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【発明の名称】 刈払機
【発明者】 【氏名】長島 彬

【氏名】鹿島 潤

【氏名】陣川 雅樹

【氏名】佐々木 達也

【要約】 【課題】スロットル操作用レバーを操作する作業者の手の疲労感の小さい刈払機を提供すること。

【解決手段】スロットル操作と刈刃の空転を制する制動装置の解除とが連動している刈払機に関し、スロットル操作用レバーと気化器との間に延びるスロットルワイヤの途中に介在され、かつ、スロットル操作用レバーを操作することによって、第一枢軸を中心として揺動する揺動部材を有する。また、スロットル操作とは別の操作を行うための別操作用レバーと、揺動部材に対して、第一枢軸の上方に配置された第二枢軸において枢着された滑車と、揺動部材を初期位置に付勢するための引張弾性部材と、を有する。引張弾性部材は、第一枢軸と第二枢軸との間を横方向に配置されており、揺動部材が初期位置から揺動位置まで揺動するとき、一端を中心として第一枢軸から離間した離間位置から第一枢軸に近接した近接位置まで揺動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スロットル操作と刈刃(8)の空転を制する制動装置(60)の解除とが連動している刈払機(2)であって、スロットル操作用レバー(18)と気化器(50)との間に延びるスロットルワイヤ(28)と、該スロットルワイヤ(28)の途中に介在され、かつ、前記スロットル操作用レバー(18)を操作することによる前記スロットルワイヤ(28)の引張力によって、第一枢軸(39)を中心として揺動する揺動部材(30)と、を有し、前記スロットルワイヤ(28)は、前記スロットル操作用レバー(18)と前記揺動部材(30)との間に延びる第一ワイヤ部分(29)と、前記揺動部材(30)と前記気化器(50)との間に延びる第二ワイヤ部分(32)と、で構成され、これらによって、前記スロットル操作用レバー(18)から前記気化器(50)への第一操作伝達経路(P1)が構成されており、前記制動装置(60)は、前記揺動部材(30)の初期位置(B)において前記刈刃(8)の空転を制し、また、揺動位置(F)において制動が解除されており、更に、スロットル操作とは別の操作を行うための別操作用レバー(41)と、前記揺動部材(30)に前記第一枢軸(39)から離間した位置に配置された第二枢軸(35)において枢着された滑車(34)と、を有し、前記第二ワイヤ部分(32)は、前記滑車(34)を介して前記気化器(50)と前記別操作用レバー(41)との間に延びており、これらによって、前記第一操作伝達経路(P1)とは別の第二操作伝達経路(P2)が構成されており、更に、一端(38a)が機体ハウジング(10a)に、また、他端(38b)が前記揺動部材(30)に取付けられた、前記揺動部材(30)を前記初期位置(B)に付勢するための弾性引張部材(38)を有し、該弾性引張部材(38)は、前記揺動部材(30)が揺動運動する面を平面視するとき、前記第一枢軸(39)と前記第二枢軸(35)との間を横切って横方向に配置されており、前記弾性引張部材(38)は、前記揺動部材(30)が前記初期位置(B)から前記揺動位置(F)まで揺動するときの運動に伴って、前記一端(38a)を中心として、前記第一枢軸(39)から離間した離間位置(A)から前記第一枢軸(39)に近接した近接位置(C)まで揺動する、ことを特徴とする刈払機。
【請求項2】 前記第一枢軸(39)および前記第二枢軸(35)は、前記揺動部材(30)の本体部分から、前記機体ハウジング(10a)の内方に向けて突出しており、前記弾性引張部材(38)は、前記第一枢軸(39)と前記第二枢軸(35)との間の空間に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の刈払機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、草などを刈るための刈払機に関し、より詳細には、気化器のスロットル操作と刈刃の空転を制する制動装置の解除とが連動する刈払機に関する。
【0002】
【従来技術】小型空冷式2サイクルガソリンエンジン等の内燃機関によって駆動される、草などを刈るための刈払機において、従来から、刈刃の空転を制する制動装置を有する前記刈払機が知られており、例えば、特開平11−196648号公報に開示された刈払機がある。該刈払機の制動装置は、内燃機関の運動を前記刈刃に伝達する遠心クラッチ用クラッチドラムの周囲に配置された摩擦部材を有する。また、前記刈払機は、前記摩擦部材の一端が連結されており、かつ、前記摩擦部材をクラッチドラムに対して押圧する制動位置と、該クラッチドラムと離間させる解除位置との間で揺動可能な揺動部材を有する。また、該揺動部材には、前記摩擦部材を前記制動位置に付勢するための引張ばねが取付けられている。前記揺動部材には、ブレーキ解除レバーまで延びるスロットルワイヤが取付けられている。作業者が前記ブレーキ解除レバーを操作することにより、前記スロットルワイヤに引張力が与えられ、前記揺動部材が前記引張ばねの引張力に抗して揺動される。それに伴って、前記摩擦部材が前記制動位置から前記解除位置に移動する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような刈払機においては、作業者は、刈払作業中、前記制動装置を解除した状態に保持するため、前記ブレーキ解除レバーを握ったままで作業する必要がある。前記揺動部材には、前記引張ばねのばね力が作用しているので、作業者の手には、常時、前記引張りばねの力が働くことになり、作業が長時間にわたる場合には、手の疲労が大きい。そこで、本発明は、操作用レバーを操作する作業者の手の疲労感の小さい刈払機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、スロットル操作と刈刃の空転を制する制動装置の解除とが連動している刈払機であって、スロットル操作用レバーと気化器との間に延びるスロットルワイヤと、該スロットルワイヤの途中に介在され、かつ、前記スロットル操作用レバーを操作することによる前記スロットルワイヤの引張力によって、第一枢軸を中心として揺動する揺動部材と、を有し、前記スロットルワイヤは、前記スロットル操作用レバーと前記揺動部材との間に延びる第一ワイヤ部分と、前記揺動部材と前記気化器との間に延びる第二ワイヤ部分と、で構成され、これらによって、前記スロットル操作用レバーから前記気化器への第一操作伝達経路が構成されており、前記制動装置は、前記揺動部材の初期位置において前記刈刃の空転を制し、また、揺動位置において制動が解除されており、更に、スロットル操作とは別の操作を行うための別操作用レバーと、前記揺動部材に前記第一枢軸から離間した位置に配置された第二枢軸において枢着された滑車と、を有し、前記第二ワイヤ部分は、前記滑車を介して前記気化器と前記別操作用レバーとの間に延びており、これらによって、前記第一操作伝達経路とは別の第二操作伝達経路が構成されており、更に、一端が機体ハウジングに、また、他端が前記揺動部材に取付けられた、前記揺動部材を前記初期位置に付勢するための弾性引張部材を有し、該弾性引張部材は、前記揺動部材が揺動運動する面を平面視するとき、前記第一枢軸と前記第一枢軸との間を横切って横方向に配置されており、前記弾性引張部材は、前記揺動部材が前記初期位置から前記揺動位置まで揺動するときの運動に伴って、前記一端を中心として、前記第一枢軸から離間した離間位置から前記第一枢軸に近接した近接位置まで揺動する、ことを特徴とする刈払機によって達成することができる。
【0005】本発明においては、前記スロットル操作用レバーの操作が、前記気化器に伝達されて該気化器(のスロットルバルブ)が開閉される第一操作伝達経路と、前記別操作用レバーの操作が前記第二ワイヤ部分にのみ作用する、前記第一操作伝達経路とは別の第二操作伝達経路との、二つの操作伝達経路が設けられている。より詳細には、前記第一操作伝達経路においては、前記スロットル操作用レバーを操作すると、前記第一ワイヤ部分に引張力が与えられ、前記揺動部材が前記弾性引張部材の引張力に抗して引張られて前記初期位置から前記揺動位置まで揺動し、前記第二ワイヤ部分に与えられた引張力が前記スロットルバルブに伝達されて、該スロットルバルブが前記スロットル操作用レバーの操作量に応じて開かれるとともに、前記制動装置が解除される。なお、前記初期位置の状態で前記別操作用レバーを操作すると、前記第二ワイヤ部分のみが引張られて、前記スロットルバルブが内燃機関の始動に適した位置迄開かれる。
【0006】前記揺動部材の前記初期位置から前記揺動位置までの揺動運動に伴って、前記弾性引張部材は、前記第一枢軸と前記第二枢軸との間で、前記一端を中心として、前記第一枢軸から離間した離間位置から前記第一枢軸に近接した近接位置まで揺動し、それによって、前記弾性引張部材の引張力の作用線までの垂直距離とともに、前記弾性引張部材の伸び量が変化する。
【0007】前記スロットル操作用レバーを操作する力は、前記揺動部材に連結された前記第一ワイヤ部分を介して与えられるから、前記弾性引張部材によって前記揺動部材に作用する力の変動によって変化する。前記弾性引張部材による力のモーメントMの値は、以下の式で求められる。
M=F・r=k・x・rここで、F:弾性引張部材による引張力k:弾性引張部材の弾性係数x:弾性引張部材の伸び量r:弾性引張部材の力の作用線までの垂直距離(第一枢軸から弾性引張部材の軸線までの垂直距離)とする。
【0008】前記弾性引張部材の揺動の前後では、前記xおよび前記rが変化するので、力のモーメントMの大きさも変化するが、前記弾性引張部材は、前記第一枢軸と前記第二枢軸との間に横方向に配置されており、かつ、前記第一枢軸と前記第二枢軸との間で移動するから、前記弾性引張部材の前記伸び量xの変化は比較的小さく、また、前記距離rについても、前記弾性引張部材が、前記第一枢軸から離間した前記離間位置から前記近接位置まで移動するので非常に小さくなる。したがって、前記揺動部材の揺動後においては、前記力のモーメントMも小さくなる。したがって、作業中に前記スロットル操作用レバーを握り続ける作業者の手の疲労感を小さくすることができる。
【0009】また、本発明の実施形態においては、前記第一枢軸および前記第二枢軸は、前記揺動部材の本体部分から、前記機体ハウジングの内方に向けて突出しており、前記弾性引張部材は、前記第一枢軸と前記第二枢軸との間の空間に配置されている。したがって、前記弾性引張部材を前記空間を利用して配置しているので、前記ハウジングを全体として小さくすることができ、前記刈払機を小型化することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しつつ、本発明にかかる刈払機の一実施の形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる刈払機の全体図である。また、図2および図3は、図1に示すII−II(III−III)に沿った、本実施形態にかかる刈払機の本体部分の内部構造の初期位置状態及び揺動位置状態を示す矢視断面図である。本実施形態にかかる刈払機2は、スロットル操作と刈刃8の空転を制する制動装置60の解除とが連動するようになっている。以下、その構造について詳細に説明する。
【0011】図1に示すように、前記刈払機2は、基本的に、後端に設けられた小型空冷式2サイクルガソリンエンジン等の内燃機関10と、該内燃機関10から前方に真っ直ぐに延びる操作杆6と、該操作杆6の先端に設けられた刈刃8と、を有する。また、前記操作杆6の内部には、前記刈刃8に前記内燃機関10からの回転動力を伝達するための伝動軸12が真っ直ぐに延びている。また、前記操作杆6の中間部分には、U字形のハンドル部14が設けられている。該ハンドル部14の右側グリップ部16には、スロットル操作用レバー18が設けられている。
【0012】前記内燃機関10と前記伝動軸12との間には、遠心クラッチ22(図4参照)が介装されている。該遠心クラッチ22は、周壁部24aを有する皿形の円形クラッチドラム24(図2参照)と、前記内燃機関10のクランクシャフト10bの回転による遠心力によって、前記クラッチドラム24の前記周壁部24aの内周面に対して押圧されて、前記クラッチドラム24に回転を伝達するシュー部材23(図4参照)と、を有する。前記クラッチドラム24の外面側には、前記周壁部24aの外周面に対して押圧されて、回転を制する制動装置60の摩擦部材26が設けられている。より詳細には、該摩擦部材26は、前記周壁部24aの外周面に沿って延びるブレーキバンド26で構成されている。該ブレーキバンド26は、前記周壁部24aの外周面の周りに締付けられた制動位置(図2に示す)と、弛緩された解除位置(図3に示す)との間で移動可能に設けられている。より詳細には、前記ブレーキバンド26の一端26aは、機体ハウジングを構成する前記内燃機関10のハウジング10a内に係止されており、また、他端26bは、後述するように、揺動部材30の第二連結点30bに連結されており、前記揺動部材30の揺動運動によって、前記クラッチドラム24の周壁部24aに対して締付・弛緩される。
【0013】前記内燃機関10の気化器50は、前記クラッチドラム24の回転軸線Oと平行な方向に見た状態において、すなわち、図2に示す状態において、前記クラッチドラム24の上方かつ側方に位置している。
【0014】また、前記実施形態にかかる刈払機2は、図2に示すように、前記スロットル操作用レバー18と前記気化器50との間に延びるボーデンケーブルよりなるスロットルワイヤ28と、前記スロットルワイヤ28の途中に介在され、かつ、該スロットルワイヤ28の引張力により揺動する前記揺動部材30と、を有する。前記スロットルワイヤ28は、前記スロットル操作用レバー18と前記揺動部材30との間に延びる第一ワイヤ部分29と、前記揺動部材30と前記気化器50(のスロットルバルブ)との間に延びる第二ワイヤ部分32と、で構成されている。これらによって前記スロットル操作用レバー18から前記気化器50への第一操作伝達経路P1が構成されている。より詳細には、前記スロットルワイヤ28の前記第一ワイヤ部分29の一端は、前記スロットル操作用レバー18に連結されており、他端は、前記揺動部材30の前記第一連結点30aに連結されている。前記第一ワイヤ部分29は、前記ハウジング10a内で前記クラッチドラム24に対して、前記気化器50とは反対側の側方空間内で縦方向に延びている。
【0015】図2に示すように、前記揺動部材30は、前記ハウジング10a内の収納空間の、前記クラッチドラム24の上方位置において、その中間部分が第一枢軸39において、前記ハウジング10aに対して枢止されている。前記揺動部材30は、前記第一枢軸39のまわりに、前記気化器50とは反対側の側方に配置された第一連結点30aと、下方に配置された前記第二連結点30bと、前記第一枢軸39の上方に配置された第二枢軸35において回動自在に設けられた前記滑車34と、を有する。前記揺動部材30は、上部に扇形部分と、下部に下方に細長く延びる棒状部分と、を有し、全体として略銀杏葉形をなしている。前記第一連結点30aは、前記扇形部分の側縁部近傍に位置している。また、前記滑車34は、上方角部近傍に位置し、また、前記気化器50に対して側方に位置している。更に、前記第二連結点30bは、前記棒状部分の下端に位置している。
【0016】前記揺動部材30は、図2に示す初期位置Bに付勢するための弾性引張部材としてのコイルスプリング等よりなる第一引張りばね38によって、前記初期(制動)位置Bに付勢されている。前記第一引張りばね38は、一端38aが前記ハウジング10aに、また、他端38bが前記揺動部材30に取付けられている。前記第一引張りばね38は、前記揺動部材30が揺動運動する面を平面視するとき(図2および図3参照)、前記第一枢軸39と前記第二枢軸35との間を横切って横方向に配置されている。
【0017】図4は、図1に示すIV−IVに沿った、本実施形態にかかる刈払機の本体部分の内部構造を示す矢視部分断面図である。図4に示すように、前記第一枢軸39および前記第二枢軸35は、前記揺動部材30の本体部分から、前記ハウジング10aの内方に向けて突出しており、前記引張りばね38は、前記第一枢軸39と前記第二枢軸35との間の空間に配置されている。
【0018】再び、図2を参照すると、本実施形態にかかる前記刈払機2においては、前記内燃機関10の始動を容易にするため、始動時に前記スロットルバルブを僅かに開くためのアイドルアップ操作用レバー41が、前記ハウジング10aから外方に突出して別操作用レバーとして設けられている。また、本実施形態においては、前記揺動部材30と前記スロットルバルブとの間に、前記アイドルアップ操作用レバー41の操作によって揺動する第二揺動アーム部材42が設けられている。該第二揺動アーム部材42は、全体的に縦方向に細長い形状をなし、その下端に枢軸42aが設けられている。該枢軸42aに、前記ハウジング10aの外に設けられている前記アイドルアップ操作用レバー41が一体的に連結されている。該アイドルアップ操作用レバー41を操作することによって、前記第二揺動アーム部材42は、前記枢軸42aを中心に、図2に示す初期位置Bと、図3に示す揺動位置Fとの間で揺動する。なお、前記第二揺動アーム部材42は、通常は前記気化器50のスロットルバルブ戻しばね(図示せず)によって、前記初期位置に付勢されているが、必要に応じて、付勢手段としての第二ばね45によって、前記初期位置Bに付勢せしめてもよい。
【0019】また、前記第二揺動アーム部材42の上端には、前記第二ワイヤ部分32の前記他端32bの連結点である第三連結点42bが設けられている。前記第二ワイヤ部分32の前記一端32aは、前記スロットルバルブに連結されている。前記第二ワイヤ部分32は前記スロットルバルブから横方向に延び、前記滑車34の周りに上側から下方に向かって巻き掛けられてU字形に折返し偏向され、前記他端32bは、前記第二揺動アーム部材42の前記第三連結点42bに連結されている。前記アイドルアップ操作用レバー41から前記スロットルバルブまで延びる前記第二ワイヤ部分32によって、前記第二操作伝達経路P2が構成されている。該第二操作伝達経路P2は、前記第一操作伝達経路P1とは作動上独立している。
【0020】図2に示す実施形態にかかる刈払機2は、以下の通り作用する。初期(制動)位置Bにおいて、前記揺動部材30、前記滑車34および前記第二揺動アーム部材42は、図2に示す位置にある。まず、前記内燃機関10の始動前に、前記ハウジング10aの外に突出している前記アイドルアップ操作用レバー41を押し下げ回転させて、前記第二揺動アーム部材42を、図2に示す位置から図3に示す位置に反時計回り方向へ移動させる。前記第二揺動アーム部材42の揺動によって、前記第二ワイヤ部分32が若干引張られ、前記スロットルバルブがアイドル状態位置から僅かに開かれる。この状態において、リコイルスタータ10cなどによって、前記内燃機関10を始動させる。引き続き、前記スロットル操作用レバー18を握り操作すると、前記スロットルワイヤ28を介して、前記揺動部材30が、前記初期位置Bから図3に示す前記揺動位置Fまで揺動され、それに伴って前記滑車34が、図2に示す位置から図3に示す位置に移動する。これに応答して、前記スロットルバルブが、前記スロットル操作用レバー18の握り込み量に応じた開度迄開かれる。
【0021】図5は、引張りばねによる力のモーメントの説明概略図である。前記引張りばね38による力のモーメントMの値は、前述の如く、以下の式で求められる。
M=F・r=k・x・rここで、F:引張ばね38によるばね力k:引張ばね38のばね係数x:引張りばね38の伸び量r:引張りばね38の力の作用線までの垂直距離(第一枢軸39から引張りばね38の軸線までの垂直距離)とする。
【0022】前記揺動部材30が前記初期位置Bから前記揺動位置Fに揺動するとき、図5に示すように、前記引張りばね38は、前記一端38aを中心として、前記第一枢軸39から離間した前記離間位置(実線で示す)Aでの自由長Lからx1だけ張られた状態から、前記近接位置(鎖線で示す)Cまで揺動して、更にΔxだけ張られた状態となる。前記引張りばね38の揺動の前後では、前記xおよび前記rが変動するが、前記引張りばね38は、前記第一枢軸39と前記第二枢軸35との間に横方向に配置されており、かつ、前記第一枢軸39と前記第二枢軸35との間で移動するから、前記引張りばね38の伸び量xの変化△x比較的小さく、また、rについても、前記引張りばね38が、前記第一枢軸39から離間した前記離間位置Aでのr1から前記近接位置Cでのr2まで変化するので、非常に小さくなる。したがって、力のモーメントMもごく小さくなる。なお、前記揺動部材30が前記揺動位置Fにあるとき、前記引張りばね38は前記第一枢軸39に近接しているから、rの値、すなわち、r2は、非常に小さい。しかし、前記引張りばね38によって前記揺動部材30を前記初期位置Bに戻すための初期力が必要であるので、r2は0より適度に大きくなるように構成されていなければならない。前記内燃機関10が始動したら、前記パーシャルアップ操作用レバー41は、手で反対方向に操作することによって解除してもよい。
【0023】本実施形態によれば、前記引張りばね38は、前記第一枢軸39と前記第二枢軸35との間に横方向に配置されており、かつ、前記第一枢軸39と前記第二枢軸35との間で移動するように構成されているので、前記揺動部材30の揺動後において、力のモーメントMはごく小さくなる。したがって、作業中に前記スロットル操作用レバー18を握り続ける作業者の手の疲労感を小さくすることができる。本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0024】前記実施形態にかかる刈払機2の前記制動装置60は、制動部材が、前記クラッチドラム24の前記外周面の周りに配設された前記ブレーキバンド26で構成されているが、前記制動部材は、前記クラッチドラム24の回転を制動し、かつ、前記揺動部材30の揺動運動によって解除可能な別の部材であってもよい。また、本実施形態における前記引張りばね38は、前記揺動部材30に引張力を与えるいかなる弾性部材であってもよく、ゴム材、その他の弾性部材であってもよい。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、スロットル操作用レバーを操作する作業者の手の疲労感の小さい刈払機を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000141990
【氏名又は名称】株式会社共立
【識別番号】501186173
【氏名又は名称】独立行政法人森林総合研究所
【出願日】 平成14年4月24日(2002.4.24)
【代理人】 【識別番号】100059959
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔 (外10名)
【公開番号】 特開2003−310028(P2003−310028A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2002−122596(P2002−122596)