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【発明の名称】 コンバインにおける水分測定装置
【発明者】 【氏名】柏 敏夫
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】山崎 弘章
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】錦織 将浩
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】穀粒の水分量を精度良く測定するコンバインにおける水分測定装置を提供することを課題としている。

【解決手段】脱穀機6を備えるコンバインの機体2側に設けられて脱穀後の穀粒を一時的に貯蔵する穀粒タンク7の下方側に、穀粒タンク7に貯留された穀粒の水分量を検出するように穀粒の水分量を検出する水分センサ51を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀機(6)の扱胴(11)により脱粒された穀粒の水分量を検出する水分センサ(51)を設けたコンバインにおいて、上記水分センサ(51)を、コンバインに搭載された穀粒タンク(7)の下方側に設け、上記穀粒タンク(7)内下方に貯留された穀粒の水分量を測定するようにしたコンバインにおける水分測定装置。
【請求項2】 穀粒タンク(7)内の穀粒が、水分センサ(51)による測定位置まで貯留されたことを検知する穀粒センサ(50)を設け、穀粒センサ(50)からの情報に基づいて水分センサ(51)による水分計測を行う請求項1のコンバインにおける水分測定装置。
【請求項3】 水分センサ(51)の計測部分を覆うカバー(63)を設け、該カバー(63)内に水分量を計測する穀粒を貯留する請求項1又は2のコンバインにおける水分測定装置。
【請求項4】 脱穀機(6)内に扱胴(11)により脱穀された処理物を選別せしめる選別部を設け、該選別部に選別部の選別能力を自動調節せしめる選別制御手段を設け、該選別制御手段が、上記水分センサ(51)からの情報に基づく穀粒の水分量に応じて上記選別能力調節の補正を行う補正手段を備えた請求項1又は2又は3のコンバインにおける水分測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はコンバインにより処理される穀粒の水分量を測定するコンバインにおける水分測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平11−271251号公報及び特開昭52−136759号公報に示されるように、脱穀機内の穀粒の水分を水分センサにより測定する装置が公知となっている。そして脱穀された穀粒の一部を取り込み押しつぶして電気抵抗により穀粒の含有水分を測定する方法が特開平11−271251号公報に、受網から揺動選別体への落下途中の穀粒に接触して穀粒の含有水分を測定する方法が特開昭52−136759号公報に、それぞれ示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし脱穀された穀粒の一部を取り込み押しつぶして電気抵抗により含有水分を測定する場合は穀粒が破損して損失となる欠点があり、また、穀粒の含有水分量を穀粒を押しつぶすことなく測定する構造を採用したとしても、このものは一旦取り出した穀粒を検出後に再び回収(穀粒タンク内に戻す)せねばならず、構造が複雑であるという欠点があった。更に受網から揺動選別体への落下途中の穀粒に接触して含有水分を測定する場合は、移動状態の穀粒を測定することとなるため正確な測定が困難であり、また常に流動する穀粒と接触するためセンサが摩耗するという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明のコンバインにおける水分測定装置は、脱穀機6の扱胴11により脱粒された穀粒の水分量を検出する水分センサ51を設けたコンバインにおいて、上記水分センサ51を、コンバインに搭載された穀粒タンク7の下方側に設け、上記穀粒タンク7内下方に貯留された穀粒の水分量を測定するようにしたことを特徴としている。
【0005】また穀粒タンク7内の穀粒が、水分センサ51による測定位置まで貯留されたことを検知する穀粒センサ50を設け、穀粒センサ50からの情報に基づいて水分センサ51による水分計測を行うことを第2の特徴としている。
【0006】そして水分センサ51の計測部分を覆うカバー63を設け、該カバー63内に水分量を計測する穀粒を貯留することを第3の特徴としている。
【0007】さらに脱穀機6内に扱胴11により脱穀された処理物を選別せしめる選別部を設け、該選別部に選別部の選別能力を自動調節せしめる選別制御手段を設け、該選別制御手段が、上記水分センサ51からの情報に基づく穀粒の水分量に応じて上記選別能力調節の補正を行う補正手段を備えたことを第4の特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の水分測定装置を採用したコンバインの側面図であり、クローラ式の走行装置1に走行機体2が支持されており、該走行機体2の前方に圃場の穀稈を刈取り、扱深さを調節して後方に搬送する前処理部3が、該前処理部3の側方に運転席4が設けられている。
【0009】そして前処理部3の後方に、前記前処理部3から搬送される穀稈を脱穀する図2に示される脱穀機6が、該脱穀機6の側方であって運転席4の後方には脱穀後の穀粒を一時的に貯蔵する穀粒タンク(グレンタンク)7がそれぞれ設けられており、上記コンバインは以上に示される構造により、走行機体2を圃場内において走行させることによって、圃場の穀稈を前処理部3により刈取り、該穀稈を脱穀機6により脱穀し、脱穀した穀粒(脱穀穀粒)をグレンタンク7に貯蔵する。
【0010】図2は上記脱穀機6の側面図であり、該脱穀機6は刈取穀稈を脱穀する脱穀室10と、該脱穀された穀粒を選別する選別室8とが備えられており、上記脱穀室10には刈取穀稈を扱室に沿って搬送するフィードチェーン9と、該搬送された穀稈を脱穀処理する扱胴11及び扱降し物を漏下する扱網12とが設けられている。
【0011】また脱穀室10における扱胴11及び扱網12の終端穂先側には処理胴13及び処理網14を内装する処理室16が連接されており、脱穀済みの穀稈(排稈)を後方に設置した排わらカッタ17に搬送する排わら搬送体18がフィードチェーン9の終端に連接して設けられている。
【0012】一方上記選別室8は脱穀室10及び処理室16の下方に上記扱網12及び処理網14によって区切られて位置し、選別風を起風する唐箕ファン19と、藁屑等の塵芥を強制排出する排塵ファン21とが前後に設置されており、唐箕ファン19と排塵ファン21により形成される選別風路中に、扱網12及び処理網14によって漏下された選別処理物(脱穀後の穀粒に屑,切れ藁等が含まれたもの)を揺動選別する揺動選別体22が前後方向に揺動可能に装架されている。
【0013】また選別室8には、揺動選別体22によって選別された一番物を収容する一番収容部23及び二番物を収容する二番収容部24も設けられており、さらに一番物を一番収容部23の端部まで横搬送する一番横らせん26,端部まで横搬送された一番物をグレンタンク7まで揚上搬送する揚穀筒28,二番物を二番収容部24の端部まで横搬送する二番横らせん29,端部まで横搬送された二番物を揺動選別体22に還元する還元筒31等も備えられており、その他一番収容部23と二番収容部24との間に揺動選別体22側に向けて下方から副選別風を送風する送風ファン32も設けられ、上記各機構により選別室8内に選別部を構成し、上記処理物から穀粒の選別を行う。
【0014】上記揺動選別体22は、左右の側板間に扱網12及び処理網14より漏下された選別処理物を濾過するチャフシーブ33と移送板34が張設されているとともに、該チャフシーブ33の下方に選別網36が張設され、その下方に前記一番収容部23に一番物を流下させる一番流板37を斜設すると共に、該一番流板37の後端部にストローラック38を突設し、その下方に前記二番収容部24に二番物を流下させる二番流板39を斜設して、これらを一体的に枠組み形成して構成されている。
【0015】そして以上に示す構成は従来のコンバインの脱穀機と同様であり、本実施形態の脱穀機6も従来と同様、チャフシーブ33の濾過量と、唐箕ファン19及び排塵ファン21で形成される選別風の風量等により選別部の選別能力が決定される。なお脱穀機6内で発生する藁屑等の塵芥は上記選別風によって排塵風路に沿って誘導され、排塵ファン21で吸引されて排塵口41から脱穀機6の外に排出される。
【0016】一方上記チャフシーブ33は従来同様開閉状態に応じて処理物の濾過量を調整せしめて濾過する構造となっており、同時に開閉される多数のフィン33aから構成されている。そして該フィン33aは、チャフシーブ33上に溜まる処理物の量を検出する風圧センサ(後述する)に基づいて、コンバインの走行機体2側に設けられる図3に示される制御装置42により、後述するフィン開度制御に従い、開度が段階的に自動調節され、チャフシーブ33の単体の選別能力が調節される。
【0017】上記制御装置42には、図3に示されるように、入力インターフェース43,マイコンユニット44,出力インターフェース46とが備えられており、フィン33aの開度を検出するフィンポテンショメータ47,風圧センサ48,処理される穀物に応じて基準となるフィンの開度及び排塵ファン21の回転速度を設定するための選別設定ダイヤル49,グレンタンク7内に設けられ、脱穀穀粒の水分を検出する水分センサ51,フィン開度等の自動制御を入り切りする選別自動スイッチ52,排塵ファン21の回転数を検知するファン回転センサ53,脱穀穀粒がグレンタンク7内の水分センサ51の位置まで溜まったことを検知する穀粒センサ50が入力インターフェース43を介して入力側に接続されている。
【0018】また上記制御装置42の出力側には出力インターフェース46を介して、フィン33aの開度を調節するフィン開閉モータ54と、排塵ファン21の回転数を調節するファン変速モータ56とが接続されており、フィン33aの開度が、マイコンユニット44側に記憶せしめられているフィン開度制御フローに従ってフィン開閉モータ54により、排塵ファン21の回転数が、マイコンユニット44側に記憶せしめられているファン回転制御フローに従ってファン変速モータ56により調節され、すなわち選別部の選別能力が自動制御される。
【0019】なお本実施形態においては、排塵ファン21の回転速度を変速することにより選別風の風速等を調節して、選別風単体の選別能力を調節するように構成されているが、唐箕ファン19の回転速度を変速するように構成してもよい。またチャフシーブ33のフィン33aの開度(選別能力)は段階的に制御され、すなわちフィン33aは、開度がαに維持される開度ランク1,開度がα°に維持される開度ランク2,・・・・,開度がαに維持される開度ランクnまでのn段階の開度ランクにより開度が制御される。
【0020】さらに上記風圧センサ48は、選別風の風圧を検知するセンサであり、チャフシーブ33上に溜まる処理物の量に応じて風圧が変化することから、風圧によってチャフシーブ33上に溜まる処理物の量、すなわち層厚を検出するものである。
【0021】以上により脱穀機1は、フィン開度制御フローとファン回転制御フローによりチャフシーブ33の濾過量と選別風の風速が調節されて選別部の選別能力が調節され、処理物の種類や性質に応じて適切な脱穀選別作業を行うことが可能となっている。なお前述のフィン開度制御フローとファン回転制御フローは、図4のフローチャートに示される選別制御フロー内で行われる。
【0022】次に上記選別制御フローについて詳細に説明する。なお本実施形態においては、従来同様エンジンを作動させるためにキーを回転させるように構成されており、上記キーを少なくともエンジン切位置とエンジン始動位置の間に設けられるアクセサリ位置に回転させると、電源が入り、電装品等に電源が供給される。
【0023】上記選別制御フローは、図4のフローチャートに示されるように、ステップS1において、電源入り(パワーON)直後か否かをチェックし、電源入り直後の場合に、ステップS2に進み、グレンタンク7内の穀粒(籾)がグレンタンク7内の水分センサ51の位置まで溜まったか否かを穀粒センサ50のオン(籾検知)又はオフ(籾未検知)によってチェックする。
【0024】そして穀粒センサ50がオフ(籾未検知)の場合、すなわち電源入り直後に、穀粒(籾)がグレンタンク7内の水分センサ51の位置まで溜まっていない場合は、ステップS3に進み、後述するフィン開度制御フロー時に使用する脱穀穀粒の水分量に応じてフィン33aの開度ランクを補正するためのデータ(フィン開度設定データ)を、フィン33aの開度ランクの範囲(制御範囲)を、補正がない場合の標準範囲を維持させる「標準」に設定して、ステップS4に進む。
【0025】そしてステップS4において、後述するファン回転制御フロー時に使用する脱穀穀粒の水分量に応じて排塵ファン21の回転速度を補正するためのデータ(ファン回転速度データ)を、補正がない場合の標準回転速度を維持させる「標準」に設定してステップS5に進み、フィン開度設定データとファン回転速度データを電気的に内容を書き換えることができ、電源が切れてもデータを消失しないメモリ(EEPROM)に書き込み、その後前述のフィン開度制御フローを実行し、次にファン回転制御フローを実行する。
【0026】一方ステップS1において電源入り直後ではない場合は、ステップS6に進み、穀粒センサ50がオフ(籾未検知)からオン(籾検知)に切り換わった際に、籾がグレンタンク7内の水分センサ51の位置まで溜まったと判断し、ステップS7に進み水分センサ51により籾の水分を計測する。
【0027】なお穀粒センサ50がオフからオンに切り換わったことは、前回のフロー時の穀粒センサ50の値(オン又はオフ)によってチェックすることができ、前回がオフであり、今回がオンである場合に、穀粒センサ50がオフからオンに切り換わったと判断することができる。
【0028】そして籾の水分が予め設定されている標準値より多い場合にステップS8に進み、フィン開度設定データを、フィン33aの開度ランクの範囲(制御範囲)を、上記標準範囲に比較してフィン33aの開度が大きくなる開度ランク側に移行させる「大」に設定して、ステップS9に進む。
【0029】そしてステップS9において、ファン回転速度データを上記標準回転速度に比較して高速で回転させる「高速」に設定してステップS10に進み、フィン開度設定データとファン回転速度データをEEPROMに書き込み、その後前述のフィン開度制御フローを実行し、次にファン回転制御フローを実行し、その後フローの最初に戻り、リターンする。
【0030】またステップS7において、穀粒の水分が予め設定されている標準値より少ない場合には、ステップS11に進み、フィン開度設定データを、フィン33aの開度ランクの範囲(制御範囲)を、上記標準範囲に比較してフィン33aの開度が小さくなる開度ランク側に移行させる「小」に設定して、ステップS12に進む。
【0031】そしてステップS12において、ファン回転速度データを、上記補正がない場合の標準回転速度に比較して低速で回転させる「低速」に設定してステップS13に進み、フィン開度設定データとファン回転速度データをEEPROMに書き込み、その後前述のフィン開度制御フローを実行し、次にファン回転制御フローを実行し、フローをリターンする。
【0032】なおステップS7において、穀粒の水分が標準値であった場合は、ステップS3に進み、フィン開度設定データを「標準」に設定して、ステップS4に進み排塵ファンの回転速度データも「標準」に設定してステップS5に進み、フィン開度設定データとファン回転速度データをEEPROMに書き込み、その後前述のフィン開度制御フローを実行し、次にファン回転制御フローを実行し、その後フローの最初に戻り、リターンする。
【0033】一方ステップS6において穀粒センサ50がオフからオンに切り換わった直後ではなく、オフ又はオンを継続しているの場合は、ステップS6から直接フィン開度制御フローの実行に入り、フィン開度制御フローと、ファン回転制御フローを順に実行し、その後リターンしてフローを繰り返す。
【0034】以上により電源入り直後ではなく、入り状態が継続している場合は、ステップS5又はS10又はS13においてEEPROMに書き込まれるフィン開度設定データとファン回転速度データの値が制御において継続使用される。
【0035】また電源入り直後の場合は、電源入り直後に穀粒(籾)がグレンタンク7内の水分センサ51の位置まで溜まっていない場合は、籾がグレンタンク7内の水分センサ51の位置まで溜まり、穀粒センサ50がオフからオンに切り換わるまで、ステップS5においてEEPROMに書き込まれるフィン開度設定データとファン回転速度データの値が制御において継続使用される。
【0036】一方ステップS2において穀粒センサ50がオンの場合、すなわち電源入り状態で、既に穀粒が水分センサ51の位置までグレンタンク7内に溜まっている場合は、ステップS14に進み、EEPROMの値を読み出して、ステップS15に進み、フィン開度設定データの値をEEPROMからの読出し値に設定してステップS16に進み、ファン回転速度データの値をEEPROMからの読出し値に設定し、その後前述のフィン開度制御フローを実行し、次にファン回転制御フローを実行し、その後フローの最初に戻り、リターンする。
【0037】つまりフィン開度設定データとファン回転速度データの値は、作業開始時にはデフォルトで両者とも標準が設定され、穀粒がグレンタンク7内の水分センサ51の位置まで溜まった状態で、作業を一時的に中断し、その後作業を再開する場合には、中断直前の値が使用され、いずれの場合も作業開始時に、より作業条件に合致した制御が行われる。
【0038】次に上記フィン開度制御フローについて説明する。図5のフローチャートに示されるように、まずステップS1において、選別自動スイッチ52のオン・オフのチェック等により自動制御条件が成立したか否かをチェックし、少なくとも選別自動スイッチ52がオンであり、自動制御条件が成立している場合にステップS2に進みフィン33aの自動制御に入る。
【0039】そしてステップS2において選別設定ダイヤル49及びフィン開度設定データに基づき、制御を行う開度ランクの範囲(制御範囲)を設定し、その後ステップS3に進み、風圧センサ48の値をチェックする。これにより脱穀穀粒の水分量が多い場合は、制御範囲が開度ランクの大きい側に移動し、水分量が少ない場合は、制御範囲が開度ランクの小さい側に移動し、設定された制御範囲内で、以下に示されるようにファン33aの開度が、チャフシーブ33上に溜まる処理物の量に応じて制御される。
【0040】すなわちステップS3においてチャフシーブ33上に溜まる処理物の量が、ランクダウンしきい値(開度ランクを1ランク下げる必要がある量の値)より小さな場合、すなわち、当該ランクに対応する範囲より小さな場合は、ステップS4に進み、当該処理物の量が予め設定されている所定時間以上連続したか否かをチェックし、所定時間以上の連続により、現状の処理物の量が少なくとも1ランク下の開度に相当する量であると判断され、ステップS5に進みフィン33aの目標開度ランクを制御範囲内において1ランク下の開度ランクに下げて設定する。
【0041】一方上記処理物の量が、ランクアップしきい値(開度ランクを1ランク上げる必要がある処理物の量の値)より大きな場合、すなわち当該ランクに対応する範囲より大きい場合は、ステップS6に進み、当該処理物の量が予め設定されている所定時間以上連続したか否かをチェックし、所定時間以上の連続により、現状の処理物の量が少なくとも1ランク上の開度に相当する量であると判断され、ステップS7に進みフィン33aの目標開度ランクを制御範囲内において1ランク上の開度ランクに上げて設定する。
【0042】なお上記処理物の量が、当該ランクに対応する範囲内であった場合、すなわちランクダウンしきい値より大きく、且つランクアップしきい値未満であった場合は、ステップS8に進み、目標開度ランクを現状の開度ランクに維持する。
【0043】そしてステップS5又はステップS7又はステップS8の処理後、ステップS9に進み、ステップS5又はステップS7又はステップS8において設定された目標開度ランクを、当該開度ランクに対応するフィンポテンショメータ47の値に換算して目標ポテンショメータ値として設定し、ステップS10に進み、目標ポテンショメータ値と現在のフィンポテンショメータ47の値とを比較する。
【0044】そして目標ポテンショメータ値(目標値)が現在のフィンポテンショメータ47の値(現在値)より小さい場合は、ステップS11に進み、フィン開閉モータ54をフィン33aが閉じる方向に駆動してフィン33aの開度ランクを1ランク(1段階)下げ、処理物の落下量を抑制し、現在値が目標値より小さい場合は、ステップS12に進み、フィン開閉モータ54をフィン33aが開く方向に駆動してフィン33aの開度ランクを1ランク(1段階)上げ、処理物の落下量を増加させる。
【0045】そして現在値と目標値とが等しい場合は、ステップS13に進み、フィン開閉モータ54への出力を停止し、ステップS11又はステップ12又はステップS13における処理後、リターンする。これによりチャフシーブ33の濾過量(フィン33aの開度)が、穀物の種類と穀粒の水分量に応じて、自動的に補正されて調節制御される。
【0046】一方ファン回転制御フローは、図6のフローチャートに示されるように、まずステップS1において、前述のファン開度制御フローの場合と同様に、制御条件が成立したか否かをチェックし、成立している場合にステップS2に進み排塵ファン21の自動制御に入る。
【0047】そしてステップS2において選別設定ダイヤル49及びファン回転速度データに基づき、排塵ファンの目標回転速度を設定し、その後ステップS3に進み、該目標回転速度と、現在の排塵ファンの回転速度とを比較する。これにより後述するように穀粒の水分量が多い場合は、目標回転速度が標準の場合より速く(高速に)設定され、脱穀穀粒の水分量が少ない場合は、目標回転速度が標準の場合より遅く(低速に)設定され、排塵ファン21の回転速度が目標回転速度に追従するように自動制御される。
【0048】すなわちステップS3において目標回転速度(目標値)が現在の排塵ファン21の回転速度(現在値)より大きい場合は、ステップS4に進み、ファン変速モータ56を排塵ファン21の回転速度が増加するように回転させ、排塵ファン21の回転速度を増加させ、目標値が現在値より小さい場合は、ステップS5に進み、ファン変速モータ56を排塵ファン21の回転速度が減少するように回転させ、排塵ファン21の回転速度を低下させ、目標値と現在値とが等しい場合は、ステップS6に進み、ファン変速モータ56の駆動を停止して排塵ファン21の回転速度を維持させ、ステップS4又はステップS5又はステップS6における処理終了後にリターンする。
【0049】以上に示されるように籾の種類や水分量に応じて排塵ファン21の回転速度が補正されて制御調節され、つまり上記選別制御フローにより、選別部の選別能力(排塵ファン21の回転速度及びチャフシーブ33の濾過量)が、チャフシーブ33上に溜まる処理物の量により自動制御されるだけではなく、穀粒の水分量に応じても自動的に補正制御される。
【0050】これにより、処理する穀物の種類や状態(水分量)に対応して、より適切に選別部の選別能力が自動調節され、脱穀作業中は処理される穀稈の水分量に対応して、より適切にフィン33aの開度が調節されるとともに、選別に対してより適切な選別風が送られ、常にチャフシーブ33上に溜まる処理物の量が所定の範囲で概ね一定となり、安定した選別作業が行われ、脱穀選別効率が向上する。
【0051】すなわち制御装置42,フィンポテンショメータ47,風圧センサ48,選別設定ダイヤル49,水分センサ51,選別自動スイッチ52,ファン回転センサ53,穀粒センサ50,フィン開閉モータ54,ファン変速モータ56等のハードウエアと、選別制御フロー,フィン開度制御フロー,ファン回転制御フロー等のソフトウエアにより、選別部の選別能力を籾の種類や水分量に応じて補正して自動的に制御する選別制御手段が構成されている。
【0052】一方上記水分センサ51は、図7に示されるように、セルロース系の親水性高分子からなる高分子フィルム57を、極めて薄い金属の蒸着膜からなる電極58によって挟持したコンデンサ型の静電容量型水分センサとなっており、高分子フィルム57が電極58を通して水分を吸収・放出し、高分子フィルム57の水分の吸収・放出に伴う誘電率変化をコンデンサの容量変化として測定して、雰囲気の相対湿度を測定する構造となっている。
【0053】そして上記水分センサ51は、図8に示されるように、グレンタンク7の下方の排出らせん59が配される樋状断面をなす搬送部7aの傾斜した側壁61の内側の底面から、搬送らせん59にできるだけ近い所定の高さの位置に配置されており、上記側壁61に水分計測用の孔62を穿設せしめ、該孔62から一方の電極58がグレンタンク7の内部に裸出するように取り付けられている。これにより孔62を介して水分センサ51の電極58に穀粒が接触することによって穀粒の水分を高分子フィルム57が電極58を通して吸収して脱穀穀粒の水分量を測定し、水分センサ51の構造を簡単にすることができる。
【0054】なお上記グレンタンク7の側壁61には、孔62の回りを覆うカバー63が取り付けられており、該カバー63により穀粒は、カバー63の上下方向からのみカバー63内に侵入することができ、概ねカバー63の上端の高さにまで穀粒が貯留されると、カバー63内に穀粒が貯留され、水分センサ51による穀粒の水分の測定はカバー63内に穀粒が貯留された状態で行われる。
【0055】このとき水分センサ51が、グレンタンク7の搬送部7aの傾斜面の搬送らせん59に近接する位置に配置されているため、カバー63内には、所定量の穀粒が貯留され、カバー63内の穀粒は適度な圧力で水分センサ51に当接し、水分が測定される穀粒は、概ね一定の高密度の状態で安定し、水分センサ51は穀粒の水分量を安定して正確に測定することができる。
【0056】また水分センサ51の上記配置位置により、穀粒がカバー63内に貯留されるまでの時間が短く、カバー63内への貯留後は穀粒の移動がほとんど無い。このため例えば受網から揺動選別体への移動状態の穀粒の水分量の測定等に比較して、安定して正確に水分量を測定することができる。そして【0057】さらにカバー63により水分センサ51の測定面(電極58)に穀粒が衝突すること等も防止されるため、水分センサ51自身の破損等が防止される他、水分センサ51と移動する穀粒との接触が少なくなるため水分センサ51の摩耗を防止することができ、水分センサ51の品質を保ち、水分センサ51の寿命を伸ばすことができる。なお水分測定時に衝突等により穀粒を破壊することがないため、収穫される籾の品質をより高く維持することや、穀粒の損失を防止することもできる。
【0058】また図8,図9に示されるように、カバー63における穀粒が上方側から入り込む入り口側近傍となるカバー63の上端面近傍には、脱穀穀粒の有無をスイッチのオン・オフにより検知する前述の穀粒センサ50が配置されて取り付けられており、この穀粒センサ50のオンによって、カバー63の上端近傍まで穀粒が貯留されたか否かのチェック、すなわちグレンタンク7内の脱穀穀粒が、水分センサ51による測定位置にまで貯留されたことを検知することができる。
【0059】つまり前述のように選別制御フローにおいて、穀粒センサ50がオフからオンに切り換わった時点で、水分センサ51を作動させて水分を測定することによって、カバー63内に穀粒が貯留されたタイミング(適切な穀粒の水分量の測定時期)を逃すことなく、穀粒の水分を測定することとなり、前述のように穀粒の収穫開始から比較的早い時期に、より正確な籾の水分量を測定することができ、選別の自動制御を刈り取り開始の早期から効率よく行うことができる。
【0060】このとき水分センサ51による水分の測定が、穀粒センサ50がオフからオンに切り換わる際に行われるため、グレンタンク7から穀粒が排出されて再貯留される毎に、測定時期や測定する穀粒の量の変動を少なくして、水分量の測定を行うことができ、圃場(穀粒)の状態に、より対応した制御を行うこともできる。
【0061】なお水分の測定タイミングを穀粒センサ50に頼らず、刈取り作業開始後に、経過時間及び走行距離から脱穀穀粒がカバー63のほぼ上端位置にまで溜まる時間経過を演算し、この演算結果に基づいて水分センサ50により水分の測定を行うようにしても良く、この場合も上記同様の効果を得ることができるが、機械的にセンサにより籾の溜まりを検知するほうが、測定時期は正確ではある。
【0062】また水分センサ51による穀粒の水分量の測定結果を、運転席4のモニタに表示させるように構成し、上記モニタに表示される測定結果をオペレータが確認しながら選別能力を調整操作するようにしても良い。
【0063】
【発明の効果】以上のように構成される本発明の構造によると、穀粒の水分量を測定する水分センサを穀粒タンクの下方側に設け、穀粒タンク内に貯留された穀粒の水分量を測定するようにしたため、水分センサの構造を簡単にできると共に、穀粒が水分センサ位置にまで貯留されるまでの時間が比較的短く、穀粒の水分量の測定が収穫開始から比較的早い時期に行われ、該水分センサからの情報を、脱穀開始から早い時点で利用することができる。
【0064】しかも穀粒が水分センサの測定位置まで貯留されて、穀粒の移動がほとんど無い状態で穀粒の水分量を測定することとなり、受網から揺動選別体への移動状態の穀粒の水分量の測定等に比較して、安定して正確に水分量を測定することができ、水分の測定結果がより正確であるという効果がある。また流動する穀粒との接触が少なくセンサの摩耗を極力防止できる。
【0065】また水分センサによる穀粒の水分量の測定を、穀粒センサにより穀粒が測定位置まで貯留されたことを検知した際に行うように構成することによって、穀粒の水分量の測定時期を逃すことがなく、適切な測定値を得ることができる他、穀粒が穀粒タンクから排出されて再貯留される毎に穀粒の水分量を容易に測定することができる。
【0066】一方水分センサの計測部分をカバーにより覆い、該カバー内に水分量を計測する穀粒を貯留するように構成することにより、水分測定時の穀粒の密度が安定し、測定精度がさらに向上するという利点がある。又カバーにより水分センサに対して揚穀筒から排出される穀粒の衝突が防止され、水分センサの破損等を防止することもできる。
【0067】そして上記水分センサからのデータに基づく穀粒の水分量に応じて選別部の選別能力調節の補正を行うように構成することにより、適切な測定結果に基づき選別部の選別能力が自動制御されるため、脱穀選別作業が穀粒の水分量に応じて効果的に行われ、脱穀効率が向上する。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】 【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
【公開番号】 特開2003−189733(P2003−189733A)
【公開日】 平成15年7月8日(2003.7.8)
【出願番号】 特願2001−398550(P2001−398550)