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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】平井 良介
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】幸 宣夫
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】池田 太
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】福島 正知
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】雨天時でも枕扱き作業が行えるとともに構造簡単に得られるコンバインを提供する。

【解決手段】運転部用の日除け10を、支柱から延出している支持部材14に機体上下向きの軸芯Xまわりで回動自在に連結してある。日除け10を、軸芯Xまわりで回動操作することにより、日除け10が支持部材14から機体前方向きに延出して運転部3の居住空間の上方を覆う日除け位置と、日除け10が支持部材14から機体横向きに脱穀装置7の方に延出して脱穀装置7の穀稈供給口7bの上方を覆う脱穀カバー位置とに調節できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 運転部用の日除けを、運転部の居住空間の上方を覆う日除け位置と、脱穀装置の穀稈供給口の上方を覆う脱穀カバー位置とに機体上下向きの軸芯まわりで回動調節自在に支持部材に取付けてあるコンバイン。
【請求項2】 前記支持部材が、機体側に固定の支柱部材によって昇降調節自在に支持されている請求項1 記載のコンバイン。
【請求項3】 前記日除けが、運転部の後側に位置する穀粒タンクの上方に位置した収納位置に前記軸芯まわりで回動調節自在に前記支持部材によって支持されている請求項1又は2記載のコンバイン。
【請求項4】 前記支持部材が連結している可動側支柱部材に対して相対回動のみ自在に連結し、前記支柱部材に対して螺合している連結ネジ軸によって可動側支柱部材が支柱部材に昇降調節自在に連結されることにより、支持部材が支柱部材によって昇降調節自在に支持されている請求項2記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】コンバインによって収穫作業される場合、枕刈りされた穀稈を脱穀装置に人為的に供給して脱穀処理する枕脱穀が行なわれるが、従来、雨が降ると、穀稈が濡れて脱穀や選別不良などのトラブルが発生しやすくなることから、行えなくなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、枕脱穀を行うに当たり、雨が降れば、中断して雨上がりを待つ時間が必要になるとか、中止して次回の収穫作業の際に纏めて行うように枕刈り穀稈を保管することが必要になっていた。
【0004】本発明の目的は、雨が降っても枕扱き作業が行えるものを構造面でも操作面でも有利に得られるコンバインを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0006】〔構成〕運転部用の日除けを、運転部の居住空間の上方を覆う日除け位置と、脱穀装置の穀稈供給口の上方を覆う脱穀カバー位置とに機体上下向きの軸芯まわりで回動調節自在に支持部材に取付けてあるコンバイン。
【0007】〔作用〕日除けを脱穀カバー位置に回動調節すれば、この日除けによって脱穀装置の穀稈供給口の上方を覆うことができる。これにより、雨が降っても、日除けの下で、刈取穀稈を濡れにくくしながら脱穀装置に供給できる。
【0008】〔効果〕従って、雨が降っても枕扱き作業を行い、雨上がりを待つとか枕刈り穀稈を次回の収穫作業まで保管するための時間や手間を掛けないで能率よく収穫作業できる。
【0009】しかも、運転部用の日除けを雨除けに利用した簡単な構造で済ませて安価に得られるとともに、日除けを回動調節するだけで操作簡単に日除けや雨除けに切り換えられて楽に調節できる。
【0010】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0011】〔構成〕請求項1による発明の構成において、前記支持部材が、機体側に固定の支柱部材によって昇降調節自在に支持されている。
【0012】〔作用〕日除けを日除けとして使用するときの日除けの機体に対する取付け高さと、雨除けとして使用するときの日除けの機体に対する取付け高さとが同じであると、日除けを脱穀カバー位置に回動調節した際、その取付け高さが、運転部で立って操縦できるように設定した高い取付け高さになり、日除けがこれの大きさの割には、雨除けのカバー作用を充分発揮しなくなる場合がある。支持部材を支柱部材に対して昇降調節することにより、支持部材の機体に対する取付け高さが変化し、日除けを日除けとして使用する際には、立って操縦できる高い取付け高さになり、雨除けとして使用する際には、枕扱き穀稈に対する雨除けカバーを効果的に行う比較的低い取付け高さになるようにするなど日除けの高さ調節が行える。
【0013】〔効果〕従って、日除けを日除けとして使用する際も、雨除けとして使用する際も、その取付け高さを日除けや雨除けに適切であるとか、所望の高さに調節して有効に利用できる。
【0014】請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0015】〔構成〕請求項1又は2による発明の構成において、前記日除けが、運転部の後側に位置する穀粒タンクの上方に位置した収納位置に前記軸芯まわりで回動調節自在に前記支持部材によって支持されている。
【0016】〔作用〕穀粒タンクから穀粒取出しするオーガを装備するに当たり、吐出口側が脱穀装置の穀稈供給口の上方に位置する状態で格納するようにして装備されることが多い。この場合であっても、日除けを本来の日除けとしても、脱穀カバーとしても使用しないとき、穀粒タンクの上方に回動調節し、オーガ収納の障害物にならないうようにして収納できるものである。
【0017】〔効果〕日除けを脱穀カバーとして使用できるものでありながら、かつ、日除けを運転部外に収納できるようにしながら、オーガを装備して穀粒取出しが能率よく行えるものにできる。
【0018】請求項4による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0019】〔構成〕請求項2による発明の構成において、前記支持部材が連結している可動側支柱部材に対して相対回動のみ自在に連結し、前記支柱部材に対して螺合している連結ネジ軸によって可動側支柱部材が支柱部材に昇降調節自在に連結されることにより、支持部材が支柱部材によって昇降調節自在に支持されている。
【0020】〔作用〕連結ネジ軸を人為操作とかモータによって回動操作させると、連結ネジ軸が支柱部材に対して上昇側や下降側に螺進し、これによって可動側支持部材を支柱部材に対して昇降調節して日除けの高さ調節を行えるものである。
【0021】〔効果〕日除けの高さ調節を行うに当たり、連結ネジ軸を回動させるための簡単な操作を行うだけで楽に行える。
【0022】
【発明の実施の形態】図1、図2に示すように、クローラ式の走行装置1、運転座席2を有する搭乗型の運転部3、運転座席2の下方に位置する原動部を備えた自走機体の機体フレーム4の前端側に、刈取部5の刈取部フレーム5aの基端側を機体横向きの軸芯まわりで回動自在に連結するとともに、原動部に位置するエンジンの出力を刈取部5に伝達するように構成し、かつ、刈取部フレーム5aにリンク機構を介してロッドが連結しているリフトシリンダ6によって刈取部フレーム5を上下に揺動操作することによって刈取部5を昇降操作するように構成し、自走機体の運転部3が位置する側とは反対の横側に配置した脱穀装置7、運転部3の後側に配置した穀粒タンク8を機体フレーム4に搭載して、稲・麦などの収穫作業を行うコンバインを構成してある。
【0023】すなわち、刈取部5を自走機体に対して作業位置に下降させて自走機体を走行させると、刈取部5は、植立穀稈を引起装置5bによって引起こし処理するとともにバリカン型の刈取装置5cによって刈取り処理し、刈取り穀稈を、株元側に作用する挟持搬送装置と穂先側に作用する係止搬送装置とで成る搬送装置5dによって機体後方に搬送していく。脱穀装置7は、脱穀フィードチェーン7aによって前記搬送装置5dからの刈取穀稈を受け継いで挟持搬送し、その穂先側を脱穀機体の前壁に位置する穀稈供給口7bから脱穀機体内の扱室に供給して脱穀処理し、脱穀処理物を穀粒と塵埃とに選別処理していく。穀粒タンク8は、脱穀装置7からの脱穀粒を回収して貯留していく。穀粒タンク8に貯留された脱穀粒は、穀粒タンク8の後側に位置する縦スクリューコンベアと、この縦スクリューコンベアの上端部に始端側が接続している横スクリューコンベア9aとで成るオーガ9によって穀粒タンク8から取出すように構成してある。前記横スクリューコンベア9aの搬送始端側が縦スクリューコンベアに対して機体上下及び横向きの軸芯まわりで回動自在に連結しており、横スクリューコンベア9aは旋回及び起伏操作できる。
【0024】前記運転部3に、合成樹脂板で作成した日除け10を設けてある。図4などに示すように、この日除け10は、これの裏面側に固定されている補強枠11の後端側に上端側が連結している機体上下向きの丸パイプ材で成る取付け軸12を介し、運転部3の後側に位置する支柱13の上端部から機体前方向きに延出している支持部材14の延出端側に位置している上下一対の支持板部14aにわたって取付けてある。
【0025】前記取付け軸12は前記上下一対の支持板部14aにわたって回動自在に連結してあり、日除け10を取付け軸12の機体上下向きの軸芯Xまわりで次の如く回動調節することを可能にしてある。すなわち、図2に示すように、支持部材14の支持板部14aから機体前方向きに延出して日除け10の大部分で運転部3の居住空間の上方を覆う日除け位置と、前記支持板部14aから脱穀装置7の方に機体横向きに延出して日除け10の先端側で脱穀装置7の前記穀稈供給口7aの上方を覆う脱穀カバー位置と、支持板部14aから機体後方向きに延出して日除け10の大部分が穀粒タンク8の上方に位置した収納位置と、支持板部14aから脱穀装置7が位置する側とは反対側に機体横向きに延出して日除け10の先端側が機体横外側に突出した張出し位置とに回動調節できるようにしてある。
【0026】図6などに示すように、前記上側の支持板部14aの上側に配置して前記取付け軸12に一体回動自在に取付けてある位置決め部材21と、前記下側の支持板部14bに固定の支持部材22によって上下摺動自在に支持されているロックピン23と、このロックピン23を上昇付勢するように構成して前記支持部材22の内部に設けてあるロックばね24とにより、日除け10を前記4つの調節位置に固定するロック機構20を構成してある。すなわち、日除け10を回動調節して前記4つの調節位置のいずれかになると、いずれの調節位置になった場合も、図6(イ)に示すように、位置決め部材21の複数箇所に設けてあるピン孔21aの一つが、前記上側の支持板部14aに設けてある貫通孔14bに合致し、前記ロックばね24によるロックピン23の上昇付勢のために、ロックピン23の先端側が上側支持板部14aの貫通孔14bから位置決め部材21のピン孔21aに自ずと入り込む。すると、ロック機構20は、ロック作用状態になり、ロックピン23によって位置決め部材21を回動しないように固定することによって日除け10を日除け位置、脱穀カバー位置、収納位置、張出し位置に固定する。
【0027】日除け10を回動調節する場合、図6(ロ)に示すように、前記上下一対の支持板部14aを作成している板金部材の縦辺部に固定のブラケット25に連結ピン26によって基端側が回動自在に連結している解除レバー27を前記連結ピン26の軸芯まわりで下降側に揺動操作する。すると、解除レバー27の中間部が前記ロックピン23に付設の解除ピン23aに係合していてロックピン23をロックばね24に抗して引き下げ操作してロックピン23が位置決め部材21のピン孔21aから抜け外れ、ロック機構20による日除け10の回動ロックを解除できる。
【0028】図3、図5などに示すように、前記支柱13を、自走機体の機体フレーム4に固定されている機体部分に連結部材15を介して下端側が固定されている丸パイプ材で成る低レベル側の固定側支柱部材13aと、この固定側支柱部材13aに下端側が摺動自在に外嵌している丸パイプ材で成り、上端部に前記支持部材14が固定されている高レベル側の可動側支柱部材13bとよって構成し、可動側支柱部材13bの内部と固定側支柱部材13aの内部とにわたって設けるとともに可動側支柱部材13bの上端部に設けた支持部13cによって昇降モータMを介して上端側が相対回転のみ自在に支持され、下端側が固定側支柱部材13aの上端部にねじ部材を固設して設けてある雌ネジ部16に螺合している連結ネジ軸17によって、可動側支柱部材13bと固定側支柱部材13aとを連結してあるとともに、前記連結ネジ軸17の上端側に出力軸が連動している前記電動昇降モータMを、可動側支柱部材13bの上端部に設けたモータケース18の内部に設けてある。可動側支柱部材13bが摺動自在に内嵌している丸パイプ材で成るガイド部材19を、運転座席2の後方に操作盤を支持するように設けたフレームに連結部材19aを介して固定し、ガイド部材19が可動側支柱部材13bの摺動ガイドを行うように可動側支柱部材13bを摺動自在に支持するように構成し、かつ、可動側支柱部材13bを介して固定側支柱部材13aの上端側を揺れ動かないように支持するように構成してある。
【0029】すなわち、昇降モータMを正回転と逆回転の一方に回動するように駆動操作すると、連結ネジ軸17が昇降モータMによって駆動されて固定側支柱部材13aに対して上昇側に螺進することにより、可動側支柱部材13bをガイド部材19に沿わせて固定側支柱部材13aに対して上昇調節して支持部材14を固定側支柱部材13aに対して上昇調節する。昇降モータMを正回転と逆回転の他方に回動するように駆動操作すると、連結ネジ軸17が昇降モータMによって駆動されて固定側支柱部材13aに対して下降側に螺進することにより、可動側支柱部材13bをガイド部材19に沿わせて固定側支柱部材13aに対して下降調節して支持部材14を固定側支柱部材13bに対して下降調節する。これにより、昇降モータMを駆動操作することにより、昇降モータMによる連結ネジ軸17の駆動操作のために可動側支柱部材13bが昇降し、日除け10の機体に対する取付け高さを上昇側や下降側に調節できる。
【0030】すなわち、日除け10を日除け位置に回動調節してロック機構20によってロックしておくことにより、本来の運転部用の日除けとして使用できる。そして、運転座席10に着座して操縦するために日除け10を低くするとか、運転部3のフロア3aに立って操縦するために日除け10を高くするなどの場合、昇降モータMを上昇側や下降側に駆動操作し、昇降モータMの駆動力で回動する連結ネジ軸17によって可動側支柱部材13bを昇降調節させて支持部材14を固定側支柱部材13aに対して昇降調節させることにより、日除け10を適切な取り付け高さに昇降調節するようにしてある。
【0031】枕扱き作業を行うに当たり、日除け10を脱穀カバー位置に回動調節するとともにロック機構20によって固定することにより、雨が降っても、日除け10を雨除けに利用して穀稈を濡れにくくしながら脱穀装置7に供給できる。この場合、日除け10が高い取付け高さになっていても、昇降モータMを下降側に駆動操作することにより、日除け10を雨除けが効果的に行なわれる取付け高さに下降調節できる。
【0032】日除け10を使用しない場合、収納位置に回動調節してロック機構20によって固定しておくことにより、オーガ9の横スクリューコンベア9aを吐出口側が脱穀装置7の穀稈供給口7bの上方に位置する格納位置にしたり、この格納位置から出したりする際、日除け10が障害物にならないようにしながら作業できる。
【0033】図4などに示すように、日除け10の後端部の内側に、日除け10の角度調節機構30を設けてある。
【0034】すなわち、図7などに示すように、前記補強枠11の後端部に固定された日除け横向きの連結軸11aと、この連結軸11aに相対回動自在に外嵌するように構成して前記取付け軸12の上端側に固定された連結筒体12aとにより、補強枠11を取付け軸12に対して前記連結軸11aの軸芯まわりで上下揺動するように連結してある。
【0035】図6、図8などに示すように、角度調節機構30は、前記連結軸11aに一端側が固定されていて日除け10と共に取付け軸12に対して揺動する位置決め部材31と、前記連結筒体12aに基端側が固定されているブラケット32の先端側に連結ピン33によって基端側が回動自在に連結しているロックアーム34と、このロックアーム34をロック側に揺動付勢するように構成して前記連結ピン33に装着してあるロックバネ35とによって構成してある。
【0036】すなわち、図6に示すように、前記ロックアーム34から延出しているロック解除レバー36によってロックアーム34をロックバネ35に抗して解除側に揺動操作し、ロックアーム34の遊端側に設けてあるロックピン34aを位置決め部材31の長孔31aに連通している切欠き部31bから抜け出て長孔31aの内部に位置するように操作すると、角度調節機構30がロック解除状態になり、日除け10を連結軸11aの軸芯まわりで取付け軸12に対して上下に揺動調節できる。日除け10を揺動調節し、位置決め部材31の前記長孔31aに連通している複数の切欠き部31bのいずれかに前記ロックピン34aをロックバネ35によるロックアーム34の揺動操作力によって入り込ませる。すると、角度調節機構30は、ロック状態になり、ロックアーム34によって位置決め部材31を揺動しないように固定することによって日除け10を揺動調節された取付け角度でロックする。
【0037】〔別実施形態〕前記連結ネジ軸17の回動操作による日除け10の昇降調節を可能にするに当たり、上記実施形態の如く連結ネジ軸17を昇降モータMによって回動操作するように構成する他、連結ネジ軸17にベベルギヤ機構を介して連動する操作ハンドルを備え、この操作ハンドルを人為的に正回転や逆回転側に回動操作することによって連結ネジ軸17を日除け10の上昇側や下降側に回動操作するように構成して実施してもよい。いずれの場合も、連結ネジ軸17を回動操作するだけで日除け10の昇降調節が行えるのであり、本願発明の目的を達成できる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2003−180133(P2003−180133A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−389424(P2001−389424)