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【発明の名称】 機能性シート、それを用いた播種用シート及び生ごみ用袋
【発明者】 【氏名】岩田 隆雄

【要約】 【課題】生分解性を維持しつつ、作業性を向上することができるとともに、容易に製造することができる機能性シート、それを用いた播種用シート及び生ごみ用袋を提供する。

【解決手段】機能性シート11は、シート材12と補強層13から構成されている。シート材は、古紙を含む再生紙から形成され、固化処理された有機性汚泥が混入されている。補強層13は、シート材12の表面に有機性バインダーを塗布することによって形成され、シート材を形成するパルプの繊維を部分的に接合し、機能性シート11の強度を向上させている。播種用シートは、機能性シート11の補強層13によって種子が固定されているものである。生ごみ用袋は、機能性シート11によって袋状に形成され、上端には開口部を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 古紙を含む再生紙から構成され、固化処理された有機性汚泥が混入されているシート材の少なくとも一方の面に、有機性バインダーからなる補強層を設けたことを特徴とする機能性シート。
【請求項2】 請求項1に記載の機能性シートに設けられた補強層によって前記シート材に種子が保持されている播種用シート。
【請求項3】 前記機能性シートを構成するシート材の坪量が80〜150g/m2である請求項2に記載の播種用シート。
【請求項4】 前記補強層はシート材の少なくとも一方の面の全体に設けられている請求項2又は請求項3に記載の播種用シート。
【請求項5】 前記種子の表面には過酸化カルシウムがコーティングされて被覆層が形成されている請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の播種用シート。
【請求項6】 請求項1に記載の機能性シートを開口部を有する袋状に形成してなる生ごみ用袋。
【請求項7】 前記機能性シートの補強層を内側にして袋状に形成されている請求項6に記載の生ごみ用袋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生分解性を維持しつつ、作業性を向上することができるとともに、容易に製造することができる機能性シート、それを用いた播種用シート及び生ごみ用袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の機能性シートとしては、例えば紙からなるシート材に粒状に固化処理された食品汚泥等の有機性汚泥を混入したものが知られている。この機能性シートは主として農業用保温シートとして使用され、例えば畑の畝、プランターや植木鉢等の土の表面を被覆し、土を保温するために使用されている。そして、機能性シートに混入されている有機性汚泥は、栽培植物の肥料作用をもたらし、その成長を促進することができる。
【0003】一方、播種用シートとしては、例えば特開平10−52176号公報に開示された技術がある。この播種用シートは、既存の再生紙マルチシートに穴を空けて種子を置き、その種子を不織布、メッシュ材等で挟持させている。この播種用シートは予め施肥を行った水田、畑等に敷設することにより、播種及びマルチングを同時に行っている。そして、このマルチングによって雑草の生育が抑制され、除草のための資材や労力を大幅に低減することができる。さらに、この播種用シートは、敷設後、土壌中に存在する微生物等によって経時的に分解される。そして、稲、作物等の栽培植物の収穫時には、播種用シートの必要性がないため、播種用シートの形状が確認できない状態となるのが好ましいとされている。また、近年、リサイクル等の観点から牛乳パック、新聞紙等の古紙を抄紙して形成される再生紙の利用が高まっている。古紙を含む再生紙を農業用保温シート、播種用シート等に使用されることがある。田畑に敷設するときのシートの破れ、切れ等を低減して、作業性を向上させるために再生紙に不織布、メッシュ材等を張り合わせることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の機能性シートを各種用途に利用する場合、強度が不足して作業性が不十分であるという問題があった。また、上記従来の機能性シートを播種用シートとして利用する場合、種子の固定又は作業性の向上のために再生紙に不織布、メッシュ材等を張り合わせると、播種用シートの製造に手間がかかるという問題があった。
【0005】本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、生分解性を維持しつつ、作業性を向上することができるとともに、容易に製造することができる機能性シート、それを用いた播種用シート及び生ごみ用袋を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の機能性シートは、古紙を含む再生紙から構成され、固化処理された有機性汚泥が混入されているシート材の少なくとも一方の面に、有機性バインダーからなる補強層を設けたものである。
【0007】請求項2に記載の発明の播種用シートは、請求項1に記載の機能性シートに設けられた補強層によって前記シート材に種子が保持されているものである。請求項3に記載の発明の播種用シートは、請求項2に記載の発明において、前記機能性シートを構成するシート材の坪量が80〜150g/m2であるものである。
【0008】請求項4に記載の発明の播種用シートは、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記補強層はシート材の少なくとも一方の面の全体に設けられているものである。
【0009】請求項5に記載の発明の播種用シートは、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記種子の表面には過酸化カルシウムがコーティングされて被覆層が形成されているものである。
【0010】請求項6に記載の発明の生ごみ用袋は、請求項1に記載の機能性シートを開口部を有する袋状に形成してなるものである。請求項7に記載の発明の生ごみ用袋は、請求項6に記載の発明において、前記機能性シートの補強層を内側にして袋状に形成されているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明を具体化した第1の実施形態を、図1に従って詳細に説明する。
【0012】図1に示すように、機能性シート11は再生紙からなるシート材12の片面全体に有機性バインダーが塗布されることによって補強層13が形成されている。シート材12は、機能性シート11の基材として、新聞、雑誌、牛乳パック等の古紙を含むパルプから抄紙された再生紙から形成されている。さらに、このシート材12には固化処理された有機性汚泥としての固化汚泥が混入されている。
【0013】固化汚泥は、栽培植物等の肥料成分としてシート材12に混入されている。固化汚泥の原料である有機性汚泥の具体例としては、食品残渣、食品工場の排水処理汚泥、動物の糞尿等が挙げられる。これらの有機性汚泥は、脱水剤である生石灰と混合された後、炭酸ガス供給装置を備えたロータリーキルン内で有機性汚泥中の水分と生石灰の水和反応により、水分がなくなり徐々に固化する。そして、中和乾燥固化された有機性汚泥を粉砕機によって粉砕することによって、固化汚泥が形成される。
【0014】シート材12におけるパルプの含有量は、好ましくは60〜70重量%である。このパルプの含有量が60重量%未満の場合、パルプを構成する繊維同士の絡みが少なくなり、シート材12の強度が著しく低下するおそれがある。一方、70重量%を越える場合、固化汚泥の含有量が低下するため、肥料作用を充分に発揮させることができない。
【0015】固化汚泥の粒子径は、好ましくは100nm〜50μmである。この固化汚泥の粒子径が100nm未満の場合、機能性シート11を構成するパルプの繊維に対して固化汚泥が均一に分散されないおそれがある。一方、50μmを越える場合、固化汚泥がパルプの繊維に結合し難くなる。
【0016】固化汚泥のシート材12に対する含有量は、好ましくは30〜40重量%である。固化汚泥の含有量が30重量%未満の場合、肥料作用を充分に発揮させることができない。一方、40重量%を越える場合、パルプの含有量が低下することから、シート材12の強度が低下するおそれがある。
【0017】有機質凝集剤は、肥料作用のある物質を凝集させ、パルプの繊維に結合させる反応を促進させるために添加される。この有機質凝集剤としては、ポリアクリルアミド第四級アンモニウム等のカチオン系高分子凝集剤、ポリアクリル酸ソーダ等のアニオン系高分子凝集剤、ポリアクリルアミド等のノニオン系高分子凝集剤等が挙げられる。これらの有機質凝集剤は、植物の成長に有害な成分が含有されていないうえ、確実に生分解されて植物の肥料となることができる。
【0018】有機質凝集剤の含有量は、好ましくは1〜3重量%である。この有機質凝集剤の含有量が1重量%未満の場合、前記の結合反応を十分に促進させることができない。一方、3重量%を越える場合、有機質凝集剤が過剰となって不経済であるとともに、パルプの繊維及び肥料作用のある物質の少なくとも一種の含有量を低下させる必要が生じることから、シート材12の品質を低下させるおそれがある。
【0019】また、肥料作用のある物質を凝集させるには、有機質凝集剤による方法以外に、製紙時に通電して、電気的に凝集させてもよい。上記のように構成されるシート材12は、パルプの繊維に水を加えて懸濁したスラリー、固化汚泥に水を加えて懸濁したスラリー及び凝集剤を混合撹拌し、フロックができる状態になったところで抄紙することでシートを形成し、乾燥させることによって製造される。さらに、シート材12の肥料作用を向上させるために、前記の混合撹拌されたスラリーのpH値を7〜9の範囲内に調整するとよい。
【0020】有機性バインダーは、土壌中の微生物等により分解する物質、つまり生分解性を有する物質をいう。そして、この有機性バインダーによる補強層13が形成されることによって機能性シート11の強度を向上させることができる。
【0021】有機性バインダーの具体例としては、水溶性高分子、熱可塑性高分子等が挙げられる。水溶性高分子としては、でんぷん糊、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。熱可塑性高分子としては、ポリ乳酸、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等が挙げられる。これらの中でも容易に入手できることからでんぷん糊及びポリ乳酸が好ましい。前記シート材12に有機性バインダーによる補強層13を形成する方法は、有機性バインダーのフィルム又はシートをシート材12に貼り合わせてもよく、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンスプレー等によって塗布してもよい。また、有機性バインダーは水等の溶剤に分散又は溶解して塗布してもよい。塗布等の条件は常法に従って行う。
【0022】さて、機能性シート11を農業用保温シートとして使用するには、例えば畑の畝、プランターや植木鉢等の土の表面に敷設される。このとき、機能性シート11には、有機性バインダーからなる補強層13が設けられている。従って、補強層を形成する有機性バインダーは、シート材12を構成するパルプの繊維同士は部分的に接着補強することができる。
【0023】敷設された機能性シート11は、土を保温して栽培植物の成長を促進することができる。さらに、機能性シートに混入されている有機性汚泥は、栽培植物の肥料作用をもたらし、その成長を促進することができる。
【0024】本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この実施形態の機能性シート11においては、シート材12の表面全体に有機性バインダーによる補強層13が形成されている。この構成によると、有機性バインダーによってシート材12を構成するパルプの繊維同士を部分的に接着補強することができる。従って、機能性シート11の強度を向上させることができ、作業性を向上することができる。さらに、この機能性シート11は、メッシュ、不織布等を貼り合わせていないため容易に製造することができる。
【0025】・ この実施形態の機能性シート11においては、シート材12及び有機性バインダーから形成されている。この構成によると、機能性シート11に生分解性を付与することができる。従って、マルチシート等として土壌表面に敷設した際、使用後には土壌にそのまま廃棄することができる。さらに、カドミウム、重金属等の有害物質を含まないため、農用地等の土壌環境を汚染することはない。
【0026】・ この実施形態の機能性シート11においては、固化処理された有機性汚泥である固化汚泥が混入されている。この構成によると、機能性シート11を土壌表面に敷設した場合、固化汚泥が肥料となり、栽培植物の成長を促進することができる。
【0027】・ この実施形態の機能性シート11においては、古紙を含む再生紙から形成されている。さらに、固化汚泥は食品残渣、食品工場の廃水処理汚泥、動物の糞尿等の有機汚泥を原料として形成されている。この構成によれば、産業廃棄物を有効に再利用することができる。
(第2の実施形態)以下、本発明を具体化した第2の実施形態を、図2〜図5に従って詳細に説明する。
【0028】図2に示すように、播種用シート14は、再生紙からなるシート材12の片面全体に有機性バインダーによる補強層13が形成された機能性シート11において、補強層13によって種子15が機能性シート11に保持されているものである。
【0029】本実施形態におけるシート材12及び有機性バインダーから形成される機能性シート11は第1の実施形態と同じものが用いられる。本実施形態におけるシート材12の坪量は、80〜150g/m2が好ましく、90〜120g/m2がより好ましい。この坪量が80g/m2未満の場合、栽培植物の生育の初期段階でシート材12が分解して、雑草の生育が十分に抑制できないおそれがある。一方、150g/m2を超えると、栽培植物の収穫時に残存するおそれがある。第2の実施形態における有機性バインダーは、親水性に優れることからでんぷん糊であることが好ましい。
【0030】種子15は、図4に示すように機能性シート11の表面に2個ずつ所定間隔で千鳥状に配置されている。種子15の具体例としては、米、大根、人参、白菜、ほうれん草、苺等が挙げられる。これらの種子15の表面には、種子15の発芽を促進するために図3に示すように、過酸化カルシウムの被覆層16が二層に形成されている。過酸化カルシウムの被覆層16は一層に形成してもよいが、種子15の発芽を十分に促進するためには二層に形成するのが好ましい。
【0031】図4に示すように、播種用シート14を製造する製造装置17は、有機性バインダーとしてのでんぷん糊18を収容する有底長四角箱状の容器19と複数の円柱状の回転軸20a、20b、21、22、23から構成されている。
【0032】シート材12はロール状に巻き取られることにより円柱状をなし、シート材12の巻き出される水平方向には2本の第1回転軸20a、20bが一定の間隔をおいて平行に軸支されている。2本の第1回転軸20a、20bの下方中間には容器19が設置され、この容器19内にはでんぷん糊18が所定の液面まで貯留されている。この容器19の中央には容器19の長手方向にわたって第2回転軸21が軸支され、この第2回転軸21の下側はでんぷん糊18に接するようになっている。
【0033】そして、巻き出されたシート材12は第1回転軸20a、20bの上側、第2回転軸21の下側、第1回転軸の上側の順に通紙される。このシート材12が、第2回転軸21の下側を通過する際に容器19内のでんぷん糊18がシート材12の下面に塗布され、機能性シート11が形成されるようになっている。
【0034】さらに、第1回転軸と平行に第3回転軸22が軸支されるとともに、この第3回転軸22の上方には第4回転軸23が軸支されている。そして、でんぷん糊18が塗布されたシート材12はこれらの回転軸を介して塗布面を上方に向けるようになっている。そして、図示しない播種装置によってシート材12の塗布面上に種子15が2個ずつ千鳥状に配置される。種子15が配置された機能性シート11は図示しないドライヤーを介して乾燥された後、ロール状に連続的に巻き取られる。
【0035】さて、播種用シート14を製造するには、図4に示すように、巻き出されたシート材12の片面をでんぷん糊18に接触させ、シート材12の片面全体に連続的にでんぷん糊18を塗布し、機能性シート11を形成する。次に、種子15をでんぷん糊18からなる補強層13の上に所定間隔で配置する。続いて、種子15が配置された機能性シート11を図示しないドライヤーによって加熱し、補強層13を形成するでんぷん糊18に含まれる水分を蒸発させ、でんぷん糊18を固化させることによって、播種用シート14を形成する。このとき、種子15はでんぷん糊18によって機能性シート11に固定される。さらに、播種用シート14の片面全体にはでんぷん糊18による補強層13が形成されている。従って、でんぷん糊18によってシート材12を構成するパルプの繊維同士を部分的に接着補強することができる。次に、種子15が固定されたシート材12はロール状に巻き取られる。このとき、播種用シート14上には種子15が千鳥状に配置されているため、播種用シート14の流れ方向(長さ方向)における種子15の重なりを減らすことができる。また、このように製造すると、播種用シート14を連続的に製造することができる。
【0036】この播種用シート14を使用するには、播種用シート14の種子15が固定されている周囲に、図5(a)に2点鎖線で示すようにU字状の切込みを設ける。次に、図5(a)に示すようにロール状の播種用シート14を巻き出して土壌表面に敷設する。このとき、播種用シート14の表面全体にはでんぷん糊18から構成される補強層13が形成されている。従って、播種用シート14を土壌表面に敷設する際、播種用シート14の破れ、切れを低減することができる。さらに、種子15の表面に形成された過酸化カルシウムの被覆層16は、土壌の水と反応して徐々に酸素を放出することができる。そして、図4(b)に示すように、種子15は、発芽して成長する。このとき、播種用シート14が敷設してある場所は、雑草の生育が抑制される。栽培植物の成長に伴い、この播種用シート14は土壌中の微生物に分解され、栽培植物の収穫時には形状が確認できない状態となる。
【0037】本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この実施形態の播種用シート14においては、シート材12の表面全体にでんぷん糊18から構成される補強層13が設けられている。この構成によると、シート材12を構成するパルプの繊維同士を補強層13によって部分的に接着することができる。従って、播種用シート14を土壌表面に敷設する際、播種用シート14の破れ、切れを低減することができ、作業性を向上することができる。そして、この補強層13によってシート材12に種子15が保持されている。この構成によると、不織布、メッシュ材等を使用せず、種子15を固定できるため、容易に製造することができる。さらに、不織布、メッシュ材等を使用しないことから、シート材12本来の生分解性を維持することができる。
【0038】・ この実施形態の播種用シート14によれば、シート材12の坪量を80〜150g/m2とすることによって、播種用シート14の生分解性を良好にすることができるうえ、雑草の生育を十分に抑制することができる。
【0039】・ この実施形態の播種用シート14によれば、補強層13はシート材12の少なくとも一方の面の全体に設けられている。この構成によると、播種用シート14を土壌表面に敷設する際、播種用シート14の破れ、切れを一層低減することができ、作業性を一層向上することができる。
【0040】・ この実施形態の播種用シート14においては、固化処理された有機性汚泥である固化汚泥が混入されている。この構成によると、播種用シート14を土壌表面に敷設した後、固化汚泥が肥料となり、播種用シート14に固定された種子15から栽培植物が成長する際、その成長を促進することができる。
【0041】・ この実施形態の播種用シート14においては、種子15の表面には過酸化カルシウムの被覆層16が二重に形成されている。この構成によると、播種後の種子15に酸素を供給することができるため、種子15の発芽を促進することができる。
【0042】・ この実施形態の播種用シート14においては、シート材12及び有機性バインダーから形成されている。この構成によると、播種用シート14として土壌表面に敷設した際、使用後には土壌にそのまま廃棄することができ、カドミウム、重金属等の有害物質を含まないため、農用地等の土壌の環境を汚染することはない。
【0043】・ この実施形態の播種用シート14の製造方法においては、まず、ロール状に巻き取られたシート材12を巻き出す。次に、シート材12は第1回転軸及び第2回転軸21を介して、シート材12の少なくとも一方の面は、容器19内に貯留されたでんぷん糊18に接液される。続いて、第3回転軸22及び第4回転軸23を介した後、シート材12のでんぷん糊18塗布面に種子15を配置させる。その後、種子15が配置されたシート材12は乾燥され、連続的に巻き取られている。この製造方法によると、シート材12から播種用シート14を連続的に製造できるため、容易に製造することができる。
【0044】・ この実施形態の播種用シート14においては、シート材12の表面に種子15が千鳥状に配置されている。この構成によると、播種用シート14をロール状に巻き取る際、播種用シート14の流れ方向(長さ方向)において、種子15の重なりを減らすことができる。従って、播種用シート14の巻径を小さくすることができ、容易に輸送することができる。
(第3の実施形態)以下、本発明を具体化した第3の実施形態を、図6に従って詳細に説明する。
【0045】図6に示すように、生ごみ用袋24は、機能性シート11の補強層13が形成されている面を内側にして有底四角袋状に形成されている。本実施形態における機能性シート11は第1の実施形態と同じものが用いられる。本実施形態におけるシート材12の坪量は、80〜180g/m2が好ましい。この坪量が80g/m2未満の場合、生ごみ用袋24の強度が不足するおそれがある。一方、180g/m2を超えると、製袋が困難となるおそれがある。
【0046】この生ごみ用袋24の底部は折り曲げ形成され、上部には略U字状の開口部25が設けられている。そして、この開口部25から食品残渣等の生ごみが投入できるようになっている。この開口部25の両端には環状の一対の結束部26が形成されている。これらの結束部26を互いに結ぶことによって、開口部25を閉じることができるようになっている。生ごみ用袋24の両側及び結束部26の上端は、糸によって縫合されることにより、縫合部27が形成され、これらの縫合部27によって生ごみ用袋24の両側及び結束部26の上端は封止されている。縫合部27を形成する糸としては、木綿、麻等の生分解性を有する材質のものが使用される。
【0047】生ごみ用袋24の表面下部には紐28が前記機能性バインダーによって固定され、この紐28を取り外して結束部26を結ぶことによっても開口部25を閉じることができるようになっている。この紐28の材質は、前記縫合部27を形成する糸と同様である。
【0048】さて、生ごみ用袋24を使用するには、開口部25を広げて生ごみを投入する。このとき、生ごみ用袋24の内面には有機性バインダーからなる補強層13が形成されている。従って、生ごみの重量によって生ごみ用袋24が破れることを低減することができる。また、生ごみ用袋24の表面からの生ごみの水分の漏れを低減することができる。次に、生ごみ用袋24に固定されている紐28を取り外し、結束部26を結ぶことによって開口部25を閉じる。
【0049】続いて、生ごみが入った生ごみ用袋24は、粉砕処理されて肥料化されたり、そのまま土壌に埋められたりする。このとき、生ごみ用袋24は機能性シート11から形成されている。従って、生ごみとともに肥料化することができる。また、土壌に埋めた際、土壌中の微生物に分解され、一定時間経過後には形状が確認できない状態となる。さらに、機能性シート11は再生紙からなるシート材12から形成されている。従って、肥料化する際に、粉砕機によって容易に粉砕処理をすることができる。
【0050】本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この実施形態の生ごみ用袋24においては、生ごみ用袋24の内面には有機性バインダーからなる補強層13が形成されている。従って、生ごみの重量による生ごみ用袋24の破損を低減することができる。また、生ごみ用袋24の表面からの生ごみの水分の漏れを低減することができる。
【0051】・ この実施形態の生ごみ用袋24においては、機能性シート11の補強層13を内側にして袋状に形成されている。この構成によれば、シート材12と生ごみの接触を低減することができるため、生ごみ用袋24の表面からの生ごみの水分の漏れをより低減することができる。
【0052】・ この実施形態の生ごみ用袋24においては、生ごみ用袋24を形成する機能性シート11の補強層13はシート材12の少なくとも一方の面の全体に設けられている。生ごみ用袋24の表面からの生ごみの水分の漏れを一層低減することができる。
【0053】・ 従来のポリプロピレン等の合成樹脂製生ごみ用袋は、生分解性を有しない。従って、生ごみが入った合成樹脂製生ごみ用袋を肥料工場に持ち込み、肥料として再生利用する際、生ごみと合成樹脂製生ごみ用袋を分別する必要があった。しか、この実施形態の生ごみ用袋24においては、機能性シート11から形成され、その機能性シート11は再生紙からなるシート材12を基材としている。従って、生ごみの入った生ごみ用袋24をそのまま肥料工場に持ち込み、生ごみとともに生ごみ用袋24も肥料化することができる。さらに、再生紙からなるシート材12を基材としていることから、肥料工場において、容易に粉砕処理することができる。
【0054】・ この実施形態の生ごみ用袋24においては、表面下部には紐28が有機性バインダーによって固定されている。この構成によると、紐28を取り外して結束部26を結ぶことができる。従って、紐28を探す手間が省けるとともに開口部25を容易かつ確実に閉じることができる。
【0055】・ この実施形態の生ごみ用袋24においては、機能性シート11から形成されている。この構成によると、生ごみが入った生ごみ用袋24を土壌に埋めた際、カドミウム、重金属等の有害物質を含まないため、農用地等の土壌の環境を汚染することはない。
【0056】なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では、シート材12の片面全体に有機性バインダーによる補強層13が設けられて機能性シート11を形成しているが、部分的に補強層13を設けてもよい。この機能性シート11から播種用シート14を形成する際には、種子15を固定する部分に補強層13が設けられればよい。
【0057】・ 前記種子15は、予めでんぷん糊18に含浸させてから、補強層13の上に配置してもよい。この構成によれば、種子15をより確実にシート材12に固定することができる。
【0058】・ 前記シート材12に活性炭等の有機性着色剤を添加して黒色の機能性シート11を形成し、この機能性シート11を使用して播種用シート14を形成してもよい。この構成によると、播種用シート14を土壌表面に敷設したとき、太陽熱を吸収し、土壌の表面温度を高くすることができるため、種子15の発芽及びその後の成長を促進することができる。
【0059】・ 前記シート材12に木酢液、ハーブ粉等の防虫効果を有する有機性防虫成分を添加して機能性シート11を形成し、この機能性シート11を使用して播種用シート14を形成してもよい。この構成によると、害虫等の発生を抑制し、栽培植物の成長を一層促進させることができる。
【0060】・ 前記シート材12に塗布される有機性バインダーに肥料成分を混合してもよく、シート剤に有機性バインダーを塗布した後、肥料成分を吹き付けて機能性シート11を形成してもよい。この構成によると、シート材12に容易に肥料成分を固定することができるとともに、この機能性シート11を使用して播種用シート14を形成した場合、栽培植物の成長を一層促進させることができる。
【0061】・ 前記機能性シート11の表面に鷹の目等の模様を印刷して機能性シート11を形成し、この機能性シート11を使用して播種用シート14を形成してもよい。この構成によると、播種用シート14を土壌表面に敷設したとき、播種用シート14に雀、からす等の鳥が近づくのを防ぐことができるため、鳥による種子15の食害を防ぐことができる。
【0062】・ 前記実施形態では、機能性シート11の表面に設けられた有機性バインダーによる補強層13によって種子15が固定されている。しかし、図5(a)に示すように種子15の上方からさらに生分解性シート29を張り合わせて、機能性シート11と生分解性シート29によって種子15を挟持してもよい。生分解性シート29としては、パルプ、コットン、レーヨン、ポリ乳酸樹脂等から形成される不織布、メッシュ材等が挙げられる。また、図5(b)に示すようにシート材12に凹部30を設けて、凹部30を設けた面に有機性バインダーによる補強層13を形成しすることによって機能性シート11を形成してもよい。そして、凹部30に種子15を固定して播種用シート14を形成してもよい。これら構成によると、機能性シート11に種子15をより確実に固定することができる。
【0063】・ 前記実施形態では、生ごみ用袋24の両側及び結束部26の上端は、糸によって縫合されることにより、縫合部27が形成されこれらの縫合部27によって封止されているが、前記有機性バインダーによって接着部を形成して封止してもよい。
【0064】次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記補強層はシート材の少なくとも一方の面の全体に設けられている請求項1に記載の機能性シート。この構成によると、作業性を一層向上することができる。
【0065】(2) 前記種子がシート材表面に千鳥状に配置されている請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の播種用シート。この構成によると、播種用シートの巻径を小さくすることができ、播種用シートを容易に輸送することができる。
【0066】(3) 前記有機性バインダーがでんぷん糊である請求項2から請求項5及び上記(2)のいずれか一項に記載の播種用シート。この構成によると、より容易に製造することができる。
【0067】(4) 請求項2から請求項5、上記(2)及び(3)のいずれか一項に記載の播種用シートの製造方法であって、ロール状に巻き取られた前記シート材を巻き出して、回転軸を介してシート材の少なくとも一方の面を容器内に貯留された有機性バインダーに接液し、シート材の有機性バインダー塗布面に種子を配置させた後乾燥し、種子が配置されたシート材を連続的に巻き取る播種用シートの製造方法。この製造方法によると、播種用シートを容易に製造することができる。
【0068】(5) 前記機能性シートの補強層はシート材の少なくとも一方の面の全体に設けられている請求項6又は請求項7に記載の生ごみ用袋。この構成によると、生ごみ用袋の表面から生ごみの水分の漏れを一層低減することができる。
【0069】(6) 前記開口部を結束するための紐が有機性バインダーによって生ごみ用袋本体に取着され、前記紐は開口部を結束する際、生ごみ用袋本体から外して使用されるとともに、生分解性を有する材質から形成されていることを特徴とする請求項6、請求項7及び上記(5)のいずれか一項に記載の生ごみ用袋。この構成によると、生分解性を維持しつつ、紐を探す手間が省けるとともに開口部を容易かつ確実に閉じることができる。
【0070】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の機能性シートによれば、生分解性を維持しつつ、作業性を向上することができるとともに、容易に製造することができる。
【0071】請求項2に記載の播種用シートによれば、生分解性を維持しつつ、作業性を向上することができるとともに、容易に製造することができる。請求項3に記載の播種用シートによれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、生分解性を良好にすることができるうえ、雑草の生育を十分に抑制することができる請求項4に記載の播種用シートによれば、請求項2又は請求項3に記載の発明の効果に加えて、作業性を一層向上することができる請求項5に記載の播種用シートによれば、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、種子の発芽を促進することができる。
【0072】請求項6に記載の生ごみ用袋によれば、生分解性を維持しつつ、作業性を向上することができるとともに、容易に製造することができる。請求項7に記載の生ごみ用袋によれば、請求項6に記載の発明の効果に加えて、生ごみ用袋の表面から生ごみの水分の漏れを低減することができる。
【出願人】 【識別番号】501470577
【氏名又は名称】有限会社 グリーンスペック
【出願日】 平成13年12月5日(2001.12.5)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
【公開番号】 特開2003−169549(P2003−169549A)
【公開日】 平成15年6月17日(2003.6.17)
【出願番号】 特願2001−371946(P2001−371946)