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【発明の名称】 リールモア
【発明者】 【氏名】原口 京二
【住所又は居所】長野県松本市石芝1丁目1番1号 石川島芝浦機械株式会社松本工場内

【氏名】窪田 徹男
【住所又は居所】長野県松本市石芝1丁目1番1号 石川島芝浦機械株式会社松本工場内

【氏名】宮本 雅彦
【住所又は居所】長野県松本市石芝1丁目1番1号 石川島芝浦機械株式会社松本工場内

【要約】 【課題】刈草をホッパー内に収容し、纏めて所望の位置に排出することができるリールモアを提供する。

【解決手段】走行機体の前部や左右両側部に複数のリールモアを配置した構成において、各モアの刈草飛散方向に吸引カバーを設け、該吸引カバー39の吐出口39aと機体に配置したブロア41の吸引口41aとをダクト40を介して連通するとともに、機体上の座席の後部で、エンジンを被覆したボンネットの上方の空いた空間にホッパー9を配置し、該ホッパーの上部入口と前記ブロアの吐出口の間をダクトを介して連通し、ホッパーを支持するリンクと走行機体側の支持フレームとの間にシリンダーを介装し、該シリンダーの伸長によりホッパーの前部が高く持ち上げられるように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の前部や左右両側部に複数のリールモアを配置した構成において、各モアの刈草飛散方向に吸引カバーを設け、該吸引カバーの吐出口と機体に配置したブロアの吸引口とをダクトを介して連通するとともに、機体上の座席の後部で、エンジンを被覆したボンネットの上方の空いた空間にホッパーを配置し、該ホッパーの上部入口と前記ブロアの吐出口の間をダクトを介して連通し、ホッパーを支持するリンクと走行機体側の支持フレームとの間にシリンダーを介装し、該シリンダーの伸長によりホッパーの前部が高く持ち上げられるように構成したことを特徴とするリールモア。
【請求項2】 請求項1記載のリールモアにおいて、吸引カバーを着脱可能に構成し、該吸引カバーを外すと集草せずに芝上に放置すべく構成したことを特徴とするリールモア。
【請求項3】 請求項2記載のリールモアにおいて、吸引カバーの後部にダクトと連通する吐出口を設け、該吐出口に連通したダクトの他端はブロアの吸引口に連通したコーンと接続され、該ダクトはホース等の可撓性パイプで構成したことを特徴とするリールモア。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体の前部または後部または前後方向中央部にそれぞれリールモアを配置し、これら複数のリールモアによって刈り取った草を、一つのホッパーに集草し、排出できるようにした技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の機体に複数のリールモアを配置した多連リールモアは、刈った後の刈芝はそのまま芝の上、または芝の中に放置していたので、芝上に放置された刈芝はかたまったり、変色して美観を損ねていた。また、芝の中に入った刈芝は堆積して、芝の発育に支障をきたしていた。そこで、各リールモア上に小さなバケットを取り付けたり、機体上にホッパーを設けて(特開平8−116752)、刈芝を集めるようにした技術が公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者のように、各リールモア上に取り付けたバケットは、小さいために、芝刈作業では直ぐにバケットが刈芝でいっぱいとなり、バケットを外して排出しなければならず、その排出作業は大変な重労働となっていた。そして、リールモア上にバケットを設けるとなると、そのバケットを配置するための空間が必要となり、隣り合うリールモアには幅方向で刈り残しがないように重複部分を設ける必要があるので、前後のリールモアの間隔をバケットの分あけなければならず、前後の間隔が長くなると、全長が長くなるばかりでなく、旋回時に刈り残しが発生し易く、これをなくすには重複部分を長くする必要があり、全体の刈り幅が短くなるという不具合があった。また、後者の技術のように、機体上にホッパーを設け、該ホッパーとリールモアをダクトによって連結し、ホッパー上に設けた吸引ファンの駆動によって、リールモアで刈り取った芝草を吸引するようにしても、吸引ファンはリールモアから遠く離れた位置に配置されているので、吸引経路が長くなり、更に、ホッパー上に設けているために、ホッパー内の空気も吸引するので、強力な吸引ファンが必要となり、ホッパーは密閉構造としなければならないので、継ぎ目の少なくシール部材を必要とし、コストが高く、吸引効率も悪くなっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。請求項1においては、走行機体の前部や左右両側部に複数のリールモアを配置した構成において、各モアの刈草飛散方向に吸引カバーを設け、該吸引カバーの吐出口と機体に配置したブロアの吸引口とをダクトを介して連通するとともに、機体上の座席の後部で、エンジンを被覆したボンネットの上方の空いた空間にホッパーを配置し、該ホッパーの上部入口と前記ブロアの吐出口の間をダクトを介して連通し、ホッパーを支持するリンクと走行機体側の支持フレームとの間にシリンダーを介装し、該シリンダーの伸長によりホッパーの前部が高く持ち上げられるように構成したものである。請求項2においては、請求項1記載のリールモアにおいて、吸引カバーを着脱可能に構成し、該吸引カバーを外すと集草せずに芝上に放置すべく構成したものである。請求項3においては、請求項2記載のリールモアにおいて、吸引カバーの後部にダクトと連通する吐出口を設け、該吐出口に連通したダクトの他端はブロアの吸引口に連通したコーンと接続され、該ダクトはホース等の可撓性パイプで構成したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明を多連リールモアのうち5連のリールモアとした実施例について説明する。図1は本発明のリールモアの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は同じく正面図、図4はリールモアの側面図、図5はバーチカルカット刃の側面図、図6は吸引カバーを外した状態のリールモアの側面図、図7はコーンの側面図、図8はコーンの他の実施例を示す側面図である。
【0006】図1、図2、図3において、本発明のリールモアを前部に3台、左右に各1台ずつ配置した5連リールモアの全体構成から説明する。走行機体は機体フレーム1の前部に前輪2を支架し、機体フレーム1の後部に操向輪となる後輪3を支架している。機体フレーム1の後部上にエンジンが載置されてボンネット4によって被覆されている。機体フレーム1両側上に略平行に支持フレーム5が配置され、該支持フレーム5上に支柱6を立設して、該支柱6に略平行にリンク7a・7bを介して載置台8を支持し、該リンク7bと支持フレーム5の間にシリンダー10が介装されている。前記載置台8上にホッパー9が載置されて、該ホッパー9が運転席後部でボンネット4上方の空いた空間に配置されるようにし、該ホッパー9の前上部両側面には後述するダクト42を連通するための投入口9a・9aを設けている。該ホッパー9の底面は後部程低くし、その後部開放面は蓋体11によって蓋され、該蓋体11は上部が枢支されて、該蓋体11の中途部とホッパー9の間にシリンダー12が介装されている。なお、本実施例ではシリンダー10は油圧シリンダー、シリンダー12は電動シリンダーとしている。
【0007】そして、前記シリンダー10を伸長すると、ホッパー9は上昇され、前記リンク7a・7bの長さが異なるように構成しているので、ホッパー9の上昇時にはホッパー9後端は機体後端よりも後方へ移動することなく排出の邪魔とならず、前部がやや高く持ち上げられるようにして、ホッパー9内の刈芝をトラック等の荷台よりも高く持ち上げて、シリンダー12を伸長して蓋体11を開け、ホッパー9内の刈芝を全て排出できるようにしている。
【0008】前記機体フレーム1の前端にはステップ13が設けられ、該ステップ13前部上に操作コラム14が立設され、該操作コラム14上にハンドル15や操作パネル等を配置し、操作コラム14両側のステップ13上に走行ペダルやブレーキペダル等を配置している。また、ステッブ13の前部よりフレーム16を、操作コラム14上側部まで延設し、該フレーム16上に操作ボックス17を設け、該操作ボックス17内にコントローラやバルブ等を収納し、操作ボックス17上にリールモアの昇降及び回転駆動を操作するレバーまたはボタンを配置している。前記操作コラム14後方に座席18を配置し、該座席18の側部に燃料タンク19を配置している。
【0009】そして、機体フレーム1前端にリフトブラケット20を設け、該リフトブラケット20にリフトアーム21L・21M・21Rの後部を枢支し、該リフトアーム21L・21M・21Rの前部に、揺動自在にフロントリールモア22L・22M・22Rを吊設している。該リフトアーム21L・21M・21Rの基部と機体フレーム1の間に油圧シリンダーが介装されて、フロントリールモア22L・22M・22Rを同時に昇降できるようにしている。
【0010】また、前輪2と後輪3の間の機体フレーム1側部に、ブラケット24L・24Rを設け、該ブラケット24L・24Rにサイドリフトアーム25L・25Rを枢支し、該サイドリフトアーム25L・25R先端にサイドリールモア26L・26Rを吊設し、該サイドリフトアーム25L・25Rと前記ブラケット24L・24Rの間る油圧シリンダー27L・27Rをそれぞれ介装して、サイドリールモア26L・26Rを昇降可能としている。
【0011】そして、フロントリールモア22L・22M・22R、及びサイドリールモア26L・26Rは略同じ構成としており、その構成は図4に示すように、側板30・30の間にらせん状に構成したリール刃31が左右方向に回転自在に支持され、該リール刃31の後下部にブレード32が横設され、リール刃31の回転時にブレード32とによって芝生を切断するようにしている。前記側板30・30の前下部と後下部にそれぞれ前ローラー33、後ローラー34がリール刃31の軸心と平行に支持されて、該前ローラー33及び後ローラー34はそれぞれ高さを調節できるようにして、刈り高さを変更できるようにしている。但し、前記リール刃31の代わりに、図5に示すように、側面視で星型のバーチカルカット刃29を取り付け、或いは、リールモアの代わりにバーチカルカット刃29を有するユニットと交換できるようにすることもできる。該バーチカルカット刃29は、駆動軸29a上に所定間隔をあけて多数平行に固定されており、バーチカルカット刃29を回転駆動することによって、芝の中の堆積物、例えば、刈芝や芝かすや枯れた芝や葉等を掻き上げるようにしている。
【0012】そして、一側の側板30の外側に、チェーンケース35が固設され、該チェーンケース35の上部に油圧モータ36が固設され、チェーンケース35内で該油圧モータ36の出力軸とリール刃31の駆動軸上に、それぞれスプロケットを固設し、両スプロケット間にチェーンを介装して、油圧モータ35を駆動することによってリール刃31を回動できるようにしている。
【0013】そして、リール刃31の上方は上板37によって覆われ、該上板37後部とリール刃31後部には吸引カバー39が設けられて覆われ、リール刃31を回転させて刈り取った刈芝が飛散しないようにし、該吸引カバー39の後部にダクト40と連通する吐出口39aが設けられている。該吸引カバー39は図6に示すように、着脱可能とされ、吸引カバー39を外せば従来のように集草せずに芝上に放置する仕様とすることができる。
【0014】前記吸引カバー39の吐出口39aは、フロントリールモア22L・22R及びサイドリールモア26L・26Rの場合は、それぞれ後部上の左右略中央に配置されており、フロントリールモア22Mの場合、即ち、リールモアが奇数個配置された場合には、左右対称に配置するので、一つは左右方向中央に配置され、本実施例では中央のフロントリールモア22Mを、ブロア41から最も遠い位置に配置しているので、仕事量を他のリールモアと略均等にするために、後部上の左右両側に配置されている。
【0015】前記吐出口39aに連通したダクト40の他端は座席18の両側部に、それぞれ一台ずつ配置したブロア41・41の吸引口41a・41aに設けたコーン45・45と接続されている。そして、前記ブロア41・41の吐出口41b・41bには、ダクト42・42がそれぞれ連通され、該ダクト42・42の他端は、前記ホッパー9の投入口9a・9aに連通されて、前記ダクト40は図1、図2に示すように、左右3本ずつ配設されて略左右対称に配設され、重量バランスが崩れないようにしている。尚、ダクト40・42はホース等の可撓性パイプで構成されている。
【0016】そして、図7に示すように、前記ブロア41は、吸引口41aと反対側の中央に油圧モータ46を固定し、該油圧モータ46の駆動軸をファンケース41c内に挿入し、該ファンケース41c内の駆動軸上にファン47を固定している。また、コーン45はダクト40と接続するための分岐口45a・45b・45cを左右片側に配置したリールモアと同数設けており、この分岐口45a・45b・45cはその吸入量が、該コーン45から吸引カバー39までの距離に比例するように設けている。即ち、フロントリールモア22L・22M・22Rとサイドリールモア26L・26Rから同量の刈芝を吸引して、仕事量が同じくなるようにして、放置される刈芝の量にバラツキがなくなるようにして、仕上がりがきれいになるようにしている。
【0017】この分岐口45a・45b・45cにおける吸引量が略均等となるように、図7においては、フロントリールモア22Mと接続する分岐口45aはケースの先端が細くなった部分に設けられ、風量は大きく、フロントリールモア22Lまたは22Rに接続される分岐口45bはダクト40の長さがやや短くなるので、分岐口45aよりやや太くなった部分に設けられ、サイドリールモア26Lまたは26Rに接続される分岐口45cは、ダクト40の長さが最も短いので、最も太くなった部分に設けられて、風量は小さくなるようにしている。また、図8はコーン45の他の実施例を示しており、分岐口45a’・45b’・45c’にそれぞれシャッター49・49・49を設けて任意に風量を調節できるようにして、取付位置に合わせて風量を調節できるようにしている。但し、風量調節は上記構成に限定されるものではなく、内部に偏向板を設けたり、ダクトの径を変更することもできる。
【0018】このようにして、ブロア41をエンジンまたはモーター等で駆動することによって吸引風が発生し、ダクト40・40・・・を介して、吐出口39a・39a・・・から空気を吸い込み、リールモアによって刈り取られた刈芝が上板37や吸引カバー39に案内されて吐出口39aに至り、ダクト40を介してブロア41に吸引される。該ブロア41の吐出口41bからダクト42を介して投入口9aよりホッパー9内に刈り芝が投入されて収容される。該ホッパー9内がいっぱいになると、トラックの荷台や放出位置まで移動して、シリンダー10を伸長してホッパー9を持ち上げ、シリンダー12を伸長して蓋体11を開けて、刈り芝を放出するのである。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、複数のリールモアのそれぞれに、刈草飛散方向に吸引カバーを設けたので、刈草がモア以外に飛散することが少なくなり、また、吸引カバーの吐出口と機体に配置したブロアの吸引口とをダクトを介して連通したので、ブロアの駆動によって刈草がブロアに吸引されるようになり、刈草が圃場面上に残ることが少なくなり、仕上がりがきれいになるのである。また、機体上にホッパーを配置し、該ホッパーの上部入口と前記ブロアの吐出口の間をダクトを介して連通したので、刈草がホッパー内に収容して、圃場の刈り面上に刈草が残って美観を損ねず、刈草は纏めて所望の位置に排出することができるようになった。そして、ブロアはリールモアとホッパーの間に配置されるので、吸引ダクトは短くなり、吸引性能が向上でき、小型のブロアを使用でき、ホッパーは簡単な密閉構造でよく、コスト低減化も図れたのである。
【0020】また、吸引カバーを着脱可能に構成したので、吸引カバーを外せば従来と同様に、刈芝を芝上に放置することができ、吸引カバーを取り付けてホッパーに収容する構成とすることもでき、同一の機体及びリールモアを用いて容易に仕様変更ができるようになったのである。
【0021】また、ブロアの吸引口に複数に分岐するコーンを連結し、該コーンと吸引カバーの吐出口の間を、可撓性のダクトにより連結したので、複数配置したリールモアから略均等な吸引力で刈芝を吸引することができるようになり、放置される刈芝の量がリールモアによってバラツクことがなく、きれいに仕上げることができる。
【出願人】 【識別番号】000198330
【氏名又は名称】石川島芝浦機械株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目32番7号
【出願日】 平成9年4月21日(1997.4.21)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2003−235320(P2003−235320A)
【公開日】 平成15年8月26日(2003.8.26)
【出願番号】 特願2003−28918(P2003−28918)