| 【発明の名称】 |
植栽装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古本 敏雄
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| 【要約】 |
【課題】水の温度や流れの管理を確実に制御して、屋上などを有効に緑化するようにした。
【解決手段】水が通過することができる貯水タンク21、受水タンク31及び給水タンク41を並設し、内部に培土52を設けてあって植生用水を浸してある栽培層51を前記各タンクの上部に設置し、前記受水タンク31の水を給水タンク41に流入させて一部を植生用水として前記栽培層51に供給するとともに、温度調節水として前記栽培層51を通過させて貯水タンク21に環流させ、水温が調整された前記栽培層51で植物を成育させるようにしたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水が通過することができる貯水タンク、受水タンク及び給水タンクと、内部に培土を設けてあって植生用水を浸してある栽培層とを有し、前記受水タンクの水を給水タンクに流入させて一部を植生用水として前記栽培層に供給するとともに、温度調節水として前記栽培層を通過させて貯水タンクに環流させ、水温が調整された前記栽培層で植物を成育させるようにしたことを特徴とする植栽装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の屋上、ベランダ、デッキなど培養土によって植生できない位置において植生するようにした植栽装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】屋上やベランダなど培養土によって植栽できない位置で植栽する場合、例えば特開2001−54321号公報に記載されている植栽装置が知られている。前記従来の植栽装置は、施工現場での植物の植え付けの煩雑さを解消するために、保水部と排水部とが複数一体に形成されたドレーン板からなる保水給排水手段と、この保水給排水手段上に設置されて植栽層を有する育苗パンとからなり、育苗パンは通気、通水のための貫通小孔を有する皿状体で構成し、成育条件の良好な環境下に育苗パンをおいて植物を成育させるようにした構成である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した従来の植栽装置では、広い面積の育苗パンを屋上に直接設置するので、屋上の使用用途を妨げるばかりでなく、植生のための経費が著しく高価になる。しかも、厳寒時や猛暑時の温度を配慮していないし、植物に対する冠水を雨水に求めているので、簡単に枯れてしまって充分な植栽を期待することができない。したがって、本発明は、屋上などに直接植栽層を敷設するのではなく、きわめて簡単に、季節の変化による温度差が発生しても、枯れることなく確実に植栽できるようにしたことを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明は、水が通過することができる貯水タンク、受水タンク及び給水タンクと、内部に培土を設けてあって植生用水を浸してある栽培層とを有し、前記受水タンクの水を給水タンクに流入させて一部を植生用水として前記栽培層に供給するとともに、温度調節水として前記栽培層を通過させて貯水タンクに環流させ、温度が調整された前記栽培層で植物を成育させるようにしたことを特徴とする。 【0005】 【発明の実施の形態】以下に本発明を図面に示す実施の態様に基づいて説明する。図1は本発明の植栽装置の実施例を示す縦断正面図、図2は一部を断面とした平面図、図3は図1のA−A線の断面図、図4は栽培層の第2実施例の概略縦断面図、図5は栽培層の第3実施例の概略縦断面図、図6は栽培層の第4実施例の概略縦断面図である。 【0006】本発明の植栽装置1は、左右方向に長尺な枠フレーム2の内部の高さの途中に水平な仕切り板3を設け、前記仕切り板3の下方に、上面が開放する貯水タンク21、受水タンク31及び給水タンク41を一端部から他端部に向かってそれぞれ設置し、前記仕切り板3の上方に、各タンクの上部に横たわるように位置するようにして栽培層51を設けてなる構成である。 【0007】前記貯水タンク21と受水タンク31、及び受水タンク31と給水タンク41とは、下方において水の通過パイプ4によってそれぞれ連結してあり、貯水タンク21から受水タンク31に、また受水タンク31から給水タンク41に向かって水が通過することができる。 【0008】前記枠フレーム2の内部一端に位置する貯水タンク21には、オーバーフロー用パイプ22及び放水用パイプ23を上下に設けてあって、各パイプ22、23は前記枠フレーム2の外部に延長し、前記放水パイプ23の途中には第1電磁バルブ24を設けてある。 【0009】前記受水タンク31の内部上方には水道水などが流入する給水パイプ32の端部が位置し、前記給水パイプ32の途中に第2電磁バルブ33を設けるとともに、受水タンク31に臨む端部にフロートバルブ34を設け、給水パイプ32から水が供給されても、前記フロートバルブ34により受水タンク31の内部の水を常に一定レベルに維持させる。そして、前記受水タンク31の内部には水没するように第1水中ヒーター35、第1温度センサー36を設け、受水タンク31の外面に設けた第1作動部37に電気的に接続する。 【0010】前記給水タンク41の内部にも第2水中ヒーター42、第2温度センサー43を設けて外部の第2作動部44に電気的に接続し、また底部に水中ポンプ45を設けて直立する揚水パイプ46を前記仕切り板3の上方にまで延在させ、上下に第1吐水口47、第2吐水口48を設け、各吐水口47、48に第3電磁バルブ47’及び第4電磁バルブ48’をそれぞれ設ける。 【0011】前記仕切り板3の上面に設置されている前記栽培層51は、図3で示すように、両端が閉塞された大径な円形パイプ状であって、内部には礫や木炭等からなる培土52を高さの中央程度にまで充填してあり、上面には適宜の間隔で植栽口53を開設してある。 【0012】そして、前記栽培層51の内部には、熱交換パイプ54と給水パイプ55とが長さ方向に沿って上下に設けてあり、前記熱交換パイプ54は、一端部が栽培層51の端部に閉塞されて前記第1吐水口47を連結してあり、後方側の他端部が栽培層51の外部にまで延長して下向きに屈曲し、前記貯水タンク21に開口している。 【0013】そして、前記熱交換パイプ54の後方側には、上端が栽培層51の内部に開口するオーバーフロー筒56を直立状に設けるとともに、堰止め片57を内部に設け、前記オーバーフロー筒56の外周縁にメッシュ、多孔板などからなるフィルター筒58を位置させる。 【0014】前記給水パイプ55の一端部には前記第2吐水口48を連結してあり、後方の他端部が閉塞されている。そして、前記給水パイプ55は多孔板、メッシュ板等から成り、第2吐水口48から供給される水が栽培層51の内部に流入する。 【0015】前記栽培層51の後端部には、前記貯水タンク21に開口する排水パイプ59を接続してあり、前記排水パイプ59の途中に第5電磁バルブ59’を設ける。 【0016】前記枠フレーム2の外部には時間管理、温度管理、スイッチング、その他の多機能を有する制御盤5を設け、この制御盤5に前記第1作動部37、第2作動部44及び栽培層51の内部に設けた第3温度センサー6、並びに第1電磁バルブ24から第5電磁バルブ59’まで、及び水中ポンプ45などを電気的に接続し、水の流れや水温の管理をすることができる。 【0017】なお、枠フレーム2の上面には、前記栽培層51の上面に開設した植栽口53に一致するように通孔部7を開設する。また、前記栽培層51及び各タンク21、31、41には、夏季の直射日光による過熱や厳寒期の過冷を防止するため、枠フレーム2との間に空間を設けて外気が通過できるようにしたり、若しくは断熱処理するとよい。 【0018】本発明の植栽装置1は前記した構成であって、屋上、ベランダなど培養土が存在しない場所に設置し、礫や木炭などからなる培土52に、水耕栽培によって成育された苗植物等を植え付けて制御盤5を電気的に接続し、給水パイプ32から受水タンク31、貯水タンク21、給水タンク41に一定レベルまで水を供給し、また水中ポンプ45を駆動して第4電磁バルブ48’の開放によって給水パイプ55から栽培層51の内部に水を充填し、培土52に植え付けた苗や植物を成育させ、植栽口53から通孔部7を通して外部に導き、植栽装置1の周縁を緑化することができる。 【0019】植栽装置1に植える植物としては、水耕栽培による小さな草花を密に植え付けて盛り上がるようにしてもよいが、例えば蔓科の植物を植えて屋上の周囲の壁や天井、フェンスなどに張り巡らせてもよい。 【0020】そして、春季、秋季など植物にとって温暖な気候時には、水温が植物に適切である。したがって、制御盤5により第1作動部37、第2作動部44を作動させないで、給水パイプ32から供給される水をそのまま受水タンク31から給水タンク41に導き、水中ポンプ45を駆動して第4電磁バルブ48’を開放し、給水パイプ55から栽培層51に連続的に供給し、オーバーフローする水をオーバーフロー筒56から貯水タンク21に流下させて環流し、培土52の植物を成育させて外部を緑化するのである。そして、一時的に水中ポンプ45の駆動を停止させるとともに第5電磁バルブ59’を開放すると、栽培層51の水は自重で貯水タンク21に流下するので、栽培層51の培土52に空気が流入する。したがって、培土52に空気が入り込むので、植物の根は空気に接触することになって良好な発育をもたらせることができる。 【0021】しかし、夏季の気温が高い時期には、特に屋上はコンクリートの輻射熱によって過熱する。したがって、制御盤5により水中ポンプ45の駆動を高めるとともに、第3電磁バルブ47’を閉止して第4電磁バルブ48’を充分に開放し、また第2電磁バルブ33を大きく開放して冷たい水を受水タンク31から給水タンク41に連続的に供給し、給水パイプ55から栽培層51に充分に供給する。 【0022】前記した作動により、栽培層51の内部には、給水パイプ32からの冷たい水が連続的に流れ込むので、植物に適する水温になって培土52の植物がそのまま良好に成育を継続する。そして、栽培層51の水は、オーバーフロー筒56から貯水タンク21に流れ込み、オーバーフロー用パイプ22から溢れて流れ出るので、そのまま屋上の冠水用として使用してもよいし、雨樋から垂れ流してもよい。また、必要であれば第1電磁バルブ24を開放し、貯水タンク21の水を屋上に撒水して温度上昇するのを防止してもよい。 【0023】冬季の厳寒時に、植物にとって過冷状態が継続すると枯れるので、制御盤5によって第1作動部37、第2作動部44により第1水中ヒーター35、第2水中ヒーター42で水温を上昇させ、第3電磁バルブ47’を大きく開放するとともに第4電磁バルブ48’を小さく絞り込み、水中ポンプ45の駆動で第1吐水口47から温水を熱交換パイプ54に供給して栽培層51の水が過冷するのを防止し、また給水パイプ55から温水を培土52に供給して温める。 【0024】したがって、培土52が熱交換パイプ54と給水パイプ55からの水によって温められるので、過冷にならなくて植物が良好に成育を続ける。そして、熱交換パイプ54の水は、前記と同様に貯水タンク21に流入するが、第1電磁バルブ24を閉止することで受水タンク31から給水タンク41、栽培層51に循環流することになるので、熱源を有効に利用することができる。 【0025】上記したように、本発明の植栽装置1は、春季、秋季の植物に最適な気候時は当然ながら、過熱する夏季、過冷する冬季においても水温を管理するので、植物が枯れたり成育不良になることがない。そして、特に夏季においてはオーバーフローする水を屋上に撒水することができて、過熱を確実に防止することができるし、水を循環流させるので、無駄に消費することがない。 【0026】また、前記仕切り板3の側部に適宜の間隔で通気孔3’を開設すると、枠フレーム2に導入する空気が上昇して対流するので、特に夏季においては各タンクや栽培層51を冷却し、また冬季では日光が照射する空気が各タンクや栽培層を温めることになり、温度制御効果を高めることができる。 【0027】図4に示す本発明の第2実施例は、枠フレーム2’の構成を、栽培層51の外周を囲む円形パイプ状とし、下方に空気導入孔11を開設し、上面に前記通孔部7を形成した構成である。前記各タンク21、31、41は枠フレーム2’の内部に収納されていないで屋上に直接設置され、各タンクの上面に前記枠フレーム2’と栽培層51とが設置してあり、枠フレーム2’と栽培層51との間に空気の通過間隔12を設けてある。 【0028】したがって、前記通過間隔12によって栽培層51をさらに断熱することができて水温の管理を確実にすることができ、またヒーターなどによる熱エネルギーの使用を軽減することができる。 【0029】図5に示す本発明の第3実施例は、栽培層51の熱交換パイプ54の左右に2本の給水パイプ55を設けて、夏季において冷たい水を栽培層51の左右に幅広く供給するようにしたものである。 【0030】図6に示す本発明の第4実施例は、2本の熱交換パイプ54を栽培層51の内部の下方の左右に設置した構成で、その下に給水パイプ55を設けてあるので、冬季における温水の熱交換効率を高めさせるようにしたものである。 【0031】したがって、第3実施例、第4実施例の植栽装置は、九州などの温暖地帯用、若しくは北海道などの寒冷地帯用などと使い分けることができる。なお、図4から図6までにおいて、説明していない符号は前記図1から図3までの第1実施例の同一符号と同一の構成であるから、具体的説明を省略する。 【0032】以上本発明を図面に示す実施例に基づいて説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができるものである。例えば、各タンクは、水温が適正に制御できればそのような構成でもよいし、栽培層も円形パイプに限定されなくて角パイプでもよいし、水タンクのような構成でもよい。また、水温や水量を調整する電気的制御機構も、図示の実施例に限定されるものではない。 【0033】 【発明の効果】以上要するに、本発明によれば、水が通過することができる貯水タンク、受水タンク及び給水タンクを並設し、内部に培土を設けてあって植生用水を浸してある栽培層を前記各タンクの上部に設置し、前記受水タンクの水を給水タンクに流入させて一部を植生用水として前記栽培層に供給するとともに、温度調節水として前記栽培層を通過させて貯水タンクに環流させ、水温が調整された前記栽培層で植物を成育させるようにしたことを特徴とする。 【0034】したがって、植生用の水の管理が確実であり、夏季、冬季など植物にとって過酷な条件であっても確実に成育することができ、特に屋上の緑化に関しては屋上の防水工事をしなくても、確実に効果を上げることができ、実用的価値の高いものとなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】300047493 【氏名又は名称】株式会社四季青社
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| 【出願日】 |
平成13年12月3日(2001.12.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082669 【弁理士】 【氏名又は名称】福田 賢三 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−169550(P2003−169550A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月17日(2003.6.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−368968(P2001−368968) |
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