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【発明の名称】 地温制御方法およびその装置
【発明者】 【氏名】相良 雄一
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建設株式会社内

【氏名】竹内 秀雄
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建設株式会社内

【氏名】柳 雅之
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建設株式会社内

【要約】 【課題】ピッチなどの植栽地の地中に熱媒体管を配管して土壌温度を制御する場合、設備を特に大型化することなく、ランニングコストも低く抑えて、一日に必要な熱量を確保でき、熱負荷のピーク時にも対応できる。

【解決手段】芝などの植物の植栽地に熱媒体管2を埋設し、該熱媒体管2に熱媒体槽5を接続して熱媒体管2内に冷温水による熱媒体を循環させる地温制御システムにおいて、前記熱媒体槽5に第1と第2の蓄熱槽3、4を接続して、熱媒体槽5の冷水が設定値以上、温水が設定値以下になったとき、熱媒体槽5に戻ろうとする冷温水を第1の蓄熱槽3に流入し、熱媒体槽5よりも低いまたは高い温度に設定されている第2の蓄熱槽4内の冷水または温水を熱媒体槽5に供給し、熱媒体槽5の温度が設定値に回復した後、循環する冷温水を熱媒体槽5に再び戻す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植栽地に熱媒体管を埋設し、該熱媒体管に熱媒体槽を接続して熱媒体管内に熱媒体を循環させる地温制御システムにおいて、前記熱媒体槽に蓄熱槽を接続して、熱媒体槽に戻ろうとする熱媒体を熱媒体槽の温度の設定値に応じて蓄熱槽に流入し、熱媒体槽よりも低いまたは高い温度に設定された温度差を有する蓄熱槽内の熱媒体を熱媒体槽に供給し、熱媒体槽の温度が設定値に回復した後、循環する熱媒体を熱媒体槽に再び戻すことを特徴とする地温制御方法。
【請求項2】 蓄熱槽から熱媒体槽への熱媒体の供給は、蓄熱槽に流入した熱媒体と同量の熱媒体が自動的に流出する請求項1記載の地温制御方法。
【請求項3】 植栽地に熱媒体管を埋設し、該熱媒体管に熱媒体槽を接続して熱媒体管内に熱媒体を循環させる地温制御システムにおいて使用する地温制御装置であって、熱媒体槽に蓄熱槽を連通部を介して接続し、該連通部には蓄熱槽側から熱媒体槽側にのみ熱媒体が流入するようにした弁体を設けたことを特徴とする地温制御装置。
【請求項4】 蓄熱槽は、第1の蓄熱槽とこれに連通する第2の蓄熱槽とで構成し、第2の蓄熱槽に熱源を接続して該第2の蓄熱槽を熱媒体槽に連通し、第1の蓄熱槽に熱媒体管を接続する請求項3記載の地温制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サッカーグラウンド、ゴルフ場などのスポーツ競技施設や、農地、庭園など、芝をはじめとする植物の植栽地における地温制御方法および制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芝を植栽しているスポーツ競技施設として例えば、サッカー競技を行う天然芝グラウンド(以下、ピッチと称す)、ゴルフ場、テニスコートなどの競技場において、年間を通じて良好な状態で競技できるようにするには、天然芝の生育に適切な土壌温度を維持して、天然芝を常に生育状態に保つことが有効である。
【0003】かかる適切な土壌温度を維持するための地温制御は、例えば、芝植栽面の下部土壌中に冷温水管を埋設し、熱媒体(冬期には温水、夏期には冷水)を冷温水管内に循環させるもので、該熱媒体により土壌を加温または冷却して、芝の冬枯れや夏やけを防止する。
【0004】ところで、この冷温水管による地温制御は、例えば、特許第2971062 号、特開平7-143818号公報等に記載のように、従来は、冷温水管に冷温水槽を接続し、該冷温水槽から冷温水管に熱媒体を送り込んで地中で熱交換させた後、この熱媒体を冷温水槽に回収し、再度、冷温水管に送り出しており、かかる循環を繰り返して土壌温度を所定値に維持している。
【0005】そして、冷温水槽の冷温水の温度を設定値に維持するには、該冷温水槽に冷温水機等の熱源を接続し、冷温水槽の冷温水を加温または冷却する。また、蓄熱槽と冷温水槽とを設け、地中で熱交換させた後の熱媒体を蓄熱槽に回収し、該蓄熱槽と連通した冷温水槽から冷温水管に送り出し、かかる循環を繰り返して土壌温度を所定値に維持する方法もある。この方法では蓄熱槽に冷温水機等の熱源を接続し、蓄熱槽の冷温水を加熱または冷却するとともに、冷温水槽の熱媒体が常に所望の温度になるように制御する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】1日の気温は絶えず変化しており、冷温水の温度を設定値に維持するための設備能力には、昼・夜の寒暖の差を考慮しなければならない。つまり、冬期を例にとると昼間の必要熱量に比べて夜間は気温が下がる分余計に熱量が必要になり、当然、夏期はこの逆となる。
【0007】しかしながら、従来は、冷温水を加温または冷却する設備は、冷温水槽に接続した熱源である冷温水機等だけであるため、所定値の冷温水の温度を得るには、この熱負荷のピーク時(冬期は夜中から夜明けにかけて、夏期は日中の午後)に合わせて設備を設定する必要があり、その結果、設備は大型化し、その設備を運転するためのランニングコストも高くなり、経済的に好ましくない。また、蓄熱槽と冷温水槽とを設け、地中で熱交換させた後の熱媒体を蓄熱槽に回収し、該蓄熱槽と連通した冷温水槽から冷温水管に送り出し、かかる循環を繰り返して土壌温度を所定値に維持する方法では設備の大型化やランニングコスト増は防ぐことができるが、システムが複雑になりやすい。
【0008】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、設備を特に大型化することなく、ランニングコストも低く抑えて、一日に必要な熱量を確保でき、熱負荷のピーク時にも対応できる地温制御方法およびその装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成するため、制御方法として、第1に、植栽地に熱媒体管を埋設し、該熱媒体管に熱媒体槽を接続して熱媒体管内に熱媒体を循環させる地温制御システムにおいて、前記熱媒体槽に蓄熱槽を接続して、熱媒体槽に戻ろうとする熱媒体を熱媒体槽の温度の設定値に応じて蓄熱槽に流入し、熱媒体槽よりも低いまたは高い温度に設定された温度差を有する蓄熱槽内の熱媒体を熱媒体槽に供給し、熱媒体槽の温度が設定値に回復した後、循環する熱媒体を熱媒体槽に再び戻すことを要旨とするものである。
【0010】第2に、蓄熱槽から熱媒体槽への熱媒体の供給は、蓄熱槽に流入した熱媒体と同量の熱媒体が自動的に流出することを要旨とするものである。
【0011】装置としては、第3に、植栽地に熱媒体管を埋設し、該熱媒体管に熱媒体槽を接続して熱媒体管内に熱媒体を循環させる地温制御システムにおいて使用する地温制御装置であって、熱媒体槽に蓄熱槽を連通部を介して接続し、該連通部には蓄熱槽側から熱媒体槽側にのみ熱媒体が流入するようにした弁体を設けたことを要旨とするものである。
【0012】第4に、蓄熱槽は、第1の蓄熱槽とこれに連通する第2の蓄熱槽とで構成し、第2の蓄熱槽に熱源を接続して該第2の蓄熱槽を熱媒体槽に連通し、第1の蓄熱槽に熱媒体管を接続することを要旨とするものである。
【0013】請求項1記載の本発明によれば、熱負荷のピーク時に、熱媒体槽の冷媒体温度が設定値以上、温媒体温度が設定値以下になったとき、熱媒体槽に戻ろうとする熱媒体を蓄熱槽に流入し、熱媒体槽よりも低いまたは高い温度に設定されている蓄熱槽内の冷媒体または温媒体を熱媒体槽に供給することにより、不足熱量を補い、熱媒体槽の温度を設定値に簡単に戻すことができる。
【0014】この場合、1日の全体必要熱量(時間毎に算出しその合計)を計算し、そこから単位時間当りの平均必要熱量を算出する。熱負荷が平均必要熱量より大きくなる時間帯の不足熱量を時間毎に計算し、不足熱量の合計を求める。その熱量を蓄えられる蓄熱槽を用意する事により、設備規模は最小限に抑えることができる。その運転コストもその分低く抑えられる。(1 日のサイクルとして考えると熱負荷が少ない時に余熱を蓄熱し、熱負荷が大きい時に蓄熱槽から熱放出する。)このシミュレーションは夏期と冬期について検討し、不足熱量の多い方で蓄熱槽の大きさを決定する。
【0015】請求項2記載の本発明によれば、前記作用に加えて、蓄熱槽から熱媒体槽への冷媒体または温媒体の供給は、蓄熱槽に流入した熱媒体と同量の熱媒体が自動的に流出するから、熱媒体管から戻る熱媒体の循環経路を熱媒体槽から蓄熱槽に変更するだけでよく、そのために格別の設備を必要とせず、確実に簡単に行える。
【0016】請求項3記載の本発明によれば、熱媒体槽に蓄熱槽を連通部を介して接続し、該連通部には蓄熱槽側から熱媒体槽側にのみ熱媒体が流入するようにした弁体を設けたことで、熱媒体槽から蓄熱槽側に熱媒体が逆流することはなく、蓄熱槽側から熱媒体槽側にのみ確実に熱媒体を供給できる。
【0017】請求項4記載の本発明によれば、前記作用に加えて、熱媒体管から戻る熱交換後の熱媒体は、熱媒体槽とは直接連通していない第1の蓄熱槽に流入するとともに、熱媒体槽に連通する第2の蓄熱槽には熱源を接続したから、不足熱量を熱媒体槽に確実に供給できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の地温制御方法およびその装置の実施形態を示すシステムフロー図、図2は同上熱媒体管の配管図で、本発明をサッカー競技を行う天然芝グラウンド(ピッチ)に実施する場合を例にとって説明する。
【0019】地温制御システムの全体構成から説明すると、図中1はピッチ(天然芝グラウンド)を示し、本実施形態では日照、通風、建物との配置関係、散水などの各種条件によって例えば5つのブロック1a、1b、1c、1d、1eに分割され、各ブロック1a〜1e毎に地温がコントロールされるものであり、各ブロック1a〜1e毎に熱媒体管2を地中に配管する。
【0020】各ブロック1a〜1e毎に配設される複数本の熱媒体管2の入口側7と出口側8は、それぞれ手動弁9を介してヘッダー管6a、6bに接続され、入口側7のヘッダー管6aは、電動弁12を介して熱媒体が循環する熱媒体配管10aに接続され、該熱媒体配管10aは熱媒体循環ポンプ11を介して熱媒体槽5に接続する。また、出口側8のヘッダー管6bも、流量計17を介して熱媒体が循環する熱媒体配管10bに接続されるが、該熱媒体配管10bは途中が分岐され、一方の分岐管は手動弁9を介して前記熱媒体槽5に接続し、他方の分岐管は電動弁12を介して第1の蓄熱槽3に接続される。
【0021】この第1の蓄熱槽3は第2の蓄熱槽4に連通し、該第2の蓄熱槽4が連通管13を介して前記熱媒体槽5に連通する。第1の蓄熱槽3と第2の蓄熱槽4と熱媒体槽5とは一体の槽で構成し、第1の蓄熱槽3と第2の蓄熱槽4とは、途中に連通用の開口25を設けた仕切り板24で区画し、第2の蓄熱槽4と熱媒体槽5とは途中に連通用の開口27を設けた仕切り板26で区画した。
【0022】そして、第2の蓄熱槽4と熱媒体槽5とを区画する仕切り板26に設けた開口27に前記連通管13が配設されることになる。この連通管13は、図4に示すように逆止弁ほどの水密性は要求されないが、例えば板状の弁体の上部を開口27の上端に回動自在に軸着したもので、第2の蓄熱槽4側から熱媒体槽5側への熱媒体(冷温水)の流入は許容するが、熱媒体槽5側から第2の蓄熱槽4側への熱媒体(冷温水)の流入は阻止するように構成する。
【0023】さらに、該第2の蓄熱槽4に熱媒体を供給する供給管15の先端が熱源ポンプ14を介して第2の蓄熱槽4に開口する。供給管15の他端は、図示は省略するが熱源となる例えば建物の空調用の冷温水発生装置に熱交換器を介して接続される。図中16は温度計を示す。
【0024】該第1の蓄熱槽3と第2の蓄熱槽4は、熱媒体槽5から供給される熱媒体では不足する熱量を補うものであり、第1の蓄熱槽3と第2の蓄熱槽4の容量は、不足熱量により決定される。この不足熱量の算出は、1日の全体必要熱量(時間毎に算出しその合計)を計算し、そこから単位時間当りの平均必要熱量を算出したうえで、熱負荷が平均必要熱量より大きくなる時間帯の不足熱量を時間毎に計算して算出する。そして、1日のサイクルとして考えると熱負荷が少ない時に余熱を蓄熱し、熱負荷が大きい時に蓄熱槽から熱放出するように設定する。このシミュレーション は夏期と冬期について検討し、不足熱量の多い方を基準にして容量を決定する。
【0025】熱媒体管2は高温度に強い材質のものを採用し、ピッチ1全体で総延長40Kmにも及ぶことから、下記の点を考慮して配列を決めた。
■ ピッチ1内での熱媒体管2の管接続部は無いようにする。
■ 圧力損失を小さくするため熱媒体管2の曲り部を極力少なくする。
■ 熱媒体管2の出入りの温度差の影響を極力少なくなるようにする。
■ 万一、1本の熱媒体管2がダウン(漏れ等の故障による運転停止)しても芝への影響が極力少なくなるよう考慮する。
【0026】■については、漏れ等に対する信頼性を高めるために行うもので、図2にも示すように165m―1本もの(接続継手無し)の架橋ポリエチレン管を特別製作し、この1本ものの熱媒体管2の一端を入口側7とし、他端を出口側8として、それぞれを手動弁9を介してヘッダー管6a、6bに接続した。
【0027】■については、ポンプ揚程(圧力)を小さくし、運転エネルギーを抑えるために行うもので、これも図2に示すように、165m―1本ものの熱媒体管2について180 °曲がり1箇所だけとし、全体を偏平にU字形に湾曲させて曲がり部以外の部分は全て直線配管とした。
【0028】■については熱負荷のピーク時、熱媒体管2の出入口で3℃以上の温度差が予想されるため、芝に対する影響が心配される。そのため、図2にも示すように隣り合う熱媒体管2は入口側7と出口側8が交互に並ぶように配列した。この場合の熱媒体管2の間隔は例えば300 mmとする。
【0029】隣り合う熱媒体管2が入口側7と出口側8で交互に並ぶようにする配列は、1本の熱媒体管2を前記のようにU字形に湾曲させて、 180°曲がり1箇所だけとすることで、同一の1本の熱媒体管2については、結果として入口側7と出口側8とが並行するが、これだけでなく、同一ブロック1a〜1e内の熱媒体管2同士についても図2に示すように、1本の熱媒体管2の並行する入口側7と出口側8との間に、一方に隣接の熱媒体管2の入口側7と、他方に隣接の熱媒体管2の出口側8とを配置して、隣接の熱媒体管2同士についても入口側7と出口側8で交互に並ぶようにした。
【0030】さらに、同一のブロック1a〜1e内の熱媒体管2同士についてだけでなく、隣接するブロック1a〜1e同士の熱媒体管2についても、図1に示すように隣接する熱媒体管2の入口側7と出口側8とが交互に並ぶ配列とする。
【0031】■については、後述の電気制御系統図(図3)で説明するが、熱媒体管2にはブロック1a〜1e毎に電動弁12と流量計17とを配設して、電動弁12を開閉することでブロック1a〜1e毎に熱媒体を送ったり止めたりできるように制御するものとした。
【0032】次に地温、散水設備のコントロールを図3の電気制御系統図に基づいて説明する。グラウンドキーパー室18内の芝管理コンピュータ19、ポンプ室20内に設置の芝管理制御盤21とピッチ1近傍の三つのローカル制御盤22a、22b、22cを多重伝送である情報通信ケーブル23でつなぎデータ伝送をしている。芝管理コンピュータ19は地温制御システムだけでなく散水設備も同時に監視・制御している。
【0033】まず、ピッチ1側から地温、土壌水分、各制御バルブの作動状態のデータがローカル制御盤22a、22b、22cを通して芝管理コンピュータ19側へ送られる。また、ポンプ室20からは各水温、水位、各機器の作動状態のデータが送られる。これらの情報を基に芝管理コンピュータ19は地温管理、土壌水分管理及び運転管理に適した情報処理を行い、芝管理制御盤21とローカル制御盤22a、22b、22cに制御指示を出す。芝管理制御盤21とローカル制御盤22a、22b、22cは、この指示に従い各機器を運転する。
【0034】すなわち、■地温管理は、分割されたブロック1a〜1e毎に目標温度を設定し、その目標値に対してヒーティング/クーリングのための制御指示を行い、地温をコントロールする。
【0035】■土壌水分管理は、定期的に散水制御指示を出力し、自動昇降式散水機による散水を行って、土壌水分をコントロールする。
【0036】■運転管理は、各機器の状態をほぼリアルタイムで監視しており、異常時の機器の保護を目的に運転停止及び異常警報を出す。
【0037】そして、前記地温管理は、ローカル制御盤22a、22b、22cからの指示によりブロック毎に独立した制御で入口側7のヘッダー管6aに接続する電動弁12を開いて1本もので構成する複数の熱媒体管2に熱媒体(夏期には冷水、冬期には温水)を送り、該熱媒体管2が埋設されているピッチ1の地盤を冷却または加温し、天然芝の生育に適切な土壌温度を維持する。
【0038】この間、熱源ポンプ14を駆動して第2の蓄熱槽4と熱源となる例えば建物の空調用の冷温水発生装置、チラー・ユニット、ボイラーなどとの間に熱媒体(夏期は冷水、冬期は温水)を循環させて第2の蓄熱槽4の熱媒体の温度を所定温度に保持する。
【0039】一方、熱媒体槽5は、ピッチ1内の熱媒体管2に冷温水(熱媒体)を流すための循環水槽となっている。熱媒体は、熱媒体循環ポンプ11で熱媒体槽5から汲み上げられ、熱媒体配管10aを通って、電動弁12の箇所を通過して入口側7のヘッダー管6aに入り、ここから熱媒体管2に流入する。そして、ピッチ1の地中で冷熱(冬期は熱)を奪われ熱交換し、熱交換後の熱媒体は出口側8のヘッダー管6bに入り、ここから熱媒体配管10bを通って通常は熱媒体槽5に戻り、かかる循環を繰り返して熱媒体槽5から熱媒体管2に熱媒体を供給する。
【0040】かかる熱媒体槽5と熱媒体管2との間の循環運転により、熱媒体槽5の温度は徐々に夏期は上昇(冬期は低下)してくる。そして、温度計29で測定される熱媒体槽5の温度がある設定された温度以上(冬期は設定温度以下)になるとピッチ1側から戻った循環水である熱媒体は熱媒体槽5に戻らず、電動弁28が開いて第1の蓄熱槽3に送られる。なお、図示は省略したが、温度計29の測定値により電動弁28の開閉が制御可能な装置が備えられている。
【0041】第1の蓄熱槽3と第2の蓄熱槽4は開口25を介して連通しているから、第1の蓄熱槽3に流入した熱媒体の水量だけ第1の蓄熱槽3から第2の蓄熱槽4に熱媒体が開口25を通って流入し、さらに、この流入分だけ開口27を介して第2の蓄熱槽4から熱媒体槽5に熱媒体が流入する。
【0042】この第2の蓄熱槽4から熱媒体槽5への熱媒体の流入は、連通管13により、逆流が阻止されるから確実に行われる。このようにして、熱媒体槽5より夏期は低め(冬期は高め)に温度設定されている第2の蓄熱槽4の熱媒体が流れ込むため、熱媒体槽5の温度は夏期は低下(冬期は上昇)する。そして、所定温度まで低下(冬期は上昇)すると循環水は再び熱媒体槽5に戻るようになる。このように第1と第2の蓄熱槽3、4と熱媒体槽5の温度はある幅をもってコントロールされる。
【0043】熱媒体管2に供給された熱媒体は、前記のように熱媒体管2が曲がり箇所が1か所の1本ものの集合で構成され、入口側7と出口側8が一定の間隔で交互に並ぶように配列してあることから、熱交換前の入口側7と熱交換後の出口側8とで熱負荷のピーク時に3℃以上の温度差が生じても、ピッチ1の地表面下12〜15cmの位置では、ほぼ同一温度が得られる。
【0044】また、熱媒体管2への熱媒体はブロック1a〜1e毎に供給・停止され、その結果、各ブロック毎に地温が制御される。さらに、各熱媒体管2は1本毎に手動弁9が設けてあるから、1本ずつ独立して開閉でき、1本の熱媒体管2が停止しても両隣の熱媒体管2は運転され、芝(植物)への影響を少なくできる。
【0045】なお本実施形態は、熱媒体として冷温水を用いてピッチ1の地盤を冷却または加温するものであるが、例えば、厳寒期の加温のみを必要とする場合は、熱媒体をエチレングリコール等にしてもよい。さらに本発明は、発電所や工場等の温排水、地下水や海洋深層水等の低温水を熱源あるいは熱媒体として用いることにより、エネルギー・資源を有効に利用しつつランニングコストの低減を図ることができ、芝の育成だけでなく、フラワーガーデンの維持管理や農作物の栽培等にも適用することが可能となる。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように本発明の地温制御方法および装置は、芝などの植物の植栽地の地中に熱媒体管を配管して土壌温度を制御する場合、設備を特に大型化することなく、ランニングコストも低く抑えて、一日に必要な熱量を確保でき、熱負荷のピーク時にも対応できるものである。
【出願人】 【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目2番7号
【出願日】 平成13年12月3日(2001.12.3)
【代理人】 【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
【公開番号】 特開2003−164222(P2003−164222A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−368041(P2001−368041)