| 【発明の名称】 |
バラの切り花栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】末松 優 【住所又は居所】東京都中央区日本橋3丁目12番1号 太洋興業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】特に冬季における切り花本数を確保しうるバラの切り花栽培方法を提供する。
【解決手段】バラの株元に通水管6を配設しておき、気温および培地温がバラの栽培適温を下回る時期に通水管6に温湯を通水する。すると、温湯の通水で冬季にバラの株元付近の培地温を上げて栽培適温に制御するとともに、周囲の気温低下を抑制することが可能となる。また、気温および培地温がバラの栽培適温を上回る時期には通水管6に地下水などの冷水を通水する。これにより、冷水の通水で夏季にバラの株元付近の培地温を下げて栽培適温に制御するとともに、周囲の気温上昇を抑制することが可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バラの株元に通水管(6)を配設しておき、気温および培地温がバラの栽培適温を下回る時期に前記通水管に温湯を通水することを特徴とするバラの切り花栽培方法。 【請求項2】気温および培地温がバラの栽培適温を上回る時期に通水管(6)に冷水を通水することを特徴とする請求項1に記載のバラの切り花栽培方法。 【請求項3】 バラの株元にダクト(7)を配設しておき、気温および培地温がバラの栽培適温を下回る時期に前記ダクトに温風を通風することを特徴とするバラの切り花栽培方法。 【請求項4】気温および培地温がバラの栽培適温を上回る時期にダクト(7)に冷風を通風することを特徴とする請求項3に記載のバラの切り花栽培方法。 【請求項5】 ダクト(7)に吹出孔を形成し、この吹出孔を通じて当該ダクト内の温風または冷風をバラの株元に向けて吐出させることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のバラの切り花栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、特に冬季における切り花本数を確保しうるバラの切り花栽培方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図3は従来のバラの切り花栽培方法の一例が適用される栽培ベンチを示す正面図である。 【0003】一般に、バラは発芽後の夜温が低いと花芽分化が著しく遅れるという特性を有し、花芽分化の段階で発育停止が起こればブラインド枝(花蕾をつけない枝)になり、花芽が発育停止すると伸長が止まってしまう。したがって、バラのハウス栽培に際して切り花本数を確保するためには冬季にハウス内気温やバラの培地温が低下しないように加温措置を講じる必要がある。 【0004】従来この培地加温措置としては、図3に示すように、支持台1上に2列に載置されたベッド2の下面を温湯などの熱で加温することにより、ベッド2およびポット3を加温する措置が広く採られていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、これではベッド2を介してポット3を間接的に加温することになるので、ベッド2を適温に維持する場合はポット3が適温に維持されず、ポット3を適温に維持する場合は、多大なエネルギーを要するため非経済的であるばかりか、ベッド2が異常に昇温してベッド2内の根が伸長しなくなったり、花が小さくなってしまう。そのため、切り花本数が少なくなるという不都合があった。本発明は、このような事情に鑑み、経済的で根の伸長を阻害せず、適度な品質で、切り花本数を確保しうるバラの切り花栽培方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明では、発芽して新梢が1〜4cmに伸長すれば花芽分化を開始するというバラの特性に着目し、バラの加温位置に工夫を凝らすことにより、上述した課題を解決せんとした。 【0007】すなわち、本発明のうち請求項1に係る発明は、バラの株元に通水管(6)を配設しておき、気温および培地温がバラの栽培適温を下回る時期に前記通水管に温湯を通水するようにして構成される。こうした構成を採用することにより、温湯の通水で冬季にバラの株元付近の培地温を上げて栽培適温に制御するとともに、周囲の気温低下を抑制することが可能となるように作用する。 【0008】また、本発明のうち請求項2に係る発明は、気温および培地温がバラの栽培適温を上回る時期に上記通水管(6)に地下水などの冷水を通水するようにして構成される。かかる構成により、冷水の通水で夏季にバラの株元付近の培地温を下げて栽培適温に制御するとともに、周囲の気温上昇を抑制することが可能となるように作用する。 【0009】また、本発明のうち請求項3に係る発明は、バラの株元にダクト(7)を配設しておき、気温および培地温がバラの栽培適温を下回る時期に前記ダクトに温風を通風するようにして構成される。かかる構成により、温風の通風で冬季にバラの株元付近の培地温を上げて栽培適温に制御するとともに、周囲の気温を高くすることが可能となるように作用する。 【0010】また、本発明のうち請求項4に係る発明は、気温および培地温がバラの栽培適温を上回る時期に上記ダクト(7)に冷風を通風するようにして構成される。ここで、冷風としては外気を利用することができる。かかる構成により、冷風の通風で夏季にバラの株元付近の培地温を下げて栽培適温に制御するとともに、周囲の気温を低くすることが可能となるように作用する。 【0011】さらに、本発明のうち請求項5に係る発明は、上記ダクト(7)に吹出孔を形成し、この吹出孔を通じて当該ダクト内の温風または冷風をバラの株元に向けて吐出させるようにして構成される。かかる構成により、バラの株元付近の葉の境界層を破壊し、炭酸ガスを盛んに吸収して光合成を促進することが可能となるように作用する。 【0012】なお、括弧内の符号は図面において対応する要素を表す便宜的なものであり、したがって、本発明は図面上の記載に限定拘束されるものではない。このことは「特許請求の範囲」の欄についても同様である。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。 【0014】<第1の実施形態>図1は本発明に係るバラの切り花栽培方法の第1の実施形態が適用される栽培ベンチを示す正面図である。 【0015】この栽培ベンチは、図1に示すように、各種のパイプからなる支持台1を有しており、支持台1上にはベッド2が2列に載置されている。各ベッド2上には多数個のポット3が互いに所定の間隔を置いて載置されており、これらポット3間には発泡板4が断熱材として架設されている。さらに、ポット3の外側には遮光フィルム5がベッド2を覆う形で取り付けられている。ところで、ポット3の両側には複数本の通水管6が往復で配設されており、これら通水管6には温湯や冷水を通水することができる。 【0016】そして、この栽培ベンチにおいてバラをハウス栽培する際には、周囲の気温および培地温に応じて次のとおりの手順に従う。 【0017】まず、気温および培地温がバラの栽培適温を下回る時期(冬季など)には、適当な温度(通常は30〜45℃)の温湯を通水管6に通水する。すると、バラの株元付近の培地温が上昇して栽培適温になるとともに、周囲の気温低下が抑制されるため、花芽分化が確実となり、枝の伸長が促進されることで、バラの切り花本数を確保することができる。このとき、ベッド2を介してポット3を間接的に加温する従来法と異なり、最小限のエネルギーで経済的に加温することができると同時に、ベッド2の異常昇温による根の伸長阻害や小花化を避けることが可能となり、切り花本数を確保することにつながる。 【0018】また、気温および培地温がバラの栽培適温を上回る時期(夏季など)には、適当な温度(地下水を通水する場合、通常は15〜16℃)の冷水を通水する。すると、バラの株元付近の培地温が下降して栽培適温になるとともに、周囲の気温上昇が抑制されるため、花芽分化が確実となり、枝の伸長が促進されることで、バラの切り花本数を確保することができる。 【0019】なお、上述の実施形態においては、バラの株元付近の培地温を栽培適温に保つべく通水管6に温湯や冷水を通水する場合について説明したが、温湯や冷水に代えて温風や冷風を利用することにより、同様の作用効果を奏することもできる。以下、第2の実施形態として、温風や冷風を利用する場合について説明する。 【0020】<第2の実施形態>図2は本発明に係るバラの切り花栽培方法の第2の実施形態が適用される栽培ベンチを示す正面図である。 【0021】この栽培ベンチは、図2に示すように、各種のパイプからなる支持台1を有しており、支持台1上にはベッド2が2列に載置されている。各ベッド2上には多数個のポット3が互いに所定の間隔を置いて載置されており、これらポット3間には発泡板4が断熱材として架設されている。さらに、ポット3の外側には遮光フィルム5がベッド2を覆う形で取り付けられている。ところで、ポット3の両側には複数本のダクト7が配設されており、各ダクト7にはそれぞれ吹出孔(図示せず)が形成されている。これらダクト7はハウス内気温調整用の温冷風ダクト8に連通しており、温冷風ダクト8から各ダクト7に温風や冷風を供給することができる。 【0022】そして、この栽培ベンチにおいてバラをハウス栽培する際には、周囲の気温および培地温に応じて次のとおりの手順に従う。 【0023】まず、気温および培地温がバラの栽培適温を下回る時期(冬季など)には、適当な温度の冷水をダクト7に通風する。すると、バラの株元付近の培地温が上昇して栽培適温になるとともに、周囲の気温低下が抑制されるため、花芽分化が確実となり、枝の伸長が促進されることで、バラの切り花本数を確保することができる。このときも、ベッド2を介してポット3を間接的に加温する従来法と異なり、最小限のエネルギーで経済的に加温することができると同時に、ベッド2の異常昇温による根の伸長阻害や小花化を避けることが可能となり、切り花本数を確保することにつながる。 【0024】また、気温および培地温がバラの栽培適温を上回る時期(夏季など)には、適当な温度の温風をダクト7に通風する。すると、バラの株元付近の培地温が下降して栽培適温になるとともに、周囲の気温上昇が抑制されるため、花芽分化が確実となり、枝の伸長が促進されることで、バラの切り花本数を確保することができる。 【0025】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求項1に係る発明によれば、温湯の通水で冬季にバラの株元付近の培地温を上げて栽培適温に制御するとともに、周囲の気温低下を抑制することが可能となることから、経済的で根の伸長阻害や小花化を避けることが可能で、切り花本数を確保しうるバラの切り花栽培方法を提供することができる。 【0026】また、本発明のうち請求項2に係る発明によれば、冷水の通水で夏季にバラの株元付近の培地温を下げて栽培適温に制御するとともに、周囲の気温上昇を抑制することが可能となることから、経済的で根の伸長阻害や小花化を避けることが可能で、切り花本数を確保しうるバラの切り花栽培方法を提供することができる。 【0027】また、本発明のうち請求項3に係る発明によれば、温風の通風で冬季にバラの株元付近の培地温を上げて栽培適温に制御するとともに、周囲の気温を高くすることが可能となることから、経済的で根の伸長阻害や小花化を避けることが可能で、切り花本数を確保しうるバラの切り花栽培方法を提供することができる。 【0028】また、本発明のうち請求項4に係る発明によれば、冷風の通風で夏季にバラの株元付近の培地温を下げて栽培適温に制御するとともに、周囲の気温を低くすることが可能となることから、経済的で根の伸長阻害や小花化を避けることが可能で、切り花本数を確保しうるバラの切り花栽培方法を提供することができる。 【0029】さらに、本発明のうち請求項5に係る発明によれば、バラの株元付近の葉の境界層を破壊し、炭酸ガスを盛んに吸収して光合成を促進することが可能となることから、上述した作用効果が顕著なものとなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000204099 【氏名又は名称】太洋興業株式会社 【住所又は居所】東京都中央区東日本橋二丁目24番14号
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| 【出願日】 |
平成13年12月4日(2001.12.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067046 【弁理士】 【氏名又は名称】尾股 行雄 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−169536(P2003−169536A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月17日(2003.6.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−369463(P2001−369463) |
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