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【発明の名称】 草刈り作業車
【発明者】 【氏名】窪田 陽介
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士重工業株式会社内

【氏名】川崎 英希
【住所又は居所】愛知県豊川市美幸町1丁目26番地 株式会社共栄社内

【要約】 【課題】旋回するカッターにより刈り取られた芝草が、カッターカバー内に滞積して、カッター駆動系が過負荷状態となるのを避けることができる草刈り作業車を提供すること。

【解決手段】カッター駆動源31の動力を受けて旋回されるカッター9は、その上部からカッターカバー10によって覆われている。前記カッター9に加わる負荷を監視する過負荷検出手段32が備えられており、過負荷検出手段32により、過負荷状態が検出された場合には、過負荷検出手段32より走行制御手段33に対して指令が送られる。走行制御手段33はこれに基づいて走行駆動手段34を制御し、草刈り作業車1の走行速度を減速するよう制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動源からの駆動力を受けて回転駆動される草刈りカッターと、この草刈りカッターを上部から覆うカッターカバーとが備えられ、前記草刈りカッターにより刈り取られた刈り草を、前記カッターカバーの片側側面から排出する草刈り装置を搭載した走行可能な草刈り作業車であって、前記草刈り装置におけるカッターに加わる過負荷状態を検出する過負荷検出手段と、前記草刈り作業車の走行駆動を行う走行駆動手段と、前記過負荷検出手段が、所定以上の過負荷状態を検出した場合に、前記走行駆動手段に対して草刈り作業車の走行速度を減速するよう制御する走行制御手段とを備えることを特徴とする草刈り作業車。
【請求項2】 前記草刈りカッターを駆動する駆動源が、油圧モータもしくは電動モータであり、前記駆動源として油圧モータを利用した場合においては、前記過負荷検出手段として、カッターの回転状態を測定する回転センサ、または油圧モータに供給される油圧を測定する油圧センサ、もしくは油圧モータに供給される油の流量を測定する流量センサの少なくともいずれかの出力を利用し、また、前記駆動源として電動モータを利用した場合においては、前記過負荷検出手段として、カッターの回転状態を測定する回転センサ、または電動モータに加わる電圧を測定する電圧センサ、もしくは電動モータに流れる電流量を測定する電流センサの少なくともいずれかの出力を利用してなる請求項1に記載の草刈り作業車。
【請求項3】 駆動源からの駆動力を受けて回転駆動される草刈りカッターと、この草刈りカッターを上部から覆うカッターカバーとが備えられ、前記草刈りカッターにより刈り取られた刈り草を、前記カッターカバーの片側側面から排出する草刈り装置を搭載した走行可能な草刈り作業車であって、前記草刈り作業車の走行状態において、前記草刈りカッターにより刈り取られた刈り草の量が、カッターカバー内に所定量以上蓄積される場合に、前記カッターカバーの後部が開放される後部開閉扉を、前記カッターカバーに配置してなることを特徴とする草刈り作業車。
【請求項4】 前記後部開閉扉が、走行車体の進行に伴いカッターカバー内に滞積された刈り草の抵抗を受けて後方に開放するか、もしくはカッターカバー内に滞積された刈り草の量に応じて駆動するアクチュエータによって後方に開放されるものである請求項3に記載の草刈り作業車。
【請求項5】 駆動源からの駆動力を受けて回転駆動される草刈りカッターと、この草刈りカッターを上部から覆うカッターカバーとが備えられ、前記草刈りカッターにより刈り取られた刈り草を、前記カッターカバーの片側側面から排出する草刈り装置を搭載した走行可能な草刈り作業車であって、前記草刈り装置の進行方向の前方における草丈を検出する草丈検出手段と、前記草刈り装置の進行方向の前方におけるカッターカバーの一部をアクチュエータの駆動によって開放することができる前部開閉扉とが具備され、前記草丈検出手段が草刈り装置の進行方向の前方における草丈が所定以上の高さであることを検出した場合において、前記アクチュエータを駆動させることにより、前部開閉扉を開放することができるように構成したことを特徴とする草刈り作業車。
【請求項6】 前記草刈り作業車が、無人走行可能な自律走行車である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の草刈り作業車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、走行車体に取り付けられた草刈りカッターと、この草刈りカッターを覆うカッターカバーとが備えられ、前記カッターにより刈り取られた刈り草を、前記カッターカバーの片側側面から排出する構成の草刈り装置を備えた草刈り作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】車体進行方向の前部、或いは車体の腹下部に、芝草を刈り取る旋回型のカッターを備えた草刈り作業車が提供されており、前記カッターは駆動源からの駆動力を受けて高速回転される。このために、安全上の見地から前記カッターは、その上部よりカッターカバーで覆った構成になされている。
【0003】この様なカッターカバーを備えた草刈り装置においては、相当に草丈が伸びている状態、或いは、成育密度が高い芝草を刈り取る場合においては、その刈り取られた芝草が前記カッターカバー内から排出しきれずに滞積し、カッターおよびその回転駆動系に対して大きな負荷を与える場合がある。これにより、極端な場合にはカッターの回転駆動源である油圧モータや電気モータが停止し、重大な障害を与える等の問題が発生し得る。また、この様な状態が発生した場合には、芝草の刈り残し等も発生し、結局作業効率を著しく低下させるという問題も含んでいる。
【0004】前記した草刈り作業車に作業員が乗車して芝草の刈り取り作業を行うものにおいては、作業員の勘、或いはカッターに加わる負荷による駆動音の変化、さらには作業車に伝わる振動の変化等より、前記したような負荷の状態を把握することができる。しかしながら、前記作業車が無人走行が可能な自律走行車(自動ロボット)である場合においては、この自律走行車は予めプログラミングされたルーチンにしたがって、忠実に動作するようになされているために、負荷の状態が把握できず、過負荷を受けて前記したような問題が発生する度合いが大きい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、特開平6−303819号公報、特開平11−275923号公報、或いは特開2000−287520号公報には、前記カッターにより刈り取った芝草を、ダクトを介してカッターカバー内から吸い上げ、草刈り作業車に搭載された集草容器内に蓄積させるものが開示されている。これによると、カッターカバー内に滞積する刈り草により、前記したように駆動源が極端な過負荷状態に陥るという問題の発生を低減させることができる。
【0006】しかしながら、前記した構成においては、ダクトを介してカッターカバー内から刈り草を吸い上げるブロアーや、集草容器等を設置する必要が生じ、コストアップとなることは免れない。また、集草容器内が刈り取られた芝草により満杯となった場合には、これを投棄する場所まで往復する作業を余儀なくされ、必然的に作業効率が減退することはやむを得ない。
【0007】この発明は、例示した従来の作業車のように、ダクトやこれに付帯する設備を備えることなく、カッターカバー内に滞積する刈り草により、過負荷状態に陥るのを効果的に回避することができる草刈り作業車を提供することを第1の解決課題とするものである。加えて、この発明は、刈り取ろうとする草丈に柔軟に対応して、効率よく作業を遂行することができる草刈り作業車を提供することを第2の解決課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記した第1の課題を解決するためになされたこの発明にかかる草刈り作業車は、駆動源からの駆動力を受けて回転駆動される草刈りカッターと、この草刈りカッターを上部から覆うカッターカバーとが備えられ、前記草刈りカッターにより刈り取られた刈り草を、前記カッターカバーの片側側面から排出する草刈り装置を搭載した走行可能な草刈り作業車であって、前記草刈り装置におけるカッターに加わる過負荷状態を検出する過負荷検出手段と、前記草刈り作業車の走行駆動を行う走行駆動手段と、前記過負荷検出手段が、所定以上の過負荷状態を検出した場合に、前記走行駆動手段に対して草刈り作業車の走行速度を減速するよう制御する走行制御手段とを備える点に特徴を有する。
【0009】この場合、前記草刈りカッターを駆動する駆動源としては、油圧モータもしくは電動モータを好適に利用することができる。そして、前記駆動源として油圧モータを利用した場合においては、前記過負荷検出手段として、好ましくはカッターの回転状態を測定する回転センサ、または油圧モータに供給される油圧を測定する油圧センサ、もしくは油圧モータに供給される油の流量を測定する流量センサの少なくともいずれかの出力を利用するように構成される。
【0010】また、前記駆動源として電動モータを利用した場合においては、前記過負荷検出手段として、好ましくはカッターの回転状態を測定する回転センサ、または電動モータに加わる電圧を測定する電圧センサ、もしくは電動モータに流れる電流量を測定する電流センサの少なくともいずれかの出力を利用するように構成される。
【0011】この構成によると、例えば成育密度が高い芝草を刈り取る場合において、刈り取られた芝草が前記カッターカバー内から排出しきれずに滞積するような事態が発生しようとする場合には、過負荷検出手段からの出力により、草刈り作業車の走行速度が減速されるように制御される。したがって、草刈り作業車の低速走行によって、成育密度が高い芝草を確実に刈り取る作用を補償することができ、刈り取られた芝草は、後で説明するようにカッターカバーの片側側面から排出される。
【0012】また、前記した第1の課題を解決するためになされたこの発明にかかる草刈り作業車の他の構成は、前記草刈りカッターにより刈り取られた刈り草の量が、カッターカバー内に所定量以上蓄積される場合において、前記カッターカバーの後部が開放される後部開閉扉を、前記カッターカバーに配置した構成とされる。
【0013】この場合、1つの好ましい形態においては、後部開閉扉が走行車体の進行に伴いカッターカバー内に滞積された刈り草の抵抗を受けて後方に開放する構成とされる。また好ましい他の形態においては、後部開閉扉がカッターカバー内に滞積された刈り草の量に応じて駆動するアクチュエータによって後方に開放する構成とされる。
【0014】この構成によると、例えば成育密度が高い芝草を刈り取る場合において、刈り取られた刈り草が、前記したようにカッターカバーの片側側面から排出しきれずにカッターカバー内に滞積されようとする時、カッターカバーの後部開閉扉が開放される。これにより、草刈り作業車の進行に伴って、余剰状態の刈り草を後部開閉扉より排出させることができ、カッターの駆動源が過負荷状態に陥るのを効果的に回避することができる。
【0015】一方、前記した第2の課題を解決するためになされたこの発明にかかる草刈り作業車の構成は、草刈り装置の進行方向の前方における草丈を検出する草丈検出手段と、前記草刈り装置の進行方向の前方におけるカッターカバーの一部をアクチュエータの駆動によって開放することができる前部開閉扉とが具備され、前記草丈検出手段が草刈り装置の進行方向の前方における草丈が所定以上の高さであることを検出した場合において、前記アクチュエータを駆動させることにより、前部開閉扉を開放することができるように構成される。
【0016】この構成によると、草丈が高い芝草を刈り取る際には、カッターカバーの前方における開閉扉が開放されるので、草丈が高い芝草をカッターカバーにより倒すことがない。したがって、草丈が高い芝草をその根元部分においてカッターにより効率的に切断することができる。
【0017】前記した各構成は、前記草刈り作業車が無人走行可能な自律走行車に対して、独立してまたは併用して好適に採用することができる。これにより、カッターカバー内に滞積する刈り草により過負荷状態となるのを効果的に回避し得ると共に、刈り取ろうとする草丈に柔軟に対応して自動走行が可能な草刈り作業車を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる草刈り作業車について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は草刈り装置を搭載した草刈り作業車の構成を平面図で示しており、また、図2は草刈り装置の一部の構成を省略した側面図で示している。図2に示されたように草刈り作業車1には、周知のとおり駆動型の前車輪2および駆動型の後車輪3が具備されており、後述する走行駆動手段からの動力を受けて走行できるように構成されている。
【0019】そして、この実施の形態においては、草刈り作業車1の進行方向(前部)に、草刈り装置5が搭載されている。この草刈り装置5には、図2に示されたようにその前部および後部にそれぞれ走行車輪6,7が具備され、前記草刈り作業車1によって後から押される形で進行し、草刈り作業がなされる。前記草刈り装置5には、図1に破線で示されたように、3つのプロペラ状に形成された草刈りカッター9が、ほぼ横方向に並べられて回転可能に配置されており、これら、各カッター9の上部より、これを覆うようにしてカッターカバー10が配置されている。
【0020】前記カッターカバー10の上面には、各草刈りカッター9の駆動軸に取り付けられた各プーリ11が配置されており、これら各プーリ11に対して、1つのタイミングベルト12がかけ渡されている。そして、図1に示す中央のプーリ11が取り付けられた駆動軸に対して、草刈りカッターを回転駆動させる駆動源からの動力が伝達されるように構成されている。
【0021】この実施の形態においては、前記各草刈りカッター9は、前記タイミングベルト12を介して、その上面から見て右回転されるように構成されている。したがって、作業車1の進行に伴って各カッター9によって切断された芝草は、各カッター9の旋回方向にしたがって、カッターカバー10の上面から見て右側に形成された排出口14より排出させることができる。なお、図1および図2に示す符号16は、草刈り装置5の進行方向の前端部に配置された後述する草丈検出手段を示している。
【0022】図3は、前記したカッターカバー10の構成を、斜め上方から見た状態で示している。このカッターカバー10には水平方向に配置されたフレーム21が具備され、このフレーム21に対して一対のヒンジ22を介して、その長手方向に直交する断面がL字状になされた前部開閉扉23が取り付けられている。また、前記フレーム21には上面板24が取り付けられており、この上面板24と前部開閉扉23との間には、それぞれヒンジ機構を介して一対の油圧または電動により伸縮駆動されるアクチュエータとしてのシリンダ機構26が取り付けられている。
【0023】これにより、前記シリンダ機構26が伸長された状態においては、図3に示すように前部開閉扉23は閉じられた状態を維持し、またシリンダ機構26が縮小駆動された場合には、前部開閉扉23は開放され、作業車の進行に伴って、草丈が高い芝草をカッターカバーにより倒すことなく、そのまま各カッター9の旋回位置にもたらすことができる。
【0024】また、前記上面板24における作業車の進行方向の後方端部には、3枚の後部開閉扉27がヒンジ機構によって開閉可能に取り付けられている。そして、各後部開閉扉27のそれぞれのほぼ中央部と、前記上面板24との間には、引っ張りばね28がそれぞれ張架されており、これら各引っ張りばね28の作用により、各後部開閉扉27は直立状態となるように付勢されている。したがって、常時においては各後部開閉扉27は、カッターカバー10の後端部を閉塞した状態になされている。
【0025】なお、図3における符号29は、カッターカバー10の進行方向右側に形成された前記排出口14の主に上部を覆うガイド体を示している。このガイド体29は、排出口14から吐き出される芝草の舞い上がりを防止するように作用するものである。そして、このガイド体29においても、ヒンジ機構によって上方に開放することができるようにカッターカバー10に取り付けられている。したがって、必要に応じて手動によりこれを上方に開放することにより、前記した排出口周辺のメンテナンスを容易にすることができる。
【0026】次に図4は、前記した図1ないし図3に示す構成の草刈り作業車に適用した制御手段の第1形態を模式図によって示している。なお、図4においては、すでに説明した各部に対応する代表部分を同一符号で示しており、したがって、その詳細な説明は割愛する。図4において符号31は、カッター駆動源を示しており、このカッター駆動源31としては、好ましくは油圧モータもしくは電動モータが用いられる。この油圧モータもしくは電動モータによる駆動力は、図1に基づいて既に説明したとおり、中央のプーリ11が取り付けられた駆動軸に対して、前記駆動源からの動力が伝達されるように構成されている。
【0027】一方、この図4に示す制御形態においては、符号32として示す過負荷検出手段が備えられている。これは、例えば成育密度が高い芝草を刈り取る場合において、刈り取られた刈り草が前記カッターカバー内から排出しきれずに滞積するような事態となった場合、カッターに加わる負荷に基づいて過負荷状態を検出するものである。
【0028】この場合、前記したカッター駆動源31として油圧モータを利用した場合においては、前記過負荷検出手段32として、カッターの回転状態を測定する回転センサ、または油圧モータに供給される油圧を測定する油圧センサ、もしくは油圧モータに供給される油の流量を測定する流量センサを利用することができる。これらのセンサは、適宜単独に用いてもよいが、過負荷検出の信頼性を確保するために、併用して用いることもある。
【0029】また、前記したカッター駆動源31として電動モータを利用した場合においては、前記過負荷検出手段32として、カッターの回転状態を測定する回転センサ、または電動モータに加わる電圧を測定する電圧センサ、もしくは電動モータに流れる電流量を測定する電流センサを利用することができる。これらのセンサは、適宜単独に用いてもよいが、前記と同様に過負荷検出の信頼性を確保するために、併用して用いることもある。
【0030】前記した構成の過負荷検出手段32により、過負荷状態が検出された場合には、図4に示す制御形態においては、過負荷検出手段32より走行制御手段33に対して指令が送られ、走行制御手段33はこれに基づいて走行駆動手段34を制御し、草刈り作業車1の走行速度を過負荷状態の場合には減速するよう制御する。
【0031】これにより、減速された走行速度で作業車が進行するので、カッターカバー内における刈り草の滞積量を減らすことができる。それ故、前記カッターおよびその駆動系に及ぼす負荷は低減し、たとえ成育密度が高い芝草を刈り取る場合であっても、芝草の正常な刈り取り作業を行うことができる。そして、前記過負荷検出手段32は、継続して過負荷状態を監視し、所定の時間にわたって過負荷の状態が発生しない場合においては、再び作業車を通常速度の走行に復帰させるように制御する。
【0032】ここで、前記した図3に示すカッターカバー10の構成を採用した場合においては、たとえ刈り取った芝草が、排出口14を介して排出しきれない状態が発生しても、カッターカバー10内に滞積した芝草は、作業車の進行と共にカッターカバー10の後端部側に相対的に移動する。そして、カッターカバー10の後端部に配置された後部開閉扉27は、滞積した芝草の抵抗を受けることで、引っ張りばね28の牽引力に抗して開放されるので、カッターにより切断され滞積した芝草はカバー10の後端部側にそのまま排出される。したがって、図3に示した構成の後部開閉扉27を併用することによって、カッター並びにその駆動系に過負荷が加わるのを効果的に防止することが可能となる。
【0033】一方、図5は後部開閉扉27を後部扉開閉駆動部36によって、開閉可能となるように構成した制御例を模式図で示している。ここで、後部扉開閉駆動部36としては、図3に示した実施の形態と同様に、シリンダ機構26等のアクチュエータを利用することができる。そして、前記した過負荷検出手段33が所定以上の過負荷の状態が一定時間継続していると判定した場合において、後部開閉扉27を積極的に開放させるように制御する。
【0034】図6は、前記した過負荷検出手段の出力を利用して、作業車の走行速度を制御する手段、同じく過負荷検出手段の出力を利用して、後部開閉扉27をアクチュエータを利用して開閉制御させるように構成した草刈り作業車の好ましい制御ルーチンの一例を示したものである。
【0035】図6に示すステップS11においては、草刈り作業車1は、通常の走行速度で草刈り作業を行っているものとする。この時、ステップS12に示すように、前記した過負荷検出手段32は、カッターの駆動系における負荷の状態を監視している。すなわち、第一の設定時間以上、予め定められた所定以上の過負荷の状態が継続されているか否かを監視する。ここで、カッター駆動源31として油圧モータを用いた場合を例にすると、油圧モータに具備された油圧スイッチ入力(以下油圧SWと呼ぶ)のオン状態が第一の設定時間以上継続しているか否かが監視される。
【0036】前記ステップS11において、油圧SWのオン状態が第一の設定時間以上継続していない(No)と判定される場合においては、ステップS11に戻り通常の走行速度による草刈り作業が続行される。また、ステップS11において、油圧SWのオン状態が第一の設定時間以上継続している(Yes)と判定される場合においては、ステップS13に進む。このステップS13においては、Aとして記述したように作業車1の走行速度の減速制御、およびBとして記述したように後部開閉扉27の開放制御が実行される。
【0037】Aとして記述した作業車1の走行速度の減速制御は、図4に基づいてすでに説明したとおり、過負荷検出手段32より走行制御手段33に対して指令が送られ、走行制御手段33はこれに基づいて走行駆動手段34を制御することで、草刈り作業車1の走行速度を減速するよう制御する。また、Bとして記述した後部開閉扉27の開放制御は、図示せぬアクチュエータを利用して後部開閉扉27を開放制御するものである。この実施の形態においては、前記Aの操作は必須の要件となるが、前記Bの操作を併用することが効果的である。このステップS13の実行により、カッター駆動系における負荷を軽減することができる。
【0038】続いて、ステップS14に移り、なおもカッター駆動系が過負荷状態であるか否かが監視される。ここでは、第二の設定時間以上にわたり、油圧SWのオン状態が継続している(Yes)と判定された場合には、ステップS15に移り、草刈り作業車1の走行を停止させる処置が行われる。すなわち、前記走行制御手段33からの指令により走行駆動手段34を制御し、草刈り作業車1の走行を停止させる。この時、同時にカッター駆動源31の運転も停止させることが望ましい。
【0039】一方、前記ステップS14において、油圧SWのオン状態が第二の設定時間以上継続していない(No)と判定される場合、すなわち、カッター駆動系の過負荷の状態が解消されたと判定された場合には、ステップS16に移る。このステップS16においては、予め定められた第三の設定時間以上にわたり、過負荷が解消された正常状態を継続しているか否かが判定される。
【0040】ここで、正常状態が第三の設定時間以上にわたり継続されない(No)と判定される場合、すなわち、第三の設定時間内に過負荷の状態が出現する場合には、ステップS13に戻り、前記したAおよびBの制御状態が継続される。また、ステップS16において、正常状態が第三の設定時間以上にわたり継続された(Yes)と判定された場合にはリターンされ、作業車1の運転動作が終了するまで、ステップS11から始まる前記したルーチンが繰り返し実行される。
【0041】なお、前記した制御ルーチンにおけるステップS13の実行中においては、作業車1の視認し易い位置に配置した図示せぬ警告ランプ等を点灯駆動するように構成すれば、作業者または監視者に対して、その状態を告知することができる。また、前記作業車が無人走行が可能な自律走行車(自動ロボット)である場合においては、無線通信手段を利用して、監視者の手元にあるコントロールパネル上のワーニングランプを点灯させる等の手段も好適に採用し得る。
【0042】また、以上の説明においては、過負荷検出手段として油圧モータもしくは電気モータを含む駆動系の状態を監視する例を示しているが、この過負荷検出手段としては、それ以外に、例えばカッターカバー10内における刈り草の滞積量を、超音波センサもしくは光ビームセンサ等を利用して計測し、この計測値に基づいてカッター並びにその駆動系の過負荷状態を推測するように構成してもよい。さらに、油圧モータもしくは電気モータの駆動中の温度を計測して、この計測温度に基づいてカッター並びにその駆動系の過負荷状態を推測するように構成することもできる。
【0043】次に図7は、草刈り装置5の進行方向の前端部に配置された草丈検出手段16を利用して、草刈り作業を実行する制御形態を示した模式図である。前記草丈検出手段16は、作業車1の進行方向の前方における草丈を検出するものであり、例えば、超音波センサもしくは光ビームセンサ等を利用することができる。そして、草丈検出手段16が所定以上の草丈を検出した場合には、図7に示すように開閉駆動部制御手段39に対して指令が送られるように構成されている。これに基づいて前記開閉駆動部制御手段39は、前部扉開閉駆動部26、すなわち、図3に示したアクチュエータとしてのシリンダ機構26を駆動し、前部開閉扉23を開放するようになされる。
【0044】図8は、前記した構成による草刈り装置5の作用を説明するものであり、(A)は比較的草丈が高いにもかかわらず、前部開閉扉23を閉塞した状態で草刈り作業を実行した場合の例を示している。また、(B)は前部開閉扉23を開放した状態で草刈り作業を実行した場合の例を示している。なお、図8に示した構成においては、図3に示した例と同様に、後部開閉扉27を備えた場合を示している。そして、すでに説明した各部に対応する部分を同一符号で示している。
【0045】図8(A)に示すように比較的草丈が高いにもかかわらず、前部開閉扉23を閉塞した状態で草刈り作業を実行した場合においては、作業車1の進行に伴いカッターカバー10の前端部により芝草が倒されるという現象が発生する。このために、旋回するカッター9は倒された状態の芝草を押しつけながら通過し、比較的多くの刈り残しを発生させるという問題が生ずる。換言すれば、草丈がある程度以上の高さである場合においては、従来の草刈り装置は、図8(A)に示した例と同様の問題を抱えていることになる。
【0046】そこで、図8(B)に示すように前部開閉扉23を開放した状態で、草刈り作業を実行した場合においては、旋回するカッター9は芝草の根元部分に直接的に当接し、当該部分で効果的に芝草を切断することができる。この場合、芝草の背丈が高くなるにしたがい、比較的多量の刈り取られた芝草がカッターカバー10内に蓄積されることになるが、作業車1の進行に伴い、後部開閉扉27は自動的に開放される。したがって、刈り取られた芝草Gは、カッターカバー10の後部から抵抗なく排出される。
【0047】前記した構成を採用した場合においては、たとえ芝草の背丈が高い場合であっても、その刈り残しを最小限にとどめることができ、また、刈り取られた芝草Gが、カッターカバー10内に滞積されることにより、カッター9の駆動系が過負荷状態に陥ることも回避できる。
【0048】図9は、前記した草丈検出手段を利用した草刈り作業車の好ましい制御ルーチンの一例を示したものである。図9に示すステップS21においては、草刈り作業車1は、前部開閉扉23を閉塞した状態で草刈り作業を行っているものとする。この時、ステップS22に示すように、前記した草丈検出手段16は、作業車1の進行方向に存在する芝草の草丈状態を監視している。ここで、草丈検出手段16が所定以上の草丈を感知しない場合(Noの場合)には、ステップS21に戻り前部開閉扉23を閉塞した状態で草刈り作業が続行される。
【0049】前記ステップS22において、草丈検出手段16が所定以上の草丈を感知した場合(Yesの場合)には、ステップS23に移り、カッターカバー10の前部開閉扉23を開放させる駆動制御が実行される。この駆動制御は図7に基づいて説明したとおりである。そして、ステップS24においては、カッターカバー10の前部開閉扉23を開放させた状態で、所定時間にわたり草刈り作業の運転を継続させる。そして、所定時間経過後にステップS25に移り、再び草丈検出手段16が所定以上の草丈を感知したか否かを判定する。この作用は、前記したステップS22と同様である。
【0050】このステップS25の判定により、草丈検出手段16が所定以上の草丈を感知している場合(Yesの場合)にはステップS24に戻り、同様にカッターカバー10の前部開閉扉23を開放させた状態で、所定時間にわたり草刈り作業の運転が継続される。そして、ステップS25において、草丈検出手段16が所定以上の草丈を感知しない状態(Noの状態)となった場合には、ステップS26に移り、カッターカバー10の前部開閉扉23を閉塞する操作がなされる。そして、ステップS21にリターンされ、作業車1の運転が終了するまで、ステップS21から始まる前記したルーチンが繰り返し実行される。
【0051】ここで、前記したステップS24においては、前部開閉扉23を開放させた状態で、所定時間にわたり草刈り作業の運転を継続するように制御されるので、前部開閉扉23が必要以上に頻繁に開閉されるのを防止することができる。
【0052】なお、図9に示す制御ルーチンにおいては、草丈検出手段による検出出力を利用して、カッターカバー10の前部開閉扉23を開閉制御する点についてのみ説明しているが、図6に基づいて説明したように、カッター駆動系の負荷に応じて作業車の走行速度等を制御する駆動方式をこれに併用することも効果的である。
【0053】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明にかかる草刈り作業車によると、カッターカバー内に滞積する刈り草により、過負荷状態に陥るのを効果的に回避することができる草刈り作業車を提供することができる。また、刈り取ろうとする草丈に柔軟に対応して、効率よく作業を遂行することができる草刈り作業車を提供することができる。加えて、この発明にかかる草刈り作業車を、特に無人走行可能な自律走行車に適用することで、前記した特質を十分に生かすことができる。
【出願人】 【識別番号】000005348
【氏名又は名称】富士重工業株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目7番2号
【識別番号】591187841
【氏名又は名称】株式会社共栄社
【住所又は居所】愛知県豊川市美幸町1丁目26番地
【出願日】 平成14年4月22日(2002.4.22)
【代理人】 【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
【公開番号】 特開2003−310026(P2003−310026A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2002−119292(P2002−119292)