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【発明の名称】 穀物排出装置
【発明者】 【氏名】河野 健治
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】岡崎 秀範
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、横排出オーガ6内には前記移動オーガ8の伸縮に関わらず長さが変更しない固定オーガ螺旋10と前記移動オーガ8の伸縮に応じて長さが変化する伸縮螺旋20とを設け、該伸縮螺旋20は合成樹脂により形成した穀物排出装置。
【請求項2】 請求項1において、前記移動オーガ8の移動オーガ筒14は、前後に後側移動オーガ筒14Aと前側移動オーガ筒14Bとに分割形成し、前記後側移動オーガ筒14Aおよび前記伸縮螺旋20は一定所定長さに形成し、前記前側移動オーガ筒14Bおよび前記伸縮螺旋20の先側の固定螺旋40は長さの相違するものを数種類用意して夫々コンバインの全長に合わせて選択的に取付ける穀物排出装置。
【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記固定オーガ7の固定オーガ筒9と移動オーガ8の移動オーガ筒14のうちの何れか一方または両方は、該オーガ筒の両端は中間筒部50より大径の大径筒部51に形成し、該大径筒部51と前記中間筒部50の間には次第に小径となる傾斜筒部52を形成し、この中間筒部50と大径筒部51と傾斜筒部52とは塑性加工により一体成形し、前記大径筒部51内の前記固定オーガ7の固定オーガ螺旋10または伸縮螺旋20の何れか一方または両方の螺旋翼の直径は、中間部分の螺旋翼の直径より大に形成した穀物排出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、穀物排出装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の実開平1−121240号公報には、グレンタンク内に一時貯留された穀粒を排出する排出オーガを伸縮自在にした構成について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、移動オーガが伸長するに連れて重量(負荷)が大になる点に工夫がなく、支持構成等の全てを堅牢にするという課題がある。また、公知例は、横排出オーガ全体が重く、オーガ螺旋の回転による慣性力が大きく、取付部分や支持部分への負荷・負担が大きく、全体の耐久性も低いという課題がある。また、湿った穀粒の場合、螺旋に穀粒やごみ等が付着し、回転トルクが上昇することがある。
【0004】
【発明の目的】排出オーガの軽量化、振動の減少、取付部分や支持部分への負荷・負担の減少、耐久性の向上、搬送の円滑化、搬送の確実性を向上、詰まり発生の抑制、伸縮の円滑化、低コスト化、搬送中の穀粒の脱ぷ発生の抑制、耐摩耗性の向上。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、横排出オーガ6内には前記移動オーガ8の伸縮に関わらず長さが変更しない固定オーガ螺旋10と前記移動オーガ8の伸縮に応じて長さが変化する伸縮螺旋20とを設け、該伸縮螺旋20は合成樹脂により形成した穀物排出装置としたものであり、固定オーガ7に対して移動オーガ8を移動オーガ8を伸縮させて横排出オーガ6の先端をトラックのタンクに位置合わせし、次いで、グレンタンク4内の穀粒を縦揚穀装置5により揚穀し、揚穀した穀粒を横排出オーガ6の固定オーガ螺旋10と伸縮螺旋20により搬送して排出し、排出作業が終了すると、横排出オーガ6は縮小させて格納する。本発明は、前記移動オーガ8の移動オーガ筒14は、前後に後側移動オーガ筒14Aと前側移動オーガ筒14Bとに分割形成し、前記後側移動オーガ筒14Aおよび前記伸縮螺旋20は一定所定長さに形成し、前記前側移動オーガ筒14Bおよび前記伸縮螺旋20の先側の固定螺旋40は長さの相違するものを数種類用意して夫々コンバインの全長に合わせて選択的に取付ける穀物排出装置としたものであり、固定オーガ筒9および後側移動オーガ筒14Aと、固定オーガ螺旋10および伸縮螺旋20とを変更することなく、後側移動オーガ筒14Aに前側移動オーガ筒14Bを、伸縮螺旋20の先側に固定螺旋40を夫々選択して取付けると、コンバインの全長に合わせた横排出オーガ6となる。本発明は、前記固定オーガ7の固定オーガ筒9と移動オーガ8の移動オーガ筒14のうちの何れか一方または両方は、該オーガ筒の両端は中間筒部50より大径の大径筒部51に形成し、該大径筒部51と前記中間筒部50の間には次第に小径となる傾斜筒部52を形成し、この中間筒部50と大径筒部51と傾斜筒部52とは塑性加工により一体成形し、前記大径筒部51内の前記固定オーガ7の固定オーガ螺旋10または伸縮螺旋20の何れか一方または両方の螺旋翼の直径は、中間部分の螺旋翼の直径より大に形成した穀物排出装置としたものであり、始端側の大径筒部51から傾斜筒部52を経て中間筒部50に穀粒は大径の螺旋翼により終端側の搬送され、終端側の傾斜筒部52を経て大径筒部51に搬送された穀粒は大径の螺旋翼により再び搬送される。
【0006】
【発明の効果】請求項1では、移動オーガ8の伸縮に応じて長さが変化する伸縮螺旋20を合成樹脂により形成しているので、横排出オーガの全体を軽量化し、伸縮螺旋20の回転する際の放射方向への慣性力を小さくでき、それゆえ、横排出オーガ6全体の振動を減少させられ、取付部分や支持部分への負荷・負担も減少させ、全体の耐久性も向上させるだけでなく、湿った穀粒や塵埃等の付着を低減させ、これにより伸縮螺旋20の回転トルク負荷を軽減させる。請求項2では、前項に加えて、少ない部品点数で全長の相違する各種のコンバインに適応した横排出オーガ6を提供でき、コストを低くできる。請求項3では、前記各請求項の効果に加えて、更に、横排出オーガ6の製造組立てを容易にして、コストを低くすると共に、搬送能力を向上させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図により説明すると、1は走行装置、2は走行装置1の上方に設けた脱穀装置、3は脱穀装置2の前方に設けた刈取部、4は脱穀装置2の側部に設けたグレンタンク、5はグレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置、6は横排出オーガである。前記横排出オーガ6は、前記縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成する。前記固定オーガ7の固定オーガ筒9の基部と縦揚穀装置5との接続部分は公知であり、横軸回動自在および縦揚穀装置5の軸心を中心に先端が旋回するように構成する。固定オーガ筒9には固定オーガ螺旋10を設ける。固定オーガ螺旋10は固定オーガ筒9に設けた中間側軸受部11に軸装する。前記固定オーガ筒9の外周部分には外側軸受部材12を設け、外側軸受部材12には伸縮作動軸部材13の先端を軸装し、伸縮作動軸部材13には移動オーガ8の移動オーガ筒14の任意部分に設けた伸縮用受部材15を螺合させ、前記伸縮作動軸部材13の基部側は前記固定オーガ筒9の外周に設けたモータ等により構成する駆動部材16に接続し、駆動部材16により伸縮作動軸部材13を回転させて伸縮用受部材15を長さ方向の往復移動させて移動オーガ8を固定オーガ7に対して伸縮させる。
【0008】しかして、前記移動オーガ筒14内には、移動オーガ8の伸縮に応じて長さが変化する伸縮螺旋20を設け、該伸縮螺旋20は合成樹脂により構成する。即ち、伸縮螺旋20は合成樹脂により構成することにより、金属製の伸縮螺旋に比して軽量化して、横排出オーガ6を旋回させるときの負荷を減少させるが、他にも湿った穀粒や塵埃等の付着を低減させ、これにより伸縮螺旋20の回転トルク負荷を軽減させて、好適である。前記伸縮螺旋20の構成の一例を示すと、前後方向(伸縮方向を説明の都合上「前後」とする)の円筒形状の移動部材21の前後端に夫々前後方向に突き出るように板状の係合部材22を形成し、係合部材22の前後両端には夫々前後側係合部23、24を形成し、移動部材21の前後の係合部材22の前後両端に亘ってその外面に移動側螺旋翼25を形成して一つの移動螺旋ピース26を構成する。各移動螺旋ピース26は、前記移動部材21に形成した異径形状の異径挿通孔27を、外周面が異径挿通孔27と同一形状の伝達軸部材28に、前後側の係合部材22の前側係合部23と後側係合部24とが互いに係合するように組合せて挿通する。
【0009】この場合、移動螺旋ピース26の係合部材22の前側係合部23と後側係合部24とは互いに鍵型状に形成して伸縮方向に対して交差方向に係合するようにすると共に、前側係合部23は伸縮螺旋20の回転方向と反対側に突出形成し、後側係合部24は伸縮螺旋20の回転方向側に突出形成し、搬送方向の上手側の移動螺旋ピース26の移動側螺旋翼25の裏側に搬送方向の下手側の移動螺旋ピース26の後側係合部24を位置させる(図9)。したがって、前側係合部23と後側係合部24の夫々は互いの係合を強固にし、搬送方向の下手側の移動螺旋ピース26の後側係合部24を搬送方向の上手側の移動螺旋ピース26の移動側螺旋翼25の搬送方向裏側に位置させることにより、前側係合部23と後側係合部24の係合部分が搬送抵抗とならず、搬送を円滑確実にしている。また、前側係合部23は移動側螺旋翼25の前端29に続いて伸縮螺旋20の回転方向と反対側に突出形成し、後側係合部24は移動側螺旋翼25の後端30に続いて伸縮螺旋20の回転方向側に突出形成すると、一層、搬送が円滑になる。即ち、移動螺旋ピース26の基部側の移動側螺旋翼25と先端側の移動側螺旋翼25とが前側係合部23と後側係合部24の係合部分で重複し、上手側の移動側螺旋翼25の前側端部を下手側の移動側螺旋翼25の後側端部より前側に位置させているので、搬送穀粒は基部側の移動側螺旋翼25により前側係合部23と後側係合部24の係合部分よりも一旦前側まで搬送し、次いで、下手側の移動側螺旋翼25が引継ことになり、搬送を円滑にする。
【0010】この場合、前側係合部23と後側係合部24の外面31は移動部材21と同芯状の円弧面に形成しているので、藁屑等の引っ掛かるのを防止し、穀粒が脱ぷするのも抑制する(図10)。また、軸心方向において、上手側の移動側螺旋翼25の前側端部と下手側の移動側螺旋翼25の後側端部との間に間隔Lを設けているので、一層、藁屑等の引っ掛かるのを防止し、穀粒が脱ぷするのも抑制する。また、正面視(軸心方向から見ると)において移動側螺旋翼25の端縁(前端29)は、円弧面に形成しているから、移動側螺旋翼25が穀粒群に進入するときの衝撃を緩和減少させている。また、前側係合部23と後側係合部24の夫々端部には放射方向に係合部材22の外面よりL分突き出す凸部32を夫々形成し、移動螺旋ピース26の軸心方向に対する放射方向へのずれに対する係合面積を確保し、互いの係合を強固にしている(図11)。即ち、製造精度および組立て精度が原因による軸心方向に対する放射方向のばらつきをL分突き出す凸部32により吸収して係合面積を確保し、互いの係合を強固にする。この場合、前側係合部23と後側係合部24の夫々の凸部32の係合部分は上手側の移動側螺旋翼25の搬送面の搬送方向裏側に位置させているので、藁屑等の引っ掛かるのを防止し、穀粒が脱ぷするのも抑制する。
【0011】しかして、移動螺旋ピース26のうち基部側の移動螺旋ピース26の後側係合部24は固定オーガ螺旋10側に、先端の移動螺旋ピース26は伝達軸部材28の先端側に、夫々任意の方法手段により係止する。したがって、移動オーガ筒14と共に伝達軸部材28が伸長すると、最先端の移動螺旋ピース26は伝達軸部材28との係止部分により牽引され、次に、最先端の移動螺旋ピース26の後側係合部24が後側の移動螺旋ピース26の前側係合部23に係合して牽引して各移動螺旋ピース26が伝達軸部材28に対して移動し、反対に移動オーガ筒14と共に伝達軸部材28が縮小すると、最先端の移動螺旋ピース26が後側の移動螺旋ピース26を後側に押して各移動螺旋ピース26が伝達軸部材28に対して移動して間隔が縮小する。この場合、前記伝達軸部材28は四角形や五角形の多角形状や、所謂小判型形状等の異径形状に形成し、伝達軸部材28の先端は移動オーガ筒14の先端の先端軸受部材33に軸装し(図8)、伝達軸部材28の基部側は固定オーガ螺旋10の固定螺旋回転軸34に二重軸状に摺動のみ自在に嵌合させる(図2)。それゆえ、実施例では、固定オーガ螺旋10は固定オーガ筒9の先端に設けた中間側軸受部11まで構成し、中間側軸受部11から移動オーガ筒14の先側には前記伸縮螺旋20が設けられ、この伸縮螺旋20のうちの少なくとも移動側螺旋翼25合成樹脂により構成し、移動部材21あるいは係合部材22の一部または全部を金属材料により形成すると、移動が円滑になって好適である。
【0012】しかして、図13、14は、移動オーガ筒14を後側移動オーガ筒14Aと前側移動オーガ筒14Bとに前後に分割形成し、前側移動オーガ筒14Bは長さの相違するものを数種類用意し、前記伸縮螺旋20の先側の伝達軸部材28に前記選択した移動オーガ筒14Bの長さに対応する固定螺旋40を選択的に取付け、各種の伸長する長さの相違する伸縮横排出オーガ6に構成する。したがって、伸長前の固定オーガ7と移動オーガ8の伸縮螺旋20の長さを変更することなく、各種の長さを有するコンバインの全長に合わせた伸縮横排出オーガ6に容易にでき、全長の相違するコンバインにも対応性の高い伸縮横排出オーガ6を提供できる。しかして、前記移動螺旋ピース26のうち始端部の移動螺旋ピース26Aの移動部材21にはボス部41を形成し、ボス部41は前記中間軸受部11に対して回転自在に嵌合した筒部42の一旦外周に嵌合させボルト等の止着具により固定し、筒部42の他端は固定オーガ螺旋10側に固定し、固定オーガ螺旋10の回転を筒部42を介して始端部の移動螺旋ピース26Aの移動部材21に伝達し、始端部の移動螺旋ピース26Aの移動部材21が伝達軸部材28に回転を伝達し、伝達軸部材28がその他の移動螺旋ピース26に回転を伝達する。この場合、ボス部41と筒部42には夫々軸心に対して放射方向の取付孔を2個設け、2個のうちの何れか一方の一方取付孔44は何れか他方の他方取付孔45に対して大径に形成し、前記一方取付孔44および他方取付孔45にはボルト等の一方止着具46および他方止着具47を挿入(螺合)させ、始端部の移動螺旋ピース26を前記中間軸受部11の筒部42に固定する(図15、16)。したがって、2個の取付孔は、必ず、筒部42に正しい位置(向き)で固定され、固定オーガ螺旋10と移動螺旋ピース26の移動側螺旋翼25とが連続した配置となって、誤組を防止する。
【0013】しかして、横排出オーガ6は、固定オーガ7と該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成し、前記固定オーガ7の固定オーガ筒9と移動オーガ8の移動オーガ筒14のうちの何れか一方または両方は、各オーガ筒9(14)の両端は中間筒部50より大径の大径筒部51に形成し、該大径筒部51と前記中間筒部50の間には次第に小径となる傾斜筒部52を形成し、この中間筒部50と大径筒部51と傾斜筒部52とは塑性加工により一体成形する。したがって、オーガ筒9(14)の内周面は継ぎ目による段差のない平端面に形成でき、搬送の抵抗となる部分を発生させない。即ち、従来のオーガ筒は終始同径に形成し、その基部と先端の両端にメタルを設けており、オーガ筒とメタルの2部品となるため、オーガ筒とメタルとの取付部分に段差・隙間等が発生し、これが搬送抵抗となる不具合がある。また、長い固定オーガ筒と移動オーガ筒の両者の芯出し精度を出すのが困難ため、固定オーガ筒の外周と移動オーガ筒の内周との間にある程度隙間がないと、円滑に伸縮しないから、この隙間を作るために固定オーガ筒を移動オーガ筒に対して細くするが、固定オーガ筒の直径を小径にしたのでは、縦揚穀装置との取付部分の面積が小となってしまって強度が確保できないという別の課題が発生する。そこで、強度確保のため、夫々のオーガ筒を太くすれば全体が太くなって重量が嵩むことになるから、従来は、オーガ筒全体を細くしてそこにメタルを取付け、これに取付用のフランジ部材を設けていたのである。本願では、従来のようなメタルが不要となり、これに伴う削り出し等の加工も不要となって大幅なコストダウンが実現でき、また、塑性加工により一体形成のため、オーガ筒9(14)の内周面は継ぎ目による段差のない平端面に形成でき、搬送抵抗を減少させ、また、全体の歪みが少なくこの点でも穀粒の搬送抵抗を減少させる。上記の場合において、各オーガ筒9(14)の両端の大径筒部51内には、中間部分の螺旋翼10(25)の直径より大に形成した大径螺旋翼部53を設け、引継および穀粒搬送能力を向上させる(図18)。
【0014】しかして、移動螺旋ピース26の移動側螺旋翼25は、穀粒が当たる搬送側の当接面54を、その翼端縁(翼周縁部分)55より軸心に向かって、軸心方向に対して略直交する面形状とし、穀粒が当たらない非搬送側の非当接面56を、翼端縁55より基部側に至るに従い後側に傾斜する傾斜面となる断面形状に形成し、耐摩耗性を向上させる。即ち、当接面54側は傾斜していないので非当接面56のような傾斜(図19の仮想点線)になるまで摩耗しても、移動側螺旋翼25としての搬送力を保持でき、使用しうる耐久時間を長くして耐久性を向上させ、非当接面56は傾斜させてその分薄く成形することで、重量増加を最小限にしている。単に強度面と型抜の容易さからは、移動側螺旋翼25の断面形状は、翼端縁55部分が最も薄く、基部側に至るに従い厚く両面とも傾斜面に形成する傾向となるが(図20)、この形状では全体を厚くしないと、充分な強度を保持できないが、本願のようにすることで、耐久性の向上と軽量化を両立させる。
【0015】また、図21の実施例では、移動螺旋ピース26の移動側螺旋翼25は、非当接面56を所定角度の傾斜面とし、翼端縁55より軸心に向かう所定長さ部分の当接面54は軸心方向に対して略直交する面形状にして肉厚部57に形成し、耐久性を保持あるいは向上させる。即ち、翼端縁55より軸心に向かう所定長さ部分は、穀粒が当たったときの搬送抵抗が係るところなので、この部分を肉厚部57にすることにより使用しうる耐久時間を向上させ、図における肉厚部57の下縁はその下方の当接面54より搬送方向前側に厚みを有するように位置し、肉厚部57の下縁より下方の当接面54は肉厚部57より搬送方向後側にすると共に所定角度の傾斜面にして薄く成形することで、一層、重量増加を最小限にしている。この場合、肉厚部57は、各移動螺旋ピース26の移動側螺旋翼25の翼端縁55の全周に亘って形成する。
【0016】また、図23の実施例では、移動螺旋ピース26の移動側螺旋翼25は、翼周縁部分(翼端縁部分)の断面形状を、略球形状の球縁部58とし、球縁部58は各移動螺旋ピース26の移動側螺旋翼25の翼端縁の全周に亘って形成し、耐久性を保持あるいは向上させる。即ち、穀粒が当たって搬送抵抗が大きい部分を球縁部58にすることにより使用しうる耐久時間を向上させ、また、移動側螺旋翼25の非搬送側部分も一部肉厚にすることで、強度を向上させ、また、移動側螺旋翼25が穀粒群に進入するときの衝撃を減少させる作用が期待でき、好適である。しかして、図24の実施例では、移動側螺旋翼25の穀粒が当たる搬送側の当接面54に、移動側螺旋翼25と同材料または耐摩耗性に優れた補強部材59を設ける。したがって、通常の樹脂螺旋に比し、耐摩耗性を向上させ、長時間の使用を可能にする。この場合、補強部材59は薄いシール形状に形成して接着材あるいは粘着テープにより固定すると、作業が容易となって、好適である。また、補強部材59は一例としてPA66材で形成すると、安価・製造容易となる。
【0017】(実施例の作用)機体を走行させて刈取部3により圃場の穀稈を刈取って脱穀装置2で脱穀し、脱穀した穀粒をグレンタンク4にて貯留し、グレンタンク4が一杯になると縦揚穀装置5により揚穀し、揚穀した穀粒を横排出オーガ6により、圃場近傍のトラックのタンクに放出する。前記横排出オーガ6は、前記縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成しているから、モータ等の駆動部材16により伸縮作動軸部材13を回転させると、伸縮作動軸部材13に螺合している伸縮用受部材15が固定オーガ7に対して移動することにより移動オーガ8を伸縮させ、横排出オーガ6の先端をトラックのタンクに位置合わせするのが容易となる。また、排出作業が終了すると、横排出オーガ6は縮小させて格納し、次ぎの作業を再開するので、作業の邪魔にならず、作業性を向上させる。
【0018】しかして、前後方向の円筒形状の移動部材21と、移動部材21の外周に固定した前後方向に長い板形状の係合部材22と、係合部材22の前後両端の外面に固定した移動側螺旋翼25により移動螺旋ピース26を構成し、各移動螺旋ピース26の係合部材22の前後両端の前側係合部23と後側係合部24とが互いに係合するように伝達軸部材28に順に挿通して伸縮螺旋20を固定オーガ筒9と移動オーガ筒14に設けているから、移動オーガ筒14が伸長すると、移動オーガ筒14の先端側の移動螺旋ピース26はその後側係合部24が後側の移動螺旋ピース26の前側係合部23を牽引するまで、伝達軸部材28に対して移動し、後側の移動螺旋ピース26はその後側の移動螺旋ピース26の前側係合部23を牽引するまで、伝達軸部材28に対して移動し、これを反復して、各移動螺旋ピース26の移動側螺旋翼25の間隔(ピッチ)が広くなって、移動オーガ筒14の伸長に対応して伸縮螺旋20も伸長する。そして、伝達軸部材28は四角形や五角形の多角形状や、所謂小判型形状等の異径形状に形成し、伝達軸部材28に移動螺旋ピース26の移動部材21に形成した異径挿通孔27を挿通しているから、各移動螺旋ピース26は伝達軸部材28の軸方向に移動するが、伝達軸部材28が回転すると、各移動螺旋ピース26の移動側螺旋翼25は回転して穀粒を搬送する。
【0019】しかして、移動螺旋ピース26は係合部材22の前後側の前側係合部23と後側係合部24とを互いに係合するように組合せて伝達軸部材28に挿通し、係合部材22に対して移動部材21を短く形成しているので、各移動螺旋ピース26の係合部材22は移動オーガ8が縮小状態のとき互いに重ならずにあたかも移動部材21の外周に一周するように配置され、また、この一周している係合部材22に対応する移動部材21は当接状態となる。なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成13年12月6日(2001.12.6)
【代理人】 【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎 (外1名)
【公開番号】 特開2003−169531(P2003−169531A)
【公開日】 平成15年6月17日(2003.6.17)
【出願番号】 特願2001−373349(P2001−373349)