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【発明の名称】 脱穀機における縦搬送螺旋筒の防塵構造
【発明者】 【氏名】都田 力也
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】板持 透
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】揚上螺旋で搬送される穀粒の中に混入する塵埃や砂、藁屑、及び枝梗付穀粒等の夾雑物が、前記揚上螺旋の下部を支承する軸受部に侵入することを防止する。

【解決手段】揚上螺旋27の下端に設けた円盤状の仕切り板31と、縦搬送螺旋筒24の下部伝動ケース29との間に形成される空間Sにおいて、前記縦搬送螺旋筒24の内面側に防塵部材33を収装すると共に、該防塵部材33の内側で前記揚上螺旋27の軸28に嵌挿する筒体32を設けたことによって、夾雑物に対する防塵構造を構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 揺動選別体(15)下方の横搬送螺旋(13a)と、該横搬送螺旋(13a)の終端に立設する縦搬送螺旋筒(24)に内装した揚上螺旋(27)とを連動連結すると共に、該揚上螺旋(27)の下端に円盤状の仕切り板(31)を設け、該仕切り板(31)により前記横搬送螺旋(13a)と揚上螺旋(27)の連絡経路の一部を構成した脱穀機(1)であって、前記縦搬送螺旋筒(24)の下部伝動ケース(29)と前記揚上螺旋(27)の仕切り板(31)との間に形成される空間(S)において、前記縦搬送螺旋筒(24)の内面側に防塵部材(33)を収装すると共に、該防塵部材(33)の内側で前記揚上螺旋(27)の軸(28)に嵌挿する筒体(32)を設けたことを特徴とする脱穀機における縦搬送螺旋筒の防塵構造。
【請求項2】 前記揚上螺旋(27)の仕切り板(31)に筒体(32)を溶着したことを特徴とする請求項1記載の脱穀機における縦搬送螺旋筒の防塵構造。
【請求項3】 前記揚上螺旋(27)の軸(28)と筒体(32)との間に防塵部材(33)を収装したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の脱穀機における縦搬送螺旋筒の防塵構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀した穀粒を選別した後、更に再選別を行う構造の脱穀機における縦搬送螺旋筒の防塵構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンバイン等に搭載される脱穀機においては、扱胴で脱穀した穀粒を受網から漏下させ、これを選別部で選別して一番物と二番物に分別し、横方向に搬送する一番樋と揚上螺旋を内装した揚穀筒とで一番物を穀粒タンクに揚上搬送する一方、横方向に搬送する二番樋と揚上搬送を行う揚上螺旋を内装した二番還元筒とによって、二番物を選別部に還元搬送し、還元搬送された二番物を再度選別する構造にしたものが知られている。
【0003】ところで、上述した揚上螺旋で搬送される穀粒の中には、塵埃や砂、藁屑、及び枝梗付穀粒等の夾雑物が混入しており、それらの夾雑物が揚穀筒及び二番還元筒の底部に滞留し、更に前記揚上螺旋の下部を支承する軸受部まで前記夾雑物が侵入すると、前記軸受部を構成するボールベアリング等の早期破損に繋がる恐れがあり、その防止策として、例えば実開昭63−119332号公報に開示されているように、揚上螺旋筒の螺旋軸の下部に設けた円盤状底板と、前記揚上螺旋筒の下部伝動ケースとの間に開口部を有する内部空間を形成し、該内部空間に一端を前記円盤状底板に止着すると共に、他端が前記揚上螺旋筒の内周面に接するコイル状弾性紐状体を介装し、該紐状体を前記底板と一体的に回動させることにより、前記揚上螺旋筒と円盤状底板の隙間から浸入した夾雑物を前記紐状体と衝突させ、以て前記開口部から強制的に夾雑物を排出するように構成したものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のものは、コイル状弾性紐状体と円盤状底板の隙間やコイル状弾性紐状体自体のコイル隙間から、前記揚上螺旋の下部を支承する軸受部の上部に夾雑物が浸入し易く十分なものではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を解決することを目的として創案したものであって、揺動選別体下方の横搬送螺旋と、該横搬送螺旋の終端に立設する縦搬送螺旋筒に内装した揚上螺旋とを連動連結すると共に、該揚上螺旋の下端に円盤状の仕切り板を設け、該仕切り板により前記横搬送螺旋と揚上螺旋の連絡経路の一部を構成した脱穀機であって、前記縦搬送螺旋筒の下部伝動ケースと前記揚上螺旋の仕切り板との間に形成される空間において、前記縦搬送螺旋筒の内面側に防塵部材を収装すると共に、該防塵部材の内側で前記揚上螺旋の軸に嵌挿する筒体を設けたことを第1の特徴としている。
【0006】また、前記揚上螺旋の仕切り板に筒体を溶着したことを第2の特徴としている。
【0007】また、前記揚上螺旋軸の軸と筒体との間に防塵部材を収装したことを第3の特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は図示しない走行機体に搭載された脱穀機であって、該脱穀機1に構成される扱室2に沿ってフィードチェン3を前後方向に張架すると共に、該フィードチェン3の終端部に排稈チェン4を連設し、前記扱室2で脱穀した後の穀稈を走行機体の後部に配設した排稈処理装置(カッター)5に搬送するようにしている。
【0009】前記脱穀機1は、扱室2を構成する扱胴2a及び扱網2bの終端穂先側に、処理胴6a及び処理網6bを内装する処理室6を併設してある。そして、これらの下方には、波板状の無孔移送板7a及び開度可変なチャフシーブ8、また該チャフシーブ8の下方に無孔移送板7bを配設し、該無孔移送板7bの終端部から後方に向けて濾過体9を張設し、その下方に一番樋10に一番物を流下させる一番流板11を斜設すると共に、該一番流板11の後端部に多数のストローラック12を突設し、その下方に二番樋13に二番物を流下させる二番流板14を斜設して、これらを一体的に枠組みした揺動選別体15を形成している。前記揺動選別体15は、その前後を支持リンク16と駆動機構(リンク)17等で構成する揺動支持機構により着脱可能に支持してあって、前記揺動選別体15の組み付け及び挿脱作業が簡単に行えるようになっている。
【0010】また、前記揺動選別体15の下方には、送風ファン18、一番流板11等からなる選別風路19が形成され、揺動作動する揺動選別体15に向く下方からの選別風Aにより一番物を風選し、かつ前記選別風路19の後方に配設した補助送風ファン20から送風する選別風Bにより、ストローラック12上の二番物を風選するように構成し、更に選別分離されてストローラック12から排出される夾雑物と、前記処理室6から排出される夾雑物を、横断流ファン21を介して機体後方の排塵口22から機外へ放出するようになっている。尚、一番樋10に落下した籾は、揚穀筒23により穀粒タンク(図示せず)に揚上搬送され、二番樋13に落下した二番物は、二番還元筒24を介して揺動選別体15上に還元されるようになっている。
【0011】次に、縦搬送螺旋筒の一つである前記二番還元筒24の構成について更に詳しく説明する。図2に示すように、前記揺動選別体15の下方において、横向きに配設した二番樋13内に横搬送螺旋である二番螺旋13aが回転可能に設けてあり、その搬送方向の軸端に脱穀機側壁1aに沿って二番還元筒24を立設してある。そして、前記二番螺旋13aの搬送方向の軸端に構成する伝動部26に設けたチェン伝動機構26a、及びベベルギヤ機構26b等を介して二番還元筒24内の揚上螺旋27を回転駆動させるように連動連結してある。
【0012】また、前記揚上螺旋27の軸28は、前記二番還元筒24の下部伝動ケース29に軸支される下部軸28aと、該下部軸28aにスプライン嵌合して連結する上部軸28bとで構成してあり、該上部軸28bには従来の構成と同様に捩れ板で形成した螺旋板27bを巻き付けて固着している。そして、前記揚上螺旋27の下端には、円盤状の仕切り板31が設けてあり、該仕切り板31によって前記横搬送螺旋13aと揚上螺旋27との連絡経路の一部を構成している。
【0013】また、前記二番還元筒24の下部は、前記横搬送螺旋13aと揚上螺旋27との連絡経路を囲繞すべく略箱形状の樋25として形成し、更に該樋25下端部に前記二番還元筒24と同軸状の円筒25aを設けると共に、該円筒25aの下端部にフランジ25bを固着し、且つ該フランジ25bを前記下部伝動ケース29の上部にボルト(図示せず)止めすることによって、前記円盤状の仕切り板31と下部伝動ケース29との間に空間Sを形成している。そして、前記仕切り板31と下部伝動ケース29との間に形成される空間Sにおいて、前記揚上螺旋27の軸28に同軸状に嵌挿する筒体32を設けると共に、該筒体32外周から前記樋25下端部の円筒25a内面側に亘って形成される輪状空間部S1に不織布(フェルト)からなる防塵部材33を収装してある。
【0014】即ち、上述した実施形態によれば、揚上螺旋27で搬送される穀粒の中に混在する塵埃や砂、藁屑、及び枝梗付穀粒等の夾雑物が二番還元筒24の底部に滞留し、更に前記揚上螺旋27の下端に設けた円盤状の仕切り板31の外縁と、前記樋25下端部の円筒25aの隙間から下部伝動ケース29の軸受部に前記夾雑物が侵入しようとしても、先ず前記防塵部材33の存在によって当該夾雑物の浸入を防止することができる。そして、もし前記防塵部材33と仕切り板31の隙間から夾雑物が浸入したとしても、前記筒体32は防塵壁として作用することから下部伝動ケース29の軸受部に当該夾雑物が侵入することを防止できる。また、前記防塵部材33には、水分及び油分に対して吸着性に優れ、且つ当該水分及び油分を吸着して膨潤する性質を有する不織布(フェルト)を採用しており、その不織布(フェルト)の性質によってシール性が向上することから、前記伝動ケース29内に泥土や雨水が浸入することも防止できる。
【0015】尚、図3に示すものは、前記二番還元筒24下部の円盤状の仕切り板31と下部伝動ケース29との間に形成される空間Sにおいて、前記揚上螺旋27の軸28に同軸状に嵌挿してなる筒体32の上部を前記仕切り板31に溶着して密着させると共に、前記筒体32外周から前記樋25下端部の円筒25a内面側に亘って形成される輪状空間部S1、及び前記螺旋27の軸28と筒体32との間に形成される輪状空間部S2にも不織布(フェルト)からなる防塵部材33を収装してある。
【0016】そして、前記輪状空間部S1に収装した不織布(フェルト)からなる防塵部材33で夾雑物の浸入を阻止できない場合、即ち、前記防塵部材33と仕切り板31の隙間から夾雑物が浸入した際においても、前記揚上螺旋27の軸28に同軸状に嵌挿してなる筒体32の上部は、前記仕切り板31に溶着して隙間のない密着状態となっており、前記筒体32の上部から当該夾雑物が伝動ケース29の軸受部に侵入しできないようにしてある。更に、万一前記夾雑物が防塵壁として作用する筒体32の下部を通過して伝動ケース29の軸受部に浸入しようとしても、前記筒体32内側の輪状空間部S2に収装した不織布(フェルト)からなる防塵部材33によって、当該夾雑物が前記揚上螺旋27の軸28を支承する伝動ケース29の軸受部まで侵入することを確実に防止できるように二重三重の強固な防塵構造を構成してある。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、揺動選別体15下方の横搬送螺旋13aと、該横搬送螺旋13aの終端に立設する縦搬送螺旋筒24に内装した揚上螺旋27とを連動連結すると共に、該揚上螺旋27の下端に円盤状の仕切り板31を設け、該仕切り板31により前記横搬送螺旋13aと揚上螺旋27の連絡経路の一部を構成した脱穀機1であって、前記縦搬送螺旋筒24の下部伝動ケース29と前記揚上螺旋27の仕切り板31との間に形成される空間Sにおいて、前記縦搬送螺旋筒24の内面側に防塵部材33を収装すると共に、該防塵部材33の内側で前記揚上螺旋27の軸28に嵌挿する筒体32を設けたことによって、前記揚上螺旋27で搬送される穀粒の中に混在する塵埃や砂、藁屑、及び枝梗付穀粒等の夾雑物が二番還元筒24の底部に滞留し、更に前記揚上螺旋27の下端に設けた円盤状の仕切り板31の外縁と、前記二番還元筒24の隙間から下部伝動ケース29の軸受部に前記夾雑物が侵入しようとしても、先ず前記防塵部材33の存在によって当該夾雑物の浸入を防止することができる。そして、もし前記防塵部材33と仕切り板31の隙間から夾雑物が浸入したとしても、前記筒体32は防塵壁として作用することから下部伝動ケース29の軸受部に当該夾雑物が侵入することを防止できる。
【0018】また、前記揚上螺旋27の仕切り板31に筒体32を溶着し、更に前記揚上螺旋27の軸28と筒体32との間に防塵部材33を収装したことによって、夾雑物に対する二重三重の強固な防塵構造を構成でき、それによって当該夾雑物が前記揚上螺旋27の軸28を支承する伝動ケース29の軸受部に侵入することを確実に防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成14年4月11日(2002.4.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−304731(P2003−304731A)
【公開日】 平成15年10月28日(2003.10.28)
【出願番号】 特願2002−109287(P2002−109287)