| 【発明の名称】 |
係止爪 |
| 【発明者】 |
【氏名】河瀬 宗之 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】片山 靖彦 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】緒方 洪 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
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| 【要約】 |
【課題】茎稈搬送用の樹脂製係止爪を、変形しても変形が爪長手方向での広範囲にわたって分散して生じやすい状態に得る。
【解決手段】略U字状断面の開放側とは反対側に位置して爪長手方向に沿う一側縁で構成される係止作用部42と、その両側に位置して爪移動方向に沿う側面で構成されるスカート部43とを備えてある。係止作用部42の裏面42aをほぼ平坦面にしてある。スカート部43を、係止作用部42から突出する長さが爪先端側に至るほど短くなる先細り形状にしてある。スカート部43の端縁43aの爪中間部4Bにおける部位に、係止作用部42の方に凹入する凹入湾曲部48を備えてある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 断面形状略U字状で、その略U字状断面の開放側とは反対側に位置して爪長手方向に沿う一側縁で構成される係止作用部と、その両側に位置して爪移動方向に沿う側面で構成されるスカート部とを備えた合成樹脂材で構成し、爪長手方向での一端側を爪取付部とし、他端側を爪先端側とし、爪取付部に取付けられた無端回動チェーンによって一方向に移送されて前記係止作用部によって茎稈を引起し又は搬送する係止爪であって、前記係止作用部の裏面を平坦面又はほぼ平坦面にし、前記一対のスカート部それぞれを、スカート部の前記係止作用部から突出する長さが爪先端側に至るほど短くなる先細り形状にし、前記一対のスカート部それぞれの前記係止作用部から突出する方向での端縁の爪中間部における部位に、係止作用部の方に凹入する凹入湾曲部を備えてある係止爪。 【請求項2】 前記係止作用部を、爪移動方向に沿う方向視で、前記爪取付部から爪先端側に至るほど横幅が狭くなる先細り形状にしてある請求項1記載の係止爪。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、断面形状略U字状で、その略U字状断面の開放側とは反対側に位置して爪長手方向に沿う一側縁で構成される係止作用部と、その両側に位置して爪移動方向に沿う側面で構成されるスカート部とを備えた合成樹脂材で構成し、爪長手方向での一端側を爪取付部とし、他端側を爪先端側とし、爪取付け部に取付けられた無端回動チェーンによって一方向に移送されて前記係止作用部によって茎稈を引起し又は搬送する係止爪に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の係止爪は、合成樹脂で作成される。そして、この係止爪を採用した農作業機では、作業に伴って、係止爪が、多量の茎稈の搬送途中での停滞や詰まり発生などに起因する大きな移動抵抗を受けたり、係止爪が土中に突入して大きな移動抵抗を受ける虞を完全に排除することは困難である。このため、たとえば特開2000−245231号公報において図9で示される係止爪の如く、係止作用部の裏面側に突出するとともに一対のスカート部どうしを連結する補強リブを用いるなどして係止爪全体の保形強度を高めても、移動抵抗に対する爪の変形を抑制することを意図するだけのものであると、次のような問題が生じていた。つまり、係止爪が全体的な保形強度を高められたものになると、変形し難い爪を変形させようとする作用力は、係止爪の爪取付部近くに集中的に作用する傾向がある。そして、係止爪の根元部は回動チェーンに対する取付強度を確保するために移動抵抗の作用方向では簡単に曲がり難い構成となっている。このため、上記特開2000−245231号公報に図8(イ)で示される実験結果の如く、極限まで抵抗していた係止爪は、限界を越えると座屈して根元部近くが大きく変形または損壊する傾向がある。そして、係止爪の根元近くは、回動チェーンを覆うカバー体の案内部による案内作用を受けながら移動し、所定位置に達するとカバー体内に引き込まれるように構成されるものが多いので、上述のような大きな変形あるいは損壊が係止爪の根元近く、つまり、回動チェーンに連結される爪取付部の近くで生じると、その変形部が、係止爪の移動に伴ってカバー体の案内部分を拡開変形させたり、爪以外のカバー体や他部材と強く接触して食い込みを生じるなど、爪のさらなる損傷に伴って他部材も損傷させる可能性がある。 【0003】従来、このトラブルの回避を図るように改良された係止爪として、上記した特開2000−245231号公報に図3、図5などで示されるものがあった。すなわち、係止爪の無端回動チェーンに連結される爪取付部の付近で係止作用部の裏面側に突出するとともに一対のスカート部を連結する補強リブを採用するなどにより、爪取付部の付近での一対のスカート部における互いに離反する方向への保形強度よりも、爪長手方向での中間部でのスカート部における互いに離反する方向への保形強度を小にしたものがあった。つまり、上記特開2000−245231号公報の図8(ロ)に実験結果が示される如く、爪取付部の付近で座屈などの変形をする前に、爪長手方向での中間部でスカート部を拡げて曲がり易い傾向になり、変形しても、カバー体の案内部分を変形させるなどの事態が発生しにくいものがあった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記した従来の改良型の係止爪にあっては、係止爪の変形が爪長手方向での中間部に集中して発生し、上記カバー体に強く擦れながらカバー体内に引き込まれて騒音が出るとかカバー体が摩滅するトラブルが依然として発生しやすくなっていた。 【0005】本発明の目的は、上記カバー体が採用される場合でも、係止爪に変形が発生しても上記したトラブルを極めて回避しやすい係止爪を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0007】〔構成〕断面形状略U字状で、その略U字状断面の開放側とは反対側に位置して爪長手方向に沿う一側縁で構成される係止作用部と、その両側に位置して爪移動方向に沿う側面で構成されるスカート部とを備えた合成樹脂材で構成し、爪長手方向での一端側を爪取付部とし、他端側を爪先端側とし、爪取付部に取付けられた無端回動チェーンによって一方向に移送されて前記係止作用部によって茎稈を引起し又は搬送する係止爪において、前記係止作用部の裏面を平坦面又はほぼ平坦面にし、前記一対のスカート部それぞれを、スカート部の前記係止作用部から突出する長さが爪先端側に至るほど短くなる先細り形状にし、前記一対のスカート部それぞれの前記係止作用部から突出する方向での端縁の爪中間部における部位に、係止作用部の方に凹入する凹入湾曲部を備えてある。 【0008】〔作用〕係止作用部の裏面を平坦面又はほぼ平坦面にし、一対のスカート部それぞれを、スカート部の係止作用部から突出する長さが爪先端側に至るほど短くなる先細り形状にし、一対のスカート部の爪中間部における部位に凹入湾曲部を備えてあるものだから、爪取付部の付近で座屈などの変形をする前に凹入湾曲部が位置する爪中間部で変形する傾向になる。さらに、一対のスカート部が互いに離れ合うように外側に膨出する状態に変形するだけではなく、爪全体が爪先端側ほど移動方向上手側に位置する湾曲状態に変形し、さらに、これらの変形が爪中間部位に集中するのではなく、爪先端側から爪取付部までの範囲のほぼ全体にわたって分散する傾向になる。これにより、係止爪が変形した際の係止爪全体としての外側への膨らみの大きさは、爪中間部に集中して変形していた従来のものの膨らみの大きさよりも小になり、カバー体に引き込まれるものの場合でも、カバー体に擦れにくいとか、擦れても従来ほど強くは擦れないでカバー体内に入っていく状態に変形する。 【0009】〔効果〕従って、上記チェーンカバー体が使用される場合でも、係止爪に変形が発生しても、カバー体に食い込んだり擦れないとか擦れても強くは擦れにくくて、カバーを破損しないようにしながら、かつ、騒音が出にくいように静かに駆動できる。 【0010】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。 【0011】〔構成〕請求項1による発明の構成において、前記係止作用部を、爪移動方向に沿う方向視で、前記爪取付部から爪先端側に至るほど横幅が狭くなる先細り形状にしてある。 【0012】〔作用〕係止作用部を前記先細り形状にしてあるものだから、爪全体が爪先端側から爪取付部に至るまでの範囲の全体にわたって前記湾曲状態に変形する傾向になり、係止爪が変形した際の係止爪全体としての外側への膨らみの大きさがより抑制される。 【0013】〔効果〕従って、係止爪に変形が発生しても、カバー体に対してより擦れにくくて、カバーの破損や騒音の発生をより容易に回避しながら駆動できる。 【0014】 【発明の実施の形態】図1及び図2に示すように、チェーンカバー体としての引起しケース1の内部に位置する複数のチェーンスプロケット21,22にわたり、係止爪4が長手方向での複数箇所に起伏揺動自在に付いている無端回動チェーン3を巻回するとともに、前記複数のチェーンスプロケット21,22の一つのチェーンスプロケット22にテンションスプリングを作用させて無端回動チェーン3に所定の駆動用張力を付与するように構成して、コンバイン用の引起し装置を構成してある。 【0015】この引起し装置は、前記チェーンスプロケット22を駆動して無端回動チェーン3を回動方向Fに回動するように駆動し、このように駆動される無端回動チェーン3によって引起しケース1の一側方の引起し経路を一方向(無端回動チェーン3の回動方向F)に移送される前記係止爪4により、植立穀稈を梳き揚げ作用することによって引起し処理するものであり、詳しくは、次の如く構成してある。 【0016】引起しケース1は、上側ケース部分11と下側ケース部分12とを外周フランジ部13で面当たりさせた状態でボルト止めするとともに、その外周部のうちの下部と、一側方とに爪起立突出用の開口15を形成してある。この開口15は、上側ケース部分11と下側ケース部分12の外周縁の一部を外向きに折り曲げ加工して、係止爪4の起立移動姿勢を案内するように形成された案内部14によって構成してある。引起しケース1の内部の前記開口15に沿う部分には、無端回動チェーン3によって一方向Fへ移送される係止爪4の被ガイド部41の底部に当接し、かつ無端回動チェーン3を案内する凹溝状のガイド部を備えたガイド体16が固定されている。したがって、各係止爪4は、図1に示す爪先端軌跡40を描いて移動するように、前記ガイド体16で案内される作用範囲で起立姿勢で移動し、そこから外れた非作用範囲では引起しケース1の内部に引き込まれて移動する。尚、係止爪4を起伏させるための構造としては、周知の起伏構造を用いればよい。例えば、下方の従動側のスプロケット21の横側面に起立案内用の回転カム23を設置して起立させ、作用範囲の終端で倒伏ガイド24に当接して倒伏姿勢に切り換えられるように構成する。 【0017】前記各係止爪4は、図3〜図6に示す如く構成してある。すなわち、係止爪4は、ある程度の弾性を有したナイロンなどの合成樹脂の素材を断面形状略U字状に成型することによって作成してあり、その略U字状断面の開放側とは反対側に位置して爪長手方向に沿う一側縁で構成されている係止作用部42と、この係止作用部42の両側に位置して爪移動方向に沿う側面で構成される左右のスカート部43と、係止爪4の長手方向での一端側に位置している爪取付部4Aとによって構成してある。 【0018】爪取付部4Aは、係止作用部42と一方のスカート部43の一端側に連結しているとともに前記被ガイド部41やピン孔50を備えている取付部51と、係止作用部42と他方のスカート部43の一端側に連結しているとともに前記被ガイド部41やピン孔50を備えている取付部51とで構成してあり、両取付部51の間に入り込ませた無端回動チェーン3の爪支持片30と、両取付部51とにわたって1本の連結ピン31を装着することにより、係止爪4を無端回動チェーン3に対して連結ピン31の爪移動方向に直交する向きの軸芯Pまわりで起伏揺動するように、かつ、無端回動チェーン3によって前記移動方向Fに移送されるように連結する。 【0019】係止爪4の前記ピン孔50の中心としての前記揺動軸芯Pから先端までの長さを基準長さLとし、前記ピン孔中心Pから爪先端側に基準長さLの約1/4の長さを離れた基端側境界位置Bと、前記ピン孔中心Pから爪先端側に基準長さLの約3/4の長さを離れた先端側境界位置Sとの間の範囲を係止爪4の中間部4Bとし、前記基端側境界位置Bから係止爪4の基端までの範囲を前記爪取付部4Aとし、前記先端側境界位置Sから爪先端までの範囲を爪先端部4Cとしてある。 【0020】係止作用部42の爪移動方向に沿う方向での幅を横幅とし、係止作用部42は、爪移動方向に沿う方向視で、爪取付部4Aから爪先端側に至るほど横幅が狭くなる先細り形状を備えるように形成してある。さらに、係止作用部42の裏面42aが爪先端部4Cの範囲でやや凹入47している以外は、リブなどを有しない平坦であるところのほぼ平坦面になるように形成してある。 【0021】一対のスカート部43それぞれは、爪移動方向に直行する方向視で、スカート部43の係止作用部42から突出する長さが爪先端側に至るほど短くなる先細り形状になるように形成してある。さらに、一対のスカート部43それぞれの係止作用部43から突出する方向での端縁43aの爪中間部4Bの範囲に位置する部位に、係止作用部43の方に若干の深さで凹入して係止爪4が爪取付部4Aの付近で変形する前に爪中間部4Bで変形する傾向を出やすくする凹入湾曲部48が存在するように形成してある。さらに、一対のスカート部43それぞれの肉厚43tがスカート部43の全体にわたって一定の厚さになるように形成してある。 【0022】一対のスカート部43それぞの内面側に、スカート部43の肉厚43tを少し増すための補強厚肉部45を備えてある。この補強厚肉部45は、爪中間部4Bにおける爪取付部側でのほぼ半分の範囲と、爪取付部4Aの範囲とにわたって設けてある。 【0023】この実施の形態では、係止爪4の各部の具体的な大きさの一例として、前記基準長さLを128mmとし、各スカート部43の肉厚43tを約4.5mmとし、係止作用部42に肉厚42tを約8mmとし、補強厚肉部45の肉厚を約2mmとしてある。 【0024】従って、係止爪4は、被ガイド部41に作用する前記ガイド体16によるガイドのために無体回動チェーン3に対して起立した姿勢になって爪中間部4B及び爪先端部4Cが引起しケース1から引起し経路に突出した状態で、無端回動チェーン3によって引起しケース1の上端側に向けて引っ張り移送され、係止作用部42によって植立穀稈を梳き揚げて引起こしていく。そして、無端回動チェーン3が引起しケース内上側のチェーンスプロケット21,22に沿って引起し経路と反対側に移動していくに伴い、引起しケース1の内側に引き込まれていく。このとき、爪先端側が前記倒伏ガイド24に当接して無端回動チェーン3に対して倒伏した姿勢になる。 【0025】〔別実施形態〕係止作用部42としては、上記実施形態の如く裏面42aがほぼ平坦面であるものの他、裏面42aが凹入部もない完全な平坦面であるものを採用して実施してもよい。この場合も、変形が係止作用部42の全長にわたって分散しやすくなるのであり、本発明の目的を達成できる。 【0026】本発明の係止爪は、コンバイン用の引起し装置の他、分草装置、あるいは、引起し装置から脱穀フィードチェーンに穀稈を係止搬送したり、脱穀排ワラを細断や結束処理する各種の装置に係止搬送する搬送系に用いる係止搬送装置として用いることができるものである。また、コンバインの他、バインダーなど、各種の作物収穫機にも適用することが可能である。また、搬送対象を穀稈以外の各種の茎稈とする係止搬送装置として用いることもできるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ 【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
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| 【出願日】 |
平成13年12月25日(2001.12.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2003−189725(P2003−189725A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月8日(2003.7.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−391242(P2001−391242) |
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