| 【発明の名称】 |
根菜類収穫機の葉茎引上げ構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】千葉 博之 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】岩川 隆 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】伊藤 宰 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】阪辻 隆雄 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
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| 【要約】 |
【課題】畝の法面で機体の進行方向に沿うように倒れ込んでいる葉茎の引き上げをも行えるようにして、葉茎を利用した根菜類の畝からの引き上げや葉茎の切断をより確実に行えるようにする。
【解決手段】畝に作付けられた根菜類Wを収穫する根菜類収穫機において、収穫する根菜類Wの両脇に位置して、畝に掛けられたマルチシートFの植付け孔hから突出した根菜類Wの葉茎Wbを、係止爪23の縦回し移動で引き上げる複数の葉茎引上げ装置10を装備し、それら複数の葉茎引上げ装置10のうち、畝の法面に倒れ込んだ葉茎Wbに作用する葉茎引上げ装置10Dに装備される係止爪23を、その先端側が畝の内方に向かう内向き姿勢で、かつ、畝の上面に倒れ込んだ葉茎Wbに作用する葉茎引上げ装置10A,10B,10Cに装備される係止爪23よりも長さが長くなるように形成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 畝に作付けられた根菜類を収穫する根菜類収穫機であって、収穫する前記根菜類の両脇に位置して、前記畝に掛けられたマルチシートの植付け孔から突出した前記根菜類の葉茎を、係止爪の縦回し移動で引き上げる複数の葉茎引上げ装置を装備し、それら複数の前記葉茎引上げ装置のうち、前記畝の法面に倒れ込んだ葉茎に作用する葉茎引上げ装置に装備される係止爪を、その先端側が前記畝の内方に向かう内向き姿勢で、かつ、前記畝の上面に倒れ込んだ葉茎に作用する葉茎引上げ装置に装備される係止爪よりも長さが長くなるように形成してある根菜類収穫機の葉茎引上げ構造。 【請求項2】 前記係止爪の先端部に弾性変形可能な樹脂材を採用するとともに、その先端部分をへら状に形成してある請求項1記載の根菜類収穫機の葉茎引上げ構造。 【請求項3】 前記係止爪を、無端回動帯に連結される基端部と前記先端部とに2分割可能に構成するとともに、前記基端部を、硬質材で前記先端部の基端部分を外嵌保持する鞘部分を有するように形成してある請求項2記載の根菜類収穫機の葉茎引上げ構造。 【請求項4】 前記鞘部分の対向する一対の側面にそれぞれ形成された貫通孔と、前記基端部分に形成された貫通孔とに挿通されるとともに、先端に各前記貫通孔への挿通時には縮径し挿通後に拡径して前記側面に係止する縮拡部分を備えた挿通部と、各前記貫通孔への挿通後の前記縮拡部分の拡径時に前記側面に接当する頭部とを有するように形成された係止ピンで、前記基端部からの前記先端部の抜け止めを行うように構成してある請求項3記載の根菜類収穫機の葉茎引上げ構造。 【請求項5】 前記鞘部分又は前記縮拡部分に、前記基端部に対する前記係止ピンのその軸心周りでの相対回転に伴って前記縮拡部分を縮径させるカム面を形成してある請求項4記載の根菜類収穫機の葉茎引上げ構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、畝に作付けられた玉ねぎ、人参、大根、あるいはニンニク、などの根菜類を収穫する根菜類収穫機の葉茎引上げ構造に関する。 【0002】 【従来の技術】根菜類収穫機の一例である玉ねぎ収穫機においては、例えば特開2001−28920号公報で開示されているように、収穫する根菜類の両脇に位置して、畝に掛けられたマルチシートの植付け孔から突出した根菜類の葉茎のうち、畝の上面及び法面で機体の進行方向と交差するように倒れ込んだ葉茎を係止爪の縦回し移動で引き上げる複数の葉茎引上げ装置や、それらの葉茎引上げ装置によって引き上げられた葉茎や畝の上面で機体の進行方向に沿うように倒れ込んだ葉茎を係止爪の横回し移動で後上方に向けて掻き上げる葉茎掻上げ装置などを装備したものがあり、従来、このような根菜類収穫機の葉茎引上げ構造においては、葉茎引上げ装置の係止爪が、葉茎を引き上げる際に機体の進行方向に向けて真っ直ぐに延びる前向き姿勢となるように構成されていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】そのため、上記の従来技術によると、畝の上面及び法面で機体の進行方向と交差するように倒れ込んだ葉茎や、畝の上面で機体の進行方向に沿うように倒れ込んだ葉茎は、葉茎引上げ装置や葉茎掻上げ装置によって後上方に向けて引き上げることができるものの、畝の法面で機体の進行方向に沿うように倒れ込んだ葉茎を引き上げることができないようになっており、もって、葉茎引上げ装置や葉茎掻上げ装置によって引き上げられた葉茎を利用して根菜類を畝から引き上げる、あるいは、根菜類の葉茎を切断する、といった作業の確実性が低下するようになっていた。 【0004】本発明の目的は、畝の法面で機体の進行方向に沿うように倒れ込んでいる葉茎の引き上げをも行えるようにして、葉茎を利用した根菜類の畝からの引き上げや葉茎の切断をより確実に行えるようにすることにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】〔構成〕上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、畝に作付けられた根菜類を収穫する根菜類収穫機において、収穫する前記根菜類の両脇に位置して、前記畝に掛けられたマルチシートの植付け孔から突出した前記根菜類の葉茎を、係止爪の縦回し移動で引き上げる複数の葉茎引上げ装置を装備し、それら複数の前記葉茎引上げ装置のうち、前記畝の法面に倒れ込んだ葉茎に作用する葉茎引上げ装置に装備される係止爪を、その先端側が前記畝の内方に向かう内向き姿勢で、かつ、前記畝の上面に倒れ込んだ葉茎に作用する葉茎引上げ装置に装備される係止爪よりも長さが長くなるように形成した。 【0006】〔作用〕上記請求項1記載の発明によると、畝の法面に倒れ込んだ葉茎に作用する葉茎引上げ装置の係止爪が、畝の法面で機体の進行方向と交差するように倒れ込んでいる葉茎や機体の進行方向に沿うように倒れ込んでいる葉茎のいずれに対しても交差するようになり、その係止爪の縦回し移動によって、畝の法面に倒れ込んでいる葉茎をそれらの姿勢に関係なく確実に引き上げることができるようになる。 【0007】又、畝の法面に倒れ込んだ葉茎に作用する葉茎引上げ装置の係止爪を、畝の上面に倒れ込んだ葉茎に作用する葉茎引上げ装置の係止爪よりも長さを長くしたことで、畝の法面に倒れ込んだ葉茎に作用する葉茎引上げ装置のケースと、マルチシートが浮き上がった状態になり易い畝の法面との距離を大きくすることができ、これによって、畝の法面から浮き上がったマルチシートが葉茎引上げ装置のケースとの接触で破損し、その破損箇所が係止爪に引っ掛かって葉茎引上げ装置に巻き込まれる不具合の発生を効果的に回避できるようになる。 【0008】〔効果〕従って、畝の法面で倒れ込んでいる葉茎の引き上げをその姿勢に関係なく良好に行えることから、その葉茎を利用した根菜類の畝からの引き上げや葉茎の切断をより確実に行えるようになり、又、マルチシートが破損して葉茎引上げ装置に巻き込まれる不具合に起因した作業の中断をより効果的に回避できるようになり、もって、作業の確実性及び作業効率の向上を図れるようになった。 【0009】〔構成〕本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記係止爪の先端部に弾性変形可能な樹脂材を採用するとともに、その先端部分をへら状に形成した。 【0010】〔作用〕上記請求項2記載の発明によると、係止爪の先端部に弾性変形可能な樹脂材を採用していることから、その先端部は、マルチシート上に倒れ込んだ葉茎を掬い上げる際にマルチシートに接触すると、弾性変形してマルチシートへの引っ掛かりを抑制するようになる。 【0011】ところで、例えば係止爪の先端部を弾性変形可能な樹脂材で棒状に形成すると、その先端部が弾性変形した際の反力が大きくなる。そのため、葉茎引上げ装置の係止爪による葉茎の掬い上げ及び引き上げをより確実なものにするために、例えば、葉茎引上げ装置を、その葉茎引き上げ始端部となる下端部をマルチシートに更に近づけた状態に配設することなどによって、マルチシートに対する係止爪の接触量を大きくすると、葉茎引上げ装置の下端部をマルチシートに近づけるほど、係止爪先端部のマルチシートとの接触による弾性変形に伴ってマルチシートに作用する反力が大きくなり、その反力によるマルチシートの変形も大きくなることから、係止爪の先端部がマルチシートに引っ掛かり易くなるとともに、その引っ掛かりに起因したマルチシートの破損を招き易くなる。 【0012】そこで、上記請求項2記載の発明では、係止爪の先端部に弾性変形可能な樹脂材を採用するだけでなく、その先端部分をへら状に形成するのであり、これによって、葉茎引上げ装置の係止爪による葉茎の掬い上げ及び引き上げをより確実なものにするために、例えば、葉茎引上げ装置を、その葉茎引き上げ始端部となる下端部をマルチシートに更に近づけた状態に配設して、マルチシートに対する係止爪の接触量を大きくしても、係止爪がマルチシートに接触した際には、その係止爪の先端部分において容易に腰折れ現象が発生して先端部分の接触端側のみが屈曲変形するようになり、棒状の先端部の全体が弾性変形する場合に比較して、マルチシートに作用する反力が大幅に減少し、その反力によるマルチシートの変形もかなり小さくなることから、係止爪の先端部がマルチシートに引っ掛かる虞をより効果的に抑制でき、その引っ掛かりに起因したマルチシートの破損をより確実に回避できるようになる。 【0013】又、係止爪がマルチシートに接触している状態では、その先端部分の接触端側のみが屈曲変形することで、マルチシートに接触していない箇所は、変形せずに葉茎に対して好適に作用する適正姿勢を維持するようになることから、係止爪の先端部の全体が弾性変形して葉茎に対する姿勢が大きく変化するものに比較して、係止爪による葉茎の掬い上げ及び引き上げをより確実かつ良好に行えるようになる。 【0014】〔効果〕従って、係止爪の先端部によりマルチシートが破損して葉茎引上げ装置に巻き込まれる不具合に起因した作業の中断を招くことなく、葉茎引上げ装置の係止爪による葉茎の掬い上げ及び引き上げをより確実かつ良好に行えるようになり、もって、作業の確実性及び作業効率の向上をより効果的に図れるようになった。 【0015】〔構成〕本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の発明において、前記係止爪を、無端回動帯に連結される基端部と前記先端部とに2分割可能に構成するとともに、前記基端部を、硬質材で前記先端部の基端部分を外嵌保持する鞘部分を有するように形成した。 【0016】〔作用〕上記請求項3記載の発明によると、収穫する根菜類の種類、あるいは、マルチ栽培や露地栽培といった根菜類の栽培方法などに応じた係止爪の仕様変更、及び、係止爪先端部の損傷状態などに応じた補修を行う際には、葉茎引上げ装置のケースによって連結箇所が隠される無端回動帯と係止爪の基端部との連結はそのままとし、葉茎引上げ装置のケースから露出する先端部の基端部に対する交換を行うだけで良いことから、係止爪の全体を交換する場合に比較して交換に要する手間やコストの削減を図れるようになる。 【0017】又、基端部に硬質材を採用することで、係止爪の全体を弾性変形可能な樹脂材で構成する場合に比較して、係止爪を葉茎に対して好適に作用する適正姿勢に維持し易くなり、更に、その基端部の鞘部分で先端部の基端部分を外嵌保持することから、葉茎の掬い上げや引き上げ時における先端部の基端部分での不必要な弾性変形を抑制することができ、その分、先端部を葉茎に対して好適に作用する適正姿勢に維持し易くなり、もって、係止爪による葉茎の掬い上げ及び引き上げが更に確実かつ良好に行えるようになる。 【0018】〔効果〕従って、収穫する根菜類の種類、あるいは、マルチ栽培や露地栽培といった根菜類の栽培方法などに応じた係止爪の仕様変更、及び、係止爪先端部の損傷状態などに応じた補修を行う際の作業性の向上を図れるとともに、その仕様変更や補修に要する費用の削減を図れるようになり、又、係止爪による葉茎の掬い上げ及び引き上げを更に確実かつ良好に行えることから、作業の確実性の向上を更に図れるようになった。 【0019】〔構成〕本発明のうちの請求項4記載の発明では、上記請求項3記載の発明において、前記鞘部分の対向する一対の側面にそれぞれ形成された貫通孔と、前記基端部分に形成された貫通孔とに挿通されるとともに、先端に各前記貫通孔への挿通時には縮径し挿通後に拡径して前記側面に係止する縮拡部分を備えた挿通部と、各前記貫通孔への挿通後の前記縮拡部分の拡径時に前記側面に接当する頭部とを有するように形成された係止ピンで、前記基端部からの前記先端部の抜け止めを行うように構成した。 【0020】〔作用〕上記請求項4記載の発明によると、先端部の基端部分を基端部の鞘部分に挿入し、係止ピンの挿通部を、鞘部分の対向する一対の側面と基端部分とに形成された各貫通孔に、係止ピンの頭部が鞘部分の一方の側面に接当するとともに縮拡部分が拡径して鞘部分の他方の側面に係止する状態となるように挿通すれば、係止爪の先端部と基端部とを、先端部の基端部分が基端部の鞘部分に外嵌保持された状態で抜け止め連結することができるようになる。又、係止爪の先端部と基端部とを抜け止め連結した係止ピンの縮拡部分を縮径して、その縮拡部分と鞘部分の他方の側面との係止を解除し、鞘部分と基端部分の各貫通孔から係止ピンの挿通部を抜き出すことで、係止爪における先端部と基端部との抜け止め連結を解除できるようになる。 【0021】しかも、係止ピンによる先端部と基端部との抜け止め連結箇所が、基端部の鞘部分によって先端部の弾性変形が阻止された箇所であることから、先端部が弾性変形する際の反力が係止ピンに掛からないようになっており、これによって、係止ピンを、先端部が弾性変形する際の反力に耐え得る強度を有するものにする必要がなく、その分、係止ピンとして比較的安価なものを採用しながら、その耐久性を向上させることができるようになる。 【0022】〔効果〕従って、係止爪における基端部に対する先端部の抜け止め及び抜け止め解除を係止ピンの操作によって簡単に行えることから、収穫する根菜類の種類や根菜類の栽培方法などに応じた係止爪の仕様変更、及び、係止爪先端部の損傷状態などに応じた補修を行う際の作業性の向上をより効果的に図れるとともに、コストの削減並びに耐久性の向上を図れるようになった。 【0023】〔構成〕本発明のうちの請求項5記載の発明では、上記請求項4記載の発明において、前記鞘部分又は前記縮拡部分に、前記基端部に対する前記係止ピンのその軸心周りでの相対回転に伴って前記縮拡部分を縮径させるカム面を形成した。 【0024】〔作用〕上記請求項5記載の発明によると、係止爪の先端部と基端部とを抜け止め連結した係止ピンにおける縮拡部分の直接的な縮径操作を行わなくても、係止爪の頭部を操作して、基端部に対して係止ピンをその軸心周りに回転させることで、縮拡部分を縮径させて縮拡部分と鞘部分の他方の側面との係止を解除することができ、鞘部分と基端部分の各貫通孔からの挿通部の抜き出しを許容することができるようになる。 【0025】そして、係止爪の先端部と基端部とを係止ピンで抜け止め連結した状態では、外部からの操作が行い易い位置に係止ピンの頭部が位置するように係止ピンの姿勢を設定すれば、係止ピンの挿通部を鞘部分と基端部分の各貫通孔に挿通する際の頭部を利用した係止ピンの押し込み操作、及び、縮拡部分を縮径させて縮拡部分と鞘部分の他方の側面との係止を解除する際の頭部を利用した係止ピンの回転操作を簡単に行えるようになる。 【0026】〔効果〕従って、係止ピンの操作による基端部に対する先端部の抜け止め及び抜け止め解除が更に簡単に行えるようになることから、収穫する根菜類の種類や根菜類の栽培方法などに応じた係止爪の仕様変更、及び、係止爪先端部の損傷状態などに応じた補修を行う際の作業性の向上を更に図れるようになった。 【0027】 【発明の実施の形態】図1〜20には根菜類収穫機の一例である玉ねぎ収穫機をマルチ仕様に仕様変更した構成のものが、又、図21〜29にはその玉ねぎ収穫機を露地仕様に仕様変更した構成のものが示されており、この玉ねぎ収穫機は、基本的には露地で栽培された根菜類Wの一例である玉ねぎWを収穫可能な状態にする露地仕様に構成され、その基本構成に部分的な変更を加えることで、マルチシートFで覆われた平畝で栽培された玉ねぎWを収穫可能な状態にするマルチ仕様に仕様変更することができるようになっている。 【0028】先ず、図21〜29に基づいて、基本構成となる露地仕様の玉ねぎ収穫機について説明する。 【0029】この玉ねぎ収穫機は、3輪走行式でループ状の操縦ハンドル1を備えた走行機体Aの前部に、その走行に伴って、幅広の平畝上で栽培された根菜類の一例である4条の玉ねぎWのうちの進行方向右側2条分の抜き取りなどを行うように構成された収穫機構Bを装備した構造で、一つの平畝に対する往復走行で、その平畝上の全ての玉ねぎWを収穫可能な状態に処理するように構成されている。 【0030】走行機体Aは、平畝を跨ぐように配置された左右一対の駆動後輪2と、右側の畝底を移動するように配置された一つの遊転前輪3とを備え、機体後部に搭載したエンジン4からの動力が、変速装置5で変速された後、左右の軸式伝動機構6及びチェーン式伝動機構7を介して左右の駆動後輪2に伝達されるようになっている。左側の軸式伝動機構6は伸縮可能に構成されており、これによって、左側の駆動後輪2の位置を左右に変更することができ、もって、畝幅に応じた後輪トレッドの変更を行えるようになっている。遊転前輪3は、収穫機構Bの対地高さを決めるゲージ輪として機能するように構成されており、収穫機構Bの対地高さは、手元ハンドル8を回転操作して遊転前輪3に対する収穫機構Bの高さ位置を変更することで調節できるようになっている。 【0031】収穫機構Bには、抜き取りの対象となる2条の玉ねぎWの左右両脇に位置してそれらの葉茎Wbを掬い上げる3つの分草具9、抜き取りの対象となる2条の玉ねぎWの左右両脇に位置する3基の縦回し型の葉茎引上げ装置10、その後方に位置する横回し型の葉茎掻上げ装置11、更にその後方に位置する挟持引上げ搬送装置12、その始端部近くに位置する土崩し装置13、挟持引上げ搬送装置12の下方に位置する位置揃え装置14、挟持引上げ搬送装置12と位置揃え装置14との間に位置する葉切りカッタ15、位置揃え装置14の後部に位置する姿勢揃え装置16、などが装備されている。 【0032】各分草具9は露地仕様において使用されるものであり、対応する葉茎引上げ装置10のケース21に着脱自在に装備されている。 【0033】各葉茎引上げ装置10は、ケース21の上下に備えたスプロケット間に巻回されて縦回し駆動される無端回動帯の一例であるチェーン22に多数の係止爪23を起伏自在に連結し、係止爪23を機体の進行方向に向けて突出する前向き姿勢で地面近傍から後方斜め上方に向けて移動させることで、各分草具9で掬い上げられた玉ねぎWの葉茎Wbを引き上げるように構成されたものであり、2条の玉ねぎWそれぞれの左右両脇で作用するように配備されている。 【0034】各係止爪23は、チェーン22に起伏自在に連結される硬質樹脂製の基端部23Aに、弾性変形可能な棒状に形成された軟質樹脂製の先端部23Bを着脱自在に連結して構成されており、平畝に接触した際には、先端部23Bが弾性変形するようになっている。 【0035】各葉茎引上げ装置10の駆動について説明すると、変速装置5の前部に設けた作業用動力出力部24に、PT0クラッチ25を介して動力伝達が断続されるPTO軸26が横架され、このPTO軸26の左端から前方に向けて延出された前向き伝動軸27の前端に、葉茎引上げ装置駆動用の横向き伝動軸28が横架され、この横向き伝動軸28によって各葉茎引上げ装置10が駆動されるようになっている。 【0036】ちなみに、各葉茎引上げ装置10は、横向き伝動軸28を中心とした姿勢変更が可能となるように構成されている。 【0037】葉茎掻上げ装置11は、ケース31の上下に備えたプーリ間に巻回されて横回し駆動されるベルト32に多数の係止爪33を連設し、この係止爪33を横側方に向けて突出する姿勢で地面近傍から後方斜め上方に向けて移動させることで、玉ねぎWの葉茎Wbを掻き上げるように構成されたものであり、左右一対のベルト32が、互いの係止爪33が重複するように対向して配備され、葉茎引上げ装置10によって引き上げられた2条の玉ねぎWの葉茎Wbが、両ベルト32の始端部で左右から掻き集められた後、後上方に向けて掻き上げられるようになっている。 【0038】つまり、葉茎掻上げ装置11は、係止爪33の横回し移動で葉茎Wbを掻上げるものであり、これによって、前後方向に向いている葉茎Wbに対しては係止爪33が大きく交差するようになって確実に係止するようになることから、葉茎引上げ装置10によって葉茎Wbを引き上げることができなかったとしても、その葉茎Wbが葉茎引上げ装置10によって前向きに倒れた姿勢に修正されることで、その葉茎Wbに、葉茎掻上げ装置11による掻き上げ作用を確実に与えることができ、もって、全ての葉茎Wbをもれなく掻き上げることができるようになっている。 【0039】挟持引上げ搬送装置12は、上下のプーリ間に巻回されて横回し駆動される左右一対の幅広の挟持ベルト34を対向配備して構成されたものであり、葉茎掻上げ装置11によって掻き集められたた2条の玉ねぎWの葉茎Wbを左右の挟持ベルト34で強く挟持して後上方に移動させることで、平畝上にある2条の玉ねぎWを引き上げて後上方に向けて吊り下げ搬送するように構成されている。 【0040】尚、PTO軸26からウオーム減速機構36及びチェーン式伝動機構37を介して伝達された動力で、挟持引上げ搬送装置12における左側の挟持ベルト34が駆動されるとともに、この左側の挟持ベルト34の前端から取り出された動力で葉茎掻上げ装置11における左側のベルト32が駆動され、又、チェーン式伝動機構37の中間に連動連結した伝動軸38を介して伝達された動力で、挟持引上げ搬送装置12における右側の挟持ベルト34が駆動されるとともに、この右側の挟持ベルト34の前端から取り出された動力で葉茎掻上げ装置11における右側のベルト32が駆動されるようになっている。 【0041】位置揃え装置14は、露地仕様において使用されるものであり、前後のプーリ間に巻回されて横回し駆動される左右一対の案内ベルト47を対向配備して構成され、前後方向に略水平に設置されている。従って、この位置揃え装置14とその上方の挟持引上げ搬送装置12との間隔が、搬送方向後方側ほど大きくなっており、挟持引上げ搬送装置12で葉茎Wbが挟持されて斜め後上方に搬送される玉ねぎWの葉茎Wbを左右の案内ベルト47の間に導入し、挟持引上げ搬送装置12によって上方に引き上げられようとする玉ねぎ本体Waを案内ベルト47の下面で受け止めて、それ以上の上方移動を阻止することで、玉ねぎ本体Waの高さを一定に揃えるように構成されている。尚、この位置揃え装置14における左右の案内ベルト47は、葉茎掻上げ装置11における左右のベルト32の後端から取り出された動力でそれぞれ駆動されるようになっている。 【0042】挟持引上げ搬送装置12における左右の挟持ベルト34による葉茎挟持力は、圃場からの玉ねぎWの引き上げを行う搬送前端側では強くなり、位置揃え装置14との協働で玉ねぎ本体Waの高さを揃える搬送領域では弱くなるように設定されており、もって、位置揃え装置14によって上方移動が阻止された玉ねぎWの葉茎Wbは挟持引上げ搬送装置12から相対的に下方に引き抜かれるようになっている。 【0043】葉切りカッター15も、露地仕様において使用されるものであり、PTO軸26から屈伸可能に連設された一対のチェーン式伝動機構48,49の前端部に装備された単一の円盤カッタで構成され、直線スライド案内機構50に沿って上下に位置調節することが可能となっている。従って、前記位置揃え装置14によって玉ねぎ本体Waの高さが揃えられた玉ねぎWの葉茎Wbを切断するとともに、その作用位置を調節することで、玉ねぎ本体Waに切り残される葉茎Wbの長さを調節することができるようになっている。 【0044】土崩し装置13は、挟持引上げ搬送装置12による玉ねぎWの平畝からの引き抜きを容易にするものであり、畝裾近く及び平畝上面から、機体進行方向右側の2条の玉ねぎWの下方にまで入り込むように正面視L字状に屈折された左右一対の土切り崩し体41によって構成されている。各土切り崩し体41は、機体フレーム9の前部に支点P1周りに前後揺動可能に枢支されるとともに、その上方の延出端とPTO軸26の右端に備えた偏心クランク部43とがロッド44で連動連結され、偏心クランク部43を介してロッド44が押し引き駆動されて、土切り崩し体41が支点P1周りに一定の小ストロークで前後に揺動し、玉ねぎWの下方の土を崩して膨軟化することで、挟持引上げ搬送装置12によって葉茎Wbが挟持されて引上げられる玉ねぎWを無理なく抜き上げることができるようになっている。 【0045】姿勢揃え装置16は、露地仕様において使用されるものであり、位置揃え装置14の終端側に搬送経路を挟んで配備されたガイドバー51及びガイド板52と、左側の案内ベルト47の終端から取り出した動力で駆動される突起付きベルト53とからなり、葉切りされた後、切り残された葉茎Wbが左右の案内ベルト47によって挟持されて後方に向けて搬送されてきた玉ねぎ本体Waを、ガイドバー51とガイド板52とで回収し易い横向き姿勢に修正して平畝上に強制放出するように構成されている。 【0046】露地仕様の玉ねぎ収穫機は以上のように構成されており、平畝に露地栽培されている4条の玉ねぎWに対して、一行程の前進で進行方向右側の2条の玉ねぎWを引き抜いて所定の長さで葉切り処理し、平畝の上に回収し易い横向き姿勢で放置して行くようになっている。 【0047】ちなみに、葉切りされて平畝上に残し置かれた玉ねぎWは、人手又は回収機によって回収されるようになる。 【0048】次に、図1〜20に基づいてマルチ仕様の玉ねぎ収穫機について説明する。 【0049】尚、マルチ仕様の玉ねぎ収穫機における露地仕様のものと同じ構成の装置や同一部品などに対しては、露地仕様のものと同じ符号を付して説明を省略し、以下、露地仕様の玉ねぎ収穫機と相違する構成のものについてのみ説明する。 【0050】収穫機構Bは、分草具9によるマルチシートFの破損を回避するために各葉茎引上げ装置10のケース21から分草具9が取り外され、代わりに、平畝の法面に倒れ込んだ葉茎Wbに作用する縦回し型の葉茎引上げ装置10が装備されることで、合計4基の葉茎引上げ装置10が装備され、それらの各葉茎引上げ装置10は横向き伝動軸28によって駆動されている。 【0051】ところで、マルチシートFで平畝を覆う場合には、その畝裾を覆うシート部分は当然のことながら、左右中央の玉ねぎ間を覆うシート部分にも土を被せてマルチシートFの捲れ上がりを防止することが一般的に行われている。又、この場合、単に左右中央の玉ねぎ間を覆うシート部分に土を被せるだけでは、その箇所の土が雨風で簡単に流し飛ばされてマルチシートFが捲れ上がる不具合が生じ易くなることから、この不具合の発生を抑制するために、前もって平畝上面の左右中央箇所に溝を形成しておき、この溝上に位置するシート部分に土を被せるようにすることで、その箇所の土が雨風で簡単に流し飛ばされないようにすることも一般的に行われている。つまり、マルチシートFは、平畝を覆った状態では、土による捲れ上がり防止が施された左右中央の玉ねぎ間を覆うシート部分が、土による捲れ上がり防止が施されていない左右両側の玉ねぎ間を覆うシート部分よりも沈み込むようになっている。 【0052】そこで、各葉茎引上げ装置10のうち、マルチシートFの捲れ上がり防止が施された左右中央の玉ねぎ間を覆うシート部分に倒れ込んだ葉茎Wbに作用する第1葉茎引上げ装置10Aは、マルチシートFの捲れ上がり防止が施されていない左右両側の玉ねぎ間を覆うシート部分に倒れ込んだ葉茎Wbに作用する第2葉茎引上げ装置10Bよりも、係止爪23の先端が各葉茎引上げ装置10の下端部で描く葉茎引上げ軌跡kが低くなる起立気味の姿勢に姿勢変更されている。 【0053】その結果、マルチシートFにおける左右両側の玉ねぎ間を覆うシート部分よりも沈み込む状態となった左右中央の玉ねぎ間を覆うシート部分に倒れ込んだ葉茎Wbに対しては、第1葉茎引上げ装置10Aの係止爪23が、たとえ捲れ上がり防止用の土が雨風で流し飛ばされて葉茎Wbが沈み込んだ状態であっても、葉茎Wbを掬い上げる際には、その先端の浮き上がりが回避された好適な状態で作用するようになり、又、マルチシートFにおける左右中央の玉ねぎ間を覆うシート部分よりも浮き上がる状態となった左右両側の玉ねぎ間を覆うシート部分に倒れ込んだ葉茎Wbに対しては、第2葉茎引上げ装置10Bの係止爪23が、マルチシートFに突き刺さって葉茎WbとともにマルチシートFを引き上げてしまう不具合の発生が回避された好適な状態で作用するようになっている。 【0054】一方、畝肩に倒れ込んだ葉茎Wbに作用する第3葉茎引上げ装置10Cは、第2葉茎引上げ装置10Bと葉茎引上げ軌跡kの高さ位置が同じになるように姿勢設定され、平畝の法面に倒れ込んだ葉茎Wbに作用する第4葉茎引上げ装置10Dは、他の葉茎引上げ装置10A〜10Cよりも葉茎引上げ軌跡kが低くかつ前方に位置する倒れ角の大きい長尺のものに構成されている。 【0055】その結果、畝肩に倒れ込んだ葉茎Wbに対しては、第3葉茎引上げ装置10Cの係止爪23が、畝肩からの浮き上がりや、畝肩を覆うシート部分に突き刺さって葉茎WbとともにマルチシートFを引き上げてしまう不具合の発生が回避された好適な状態で作用するようになり、又、平畝の法面に倒れ込んだ葉茎Wbに対しては、第4葉茎引上げ装置10Dの係止爪23が、法面からの浮き上がりや、法面を覆うシート部分に突き刺さって葉茎WbとともにマルチシートFを引き上げてしまう不具合の発生が回避された好適な状態で作用するようになっている。 【0056】第1〜3の葉茎引上げ装置10A〜10Cは、各係止爪23が露地仕様からマルチ仕様に仕様変更されており、その仕様変更は、弾性変形可能な軟質の樹脂材で棒状に形成された露地用の先端部23B(図27参照)を、弾性変形可能な軟質の樹脂材で、先端部分23aが幅広のへら状で葉茎引上げ作用姿勢での正面視が上向き湾曲形状となるように形成されたマルチ用の先端部23Cに交換することによって行えるようになっている。 【0057】第4葉茎引上げ装置10Dの各係止爪23は、他の葉茎引上げ装置10A〜10Cに採用される係止爪23の基端部23Aに、弾性変形可能な軟質の樹脂材で、平面視がくの字形状で長尺に、かつ、先端部分23aがへら状で葉茎引上げ作用姿勢での正面視が上向き湾曲形状となるように形成されたマルチ用の先端部23Dを着脱自在に連結することで、その先端側が平畝の内方に向かう内向き姿勢で、かつ、他の葉茎引上げ装置10A〜10Cに装備される係止爪23よりも長さが長くなるように構成されている。 【0058】つまり、マルチ用の各先端部23C,23Dは、それらの先端部分23aを腰折れ現象の発生し易いへら状としながらも、葉茎引上げ作用姿勢での正面視が上向き湾曲形状となるように形成したことで、係止爪23が前方に向けて突出する葉茎引上げ作用時には、各係止爪23を、その全体が前方に向けて延びる好適な葉茎引上げ姿勢に維持することができる一方で、各係止爪23の先端がマルチシートFに接触する葉茎掬い上げ作用時には、各先端部23C,23Dの先端部分23aにおける接触端側のみが容易に屈曲変形して、マルチシートFに作用する弾性変形した係止爪23の反力を大幅に減少させるようになることから、係止爪23によるマルチシートFの破損を招くことなく、各葉茎引上げ装置10A〜10Dによって葉茎Wbを確実かつ良好に掬い上げて引き上げて行くことができるようになっている。 【0059】又、平畝の法面に倒れ込んだ葉茎Wbに作用する第4葉茎引上げ装置10Dは、その係止爪23が、平畝の法面で機体の進行方向と交差するように倒れ込んでいる葉茎Wbや機体の進行方向に沿うように倒れ込んでいる葉茎Wbのいずれに対しても交差するようになることから、平畝の法面に倒れ込んでいる葉茎Wbをそれらの姿勢に関係なく確実に掬い上げて引き上げて行くことができるようになり、更に、その係止爪23が、平畝の上面に倒れ込んだ葉茎Wbに作用する他の葉茎引上げ装置10A〜10Cの係止爪23よりも長さが長いことから、そのケース21と、マルチシートFが浮き上がった状態になり易い法面との距離を大きくすることができ、これによって、平畝の法面から浮き上がったマルチシートFが第4葉茎引上げ装置10Dのケース21との接触で破損し、その破損箇所が係止爪23に引っ掛かって第4葉茎引上げ装置10Dに巻き込まれる不具合の発生を回避できるようになっている。 【0060】要するに、以上の構成から、平畝の形状に沿って様々な状態で倒れ込んでいる葉茎Wbの掬い上げ及び引き上げを、対応する葉茎引上げ装置10によって、マルチシートFの破損を招くことなく確実かつ良好に行えるようになっており、もって、その葉茎Wbを利用した玉ねぎWの平畝からのマルチシートF内での引き上げや葉茎Wbの切断を容易かつ確実に行えるようになり、又、マルチシートFが破損して葉茎引上げ装置10に巻き込まれる不具合に起因した作業の中断を効果的に回避できるようになり、もって、作業の確実性及び作業効率の向上を図れるようになっている。 【0061】挟持引上げ搬送装置12の始端部下方には、挟持引上げ搬送装置12によって挟持搬送され始めた玉ねぎWの葉茎Wbを切断するマルチ用の葉切り装置60が配備されている。このマルチ用の葉切り装置60は、位置揃え装置14を構成する左右の案内ベルト47を巻回した前部プーリ39からチェーン式伝動機構61を介して伝達された動力で左右の円盤状の回転刃62を互いに内向きに回転駆動するように構成されている。 【0062】各回転刃62の下方には、対応する回転刃62と一体回転するゴム製の掻き込み回転体63がそれぞれ装備されている。各掻き込み回転体63の外周面には大きいピッチで複数(図では6個)の掻込み突起64が突設されており、葉切り装置60に導入されかかった玉ねぎWの葉茎Wbを左右から係止して後方に掻き込むことで、左右の回転刃62の切断部位に送り込むようになっている。ここで、回転刃62は、チェーン式伝動機構61を介した伝動によって増速駆動されており、これに伴って掻き込み回転体63も高速で回転駆動されるようになっている。この構成から、掻き込み回転体63の周速度、つまり、掻き込み回転体63による後方への搬送速度は、挟持引上げ搬送装置12及び位置揃え装置14による後方への搬送速度よりも速くなるように設定されている。 【0063】マルチ用の葉切り装置60は機体に対して簡単に脱着できるように構成されている。その構成について説明すると、回転刃駆動用のチェーン式伝動機構61における左右の伝動ケース70がフレーム板71で一体連結され、このフレーム板71の左右端から後方に延出された連結アーム72の後端屈曲部72aが、機体フレーム9の左右に設けた連結金具73の凹部73aに前方から係止されるとともに、フレーム板71の左右から立ち上げた連結部74が機体フレーム9にボルト連結されるようになっている。又、各伝動ケース70から上方に突出した入力軸75の上端には伝動板76が設けられ、位置揃え装置14における前部プーリ39の下面には、伝動板76に形成した伝動孔77に係合する一対の伝動ピン78が突設され、マルチ用の葉切り装置60を、連結アーム72及び連結部74を介して機体フレーム9に連結することで、前部プーリ39と入力軸75とがピン連動され、かつ、連結部74のボルト連結を解除して、連結アーム72を連結金具73から離脱させることで、マルチ用の葉切り装置60全体を簡単に取り外すことが可能となっている。尚、フレーム板71の左右に把手79を備えることで、マルチ用の葉切り装置60の脱着を容易に行うことができるようになっている。 【0064】マルチ用の葉切り装置60の下部には、マルチシートFの植付け孔hから抜き上げられた玉ねぎ本体Waが回転刃62で切断されるのを防止するための案内機構80が備えられている。この案内機構80は、左右の回転刃62の切断部位の前方において、遊端が上向きに屈曲された3本のガイド棒81を左右に並列配置して構成されており、挟持引上げ搬送装置12によって葉茎Wbを挟持された玉ねぎWの玉ねぎ本体WaがマルチシートFの植付け孔hから抜き上げられてマルチ用の葉切り装置60の切断部位に近づくと、玉ねぎ本体Waがガイド棒81によって上方に案内されて挟持引上げ搬送装置12の上に乗り上がり、そのまま後上方に搬送されて行くようになっている。尚、ガイド棒81群の左右外側には、葉茎Wbを切断部位に導くガイド棒84が前広がり状に配置固定されている。 【0065】3本のガイド棒81のうち左右のガイド棒81は、フレーム板71の後部に前後位置調節可能に取り付けられた支持板83から前向き片持ち状に延出されるとともに、中央のガイド棒81は左右のガイド棒81に亘って支持されるとともに、左右のガイド棒81よりも上方にまで延出されている。このように、案内機構80が回転刃62の下方にまで配備されていることで、挟持引上げ搬送装置12によって葉茎Wbを挟持された玉ねぎWがマルチシートFごと引き上げられた場合であっても、ガイド棒81がマルチシートFの上面を受け止めてそれ以上の上昇を阻止することになり、もって、玉ねぎ本体WaやマルチシートFが回転刃62に接触することを回避できるようになっている。尚、支持板83の位置を前後に調節することで、ガイド棒81全体を切断部位に対して前後調節することが可能となっており、もって、圃場条件や玉ねぎWの生育状態などに応じて最適の案内位置を設定して利用することができるようになっている。 【0066】このように、案内機構80を、上記のように脱着可能に構成したマルチ用の葉切り装置60に装着することで、マルチ用の葉切り装置60と案内機構80とを一体脱着可能なユニットとして取り扱うことができるようになっている。 【0067】土崩し装置13は、平畝に残される玉ねぎ本体Waの周辺の土を切り崩して、後の引上げ回収を容易に行えるようにするものであり、畝裾近くから右側2条の玉ねぎWの下方にまで入り込むよう正面視L字状に屈折されたの土切り崩し体41と、この土切り崩し体41の直前方位置の若干外側において畝裾近くに突入するシートめくり上げ用の補助具42とからなり、土切り崩し体41は、機体フレーム9の前部に支点P1周りに前後揺動可能に枢支されるとともに、その上方の延出端とPTO軸26の右端に備えた偏心クランク部43とがロッド44で連動連結され、偏心クランク部43を介してロッド44が押し引き駆動されて、土切り崩し体41が支点P1周りに一定の小ストロークで前後に揺動し、玉ねぎWの下方の土を崩して膨軟化することで、玉ねぎWを無理なく抜き上げることができるようになっている。 【0068】シートめくり上げ用の補助具42は、支点P2周りに前後揺動可能に枢支されるとともに、連係ロッド45を介して土切り崩し体41に連動連結され、土切り崩し体41の前後揺動に同期して前後に揺動駆動されるようになっており、畝裾近くを切り崩しながら前進移動することで、後続の土切り崩し体41の土中への突入抵抗を軽減するとともに、平畝に掛けられたマルチシートFの右側の裾を少し押し上げてめくり上げながら前進するようになっている。このように、シートめくり上げ用の補助具42によってマルチシートFの右側の裾を自由にしてめくり上げが容易な状態にしておくことで、後続する土切り崩し体41によるマルチシートFのめくり上げが無理なく円滑に行われるようになる。又、このシートめくり上げ用の補助具42からは、この補助具42ですくい上げたマルチシートFの裾を土切り崩し体41にまで案内して、マルチシートFが土切り崩し体41に引っ掛けられることを回避するシート案内部46が延出されている。 【0069】このように葉切りを行いながら機体が通過した後は、切り残された短い葉茎WbがマルチシートFの植付け孔hから突出している状態となり、マルチシートFは葉茎Wbに邪魔されることなく簡単にめくり上げることができるようになる。そして、マルチシートFをめくり取ると、平畝上には短く葉切りされた玉ねぎ本体Waが浮き上がった状態で並んでおり、これを回収すればよい。 【0070】マルチ仕様の玉ねぎ収穫機は以上のように構成されており、マルチシートFで覆われた平畝に栽培されている4条の玉ねぎWに対して、一行程の前進で進行方向右側2条の玉ねぎWにおける葉茎Wbの切断と玉ねぎ本体Waの浮き上げとを行い、一往復移動することで一畝4条全ての玉ねぎWにおける葉茎Wbの切断と玉ねぎ本体Waの浮き上げとを完了して回収可能な状態にするのであり、その後、マルチシートFの巻取り除去やめくり上げ除去を行って平畝を露出させ、その平畝上に葉切りされた状態で残し置かれた玉ねぎWを人手又は回収機で回収して行くのである。 【0071】ちなみに、第1葉茎引上げ装置10Aの下端部には、マルチシートF上を転動して第1葉茎引上げ装置10Aに対するシート高さの変動を検出する接地転輪55が、揺動アーム56を介して第1葉茎引上げ装置10Aに対して上下変位可能に装備され、揺動アーム56から上方に向けて、上端部が第1葉茎引上げ装置10Aの上部に装備された支持案内具57に挿通されるとともに、その支持案内具57に対する上端部に印された目印58の変位で、各葉茎引上げ装置10の係止爪23がマルチシートFに対する適正高さ位置に位置しているか否かの操縦位置からの目視確認を容易にする標示杆59が延設されており、支持案内具57に対する目印58の変位に基づいて、手元ハンドル8を回転操作して遊転前輪3に対する収穫機構Bの高さ位置を変更することで、各葉茎引上げ装置10の係止爪23をマルチシートFに対する適正高さ位置に容易に位置させることができるようになっている。 【0072】図7〜10、図12及び図27に示すように、各係止爪23の基端部23Aは、装着される先端部23B〜23Dの基端部分23bを外嵌保持する鞘部分23cを有するように形成されている。つまり、硬質樹脂材からなる基端部23Aの鞘部分23cで先端部23B〜23Dの基端部分23bを外嵌保持することから、露地仕様及びマルチ仕様にかかわらず、葉茎Wbの掬い上げや引き上げ時における先端部23B〜23Dの基端部分23bでの不必要な弾性変形を抑制することができ、その分、先端部23B〜23Dを葉茎Wbに対して好適に作用する適正姿勢に維持し易くなり、もって、各係止爪23による葉茎Wbの掬い上げ及び引き上げが更に確実かつ良好に行えるようになっている。 【0073】各係止爪23において、基端部23Aに対する先端部23B〜23Dの抜け止めは、基端部23Aの鞘部分23cにおける対向する一対の側面23ca,23cbとなる上面23ca及び下面23cbに形成された貫通孔a,bと、先端部23B〜23Dの基端部分23bに形成された貫通孔cとに挿通されるとともに、先端に各貫通孔a〜cへの挿通時には縮径し挿通後に拡径して下面23cbの凹部dに係止する縮拡部分90aを備えた挿通部90Aと、各貫通孔a〜cへの挿通後の縮拡部分90aの拡径時に鞘部分23cの上面23caの貫通孔a及び凹部eに係入し、その凹部e及び先端部23B〜23Dの基端部分23bに接当する頭部90Bとを有するように形成された係止ピン90で行われるように構成されている。係止ピン90は、係止爪23の基端部23Aから露出する頭部90Bの周縁部分90bを把持してその軸心周りに基端部23Aに対して相対回転させると、その縮拡部分90aが縮径するとともに下面23cbの凹部dとの係止を解除して、係止爪23からの抜き出しを許容するようになっている。 【0074】この構成から、係止爪23の仕様変更、及び、係止爪23の先端部23B〜23Dの損傷状態などに応じた補修を行う際には、葉茎引上げ装置10のケース21によって連結箇所が隠されるチェーン22と係止爪23の基端部23Aとの連結はそのままとし、係止ピン90を抜き差しして、葉茎引上げ装置10のケース21から露出する先端部23B〜23Dの基端部23Aに対する交換を行うだけで良いことから、係止爪23の全体を交換する場合に比較して交換に要する手間やコストの削減を大幅に図れるようになっている。 【0075】しかも、係止ピン90による基端部23Aに対する先端部23B〜23Dの抜け止め連結箇所が、基端部23Aの鞘部分23cによって先端部23B〜23Dの弾性変形が阻止された箇所であることから、先端部23B〜23Dが弾性変形する際の反力が係止ピン90に掛からないようになっており、これによって、係止ピン90を、係止爪23の先端部23B〜23Dが弾性変形する際の反力に耐え得る強度を有するものにする必要がなく、その分、係止ピン90として比較的安価なものを採用しながら、その耐久性を向上させることができるようになっている。 【0076】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態を列記する。 〔1〕根菜類収穫機としては、人参収穫機や大根収穫機あるいはニンニク収穫機などであってもよい。 〔2〕係止爪23としては、硬質樹脂製の基端部23Aに軟質樹脂製の先端部23B〜23Dを着脱不能に連結して構成したものであってもよく、又、基端部23Aをアルミニウムなどの金属材で形成したものであってもい。 〔3〕係止ピン90としては、その軸心周りでの回転操作を容易にするために、図30の(イ)に示すように、指を押し当てて操作するための凹部90cを頭部90Bの上面に形成したもの、図30の(ロ)に示すように、頭部90Bの周縁部分90bに滑り止め用の凹凸を形成したもの、図30の(ハ)に示すように、頭部90Bの上面に摘み操作用の凸部90dを形成したもの、あるいは、図示は省略するが、頭部90Bの上面にコインなどによる操作を可能にする凹溝を形成したものなどであってもよい。 〔4〕係止ピン90の軸心周りの回転操作によるその縮拡部分90aと係止爪23における鞘部分23cの凹部dとの係止解除を容易にするために、図31の(イ)に示すように、鞘部分23cの凹部dに、係止爪23に対する係止ピン90のその軸心周りでの相対回転に伴って縮拡部分90aを縮径させるカム面fを形成するようにしてもよく、又、縮拡部分90aに、係止爪23に対する係止ピン90のその軸心周りでの相対回転に伴って縮拡部分90aを縮径させるカム面gを形成するようにしてもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ 【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
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| 【出願日】 |
平成14年1月16日(2002.1.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2003−204711(P2003−204711A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月22日(2003.7.22) |
| 【出願番号】 |
特願2002−7409(P2002−7409) |
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