トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 茶樹剪枝方法並びに装置
【発明者】 【氏名】石川 弘高

【要約】 【課題】粉砕・細断手段に過負荷が生じるのが避けられ故障を防止できるとともに、作業者による作業速度の差も解消でき、だれでもが装置の能力を最大限に引き出せることができる新規な茶樹剪枝方法並びに装置を提供する。

【解決手段】走行機体2に茶樹の枝幹を粉砕または細断するチッパ5等の粉砕・細断手段を搭載して茶樹の剪枝を行う方法並びに装置において、前記粉砕・細断手段の負荷状態を検出する回転検出センサS1、S2等の検出センサを設け、少なくともこの検出センサによる検出された負荷が所定値よりも大きくなった際には、前記走行機体2の走行速度を減速するよう制御することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体に茶樹の枝幹を粉砕または細断する粉砕・細断手段を搭載して茶樹の剪枝を行う方法において、前記粉砕・細断手段の負荷状態を検出する検出センサを設け、少なくともこの検出センサによる検出された負荷が所定値よりも大きくなった際には、前記走行機体の走行速度を減速するよう制御することを特徴とする茶樹剪枝方法。
【請求項2】 前記粉砕・細断手段は、前記走行機体に搭載された剪枝手段により切断された茶樹の枝幹を粉砕または細断するものであり、前記粉砕・細断手段の負荷状態を検出し、この検出値に応じて前記走行機体の走行速度を負荷の大きいときには走行速度を比較的遅く、負荷の小さいときには走行速度を比較的速くなるよう自動制御することを特徴とする請求項1記載の茶樹剪枝方法。
【請求項3】 前記負荷状態の検出は、粉砕・細断手段の回転軸へ回転駆動を伝達するベルトの滑りを検出することにより行うことを特徴とする請求項1または2記載の茶樹剪枝方法。
【請求項4】 走行機体に茶樹の枝幹を粉砕または細断する粉砕・細断手段を搭載して茶樹の剪枝を行う装置において、前記粉砕・細断手段の負荷状態を検出するセンサを設けたことを特徴とする茶樹剪枝装置。
【請求項5】 前記粉砕・細断手段は、前記走行機体に搭載された剪枝手段により切断された茶樹の枝幹を粉砕または細断するものであることを特徴とする請求項4記載の茶樹剪枝装置。
【請求項6】 前記センサの検出値に応じて前記走行機体の走行速度を負荷の大きいときには走行速度を比較的遅く、負荷の小さいときには走行速度を比較的速くなるよう自動制御する制御装置が設けられていることを特徴とする請求項4または5記載の茶樹剪枝装置。
【請求項7】 前記負荷状態の検出は、粉砕・細断手段の回転軸へ回転駆動を伝達するベルトの滑りを検出することにより行うことを特徴とする請求項4、5または6記載の茶樹剪枝装置。
【請求項8】 前記剪枝手段は、バリカン刃タイプの剪枝機であることを特徴とする請求項5、6または7記載の茶樹剪枝装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は茶樹の形を整え、樹勢を促進するために茶樹の枝幹の剪枝を行う手段に関するもので、特に茶樹の枝幹を粉砕または細断する粉砕・細断手段が過負荷状態となるのを防止する茶樹剪枝方法並びに装置に係るものである。
【0002】
【発明の背景】茶樹の剪枝形態は整枝、浅刈り、深刈り、中刈り等いろいろあるが、刈り込まれた枝幹や葉は、茶畝内や畝間(茶畝間の空きスペース)に落とし、有機肥料化させて利用されるのが一般的である。このため刈り取られた枝幹が、茶樹の途中に引っ掛かったままになることを防ぐためや、有機肥料化を促進するために枝幹片はせいぜい数cmとなっていることが要求される。従って例えば刈り取る長さが20〜30cm程度になる中刈りであっても、茶畝や畝間に落下される枝幹片は上記数cmとなるような剪枝手法が採られている。
【0003】ところで従来の剪枝装置は、刈り取りに直接作用する刈刃の形態に着眼すると概ねロータリー刃タイプとバリカン刃タイプとに大別されている。ロータリー刃タイプの剪枝装置は、刈り取った枝幹が比較的細かくなるため、一度に刈り取る枝幹の分量を比較的長く設定することができるが、剪枝面が乱雑であり、茶樹に幹割れ等を生じさせるという問題点がある。なお刈り取る枝幹の分量を比較的長く設定できるといっても、20〜30cmを一度の刈り取りで行うことは不可能である。一方バリカン刃タイプの剪枝装置は、刈り取った後の剪枝面は綺麗に仕上がるが、一度に刈り取ることのできる枝幹の寸法を前記ロータリー刃タイプの剪枝装置ほどには長く設定できず、例えば5〜10cm程度であるから、これを越える中刈りなどの場合には目標長さに刈り取るためには、その作業を複数回繰り返さざるを得ず当然作業時間がかかるという問題点がある。
【0004】そこで上述するような問題点を解消する手段として、本出願人は既に特願2000−162563「茶樹剪枝装置並びに方法」の出願に及んでいる。このものは走行機体に茶樹の枝幹を切断する剪枝手段と、その後方にこの切断された茶樹の枝幹を粉砕または細断する粉砕・細断手段とを搭載して成るものであり、これによれば一度の走行で比較的長い長さの刈り取りが行えるとともに、刈り取り面を綺麗に仕上げることができるものである。
【0005】しかしながら、このような剪枝手段と粉砕・細断手段との双方を搭載した走行機体の走行速度を速くすると、剪枝手段の処理能力に対し、粉砕・細断手段の処理能力が追いつかなくなる。従って、作業者は走行機体の走行速度を調節することにより粉砕・細断手段への枝幹の供給をコントロールすることを要求されていた。しかしながら剪枝手段による剪枝長さによっても粉砕・細断手段の処理時間が変わるため、粉砕・細断手段の処理能力の最大限に近い状態で使用するには、経験を必要とし、作業者によっては粉砕・細断手段の処理能力よりも大幅に遅い速度で走行して作業を行っているケースもあった。またこのような走行機体の速度制御を進路操作とともにマニュアル操作により調節するのは、わずらわしい作業でもある。
【0006】
【開発を試みた技術的課題】本発明はこのような背景からなされたものであって、比較的長い長さを刈り取る剪枝作業であっても一回等の極めて少ない回数で刈り取ることができ、且つ粉砕・細断手段に過負荷が生じるのが避けられ故障を防止できるとともに、作業者による作業速度の差も解消でき、だれでもが装置の能力を最大限に引き出せることができる新規な茶樹剪枝方法並びに装置の開発を試みたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の茶樹剪枝方法は、走行機体に茶樹の枝幹を粉砕または細断する粉砕・細断手段を搭載して茶樹の剪枝を行う方法において、前記粉砕・細断手段の負荷状態を検出する検出センサを設け、少なくともこの検出センサによる検出された負荷が所定値よりも大きくなった際には、前記走行機体の走行速度を減速するよう制御することを特徴として成るものである。この発明によれば、粉砕・細断手段へ処理能力以上の茶樹の枝幹を供給することにより、装置を故障させてしまうことが防止される。また粉砕・細断手段に負荷が大きくかかった際には、常時負荷状態を監視する検出センサにより検出され、これにより走行速度が減速されるため、作業者はあまり走行速度や粉砕・細断手段の負荷について気にすることなく茶樹の剪枝作業を行うことができる。
【0008】また請求項2記載の茶樹剪枝方法は、前記要件に加え、前記粉砕・細断手段は、前記走行機体に搭載された剪枝手段により切断された茶樹の枝幹を粉砕または細断するものであり、前記粉砕・細断手段の負荷状態を検出し、この検出値に応じて前記走行機体の走行速度を負荷の大きいときには走行速度を比較的遅く、負荷の小さいときには走行速度を比較的速くなるよう自動制御することを特徴として成るものである。この発明によれば、だれでもが特に経験を有さなくても、粉砕・細断手段の能力をほぼ最大限に引き出した状態で茶樹の剪枝を行うことができ、平均的に茶樹の剪枝作業が速くなるものであり、作業者による作業速度の格差が生じない。
【0009】更に請求項3記載の茶樹剪枝方法は、前記要件に加え、前記負荷状態の検出は、粉砕・細断手段の回転軸へ回転駆動を伝達するベルトの滑りを検出することにより行うことを特徴として成るものである。この発明によれば、安価且つ容易に粉砕・細断手段の負荷状態の検出を行うことができる。
【0010】更にまた請求項4記載の茶樹剪枝装置は、走行機体に茶樹の枝幹を粉砕または細断する粉砕・細断手段を搭載して茶樹の剪枝を行う装置において、前記粉砕・細断手段の負荷状態を検出するセンサを設けたことを特徴として成るものである。この発明によれば、粉砕・細断手段の負荷状態が検出されるため、例えば走行速度を自動制御したり、ブザーや表示装置により知らせることにより、粉砕・細断手段へ処理能力以上の茶樹の枝幹を供給して装置を故障させてしまうことが防止される。また粉砕・細断手段の負荷状態が常にセンサにより監視されるため、作業者はほとんど走行速度や粉砕・細断手段の負荷について気にすることなく茶樹の剪枝作業を行うことができる。
【0011】更にまた請求項5記載の茶樹剪枝装置は、前記請求項4記載の要件に加え、前記粉砕・細断手段は、前記走行機体に搭載された剪枝手段により切断された茶樹の枝幹を、粉砕または細断するものであることを特徴として成るものである。この発明によれば、茶樹の剪枝が効率的に行われる。
【0012】更にまた請求項6記載の茶樹剪枝装置は、前記請求項4または5記載の要件に加え、前記センサの検出値に応じて前記走行機体の走行速度を負荷の大きいときには走行速度を比較的遅く、負荷の小さいときには走行速度を比較的速くなるよう自動制御する制御装置が設けられていることを特徴として成るものである。この発明によれば、だれでもが特に経験を有さなくても、粉砕・細断手段の能力をほぼ最大限に引き出した状態で茶樹の剪枝を行うことができ、平均的に茶樹の剪枝作業が速くなるものであり、作業者による作業速度の格差が生じない。
【0013】更にまた請求項7記載の茶樹剪枝装置は、前記請求項請求項4、5または6記載の要件に加え、前記負荷状態の検出は、粉砕・細断手段の回転軸へ回転駆動を伝達するベルトの滑りを検出することにより行うことを特徴として成るものである。この発明によれば、安価且つ容易に粉砕・細断手段の負荷状態の検出を行うことができる。
【0014】更にまた請求項8記載の茶樹剪枝装置は、前記請求項5、6または7記載の要件に加え、前記剪枝手段は、バリカン刃タイプの剪枝機であることを特徴として成るものである。この発明によれば、剪枝面が綺麗に仕上がり、茶樹の切断個所に幹割れが生じない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施の形態に基づき説明する。なお本明細書において剪枝とは、いわゆる刈りならし機による整枝作業、浅刈機による浅刈り作業、軽剪枝機による深刈り作業、中刈機による中刈り作業、刈込機による台刈り作業、裾刈機による裾刈り作業を総称するものである。
【0016】図中符号1に示す装置が、本発明に係る茶樹剪枝装置であり、このものは一例として乗用タイプの剪枝装置の態様を採り、具体的には茶畝Tに沿ってこれを跨ぐようにして走行する走行機体2と、茶樹の枝幹A1を切断する剪枝手段たる剪枝機4と、切断された枝幹A1を後方へ移送する案内体7と、この案内体7により移送された茶樹の枝幹A1を粉砕する粉砕・細断手段たるチッパ5と、このチッパ5により粉砕された枝幹粉A2を茶畝間の空きスペースTsに返却する返却手段6等とから成る。なお前記剪枝機4、チッパ5及び返却手段6は、前記走行機体2に対し昇降自在に係止される管理機フレーム体3Fに対し設けられるものであり、これらを管理機体3と総称する。
【0017】以下各機器について詳細に説明する。まず走行機体2について説明する。このものは一例として図1、3に示すように茶畝Tを跨ぐように概ね門形状に形成された走行機フレーム体2Fを骨格部材とし、この走行機フレーム体2Fに対し下方にクローラ21を設けるとともに、このクローラ21の上方に管理機体3が取り付けられる。この管理機体3は、走行機フレーム体2Fの縦フレーム部に対しスライダ22により取り付けられ、走行機体2に設けられた油圧シリンダ25により管理機体3が支持され、シリンダロッド25aを伸縮することにより管理機体3を昇降自在としている。なお本実施の形態では剪枝機4、チッパ5、案内体7及び返却手段6は、管理機フレーム体3Fに対し一体的に取り付けられるものであるが、それぞれ別々のフレーム体及びスライダにより、走行機フレーム体2Fに昇降自在に取り付け、それぞれが独立して高さ調整できるように構成することも可能である。また走行機フレーム体2Fの上部空間を上部デッキ23とし、ここに運転席24や、クローラ21及びスライダ22等を駆動させるためのエンジン26及び油圧ポンプPや、各種制御を行うための制御装置Cp等が搭載される。
【0018】次に剪枝機4について説明する。剪枝機4は、一例としてバリカン刃タイプの剪枝機4を用いるもので、剪枝機フレームに対して、茶畝T上面の円弧にほぼ沿うように設けた上下一対の刈刃41によって実質的に茶樹を切断するものである。刈刃41は、前記走行機体2に設けられるエンジン26及び油圧ポンプPを使用して駆動される油圧モータ21Mにより駆動したり、別途剪枝機4用のエンジンを設けてこれにより駆動する。なお剪枝機4、案内体7及びチッパ5は、最も適した刈り取り態様が選択できるように、管理機フレーム体3Fに対し適宜各機器の前後方向の相対位置を調節可能に取り付けられるものである。
【0019】なお前記剪枝機4には、刈刃41に対し、注油を行う給油装置10を具えることも好ましい。例えば図6に示すものは、上刃41Aと下刃41Bとから成る刈刃41の後部に刈刃41の長手方向に沿って通油路11を設け、ここから分岐管12を通して刈刃41に注油を行うようにしたものである。通油路11への潤滑油の供給は、給油ポンプ13から給油管14によりなされ、給油管14には手動もしくは電動などの開閉弁15が設けられている。なお上刃41Aに付される符号41aは通油孔である。以上のような給油装置10を使用する際には、刈刃41に潤滑油が少なくなった際に、開閉弁15を開放するためのレバーやスイッチを操作し、潤滑油を上刃41Aと下刃41Bの摺動面に対し注油する。刈刃41に注油された潤滑油は刈刃41の往復摺動動作に伴い刃面全体にゆきわたる。なお前記開閉弁15は、例えば電磁弁を用いる場合には、タイマーもしくは適宜のセンサを用いて開閉を自動的に行わせることも好ましい。
【0020】案内体7について説明する。案内体7は図2に示されるように、一例として回転羽根形態のものを用いるもので、走行機体の幅方向に回転自在に架設された回転軸7Aに対し、矩形状をした羽根7Bが数枚取り付けられて成る。案内体7は、刈刃41により切断された枝幹A1を羽根7Bにより後方へ掃き出すように後ろへ案内するものである。
【0021】チッパ5について説明する。チッパ5は、図2に示すようにハンマーミル型のものを用いるものであり、細長い円筒ケーシング51内の中心に回転軸52が設けられ、この回転軸52に取付アーム53を介して複数の回転刃たるハンマー切断刃54が放射状に取り付けられている。円筒ケーシング51の前面には、前述した枝幹A1の切断取込口55が開口されている。また符号56は、粉砕された枝幹粉A2の排出口であり、この排出口56にはスクリーン57が設けられている。また円筒ケーシング51の内周面には、複数本の受刃58が円筒ケーシング51の長手方向に張り渡して設けられている。なお粉砕・細断手段としては、取付アームに刈刃を回動自在にピンにより止めたフレール式の粉砕・細断手段を用いるようにしても構わず、刈り取られた枝幹A1を粉砕・細断し得る種々の粉砕・細断手段を適用できるものである。
【0022】また前記回転軸52の駆動は、図1に示されるように、走行機体2の上部デッキ23上に設けられたエンジン26の駆動軸26aの回転をベルトBとプーリを用いて伝達している。動力伝達機構8について更に詳細に説明すると、駆動軸26aに設けられた駆動軸プーリ81の回転が、走行機体2に固定された中継プーリ82A、82B、82CにベルトBを介してそれぞれ伝達され、このうち最後の中継プーリ82Cからチッパ5上に固定して設けられたチッパ中継プーリ84に対しユニバーサルジョイントにより回転が伝達される。そして、このチッパ中継プーリ84の回転がチッパ5の回転軸52に設けられたチッパ回転軸プーリ85に対しベルトBを介して伝達される。なおチッパ中継プーリ84とチッパ回転軸プーリ85の間に設けられる符号86で示す部材は、テンションプーリである。
【0023】返却手段6について説明する。返却手段6は、前記チッパ5の後方に配設される送風ファン61と、送風ダクト62と、中継路63と、返却ボックス64とから成る。具体的に説明すると前記チッパ5の排出口56に、中継路63の始端が設けられ、この中継路63の終端は返却ボックス64に接続されている。また送風ファン61は返却ボックス64上部に設けられ、送風ダクト62により返却ボックス64内に送風が行われる。なお送風ファン61の駆動は、図1に示されるように、走行機体2のエンジンの駆動軸26aの回転を前記プーリ(駆動軸プーリ81、中継プーリ82A、中継プーリ82B、中継プーリ82C)とベルトBを用いて伝達するものであり、前記中継プーリ83Cから送風ファン61の回転軸に設けられたファン回転軸プーリ87へ回転がベルトBにより伝達される。
【0024】前記返却ボックス64は、図1に示されるように、走行機体2とほぼ同寸の横幅を有し、その左右両端下部に返却口65を有している。返却ボックス64は、底面に設けられる走行機体2のほぼ中央を頂点として左右端に向かって下り傾斜の山状に形成される返却傾斜板66を中心部材として成り、この返却傾斜板66の上方を側面板67及び天板68で覆っている。なお返却口65には、細断または粉砕された枝幹粉A2が散乱して排出されないようにするための案内シート等が適宜設けられる。
【0025】次に本発明の特徴である粉砕・細断手段であるチッパ5の負荷状態の検出構造について説明する。本実施の形態では、チッパ5の負荷状態の検出を、エンジン26の駆動軸26aの回転をチッパ5の回転軸へ伝達するベルトBの滑り状態を検出することにより行うものである。具体的には駆動軸プーリ81の回転状態を検出するロータリーエンコーダ等の回転検出センサS1を設けるとともに、チッパ回転軸プーリ85の回転状態を検出するロータリーエンコーダ等の回転検出センサS2を設けるものである。そしてエンジン26の駆動軸26aとチッパ5の回転軸52の回転数の比を比較することによりベルトBのスリップ状態を検出し、以てチッパ5の負荷状態を検出するものである。エンジン26の駆動軸26aとチッパ5の回転軸52の回転数の比(c)は、次式により求めるものであり、【0026】
【数1】

【0027】このときベルトBにスリップが生じていないときの回転数の比をc0 とすると、ベルトBにスリップが生じた際の回転数の比c1 は、c0 より小さい数値となる。
【0028】次に走行機体2の速度制御の構成について説明すると、図4(a)に示されるようにエンジン26により駆動される油圧ポンプPと、走行機体2の油圧モータ21Mとを連結する供給管27に対しバイパス回路27aを設け、このバイパス回路27aに電磁比例弁などの流量調節弁28を設けて構成されている。
【0029】本発明に係る茶樹剪枝装置1は以上のような具体的な形態を有するものであって、以下この作動状態について説明する。まず剪枝機4の刈刃41の高さと、案内体7と、チッパ5の高さをスライダ22を移動して茶樹を剪枝する高さに設定する。なおこのとき刈り取る枝幹A1の長さを30cmや20cmに設定するなど、従来と比べて一度に長い長さの剪枝が行える。因みに前記刈り取る枝幹A1の長さを30cmより長く設定することも可能である。
【0030】前記剪枝機4等の高さ設定が終了した後、走行機体2を茶畝Tに沿って走行させ、剪枝機4により茶樹の剪枝を開始する。剪枝機4により剪枝された30cm等の長い枝幹A1が、案内体7により後方に掃き出すように後方へ案内されてチッパ5の切断取込口55に取り込まれる。そして円筒ケーシング内で極太大の茎は5〜10cm位に粉砕され、また枝に付いた葉は粉状態に粉砕されて、枝幹粉A2とされ、スクリーン57を通り抜け、更に中継路63を通って返却ボックス64内に投入される。返却ボックス64内に投入された枝幹粉A2は、送風ファン61の送風により返却傾斜板66を滑って茶畝間の空きスペースTsに落下される。なお返却手段6の返却ボックス64が箱状であるため、ある程度の枝幹粉A2のストックが行える。
【0031】以上のように茶樹剪枝装置1によれば、剪枝機4により切断された枝幹A1が枝幹粉A2となって、茶畝間の空きスペースTsに落下されるため、茶樹に切断された枝幹A1が降りかからないし、また細かく砕かれるため、有機肥料化するのが早い。また剪枝機4の刈刃41の位置は、走行機体2の側方から見てほぼ中間位置に設けられているため、走行機体2が走行面の凹凸によりピッチングしても高さ位置がそれほど変わらず、従って茶畝Tの刈取面はほぼ同一高さの精度の良い綺麗な刈取面に仕上がる。
【0032】次にチッパ5の細断・粉砕時における負荷状態に応じた走行機体の走行速度の制御態様について説明する。まずチッパ5の細断・粉砕時における負荷が図5(a)に示されるような少ない状態では、ベルトBは滑っていない状態であり、このベルトBが滑っていない状態におけるエンジン26の駆動軸26aの回転数a0 、チッパ5の回転軸の回転数b0 を求め、このときにおけるエンジン26の駆動軸26aとチッパ5の回転軸52との回転数の比c0 を次式のように求める。
【0033】
【数2】

【0034】この状態では、流量調節弁28は閉じておくものであり、表1に示すように走行機体2の油圧モータ21Mに流れる油量Lは多くL0 であり、比較的走行速度が速い状態である。
【0035】
【表1】

【0036】次に参照チッパ5の細断・粉砕時における負荷状態が極めて大きくなった状態では(図5(b)参照)、ベルトBのスリップ状態が大きいものであり、このときのエンジン26の駆動軸26aとチッパ5の回転軸52の回転数の比をc1 とすると、次式のようになる。
【0037】
【数3】

【0038】すなわち回転数の比c1 は回転数の比c0 より小さく、この状態では流量調節弁28の開放量を大きくするように制御装置Cpにより制御するものであり、前記表1に示されるように、油圧ポンプPからのオイルはこのバイパス回路27a側に多く流れ油圧モータ21Mへの油量Lが大きく減少しL1 となり、比較的走行速度が遅い状態となる。
【0039】次に例えば上述のように速度制御がなされることにより、チッパ5の細断・粉砕時における負荷状態が少なくなった状態では、ベルトBのスリップ状態は、前述したほどではないがやや存在する状態であり、このときのエンジン26の駆動軸26aとチッパ5の回転軸52の回転数の比をc2 とすると、次式のようになる。
【0040】
【数4】

【0041】すなわち回転数の比c2 は回転数の比c0 より小さく、この状態では流量調節弁28は開放はするが、例えば前記c1 の場合の開放量よりも小さいものである。油圧ポンプPからのオイルはこのバイパス回路27a側に幾分か流れ、前記表1に示されるように、油圧モータ21Mへの油量Lが減少しL2 となり、ベルトBがスリップしていない状態よりは走行速度が遅い状態となる。そして前記c1の場合と比較すれば速い走行速度である。
【0042】そして上述したようなc1 やc2 の状態からベルトBがスリップしていないc0 の状態となれば、制御装置Cpにより流量調節弁28は閉じられ、走行速度は最初の走行速度へ復旧する。
【0043】
【他の実施の形態】本発明の基本的な実施の形態は以上のようであるが、その他種々の改変が行い得る。まず本発明の茶樹剪枝装置1は図示した作業者が搭乗して運転する乗用タイプのもののほか、レール自動走行式のもので実施しても構わない。
【0044】また粉砕・細断手段としては、前述したようなチッパ5を用いる他、枝幹A1を細かく細断する種々の細断機を適用することも可能である。また剪枝手段としても、基本的な実施の形態のようなバリカン刃式の剪枝機4を用いる他、ロータリー式の回転刃を具えた剪枝機を用いるようにしても構わない。
【0045】また案内体7としては、上述したような回転羽根タイプのものの他、切断された枝幹A1を後方のチッパ5へ移送し得る種々の構成のものを適用できるものであり、例えばベルトコンベヤや、油圧シリンダ等により前後へ往復動される押込板、あるいは強い移送風により移送させるような実施の形態を採っても構わない。更に例えば剪枝機4のすぐ後方にチッパ5を設置することにより、案内体7を省略するような構成を採っても構わない。
【0046】また前記基本的な実施の形態では、走行機体2の走行速度を負荷・細断手段の負荷状態に応じて自動制御する実施の形態を示したが、これに代え、ブザーやランプ、あるいは表示パネル等を用いて作業者に粉砕・細断手段の負荷状態を知らせ、作業者が手動にて走行速度を制御するようにしてもよい。またこのようなブザー、ランプ及び表示パネル等の負荷状態の表示を、走行速度の自動制御とともに行うようにしてもよい。
【0047】またプーリの回転状態を検出するセンサを、前記基本的な実施の形態では二カ所に設けたが、より精度を高めるためにその他のプーリにも設置しても構わない。
【0048】また走行機体の速度制御の構成は、図4(a)に示したようなバイパス回路27aを設ける他、図4(b)に示すように走行機体の油圧モータ21Mに対しそのまま直列に構成された給油回路の供給管27に電磁比例弁等の流量調節弁28を設けるように実施しても構わない。またもちろん走行機体の駆動に電動モータを用いる場合には、回転数が可変の可変モータ等を用いることにより速度制御が可能であるし、エンジン26により直接的に駆動する場合には、例えばスロットルバルブの開閉度を自動制御することなどにより速度制御が可能である。
【0049】また粉砕・細断手段の負荷状態を検出するにあたっては、CCDカメラや赤外線センサ等を用いた粉砕・細断手段のケーシング内への枝幹B1の取込収容状態の検出や、ベルトBのスリップ音や粉砕・細断手段の異音の検出、粉砕・細断手段のケーシングの変形の検出、粉砕・細断手段の発熱の検出、モータ負荷の検出、クラッチ滑りの検出、ベルトBもしくはチェーンのテンション状態の検出等により行うように改変しても構わない。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の茶樹剪枝方法によれば、粉砕・細断手段の負荷状態を検出する検出センサを設け、少なくともこの検出センサによる検出された負荷が所定値よりも大きくなった際には、走行機体2の走行速度を減速するよう制御するため、粉砕・細断手段へ処理能力以上の茶樹の枝幹A1を供給することにより、装置を故障させてしまうことが防止される。また常時負荷状態を検出センサにより監視しているため、作業者はあまり走行速度や粉砕・細断手段の負荷について気にすることなく茶樹の剪枝作業を行うことができる。
【0051】また請求項2、6記載の茶樹剪枝方法並びに装置によれば、粉砕・細断手段の負荷状態を検出し、この検出値に応じて前記走行機体2の走行速度を負荷の大きいときには走行速度を比較的遅く、負荷の小さいときには走行速度を比較的速くなるよう自動制御するものであるため、だれでもが特に経験を有さなくても、粉砕・細断手段の能力をほぼ最大限に引き出した状態で茶樹の剪枝を行うことができ、平均的に茶樹の剪枝作業が速くなるものであり、作業者による作業速度の格差が生じない。
【0052】更に請求項3、7記載の茶樹剪枝方法並びに装置によれば、負荷状態の検出は、粉砕・細断手段の回転軸へ回転駆動を伝達するベルトの滑りを検出することにより行うものであるため、安価且つ容易に粉砕・細断手段の負荷状態の検出を行うことができる。
【0053】更にまた請求項4記載の茶樹剪枝装置によれば、粉砕・細断手段の負荷状態を検出するセンサを設けたため、この負荷状態により走行速度を自動制御したり、あるいはブザーや表示装置により知らせることにより、粉砕・細断手段へ処理能力以上の茶樹の枝幹A1を供給して装置を故障させてしまうことが防止される。また粉砕・細断手段の負荷状態が常にセンサにより監視されるため、作業者はほとんど走行速度や粉砕・細断手段の負荷について気にすることなく茶樹の剪枝作業を行うことができる。
【0054】更にまた請求項5記載の茶樹剪枝装置によれば、粉砕・細断手段は、前記走行機体2に搭載された剪枝手段により切断された茶樹の枝幹A1を、粉砕または細断するものであるため、茶樹の剪枝が効率的に行われる。
【0055】更にまた請求項8記載の茶樹剪枝装置によれば、剪枝手段は、バリカン刃タイプの剪枝機4であるため、剪枝面が綺麗に仕上がり、茶樹の切断個所に幹割れが生じない。
【出願人】 【識別番号】000104375
【氏名又は名称】カワサキ機工株式会社
【出願日】 平成14年5月10日(2002.5.10)
【代理人】 【識別番号】100086438
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 喬彦
【公開番号】 特開2003−325019(P2003−325019A)
【公開日】 平成15年11月18日(2003.11.18)
【出願番号】 特願2002−135937(P2002−135937)