不織布で構成され、該不織布が吸水性繊維を20重量%以上含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の緑化構造体。
【請求項5】 前記網状体に充填される土は、泥炭と軽量土とを混ぜた混合土からなり、該混合土は、1/9〜1/2の体積比で前記泥炭及び軽量土が混ざったものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の緑化構造体。
【請求項6】 線条材が複数のループを有するように構成し該ループを互いに接触させて立体形状に構成した網状体を準備し、該網状体内に植物植生用の土を充填する第1工程と、緑化対象となる施工面上に耐根シートを配置する第2工程と、前記耐根シートより上に水分を吸収可能な吸水体を配置する第3工程と、前記吸水体より上に、前記第1工程で土が充填された網状体を配置する第4工程とを備えたことを特徴とする緑化構造体の施工方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川、湖沼等の護岸や壁面、或いはビル等の建造物の壁面などの緑化を行うための緑化構造体及びその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】河川等の護岸の傾斜面を緑化する方法としては、一般的に次のような方法が採用されている。すなわち、護岸の傾斜面上に枠を設置し、この枠内に防水シート、ドレイン層、不織布層、及び軽量土と泥炭との混合土からなる混合土層を順に積層して緑化構造体を形成した後、混合土層に細根性の植物、例えばセダムやつた等の種子を蒔いて植生し、護岸の緑化を行っていた。
【0003】ここで、ドレイン層は、混合土層に過剰な水分が溜まらないように、水分を抜き出すための層であるが、雨が降らない時等の植物への水分補給のため水供給材を含ませている。また、不織布層は混合土の流出を防ぐために設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような緑化構造体では、不織布層上に混合土を単に積載しているだけであるため、大量の雨が降った場合に、混合土が崩れて押し流されてしまうという問題がある。これに対処するため、混合土に粘土質の土を多く含ませて土の流出を防ぐことも考えられるが、粘土質の土はコストが高く、これにより、緑化構造体の施工コストが上昇するという新たな問題が発生する。
【0005】本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、雨水によって土が押し流されるのを確実に防止でき、しかも低コストでの施工が可能な緑化構造体及びその施工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、緑化対象となる施工面上に配設される緑化構造体であって、植物の植生が行われる土を充填可能な立体形状の網状体と、前記施工面と前記網状体との間に配設される吸水体と、前記施工面と前記吸水体との間に配設される耐根シートとを備えていることを特徴とする緑化構造体を提供するものである。
【0007】前記網状体は、熱可塑性樹脂からなる線条材が複数のループを有するように構成され、該複数のループを互いに接触させるとともに少なくともその一部を融着或いは接着することで立体的に形成されており、しかも、前記施工面と反対側を向く面において前記線条材が密になっているものとすることができる。
【0008】また、前記網状体は、空隙率が90%以上、見掛け密度が5〜100kg/m3、厚さが20〜100mmであるものとすることができる。
【0009】前記吸水体は、目付が100〜1000g/m2、厚さが1〜50mmの不織布で構成され、該不織布が吸水性繊維を20重量%以上含むものとすることができる。
【0010】前記網状体に充填される土は、泥炭と軽量土とを混ぜた混合土からなり、該混合土は、1/9〜1/2の体積比で前記泥炭及び軽量土が混ざったものであるものとすることができる。
【0011】また、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、線条材が複数のループを有するように構成し該ループを互いに接触させて立体形状に構成した網状体を準備し、該網状体内に植物植生用の土を充填する第1工程と、緑化対象となる施工面上に耐根シートを配置する第2工程と、前記耐根シートより上に水分を吸収可能な吸水体を配置する第3工程と、前記吸水体より上に、前記第1工程で土が充填された網状体を配置する第4工程とを備えたことを特徴とする緑化構造体の施工方法を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る緑化構造体を建物の壁面に適用した場合の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る緑化構造体を示す斜視図、図2は図1のA−A線断面図である。
【0013】図1に示すように、本実施形態に係る緑化構造体1は、建物3の垂直な壁面3a(施工面)に取り付けられるものであり、フレーム5aを組み合わせて矩形状の複数の空間部7を形成した2段の枠体5を壁面3a上に設置し、各空間部7内を次のように構成している。
【0014】図2に示すように、各空間部7には、壁面3a上に不織布からなる耐根シート9を配置し、その上の一段目の枠体5にドレイン層11、二段目の枠体5に吸水シート(吸水体)13、及び混合土が充填された網状体15を順に積層している。混合土は泥炭及び軽量土を混ぜたものであり、この混合土に後述する細根性植物の種を蒔いたり、苗を植えることにより壁面3aの緑化を図っている。また、同図に示すように、各空間部7を仕切るフレーム5a内には散水用のパイプ17が配設されており、各空間部7内に水分を供給可能となっている。なお、図2では、吸水シート13とドレイン層11との間に空間があるように記載されているが、これは枠体5の構成を示すための便宜上のものであり、実際には吸水シート13とドレイン層11とは当接している。
【0015】網状体15は、熱可塑性樹脂からなる線条材を融着或いは接着して立体形状に構成したものであり、特に、線条材が複数のループを有するように構成し、各ループの接触部分の半数以上を融着或いは接着により接合することが好ましい。この網状体15は、後述するように、製造時において立体形状に形成された線条材が固化する前に、一方の面を押圧して圧縮することで線条材が密となる構造にしており、この面を壁面とは反対側に向くように配置することにより混合土が流出するのを抑制している。
【0016】網状体15の空隙率は90%以上にするのが好ましい。これは、空隙率が90%未満になると、網状体15内で植物の根の広がりが悪くなり、網状体15に対する根の固着力が弱くなるからである。この観点から、空隙率は95〜99.9%にするのがより好ましい。なお、空隙率は以下の式により求められる。
【0017】
空隙率(%)=(1−Pf/Ps)×100 (1)
Pf:見掛け密度 Ps:網状体の比重 見掛け密度Pf(kg/m3)=網状体の重量/網状体の体積 (2)
上記式(2)により求められる網状体15の見掛け密度Pfは、5〜100kg/m3にするのが好ましい。見掛け密度が5kg/m3未満になると雨水により混合土の崩れが発生するおそれがある。一方、100kg/m3を越えると、混合土を網状体15に充填する際に、軽量土の通過性が悪くなり、軽量土を細かく砕いてから充填する、或いは上から圧力をかけるなどの作業が必要になり、施工作業が煩雑になる。これらの観点から、見掛け密度Pfは20〜50kg/m3であることがより好ましい。
【0018】また、網状体15の厚さは20〜100mmにされている。これは、厚さが100mmを越えると、細根性植物の根が厚さ方向に網状体の底面まで到達できなくなり、根の広がりが阻害されて植物の成長が衰えるためである。一方、厚さを20mm以上にするのは、植物が植生する最低限の空間を確保するためである。この観点から、厚さを30〜80mmにするのが好ましい。
【0019】線条材を構成する熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ナイロン、ポリエステル樹脂等のエンジニアプラスチック、ビニル系の軟質プラスチック、ポリオレフィン系、ポリエステル系の熱可塑性エラストマー樹脂等を用いることができる。特に、熱可塑性エラストマー樹脂は、使用後に、植物との分離が容易であり、リサイクルなど使用後の取り扱い安さの点で好ましい。なお、線条材の径は特に限定されるものではないが、0.01〜0.5mm程度にするのが好ましい。
【0020】網状体の下方に配置される吸水シート13は、雨が少ない時期或いは地域において網状体15の水分を補うためのものであり、吸水性繊維単体、或いは他の繊維、例えばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維と混合された不織布で構成されている。また、この吸水シート13は網状体15から壁面3a側への土漏れを防止する役割も果たしている。吸水シート13を構成する不織布の目付は100〜1000g/m2であることが好ましい。目付が100g/m2以下になるとシートを敷設する際に引っ張りによって幅が縮むおそれがある一方、1000g/m2を越えると例えば梅雨時に水分が多すぎて植物が枯れるおそれがある。この観点から、目付は150〜300g/m2であることがより好ましい。
【0021】吸水シート13の厚さは、1〜50mmにされている。これは、1mm未満では植物への吸水能力が不足する一方、50mmを越えると緑化構造体の厚みが増し、コストの観点から好ましくないからである。
【0022】また、水分補給の観点から不織布の中に吸水性繊維を20重量%以上含ませることが好ましい。これは、吸水性繊維の重量が20%以下になると、植物を枯らさないためにシート全体の目付を大きくしなければならず、全体の厚みが増して枠体のコストが高くなるからである。この観点から、吸水性繊維を30〜50重量%含ませるのがより好ましい。好ましい吸水性繊維としては、例えば架橋アクリル酸ナトリウム系繊維、アクリル繊維を後加工によりその表面を加水分解させた合成繊維、レーヨン系、親水化処理されたポリエステル、ポリプロピレン繊維、コットン、椰子、麻等の吸水性繊維を用いることができる。また、吸水シート13は、水分を吸収できる材料で構成されていればよく、不織布以外に、例えば、発泡シート等の吸水性のある多孔質体で構成することもできる。
【0023】ドレイン層11は、混合土に溜まった水分を逃がすための役割を果たしている。すなわち、大量の雨が降ったときに混合土が水分を吸収しすぎると、例えばセダム等の乾燥状態を好む植物が枯れてしまうことがあり、これを防止するために水分が通過可能な例えばセラミックス等の多孔質体で構成されている。
【0024】一方、雨が降らない時等の水分が不足する時のために、上記多孔質体には、例えば吸水ポリマー等の水供給材が含まれている。
【0025】耐根シート9は、例えば目の細かい織物や、ポリエステル繊維からなるスパンボンド等の不織布で構成され、植物の根が壁面3a側へ侵入するのを防止するとともに、根が壁面3aに沿う方向に広がるようにするために設けられており、目付は200g/m2以上であることが好ましい。
【0026】網状体15に充填される混合土は、泥炭と軽量土の体積比を、1/9〜1/2にすることが好ましい。泥炭の体積比が1/2を越えると、壁面3aに対する重量負荷が大きくなり、また泥炭のコストが高いため施工コストが増大するという問題がある。一方、泥炭の体積比が1/9未満になると雨水で混合土が崩れるおそれがあり、この場合軽量土の割合が多くなるので、植物に対する栄養分が少なくなるという問題もある。これらの観点から、体積比は2/8〜3/7にするのがより好ましい。
【0027】上記混合土に植える植物は、例えばタイトゴメ、モリムラマンネングサ、イクダレソウ、ハマナデシコ、シオギク、キリンソウ、セダム類等の乾燥に強い細根性植物であることが好ましい。例えば乾燥に弱い植物では、夏の日照りが続くとすぐに枯れてしまい、深根性植物では根が横に広がりにくく根が拡大しないという問題がある。より好ましい植物として、日本の環境に適しているタンポポ、つた類を挙げることができる。
【0028】上記緑化構造体1は、例えば以下のように建物3の壁面3aに対して施工される。まず、上記した網状体15を製造する。この製造には、一般的な溶融押出機を用い、溶融した熱可塑性樹脂を複数のノズルより下方に吐出し、自然降下させながらループを形成する。このとき、隣接するノズルの間隔を狭めることで吐出されるループが接触して融着し、ランダムな三次元形態が形成される。これを冷却媒体中に引き込み、一つの面を押圧して線条材を密にした後、固化させると網状体15が形成される。こうして製造された網状体15に上記した混合土を充填し、この混合土に上記した細根性植物の種を蒔いたり、或いは苗を植えたりする。
【0029】これと並行して、図2に示すように、施工対象となる壁面3aに、断面H型のフレーム5aを組み合わせ2段の枠体5を設置する。壁面3aから2段目のフレーム5aの内部には図示を省略する水槽と連結された散水パイプ17を配設する。続いて、各空間部7内に耐根シート9を貼り付け、ドレイン層11を1段目のフレームに嵌入する。そして、壁面3a側から吸水シート13及び準備された網状体15を2段目のフレーム5aに嵌入すると緑化構造体1が完成する。
【0030】以上の構成によれば、本実施形態の緑化構造体1は、植物が植生する混合土が網状体15内に充填されるため、従来例のように雨水によって混合土が流されるのを確実に防止することができる。また、このように混合土を網状体15に充填することで土の流出を防いでいるため、コストの高い粘土質の土を多く用いる必要がなく、したがって、緑化構造体1の施工コストを低減することができる。
【0031】なお、フレームは、上記のように2段に限定されるものではなく、例えば1段のフレームに各層を嵌入することもできる。
【0032】上記実施形態では、緑化構造体の構成要素、つまり網状体、吸水シート等を平面視矩形状に形成しているが、例えば、円形や他の多角形状に形成することもできる。
【0033】また、上記実施形態では、建物の壁面に緑化構造体を配設しているが、これに限定されるものではなく、例えば河川、湖沼、或いは海岸等の護岸の傾斜面、法面等、種々の場所に適用することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明するため、本発明の実施例及びこれと対比する比較例を示す。各実施例及び比較例の詳細については表1及び以下の説明の通りである。
【0035】
【表1】

【0036】(実施例1)河川の護岸の傾斜面に木枠を組み、木枠内の空間部に、傾斜面側から耐根シート、水供給材を含んだドレイン層、吸水シート及び網状体を順に積層した。網状体は、線条材として平均繊維径が約0.4mmの連続したポリプロピレン樹脂を使用し、空隙率99.8%、見掛け密度15kg/m3、厚さ30mm、縦1m、横1mの立体形状に形成した。吸水シートは、目付が200g/m2、含有率がアクリル系吸水性繊維30%、ポリエステル繊維70%の不織布を用いた。耐根シートは、目付が500g/m2ポリエステルスパンボンド不織布から構成されている。網状体には、泥炭と軽量土との体積比が2/8である混合土(例えば、LARVA製のビオソイル)が100L充填されており、この混合土にはつたの苗を植え込んだ。その後一日雨が降ったが混合土の崩れは発生せず、数週間後に枯れずに広がっていた。
【0037】(実施例2)実施例1と同様に、河川の護岸の傾斜面に木枠を組み、木枠内の空間部に、斜面側から耐根シート、水供給材を含んだドレイン層、吸水シート及び網状体を順に積層した。網状体は、線条材として平均繊維径が約0.4mmの連続したポリエステルエラストマー樹脂を使用し、空隙率99.5%、見掛け密度40kg/m3、厚さ60mm、縦1m、横1mの立体形状に形成した。吸水シートは、目付が250g/m2、含有率がアクリル系吸水性繊維50%、ポリエステル繊維50%の不織布を用いた。耐根シートは、目付が600g/m2ポリエステルスパンボンド不織布から構成されている。網状体には、泥炭と軽量土との体積比が3/7である混合土(例えば、LARVA製のビオソイル)が100L充填されており、混合土にはセダムの種を蒔いた。見掛け密度及び厚さが実施例1より大きい網状体を用いているが、その後一日雨が降っても混合土の崩れは発生せず、数週間後にセダムの芽が出ていた。
【0038】(比較例1)線条材として平均繊維径が約0.4mmの連続したナイロン樹脂を使用し、空隙率99.5%、見掛け密度3kg/m3、厚さ20mm、縦1m、横1mの立体形状に形成した網状体を形成した。この網状体に、泥炭と軽量土の体積比が3/7の混合土(例えば、LARVA製のビオソイル)を200L充填した。
【0039】続いて、傾斜のある屋根一面に木枠を組んだ後、実施例1と同じ耐根シート、ドレイン層、及び吸水シートを敷設し、その上に上記網状体を50枚敷設した。網状体の混合土にはつたの苗を植えたが、網状体の見掛け密度が低いため根の固着力が弱く、雨水によって土が崩れ、つたもろとも屋根から土が落下している部分が観察された。
【0040】(比較例2)傾斜のある屋根一面に木枠を組んだ後、実施例1と同じ耐根シート、ドレイン層、及び吸水シートを敷設し、その上に泥炭と軽量土の体積比が3/7の混合土(例えば、LARVA製のビオソイル)を10000L配置した。この作業に6時間を要した。続いて、混合土にセダムの種を蒔いた。網状体を用いず混合土を直接吸水シート上に積層したため、芽が出るまでに雨水によって土が崩れ、セダムもろとも屋根から土が落下している部分が観察された。
【0041】(比較例3)線条材として平均繊維径が約0.4mmの連続したポリプロピレン繊維を使用し、空隙率98.7%、見掛け密度120kg/m3、厚さ120mm、縦1m、横1mの立体形状に形成した網状体を形成した。この網状体に、泥炭と軽量土との体積比が8/2の混合土(例えば、LARVA製のビオソイル)を200L充填しようとしたが、見掛け密度が高く、土の通過性が悪いため、混合土を充填するのに大変手間がかかり、100Lしか充填することができなかった。
【0042】続いて、傾斜のある屋根一面に木枠を組んだ後、実施例1と同じ耐根シート、ドレイン層、及び吸水シートを敷設し、その上に上記網状体を50枚敷設した。網状体の混合土にはつたの苗を植えたが、土がしっかりと充填されていないため、雨水によって土が崩れ、つたもろとも屋根から土が落下している部分が観察された。
【0043】(比較例4)線条材としてポリエステル繊維を使用し、空隙率78.3%、見掛け密度300kg/m3、厚さ20mm、縦1m、横1mの立体形状に形成した網状体を形成した。この網状体に、泥炭と軽量土との体積比が8/2の混合土(例えば、LARVA製のビオソイル)を充填しようとしたが、見掛け密度が非常に高く、混合土が通過しないため、ほとんどの混合土を充填することができなかった。
【0044】続いて、傾斜のある屋根一面に木枠を組んだ後、実施例1と同じ耐根シート、ドレイン層、及び吸水シートを敷設し、その上に上記網状体を50枚敷設した。網状体の混合土にはセダムの種を蒔いたが、網状体の空隙率が低いため根の固着力が弱く、雨が降った後に、根ごと抜けてしまった。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の緑化構造体は、植物が植生する土が網状体内に充填されるため、従来例のように雨水によって土が流されるのを確実に防止することができる。また、このように土を網状体に充填することで土の流出を防いでいるため、コストの高い粘土質の土を多く用いる必要がなく、その結果、緑化構造体の施工コストを低減することが可能となる。また、網状体の下方に吸水体が配置されているため、例えば雨の少ない時期や地域において網状体への水分補給をすることができる。
【出願人】 【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜2丁目2番8号
【識別番号】500437821
【氏名又は名称】株式会社静岡グリーンサービス
【住所又は居所】静岡県焼津市下小田508番地
【出願日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【代理人】 【識別番号】100065215
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二 (外8名)
【公開番号】 特開2003−189734(P2003−189734A)
【公開日】 平成15年7月8日(2003.7.8)
【出願番号】 特願2001−391769(P2001−391769)