| 【発明の名称】 |
刈取作業機の刈取部昇降制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】高原 一浩 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ境製造所内
【氏名】池田 博 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ境製造所内
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| 【要約】 |
【課題】刈取作業中及び非刈取作業中のいずれにおいても、刈取部を良好に昇降操作可能な刈取作業機の昇降装置を提供する。
【解決手段】昇降制御手段100が、昇降操作レバー16が昇降停止指令位置に位置すると刈取部2の昇降を停止し、昇降操作レバー16が上昇指令範囲に位置すると、昇降停止指令位置から昇降操作レバー16が離れて位置するほど高速とする形態で刈取部2を上昇させ、昇降操作レバー16が下降指令範囲に位置すると、昇降停止指令位置から昇降操作レバー16が離れて位置するほど高速とする形態で前記刈取部2を下降させるように、さらには、昇降操作レバー16の被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度を、刈取作業中では非刈取作業中よりも低速にする形態で刈取部2を上昇及び下降させるように、昇降操作手段CYを作動させるように構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取部を走行機体に対して昇降操作する昇降操作手段と、昇降停止指令位置と上昇指令範囲との間で往復移動操作自在で且つ前記昇降停止指令位置と下降指令範囲との間で往復移動操作自在な昇降操作レバーと、その昇降操作レバーの被操作位置を検出する操作位置検出手段と、その操作位置検出手段の検出情報に基づいて、前記昇降操作手段の作動を制御する昇降制御手段とが設けられ、その昇降制御手段が、前記昇降操作レバーが前記昇降停止指令位置に位置すると前記刈取部の昇降を停止し、前記昇降操作レバーが前記上昇指令範囲に位置すると、前記昇降停止指令位置から前記昇降操作レバーが離れて位置するほど高速とする形態で前記刈取部を上昇させ、前記昇降操作レバーが前記下降指令範囲に位置すると、前記昇降停止指令位置から前記昇降操作レバーが離れて位置するほど高速とする形態で前記刈取部を下降させるように、前記昇降操作手段を作動させるように構成されている刈取作業機の刈取部昇降制御装置であって、刈取作業中であるか否かを検出する作業状態検出手段が設けられ、前記昇降制御手段が、前記作業状態検出手段の検出情報に基づいて、前記昇降操作レバーの被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度を、刈取作業中では非刈取作業中よりも低速にする形態で前記刈取部を上昇及び下降させるように、前記昇降操作手段を作動させるように構成されている刈取作業機の刈取部昇降制御装置。 【請求項2】 前記昇降制御手段が、前記上昇指令範囲及び前記下降指令範囲の夫々において前記昇降操作レバーを前記昇降停止位置から離れる側に単位量移動させたときの上昇速度及び下降速度の増加量を、前記昇降停止指令位置に近い側の領域の方が前記昇降停止指令位置から遠い側の領域よりも小さくする形態で前記刈取部を昇降させるように、前記昇降操作手段を作動させるように構成されている請求項1記載の刈取作業機の刈取部昇降制御装置。 【請求項3】 昇降速度を変更設定する速度設定手段が設けられ、前記昇降制御手段が、前記速度設定手段の設定情報に基づいて、前記昇降操作レバーの被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度を増減調整する形態で前記刈取部を上昇及び下降させるように、前記昇降操作手段を作動させるように構成されている請求項1又は2に記載の刈取作業機の刈取部昇降制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、刈取部を走行機体に対して昇降操作する昇降操作手段と、昇降停止指令位置と上昇指令範囲との間で往復移動操作自在で且つ前記昇降停止指令位置と下降指令範囲との間で往復移動操作自在な昇降操作レバーと、その昇降操作レバーの被操作位置を検出する操作位置検出手段と、その操作位置検出手段の検出情報に基づいて、前記昇降操作手段の作動を制御する昇降制御手段とが設けられ、その昇降制御手段が、前記昇降操作レバーが前記昇降停止指令位置に位置すると前記刈取部の昇降を停止し、前記昇降操作レバーが前記上昇指令範囲に位置すると、前記昇降停止指令位置から前記昇降操作レバーが離れて位置するほど高速とする形態で前記刈取部を上昇させ、前記昇降操作レバーが前記下降指令範囲に位置すると、前記昇降停止指令位置から前記昇降操作レバーが離れて位置するほど高速とする形態で前記刈取部を下降させるように、前記昇降操作手段を作動させるように構成されている刈取作業機の刈取部昇降制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上記の刈取作業機の刈取部昇降制御装置は、昇降操作レバーの昇降停止指令位置からの操作量によって、刈取部の上昇速度及び下降速度を選択できるから、例えば刈取作業中において、刈高さの微調整のために刈取部を低速にて上昇あるいは下降させることや、地面に存在する大きな凸部を回避しながら刈取を継続するために刈取部を高速にて上昇あるいは下降させること等の昇降操作を、適切に行えるものである。 【0003】ところで、刈取作業機は、一つの作業行程の刈取作業が終了すると、枕地を走行して次の作業行程の始端部に進み、その次の作業行程の刈取作業を行う形態で作業することになる。そして、一つの作業行程の刈取作業が終了するに伴って刈取部を地面から大きく離れるように上昇させて、枕地での走行により走行機体がピッチングやローリングにより大きく傾いても刈取部が地面と接当するのを回避させるようにすることになり、また、次の作業行程の始端部に進だときには、刈取部を急速に地面近くに下降させて適正な刈高さに調整することになる。このように刈取作業機では、枕地を走行する非刈取作業中では刈取部を急速に昇降させるようにできることが、刈取部の昇降操作上において好都合となる。これとは逆に、作業行程を走行する刈取作業中においては、上述の如く刈高さの微調整のために刈取部を低速にて上昇あるいは下降させることがある等、非刈取作業中よりも低速にて昇降させるようにできることが、むしろ刈取部の昇降操作上において好都合となる。しかしながら、従来では、特開2001−275433号公報に開示されている如く、刈取作業中及び非刈取作業中のいずれにおいても、昇降操作レバーの被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度が同じになるようにする形態で刈取部を上昇及び下降させるように構成されているため、刈取作業中及び非刈取作業中のいずれにおいても刈取部を良好に昇降操作できない虞があった。 【0004】かかる不都合を回避する手段として、特開平3−139203号公報に開示されている如く、刈取作業中においては、上述した如く、昇降操作レバーの昇降停止指令位置からの操作量によって、刈取部の上昇速度及び下降速度を選択できるようにし、非刈取作業中においては、昇降操作レバーの昇降停止位置からの操作量に拘わらず上昇速度及び下降速度が設定速度となる形態で刈取部を上昇及び下降させるように構成することが考えられる。つまり、刈取作業中においては、昇降操作レバーの昇降停止指令位置から操作量によって、刈取部の上昇速度及び下降速度を選択できるようにして、刈高さの微調整等、刈取作業中に要求される刈取部の昇降操作を行い易いようにしながらも、非刈取作業中においては、昇降操作レバーの昇降停止位置からの操作量に拘わらず上昇速度及び下降速度が設定速度となる形態で刈取部を上昇及び下降させるようして、つまり、昇降操作レバーの昇降停止位置からの操作量に拘わらず上昇速度及び下降速度が十分に高速である設定速度になる形態で刈取部を上昇及び下降させるようして、次の作業行程の始端部に進だときに、刈取部を急速に地面近くに下降させること等、非刈取作業中に要求される刈取部の昇降操作を行い易くすることが考えられる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記した構成、つまり、刈取作業中においては、昇降操作レバーの昇降停止指令位置からの操作量によって、刈取部の上昇速度及び下降速度を選択できるようにし、非刈取作業中においては、昇降操作レバーの昇降停止位置からの操作量に拘わらず上昇速度及び下降速度が十分に高速である設定速度になるようにする構成においては、非刈取作業中においては、刈取部の上昇速度及び下降速度が高速な設定速度であるため、例えば、不慣れな作業者の場合には、上昇速度及び下降速度が速すぎて適切な昇降操作が行えず、下降操作のときに刈取部を地面に接当させてしまう虞がある等、非刈取作業中の昇降操作を適切に行い難い虞があり、実用し難いものであった。 【0006】本発明は、かかる点に着目して為されたものであり、その目的は、刈取作業中及び非刈取作業中のいずれにおいても、刈取部を良好に昇降操作することが可能となる刈取作業機の刈取部昇降制御装置を提供する点にある。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1の刈取作業機の刈取部昇降制御装置は、刈取部を走行機体に対して昇降操作する昇降操作手段と、昇降停止指令位置と上昇指令範囲との間で往復移動操作自在で且つ前記昇降停止指令位置と下降指令範囲との間で往復移動操作自在な昇降操作レバーと、その昇降操作レバーの被操作位置を検出する操作位置検出手段と、その操作位置検出手段の検出情報に基づいて、前記昇降操作手段の作動を制御する昇降制御手段とが設けられ、その昇降制御手段が、前記昇降操作レバーが前記昇降停止指令位置に位置すると前記刈取部の昇降を停止し、前記昇降操作レバーが前記上昇指令範囲に位置すると、前記昇降停止指令位置から前記昇降操作レバーが離れて位置するほど高速とする形態で前記刈取部を上昇させ、前記昇降操作レバーが前記下降指令範囲に位置すると、前記昇降停止指令位置から前記昇降操作レバーが離れて位置するほど高速とする形態で前記刈取部を下降させるように、前記昇降操作手段を作動させるように構成されているものであって、刈取作業中であるか否かを検出する作業状態検出手段が設けられ、前記昇降制御手段が、前記作業状態検出手段の検出情報に基づいて、前記昇降操作レバーの被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度を、刈取作業中では非刈取作業中よりも低速にする形態で前記刈取部を上昇及び下降させるように、前記昇降操作手段を作動させるように構成されている点を特徴とする。 【0008】すなわち、刈取作業中及び非刈取作業中のいずれにおいても、昇降操作レバーの昇降停止指令位置からの操作量によって、刈取部の上昇速度及び下降速度を選択できるものでありながらも、昇降操作レバーの被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度が、刈取作業中では非刈取作業中よりも低速となる。換言すれば、刈取作業中では非刈取作業中よりも、刈取部の上昇速度及下降速度を選択できる範囲が低くなる。したがって、刈取作業中及び非刈取作業中のいずれにおいても、昇降操作レバーの昇降停止指令位置から操作量によって、刈取部の上昇速度及び下降速度を選択できるから、作業状況や作業者の熟練度によって上昇速度や下降速度を任意に選択できるのであり、しかも、刈取部の上昇速度及び下降速度を選択できる範囲が、刈取作業中では非刈取作業中よりも低くなるから、刈取作業中では、刈取部の上昇速度及び下降速度として低めの速度を得て、刈高さの微調整等、刈取作業中に要求される刈取部の昇降操作を良好に行うことができ、逆に、非刈取作業中においては、刈取部の上昇速度及び下降速度として高めの速度を得て、次の作業行程の始端部に進だときに、刈取部を急速に地面近くに下降させること等、非刈取作業中に要求される刈取部の昇降操作を良好に行うことができるものとなるのであり、もって、刈取作業中及び非刈取作業中のいずれにおいても、刈取部を良好に昇降操作することが可能となる刈取作業機の刈取部昇降制御装置を提供するに至った。 【0009】請求項2の刈取作業機の刈取部昇降制御装置は、請求項1の特徴に加えて、前記昇降制御手段が、前記上昇指令範囲及び前記下降指令範囲の夫々において前記昇降操作レバーを前記昇降停止指令位置から離れる側に単位量移動させたときの上昇速度及び下降速度の増加量を、前記昇降停止指令位置に近い側の領域の方が前記昇降停止指令位置から遠い側の領域よりも小さくする形態で前記刈取部を昇降させるように、前記昇降操作手段を作動させるように構成されている点を特徴とする。 【0010】すなわち、刈取部の上昇速度や下降速度は、昇降停止指令位置に近い側の領域では昇降操作レバーの操作量の割に大きく変化しないものとなり、逆に、昇降停止指令位置から遠い側の領域では昇降操作レバーの操作量の割に大きく変化するものとなるから、昇降操作レバーを昇降停止指令位置に近い側の領域で操作して、上昇速度や下降速度として低めの速度を微調整しながら得ることを行い易いものとなり、逆に、昇降操作レバーを昇降停止指令位置から遠い側の領域で操作して、上昇速度や下降速度として速めの速度を大きく速度変化させながら得ることを行い易いものとなる。説明を加えると、上昇速度や下降速度として低めの速度を得るときとは、刈取部の高さを小範囲で微調整するときであり、このようなときには刈取部の上昇速度や下降速度を微調整し易いことが望まれ、上昇速度や下降速度として速めの速度を得るときとは、刈取部の高さを大きな範囲で調整するときであり、このようなときには刈取部の上昇速度や下降速度を大きな範囲で迅速に調整し易いことが望まれるものとなる。そして、本請求項2によれば、上昇速度や下降速度として低めの速度を得るときには、昇降停止指令位置に近い側の領域で昇降操作レバーを操作することになるが、その領域では、上昇速度や下降速度の変化は昇降操作レバーの操作量の割に大きくないものであるから、刈取部の上昇速度や下降速度を微調整し易いものとなるのであり、また、上昇速度や下降速度として速めの速度を得るときには、昇降停止指令位置に遠い側の領域で昇降操作レバーを操作することになるが、その領域では、上昇速度や下降速度の変化は昇降操作レバー操作量の割に大きいものであるから、刈取部の上昇速度や下降速度を迅速に大きく変化させ易いものとなるのであり、もって、刈取部の上昇速度や下降速度を良好に設定しながら刈取部を昇降操作することが可能となった。 【0011】請求項3記載の刈取作業機の刈取部昇降制御装置は、請求項1及び請求項2の特徴に加えて、昇降速度を変更設定する速度設定手段が設けられ、前記昇降制御手段が、前記速度設定手段の設定情報に基づいて、前記昇降操作レバーの被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度を増減調整する形態で前記刈取部を上昇及び下降させるように、前記昇降操作手段を作動させるように構成されている点を特徴とする。 【0012】すなわち、昇降操作レバーの被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度を、昇降速度変更設定手段にて増減調整することができる。例えば不慣れな作業者では、昇降操作レバーの被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度を低目に調整し、熟練者では、昇降操作レバーの被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度を速目に調整する等、作業者の状況に応じて昇降操作レバーの被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度を調整できる。もって、昇降操作レバーの被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度を調整して、一層便利に使用できるようになった。 【0013】 【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下、本発明に係る刈取作業機の刈取部昇降制御装置の第1実施形態を、刈取作業機としてのコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。図1に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1L、1Rを備えた走行機体Vの前部に、植立穀稈を刈り取り、刈取穀稈を後方に向けて搬送する刈取部2を備えている。前記走行機体Vには、刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置3、脱穀された穀粒を貯留するグレンタンク(図示せず)、搭乗運転部5等を備えている。 【0014】刈取部2は、植立茎稈を分草する分草具6、植立穀稈を立姿勢に引起す引起し装置7、引起された穀稈の株元側を切断するバリカン型刈取装置8、刈取られた穀稈を徐々に横倒れ姿勢に姿勢変更させながら後方に搬送する縦搬送装置9等を備えて、昇降操作手段としての油圧シリンダCYの伸縮操作により、走行機体Vに対して横軸芯X1周りで昇降操作されるようになっている。尚、刈取部2の機体に対する回動支点部には、刈取部2の走行機体Vに対する昇降位置を検出するポテンショメータ形式の対機体高さセンサS3が設けられている。 【0015】前記縦搬送装置9の搬送始端部には、刈取穀稈が存在するか否かを検出することで、刈取部2が刈取作業状態であるか否かを検出する作業状態検出手段として機能する株元センサS0が設けられている。前記分草具6の後方側箇所に、刈取部2の地面からの高さを検出する高さ検出手段としての超音波センサS4が設けられている。この超音波センサS4は、図2に示すように、下方側に向けて超音波を発信する超音波発信器10と、地面にて反射された超音波を受信する超音波受信器11とで構成され、超音波発信器10が超音波を発信してから、地面にて反射された反射波を超音波受信器11が受信するまでの経過時間を計測することで、刈取部2の地面からの高さを検出するように構成されている。 【0016】次に、刈取部2を昇降操作するための制御構成について説明する。図1及び図2に示すように、搭乗運転部5には、手動操作によって刈取部2を昇降操作するための揺動操作式の昇降操作レバー16が、昇降停止指令位置と上昇指令位置との間で往復移動操作自在で且つ昇降停止位置と下降指令範囲との間で往復移動操作自在に設けられている。この昇降操作レバー16は、昇降停止指令位置に復帰付勢されており、後述の如く、その昇降停止指令位置からの揺動操作によって刈取部2を昇降操作するようになっている。この昇降操作レバー16の根元部には、この昇降操作レバー16の被操作位置を検出する操作位置検出手段として機能する昇降ボリュームVRが設けられており、この昇降ボリュームVRによって、昇降操作レバー16の被操作位置が、昇降停止指令位置であるか、前記上昇指令範囲であってその範囲内のどの位置であるか、及び、前記下降指令範囲であってその範囲内のどの位置であるかが検出できるようになっている。ちなみに、図8にも示すように、前記昇降停止指令位置は、昇降操作レバー16の移動方向に沿った範囲を有するものである。 【0017】図2に示すように、前記油圧シリンダCYは単動型シリンダにて構成され、搭載されるエンジンにて駆動される油圧ポンプPからこの油圧シリンダCYに対する圧油供給路18の途中に、上昇制御弁V1が設けられている。この上昇制御弁V1は、油圧シリンダCYに対する作動油の供給状態を、圧油供給による上昇位置、中立停止位置、その他の油圧装置への供給位置の夫々に切り換える3位置切り換え式で且つ電磁操作式に構成されている。又、圧油供給路18の途中から並列状態で分岐されるドレン油路19に、オリフィス20、及び、圧油を排出させる排出位置と圧油排出を停止させる停止位置とに切り換える2位置切換え式の下降制御弁V2が備えられている。 【0018】そして、上昇制御弁V1及び下降制御弁V2の操作により、刈取部2の昇降停止状態、上昇状態、及び、下降状態の夫々に切換ることができ、且つ、上昇状態及び下降状態の夫々において、前記刈取部2の昇降操作速度を変更すべく、前記油圧シリンダCYの伸縮作動速度を変更調節することができるように構成されている。つまり、上昇制御弁V1を中立停止位置に切り換えた状態で、下降制御弁V2を停止位置に切り換えると昇降停止状態となる。そして、上昇制御弁V1を上昇位置に切り換えると上昇状態になるのであり、この上昇状態において、下降制御弁V2を停止位置に切り換えると高速上昇速度になり、下降制御弁V2を排出位置に切り換えると低速上昇速度になり、さらには、下降制御弁V2を排出位置と停止位置との2位置に短時間毎に繰り返し切り換える、所謂、デューティ制御を実行して、デューティ比を変更調節することにより中間の上昇速度を変更調節することができる。尚、上昇操作におけるデューティ比(%)を、下降制御弁V2の排出位置時間と停止位置時間の合計時間に対する停止位置時間の比として定義する。従って、この上昇操作におけるデューティ比(%)を大きくするほど、上昇操作速度は速くなる。 【0019】又、上昇制御弁V1を中立停止位置又はその他の油圧装置への供給位置に切り換え且つ下降制御弁V2を排出位置に切り換えると下降状態になるのであり、この下降状態において、下降制御弁V2を排出位置に切り換えた状態に維持させると高速下降速度になり、下降制御弁V2に対して上記デューティ制御を実行してデューティ比を変更調節することにより下降速度を変更調節することができる。尚、下降操作におけるデューティ比(%)を、下降制御弁V2の停止位置時間と排出位置時間の合計時間に対する排出位置時間の比として定義する。従って、この下降操作におけるデューティ比(%)を大きくするほど、下降操作速度は速くなる。 【0020】図2に示すように、マイクロコンピュータを利用して構成される制御装置14が設けられ、この制御装置14に、前記株元センサS0、超音波センサS4、対機体高さセンサS3、及び、前記昇降ボリュームVRからの各検出情報が入力されている。前記搭乗運転部5には、自動昇降制御を入り切りする自動昇降スイッチSW3、及び、刈取部2の目標対地高さ(設定高さ)を設定するための手動操作式のボリュームにて構成された刈高さ設定器15が設けられ、この自動昇降スイッチSW3と、刈高さ設定器15からの各情報も上記制御装置14に入力されている。さらに、エンジンから前記脱穀装置3への動力伝達を入り切りする脱穀クラッチの入り切り状態を検出する脱穀スイッチS1と、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度センサS2の各検出情報も上記制御装置14に入力されている。 【0021】上記制御装置14を利用して、刈取部2の自動昇降制御や手動昇降制御を実行する昇降制御手段100が構成されるようになっており、このため、上昇制御弁V1及び下降制御弁V2夫々に対して、制御装置14から駆動信号が出力されるようになっている。ちなみに、手動昇降制御は、自動昇降制御に優先するものである。前記自動昇降制御は、前記自動昇降スイッチSW3にて自動昇降制御の入りが指令され、脱穀スイッチS1が入りで、エンジンの回転数が設定回転速度以上等の制御開始条件が満たされると、制御作動を実行するものであって、前記超音波センサS4の検出情報に基づいて前記刈取部2の地面からの高さが前記設定高さに維持されるように前記油圧シリンダCYを作動させるものである。つまり、昇降制御手段100は、超音波センサS4による刈高さ検出値と刈高さ設定器15で設定された高さ設定値との偏差(刈高さ検出値−高さ設定値)を求めて、その偏差が制御不感帯内になく偏差が正であれば、刈取部2を上昇操作させ、上記偏差が制御不感帯内になく偏差が負であれば、刈取部2を下降操作させ、上記偏差が制御不感帯内にあれば、刈取部2の昇降を停止させるように、油圧シリンダCYを作動させることになる。この自動昇降制御は、前記制御開始条件が満たされているときには常に制御作動を実行するものではなく、制御作動の起動開始及び停止の条件に基づいて制御作動が起動及び停止されることになる。説明を加えると、前記制御開始条件が満たされているときにおいて、制御作動を停止しているつまり制御作動を起動していないときに、刈取部2が手動昇降制御によって設定高さ以下に下降されると、制御作動を起動するようになっており、また、制御起動状態においては、刈取部2が手動昇降制御によって設定高さ以上に上昇されると、制御作動を停止することになる。尚、刈取部2の高さは、対機体高さセンサS3の検出情報にて求められるようになっている。 【0022】前記制御装置14つまり昇降制御手段100は、手動昇降制御として、前記昇降ボリュームVRの検出情報に基づいて油圧シリンダCYを伸縮作動させるものであって、具体的には、図5に示すように、昇降操作レバー16が昇降停止指令位置に位置すると刈取部2の昇降を停止し、昇降操作レバー16が上昇指令範囲に位置すると、昇降停止指令位置からの昇降操作レバー16が離れて位置するほど高速とする形態で刈取部2を上昇させ、昇降操作レバー16が下降指令範囲に位置すると、昇降停止指令位置から昇降操作レバー16が離れて位置するほど高速とする形態で刈取部2を下降させるように、油圧シリンダCYを伸縮作動させるように構成され、さらには、前記株元センサS0の検出情報にも基づいて、昇降操作レバー16の被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度を、刈取作業中では非刈取作業中よりも低速にする形態で刈取部2を上昇及び下降させるように、油圧シリンダCYを伸縮作動させるように構成されている。刈取部2の昇降速度、つまり、油圧シリンダCYの伸縮作動速度は、前述の如くデューティ制御におけるデューティ比の調整により行われることになるものであって、昇降操作レバー16の被操作位置と刈取部2の昇降速度との関係(以下の記載において、速度演算情報と記載することがある)が、予め制御装置14に記憶されており、制御装置14つまり昇降制御手段100は、昇降操作レバー16の被操作位置から定まる昇降速度が得られるデューティ比を求めて、油圧シリンダCYを作動させるようになっている。 【0023】次に、前記制御装置14による刈取部昇降制御について、図3及び図4のフローチャートに基づいて説明する。メインフロー(図3)では、先ず、昇降操作レバー16の操作により、手動昇降指令が指令されているか否か、つまり、上昇側の指令や下降側の指令が指令されているか否かを判断する。そして、手動昇降指令が指令されている場合には、手動昇降制御を後述の如く優先して実行する。手動昇降指令が指令されていないときには、自動昇降制御の制御開始条件が成立しているか否か、及び、制御作動の起動開始条件が成立しているか否かがチェックされ、制御開始条件が成立しかつ起動開始条件が成立していると、自動昇降制御が実行される。制御開始条件が満たされない場合や、制御開始条件が成立していても、起動開始条件が満たされていないと、昇降作動を停止させる昇降停止処理が行われる。 【0024】手動昇降制御は、図4に示すように、、昇降ボリュームVRの検出情報に基づいて上昇指令であるか否かがチェックされる。上昇指令であると、株元センサS0がONであるか否か、つまり、刈取作業中であるか否かがチェックされる。刈取作業中である場合には、刈取作業中用の上昇速度を、昇降ボリュームVRの検出情報と速度演算情報(図5参照)に基づいて求める、刈取作業中用の上昇速度演算処理が実行され、次に、求めた速度で上昇させるように、上述の如く上昇制御弁V1及び下降制御弁V2を作動せる出力処理が実行される。非刈取作業中の場合には、非刈取作用中用の上昇速度を、昇降ボリュームVRの検出情報と速度演算情報(図5参照)に基づいて求める、刈取作業中用の上昇速度演算処理が実行され、次に、求めた速度で上昇させるように、上述の如く上昇制御弁V1及び下降制御弁V2を作動せる出力処理が実行される。 【0025】上述の上昇指令のチェックにおいて、上昇指令でないときにも、株元センサS0がONであるか否か、つまり、刈取作業中であるか否かがチェックされる。刈取作業中である場合には、刈取作業中用の下降速度を、昇降ボリュームVRの検出情報と速度演算情報(図5参照)に基づいて求める、刈取作業中用の下降速度演算処理が実行され、次に、求めた速度で上昇させるように、上述の如く上昇制御弁V1及び下降制御弁V2を作動せる出力処理が実行される。非刈取作業中の場合には、非刈取作用中用の下降速度を、昇降ボリュームVRの検出情報と速度演算情報(図5参照)に基づいて求める、刈取作業中用の下降速度演算処理が実行され、次に、求めた速度で下降させるように、上述の如く上昇制御弁V1及び下降制御弁V2を作動せる出力処理が実行される。 【0026】[第2実施形態]以下、本発明に係る刈取作業機の刈取部昇降制御装置の第2実施形態について図面に基づいて説明する。この第2実施形態は、基本的には前記第1実施形態と同じであり、手動昇降制御の実施形態の一部において第1実施形態と異なるものであり、以下の説明におおいては第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。前記昇降制御手段100が、図6に示すように、前記上昇指令範囲及び前記下降指令範囲の夫々において前記昇降操作レバー16を前記昇降停止位置から離れる側に単位量移動させたときの上昇速度及び下降速度の増加量を、前記昇降停止指令位置に近い側の領域の方が前記昇降停止指令位置から遠い側の領域よりも小さくする形態で前記刈取部を昇降させるように、前記昇降操作手段を作動させるように構成されている。説明を加えると、昇降制御手段100は、前記速度演算情報として、図6に示す情報を予め記憶しており、手動昇降制御において、その記憶した速度演算情報にもとづいて上昇速度や下降速度を求めて、上述の如く上昇制御弁V1及び下降制御弁V2を作動せることになる。 【0027】[第3実施形態]以下、本発明に係る刈取作業機の刈取部昇降制御装置の第3実施形態について図面に基づいて説明する。この第3実施形態は、基本的には前記第1実施形態と同じであり、手動昇降制御の実施形態の一部において第1実施形態と異なるものであり、以下の説明におおいては第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。図7に示すように、昇降速度を変更設定する速度設定手段としてのボリューム式の速度設定器VKが設けられ、昇降制御手段100が、速度設定器VKの設定情報に基づいて、昇降操作レバー16の被操作位置が同じであるときの上昇速度及び下降速度を増減調整する形態で前記刈取部2を上昇及び下降させるように、油圧シリンダCYを作動させるように構成されている。説明を加えると、昇降制御手段100は、図8に示すように、記憶している前記速度演算情報を、前記速度設定器VKの設定情報にて補正して、手動昇降制御において、その補正した速度演算情報にもとづいて上昇速度や下降速度を求めて、上述の如く上昇制御弁V1及び下降制御弁V2を作動せることになる。 〔別実施形態〕上記実施形態では、本発明の刈取作業機の刈取部昇降制御装置を、刈取作業機としてのコンバインに適用した場合について説明したが、コンバイン以外の各種の刈取作業機において刈取部を昇降させる場合に適用することができる。 【0028】上記実施形態では、昇降操作手段を油圧シリンダCYにて構成したが、これ以外に、電動モータ等その他のアクチュエータで構成してもよい。 【0029】上記の第2実施形態において、速度演算情報、つまり、昇降操作レバー16の被操作位置と刈取部2の昇降速度との関係を示す情報を、二次曲線状に設定する場合を例示したが、折れ線状に設定する等、種々の形態で設定することが可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ 【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
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| 【出願日】 |
平成14年4月16日(2002.4.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2003−304721(P2003−304721A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月28日(2003.10.28) |
| 【出願番号】 |
特願2002−113419(P2002−113419) |
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