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【発明の名称】 コンバインの故障判定制御
【発明者】 【氏名】山崎 弘章
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】松川 雅彦
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】門脇 隆志
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】錦織 将浩
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】石橋 俊之
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】山崎 達也
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】トランスミッション回転センサの回転速度を機体の走行速度として検出し、それに基づいて当該コンバインの走行速度と、前処理部の穀稈の刈取り及び搬送速度を連動させた車速連動制御や、扱ぎ深さ自動制御、選別自動制御、及び穀粒排出オーガの旋回自動制御等を行うように構成したコンバインにおいて、前記トランスミッション回転センサの故障判定を確実に行えるようにする。

【解決手段】刈取り作業中に扱ぎ深さ搬送装置36に導入される穀稈を検出する穀稈検出手段41の出力信号が変化した時、コンバイン10の走行速度を検出するトランスミッション回転センサ111からの出力の有無によって、該トランスミッション回転センサ111の故障判定をなす故障判定手段を設ける一方、前記コンバイン10の走行停止状態で実施する強制掻き込み中は、前記トランスミッション回転センサ111の故障判定を行わないように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体(12)の走行停止に連動して前処理部(16)が停止するように構成すると共に、機体(12)の走行停止状態で前処理部(16)を作動可能にする駆動手段(90)と、該駆動手段(90)により前処理部(16)を作動状態に切換る切換手段(60a)を設け、且つ機体(12)の走行速度を検出するトランスミッション回転センサ(111)と、前処理部(16)の搬送穀稈を検出する穀稈検出手段(41)を設けたコンバインにおいて、刈取り作業中に前記穀稈検出手段(41)の出力信号が変化した時、前記トランスミッション回転センサ(111)の故障判定をなす故障判定手段を設ける一方、前記切換手段(60a)によって前処理部(16)を作動状態に切換えた時は、前記トランスミッション回転センサ(111)の故障判定を行わないように構成したことを特徴とするコンバインの故障判定制御。
【請求項2】 左右一対のクローラ走行装置(11,11)を備えた機体(12)に、穀稈を刈取り搬送する前処理部(16)と刈取った穀稈を脱穀処理する脱穀部(45)を設けると共に、前記機体(12)の走行速度を検出するトランスミッション回転センサ(111)と、前処理部(16)の搬送穀稈を検出する穀稈検出手段(41)を設けたコンバインにおいて、刈取り作業中に前記穀稈検出手段(41)の出力信号が変化した時、前記トランスミッション回転センサ(111)の故障判定をなす故障判定手段を設ける一方、機体(12)の走行停止状態では、前記トランスミッション回転センサ(111)の故障判定を行わないように構成したことを特徴とするコンバインの故障判定制御。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの走行速度を検出するトランスミッション回転センサの故障判定制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のコンバインにおいては、エンジンの出力をクローラ走行装置に伝達する走行駆動用無断変速機の出力軸に設けたトランスミッション回転センサにより、その回転速度をコンバインの走行速度として検出し、それに基づいて当該コンバインの走行速度と、前処理部の穀稈の刈取り及び搬送速度を連動させた車速連動制御や、扱ぎ深さ自動制御、選別自動制御、及び穀粒排出オーガの旋回自動制御等を行うようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来のものは、トランスミッション回転センサの故障を判定する故障判定手段を設けておらず、該トランスミッション回転センサが故障した場合はその出力が停止し、コンバインの走行速度に連動させて行う前処理部での穀稈の刈取り搬送、扱ぎ深さ自動制御、及び選別自動制御等の通常の制御が行えなくなった状態で刈取り作業を続けてしまうという問題を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を解決することを目的として創案したものであって、機体の走行停止に連動して前処理部が停止するように構成すると共に、機体の走行停止状態で前処理部を作動可能にする駆動手段と、該駆動手段により前処理部を作動状態に切換る切換手段を設け、且つ機体の走行速度を検出するトランスミッション回転センサと、前処理部の搬送穀稈を検出する穀稈検出手段を設けたコンバインにおいて、刈取り作業中に前記穀稈検出手段の出力信号が変化した時、前記トランスミッション回転センサの故障判定をなす故障判定手段を設ける一方、前記切換手段によって前処理部を作動状態に切換えた時は、前記トランスミッション回転センサの故障判定を行わないように構成したことを第1の特徴としている。
【0005】また、左右一対のクローラ走行装置を備えた機体に、穀稈を刈取り搬送する前処理部と刈取った穀稈を脱穀処理する脱穀部を設けると共に、前記機体の走行速度を検出するトランスミッション回転センサと、前処理部の搬送穀稈を検出する穀稈検出手段を設けたコンバインにおいて、刈取り作業中に前記穀稈検出手段の出力信号が変化した時、前記トランスミッション回転センサの故障判定をなす故障判定手段を設ける一方、機体の走行停止状態では、前記トランスミッション回転センサの故障判定を行わないように構成したことを第2の特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、コンバイン10は、左右一対のクローラ走行装置11,11により支持された機体12を有している。そして、前記機体12の前部の左右一側には、エンジン13を搭載し、このエンジン13の上方には、運転席15を配置している。
【0007】また、前記機体12の前部の他側には、穀稈を刈取り搬送する前処理部16を昇降自在に架設すると共に、その後方に刈取った穀稈を脱穀し、脱穀した穀粒を選別する脱穀部45を設けている。
【0008】そして、前記クローラ走行装置11,11、前処理部16、及び脱穀部45は、前記エンジン13によって駆動し、それによりコンバイン10の走行と、穀稈の刈取り、脱穀作業が行われる。
【0009】また、前記前処理部16は、倒伏した穀稈を引起す引起し装置26と、切断した穀稈を掻き込む掻き込み装置31と、刈取った穀稈を脱穀部45へ向けて搬送すると共に、穀稈の扱ぎ深さを適正に調整する扱ぎ深さ搬送装置36を備え、且つ、その作動基端側を機体12の前方に配置した伝動軸ケース17に回転可能に支持してある。
【0010】そして、前記伝動軸ケース17から機体12に対し、該機体12の前方斜め下方に向けて延出した伝動ケース19は、その長手方向の略中間位置に配置した油圧シリンダ20の伸縮により、伝動軸ケース17を中心として揺動する。尚、前記伝動軸ケース17には、伝動ケース19の回動量を検出するリフトポテンショメータ21を設けている。
【0011】また、前記伝動ケース19の下方には、該伝動ケース19と略T字状に直交する伝動軸筒22を機体12の左右方向に延設すると共に、両者を一体的に連結してある。前記伝動軸筒22には、機体12の前方に向かって延びる前処理フレーム23を介して、未刈り穀稈を分草して引起し通路に導く複数個のデバイダ25を一体的に連結している。
【0012】そして、前記デバイダ25の下方には、コンバイン10の自動走行を可能にする方向センサ(図示せず)を設けると共に、当該デバイダ25の後方には、分草した穀稈を引起す引起し装置26が、前記前処理部16の前方から後方に向けて上昇する傾斜状に設けてある。前記引起し装置26は、爪付チェーン27と引起しケース29を有し、前記爪付チェン27には所定の間隔で複数本の爪が取付けてあり、これらの爪が引起しケース27内を上方に回動することにより穀稈をすき上げるようにしてある。
【0013】また、前記引起し装置26の後方で、且つ伝動軸筒22の前方下部には、地面に近い位置で穀稈の株元を切断する刈刃30を設けてあり、この刈刃30により切断した穀稈を、掻き込み装置31によって掻き込みながら後方に移送する。
【0014】前記掻き込み装置31は、搬送ベルト32と株元搬送スターホイル33、及び株元搬送チェン35等を有しており、前記刈刃30によって刈取られた穀稈は、搬送ベルト32と株元搬送スターホイル33によって掻き込まれて各々の通路に寄せられ、そして、株元搬送チェン35によって挟持されながら掻き込み装置31の後方に配設した前記扱ぎ深さ搬送装置36に引き継がれる。
【0015】前記扱ぎ深さ搬送装置36は、穀稈の扱ぎ深さを適正に調整すべく、その後部が前記伝動軸ケース17を中心として回動可能に支持してあり、穀稈の穂先側を搬送する穂先搬送チェン37と株元側を搬送する株元搬送チェン39を備えている。これら穂先搬送チェン37と株元搬送チェン39は、前述した後部を支点に一体となって上下(図の矢印方向)動すると共に、その始端側を掻き込み装置31の株元搬送チェン35の搬送方向終端側上方に延出してある。
【0016】また、前記扱ぎ深さ搬送装置36に付設したUパイプ部40には、搬送途中の穀稈の有無を検出する第1の検出手段として、ON・OFFスイッチからなる扱ぎ深さメインセンサ41が配設してある。そして、前記Uパイプ部40には、第2の検出手段として、株元センサ42と、穂先センサ43からなる株元・穂先センサが取付けてある。この株元・穂先センサを構成する株元センサ42と穂先センサ43は、各々ON・OFFスイッチからなり、当該株元・穂先センサによって、前記掻き込み装置31から扱ぎ深さ搬送装置36に引き継がれた穀稈の穂先の位置を検出する。
【0017】前記脱穀部45には、フイードチェン46と、このフイードチェン46に略平行な扱室47を設けると共に、該扱室47には、機体12の前後方向に沿う回転軸を中心とした扱胴49を回転自在に配設している。更に、この扱胴49の下方には、脱穀した穀粒を漏下するための受網50を配設すると共に、その受網50の下方には、前後揺動可能な揺動選別体51を設けている。尚、図中51aは、前記揺動選別体51のチャフシーブを構成する複数のフィンを示したものである。
【0018】そして、前記扱胴49により脱穀した稈枝混じりの穀粒は、揺動選別体51の揺動作用と唐箕52及び排塵ファン53から発生する選別風とにより選別された穀粒のみが、前記揺動選別体51下方の1番樋55または2番樋56に落下収容される。また、前記扱室47で扱胴49により脱穀した後の穀稈は、フイードチェン46から機体12の後部に設けた排稈チェン57に引き継いでコンバイン10の後部から排出される。
【0019】また、上述した運転席15の運転操作部には、図2に示すように、メインスイッチ及びスタータスイッチを兼ねるキースイッチ59と、主変速レバー60、マルチステアリングレバー61、刈取クラッチレバー62、作業機クラッチレバー63等の操作レバー類と、コンバイン10の操作状態を表示する計器パネル64等を配置している。尚、前記主変速レバー60の把持部には、強制掻き込みスイッチ60aが設けてあり、該強制掻き込みスイッチ60aの入操作によって、刈取り作業中に走行停止状態で、且つ前処理部16の作動が停止した状態にあるコンバイン10の前処理駆動用無断変速機90を駆動させることができるように構成してある。即ち、刈取り作業中にコンバイン10の走行停止に連動して前処理部16の作動を停止させた時、該前処理部16の掻き込み装置31に残存する穀稈を、前記前処理駆動用無断変速機90を駆動させることによって、扱ぎ深さ搬送装置36へ強制的に搬送せしめる強制掻き込みを行うことができる。
【0020】上述した強制掻き込みは、圃場での回り刈り等の刈取り作業において、畦際でコンバイン10を前進させると前処理部16先端のデバイダ25が畦畔に接する恐れがあるので、その際、前記コンバイン10の走行の停止に連動して前処理部16の作動も停止するように構成し、当該コンバイン10の走行停止状態で前処理部16の掻き込み装置31に残存している穀稈を、前記前処理駆動用無断変速機90を駆動させることによって、扱ぎ深さ搬送装置36へ強制的に搬送せしめて脱穀処理しようとするものである。
【0021】そして、前記主変速レバー60の操作は、図3に示すように、レバーガイド65に形成したクランク状のガイド穴66によって案内されるようになっている。このガイド穴66は、コンバイン10を前進させるF領域と、コンバイン10を後進させるR領域と、コンバイン10の走行を停止させるN領域(ニュトラルゾーン)とからなり、このN領域を介して前記F領域とR領域を区画している。
【0022】また、図4に示すように、回動支点軸67によって機体12の前後方向に揺動自在に支持した下部レバー69の一端に、軸心が前記回動支点軸67の軸心と直交する方向に筒部材70を固着すると共に、該筒部材70の軸心を中心として機体12の左右方向に回転自在に嵌合する軸部材71を備えたブラケット72に、前記主変速レバー60の下端を固着してある。
【0023】したがって、前記主変速レバー60は、前記N領域において筒部材70を中心として、FからRの間を揺動可能であり、一方F領域とR領域において回動支点軸67を中心として前後方向に揺動可能に構成してある。
【0024】前記ブラケット72には、下部レバー69と対向するようにバックスイッチ73を設けてある。そして、このバックスイッチ73は、前記主変速レバー60をR領域側(後進側)へ傾動操作した時、接触子73aが下部レバー69に当接して主変速レバー60のR領域側への操作を検知すると共に、主変速レバー60がR領域側に操作している間、即ち、主変速レバー60がR領域にある間バックスイッチ73は、主変速レバー60がR領域側にあることを検知している。尚、前記下部レバー69には、該下部レバー69と後述する走行用HSTとを連結する操作部材75が連結してある。
【0025】また、前記エンジン13を動力源とするコンバイン10の駆動系統は、図5に示すように構成してある。同図において、コンバイン10の走行駆動系を構成するトランスミッション(T/M)には、主変速機を構成する走行駆動用無断変速機77(以下、走行用HSTとする)と、副変速機79及び歯車列80を配置してクローラ走行装置11,11を駆動させる。
【0026】前記エンジン(E/G)13から走行用HST77へは、エンジン13の出力軸13aに固定したプーリ13bと、走行用HST77の入力軸77aに固定したプーリ77bの間に掛け渡したベルト81によって動力を伝達する。そして、前記走行用HST77の回転は、その出力軸77cに固定した歯車77dを介して副変速機79に伝達する。
【0027】また、駆動軸82は、コンバイン10の所定の位置に回転可能に支持してあり、前記エンジン13から駆動軸82へは、エンジン13の出力軸13aに固定したプーリ13cと、駆動軸82に固定したプーリ82aの間に掛け渡したベルト83によって動力を伝達する。尚、前記ベルト83には、作業機クラッチ85(テンションクラッチ)を配置してある。
【0028】そして、前記駆動軸82から中間軸86へは、駆動軸82の一端に固定した傘歯車82bと、この傘歯車82bに噛み合うように中間軸86に固定した傘歯車86aによって動力を伝達する。更に、前記中間軸86から扱胴49へは、中間軸86の一端に固定したプーリ86bと、扱胴49の入力軸49aの一端に固定したプーリ49bの間に掛け渡したベルト87によって動力を伝達する。したがって、前記扱胴49は、作業機クラッチ85をONにすることにより回転する。
【0029】一方、前処理用変速機89は、前処理駆動用無断変速機90(以下、前処理用HSTとする)を備えている。前記駆動軸82から前処理用HST90へは、駆動軸82のに固定したプーリ82cと、前処理用HST90の入力軸90aに固定したプーリ90bの間に掛け渡したベルト91によって動力を伝達する。尚、前記前処理用HST90は、駆動モータ92を備え、該駆動モータ92によりその回転速度を制御するように構成してある。
【0030】前記前処理用HST90は、前処理用変速機89の出力軸89cを、前記走行用HST77の回転に比例させるT/M回転比例モード、或いは、前記エンジン13の回転速度に比例して回転させるE/G回転比例モードにより回転させて、前記前処理部16及び脱穀部45のフイードチェン46を駆動するようになっている。尚、本発明の実施形態においては、前記T/M回転比例モードを採用している。
【0031】また、前処理駆動軸93は、コンバイン10の所定の位置に回転可能に支持してあり、前記前処理用変速機89から前処理駆動軸93へは、前処理用変速機89の出力軸89cに固定したプーリ89dと、前処理駆動軸93に固定したプーリ93aの間に掛け渡したベルト95によって動力を伝達する。尚、前記ベルト95には、刈取りクラッチ96(テンションクラッチ)を設けてあり、該刈取りクラッチ96をOFFにすることにより、前記脱穀部45の駆動中に前処理部16を停止させ、それによって手扱ぎ作業が行えるようにしてある。
【0032】そして、前記前処理駆動軸93から扱ぎ深さ搬送装置36へは、傘歯車93bと、この傘歯車93bと噛み合う傘歯車37aにより動力を伝達し、それによって穂先搬送チェン37と株元搬送チェン39を駆動する。
【0033】また、伝動軸97は、コンバイン10の所定の位置に回転可能に支持してあり、前記前処理駆動軸93から伝動軸97へは、前処理駆動軸93に固定した傘歯車93cと、この傘歯車93cと噛み合うように伝動軸97に固定した傘歯車97aによって動力を伝達する。前記伝動軸97は、刈刃30を駆動すると共に、伝動軸97に固定した歯車97bと噛み合う歯車32aと、この歯車32aと噛み合う歯車32bを介して掻き込み装置31の搬送ベルト32も駆動するように構成してある。
【0034】そして、駆動軸99は、その一端に固定したスプロット99aを介してフイードチェン46を駆動させるもので、前記前処理用変速機89の出力軸89cに固定した歯車89eと、該歯車89eと噛合する歯車89fに一体的に固着したスプロット89gと、前記駆動軸99に固定したスプロット99aとの間に掛け渡したチェン100によって動力伝達がなされる。
【0035】また、コンバイン10の制御手段は、図6に示すように構成してある。同図において、当該制御手段101は、入力インタフェース102と、マイクロコンピュータ103及び出力インタフェース104を備え、コンバイン10のメインスイッチ及びスタータスイッチを兼ねるキースイッチ59に接続してある。
【0036】前記入力インタフェース102には、リフトポテンショメータ21、リフト上昇スイッチ106、作業機レバースイッチ107、刈取レバースイッチ109、扱ぎ深さメインセンサ41、リフトシャットスイッチ110、バックスイッチ73、T/M(トランスミッション)回転センサ111、HST回転センサ112、エンジン回転センサ113、選別ダイヤル151、強制掻き込みスイッチ60a、フィンポテンショメータ152、及び風量センサ153等を接続してある。
【0037】前記リフト上昇スイッチ106は、マルチステアリングレバー61による前処理部16の昇降操作に連繋してON・OFF作動するように構成してある。
【0038】前記作業機レバースイッチ107は、作業機クラッチレバー63に付設してあり、その作業機クラッチレバー63の入・切操作によってON・OFF作動する。そして、前記作業機クラッチレバー63の入・切操作に連繋する作業機クラッチ85によって、コンバイン10の走行と、前処理部16及び脱穀部45の駆動を、連動もしくは切り離すように構成してある。また、刈取レバースイッチ109は、刈取クラッチレバー62に付設してあり、その刈取クラッチレバー62の入・切操作によってON・OFF作動する。そして、前記刈取クラッチレバー62の入・切操作に連繋する刈取りクラッチ96によって、前処理部16と脱穀部45の駆動を、連動もしくは切り離するように構成してある。
【0039】前記T/M回転センサ111は、走行用HST77の出力軸77cに設けてあり、その回転速度をコンバイン10の走行速度として検出している。また、前記HST回転センサ112は、前処理用HST90の出力軸に設けてあり、その回転速度を前処理部16における穀稈の搬送速度として検出している。そして、前記エンジン回転センサ113は、オルタネータの出力パルスをカウントすることによりエンジン13の回転速度を検知している。
【0040】前記選別ダイヤル151は、運転席15の運転操作部に設けてあり(図示せず)、そのダイヤル操作によって刈取る作物(稲・麦)や、脱穀負荷に応じて揺動選別体51のチャフシーブを構成する複数のフィン51aの開度を予め設定するようになっている。また、前記フィンポテンショメータ152により、上述したフィン51aの開度を検出している。
【0041】また、前記風量センサ153は、上述した排塵ファン53の上手側の排塵経路(図示せず)に設けてあり、コンバイン10の機外の気圧(大気圧)と、前記排塵経路との差圧を検知して後述する選別自動制御にフィードバックするように構成してある。
【0042】一方、出力インタフェース104には、ホーン115、手扱ぎランプ116、前処理用HST90の駆動モータ92、揺動選別体51のチャフシーブのフィン開度を変更する選別フィン駆動モータ154、E/Gストップソレノイド117等を接続してある。
【0043】上述した構成によるコンバイン10は、該コンバイン10を刈取り圃場に入れた後、その走行方向を穀稈の配列方向に向けて前進させ、デバイダ25によって穀稈の配列内に分け入ると共に、引起し装置26の爪付チェーン27で穀稈を引き起こしながら刈刃30で穀稈の株元を切断し、次いで、その刈取った穀稈を、掻き込み装置31によって掻き込みながら扱ぎ深さ搬送装置36に引き渡す。更に、前記扱ぎ深さ搬送装置36からフイードチェン46に向けて搬送する穀稈を、穀稈検出手段である扱ぎ深さメインセンサ41によって検出すると共に、株元センサ42と穂先センサ43によって穀稈の穂先位置を検出し、その検出結果に基づいて、前記両センサ42,43の間に穀稈の穂先が位置するように扱ぎ深さ搬送装置36の調整がなされる。
【0044】そして、前記扱ぎ深さ搬送装置36の終端まで搬送した穀稈をフイードチェン46に引き渡し、引き渡された穀稈の穂先が扱室47内を通過しながら扱胴49と接触することによって脱穀がなされる。更に、前記フイードチェン46の終端まで搬送された稈は、排稈チェン57に受け渡されてコンバイン10の後部から排出される。
【0045】また、上述したように脱穀した穀粒は、受網50の上に落下し、更に該受網50から漏下して揺動選別体51上に集められ、前記揺動選別体51の揺動作用と、唐箕52及び排塵ファン53から発生する選別風とにより、穀粒と稈枝に分離される。そして、選別された穀粒のみが、前記揺動選別体51下方の1番樋55または2番樋56に落下収容される。
【0046】さて、上述したようなコンバイン10における選別自動制御について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0047】まず、S1では、選別自動制御に係わる前記扱ぎ深さメインセンサ41、T/M回転センサ111、フィンポテンショメータ152、及び風量センサ153等の検出値の読み込みがなされる。そして、S2では、前記選別ダイヤル151によって、揺動選別体51のチャフシーブを構成するフィン51a開度の制御(作動規制)範囲を選択する。前記フィン51a開度の制御範囲は、上述した選別ダイヤル151の設定値と車速によって段階的に決定することができる。
【0048】次に、S3では、前記強制掻き込みスイッチ60aのON・OFF、即ち前処理駆動用無断変速機90が駆動しているか否かを判断し、前記強制掻き込みスイッチ60aがONであればS4に進み、OFFであればS5に進む。S4では、S2で選択した揺動選別体51のチャフシーブを構成するフィン51a開度の制御(作動規制)範囲をフルレンジに拡大してS14に進む。つまり、前記S4では、強制掻き込み時における揺動選別体51での穀粒の漏下が確実に行えるようにしてある。一方、S5では、機体12が走行停止状態にあるか否かをT/M回転センサ111からの出力の有無により判断し、機体12が走行状態(出力有)にあればS6に進み、停止状態(出力無)にあればS7に進む。S6では、T/M回転センサ111のエラーフラグを0としてS11に進む。
【0049】次に、S7では、前記扱ぎ深さメインセンサ41のON・OFFを判断し、OFFであればS8に進み、ONであればS9に進む。S8では、前回の扱ぎ深さメインセンサ41による穀稈の検出があった(ON)ならS10に進み、穀稈の検出がなかった(OFF)ならS11に進む。一方、S9においては、前回の扱ぎ深さメインセンサ41による穀稈の検出があった(ON)ならS11に進み、穀稈の検出がなかった(OFF)ならS10に進む。
【0050】そして、S10では、T/M回転センサ111のエラーフラグを1としてS11に進む。S11では、前記T/M回転センサ111のエラーフラグが0か1を判断し、0であればS12に進み、1であればS13に進む。即ち、S12では、T/M回転センサ111の回転速度をコンバイン10の走行速度(車速)として設定してS15に進む。一方、S13では、T/M回転センサ111の故障を報知するホーン115の出力がなされてS14に進む。そして、S14においては、コンバイン10の走行速度(車速)を強制的に高速設定として共にS15に進む。
【0051】そして、S15では、上述した風量センサ153により検知するコンバイン10の機外の気圧(大気圧)と、排塵経路内との差圧をフィードバックし、それによって揺動選別体51のチャフシーブを構成するフィン51a開度の目標値を算出してS16に進む。
【0052】次に、S16では、前記揺動選別体51のチャフシーブのフィン51a開度の制御(作動規制)が、選別ダイヤル151によって選択した通常の制御範囲か、或いはフルレンジで行われいるかを判断し、フルレンジならS17に進み、通常の制御範囲であればS18に進む。S17では、前記選別ダイヤル151によって設定した揺動選別体51のチャフシーブのフィン51aの作動規制がフルレンジでなされてS19に進む。一方、S18においては、前記選別ダイヤル151の設定値と車速によって通常の段階的なフィン開度の作動規制がなされ、次いでS19に進んで前記S17及びS18の出力制御がなされる。
【0053】したがって、上述したフローチャートによる選別自動制御によれば、前処理部16の扱ぎ深さ搬送装置36に導入される穀稈の有無を検出する扱ぎ深さメインセンサ41の出力パルスのOFFからONへの立ち上がり、またはONからOFFへの立ち下がりのタイミング、即ち、扱ぎ深さメインセンサ41の出力信号が変化した時、トランスミッション回転センサ111からの出力が有れば正常であり、逆に出力が無い場合は、前記トランスミッション回転センサ111が故障していることを判定してホーン115出力がなされ、それによって前記トランスミッション回転センサ111の故障状態を速やかに確認でき、従来のように当該トランスミッション回転センサ111の故障に気付かず、前処理部16での穀稈の刈取り搬送、扱ぎ深さ自動制御、及び選別自動制御等の通常の制御が行えなくなった状態で刈取り作業を続けてしまうという問題を解消することができる。
【0054】また、刈取り作業中にコンバイン10の走行を停止した状態で実施する強制掻き込み中は、前記前処理部16の掻き込み装置31から扱ぎ深さ搬送装置36に導入される穀稈を検出する扱ぎ深さメインセンサ41のONまたはOFF検知が頻発して、前記トランスミッション回転センサ111の故障を誤判定することにつながるので、当該強制掻き込み中は、前記トランスミッション回転センサ111の故障判定を行わないように構成してある。
【0055】尚、図8に示すフローチャートは、機体12の走行停止に連動することなく前処理部16を作動可能に構成したコンバイン10の選別自動制御を例示したもので、このものは図中S3において、機体12が走行停止状態にあるか否かを前記主変速レバー60の操作位置によって判断するように構成してある。即ち、前記主変速レバー60は、そのレバーガイド65に形成したクランク状のガイド穴66によって案内され、主変速レバー60が前記ガイド穴66のF領域にある時は機体12が走行状態にあると判断してS4以降に進み、一方主変速レバー60が前記ガイド穴66のN領域にある時は機体12が走行停止状態にあると判断するもので、上述した機体12の走行停止状態においては、S14に進んで前記トランスミッション回転センサ111の故障判定を行わないようにしてある。
【0056】つまり、上述した機体12の走行停止に連動することなく前処理部16を作動可能に構成したコンバイン10においては、機体12の走行停止状態で前処理部16の掻き込み装置31に残存する穀稈は速やかに扱ぎ深さ搬送装置36に導入され、該扱ぎ深さ搬送装置36に導入される穀稈を検出する扱ぎ深さメインセンサ41はOFFとなって、通常のトランスミッション回転センサ111の故障判定が行えなくなって誤判定に繋がることから、機体12の走行停止状態では、前記トランスミッション回転センサ111の故障判定を行わないように構成してある。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、機体12の走行停止に連動して前処理部16が停止するように構成すると共に、機体12の走行停止状態で前処理部16を作動可能にする駆動手段90と、該駆動手段90により前処理部16を作動状態に切換る切換手段60aを設け、且つ機体12の走行速度を検出するトランスミッション回転センサ111と、前処理部16の搬送穀稈を検出する穀稈検出手段41を設けたコンバインにおいて、刈取り作業中に前記穀稈検出手段41の出力信号が変化した時、前記トランスミッション回転センサ111の故障判定をなす故障判定手段を設ける一方、前記切換手段60aによって前処理部16を作動状態に切換えた時は、前記トランスミッション回転センサ111の故障判定を行わないように構成したので、前記トランスミッション回転センサが故障した場合に速やかな故障判定ができるようになると共に、当該故障に対する速やかな対応が図れるので、従来のように当該トランスミッション回転センサ111の故障に気付かず、前処理部16での穀稈の刈取り搬送、扱ぎ深さ自動制御、及び選別自動制御等の通常の制御が行えなくなった状態で刈取り作業を続けてしまうという問題を解消することができる。また、刈取り作業中にコンバイン10の走行を停止した状態で実施する強制掻き込み中は、前記トランスミッション回転センサ111の故障判定を行わないように構成したことによって、当該故障の誤判定を来すこともない。
【0058】また、左右一対のクローラ走行装置11,11を備えた機体12に、穀稈を刈取り搬送する前処理部16と刈取った穀稈を脱穀処理する脱穀部45を設けると共に、前記機体12の走行速度を検出するトランスミッション回転センサ111と、前処理部16の搬送穀稈を検出する穀稈検出手段41を設けたコンバインにおいて、刈取り作業中に前記穀稈検出手段41の出力信号が変化した時、前記トランスミッション回転センサ111の故障判定をなす故障判定手段を設ける一方、機体12の走行停止状態では、前記トランスミッション回転センサ111の故障判定を行わないように構成したので、前記トランスミッション回転センサが故障した場合に速やかな故障判定ができるようになると共に、当該故障に対する速やかな対応が図れるので、従来のように当該トランスミッション回転センサ111の故障に気付かず、前処理部16での穀稈の刈取り搬送、扱ぎ深さ自動制御、及び選別自動制御等の通常の制御が行えなくなった状態で刈取り作業を続けてしまうという問題を解消することができる。また、機体12の走行停止状態においては、前記トランスミッション回転センサ111の故障判定を行わないように構成したことによって、当該故障の誤判定を来すこともない。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成14年4月1日(2002.4.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−289711(P2003−289711A)
【公開日】 平成15年10月14日(2003.10.14)
【出願番号】 特願2002−98203(P2002−98203)