| 【発明の名称】 |
コンバインの穀稈引起こしケース構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 順二 【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】手作業による面倒なチェン張り処理を行わないでも、チェン78が常に過度な弛みの生じない状態に保持され、且つたとえチェンに強い引張負荷が付与されてもこの状態が強固に維持されるようになす。
【解決手段】機体前進中に植立穀稈を引き起こすように作用する引起こしケース20a、20bを備え、該引起こしケースが複数の案内車65、66を具備し、これら案内車に無端状のチェン78を掛け回したものとなされたコンバインにおいて、前記チェン78が伸びることに関連して前記複数の案内車66のうちの何れかのものを前記チェン緊張側へ向け移動させると共に該何れかのものの移動に関連して該移動に対するその戻り変位を自動的に規制するように作動するものとしたチェン弛み阻止機構67を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体前進中に植立穀稈を引き起こすように作用する引起こしケースを備え、該引起こしケースが複数の案内車を具備し、これら案内車に無端状のチェンを掛け回したものとなされたコンバインにおいて、前記チェンが伸びることに関連して前記複数の案内車のうちの何れかのものを前記チェン緊張側へ向け移動させると共に該何れかのものの移動に関連して該移動に対するその戻り変位を自動的に規制するように作動するものとしたチェン弛み阻止機構を設けたことを特徴とするコンバインの穀稈引起こしケース関連構造。 【請求項2】 機体前進中に植立穀稈を引き起こすように作用する引起こしケースを備え、該引起こしケースが複数の案内車を具備し、これら案内車に無端状のチェンを掛け回したものとなされたコンバインにおいて、前記チェンが伸びることに関連して前記複数の案内車のうちの何れかのものを前記チェン緊張側へ向け移動させて前記チェンを緊張させるものとしたチェン緊張機構を設け、且つ、このチェン緊張機構による前記何れかのものの移動に関連して該移動に対するその戻り変位を自動的に規制するように作動するものとした戻り変位規制機構を設けたことを特徴とするコンバインの穀稈引起こしケース関連構造。 【請求項3】 機体前進中に植立穀稈を引き起こすように作用する引起こしケースを備え、該引起こしケースが上側と下側のそれぞれに案内車を具備し、これら案内車に無端状のチェンを掛け回すと共に前記上側の案内車を駆動するものとなされているコンバインにおいて、前記チェンが伸びることに関連して前記下側の案内車を下方へ向けスプリングの弾力で移動させて前記チェンを緊張させるものとしたチェン緊張機構を設け、且つ、このチェン緊張機構による前記何れかのものの移動に関連して該移動に対するその戻り変位を部材同士の嵌合による係止作用により自動的に規制するものとした戻り変位規制機構を設けたことを特徴とするコンバインの穀稈引起こしケース構造。 【請求項4】 戻り変位規制機構が引起こしケースのケース本体部の下部後面に形成されたことを特徴とする請求項2又は3記載のコンバインの穀稈引起こしケース関連構造。 【請求項5】 前記引起こしケースのケース本体部に固定された支軸を介して波形歯部材を前記案内車の回転面に沿った向きの揺動可能に装着すると共に前記波形歯部材と前記下側の案内車とは前記波形歯部材の支軸回りの揺動と前記下側の案内車の上下移動とを連動させるように連結し、一方では前記ケース本体部に爪部材を前記波形歯部材の波形歯に関連させて軸着するほかこの爪部材の係止部と前記波形歯とを圧接させるためのスプリングを設け、前記下側の案内車が下方へ移動するときは前記係止部と前記波形歯とが滑り変位し、一方、下側の案内車が上方へ移動しようとするときは前記係止部と前記波形歯とが滑り変位を規制される構成としたことを特徴とする請求項3又は4記載のコンバインの穀稈引起こしケース関連構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの穀稈引起こしケース関連構造に関する。 【0002】 【従来の技術】機体前進中に植立穀稈を引き起こすように作用する引起こしケースを備え、該引起こしケースが上側と下側のそれぞれに案内車を具備し、これら案内車に無端状のチェンを掛け回すと共に前記上側の案内車を駆動するものとなされているコンバインは存在している。 【0003】この種のコンバインでは、一般に、使用時間の経過により前記チェンの永久ひずみによる過大な伸びが生じるため、これに対処すべく、下側の案内車を下方移動可能となすと共にその移動範囲の任意位置にネジ止め固定させるものとしたチェン張り機構が形成されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記した従来のコンバインでは、前記チェンが許容限度を越えて伸びる毎に手作業によりチェン張り機構を弛緩及び締結操作するなどして前記下側の案内車の固定位置の変更処理を行うことが必要となり、面倒な思いをする。本発明は斯かる問題点を解消することのできるコンバインの穀稈引起こしケース関連構造を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明では、請求項1に記載したように、機体前進中に植立穀稈を引き起こすように作用する引起こしケースを備え、該引起こしケースが複数の案内車を具備し、これら案内車に無端状のチェンを掛け回したものとなされたコンバインにおいて、前記チェンが伸びることに関連して前記複数の案内車のうちの何れかのものを前記チェン緊張側へ向け移動させると共に該何れかのものの移動に関連して該移動に対するその戻り変位を自動的に規制するように作動するものとしたチェン弛み阻止機構を設けた構成となす。 【0006】この発明によれば、前記チェンが伸びたとき、チェン弛み阻止機構が人為力を要することなく前記案内車の固定位置を変化させるため、前記チェンはたとえ大きな引張負荷を付与されても過大な弛みを阻止され緊張状態を安定的に保持される。 【0007】また請求項2に記載した発明では、機体前進中に植立穀稈を引き起こすように作用する引起こしケースを備え、該引起こしケースが複数の案内車を具備し、これら案内車に無端状のチェンを掛け回したものとなされたコンバインにおいて、前記チェンが伸びることに関連して前記複数の案内車のうちの何れかのものを前記チェン緊張側へ向け移動させて前記チェンを緊張させるものとしたチェン緊張機構を設け、且つ、このチェン緊張機構による前記何れかのものの移動に関連して該移動に対するその戻り変位を自動的に規制するように作動するものとした戻り変位規制機構を設けた構成となす。 【0008】これによれば、前記チェン緊張機構及び戻り変位規制機構が、上記チェン弛み阻止機構に準じた作用を奏する。また前記チェン緊張機構は従来のコンバインのチェン張り機構の一部をなすものとして多用されているため、その有効利用が図られる。 【0009】さらに請求項3に記載した発明では、機体前進中に植立穀稈を引き起こすように作用する引起こしケースを備え、該引起こしケースが上側と下側のそれぞれに案内車を具備し、これら案内車に無端状のチェンを掛け回すと共に前記上側の案内車を駆動するものとなされているコンバインにおいて、前記チェンが伸びることに関連して前記下側の案内車を下方へ向けスプリングの弾力で移動させて前記チェンを緊張させるものとしたチェン緊張機構を設け、且つ、このチェン緊張機構による前記何れかのものの移動に関連して該移動に対するその戻り変位を爪部材及び波形歯部材により自動的に規制するものとした戻り変位規制機構を設けた構成となす。これによれば、請求項2の発明の場合と同様の作用が得られるほか、戻り変位規制機構を除いた構成が在来のコンバインの構造を踏襲したもので差し支えないものとなる。 【0010】この発明は次のように具体化する。即ち、請求項4に記載したように、戻り変位規制機構が引起こしケースのケース本体部の下部後面に形成された構成となす。これによれば、戻り変位規制機構が既存のコンバインにその空きスペースを有効利用しつつ簡易に形成されるものとなる。また戻り変位規制機構は機体の前進時にケース本体部に保護されて他物に衝突し難い状態となり、また降雨時にはケース本体部が戻り変位規制機構の雨除けとして作用するものとなる。 【0011】また請求項5に記載したように、前記引起こしケースのケース本体部に固定された支軸を介して波形歯部材を前記案内車の回転面に沿った向きの揺動可能に装着すると共に前記波形歯部材と前記下側の案内車とは前記波形歯部材の支軸回りの揺動と前記下側の案内車の上下移動とを連動させるように連結し、一方では前記ケース本体部に爪部材を前記波形歯部材の波形歯に関連させて軸着するほかこの爪部材の係止部と前記波形歯とを圧接させるためのスプリングを設け、前記下側の案内車が下方へ移動するときは前記係止部と前記波形歯とが滑り変位し、一方、下側の案内車が上方へ移動しようとするときは前記係止部と前記波形歯とが滑り変位を規制される構成となす。 【0012】これによれば、引起こしケースに関連した構成が簡易且つ安価に形成され、しかも前記チェンの緊張状態が人為操作を要することなく確実に確保されるものとなる。 【0013】 【発明の実施の形態】図1は本発明に係るコンバインの前部を示す左側面図、図2は前記コンバインの正面図、図3は前記コンバインの前部の平面図、図4は前記コンバインの刈取部の右側面図、図5は前記刈取部の駆動系統を示す図、図6は前記刈取部の右側の引起こしケースを示す側面図、図7は前記引起こしケースの内部を示す正面図、図8は前記引起こしケース下部の組立図、図9は前記引起こしケースの下側の案内車周辺を下方から見た断面図、図10は前記引起こしケースのチェン弛み阻止機構周辺を示す正面図、図11は前記チェン弛み阻止機構周辺を示す側面図である。 【0014】本実施例のコンバインは、図1〜図4に示すように、機台1を支持した走行部2、機台1前方に位置され機台1上の特定横向き軸をなす刈取入力軸3回りの上下揺動可能となされた刈取部4、機台1上部の概ね中央に装設された脱穀部5、この脱穀部5の前方右側の機台1上に形成された操縦部6、この操縦部6の後側で脱穀部5右側の機台1上に配設された穀粒タンク7、及び、脱穀部5後方の機台1上に配設された図示しない排藁処理部を備えてなり、条植穀稈を機体の走行中に刈り取って脱穀し、この脱穀により得られた穀粒及び切れ藁等の混合物を選別することにより精選された穀粒を順次に穀粒タンク7内に貯留させるように作動するものである。 【0015】上記走行部2は左右一対の走行クローラ2a、2bからなり、これら走行クローラ2a、2bのトラックフレーム8に前記機台1を支持させている。そして刈取部4は、機台1の前部から前斜め下方へ張り出した状態に形成された刈取上下揺動機構部9と、この刈取上下揺動機構部9により左右移動自在に支持された刈取部前部10とからなっている。 【0016】先ず、刈取上下揺動機構部9について説明すると、機台1上に左右一対の軸受台11a、11bを起立させ、この軸受台11a、11bの上部に軸受を介して刈取入力軸ケース12を回動自在に支持させ、この軸ケース12の長さ途中から前後向き刈取フレーム13を機台1前部から前斜め下方へ張り出させ、この前後向き刈取フレーム13と機台1との間に伸縮シリンダ装置14を架設して前後向き刈取フレーム13を上下方向の揺動駆動可能となし、この前後向き刈取フレーム13の先部に左右向き支持杆15を固定した構成となされている。 【0017】次に刈取部前部10について説明すると、左右向き伝動軸ケース17の両端部と中央箇所のそれぞれから前後向き刈取フレーム18a、18b、18cを前方へ張り出させ、これら前後向き刈取フレーム18a、18b、18cに前側から順に、機体進行方向の左右に隣接して生育している条植穀稈を分草するデバイダ19a、19b、19c、分草された条植穀稈を多数のタインで引き起こすように作用する左右一対の引起こしケース20a、20b、条植穀稈を刈り取る刈刃装置21、及び、刈り取られる前の穀稈や、刈り取られた後の穀稈(刈取穀稈)を特定箇所へ掻き込む掻込み装置22を装設したものとなしてある。 【0018】この際、左右の各引起こしケース20a、20bの下部は前後向き刈取フレーム18a、18cから起立させた支持部材23a、23bに固定させ、また左側の引起こしケース20aの上部後面は左右向き伝動軸ケース17の左端から起立させた左引起こし伝動軸ケース24aの上部に引起こし入力部25aを介して支持させると共に、右引起こし駆動ケース20bの上部後面は左右向き伝動軸ケース17の右端から起立させた右引起こし伝動軸ケース24bの上部に引起こし入力部25bを介して支持させ、さらに左右の引起こしケース20a、20bの上部間を左右方向の外力に対し十分な剛性を発揮する構造となすように正面視逆U字形の管部材26で結合させる。掻込み装置22は一対の掻込み部22a、22bからなり、各掻込み部22a、22bは掻込みベルト27a、27bとスターホイール28a、28bとからなり、左右の掻込みベルト27a、27bは平面視で左右対称の前拡がりに配置され、また左右のスターホイール28a、28bの歯部をかみ合わせたものとなす。 【0019】そして、上記刈取部前部10は前記刈取上下揺動機構部9に平行リンク機構Rを介して左右移動可能に支持されている。この平行リンク機構Rは、前記刈取上下揺動機構部9の左右向き支持杆15の左右端部から後向きの揺動アーム16a、16bを第一縦軸s1回りの左右揺動可能に延出させると共に刈取部前部10の左右向き伝動軸ケース17の左右端部から片持ち支持部材17a、17bを後向きへ延出させ、これら片持ち支持部材17a、17bのそれぞれの後端部をその対応する揺動アーム16a、16bの後端部下面側に第二縦軸s2を介して枢着した構成としてある。この際、第一縦軸s1、s1は垂直姿勢に対して上部が幾分前方へ変位した前傾姿勢となされている。 【0020】刈取部前部10と脱穀部5との間には刈取部4の一部をなす搬送装置29が設けてあり、この搬送装置29は株元側を搬送する挟持搬送チェーン部30と、穂先側を係止搬送する搬送タイン部31とを備えている。挟持搬送チェーン部30及び搬送タイン部31はそれぞれの後端部を前記刈取入力軸ケース12にこの入力軸ケース12中心線回りの揺動可能でしかも略縦向きに配設された搬送装置29用駆動軸32回りの横向き揺動可能に支持されており、前後長さ途中を支持高さ調整機構付支持手段mを介して支持され前後向き刈取フレーム13に連動して上下揺動されると共に、刈取部前部10の左右移動に連動してそれぞれの前端部a、bが左右移動されるほか、前記支持高さ調整機構付支持手段mの作動によりこれら前端部a、bを刈取部前部10に対し上下に調整移動されるものとなされている。 【0021】刈取入力軸ケース12の左右長さ途中と右引起こし伝動軸ケース24b上部とは伸縮作動可能となされた揺動伝動ケース34を介して連結されている。この揺動伝動ケース34は図4に示すように、刈取入力軸ケース12の左右長さ途中に略縦向きの軸c回りの揺動自在に係着された縦伝動ケース35と、この縦伝動ケース35から前方へ張り出させた後部伝動ケース36bと、この後部伝動ケース36bの前部内孔に出入り自在に内挿され且つ前端を右引起こし伝動軸ケース24b上部に固定された前部伝動ケース36aとからなる。 【0022】操縦部6は操縦席37や、各種操縦レバー等を備えたものとなしてあり、また38は脱穀部5のフィードチェーンで、搬送装置39の搬送した刈取穀稈を受け継いで搬送するものである。 【0023】次に刈取部4の駆動系統について説明する。図5等に示すように、前記刈取入力軸ケース12の中心部に設けられた刈取入力軸3の右端に、機台1上に設けた図示しないエンジンの回転を伝達されるプーリ39を固定し、前記縦伝動ケース35の内方には、前記刈取入力軸3とベベルギヤ40a、40bを介して連動連結させた縦軸41と、この縦軸41に固定されたベベルギヤ42aと、このベベルギヤ42aに噛み合わされて回転のみ自在となされたベベルギヤ42bを配置し、一方では刈取入力軸ケース12の左端に張出し状且つ左右向き軸及び縦向き軸回りの回転自在に接続された搬送伝動ケース12a(図2参照)を設け、この伝動ケース12aの内方に刈取入力軸3を到達させ、この刈取入力軸3の左端と、搬送装置29の後端部に配設された前記駆動軸32とをベベルギヤ43a、43bを介して連動連結させ、この駆動軸32の上端に搬送タイン部31の入力部をなすスプロケット44を固定し、この駆動軸32の下端に挟持搬送チェーン部30の入力部をなすスプロケット45を固定している。 【0024】また、ベベルギヤ42bの中心に透設された多角形摺動孔に前部伝動ケース36b及び後部伝動ケース36a内に設けられた刈取伝動軸46の後端部を軸方向変位のみ自在に嵌挿させると共に、刈取伝動軸46の前端部を前記右引起こし伝動ケース24b上部内方に設けられた上側右引起こし伝動軸47aに、ベベルギヤ48a、48bを介して連動連結させている。 【0025】そして、上側右引起こし伝動軸47aの上端は、右側の引起こしケース20bの引起こし入力部25b内に設けられた右引起こし駆動軸49bと、ベベルギヤ機構50bを介して連動連結させ、一方、上側右引起こし伝動軸47aの下端は右引起こし伝動ケース24bの長さ途中に形成されたギヤケースd(図2参照)内に設けられた平歯車機構51を介して、右引起こし伝動ケース24bの下部内に設けられた下側右引起こし伝動軸47bの上端と連動連結させ、また下側右引起こし伝動軸47bの下端をベベルギヤ52を介して前記左右向き伝動軸ケース17内の左右向き伝動軸53の右端に連動連結させ、この伝動軸53の長さ途中箇所と、左右向き伝動軸ケース17の長さ途中に固定した支持伝動ケース54に設けられた下部駆動軸55とをベベルギヤ56を介して連動連結させ、この下部駆動軸55にネジ歯車機構57を介して右側のスターホイール28bや掻込みベルト27bを、そしてクランク駆動機構58を介して刈刃装置21を駆動するようになしている。なお、左側のスターホイール28aや掻込みベルト27aは右側のスターホイール28bに追従して回転される。 【0026】さらに左右向き伝動軸53の左端はベベルギヤ機構59を介して前記左引起こし伝動軸ケース24a内の左引起こし伝動軸60の下端を連動連結させ、この左引起こし伝動軸60の上端は、前記左側の引起こしケース20aの引起こし入力部25aに設けられた左引起こし駆動軸49aと、ベベルギヤ61を介して連動連結させている。 【0027】次に右側の引起こしケース20bについて説明する。なお左側の引起こしケース20aは右側のそれと対称的な構造となす。図6及び図7に示すように、ケース本体部62とタインガイド板63とカバー体64とを備えると共に、ケース本体部62とタインガイド板63とをボルトを介して結合し、これらの内方に伝動機構用の空間eを形成しており、またカバー体64はタインガイド板63の前面に摘み付ボルトを介して簡易取外し可能に螺着している。この際、ケース本体部62は左側に凹み箇所62aを形成されており、この凹み箇所62aの下辺部は後側へ屈曲されたタイン案内部62bとされている。またケース本体部62の下部は支持部材23b上端部に固定させ、上部は引起こし入力部25bに固定させている。 【0028】前記右引起こし駆動軸49bの前端は前記空間e内の上部に位置させており、この前端に上側の案内車をなすスプロケット65が固定してあり、また前記空間eの下部には下側の案内車66が配置してある。下側の案内車66はチェン緊張機構68により支持された支軸69に回転自在に装着すると共に図8に示すように外周面に環状溝fを形成したものとなされている。この際、支軸69と案内車66との間には玉軸受70が装着されている。 【0029】上記チェン緊張機構68は図8及び図9に示すように、ケース本体部62にボルト71で固定される箱形支持部材72、この箱形支持部材72に軸部73aを出入り変位自在に挿通され二股部73bに前記支軸69を橋渡し状に挿通されるものとした二股摺動ホルダ73、前記軸部73aの上側横孔に嵌着され箱形支持部材72からの軸部73aの抜け出しを規制するものとした止めピン74、前記軸部73aに外嵌され前記箱形支持部材72内に圧縮状に嵌装され上端面をこの箱形支持部材72の上部に支持されるスプリング75、前記軸部73aの下側横孔に嵌着されスプリング75の下端をリング状座金75aを介して係止するものとした止めピン76、及び、ケース本体部62とタインガイド板63とに形成され前記支軸69の各端部を上下変位可能に挿通されるものとなされた上下向きへ長い案内透孔g、gを備えた構成となされている。この際、上記二股部73bの上部左右には案内車66周面に穀稈などが巻き付く不都合を阻止するためのスクレーパ部h1、h2が形成されている。なお、支軸69の左右箇所にはブッシュ77が外嵌される。 【0030】図7に示すように前記スプロケット65と下側の案内車66には無端状のチェン78が掛け回してあり、このチェン78の長さ方向の適当な一定間隔毎にタイン79が前後向き支持ピン80回りの揺動自在に装着されている。各タイン79は矢印方向イへ周回移動される過程で図9に示す被案内面79aを前記タイン79の種々のガイド部に案内されて図7中に示す符号j0の位置で支持ピン80回りの外方へ揺動されて張り出した状態となり、以後この張出し状態のまま移動され、符号j1の位置に達したとき支持ピン80回りの内方へ揺動されて非張出し状態に変化し、以後この状態のまま符号j0の位置まで移動するものとなされている。 【0031】そして、図6及び図7に示すようにケース本体部62の後面下部には前記チェン緊張機構68と連係してチェン弛み阻止機構67をなす戻り変位規制機構81が形成してある。この戻り変位規制機構81はチェン緊張機構68による下側の案内車66の下方移動に関連して該移動に対するその戻り変位を自動的に規制するように作動するものであり、次にその詳細について説明する。 【0032】図8、図10及び図11に示すように、ケース本体部62の下部後面に基礎板82を固着し、この基礎板82の盛り上がり部82a上面に支持部材23bの左右向き上端部を配置し、さらにその上に機構支持板83を配置して、支持部材23bの上端部及び機構支持板83を2本のボルト84、84で前記盛り上がり部82aに締結固定している。そして、前方視三角状の波形歯部材85がケース本体部63の下部左側の機構支持板83の後面箇所に固定された前後向きの支軸86を介して前記案内車66の回転面に沿った向きの揺動可能に装着されている。 【0033】波形歯部材85と案内車66とは波形歯部材85の支軸86回りの揺動と案内車66の上下移動とを連動させるように連結するのであり、このため波形歯部材85には支軸86を中心とした半径線方向へ幾分長くなされた透孔85aを形成し、この透孔85aに支軸69の後端部に螺着した係合部材87を内挿している。 【0034】一方では機構支持板83の右張出し部に前後向きの支軸88を固定し、この支軸88を介して鈎状の爪部材89を前記波形歯部材85の波形歯85bと関連した位置に案内車66の回転面に沿った向きの揺動自在に装着すると共に、この爪部材89の係止部89aと波形歯85bとを圧接させるためのスプリング90を設けている。この際、波形歯85bは支軸86を中心とした円弧に沿わせたものとなし、また案内車66が下方へ移動するときには係止部89aと波形歯85bとが滑り変位し、一方、案内車66が上方へ移動しようとするときには係止部89aと波形歯85bの一つの凹み部位とが滑り変位を規制された状態に嵌合する構成としている。 【0035】図8において、91は支軸69の前端部に螺着されたナット、92は支軸69、86、88に外挿されたリング板、n1は支軸69や係合部材87に形成された環状溝で、n2はこの環状溝n1に嵌着された抜け止めリングピンである。 【0036】次に上記したコンバインの取扱い例及び作動を説明する。通常の刈取作業時には、刈取部前部10をその左右移動範囲内の左側移動終端位置(図3の仮想線位置k)に位置させ、この位置を図示しない適宜な係止手段に保持させて作業を行う。これにより、左走行クローラ2aは刈取部前部10に対して未刈穀稈から離れる側へ位置した状態となって未刈穀稈を踏まないようになる。 【0037】なお、必要に応じて、刈取部前部10をその左右移動範囲内の任意位置に移動させ、この位置を図示しない係止手段に保持させて刈取作業を行う。これにより、刈取部前部10は各条列の未刈穀稈に正確に合致する。 【0038】未刈穀稈の刈取中には、図示しないエンジンの回転が引起こしケース20a、20b内のスプロケット65に伝達されるのであり、これによりチェン78がスプロケット65及び案内車66の周りを周回移動し、タイン79が図7中での符号j0の位置から符号j1の位置に至るまでの範囲でその対応する未刈穀稈列の未刈穀稈を引き起こすように作用する。 【0039】このとき、タイン79には未刈穀稈の引起こしに伴う負荷が作用するため、チェン78には負荷に対応した引張応力が発生し、この引張応力によりチェン78は徐々にではあるが永久ひずみによる伸びを生じるのであり、この伸びは通常では引起こしケース20a、20bの使用時間の長さに比例して増大するものとなる。 【0040】このチェン78の永久的な伸びが波形歯85bの隣接した歯同士の間隔の2倍よりも大きくなった後において、刈取作動を停止するなどしたときには、チェン78の引張負荷が消失した状態となり、案内車66はチェン緊張機構68のスプリング75の弾力で下方へ移動され、チェン78を緊張させるものとなる。このような案内車66の下方移動は支軸69を介して波形歯部材85を支軸86回りへ揺動させるのであり、この揺動量が波形歯85bの隣接した歯の間隔よりも大きいとき、爪部材89の係止部89aが波形歯85bにおけるそれまでの凹み箇所とは異なる凹み箇所に嵌合するものとなる。そして、この嵌合の後は、案内車66が嵌合する前の位置に戻るべく上方変位しようとしても、爪部材89の係止部89aと波形歯部材85の波形歯85bとの嵌合による係止作用によりその戻り変位は確実に阻止される。 【0041】この後、刈取作業が再開され、チェン78に一時的に大きな引張負荷が作用しても、案内車66は既述のような爪部材89及び波形歯部材85の係止作用により確実にその上方変位を規制されるため、スプリング75の圧縮変形は波形歯85bの隣接した歯同士の間隔に関連した比較的小さい距離以上には生じず、チェン78はその緊張状態を安定的に保持される。これにより、チェン78の非緊張側部分78a(図7参照)は従来のように過度に垂れ下がることの生じないものとなり、またタイン79はタイン案内部62bに激しく衝突することのないものとなる。上記チェン弛み阻止機構67によるチェン78の緊張処理作動は、チェン78が波形歯85bの隣接した歯同士の間隔よりも大きく伸びる毎に人為力を要することなく行われるものとなる。 【0042】 【発明の効果】上記した本発明によれば、次のような効果が得られる。即ち、請求項1に記載のものによれば、チェンが波形歯に関連した特定長さより伸びる毎に何れかの案内車がチェン緊張側に移動されてその移動に対する戻り変位を規制されるため、たとえチェンが永久ひずみにより伸びても何ら手間を要しないで常にそれを適度に緊張させた状態に保持させることができると共に、たとえチェンに一時的に大きな引張負荷が作用したときでもチェンの一部が過度に緩まない状態を維持させることができ、チェンの弛みに起因した騒音や異常摩耗などの弊害を阻止することができる。 【0043】請求項2に記載のものによれば、請求項1記載の発明の場合に準じた効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、従来から存在しているチェン緊張機構の利用が可能となって該請求項の発明を安価に実現することができる。 【0044】請求項3に記載したものによれば、請求項2記載の発明の場合に準じた効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、戻り変位規制機構を除いた構成が在来のコンバインの構造と同一となるため、在来のコンバインに対し該請求項の発明を簡易に実施することができる。 【0045】請求項4に記載したものによれば、在来のコンバインに既に存在する空スペースを利用して簡易に戻り変位規制機構を形成することができる。また戻り変位規制機構に他物が衝突することの生じ難いものとなすことができるほか、戻り変位規制機構が降雨に曝されることの生じ難いものとなすことができる。 【0046】請求項5に記載したものによれば、戻り変位規制機構を簡易且つ安価に形成でき、しかも前記チェンの緊張状態を人為操作を要しないで確実に維持させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005164 【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社 【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地
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| 【出願日】 |
平成14年2月21日(2002.2.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−235325(P2003−235325A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月26日(2003.8.26) |
| 【出願番号】 |
特願2002−44115(P2002−44115) |
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