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【発明の名称】 刈取装置の上下動装置
【発明者】 【氏名】吉邨 文夫
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】松澤 宏樹
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】土居 義典
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置2を設けた機体フレーム1の前方に、少なくとも刈刃12を有する刈取部4を刈取上下シリンダ15により前記機体フレーム1に対して高さ調節自在に設けたコンバインにおいて、前記機体フレーム1の上方所望位置に設けた操縦部16には、左右に傾倒させて行う走行方向操作と前後に傾倒させて行う前記刈取部4の上下操作とを行うパワステレバー17を設け、該パワステレバー17の近傍所望位置には、該パワステレバー17の傾倒操作の有無および傾倒方向および傾倒角度を検出しうる操作検出装置18を設け、前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度は可変速にすると共に、前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度は、中立位置より傾倒角が小さい所定角度以下のパワステレバー17の操作のとき、操作時間が長くなるに従い速くするように構成した刈取装置の上下動装置。
【請求項2】 請求項1において、前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度は、中立位置より傾倒角が大きい所定角度以上のパワステレバー17の操作のとき、傾倒角が大きくなるに従い速くなるように構成した刈取装置の上下動装置。
【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度は、パワステレバー17が所定角度以下の傾倒角における操作時間に応じて刈取上下シリンダ15の伸縮速度を可変にする制御を行う操作時間基準制御中の最も速い伸縮速度と、パワステレバー17が所定角度以上の傾倒角における傾倒角度に応じて刈取上下シリンダ15の伸縮速度を可変にする傾倒角度基準制御中の最も遅い伸縮速度とが、略同じとなるように構成した刈取装置の上下動装置。
【請求項4】 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度は、中立位置より傾倒角が小さい所定角度以下のパワステレバー17の操作のとき、操作時間が長くなるに従い速くするように構成すると共に、前記パワステレバー17の操作が所定角度以内では、最初の所定時間は前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度が所定の低速とした刈取装置の上下動装置。
【請求項5】 請求項4において、前記パワステレバー17を中立位置から所定角度以下の傾倒角まで倒した後に瞬時に中立位置へ戻した操作を検知したとき、該操作後所定時間内は前記刈取上下シリンダ15を所定速度により伸縮させるように構成した刈取装置の上下動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、コンバインに係るものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の特開平11−56079号公報には、走行装置を設けた機体フレームの前方に、少なくとも刈刃を有する刈取部を刈取上下シリンダにより前記機体フレームに対して高さ調節自在に設けたコンバインにおいて、前記機体フレームの上方所望位置に設けた操縦部には、左右に傾倒させて行う走行方向操作と前後に傾倒させて行う前記刈取部の上下操作とを行う操作レバーを設け、該レバーの近傍所望位置には、該レバーの傾倒操作の有無および傾倒方向および傾倒角度を検出しうる操作検出装置を設け、前記刈取上下シリンダの伸縮速度は可変速にする構成について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、単に刈取上下シリンダの伸縮速度を状況に応じて自動的に、「Lo」と「Hi」に切替えるだけであるため、速い速度か遅い速度かの何れか選択するだけであって、微妙な変速はできないという課題がある。また、一々、切替スイッチで選択するので、操作が面倒であるという課題もある。本願は、刈取部の昇降速度を変速可能にすると共に、操作性を向上させたものであり、特に、微妙な高さ調節の操作性をも向上させるものである。
【0004】
【発明の目的】刈取部昇降操作の操作性の向上、作業の容易化、作業効率の向上。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、走行装置2を設けた機体フレーム1の前方に、少なくとも刈刃12を有する刈取部4を刈取上下シリンダ15により前記機体フレーム1に対して高さ調節自在に設けたコンバインにおいて、前記機体フレーム1の上方所望位置に設けた操縦部16には、左右に傾倒させて行う走行方向操作と前後に傾倒させて行う前記刈取部4の上下操作とを行うパワステレバー17を設け、該パワステレバー17の近傍所望位置には、該パワステレバー17の傾倒操作の有無および傾倒方向および傾倒角度を検出しうる操作検出装置18を設け、前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度は可変速にすると共に、前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度は、中立位置より傾倒角が小さい所定角度以下のパワステレバー17の操作のとき、操作時間が長くなるに従い速くするように構成した刈取装置の上下動装置としたものであり、パワステレバー17を倒す傾倒操作状態を保持すると、刈取上下シリンダ15の伸長速度は次第に速くなり、パワステレバー17の操作時間が短ければ刈取上下シリンダ15の伸長速度は遅くなる。本発明は、前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度は、中立位置より傾倒角が大きい所定角度以上のパワステレバー17の操作のとき、傾倒角が大きくなるに従い速くなるように構成した刈取装置の上下動装置としたものであり、パワステレバー17を大きく倒すと、刈取部4は速く上下し、上方の退避位置と下方の刈取位置の間の移動を迅速にする。本発明は、前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度は、パワステレバー17が所定角度以下の傾倒角における操作時間に応じて刈取上下シリンダ15の伸縮速度を可変にする制御を行う操作時間基準制御中の最も速い伸縮速度と、パワステレバー17が所定角度以上の傾倒角における傾倒角度に応じて刈取上下シリンダ15の伸縮速度を可変にする傾倒角度基準制御中の最も遅い伸縮速度とが、略同じとなるように構成した刈取装置の上下動装置としたものであり、パワステレバー17を倒し保持すると、徐々に刈取上下シリンダ15の伸縮速度が加速され、所定速度まで加速すると、この速度で伸縮を続け、更に、パワステレバー17を倒すと、この伸縮速度から加速が開始される。本発明は、前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度は、中立位置より傾倒角が小さい所定角度以下のパワステレバー17の操作のとき、操作時間が長くなるに従い速くするように構成すると共に、前記パワステレバー17の操作が所定角度以内では、最初の所定時間は前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度が所定の低速とした刈取装置の上下動装置としたものであり、パワステレバー17の操作の狭い範囲で微妙な操作をしなくても変速される。本発明は、前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度は、中立位置より傾倒角が小さい所定角度以下のパワステレバー17の操作のとき、操作時間が長くなるに従い速くするように構成すると共に、前記操作検出装置18が所定角度以下のパワステレバー17の操作を検出したとき、直ちに前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度が最低所定速度まで立ち上がるように制御出力するように構成した刈取装置の上下動装置としたものであり、パワステレバー17の操作終了後も刈取上下シリンダ15を伸縮させるから、パワステレバー17の操作と刈取上下シリンダ15の伸縮との追随性を向上させ、作業者の意図に添って操作可能になる。
【0006】
【発明の効果】請求項1では、微妙な刈取上下の操作性を向上させ、作業効率を向上させる。請求項2では、前項に加えて、迅速に上下させて作業効率を向上させる。請求項3では、前項に加えて、円滑に刈取部を上下させられる。請求項4では、前項に加えて、一層、微妙な刈取上下の操作性を向上させる。請求項5では、前項に加えて、一層、刈取上下の操作性を向上させる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は機体フレーム1の下方に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前方に設けた刈取部4、5は脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク、6はグレンタンク5内の穀粒を排出する縦揚穀排出装置、7は縦揚穀排出装置の上部に設けた横排出オーガである。前記刈取部4は、少なくとも、最前方部に分草体10を設け、分草体10の後方に分草した穀稈を引起す引起装置を設け、引起した穀稈を切断する刈刃12を設けて構成し、これらは刈取フレーム13に取付けられ、刈取フレーム13は刈取支持杆14の先端に取付け、刈取支持杆14の基部は前記機体フレーム1に回動自在に取付ける。刈取支持杆14と機体フレーム1の間には刈取上下シリンダ15を設け、刈取部4は上下自在に構成する。
【0008】しかして、機体フレーム1の前側上方に設けた操縦部16には、パワステレバー17を設け、パワステレバー17は左右に傾倒させると、方向操作となり、前後に傾倒させると前記刈取部4を上下操作となるようにしている。パワステレバー17の基部(場所は任意である)には、パワステレバー17の傾倒操作の有無および傾倒方向および傾倒角度の夫々を検出しうる操作検出装置18を設ける。前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度は可変速に構成し、パワステレバー17の傾倒操作の時間や角度に応じて最適な速度で刈取部4を上下させる。19は制御部、20は刈取上下シリンダ15を伸縮させるソレノイドである。前記パワステレバー17を所定角度より大きく倒したときは、傾倒角が大きくなるに従い刈取上下シリンダ15の伸縮速度を速くなるようにし、所定角度よりパワステレバー17の傾倒角が小さいときは、操作時間が長くなるに従い刈取上下シリンダ15の伸縮速度を速くするように構成する。したがって、刈取部4を上下させる量が相違しても、そのための所要時間をどちらも同じようにでき、作業者の操作感覚に沿って刈取部4が上下して、操作フィーリングを著しく向上させる。
【0009】例えば、圃場の穀稈の上方まで上昇させるときは勿論迅速に刈取部4を上動させるが、分草体10が圃場に接触しそうなときは僅かな上昇量であるが速く上昇させたいので、パワステレバー17を中立位置より所定角度以下だけ前方に倒した後に僅かでもこの操作状態を保持すると、刈取上下シリンダ15の伸長速度は次第に速くなって刈取部4を退避高さ位置まで上昇させて圃場との接触を防止(または接触時間を短く)できる。したがって、刈取部4の上下量に関わらず、刈取部4の操作希望高さ位置までの移動速度を略同じにして、その結果、操作性を向上させる。また、一方で、パワステレバー17の操作時間が短ければ、刈取上下シリンダ15の伸長速度は最低のままゆっくり刈取部4を上下させ、刈取部4の刈高さを微調節するときの操作性を向上させる。
【0010】この場合、単に傾倒角に応じて刈取上下シリンダ15の伸縮速度を変更させたのでは、変速させるのにパワステレバー17の操作を必要とし、反対に変速するつもりがなくてもパワステレバー17の傾倒に反応して変速するなどの不具合があり、特に、作業者にとって僅かな操作つもりでも過剰に速度が変わることがあり、微妙な変速はできず、操作性が低かったが、本願では、パワステレバー17を所定角度以下の位置の操作状態を保持していれば、刈取部4の上下速度は自動的に加速するので、操作性を著しく向上させる。図4は前記パワステレバー17の操作と刈取上下シリンダ15の伸縮速度の関係を示す模式図であり、区間30に表示した部分ではパワステレバー17の操作が中立位置から所定角度以下(以内)の傾倒角であり、この範囲ではパワステレバー17の操作時間に応じて刈取上下シリンダ15の伸縮速度を可変にする制御を行う操作時間基準制御を示しており、制御速度表示ライン31はパワステレバー17が所定角度以上の傾倒角の操作があったとき、傾倒角度に応じて刈取上下シリンダ15の伸縮速度を可変にする傾倒角度基準制御を示す。
【0011】したがって、パワステレバー17の傾倒状態を保持して操作時間を長くすれば加速するようにすることで、別途操作することなく刈取部4の上下速度を変速させ、作業者の操作感覚と実際の刈取部4の上下動との間のタイムラグを可及的に減少させ、操作フィーリングを良好にする。このことは、作業者が操作したのに刈取部4の実際の上下までタイムラグがあると、作業者は「操作していなかった」と錯覚して再操作してしまい、その結果、一回の操作で希望高さに上下するのを、再操作の分過剰な操作となって、必然的に修正操作が必要となるが、このような、過剰な操作を未然に防止することで、刈取部4の上下動させる際のハンチングを抑制でき、好適である。また、このとき図示していないが、操作時間基準制御中(区間30)における最も速い刈取上下シリンダ15の伸縮速度は、傾倒角度基準制御中(制御速度表示ライン31)の最も遅い刈取上下シリンダ15の伸縮速度と同じとなるように設定すると、操作性を向上させて好適である。
【0012】即ち、操作時間基準制御と傾倒角度基準制御との間で移行する際の速度差(ギャップ・段差)が感じられず、操作フィーリングを良好にする。前記区間30の刈取上下シリンダ15の伸縮速度を可変にする操作時間基準制御において、前記パワステレバー17の操作が所定角度以内では、最初の所定時間は前記刈取上下シリンダ15の伸縮速度が所定の低速とすると、一層、操作性を向上させて、好適である。即ち、図6のように、区間30で操作時間基準制御がされる傾倒角内でパワステレバー17の操作があったとき、「0」から刈取上下シリンダ15の伸縮を徐々に立ち上げるのではなく、最低の所定速度にまでは制御上直ちに立ち上がるようにし(例えば、油圧バルブを所定量にすぐに開ける)、この最低の所定速度を所定時間出力することで、過剰な操作を排除でき操作性を一層向上させる。なお、図6では区間30の制御速度表示ライン32は一定に図示しているが、これは理解を容易にするためであり、これを基準に操作時間に応じて刈取上下シリンダ15の伸縮速度を加速するように設定可能であり、この場合も、図には表現されていないが、前記のように、操作時間基準制御中(区間30)における最も速い刈取上下シリンダ15の伸縮速度は、傾倒角度基準制御中(制御速度表示ライン31)の最も遅い刈取上下シリンダ15の伸縮速度と同じとなるように設定すると、操作性を向上させて好適である。
【0013】しかして、パワステレバー17が所定角度以下の傾倒角における操作時間に応じて刈取上下シリンダ15の伸縮速度を可変にする操作時間基準制御中に、中立位置から所定角度以下の傾倒角まで倒した後に瞬時に中立位置へ戻すパワステレバー17の「瞬間」の操作(ワンタッチ操作)があったことを検知したとき、操作後所定時間内は刈取上下シリンダ15を所定速度の制御速度表示ライン32で伸縮させるように制御する(図7)。これにより、刈取部4を僅かに上下させる際の所謂微小操作の操作性を一層向上させる。即ち、ほんの僅か上下させるときは、これに見合った最低伸縮速度に設定しておけば、パワステレバー17の「瞬時」の操作をすることで微妙な高さ調節が可能となり、また、これを反復することにより、微小な高さ調節を容易にする。特に、前記したような作業者の錯覚による不要な再操作の分の過剰な操作は、必然的に修正操作が必要となり、この状態が反復されると、非常に操作が煩雑となるが、パワステレバー17の「瞬時」の操作で確実に刈取上下シリンダ15を伸縮させることにより、操作に対する刈取上下シリンダ15の伸縮の追随性を向上させ、操作性を向上できて好適である。なお、図7では区間30の制御速度表示ライン33は、パワステレバー17を所定角度以下の操作時間基準制御中に、前記所定の操作時間を越えて操作があったとき、操作時間に応じて刈取上下シリンダ15の伸縮速度を加速する状態を模式的に例示したものである。
【0014】しかして、図8はミッション(ケース)40の実施例であり、41は走行速度を変速する走行用油圧式主変速装置(ハイドロスタチックトランスミッション)、42はエンジンからの回転を走行用油圧式主変速装置41に入力する入力プーリ、43は走行用油圧式主変速装置41の出力軸であるがミッションケース1の入力軸となる。44は副変速軸、45は副変速軸44と一体回転する歯車群、46はカウンタ軸、47は歯車、48はセンター軸、49はセンターギヤ、50は受動歯車、51はサイドクラッチ軸である。ミッションケース40には、車軸52に伝達する回転を入り切りさせる左右サイドクラッチ53と、差動機構54を設ける。差動機構54は回転自在に設けたケース55を走行用油圧式主変速装置41とは別途に設けた旋回半径を変更する旋回用油圧式変速装置56(ハイドロスタチックトランスミッション)56により回転させて、同方向に同回転数の回転の直進と、旋回内側となる車軸を旋回外側の車軸より遅く駆動回転させて行なう緩旋回と、旋回内側となる車軸を停止させて行なうブレーキターンと、旋回内側となる車軸と旋回外側の車軸とを所定割合で逆方向の駆動回転させて行なうスピンターンとをできるように構成している。
【0015】しかして、前記操作検出装置18はパワステレバー17の中立位置を予め設定記憶しうる構成とし、この中立位置から左右の何れかに所定角度より大きくパワステレバー17を倒した後に、瞬時にパワステレバー17を中立復帰させても、所定時間はパワステレバー17の操作方向に機体を旋回させるように操作出力するように構成する。即ち、従来は、ハンチングを防止するとして、パワステレバー17の微小な旋回操作は無視する傾向があり、そのため、微妙な旋回操作ができなかったが、瞬時のパワステレバー17の旋回操作でも所定時間操作出力するので、微妙な旋回操作を可能とする。したがって、旋回操作出力する所定時間は操作者が意図する微妙な方向修正の最小範囲とし、修正量が足りないときはこの旋回操作を反復させるとよい。特に、旋回のために制動力を与える油圧機器を比例ソレノイドバルブ等を用いた場合、油圧の立ち上がりが遅くパワステレバー17の微調整操作ができなかったが、これを可能にする。なお、実施例では緩旋回とブレーキターンとスピンターンとにパワステレバー17を傾倒させると、傾倒角に応じて旋回用油圧式変速装置56により変速した回転を差動機構54に伝達しているため、旋回態様(モード)は問わず前記制御を行うが、パワステレバー17を最大に傾倒させたときの旋回半径を限定する制御(旋回モード切替スイッチ)するようなときあるいは差動機構54を設けていないようなときには、何れの旋回モードであっても瞬間操作に対応して常に同一に設定した所定出力をすることで、緩旋回とブレーキターンとスピンターンの何れの旋回態様でも旋回モードを切替えることなく略同じ半径で旋回させ、微妙な方向修正が可能となって、操作性を向上させる。
【0016】また、瞬時にパワステレバー17を中立復帰させたときの操作出力は所定時間後停止させるが、この出力停止に際して出力停止ディレー時間57を設け(図14)、この出力停止ディレー時間57中に徐々に制動圧力を減衰させるように構成すると、前記「瞬時のパワステレバー17の旋回操作」のときのショック感を小さくして、操作フィーリングを良好にする。特に、「瞬時のパワステレバー17の旋回操作」を反復するときに効果が大きい。また、中立位置から左右の何れかに所定角度より大きくパワステレバー17を倒した後に、瞬時にパワステレバー17を中立復帰させたとき、該パワステレバー17の倒した角度に応じた旋回半径で旋回するように所定時間操作出力するように制御すると、操作性を向上させる。例えば、微小旋回操作から通常の旋回操作へと無条件で移行して連続操作とすることができ、操作性を向上させる。即ち、そもそもパワステレバー17の傾倒操作と旋回半径は、例えば、傾倒角度が倍になると旋回半径は半分になるように比例関係にあり、この基準操作に対応して、瞬時のパワステレバー17の操作があったとき操作出力するものである。
【0017】また、作業者は、そもそも、パワステレバー17を倒したとき略同じ旋回半径となるように思い描いて圃場の状態等の条件によって旋回モードを選択しているので、中立位置から所定角度より大きくパワステレバー17を倒した後に、瞬時にパワステレバー17を中立復帰させたときは、緩旋回とブレーキターンとスピンターンの内の選択した旋回態様で、且つ、パワステレバー17の倒した角度に応じた旋回半径で旋回するように所定時間操作出力するように制御すると、一層、作業者の意図に添った旋回操作となり、操作フィーリングを良好にし、操作性を向上させる。なお、この所定角度より大きくパワステレバー17を倒して瞬時に中立復帰させたとき、倒した角度に応じた旋回半径で旋回させる制御を選択するスイッチを設けると、一層、作業者は状況に応じた操作が行え、操作性を向上させる。
【0018】しかして、操縦部16には走行速度を変速する走行用油圧式主変速装置41を操作するHSTレバー60を設け、該HSTレバー60のグリップ61に振動発生機構62を設け、振動発生機構62を制御部に接続し、モニター63に警告表示すると共に、振動発生機構62を作動させる。この場合、振動発生機構62を作動させるための、報知対象となる異常原因は刈取部や脱穀室の搬送部の穀稈詰まり、脱穀室詰まり、水温異常、エンジン負荷異常、自動方向制御等の各種制御異常、タンク満杯等何れでもよく、各部に設けたセンサ64が異常を感知したとき、警報を発する。また、振動発生機構62とモニター63の関係も任意であり、最初モニター63のみで表示し、異常が継続するときや頻発するときに振動発生機構62を作動させるようにしたり、あるいは、複数の異常が重なったときに振動発生機構62を作動させてもよい。振動発生機構62は、グリップ61内に振動用モータ65を設け、振動用モータ65の出力軸66に偏心ウエイト67を設けて構成している。また、前記振動発生機構62は、振動の大きさを可変とし、異常の程度により自動的に変更するように構成すると、一層、作業者への報知が確実となって、好適である。なお、実施例の刈取部4は刈り取った穀稈の穂先側を脱穀装置3の脱穀室に供給する所謂自脱型のコンバインで説明したが、刈り取った穀稈の殆どを脱穀装置3の脱穀室に供給する所謂普通型のコンバインでも実施可能であり、目的、構成、作用、効果等実施例の記載に限定されない。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成14年2月18日(2002.2.18)
【代理人】 【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎 (外1名)
【公開番号】 特開2003−235327(P2003−235327A)
【公開日】 平成15年8月26日(2003.8.26)
【出願番号】 特願2002−39815(P2002−39815)