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【発明の名称】 コンバインの刈取機制御装置
【発明者】 【氏名】里路 久幸
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】長井 敏郎
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】岩本 浩
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】刈取機を所定の高い高さ位置へ操作すると、この刈取機、及び脱穀機のフィードチエンは自動停止制御され、再度所定高さ位置(通常の刈取り作業高さ)へ下降操作すると、刈取機、及びフィードチエンの始動開始と同時に、穀稈の稈長を稈長センサ装置で検出して穀稈の扱深調節を行うが、この扱深調節作動の開始制御も同時に行われることにより、雑草、及び長稈等が挾持されて停止状態であると、これらを検出して、誤作動することがあった。

【解決手段】刈取機3を所定の高い高さ位置へ上昇操作で、この刈取機3と、脱穀機4のフィードチエン5とが自動停止後において、再び刈取機3が下降制御され、刈取り作業が開始されたときは、穀稈の稈長により、扱ぎ深さを調節する穀稈挾持移送装置9の調節作動の開始時間を所定時間(T)遅延後、又は所定距離(L)走行後に開始制御する構成である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車台2の前側には、穀稈を刈取る上下移動自在な刈取機3と、刈取り穀稈の供給を受けて挾持移送する脱穀機4のフィードチエン5と、挾持杆6と、挾持移送中に穀稈を脱穀する脱穀機4内には、脱穀室7と、該脱穀室7へ供給される穀稈の稈長を検出する稈長センサ装置8と、該稈長センサ装置8が検出する稈長に基づいて穀稈の供給深さを調節する上下回動自在な穀稈挾持移送装置9等を設けると共に、刈取機3を所定の高い高さ位置へ上昇操作に基づいて、該刈取機3及びフィードチエン5の作動を自動停止制御すべく設けたコンバインにおいて、刈取機3を所定高さ位置へ上昇操作制御で、該刈取機3及びフィードチエン5が自動停止制御後において、再び刈取機3が下降制御されて、刈取り作業が開始制御されたときには、穀稈挾持移送装置9の扱深調節作動の開始時間を所定時間(T)遅延制御すべく制御装置10を設けたことを特徴とするコンバインの刈取機制御装置。
【請求項2】 前記刈取機3を所定の高い高さ位置へ上昇操作制御で、該刈取機3及びフィードチエン5が自動停止制御後において、再び刈取機3が下降制御されて、刈取り作業が開始制御されたときには、穀稈挾持移送装置9の扱深調節作動の開始制御は、所定距離(L)を走行後に作動開始すべく制御装置10を設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの刈取機制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、刈取機を所定の高い高さ位置へ上昇操作で、該刈取機と、脱穀機の穀稈を挾持移送するフィードチエンとが自動停止制御後において、再び刈取機が下降制御され、刈取り作業が開始制御されたときには、穀稈の扱ぎ深さを調節する穀稈挾持移送装置の調節作動の開始時間を所定時間遅延後、又は所定距離走行後に開始すべく制御する技術であり、コンバインの刈取機制御装置として利用できる。
【0002】
【従来の技術】コンバインで立毛穀稈の刈取り収穫作業は、走行車台の前方部に設けた刈取機の掻込装置で立毛穀稈は掻込されて、刈刃装置で刈取りされ、刈取り穀稈は穀稈挾持移送装置で引継ぎされて、後方上部へ移送され、この移送中に稈長センサ装置により、穀稈の稈長が検出され、この稈長検出に基づいて、扱深位置が適切でないときには、穀稈挾持移送装置が後部を回動中心として、前部は上方、又は下方へ回動操作され、穀稈の稈長に対する最適扱深さ位置へ移動制御されて、脱穀機へ供給され、この脱穀機のフィードチエンと、挾持杆とで引継ぎされて、脱穀機内を挾持移送中に脱穀され、脱穀済みで選別済みの穀粒は、穀粒貯留タンク内へ供給されて一時貯留される。
【0003】上記の穀稈を刈取り収穫作業中のときに、刈取り条の終端部で隣接条へ旋回を行うときには、通常は前記刈取機を所定高さ位置へ上昇操作して旋回を行うが、この上昇操作に基づいて、この刈取機と、脱穀機のフィードチエンとは、自動停止状態となり、これら両者が自動停止状態で旋回される。旋回が終了して、隣接条へ進入状態になると、刈取機を通常の刈取り高さ位置へ下降操作すると、この刈取機と、脱穀機のフィードチエンとは、即時回転駆動が開始されると共に、刈取機の穀稈挾持移送装置の扱深さを調節する扱深調節作動を開始する制御も同時に開始されて、進入した条の刈取り収穫作業が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】穀稈を刈取り収穫作業中のときに、隣接条へ旋回を行うときには、刈取機を所定高さ位置へ上昇操作して旋回を行うが、この上昇操作により、刈取機と、脱穀機のフィードチエンとは、自動停止状態となり、これら両者が自動停止状態で旋回し、旋回が終了して、隣接条へ進入状態になると、刈取機を通常の刈取り高さ位置へ下降操作すると、この刈取機と、フィードチエンとは、即時回転駆動されると共に、刈取機の上下回動自在な穀稈挾持移送装置の扱深調節作動の開始制御も同時に、即時開始されることにより、この穀稈挾持移送装置へ挾持状態で停止した穀稈内には、雑草や、一部挾持されている長稈等を稈長センサ装置が検出すると、誤作動することが発生したり、又、穀稈のこぼれが発生することがあったが、この発明により、これらの問題点を解決しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このために、この発明は、請求項1に記載の発明においては、走行車台2の前側には、穀稈を刈取る上下移動自在な刈取機3と、刈取り穀稈の供給を受けて挾持移送する脱穀機4のフィードチエン5と、挾持杆6と、挾持移送中に穀稈を脱穀する脱穀機4内には、脱穀室7と、該脱穀室7へ供給される穀稈の稈長を検出する稈長センサ装置8と、該稈長センサ装置8が検出する稈長に基づいて穀稈の供給深さを調節する上下回動自在な穀稈挾持移送装置9等を設けると共に、刈取機3を所定の高い高さ位置へ上昇操作に基づいて、該刈取機3及びフィードチエン5の作動を自動停止制御すべく設けたコンバインにおいて、刈取機3を所定高さ位置へ上昇操作制御で、該刈取機3及びフィードチエン5が自動停止制御後において、再び刈取機3が下降制御されて、刈取り作業が開始制御されたときには、穀稈挾持移送装置9の扱深調節作動の開始時間を所定時間(T)遅延制御すべく制御装置10を設けたことを特徴とするコンバインの刈取機制御装置としたものである。
【0006】コンバインで立毛穀稈の刈取り収穫作業は、走行車台2の前方部に設けた刈取機3の掻込装置で立毛穀稈は掻込されて、刈刃装置で刈取りされ、刈取り穀稈は穀稈挾持移送装置9で引継ぎされて、後方上部へ移送され、この移送中に稈長センサ装置8により、穀稈の稈長が検出され、この稈長検出に基づいて、扱深位置が適切でないときには、穀稈挾持移送装置9が後部を回動中心として前部は上方、又は下方へ回動操作され、穀稈の稈長に対する最適扱深さ位置へ移動制御されて、脱穀機4へ供給され、この脱穀機4のフィードチエン5と、挾持杆とで引継ぎされて、脱穀機4内を挾持移送中に脱穀され、脱穀済みで選別済みの穀粒は、穀粒貯留タンク内へ供給されて一時貯留される。
【0007】上記の穀稈を刈取り収穫作業中のときに、刈取り条の終端部で隣接条へ旋回を行うときには、通常は前記刈取機3を所定の高い高さ位置へ上昇操作して旋回を行うが、この上昇操作に基づいて、この刈取機3と、脱穀機4のフィードチエン5とは、自動停止状態となり、これら両者が自動停止状態で旋回される。旋回が終了して、隣接条へ進入状態になると、刈取機3を通常の刈取り高さ位置へ下降操作すると、この刈取機3と、脱穀機4のフィードチエン5とは、即時回転駆動されると共に、刈取機3の穀稈挾持移送装置9は、穀稈の稈長により、上下回動させて、扱深さを調節する扱深調節作動を開始する制御は、所定時間(T)遅延すべく制御装置10で制御されて、この所定時間(T)経過後より、穀稈の稈長による扱深調節制御が行われて、進入した条の穀稈の刈取り収穫作業が行われる。
【0008】請求項2に記載の発明においては、前記刈取機3を所定の高い高さ位置へ上昇操作制御で、該刈取機3及びフィードチエン5が自動停止制御後において、再び刈取機3が下降制御されて、刈取り作業が開始制御されたときには、穀稈挾持移送装置9の扱深調節作動の開始制御は、所定距離(L)を走行後に作動開始すべく制御装置10を設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの刈取機制御装置としたものである。
【0009】穀稈を刈取り収穫作業中のときに、刈取り条の終端部で隣接条へ旋回を行うときには、通常は刈取機3を所定の高い高さ位置へ上昇操作して旋回を行うが、この上昇操作に基づいて、この刈取機3と、脱穀機4のフィードチエン5とは、自動停止状態となり、これら両者が自動停止状態で旋回される。旋回が終了して、隣接条へ進入状態になると、刈取機3を通常の刈取り高さ位置へ下降操作すると、この刈取機3と、脱穀機4のフィードチエン5とは、即時回転駆動されると共に、刈取機3の穀稈挾持移送装置9を穀稈の稈長により、上下回動させて、扱深さを調節する扱深調節作動を開始する制御は、コンバインが所定距離(L)走行して、刈取り収穫作業が、この所定距離(L)行われた後に、制御装置10で穀稈の稈長による扱深調節制御が行われて、進入した条の穀稈の刈取り収穫作業が行われる。
【0010】
【発明の効果】請求項1に記載の発明においては、コンバインを旋回操作するときは、刈取機3を所定の高い高さ位置へ上昇操作すると、刈取機3、及び脱穀機4のフィードチエン5等は自動停止状態となり、旋回が終了すると、通常の刈取り高さ位置へ下降操作すると、刈取機3と、脱穀機4のフィードチエン5とは、即時回転駆動されると共に、刈取機3の穀稈挾持移送装置9は、穀稈の稈長により、上下回動させて、扱深さを調節する扱深調節作動を開始する制御は、所定時間(T)遅延すべく制御装置10で、この所定時間(T)が経過後より、穀稈の稈長による扱深調節制御が開始されることにより、このために、穀稈挾持移送装置9が停止状態のときに、挾持されていた雑草や、一部挾持されている長稈等を稈長センサ装置8が検出して、誤作動することがあったが、この誤作動を防止することができる。
【0011】請求項2に記載の発明においては、穀稈の稈長により、前記穀稈挾持移送装置9を上下回動させて、扱深さを調節する扱深調節作動を開始する制御は、通常の刈取り高さに再度変更制御されて、コンバインが所定距離(L)走行後に、この穀稈挾持移送装置9の扱深調節作動が開始制御されることにより、距離の場合は、時間の場合より、再作動の開始精度が向上し、誤作動をより確実に防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。コンバイン1の走行車台2の前側には、立毛穀稈を刈取る上下回動移動自在な刈取機3と、刈取り穀稈の供給を受けて挾持移送する脱穀機4のフィードチエン5と、挾持杆6と、挾持移送中に穀稈を脱穀する脱穀機4の脱穀室7を設けると共に、穀稈の稈長を検出する稈長センサ装置8と、この稈長センサ装置8が検出した稈長に基づいて、穀稈を挾持移送すると共に、穀稈の挾持位置を変更して、扱深さを調節する穀稈挾持移送装置9等を設けた構成である。又、この穀稈挾持移送装置9を上下回動させて、扱深さを調節する扱深調節作動を開始制御する制御装置10を設けた構成である。稈長センサ装置8が検出する穀稈の稈長検出に基づいて、穀稈挾持移送装置9の制御を主に図示して説明する。
【0013】前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図8で示す如く土壌面を走行する左右一対の走行クローラ11aを張設した走行装置11を配設し、走行車台2の上側には、脱穀機4を載置した構成である。走行車台2の前側の刈取機3で立毛穀稈を刈取りし、この刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、脱穀機4のフィードチエン5と挾持杆6とで引継ぎされて、脱穀機4の脱穀室7内を挾持移送されながら脱穀される。フィードチエン5は、図1で示す如くフィードチエンモータ5aの回転により、伝達装置5b、及びチエンギヤーケース5c内の伝動機構5dを介して回転駆動する構成である。脱穀済みで選別済み穀粒は、脱穀機4の右横側に配設した穀粒貯留タンク12内へ一時貯留される。
【0014】前記走行車台2の前側には、図1、図2、及び図8で示す如く前端位置から立毛穀稈を分離するナローガイド13a、及び分草体13bと、立毛穀稈を引起す引起装置14aと、引起された穀稈を掻込みする掻込装置15と、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置14bと、刈取りされた穀稈を挾持移送して、脱穀機4のフィードチエン5と、挾持杆6とへ受渡しする後部を回動中心として、前部を上下回動自在な穀稈挾持移送装置9を形成する根元・穂先移送装置16・17と、穀稈挾持移送装置9で挾持移送中の穀稈の稈長を検出する稈長センサ装置8等からなる刈取機3を設けている。該刈取機3は、油圧駆動による伸縮シリンダ18により、土壌面に対して、昇降自在に移動する構成である。
【0015】前記刈取機3の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆19aの上端部には、左右方向に支持パイプ杆19bを設け、この支持パイプ杆19bを走行車台2の上側面に設けた支持装置19cで回動自在に支持させて、伸縮シリンダ18の作動により、刈取機3は支持パイプ杆19bを回動中心として、上下に回動する構成である。
【0016】前記脱穀機4側の前部には、図1、図2、図4、図5、及び図8で示す如くコンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置20aと、これら操作を行う作業者が搭乗する操縦席20bとを設け、この操縦席20bの下側で、走行車台2の上側面には、エンジン21を載置すると共に、後方部には、穀粒貯留タンク12を配設する。これら走行装置2と、刈取機3と、脱穀機4と、エンジン21等により、コンバイン1の機体1aを形成した構成である。
【0017】前記刈取機3の穀稈挾持移送装置9によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送される穀稈に接触作用することにより、脱穀機4へ穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ3aを設けた構成である。前記走行車台2の前端部に装架した走行用のミッションケース22内の伝動機構22bの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ22aを設けた構成である。
【0018】前記稈長センサ装置8は、図1、及び図2で示す如く穀稈挾持移送装置19で、前方下部から後方上部へ向けて挾持移送中の穀稈の稈長を検出する長・短稈センサ8a,8bとよりなる構成であり、この長・短稈センサ8a,8bは長・短稈アクチュエータ23a,23cと、これら長・短稈アクチュエータ23a,23cが穀稈に押されて、回動することにより、ON−OFFするON−OFFスイッチ方式の長・短稈スイッチ23b,23d等よりなる構成である。これら長・短稈スイッチ23b,23dの両者がONにより、移送中の穀稈は長稈であると検出される構成である。又、長稈スイッチ23bがOFFで、短稈スイッチ23dがONにより、移送中の穀稈は標準の稈長であると検出される構成である。更に、長・短稈スイッチ23b,23dの両者がOFFにより、移送中の穀稈は短稈であると検出する構成である。
【0019】前記穀稈挾持移送装置9の根元・穂先移送装置16、17は、図1、及び図2で示す如くこの穀稈挾持移送装置9の上端部には、回動具24を設け、この回動具24を回動中心として、供給調節モータ24aの正逆回転により、回動具24を介して、穀稈挾持移送装置9の根元・穂先移送装置16、17の前部は、上下に回動移動する構成であり、掻込装置15より、引継ぎする穀稈の挾持位置を変更して、脱穀機4の脱穀室7内へ供給する穀稈の扱ぎ深さを調節できる構成である。穀稈の稈長が長稈のときには、前部を上方へ回動移動調節し、短稈のときには、下方へ回動移動調節し、普通稈長のときには、現状維持が保持される構成である。これらの回動移動調節は、穀稈センサ装置8が検出する穀稈の稈長の検出に基づいて、行われる構成である。
【0020】前記根元移送装置16は、略三角形状のチエンケース16aと、根元チエン16bと、根元挾持杆(図示せず)等よりなる構成である。又、穂先移送装置17は、略三角形状のチエンケース17aと、所定間隔に穂先ラグ17bを装着した穂先チエン17c等よりなる構成である。
【0021】前記刈取機3が所定の高い高さ位置へ操作されるときには、この刈取機3を上下移動する伸縮シリンダ18が始動されて、この伸縮シリンダ18が所定時間伸長制御されると、この伸張時間が制御装置10の入口回路10aからCPU10bへ入力され、この入力により、刈取機3は所定の高い高さ位置へ上昇制御されたと検出する構成である。
【0022】前記の高い高さ位置への上昇検出に伴なって、前記CPU10bから出力回路10cを経て、刈取機3を回転駆動する刈取入力プーリ3bをするテンションプーリ3cが作動されて、刈取入力プーリ3bの回転は停止制御されて、この刈取機3が自動停止制御されると共に、脱穀機4のフィードチエン5を回転駆動するフィードチエンモータ5aが自動停止制御されて、フィードチエン5が自動停止制御される構成である。刈取機3を所定の高い高さ位置への操作は、刈取り条変更で旋回時等に主に行われる。
【0023】前記刈取機3が所定の高い高さ位置から、通常の穀稈を刈取り作業する刈取り高さ位置へ操作されたときは、この刈取機3を上下移動する伸縮シリンダ18が始動されて、この伸縮シリンダ18が所定時間収縮制御されると、この収縮時間が制御装置10の入力回路10aからCPU10bへ入力され、この入力により、刈取機3は通常の穀稈を刈取りする刈取り高さ位置へ下降制御されたと検出する構成である。
【0024】前記の通常の穀稈を刈取り作業する刈取り高さ位置への下降検出に伴なって、前記CPU10bから出力回路10cを経て、刈取機3を回転駆動する刈取入力プーリ3bをするテンションプーリ3cは、作動されて、刈取入力プーリ3bは回転駆動制御されて、刈取機3は自動始動制御されると共に、脱穀機4のフィードチエン5を回転駆動するフィードチェンモータ5aが回転制御されて、フィードチエン5は自動回転制御される構成である。これら刈取機3と、フィードチエン5とは、同時に即時回転駆動される構成であるが、稈長センサ装置8の長・短稈センサ8a,8bが穀稈の稈長を長稈、又は短稈を検出しても、この検出は制御装置10の入力回路10aを経てCPU10bへは入力され、この入力に基づく出力は、即時出力されずにタイムラグを設けて出力する構成である。つまり、所定時間(T)経過後に、長・短稈センサ8a,8bが検出した穀稈の長稈、又は短稈の検出結果より、CPU10bから出力回路10cを経て穀稈挾持移送装置9の扱深調節作動の開始出力が所定時間(T)遅延制御されて、出力される構成である。
【0025】前記穀稈の稈長の長稈、又は短稈の検出の入力に基づいて、CPU10bから出力回路10cを経て、穀稈挾持移送装置9の根元・穂先移送装置16、17を深扱ぎ側、又は浅扱ぎ側へ回動移動操作する供給調節モータ24aを回転制御して、扱深調節作動の開始の出力は、所定時間(T)経過後に、制御装置10のCPU10bから出力回路10cを経て、供給調節モータ24aへ出力され、この供給調節モータ24aが正回転、又は逆回転制御されて、根元・穂先移送装置16、17は、穀稈の挾持位置を上方の浅扱ぎ側、又は下方の深扱ぎ側を挾持すべく回動移動制御される構成である。
【0026】前記刈取機3の穀稈挾持移送装置9の根元・穂先移送装置16、17を所定の高い高さ位置へ上昇操作後に、再度通常の穀稈を刈取り作業する刈取り高さ位置へ変更制御したときには、これら根元・穂先移送装置16、17を上昇位置へ停止に伴ない挾持した穀稈の穂先部の姿勢が変り、稈長センサ装置8の長・短稈センサ8a,8bを作動させる状態になる場合があり、そのまま通常の刈取り高さ位置へ下降させると、直ちに扱深調節作動状態に入ることが発生して、誤検出して、誤作動することがあり、特に停止状態のときに、挾持されていた雑草や、一部挾持されている長稈等があると、特に誤検出して、誤作動することがあったが、所定時間(T)は扱深さを調節する扱深調節作動の開始出力を遅延することにより、この誤作動を防止することができる。
【0027】又、前記刈取機3が所定の高い高さ位置から、通常の穀稈を刈取り作業する刈取り高さ位置へ操作されたときには、自動停止制御されていたこの刈取機3、及び脱穀機4のフィードチエン5も同時に即時回転駆動される構成であるが、稈長センサ装置8の長・短稈センサ8a,8bが穀稈の稈長を長稈、又は短稈を検出しても、この検出は制御装置10の入力回路を経てCPU10bへ入力され、この入力に基づく出力は、即時出力されずにタイムラグを設けて出力する構成である。つまり、コンバイン1が所定距離(L)走行した後に、長・短稈センサ8a,8bが検出した穀稈の長稈、又は短稈の検出結果により、CPU10cから出力回路10cを経て穀稈挾持移送装置9の扱深調節作動の開始出力が出力される構成である。
【0028】前記穀稈の稈長の長稈、又は短稈の検出に基づいて、CPU10bから出力回路10cを経て、穀稈挾持移送装置9の根元・穂先移送装置16、17を深扱ぎ側、又は浅扱ぎ側へ回動移動操作する供給調節モータ24aを回転制御して、扱深調節作動の開始出力は、所定距離(L)走行後に、制御装置10のCPU10bから出力回路10cを経て、供給調節モータ24aへ出力され、この供給調節モータ24aが正回転、又は逆回転制御されて、根元・穂先移送装置16、17は、穀稈の挾持位置を上方の浅扱ぎ側、又は下方の深扱ぎ側を挾持すべく回転制御される構成である。
【0029】前記刈取機3の穀稈挾持移送装置9の根元・穂先移送装置16、17の高さ位置を所定位置へ上昇操作後に、再度通常の穀稈を刈取り作業する刈取り高さ位置へ変更制御したときには、コンバイン1が所定距離(L)走行後に、扱深さを調節する扱深調節作動の開始出力が出力されることにより、時間の場合より、再作動の開始精度が向上し、誤作動をより確実に防止することができる。
【0030】前記穀粒貯留タンク12内に貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク12の後側には、縦移送螺旋25aを内装した排出支持筒25を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒25の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋26aを伸縮自在に内装した排出オーガ26を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設した構成である。
【0031】前記操縦席20bの左側部には、図4、及び図5で示す如く操作装置20aを設け、この操作装置20aのクラッチパネル27の左側の後方部には、脱穀機4を始動、及び停止操作する脱穀クラッチレバー27aを設けると共に、この脱穀クラッチレバー27aのヘッド部には、刈取機3を始動、及び停止操作する刈取スイッチ27bを設けた構成である。
【0032】前記脱穀クラッチレバー27aの前方部には、図4で示す如くミッションケース22に設けた副変速装置(図示せず)を操作する副変速レバー28を設けると共に、脱穀クラッチレバー27aの右側に設けた主変速レバーパネル29の後部に設けたスイッチパネル30には、エンジン21の回転数を操作するスロットルレバー31を設けた構成である。
【0033】これにより、前記スロットルレバー31は操作荷重が軽く、このスロットルレバー31を短くすることができる。長いレバーに比較して操作自体がしにくい欠点はあるが、作業者の近傍に配設することにより、この問題点を解決することができると共に、従来は主変速レバー29aの前側に、スロットルレバー31があり、このスロットルレバー31の操作が困難であったが、これを解消することができた。更にクラッチパネル27には、主変速レバーパネル29を右側へ長手方向に配設したことにより、クラッチパネル27には、前方に副変速レバー28を設け、後方に脱穀クラッチレバー27aを設けたことにより、クラッチパネル27のスペースを有効に利用することができる。
【0034】前記スイッチパネル30の表面部の前部より、図4、及び図5で示す如く穀稈の扱深さ調節を手動で調節する手動扱深スイッチ32aと、穀稈の扱深さを自動で調節制御させる自動扱深スイッチ32bと、刈取方向を制御させる刈取方向スイッチ33aと、刈取機3と、脱穀機4のフィードチエン5との両者を同時に、始動、及び停止操作する刈・脱スイッチ33bとを設けた構成である。
【0035】これにより、前記操縦席20b側から見ると、手前側にスイッチパネル30が配設され、このスイッチパネル30の表面部に各種スイッチ32a,32b,33a,33b等が配設されており、その左側には、脱穀クラッチレバー27aと、ヘッド部には、刈取スイッチ27bとを設けていることにより、これは、スイッチパネル30の表面部より、高い位置に配設されていることにより、操作が容易である。
【0036】前記コンバイン1の走行方向を切換え操作する走行方向切換レバー34は、図1で示す如く操縦席20bの前方部に設けた操作装置20aの右端部に設けた構成である。走行方向切換レバー34のヘッド部には、刈取機3で刈取る穀稈を検出して、刈取り方向を自動制御させるときに操作する刈取方向スイッチ34aを設けた構成である。
【0037】これにより、前記コンバイン1の走行方向を切換する、常時作業者が把持する走行方向切換レバー34のヘッド部には、刈取り方向を自動制御させるときに操作する刈取方向スイッチ34aを設けたことにより、この刈取方向スイッチ34aの操作が容易である。又、通常の操作時は、作業者は主変速レバー29aと、走行方向切換レバー34との両者を把持して、走行操作を行うことが多く、このために、これら各レバー29a、34から手を離さずに、操作ができることで操作がらくである。更に刈取方向スイッチ34aをON操作すると、ランプが点灯する構成にすると、作業者からの視認も容易になる。
【0038】図6はミッションケース22を中心とした油圧回路図である。走行ミッション22の下部から油を吸い出す配管35aを設け、この配管35aの端部には、フィルタ36aを介して油圧ポンプ36bを接続している。この油圧ポンプ36bの下流側には、操作装置20aに設けた走行方向切換レバー34によって切換えられる切換弁37aを接続し、更にこの切換弁37aの下流には、刈取機3を昇降する伸縮シリンダ18と、電磁切換弁37bとを接続した構成である。
【0039】又、前記電磁切換弁37aの伸縮シリンダ18からの戻り配管35bは、フィルタ38aを介して油圧無段変速装置38に接続して、この配管35bと、油圧ポンプ36bとの間には、伸縮シリンダ18を作動させた場合のリリーフ作動を実行するリリーフ弁39を設けた構成である。
【0040】前記電磁切換弁37bの下手側には、ミッションケース22内の左・右サイドクラッチ40a,40bと、左・右ブレーキ40c,40dとを作動させる左・右油圧シリンダ41a,41bとを接続している。左・右サイドクラッチ40a,40bを切作動させる左右リンクアーム42a,42bに、左・右油圧シリンダ41a,41bの左・右ピストンアーム41c,41dを接続した構成である。
【0041】前記左・右油圧シリンダ41a,41bは、各々配管43aで接続し、右油圧シリンダ41bには、配管43bを接続し、その端部は配管35bと接続した構成である。更に配管43bには、リリーフ弁44を設けた構成である。前記電磁切換弁37bからの戻り配管45aは、切換弁37aからの戻り配管35bと接続しているので、この配管35bと、配管44aの油は、共に油圧無段変速装置38内へ流れる構成である。この油圧無段変速装置38内の油圧ポンプ38bは、エンジン21から伝動ベルト21a、油圧変速プーリ46a、回転軸46を介して回転する構成である。又、この回転軸46には、油圧無段変速装置38、及び周辺を冷却する送風ファン46bを設けた構成である。
【0042】前記油圧無段変速装置38には、配管45bを接続し、この配管45bの端部は、迂回伝動ケース47の上部へ接続した構成である。配管45bは、配管35bから油圧無段変速装置38内へ投入された油を、ミッションケース22内へ戻すためであり、又、配管35bから油圧無段変速装置38内へ投入された油は、この油圧無段変速装置38内の閉回路のリークした分の油を補給するためのものである。
【0043】前記エンジン21が始動すると、動力は伝動ベルト21aと、油圧変速プーリ46aを介して、回転軸46が回転し、この回転軸46の回転により、送風ファン46bが回転駆動して、油圧無段変速装置38等が冷却される。又、油圧ポンプ38bを回転させると、この油圧ポンプ38bの斜板38cが中立であると、油圧ポンプ38bの回転力は、油圧モータ48には伝達されない。又、斜板38cを正回転側へ傾斜させると、油圧モータ48は正回転し、斜板38cを逆転側へ傾斜させると、油圧モータ48は逆回転する。そして、この油圧モータ48へ伝達された動力は、迂回伝動ケース47内の伝動機構47a、ミッションケース22内の伝動機構22b内を通過して、このミッションケース22の最下端部へ軸支した左・右走行車軸49a,49bが回転駆動され、左右両側の走行クローラ11a,11aが回転駆動する構成である。
【0044】又、前記エンジン21が始動すると、油圧回路内へ油を送油する油圧ポンプ36bも作動する。すると、ミッションケース22内の油は、配管35aから吸い出されて切換弁37aへ送油される。この切換弁37aが作動しないときには、この切換弁37aの37cから配管50を経由して、電磁切換弁37bへ送油される。走行方向切換レバー34を後方へ傾動させると、切換弁37aは37d側に切り換わり、伸縮シリンダ18へ送油される。この場合は、油圧ポンプ36bと、伸縮シリンダ18との間には、油が逃げる場所がないのでリリーフ弁39が作動して、油は配管35bから油圧無段変速装置38内へ送油される。
【0045】前記走行方向切換レバー34を前方へ傾斜させると、切換弁37aは37e側へ切り換わるので、刈取機3は下降する。この場合は、伸縮シリンダ18からの戻り油は、配管35bへと流れ、又、油圧ポンプ36bから油は配管50へと流れる。そして、走行方向切換レバー34を中立位置へ戻すと、切換弁37aは37cの位置へ戻る。
【0046】前記配管50から電磁切換弁37bに流れた油は、この電磁切換弁37bが51aの位置、即ち、切り換えられていない場合は、配管45aと流れて、更に前述したように配管35bと合流する。そしてこの配管35bの油は、油圧無段変速装置38内へ入る構成である。
【0047】前記走行方向切換レバー34を左方向、又は右方向へ頃動させると、電磁切換弁37bが51c側、又は51b側に切り換わる作動するので、油は左油圧シリンダ41a、又は右油圧シリンダ41b内へと流れる。走行方向切換レバー34を左側に頃動させると、左油圧シリンダ41a内へ油が流れ、左リンクアーム42aを作動する。すると、左移動体52aの左サイドクラッチ40aが切り状態になる。この状態は、左走行車軸49aへ動力が伝達されない状態であり、コンバイン1の自動方向制御に用いる構成である。
【0048】更に左油圧シリンダ41a内へ油を送油すると、左移動体52aは移動して、左サイドクラッチ40aの他端部に設けた左ブレーキ40cが入り状態になる。この左ブレーキ40cは複数枚のディスク板からなる構成であり、左旋回する構成である。右旋回の場合は、右移動体52aが移動するが、左旋回と左右対称なので説明は省略する。
【0049】前記左油圧シリンダ41a内への送油量が多くなると、リリーフ弁44が作動するので、油は、配管43aを通過して右油圧シリンダ41b内へ送油され、更に配管43bを通って配管35bと合油する。そして、油圧無段変速装置38内へと入る構成である。
【0050】前記配管35bから油圧無段変速装置38内へ入ってきた油は、この油圧無段変速装置38内の閉回路の油のチャージを実行して、再び配管45bから外へ出ていく。この配管45bに流れた油は、迂回伝動ケース47の上部から投入される。そして、この迂回伝動ケース47内の伝動機構47aを潤滑しながら下部へ流下する構成である。
【0051】その後に、前記ミッションケース22内の上部へ流れ、再び油圧ポンプ36bにより、配管35aから吸いだされて油圧回路内を流れていく。ミッションケース22内には、常時所定量の油が溜まっているので、このミッションケース22自体がオイルタンクの役目を果している。又、オイルタンクが不用である。
【0052】前記油圧ポンプ36bの最下流側には、油圧無段変速装置38のチャージバルブ53を設けた構成であり、油圧ポンプ36bにて油圧無段変速装置38の閉回路からリークした分の油のチャージが可能な構成である。前記油圧無段変速装置38の最下流部には、図6で示す如くチャージバルブ53を設け、このチャージバルブ53の上流には、リリーフ弁44を設け、チャージ背圧により、このリリーフ弁44は常にリフトアップ状態にすべく、図6、及び図7で示す如くバルブ44aは常に上下両方向へ押される状態にスプリング44c等を設けて、(イ)側から(ロ)側へ向けて、油圧無段変速装置38には、チャージ背圧により、リリーフ弁44を常に、リフトアップ状態にする構成である。
【0053】これにより、前記リリーフ弁44のバルブ44aは常に上向きに押しつけられていることにより、リリーフ弁44の操作方向に、ガタの発生がなく、このために、走行方向切換レバー34の操作性が良好である。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−189727(P2003−189727A)
【公開日】 平成15年7月8日(2003.7.8)
【出願番号】 特願2001−397201(P2001−397201)