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【発明の名称】 脱穀機の二番処理装置
【発明者】 【氏名】山中 俊雄
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【氏名】川崎 晃一
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【氏名】上久保 宏治
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【氏名】平松 康平
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【要約】 【課題】還元物の枝梗処理を行っても粉塵が機外に流出しない選別経路に処理装置を設けるとともに、受け網から落下する扱卸物と還元物の双方を混入させて枝梗除去率を高め、揺動選別装置に拡散供給する二番処理装置の提供である。

【解決手段】処理部(32)を内装する処理ケース(11)を二番還元筒(5)に直交させ、受け網(30)の下方に終端側を臨ませて扱卸物を漏斗口(7)から流入させ、還元物と合流する処理装置にするとともに、還元物の投入方向に対面する受け歯(17)を前記処理ケース(11)内に立設させたり、取込羽根(14)の終端をツースバー(12)に継設した二番処理装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 選別部で未処理物を分離回収して揺動選別装置に還元する二番還元筒を設け、これに直交する処理部を連設して揺動選別体の上方に装着した二番処理装置において、処理部(32)を構成する処理胴(2)に対向する漏斗口(7)を処理ケース(11)の上方に開口し、扱胴(27)に張設した受け網(30)の下方に前記処理ケース(11)の終端側を臨ませたことを特徴とする脱穀機の二番処理装置。
【請求項2】 二番還元筒(5)の先端に設けたメタルケース(10)と継設する処理ケース(11)を一体化し、前記二番還元筒(5)に対して回動自在に嵌着させたことを特徴とする請求項1に記載した脱穀機の二番処理装置。
【請求項3】 処理ケース(11)の内側に受け歯(17)を立設し、二番還元軸(1)に設けた送穀羽根(13)の放出方向と対面する配置にしたことを特徴とする請求項1に記載した脱穀機の二番処理装置。
【請求項4】 処理部(32)の始端側を形成する頭部(29)に取込羽根(14)を設け、その終端をツースバー(12)に継設させたことを特徴とする請求項1に記載した脱穀機の二番処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】脱粒した扱卸物の選別中に生じた未処理物を還元する搬送経路に処理装置を設け、枝梗付着粒を除去する脱穀機の二番処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、グレンタンクに搬出する揚穀筒に直交する処理胴を設け、良穀粒に混在する枝梗付着粒をグレンタンクに集穀する直前に除去するものが特開平09−084445号公報に記載され、穀粒の全量がこの処理装置を通過することで相互の干渉作用が生じ枝梗の除去効果を向上させたものであるが、穀粒の表皮が磨耗して多量の粉塵が発生したり、タンク内の拡散を妨げるために吸塵ファンや分散を目的とした拡散羽根を設ける等の補助手段を要する問題点がある。又、二番還元物を搬送する受継ぎ部に回転ツースと重合する受け歯を立設させ、これを脱着自在に設置したものが特開平07−143817号公報に開示されているが、このような処理装置は一回転で還元物が処理装置を通過して二番還元筒に受継ぐ構成となり、横送りをする処理装置に比べて枝梗の除去率が低くなるとともに、揺動選別体への拡散が改善されない問題点が残る。本発明は、扱室の受け網と揺動選別体の上方で形成する空間に処理装置を設け、その上方を開放して扱卸物を部分導入する構成にし、還元物と扱卸物を合流させて横送りしながら枝梗除去を効果的に行い、軸流方向の広範囲に穀粒を放出して再選別をし易くした二番処理装置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】二番還元物の枝梗処理を行っても粉塵が機外に流出しない選別経路に処理装置を装備し、枝梗の除去率を高めて還元物と選別前の扱卸物から枝梗付着粒を減少し、選別性能を向上させた二番処理装置の提供を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために二番還元筒と直交するように処理部を設けて還元物を横送りし、受け網から落下する扱卸物の一部を合流させて枝梗除去を行い揺動選別体の上面に吐出口を臨ませて軸流方向に放出する二番処理装置の構成にしたものである。
【0005】二番還元筒と直交する処理装置を揺動選別体の上方に装着した二番処理装置において、処理胴に対向する漏斗口を処理ケースの上方に開口し、受け網の下方に前記処理ケースの終端側を臨ませ、扱卸物を導入して還元物と合流させ横送りをしながら枝梗除去をする手段を講じたものである。
【0006】二番還元筒の先端に設けたメタルケースと継設するた処理ケースを一体化し、前記二番還元筒に対して回動自在に嵌着させ、機体の外側に開閉カバーを設けて整備点検時に開放し、処理装置を機外に反転させて詰まり等の除去操作を行い易くする手段を講じたものである。
【0007】処理ケース内に立設した受け歯を二番還元軸に設けた送穀羽根の放出方向と対面させた配置にし、投入する還元物の障壁にして横送り速度に抵抗を生じさせ、ツースバーの衝打回数を確保する手段を講じたものである。
【0008】 処理部の始端側を形成する頭部に取込羽根を設け、その終端を先方のツースバーに継設させて集合した穀粒を前記ツースバーに誘導し、初期の脱粒を効果的に行い受継ぎ性能と処理性能を向上させる手段を講じたものである。
【0009】
【発明実施の形態】
【実施例】本発明による未処理物を処理しながら選別部に還元する二番処理装置について、コンバインに搭載した脱穀部の実施例図を参照に説明すると、図6は二番処理装置に処理部を設けたコンバインの側面図であって、左右一対のクローラ走行装置(20)に支持された機台(21)上に脱穀部(B)を搭載し、前方に昇降自在の刈取部(A)を装着して刈高さ調節を行ない分草板(24)で植立穀稈を浮揚させ、刈刃(22)で切断して継設する揚上搬送装置(23)で前記脱穀部(B)に張設したフィードチェン(25)の始端部に受継がせ、扱室(8)に装架した扱胴(27)によって脱粒処理を行い外周に張設した受け網(30)から扱卸物が揺動選別体(3)上に落下するものであって、前後方向に揺動するチャフシーブ(31)等で穀粒を分離しながら下方に併設した選別部(C)に誘導し、矢印(イ)方向の風選別をするようにしたコンバインの形態である。
【0010】脱穀した扱卸物の選別経路は、扱室(8)で発生した処理物が受け網(30)から漏下した扱卸物が前後に揺動する揺動選別体(3)上に落下し、篩選別を行いながらチャフシーブ(31)の始端側で主に単粒を分離し、一番回収域(33)で集穀する経路と、一方枝梗付着粒と少量の単粒が混合した還元物を後方の二番回収域(35)に落下させる分別した経路にし、下方に併設した選別部(C)の前方に設けたファン(36)の選別風によって塵埃を矢印(イ)方向に吹き飛ばし、機体後方に配設した吸引ファン(37)で吸塵して機体後方に放出する選別経路にしてある。
【0011】分離した良穀粒は、一番コンベア(40)で搬送して機台(21)の右側に並設したグレンタンク(43)に一時貯留するが、前述した枝梗付着粒の多くは未処理物となって二番コンベア(41)で集穀され、機体外側(42)に斜設した二番還元筒(5)の下方と連設し、上方に直交配置にした処理胴(2)を装着させて枝梗付着粒を除去し、揺動選別体(3)上に放出する搭載用の脱穀部(B)を形成したものである。
【0012】脱粒と選別を行なった良穀粒を一時貯留するグレンタンク(43)を機台(21)の右側に並設して適宜放出する排出オーガ(45)を備えるとともに、前方に連設した運転席(D)のサイドパネルには変速レバー(47)を設け、ステップ(51)の先端に立設するステアリングコラム(48)に操行レバー(50)を立設して走行操作を行い、対向するシート(52)との間隔を適性な運転姿勢に調節可能とした操縦装置を備えたコンバインである。
【0013】図1は、二番処理装置の要部を断面した側面図であって、本発明の要旨である処理部を設けた二番処理装置の構造について説明すると、二番還元軸(1)の先端に送穀羽根(13)を固着し、軸端に一対のベベルギア(55)を噛合させたメタルケース(10)を設けて前記二番還元軸(1)を支持し、これに直交する処理胴軸(56)を設けてツースバー(12)を植設した処理胴(2)を嵌着させ、始端側にリード角を有する取込羽根(14)を固設した頭部(29)を設け、終端側に跳出し羽根(19)を連設した一体化構造の処理部(32)が形成され、処理ケース(11)の後壁(16)に設けたメタル(57)で前記処理胴軸(56)の軸端を支持した二番処理装置である。
【0014】このような配置にした処理胴(2)の構造は、処理胴軸(56)に嵌着するボス(58)に取付け板(60)を放射状の4方向に突設させ、鋼板を折曲げて成形したツースバー(12)を前記取付け板(60)に脱着自在に植設した処理胴(2)の構成てある。又、処理ケース(11)の内側に立設する受け歯(17)を送穀羽根(13)の投入方向に対面する配置にしたものであって、前記ツースバー(12)の歯先を重合させ、この間を通過する衝撃によって枝梗付着粒の単粒化を促進する処理装置にするとともに、後端に設けた跳出し羽根(19)で矢印(ハ)の軸流方向に放出して揺動選別体(3)の上面に拡散する構成にしたものである。
【0015】還元物の搬送経路は、選別部(C)の二番回収域(35)に分別した還元物を二番コンベア(41)で集穀し(図6に図示)軸端と連設した二番還元筒(5)内を上昇しながら送穀羽根(13)に到達し、処理胴(2)の始端側に嵌着させた頭部(29)の正面側から矢印(ロ)方向の投入をするものであって、この受継ぎ方向に対面するように受け歯(17)を立設し、投入穀粒の障壁としたことで前記処理胴(2)内の送穀速度を緩和するものである。又、搬送速度を調整するためにツースバー(12)が作用する処理ケース(11)の周面に複数の調節板(63)を調節可能に螺着し、後方に処理物を誘導して後端に同着した跳出し羽根(19)で軸流方向に放出するので、揺動選別体(3)の上面における拡散が一層広がり、選別部(C)に均等落下して選別性能が向上するものである。
【0016】図2は二番処理装置の処理部を断面した正面図であって、図1の側面図を併用して扱室(8)で生じた枝梗付着粒が混在する扱卸物を処理部(32)に部分供給する構成を説明すると、受け網(30)からの漏下が激しい前方側にホッパー(9)を対設し、処理ケース(11)の上方に開口した漏斗口(7)に扱卸物を矢印方向の部分導入を行い、処理胴(2)で処理中の還元物と合流させながら枝梗処理を促進することから、扱卸物と還元物の双方から枝梗除去が行える構成になるとともに、揺動選別体(3)上の始端側に落下する扱卸物が右側に片寄る現象を軸流方向に分散可能にした二番処理装置である。
【0017】処理胴(2)を形成するツースバー(12)は、鋼板を打ち抜きU字型に折り曲げて成形し、平面部(67)にボルト(68)を挿通させて取付け板(60)に脱着自在に締結してある。又、矢印(ホ)方向に回転する前記ツースバー(12)の歯先と重合する受け歯(17)を数列処理ケース(11)の内側に立設するとともに、後壁(16)に開口する吐出口(15)に至る軸流方向の移動速度を変化させる調節板(63)を前記処理ケース(11)の膨出部分に複数斜設した処理ケース(11)の構成である。
【0018】図3の「a」、「b」は、処理部の終端に固着した跳出し羽根の要部平面図と正面図であって、跳出し羽根(19)の図示する斜線部を折曲げて処理物を矢印(ヘ)の軸流方向に放出する推進斜面(65)を形成したものであり、処理部(32)の軸芯であるボス(58)と取付け板(60)の後端に溶着して一体化させ、枝梗除去後の処理物を矢印(ハ)の軸流方向に放出し、供給側と反対方向の揺動選別体(3)上に拡散供給する構成にしたものである。
【0019】図4は二番処理装置と周辺の斜視図であって、関連する受け網(30)と揺動選別体(3)の配置を説明すると、前記受け網(30)の円弧形状と前記揺動選別体(3)の上方で形成する空間に処理部(32)を装着し、扱胴(27)に直交するように処理装置を横設したものであって、扱室(8)の前方で漏下する扱卸物に対向するホッパー(9)を設け、その先端縁(73)が前記受け網(30)に近接するように設置し、矢印方向に落下する扱卸物を処理ケース(11)の上方に開口した漏斗口(7)で前記処理部(32)に導入する構成にしてあって、前記ホッパー(9)に扱卸物が流入し易い配置にして還元物と合流させ、選別前の扱卸物と還元物の双方から枝梗除去をする二番処理装置にしたものである。
【0020】図5は処理装置を外側に反転させた側面図であって、整備点検を機外で実施可能にした反転構造であり、二番還元筒(5)の上方に締結座(49)を固着し、これに嵌着するメタルケース(10)のフランジ(53)に長穴を穿孔してノブボルト(70)で回動自在に接合させ、処理装置を支持する構成にしたものであって、機体の外側(42)に付設したカバー(72)を取り外した後の掃除窓から前記処理装置を反転させて機外に取出し、点検整備を行うために図示する鎖線位置から二番還元軸(1)の軸芯(71)を中心に矢印(ト)の方向に90度回動する構成にしたものである。尚、ホッパー(9)は装着位置から別途の移動手段を用いて取り外し、処理装置のみを回動する構成にすると反転操作が容易に行え効果的である。
【0021】図7は処理部の斜視図であって、円錐状の頭部(29)に送穀方向のリード角を有する取込羽根(14)を固設し、連設する処理胴(2)に先行させて植設したツースバー(12)に前記取込羽根(14)の終端部を継設し、受継いだ還元物の初期脱粒を有効に行うために、前記ツースバー(12)に誘導して枝梗除去の衝打回数の確保と、受継ぎ部の取込みを円滑にしたものである。
【発明の効果】以上説明したように二番還元筒に直交する処理部を設け、揺動選別体の上方に臨ませて扱卸物と還元物を処理部で合流させ、前記揺動選別体に拡散供給をする二番処理装置にしたので、以下に掲げるような効果を発揮するものである。
【0022】二番還元筒と直交する処理部を連設し、揺動選別体の上方に装着した枝梗処理装置において、受け網の下方に処理ケースの終端側を臨ませて、内装する処理胴に対向した漏斗口を処理ケースの上方に開口し、扱卸物を導入して還元物と合流させながら枝梗除去をする構成にしたので、処理胴内の穀粒充填度が高まり穀粒の相互干渉による枝梗除去が促進され、選別前の扱卸物と還元物の双方から枝梗付着粒が除去されて選別精度と枝梗除去率が向上した。
【0023】二番還元筒の先端に設けたメタルケースと継設する処理ケースを一体化し、前記二番還元筒に対して回動自在に嵌着させ、機体外側に設けた開閉カバーを整備点検時に開口し、処理装置を機外に反転させて詰まり等の除去操作を行い易くしたので、補修や掃除が簡単にできるようになった。
【0024】処理ケース内に立設した受け歯を二番還元軸に設けた送穀羽根の放出方向に対面させる配置にしたので、投入される還元物の障壁になって横送り速度に抵抗が生じ、直接吐出口に達する未処理の飛散が防止されてツースバーの衝打回数が増加して処理効果が向上した。
【0025】処理部を形成する頭部に取込羽根を設け、その終端を先方のツースバーに継設させたので、取込み穀粒を集合させながら前記ツースバーに誘導し、初期の脱粒が効果的に行われ受継ぎ性能と処理性能が向上した。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地
【出願日】 平成13年12月10日(2001.12.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−169532(P2003−169532A)
【公開日】 平成15年6月17日(2003.6.17)
【出願番号】 特願2001−375115(P2001−375115)