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【発明の名称】 排稈切断装置
【発明者】 【氏名】持田 幹夫
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】排稈の長切り、短切りに切り分け可能な排稈装置で、排稈の長切り時に小径切断刃に刺さった切稈を除去して、詰まりを防止した排稈切断装置を提供する。

【解決手段】略平行に、かつ軸間距離を可変に配置され、大径の切断刃36と小径の切断刃37を備えた切断軸35と、掻込体51を備えた掻込軸50とを、排稈の長切り時に、切稈除去体53の先端の回転軌跡が、小径切断刃37の外周の回転軌跡を結ぶ円筒面から切断軸方向に突出させて配置し、排稈の切断を行なう。排稈の切断時に小径切断刃37に刺さり持ち回りされる切稈が発生した場合、切稈除去体53が小径切断刃37とオーバーラップする位置にあるとき、持ち回りされる切稈が切稈除去体53に当接すると、切断軸35と掻込軸50の回転速度の差により、切稈は切稈除去体53のガイド面53aに沿って小径切断刃37の径方向(外周方向)に移動して、小径切断刃37から引き抜かれ落下する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 夫々複数のディスク状の大径切断刃と小径切断刃とを所定の間隔で支持した切断軸と、複数のディスク状の掻込体を所定の間隔で支持し、前記切断軸と略平行に配置された掻込軸と、を有し、前記切断軸と掻込軸との軸間距離を調整して、排稈を長切りと短切りに切り分け可能な排稈切断装置において、前記掻込軸に、該掻込軸と前記切断軸の軸間が離れた排稈の長切り状態のとき、先端の回転軌跡が、前記切断軸に支持された前記小径切断刃の外周縁の回転軌跡を軸方向に結んだ円筒面と接する位置、もしくは該位置より前記切断軸の軸側に位置し、かつ先端部がその根本部に対し前記掻込軸の回転方向に対し遅れ勝手になるように後退角を形成した切稈除去体を設けた、排稈切断装置。
【請求項2】 前記切稈除去体を、前記小径切断刃と対応する前記掻込体に一体に設けた、ことを特徴とする請求項1記載の排稈切断装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバイン等の後部に設けられ、切断軸と掻込軸との軸間距離を調整して排稈を長切りと短切りに切り分けるようにした排稈切断装置に係り、詳しくは、排稈の長切り時における詰まりを防止するようにした排稈切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンバイン等の脱穀部の後部には、排稈切断装置が装着されたものがあり、このような排稈切断装置として、例えば、特開2000−287531号公報に記載の技術が提案されている。この排稈切断装置は、複数の切断刃を有する切断軸と複数の掻込体を有する掻込軸が、コンバインの機体の左右方向(幅方向)に略平行に、かつ互いの軸間距離が調整可能に配置されている。そして、前記切断軸には、大径切断刃と小径切断刃が、所定の間隔で配置され、排稈を長切りと短切りに切り分けられるようになっている。なお、本明細書において、前記掻込軸に配置される掻込体とは、外周に鋸歯状の歯が形成された掻込刃、受刃と、外周に歯が形成されていない掻込板、受板等を総称する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、排稈を長切りと短切りに切り分けるようにした排稈切断装置においては、長切り用の大径切断刃と短切り用の小径切断刃との直径の差が小さいため、排稈の長切り時、前記大径切断刃と掻込体が側面視でオーバーラップする切断位置では、前記大径切断刃で排稈を切断するとき、前記掻込体で前記大径切断刃に押付けられた排稈が、前記小径切断刃の外周面にも押付けられる形になる。さらに、排稈が切断されると、切稈が前記掻込体によって前記大径切断刃の間に押込まれ前記小径切断刃に押付けられる。このため、前記小径切断刃に形成された鋸歯状の歯に切稈が突き刺さることがある。このとき、切稈が隣接する前記大径切断刃の間に配置された複数の前記小径切断刃に同時に突き刺さると、切稈は前記小径切断刃で安定した形で保持され前記小径切断刃と共に回転する。即ち、切稈が前記小径切断刃に持ち回りされる。そして、前記小径切断刃が1回転して切断部に戻ると、新たに掻込まれた排稈が前記小径切断刃に押付けられ、先に刺さっている切稈の上にさらに切稈が刺さることがある。このように、前記小径切断刃に刺さった切稈が積重なることにより、排稈切断装置に詰まりが発生する。
【0004】前記の事情に鑑み、本発明は、排稈の長切り時に小径切断刃に刺さった切稈を強制的に除去して、詰まりを防止するようにした排稈切断装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、夫々複数のディスク状の大径切断刃(36)と小径切断刃(37)とを所定の間隔で支持した切断軸(35)と、複数のディスク状の掻込体(51、52)を所定の間隔で支持し、前記切断軸(35)と略平行に配置された掻込軸(50)と、を有し、前記切断軸(35)と掻込軸(50)との軸間距離を調整して、排稈を長切りと短切りに切り分け可能な排稈切断装置(11)において、前記掻込軸(50)に、該掻込軸(50)と前記切断軸(35)の軸間が離れた排稈の長切り状態のとき、先端の回転軌跡が、前記切断軸(35)に支持された前記小径切断刃(37)の外周縁の回転軌跡を軸方向に結んだ円筒面と接する位置、もしくは該位置より前記切断軸(35)の軸側に位置し、かつ先端部がその根本部に対し前記掻込軸(50)の回転方向に対し遅れ勝手になるように後退角を形成した切稈除去体(53)を設けた、排稈切断装置(11)にある。
【0006】請求項2に係る発明は、前記切稈除去体(53)を、前記小径切断刃(37)と対応する前記掻込体(51)に一体に設けた、ことを特徴とする請求項1記載の排稈切断装置(11)にある。
【0007】なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであり、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであって、特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】図1乃至図7は、本発明の実施の形態を示すもので、図1は、本発明による排稈切断装置を備えたコンバインの一例を示す斜視図、図2は、図1における脱穀部と排稈切断装置の配置を示す拡大図、図3は、図1における排稈切断装置による排稈の長切り時の拡大側面図、図4は、切断軸と掻込軸の軸間距離を調整する機構部を示す側面図、図5は、排稈の長切り時における切稈除去体と各切断刃の関係を示す平面図、図6は、図5における切稈除去体と各切断刃の関係を示す側面図、図7は、図3の排稈切断装置における短切り時の拡大側面図である。
【0010】図1において、コンバイン1は、左右一対のクローラ走行装置2、2(図1では進行方向左側のみ表示)に支持された機体3の前方に配置され、穀稈の刈取りと搬送とを行なう前処理部5と、前記機体3の前部右上方に配置された運転席6と、前記機体3の左側に配置され、刈取られた穀稈の脱穀を行なう脱穀部7と、前記機体3の右側で前記運転席6の後方に配置され、穀稈から脱穀された穀粒を一時貯蔵するグレンタンク9と、前記機体3に前記グレンタンク9の後部に位置するように配置され、該グレンタンク9内に貯蔵された穀粒を排出するオーガ10と、前記機体3の後部に、該機体3の左右方向と略平行に配置され、穀粒が脱穀された排稈を切断して機外に排出する排稈切断装置11と、を有している。
【0011】図2に示すように、前記脱穀部7は、複数の扱ぎ歯12を有する扱ぎ胴13を回転可能に配置した扱ぎ室15と、複数の羽根を有する処理胴(図示せず)とモータ16で駆動される排稈チェーン17を配置した処理室19と、前記扱ぎ室15の下方に配置され、前記扱ぎ胴13で脱穀された穀粒と前記扱ぎ歯12で千切られた稈枝を受け入れ比較的大きな稈枝を分離する受網20と、前記扱ぎ室15と処理室19の下方に渡って配置され、前記受網20を漏下した稈枝混じりの穀粒と前記処理室19で排稈から掻き落とされた稈枝混じりの穀粒を受け入れ稈枝を分離して穀粒を取出す揺動選別部21と、スクリューコンベアで形成され、前記揺動選別部21の下方に配置され、前記揺動選別部21により選別された穀粒を前記グレンタンク9へ搬送する一番螺旋22、二番螺旋23と、前記揺動選別部21へ選別風を送る唐箕ファン25、ターボファン26と、前記唐箕ファン25、ターボファン26からの選別風により吹上げられ前記揺動選別部21の上方に浮遊する稈枝を吸引して排出する吸引排塵ファン27と、前記前処理部5から穀稈を受け取り、受け取った穀稈を前記扱ぎ室15に沿って搬送し、穀粒が脱穀された排稈を前記処理室19で前記排稈チェーン17へ受け渡すフィードチェーン29と、を有している。
【0012】このような構成で、前記コンバイン1は、前記前処理部5で穀稈を刈取り、刈取った穀稈は、前記前処理部5から前記フィードチェーン29に受け渡され、前記扱ぎ室15に沿って搬送される間に前記扱ぎ胴13で脱穀される。穀粒が脱穀された排稈は、前記処理室19に搬入され、前記フィードチェーン29から前記排稈チェーン17に受け渡される。前記排稈チェーン17で搬送される排稈は、前記処理室19内を通過する間に、前記処理胴で排稈内に残る刺さり粒が掻き落とされる。そして、排稈は、前記排稈チェーン17の終端から前記排稈切断装置11上に排出される。
【0013】図3乃至図7に示すように、前記排稈切断装置11は、カッターケース31の左右の側板32a、32bの間に軸受(図示せず)を介して回転自在に支持された切断軸35を有し、該切断軸35には、図5に示すように、それぞれスペーサ33を介して、外周縁に鋸歯状の歯が形成された大径切断刃36が間隔p1で配置され、外周縁に鋸歯状の歯が形成された小径切断刃37が間隔p2で配置されている。また、前記切断軸35の側板32a側の一端には、動力伝達用のプーリ38と小径のスプロケット39が固定されている。なお、前記プーリ38は、例えば、前記二番螺旋23からベルト(図示せず)を介して動力の伝達を受けるようになっている。
【0014】前記左右の側板32a、32bの間には、図4及び図5に示すように、軸受(図示せず)を介して支持軸42が回転自在に支持されている。前記支持軸42の両端部には、それぞれ移動板43、43が前記側板32a、32bを挟んで相対向するように固定されている。また、前記支持軸42の前記側板32a側の一端には、小径の歯車45と、前記スプロケット39に対応する大径のスプロケット46が固定され、前記スプロケット39とスプロケット46の間には、チェーン47が掛け渡されている。
【0015】前記移動板43、43の間には、図5に示すように、軸受(図示せず)を介して掻込軸50が回転自在に支持されている。前記掻込軸50には、それぞれスペーサ49を介して、前記大径切断刃36及び小径切断刃37と対応するように掻込体51、52が所定の間隔で配置されている。なお、前記掻込体51は、前記大径切断刃36の間隔p1に複数個(図5では2個)、それぞれ前記小径切断刃37に対応するように配置されている。前記掻込体51には、その外周縁から突出する複数(図では4個)切稈除去体53が一体に形成されている。また、前記掻込軸50の前記側板32a側の一端には、前記歯車45と噛合う大径の歯車55が固定されている。
【0016】従って、前記支持軸42を中心として前記移動板43を矢印A−B方向(図4参照)に揺動させ、前記切断軸35と前記掻込軸50の軸間距離を調整することができる。即ち、前記大径切断刃36及び小径切断刃37と、前記掻込体51、52との相対位置を切換える事により排稈の切断長さを変えることができる。このとき、前記移動板43が前記支持軸42を中心として揺動するので、前記スプロケット39と前記スプロケット46の相対位置は変化せず、前記歯車55が前記歯車45を中心として公転する形となる。従って、前記移動板43の揺動前後において、動力の伝達状態が変化することはない。なお、前記移動板43は、図示しない固定手段により揺動端に固定される。
【0017】また、前記掻込軸50は、前記切断軸35を駆動源として駆動されることになる。その回転速度は、前記切断軸35の回転速度が、前記スプロケット39とスプロケット46の歯数比で減速され、更に、前記歯車45と歯車55の歯数比で減速されるため、前記掻込軸50の回転速度は前記切断軸35の回転速度に比べ大幅に遅く(切断軸35の回転速度>>掻込軸50の回転速度)なっている。
【0018】本実施の形態においては、前記切断軸35と前記掻込軸50の軸間距離を、長切り状態に設定したとき、前記切稈除去体53は、図5、図6に示すように、その先端の回転軌跡が前記小径切断刃37の外周縁の回転軌跡を軸方向に結んだ円筒面とeだけオーバーラップしているが、前記切稈除去体53の先端の回転軌跡は、前記小径切断刃37で持ち回りされる切稈の回転軌跡より前記切断軸35の軸側に位置するように設定する。即ち、前記小径切断刃37で持ち回りされる切稈が前記切稈除去体53のガイド面53a(図6参照)と接するようにすることが望ましい。また、前記切稈除去体53のガイド面53aは、前記掻込体51の回転方向でその先端部が根本部に対して遅れ勝手になるように後退角θが形成されている。
【0019】前記カッターケース31の上部には、図3に示すように、切替板56が矢印C−D方向に揺動自在に支持され、その下面には、前記切替板56を矢印D方向に揺動させたとき、略垂直に垂れ下がるようにガイド57が固定されている。前記切替板56を矢印C方向に揺動させ、前記カッタケース31の上端に形成された開口部を覆うと、前記排稈チェーン17から矢印E方向に排出される排稈は、切替板56の上を滑りそのまま前記コンバイン1の機外へ排出される。また、前記切替板56を矢印D方向へ揺動させ、カッターケース31の上端に形成された開口部を開くと、前記排稈チェーン17から矢印E方向に排出される排稈は、前記開口部から直接あるいは前記ガイド57に当接して、前記大径切断刃36あるいは前記掻込体51、52上に落下するようになっている。
【0020】前記大径切断刃36及び小径切断刃37の下方に位置するように、切稈の拡散手段59が配置されている。この拡散手段59は、例えば、前記カッターケース31に回転可能に支持された軸部に、所定の幅に形成されたブレードを左右対称の螺旋状に巻きつけた螺旋体60で構成され、切断された切稈(排稈の株本、穂先などの部位)が均一な状態で分布するように圃場に散布する。
【0021】このような構成で、排稈を長切りする場合、前記移動板43を揺動させ、図3乃至図6に示すように、前記大径切断刃36に対応する前記掻込体52が、前記大径切断刃36の外周部の両側に位置するように側面視でf(図5参照)だけオーバーラップし、前記切稈除去体53の先端部の回転軌跡が、前記小径切断刃37の外周縁の回転軌跡を軸方向に結んだ円筒面と側面視でe(図5、図6参照)だけオーバーラップするように前記掻込軸50の位置を調整し固定する。一方、前記切替板56を矢印D方向に揺動させ、前記カッターケース31の上部を開口させる。
【0022】そして、前記切断軸35を回転駆動させると、前記スプロケット39、チェーン47、スプロケット46、歯車45及び歯車55を介して前記掻込軸50が回転する。このとき、前記切断軸35の回転速度は、前記スプロケット39とスプロケット46の歯数比と、前記歯車45と歯車55の歯数比により減速され前記掻込軸50に伝達されるので、前記掻込軸50の回転速度は、前記切断軸35の回転速度に対し大幅に減速されている。
【0023】この状態で、前記排稈チェーン17(図2参照)から放出された排稈は、図3に示すように、矢印E方向から前記カッターケース31上に落下する。すると、排稈は、直接あるいは前記ガイド57に当接して前記大径切断刃36あるいは前記掻込体51、52上に落下する。そして、排稈は、前記大径切断刃36及び掻込体51、52の回転により前記大径切断刃36と掻込体52が側面視でオーバーラップして形成される切断部に送り込まれると共に、前記掻込体51、52で前記大径切断刃36に押付けられ、前記大径切断刃36により切断される。前記大径切断刃36で切断された切稈は、前記拡散手段59上に落下し、該拡散手段59を介して矢印F方向に排出される。
【0024】このとき、切断される排稈は、前記掻込体51、52で前記切断軸35の軸方向に押されているため、切断された切稈が前記掻込体51、52により前記大径切断刃36、36の間に押込まれ、前記小径切断刃37に押し付けられる。この切稈の大部分は、前記掻込体51、52と前記大径切断刃36のオーバーラップが解除される位置で、前記大径切断刃36の間から脱落して排出される。しかし、切稈の一部は前記大径切断刃36、36の間に押込まれた状態で保持され、更に切稈の他の一部は、前記小径切断刃37の歯先に突き刺さることがある。
【0025】そして、隣接する前記大径切断刃36、36の間に前記小径切断刃37が複数枚づつ(図5の場合は2枚)配置されている場合、切稈がこれら複数枚の前記小径切断刃37、37の歯に同時に突き刺さると、切稈は前記小径切断刃37、37に前記切断軸35と略平行に安定した状態で保持されることになる。前記大径切断刃36、36の間に押込まれて保持された切稈や前記小径切断刃37、37に刺さった切稈は、前記切断軸35の回転により前記小径切断刃37と共に回転する。即ち、切稈は前記小径切断刃37により持ち回りされることになる。
【0026】そして、前記切断軸35が1回転すると小径切断刃37に刺さり保持された切稈が再び切断部に送り込まれる。このとき、図6に示すように、前記小径切断刃37の外周縁の回転軌跡を軸方向に結んだ円筒面内に前記切稈除去体53の先端が突出していると、前記小径切断刃37に刺さって持ち回りされている切稈は、前記切稈除去体53の遅れ角θで形成されたガイド面53aと接触する。そして、前記切断軸35と前記掻込軸50の回転速度差(回転速度は、切断軸>>掻込軸)により、切稈は切稈除去体53のガイド面53aに沿って前記小径切断刃37の径方向(外周方向)に移動して、前記小径切断刃37から前記切稈除去体53のガイド面53aに移行するように抜き取られ、前記拡散手段59上に落下して、他の切稈と共に排出される。
【0027】前記実施の形態においては、図6に示すように、前記掻込体51の回転により前記切稈除去体53の回転軌跡が、前記小径切断刃37の外周部の回転軌跡を結ぶ円筒面とオーバーラップする区間(角度α)とオーバーラップしない区間(角度β)が発生するが、切稈が前記小径切断刃37に刺さり持ち回りされる状態が発生する確率との兼ね合いで、前記切稈除去体53の数を増減して、前記切稈除去体53の回転軌跡が、前記小径切断刃37の外周部の回転軌跡を軸方向に結んだ円筒面とオーバーラップする区間の割合を設定することにより、前記排稈切断装置11の詰まりを防止することができる。
【0028】また、前記切稈除去体53の先端の回転軌跡と前記小径切断刃37の外周部の回転軌跡を軸方向に結んだ円筒面とのオーバーラップ量e(図5、図6参照)を変えることによっても前記角度αの区間を変えることができる。即ち、前記角度αの区間は、前記切稈除去体53の先端の回転軌跡が前記小径切断刃37の外周縁の回転軌跡を軸方向に結んだ円筒面と接する位置から該位置より前記切断軸35の軸側に突出する位置まで、適宜設定することができるが、前記小径切断刃37に刺さり持ち回りされる切稈が前記切稈除去体53のガイド面53aと当接するように設定することが望ましい。
【0029】排稈の短切り時には、図7に示すように、前記小径切断刃37と掻込体51、52が側面視でオーバーラップするように、前記切断軸35と掻込軸50の軸間距離を調整する。この短切り時には、前記大径切断刃36及び小径切断刃37により排稈を切断するので、前記小径切断刃37に対する切稈の刺さりは発生せず、従って、前記小径切断刃37への切稈の刺さりに起因する前記排稈切断装置11の詰まりが発生することはない。
【0030】前記実施の形態においては、一つの前記掻込体51に4つの突起を形成し、該突起を前記切稈除去体53とした場合について説明したが、該切稈除去体53の数は、適宜設定することができる。また、前記切稈除去体53を前記掻込体52にも設け、前記掻込体51と掻込体52に形成した前記切稈除去体53の位相をずらすように配置してもよい。また、前記切稈除去体53を前記掻込体51とは別体として形成し、前記掻込体51または掻込体52と一体に組付けてもよいし、各掻込体51、52とは別に、前記切稈除去体53を独立したディスク状に形成し、前記掻込軸50に取付けるようにしてもよい。
【0031】また、前記切稈除去体53は、前記掻込軸50の全長にわたって設けてもよいが、排稈の穂先側が前記小径切断刃37の刺さり持ち回りされることは極めてまれであるので、排稈の中間部から株本側を切断する位置のみに配置するようにしてもよい。
【0032】また、前記実施の形態においては、前記掻込軸50を揺動させて前記切断軸35と掻込軸50の軸間距離を調整する場合について説明したが、前記切断軸35を揺動させて前記切断軸35と掻込軸50の軸間距離を調整するようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】請求項1に係る発明によると、先端部に掻込軸の回転方向に対し遅れ勝手になるように後退角が形成された切稈除去体を、排稈の長切り時に、前記先端部が小径切断刃で持ち回りされる切稈の回転軌跡より切断軸の軸側に位置するように配置し、前記小径切断刃の刃先に刺さって持ち回りされ、前記切稈除去体の先端部に当接した切稈を、前記切稈除去体の後退角に沿って前記小径切断刃より強制的に抜き取るようにしたので、前記小径切断刃から切り稈を確実に除去することができ、長切り時における排稈切断装置の詰まりを防止することができる。
【0034】請求項2に係る発明によると、切稈除去体を掻込体と一体に構成したので、排稈切断装置の構成を複雑化することなく、かつ排稈の長切り時に小径切断刃の歯先に刺さって持ち回りされ、前記切稈除去体に当接した切稈を小径切断刃から強制的に抜き取ることができ、長切り時における排稈切断装置の詰まりを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成14年5月14日(2002.5.14)
【代理人】 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫 (外1名)
【公開番号】 特開2003−325030(P2003−325030A)
【公開日】 平成15年11月18日(2003.11.18)
【出願番号】 特願2002−139138(P2002−139138)