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【発明の名称】 コンバインの扱深搬送装置
【発明者】 【氏名】森広 忠光
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】山本 陽一郎
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】広瀬 薫
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】扱深搬送体の穂側補助搬送体を簡潔な構成で安定よく支持し、刈取部から扱深搬送体への穀稈の掻込み送りを円滑に行なえるコンバインの扱深搬送装置を提供する。

【解決手段】刈取部2で刈取られた穀稈を、上下に離間して並設した穂側搬送体30と株側搬送体31によって扱深調節をしながら脱穀部11のフィードチェン12に継送するとともに、上記穂側搬送体30の前端部側に穀稈の穂先側を該穂側搬送体30に向けて掻込み搬送する穂側補助搬送体4を設けたコンバインにおいて、前記穂側補助搬送体4の前端部側をステー5を介して株側搬送体31側の支持フレーム部材31bと連結支持している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取部2で刈取られた穀稈を、上下に離間して並設した穂側搬送体30と株側搬送体31によって扱深調節をしながら脱穀部11のフィードチェン12に継送するとともに、上記穂側搬送体30の前端部側に穀稈の穂先側を該穂側搬送体30に向けて掻込み搬送する穂側補助搬送体4を設けたコンバインにおいて、前記穂側補助搬送体4の前端部側をステー5を介して株側搬送体31側の支持フレーム部材31bと連結支持させたことを特徴とするコンバインの扱深搬送装置。
【請求項2】 穂側補助搬送体4を連結するステー5で搬送される穀稈を案内させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの扱深搬送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、扱深搬送体の穂側搬送体に穂側補助搬送体を備えたコンバインの扱深搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、刈取部で刈取られた植立穀稈を複数列の掻込搬送体で後方側に掻込み、掻込まれた穀稈を上方に配置されている穂側補助搬送体で搬送しながら、穂側搬送体と株側搬送体で構成された扱深搬送体で扱深を調節しながら脱穀部のフィードチェンに継送するコンバインに関して特開平10−313645号公報で示されるように既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報で示される構成のコンバインの扱深搬送装置は、穂側補助搬送体を穂側搬送体のタインケースの前端部に、片持ち状に支持した状態で伝動するようにしているので強度的に弱く、多条刈取型のコンバインになると穂側補助搬送体も大型化すると共に、この部位に多量な穀稈による負荷が大きくなることから、片持支持の強度を高める構造が複雑になって重量が大きくなり、更にコスト高になる等の課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係るコンバインの扱深搬送装置は、刈取部2で刈取られた穀稈を、上下に離間して並設した穂側搬送体30と株側搬送体31によって扱深調節をしながら脱穀部11のフィードチェン12に継送するとともに、上記穂側搬送体30の前端部側に穀稈の穂先側をこの穂側搬送体30に向けて掻込み搬送する穂側補助搬送体4を設けたコンバインにおいて、前記穂側補助搬送体4の前端部側をステー5を介して株側搬送体31側の支持フレーム部材31bと連結支持するように構成している。また、穂側補助搬送体4を連結支持するステー5で搬送される穀稈を案内させるようにしている。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0006】図1において1はコンバインであり、クローラ式の走行装置1aを有する機体10の前部に、多条刈取型の刈取部2を刈高さ調節可能に昇降自在に支架し、後部に脱穀部11を搭載している。
【0007】そして刈取部2から後方の脱穀部11のフィードチェン12に刈取穀稈を扱深さ調節可能に搬送する扱深搬送体3を設け、図2に示すように刈取部2の後方で扱深搬送体3の側方に操縦パネル部13とデッキ部14と、更に図示しない座席等からなる操縦部15を設置した構成にしている。
【0008】上記刈取部2の刈取部フレーム20は後述するように機体10側で支持され前方に向けて延設している縦伝動支筒21と、この縦伝動支持筒21の先端に中途部を支持した横伝動支筒22を平面視でT字枠とし、この横伝動支筒22から前方側に向けて複数の引起部伝動筒23を立設して4条分の引起体2aをその上部側から伝動可能に支持し、また、この引起体2aの下部側を横伝動支筒22から前方側に延設した分草フレーム24で連結した構成とし、この分草フレーム24の前端には分草体2bをそれぞれ設け、その基部側にレシプロ型の刈刃2cを横向きに設けている。
【0009】そして、上記縦伝動支筒21はその後端部を脱穀部11の前面で機体10側に横向きに設けた前処理伝動筒25に回動可能で伝動可能に支持し、その中途部を機体10側に設けた油圧式シリンダからなる昇降シリンダ26で連結している。そしてこの昇降シリンダ26の伸縮作動によって刈取部2を前処理伝動筒25を中心に昇降作動させて刈取り高さ調節したり、畦越えや路上での最上昇走行等を自由にできるように構成している。
【0010】また、この刈取部2は引起部伝動筒23の間において横伝動支筒22から上方に向けて掻込み伝動筒27を立設し、この掻込み伝動筒27が有するプーリー、スプロケット類によって駆動される掻込搬送体28・・(図3)で各引起体2aで引起された穀稈を掻込み誘導するとともに、下方に位置する刈刃2cで刈取られた穀稈を集合させて後方に搬送し、前記扱深搬送体3に継送するようにしている。
【0011】なお、28aは上記掻込搬送体28の下方で同軸駆動される掻込みスターホイルであり、29は掻込搬送体28で集合された穀稈を扱深搬送体3側に向けて集合して後方送りをする継送搬送体であり、この継送搬送体29は掻込搬送体28と掻込みスターホイル28a間に設けて同軸駆動させるように構成し、右方のものは扱深搬送体3の始端部下方とラップさせるように延設している。
【0012】次に、図1、図3〜図6を参照し扱深搬送体3について説明する。
【0013】この扱深搬送体3は穀稈の穂先側を係合搬送するラグ付のタインを前後の従動輪と駆動輪に巻き掛けた穂側搬送体30と、穀稈の株元側を前後の従動輪を駆動輪にかけられたチェンと挟持レールで挟持搬送する株側搬送体31を所定の平行状間隔を有して一体の枠状に連結し(図1)、両者の駆動輪30a,31aを前記前処理伝動筒25の側端部側に回動伝動可能に支持した扱深搬送軸32(図2)に設けるとともに、扱深搬送体3を図示しない上下操作機構によって前処理伝動筒25を中心に、前方側を手動或いは自動操作によって上下回動させて穀稈の扱深さ調節(把持位置の変更)を行なうように構成している。
【0014】そして両搬送体30、31の搬送始端部において下方の前記継送搬送体29で集合搬送される穀稈を、挟持する位置を変更して揚上後方送りをして、両搬送体30、31の終端部で脱穀部11の側部のフィードチェン12に継送し、その脱穀部11に穀稈を適正深さで供給して稈長に適応させて扱残し等のない脱穀を良好に行なうことができるようにしている。
【0015】そしてこの扱深搬送体3は、図3に示すように穂側搬送体30の始端部側の上方から前方に向けて、この穂側搬送体30と略同様な構成の穂側補助搬送体4を略平行状に延設し、右方の掻込搬送体28の上方に臨ませ、刈取り直後に搬送される穀稈の穂側を穂側搬送体30に先立って掻込み送りして掻込みもれ等を生ずることのない状態で穂側搬送体30に円滑に継送するようにしている。
【0016】また上記穂側補助搬送体4は図1に示すように、穂側搬送体30のラグ30b付きのタイン30cを巻き掛けている従動輪30dの従動軸30eを上方に向けて突出し、この従動軸30eに設けたスプロケット30fと穂側補助搬送体4の入力軸40のスプロケット41にチェン42を巻き掛け、この入力軸40と前方の従動軸43のスプロケットに巻き掛けたラグ45付きのタイン46を、穂側搬送体30のタイン30cと同方向に掻込回転させる伝動構造にしている。
【0017】そして穂側補助搬送体4は、上記伝動部及びタイン部を覆うと共に穂側搬送体30側と連結するフレームを兼ねるタインケース47の上方に穂側ガイド板48を搬送経路に沿って立設し、タインケース47の前方下面と穂側搬送体30の下方に位置する株側搬送体31の搬送フレーム(支持フレーム部材)31b(図5)とを、本発明の一実施形態に係る支持構造のステー5によって取付けている。
【0018】即ち、図1、図4〜図6で示すようにステー5は、側面視で略L字状に形成した杆体の上部と下部をタインケース47の下面に突設したブラケット50と上記搬送フレーム31bの先端部上の形成した取付部51とに取付ネジによって着脱可能に固定し、L字形状をしたステー5によって穂側補助搬送体4の基部側下方で突出回動する穂側搬送体30のラグ30bの旋回を妨げることなく、穂側補助搬送体4の前方側を可及的に支持して安定よく固定するように構成している。
【0019】そして側面視において、この穂側補助搬送体4の先端と株側搬送体31の先端間で形成される空間部内にステー5の杆体をL字状又は斜設した状態で位置させている。
【0020】従って、このステー5は穀稈の搬送上手側から下手側に向けて、上方から下方に傾斜状に指向するので、穀稈が穂先遅れするような状態で(以下傾倒搬送という)送られる場合や短稈の場合に、穂側補助搬送体4のラグ45に捕捉されなかったり、外れて前記空間部内に倒れようとする穀稈を、このステー5が支持して後方に案内する。
【0021】そして穂側搬送体30の前部のラグ30bの回向部で掻き上げるようになり、その結果、穀稈を引伸した姿勢で株側搬送体31に挟持させて両者で整列させながら後方送りして脱穀部11のフィードチェン12に適正姿勢で継送することになる。
【0022】また、図4、5に示すように上記穂側補助搬送体4に対向する同高さ位置には、この穂側補助搬送体4と略同様な掻込搬送方式の左方側の穂先補助搬送体6を対設しており、各掻込搬送体28の後方で各刈取条の穀稈の穂側を両側から掻込んで集合させた状態で、穂側搬送体30に円滑に継送することができるようにしている。
【0023】そして、上記穂側補助搬送体6はその終端部側を穂側搬送体30のラグ回転軌跡に近接させた状態において、前処理伝動筒25(図1)側に伝動可能に回動支持される屈折伝動筒60を、穂側搬送体30の上部に沿って斜設している穂側ガイド板35(図4)の上方を逆U字状に迂回させ、その下端部でタインケース61を支持するとともにラグ62付のタイン63を駆動するように構成している。
【0024】以上のように構成したコンバイン1は扱深搬送体3を植立穀稈の稈長に合わせた適正扱深さ位置にした状態で機体の進行に伴い、4条分の植立穀稈を分草体2bで分草し、引起体2aで引起しながら、複数列の掻込搬送体28及びスターホイル28aで掻寄せ、そして株元を刈刃2cで刈取り、そして刈取った穀稈を集合状態で後送りする。この際、扱深搬送に先立って穀稈を穂側の傾倒や遅れを防止しながら穂側補助搬送体4で掻込み送りをし、穂側搬送体30と株側搬送体31に円滑に継送する。その際、扱深搬送体3による扱深調節を行なってその終端部からフィードチェン12に継送して穀稈を伸長させた適正扱深さの脱穀作業を連続的に行なうことができる。
【0025】このとき上記穂側搬送体30の前端部側に、長く延設された穂側補助搬送体4には穀稈搬送負荷が多方向から加えられることになる。しかし、この穂側補助搬送体4は、その前端部を下方に離間して位置する株側搬送体31側の支持フレーム部材31bからステー5によって穂側搬送体30の前端部側と長いスパンを有しながら安定よく両持ち支持されているので、上記のような負荷に対しても取付部の変形等を生ずる恐れがない。
【0026】また穂側補助搬送体4は図5及び図6に示すように、この穂側補助搬送体4の下方側に位置する株側搬送体31の支持フレーム部材31bからステー5を延設して支持するようにしているので簡潔で軽量の支持構造にすることができる。
【0027】また扱深搬送体3は、前処理伝動筒25を中心に前方を上下昇降させて穀稈を扱深さを調節しながら搬送するとき、ステー5は穂側補助搬送体4の下で傾倒しようとする穀稈を既述のように規制案内するガイド部材の役目もするので、刈取部2側から穂側搬送体30に向けて穀稈を円滑に掻込み送りすることができる等の特徴がある。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のコンバインの扱深搬送装置によれば、刈取部2で刈取られた穀稈を、上下に離間して並設した穂側搬送体30と株側搬送体31によって扱深調節をしながら脱穀部11のフィードチェン12に継送するとともに、上記穂側搬送体30の前端部側に穀稈の穂先側を該穂側搬送体30に向けて掻込み搬送する穂側補助搬送体4を設けたコンバインにおいて、前記穂側補助搬送体4の前端部側をステー5を介して株側搬送体31側の支持フレーム部材31bと連結支持するように構成している。
【0029】従って、穂側補助搬送体4は、穂側搬送体30とステー5とによって両持ち状に安定よく支持されているので、穀稈搬送時の負荷に対して剛性を有しており、取付部等の変形を防止することができるとともに、穀稈の搬送を円滑に行なうことができる。
【0030】また穂側補助搬送体4と支持フレーム部材31bを連結するステー5で搬送される穀稈を案内させるようにしたことにより、穂側補助搬送体4を下方から支持するステー5は穀稈のガイド杆を兼ねるので、刈取部2から扱深搬送体3に移送される穀稈の傾倒を防止した扱深搬送を行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成13年12月28日(2001.12.28)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開2003−189726(P2003−189726A)
【公開日】 平成15年7月8日(2003.7.8)
【出願番号】 特願2001−400187(P2001−400187)