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【発明の名称】 コンバインの分草装置
【発明者】 【氏名】義田 修務
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】伊藤 昇
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】前処理フレームとデバイダフレームとの連結部位を下方から遮蔽板にて覆い、連結部位に下方から泥土が侵入するのを防止する。

【解決手段】コンバイン10は、前処理部24に、前処理フレーム32の前部に連結金具34を介して連結されたデバイダフレーム36と、該デバイダフレーム36の前端部に固定されて、機体前方から後方に向けて上方に傾斜する右デバイダ28とを備えていて、該右デバイダ28を、連結金具34を介して前処理フレーム32に対し略々水平面内で回動自在に連結し、更に前処理フレーム32とデバイダフレーム36との連結部位50を下方から遮蔽板38にて覆うことで、該連結部位50に隙間が形成されないようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前処理部に、機体前方に向けて延設された前処理フレームと、該前処理フレームの前部に連結部材を介して連結された分草フレームと、該分草フレームの前端部に固定され、機体前方から後方に向けて上方に傾斜する分草体と、を備えたコンバインにおいて、前記分草体を、前記連結部材を介して前記前処理フレームに対し略々水平面内で変位自在に連結すると共に、前記前処理フレームと前記分草フレームとの連結部位を下方から遮蔽板にて覆った、ことを特徴とするコンバインの分草装置。
【請求項2】 前記遮蔽板を前記分草フレームの下部に固定し、該遮蔽板の後部を前記前処理フレームの前端部位に臨ませた、ことを特徴とする請求項1記載のコンバインの分草装置。
【請求項3】 前記連結部材は、前記連結部位を機体内側面から覆うように上下に垂下した側面壁を有している、ことを特徴とする請求項1記載のコンバインの分草装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの分草装置に関し、特に、分草フレームの前端部に固定された分草体を、略々水平面内で変位自在に連結したコンバインの分草装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンバインは、前処理部の下部に刈取り穀稈を分草する分草体としてのデバイダを有し、該デバイダやナローガイドで分草された穀稈は、引起しチェーンにより搬送され、刈刃で株元が切断される。切断された穀稈は、突起付きベルトで掻込まれ、同時にスターホイルによって後方に移送され、この搬送体後方に引継がれる。
【0003】ところで、前記デバイダは、機体左端及び右端とその内側に設けられたデバイダを有し、少なくとも右デバイダは刈取り作業における中割作業時等に略々水平面内で左右に振れる構造になっている。すなわち、デバイダ間隔は穀稈の植付条間よりも若干広く設定されているため、中割作業時に右デバイダを回動させて外方に振ることで、通常刈作業時よりも1条分多く刈取ることができる。これにより、植立穀稈を機体で倒さずに刈取ることができ、従来から、例えば、2条刈コンバインで中割作業を行う場合には、右デバイダを外方に回動して3条刈りを行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のコンバインでは、デバイダを左右に振れる構造としていたため、該デバイダを固定している分草フレームとしてのデバイダフレームと、前処理フレームとの連結部に隙間が形成されていたので、刈取作業時に該隙間に泥土が侵入し該泥土が堆積したり、隙間にワラが引っ掛り、該ワラをひきづりながら作業走行するため、作業時におけるコンバインの美的外観が悪くなるという課題があった。
【0005】本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、前処理フレームと分草フレームとの連結部位を下方から遮蔽板にて覆うことで、該連結部位に下方から泥土等が侵入したり、該侵入した泥土が堆積されるのを防止可能なコンバインの分草装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、前処理部(24)に、機体前方に向けて延設された前処理フレーム(32)と、該前処理フレーム(32)の前部に連結部材(34)を介して連結された分草フレーム(36)と、該分草フレーム(36)の前端部に固定され、機体前方から後方に向けて上方に傾斜する分草体(28,28’,28”)と、を備えたコンバイン(10)において、前記分草体(28)を、前記連結部材(34)を介して前記前処理フレーム(32)に対し略々水平面内で変位自在に連結すると共に、前記前処理フレーム(32)と前記分草フレーム(36)との連結部位(50)を下方から遮蔽板(38)にて覆ったことを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載のコンバインの分草装置において、前記遮蔽板(38)を前記分草フレーム(36)の下部に固定し、該遮蔽板(38)の後部を前記前処理フレーム(32)の前端部位に臨ませたことを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載のコンバインの分草装置において、前記連結部材(34)は、前記連結部位(50)を機体内側面から覆うように上下に垂下した側面壁(34b)を有していることを特徴とする。
【0009】[作用]本発明によれば、前処理部(24)における分草フレーム(36)の前端部に固定された分草体(28)を、連結部材(34)を介して前処理フレーム(32)に対し略々水平面内で変位自在に連結すると共に、この前処理フレーム(32)と分草フレーム(36)との連結部位(50)を下方から遮蔽板(38)にて覆ったことで、前記連結部位(50)に隙間が形成されることなく、よって該連結部位(50)に下方から泥土等が侵入したり、該侵入した泥土が堆積するのを防止することが可能となる。
【0010】なお、上述した括弧内の符号は、図面を対照するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0012】図1は、本発明が適用されたコンバイン(2条刈)の全体図であり、該コンバイン10は、左右1対のクローラ走行装置12,12により支持されている走行機体14を有し、該走行機体14の左右一側には座席シート16やマルチステアリングレバー17等を有する運転席18と、その後方にホッパ20が配置されている。また、走行機体14の左右他側には、脱穀部22が配設され、更に走行機体14の前方には、前処理部24が昇降自在に配設されている。
【0013】前記前処理部24は、引起しケース26、穀稈を分草する分草体としての右デバイダ28、左デバイダ28’、中デバイダ28”、及びナローガイド29等を有し、この前処理部24にて刈取られた穀稈は、脱穀部22のフィードチエン(図示せず)に引継がれ、更に該脱穀部22内で脱穀・選別され、該選別された穀粒は前記ホッパ20に移送されて一時的に貯蔵される。ホッパ20に貯蔵された穀粒は、該ホッパ20の下部の樋口20aから機外に搬出される。
【0014】前記運転席18の後部には、エンジンルームを覆うエンジンカバー30が設けられていて、コンバイン10はエンジンの動力により、図示しないトランスミッションを介して前述した前処理部24及び脱穀部22に動力が伝達され、刈取り、脱穀作業が行われると共に、クローラ走行装置12,12にも動力が伝達されて機体が走行する。
【0015】図2に示すように、前処理部24の下部には、機体前方に向けて前処理フレーム32が延設されていて、該前処理フレーム32の前部に、連結金具(連結部材)34を介してデバイダフレーム(分草フレーム)36が連結されている。そして、このデバイダフレーム36の前端部に、先端金具35を介してボルト37により、機体前方から後方に向けて上方に傾斜する右デバイダ28が固定されている。また、同様にして、デバイダフレーム36と略々平行に配設された各デバイダフレームの前端部に、夫々左デバイダ28’及び中デバイダ28”が固定されている。なお、本実施の形態では、以後、右デバイダ28を回動自在とした場合を例として説明する。
【0016】本実施の形態では、前記右デバイダ28を、連結金具34を介して前処理フレーム32に対し略々水平面内で変位自在に連結すると共に、前処理フレーム32とデバイダフレーム36との連結部位を下方から遮蔽板38にて覆ったものである。
【0017】すなわち、前処理フレーム32の前端部には、断面矩形状の角パイプ40が溶接固定され、また、この前処理フレーム32の前端部の連結部位50にて、該前処理フレーム32に連結されるデバイダフレーム36の後端部には、連結金具34が溶接固定されている。そして、これら角パイプ40と連結金具34とは2本のボルト42,43にて固定されている。
【0018】前記連結金具34は、前部を略々直角に下方に折曲された水平壁34aと、該水平壁34aに一体的に連接され前記連結部位50を機体内側面から覆うように、かつ略々直角に垂下するように折曲された側面壁34bと、前後中途部で水平壁34a及び側面壁34bから突設された突片34cとを有している。
【0019】そして、前記水平壁34aの前部にて折曲された部分と、前記側面壁34bの前端部のやや内側に折曲された部分が、デバイダフレーム36に溶接固定され、前記突片34cは、デバイダフレーム36の後端部に溶接固定されていて、角パイプ40の上面と前記水平壁34aとの接触面が当接されてボルト42,43により固定されている。このとき、角パイプ40の機体内側の側面と前記側面壁34bとは当接されて、該当接面が連結金具34のガイド部を形成している。前記水平壁34aのボルト取付け孔は、図4に示すように、一方が長円孔42aで、他方が円孔43aに形成されている。
【0020】以上により、例えば右デバイダ28を略々水平面内で回動するときは、2本のボルト42,43を緩めると共に、連結金具34を前方のボルト43を中心として回動すれば、後方のボルト42は長円孔42a内を相対移動し、所定の回動位置で締結することができる。また、連結金具34の側面壁34bは、前述のように、連結部位50を機体内側面から覆うように略々直角に垂下して折曲されているので、刈取作業時等に、この側面壁34bにより植立穀稈を機体内側に自然に案内することができる。
【0021】そして、本実施の形態では、前記連結部位50を下方から遮蔽板38にて覆っていて、この遮蔽板38は、デバイダフレーム36の下部に固定されている。この遮蔽板38により、図2に示すように、前記連結部位50に形成された所定の空間Aを遮蔽することができ、この空間Aに泥土が侵入するのを防止することができる。なお、この遮蔽板38は、該遮蔽板38と前処理フレーム32との下面が略々同一面となるように固定されていて、これにより、刈取作業時等に遮蔽板38にワラ等が引っ掛るのを防止している。
【0022】また、本実施の形態では、前記遮蔽板38は細長の鉄板から成り、その前後端部は円弧状に形成されていて、該遮蔽板38の後部は前処理フレーム32の前端部位に臨むように固定されている。このため、図4に示すように、右デバイダ28をデバイダフレーム36及び遮蔽板38と共に、略々水平面内で回動したとき、遮蔽板38の後端部は円弧状に形成されているため、前処理フレーム32との間の隙間を小さくすることができる。
【0023】更に、本実施の形態では、図5(a)(b)に示すように、遮蔽板38の前後端部のうち、少なくとも後端部を平面視鋭角に突出するように形成し、該鋭角に形成された後端部を前処理フレーム32のパイプ内側まで延長している。これにより、右デバイダ28をデバイダフレーム36及び遮蔽板38と共に、略々水平面内で回動したとき、遮蔽板38の後端部は前処理フレーム32のパイプ内側まで延長されているので、連結部位50における前処理フレーム32とデバイダフレーム36との間の隙間をより小さくすることができる。
【0024】次に、作用について説明する。
【0025】穀稈が植立された圃場において、2条刈のコンバインで中割り作業を行う場合、前処理部24に設けられた右デバイダ28と中デバイダ28”、及び左デバイダ28’の相互間隔は植立穀稈条の間隔よりも若干大きく設定されているため、例えば右端側の右デバイダ28を略々水平面内で外方に回動することにより、植立穀稈を倒すことなく、3条分の穀稈を刈取作業することができる。
【0026】この場合、図3及び図4に示すように、連結金具34と前処理フレーム32とを固定している2本のボルト42,43を緩めた状態で、該連結金具34を、前方のボルト43を中心として後方のボルト42の長円孔42aに沿い、内側方(図4の鎖線位置)に移動させれば、右デバイダ28を機体外方に回動させることができる。更に、右デバイダ28を機体外方に回動させた後、2本のボルト42,43を締付ければ、該右デバイダ28をその位置に固定することができる。なお、前方のボルト43は常時若干緩めた状態にしておくこともでき、この場合は、後方のボルト42を操作するだけで右デバイダ28を回動調節することができるので、調節作業も簡単となる。
【0027】そして、右デバイダ28を回動調節した時にも、前処理フレーム32とデバイダフレーム36との連結部位50は、遮蔽板38により下方から覆われているので、該連結部位50に隙間が形成されず、よって該連結部位50に下方から泥土やワラ等が侵入することが防止される。
【0028】また、前処理フレーム32とデバイダフレーム36とを連結している連結金具34は、その側面壁34bが、連結部位50を機体内側面から覆うように上下に垂下されていて、刈取作業に伴ない、この側面壁34bが植立穀稈を機体内側に案内するように作用するので、穀稈の刈取及び刈取後の穀稈搬送作業をスムーズに行うことができる。
【0029】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、分草体を、連結部材を介して前処理フレームに対し略々水平面内で変位自在に連結すると共に、前処理フレームと前記分草フレームとの連結部位を下方から遮蔽板にて覆ったことで、該連結部位に下方から泥土等が侵入したり、該侵入した泥土が堆積するのを防止することができる。
【0030】請求項2記載の発明によれば、前記遮蔽板を前記分草フレームの下部に固定し、該遮蔽板の後部を前記前処理フレームの前端部位に臨ませたことで、前記連結部位に隙間が形成されず、該隙間に泥土等が侵入したりワラ等が引っ掛るのを防止することができる。また、分草体を略々水平面内で変位させた場合でも、前記遮蔽板により前記連結部位の隙間を覆うことができる。
【0031】請求項3記載の発明によれば、前記連結部材は、前記連結部位を機体内側面から覆うように上下に垂下した側面壁を有しているので、刈取作業時等に、この側面壁により植立穀稈を機体内側に案内することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成14年4月15日(2002.4.15)
【代理人】 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫 (外1名)
【公開番号】 特開2003−304724(P2003−304724A)
【公開日】 平成15年10月28日(2003.10.28)
【出願番号】 特願2002−112567(P2002−112567)