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【発明の名称】 汎用コンバインのラグ付き搬送装置
【発明者】 【氏名】大原 一志
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】石川 道男
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】山本 次郎
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】従来型の汎用コンバインは、ラグベルトの終端部から掻込みオ−ガに達するまでの経路で、茎稈が停滞して詰まったり、横倒しになって地面に落下してヘッドロス等の原因になる課題があった。

【解決手段】本発明は、上記課題を解決するため、刈取装置1を設けたテ−ブル2の後部上方に、掻込みオ−ガ4を横向きに設けて、この掻込みオ−ガ4の搬送螺旋5に係止した茎稈を一側に搬送して、脱穀装置6に連通するエレベ−タ7の搬送始端部に供給する構成とした。掻込みラグベルト8、8’は、刈取装置1の上方を経由して前方低位置まで延長して設けており、その搬送終端部のコ−ナ部分において、前記エレベ−タ7側に向かって回動するラグベルト8の搬送ラグ9が、案内ガイド10に沿って突出した状態で茎稈を搬送する構成とした汎用コンバインのラグ付き搬送装置としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前部低位置に、刈取装置1を設けたテ−ブル2上の後部上方に、横軸3によって軸装した掻込みオ−ガ4を設け、該掻込みオ−ガ4は、搬送螺旋5に係止した茎稈を一側に搬送して、脱穀装置6へ搬送するエレベ−タ7の搬送始端部に供給する構成とし、左右一対の掻込みラグベルト8、8’は、前記掻込みオ−ガ4の前方位置から前記刈取装置1の上方を経由して前方低位置まで延長して設け、該掻込みラグベルト8、8’は、搬送終端部のコ−ナ部分において、前記エレベ−タ7側に向かって回動するラグベルト8の搬送ラグ9が、案内ガイド10に沿って突出した状態で茎稈を搬送する構成とした汎用コンバインのラグ付き搬送装置。
【請求項2】 左右一対の掻込みラグベルト8、8’は、背面視において、左右から対向する搬送ラグ9、9’がハの字型を形成する傾斜角度に配置して設け、該搬送ラグ9、9’が、掻込みラグベルト8、8’の搬送始端部で、圃場の茎稈に対してピックアップ機能を発揮できる構成とした請求項1記載の汎用コンバインのラグ付き搬送装置。
【請求項3】 掻込みラグベルト8、8’は、背面視において、左右の搬送ラグ9、9’が上下に段差を保って対向する構成とし、且つ、平面視において、左右の搬送ラグ9、9’の少なくとも先端部分の搬送経路が重合する構成とした請求項1記載の汎用コンバインのラグ付き搬送装置。
【請求項4】 掻込みラグベルト8、8’は、上部位置とその下部位置との2段に配置して設け、該ラグベルト8、8’の上部側の搬送終端部を、下部側の搬送終端部より掻込みオ−ガ4に接近した位置まで延長して構成した請求項1記載の汎用コンバインのラグ付き搬送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汎用コンバインのラグ付き搬送装置に関し、農業機械の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来から汎用コンバインは、稲、麦に限らず大豆、そば等の穀類の刈取、脱穀作業ができるように構成されており、脱穀装置は全稈投入式を搭載している。そして、刈取前処理装置は、稲、麦の収穫作業では、前部の上方位置に掻込みリ−ルが軸架され、その下方位置に刈取装置が設けられ、その後方位置に、前記刈取装置の刈幅と略同等の幅を有する掻込みオ−ガが横軸に支持して設けられ、該掻込みオ−ガの一側後部に搬送コンベヤからなるエレベ−タが装備されていた。
【0003】又、大豆、そば等の丈の低い茎稈を収穫する汎用コンバインにあっては、刈取前処理装置は、掻込みリ−ルを外して、刈取装置の前方低位置から上方にかけて左右一対のラグベルトを設けて比較的丈の低い茎稈を両側から係止して、挟持状態にしながら搬送して刈取、収穫する構成になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来型において、そばや豆類を収穫する汎用コンバインの刈取前処理装置は、前方低位置から刈取装置の上方を経て後方まで延長した左右一対の掻込みラグベルトを設けて構成している。そして、圃場の茎稈は、分草作用を受けた後、左右一対のラグベルトで挟まれながら後方に搬送される過程で株元が刈取装置で刈り取られ、後方のテ−ブル上に達して掻込みオ−ガに供給される。このような一連の工程において、刈取茎稈は、左右の掻込みラグベルトの終端部から離れると、後方の掻込みオ−ガ側に向かってハ字状に開いたガイドに支えられた状態で立ち、搬送力を受けずに停滞している。この従来型の場合、刈取茎稈は、直立状態のまま掻込みオ−ガの搬送螺旋に届くまて立った状態で停滞し、後続の茎稈に押されて掻込みオ−ガ側に倒れ込むのが普通であった。
【0005】したがって、このような従来型の汎用コンバインは、ラグベルトの終端部から掻込みオ−ガに達するまでの間、茎稈が停滞して詰まったり、横倒しになって前側から地面に落下してヘッドロス等の原因になる課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講ずるものである。まず、請求項1の発明は、前部低位置に、刈取装置1を設けたテ−ブル2上の後部上方に、横軸3によって軸装した掻込みオ−ガ4を設け、該掻込みオ−ガ4は、搬送螺旋5に係止した茎稈を一側に搬送して、脱穀装置6へ搬送するエレベ−タ7の搬送始端部に供給する構成とし、左右一対の掻込みラグベルト8、8’は、前記掻込みオ−ガ4の前方位置から前記刈取装置1の上方を経由して前方低位置まで延長して設け、該掻込みラグベルト8、8’は、搬送終端部のコ−ナ部分において、前記エレベ−タ7側に向かって回動するラグベルト8の搬送ラグ9が、案内ガイド10に沿って突出した状態で茎稈を搬送する構成とした汎用コンバインのラグ付き搬送装置であるから、掻込みラグベルトの終端部分に達した刈取茎稈は、エレベ−タ側に誘導する案内ガイドと搬送終端部のコ−ナ部分においてエレベ−タ側に向かって回動を続けている搬送ラグとの共同作用によりエレベ−タ方向に送られる。そのため、刈取茎稈は、従来型のように掻込みラグベルトから離れると、立ち姿で停滞することがなくなり、エレベ−タに近ずきながら掻込みオ−ガに受け継がれることになる。
【0007】つぎに、請求項2の発明は、左右一対の掻込みラグベルト8、8’は、背面視において、左右から対向する搬送ラグ9、9’がハの字型を形成する傾斜角度に配置して設け、該搬送ラグ9、9’が、掻込みラグベルト8、8’の搬送始端部で、圃場の茎稈に対してピックアップ機能を発揮できる構成とした請求項1記載の汎用コンバインのラグ付き搬送装置であるから、搬送ラグは、掻込みラグベルトの搬送始端部を回動するとき、外側の低い位置から内側に向かって順次高くなる軌跡を描きながら移動して圃場にある刈取後の茎稈を掬い上げるように作用することができる。
【0008】つぎに、請求項3の発明は、掻込みラグベルト8、8’は、背面視において、左右の搬送ラグ9、9’が上下に段差を保って対向する構成とし、且つ、平面視において、左右の搬送ラグ9、9’の少なくとも先端部分の搬送経路が重合する構成とした請求項1記載の汎用コンバインのラグ付き搬送装置であるから、茎稈は、左右の搬送ラグによって上下二個所を保持された状態で搬送される。そのため、茎稈は、特に、刈取後において安定した状態に保持されながら搬送される特徴があり、搬送途中で抜け落ち等のロスを未然に防止できるものとなった。
【0009】つぎに、請求項4の発明は、掻込みラグベルト8、8’は、上部位置とその下部位置との2段に配置して設け、該ラグベルト8、8’の上部側の搬送終端部を、下部側の搬送終端部より掻込みオ−ガ4に接近した位置まで延長して構成した請求項1記載の汎用コンバインのラグ付き搬送装置であるから、茎稈は、搬送ラグによって上部と下部との二か所が係止され、しかも、左右一対のラグベルトによって安定よく保持されながら搬送される。そして、刈取茎稈は、掻込みラグベルトの終端部分に達すると、株元側より上部側が後方のオ−ガ側に押し倒されるように搬送力を受け、掻込みオ−ガに倒れ込みながら受け継がれる。
【0010】
【発明の効果】本発明は、以上のような構成、作用を有するものであって、まず、請求項1の発明は、掻込みラグベルトの終端部分に達した刈取茎稈は、エレベ−タ側に誘導する案内ガイドと搬送終端部のコ−ナ部分においてエレベ−タ側に向かって回動を続けている搬送ラグとの共同作用によりエレベ−タ方向に送られる。そのため、刈取茎稈は、従来型のように掻込みラグベルトから離れると、立ち姿で停滞することがなくなり、エレベ−タに近ずきながら掻込みオ−ガに受け継がれることになる。したがって、請求項1の発明は、掻込みラグベルトの終端部分から掻込みオ−ガに達するまでの停滞や詰まりがほとんどなくなった。そのため、ヘッドロスをなくし、円滑な搬送、受け継ぎができ少しでもエレベ−タに近ずいた部位て行われ、オ−ガの負担を軽くできる特徴もある。
【0011】そして、請求項2の発明は、搬送ラグは、掻込みラグベルトの搬送始端部(コ−ナ−部)を回動するとき、外側の低い位置から内側に向かって順次高くなる軌跡を描きながら移動するから、圃場にある刈取後の茎稈を掬い上げるように作用、いわゆる、ピックアップ機能を発揮できる特徴がある。
【0012】そして、請求項3の発明は、茎稈は、左右の搬送ラグによって上下二個所を保持された状態で搬送される。そのため、茎稈は、特に、刈取後において安定した状態に保持されながら搬送される特徴があり、搬送途中で抜け落ち等のロスを未然に防止できる効果がある。
【0013】そして、請求項4の発明は、茎稈は、搬送ラグによって上部と下部との二か所が係止され、しかも、左右一対のラグベルトによって安定よく保持されながら搬送される。そして、刈取茎稈は、掻込みラグベルトの終端部分に達すると、株元側より上部側が後方のオ−ガ側に押し倒されるように大きな搬送力を受け、掻込みオ−ガ側に倒れ込みながら適確に受け継がれる効果がある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。まず、汎用コンバイン11は、図7に示すように、クロ−ラ12を有する車体13上に脱穀装置6を搭載し、その前側には刈取前処理装置14を上下昇降自由に取り付けて構成している。そして、脱穀装置6は、扱胴15を軸装した扱室16を上側に設け、圧風唐箕や揺動選別棚を有する選別室17を下側に配置して構成している。そして、脱穀装置6は、従来から公知のように、稲、麦に限らず大豆、そば等の穀類の脱穀・選別作業ができるように構成され、扱室16の前側にある供給口に全稈を投入する構成となっている。
【0015】そして、扱室16を構成する受網18は、図8、乃至図10に示すように、棒芯を脱穀処理物の流れの方向に沿わせた処理棒19を選別間隔ごとに配列して受枠20に枠組みして構成している。そして、受網18は、図9の拡大図に示す実施例の場合、受枠20より処理棒19を扱胴15側(図8参照)に突出した状態に組み付けて構成している。
【0016】したがって、受網18は、脱穀処理作業中に、脱穀処理物を排塵方向(図10の右側方向)への流れが円滑となり、流れの工程で穀粒が途中の受枠20にひっかかったり、衝突することがほとんどないから粒の表面が損傷されることがなくなった。
【0017】更に、受網18は、実施例の場合、図8に示すように、下部位置の選別間隔Aより上部位置の選別間隔Bを狭く(A>Bの関係)構成している。従来、この種の受網は、全面において処理棒間の選別間隔が等間隔に配置して構成されていたから、作物条件によっては、選別不良が発生したり、ロスが多くなる課題があったが、本案の実施例の場合、上述(図8参照)のように構成しており、豆類の脱穀時における裂莢位置(上部位置の選別間隔B)を狭くし、下部位置(選別間隔A)を広くして漏下を促進している。このように、実施例の受網18は、上部の裂莢位置で極端に扱室16から外に飛び出すのではなく、持ち回られて下側で漏下するようにしているから、事後の選別が良好に行われる。しかも、実施例の受網18は、下側において粒状物を適確に、能率よく漏下させ排塵側へ流入を少なくしてロスを減らすことができる利点がある。
【0018】つぎに、グレンタンク21は、図7に示すように、上記脱穀装置6に併設し、脱穀選別後の穀物を脱穀装置6の一番移送螺旋からバケット式揚穀装置22によって揚穀して供給し貯留する構成としている。そして、排出オ−ガ23は、基部をグレンタンク21に装備している揚穀装置に接続して設け、グレンタンク21が満杯に達すると、内部に貯留している穀物を機外に搬出して、例えばグレンバックに取り出す構成としている。
【0019】つぎに、刈取前処理装置14は、図1、乃至図6に示すように、基本部材(機枠)となるテ−ブル2に、前部の接地位置に設けた分草杆25と、左右一対の掻込みラグベルト8、8’と、低位置の刈取装置1と、刈幅と同等の長さの横向きの掻込みオ−ガ4と、一側のエレベ−タ7とを装備した構成としている。
【0020】そこで、まず、左右一対の掻込みラグベルト8、8’は、図1に示すように、ベルトに所定間隔ごとに搬送ラグ9、9’を装着し、左右から各搬送ラグ9、9’を互いに内側に向けて対向させて配置し、茎稈を係止して搬送可能に巻回しているが、その配置において図面から解るように、各搬送ラグ9、9’に搬送方向(後方)に対して後退角を持たせて構成している。そして、左右一対の掻込みラグベルト8、8’は、図3に示すように、搬送終端部側を、下部をテ−ブル2に固着した支持筒26の上部に軸架している駆動プ−リ27に巻回し、搬送始端部側を、支持ア−ム28の先端部に軸架した遊動プ−リ29に巻回して構成している。そして、左右一対の掻込みラグベルト8、8’は、図3、及び図7に示すように、搬送始端部側を地表近くまで低くし、搬送終端部側を高くして側面傾斜状に構成している。
【0021】そして、分草杆25は、前記支持ア−ム28の前部に支持して上記左右一対の掻込みラグベルト8、8’の前方で搬送始端部の外側に配置し、圃場の茎稈を分草して始端部に誘導する構成としている。そして、刈取装置1は、図1、及び図3に示すように、前記テ−ブル2の前部に沿わせて横向きに取付け、複数条の茎稈を刈取りできる刈幅に構成している。そして、刈取装置1は、図1、及び図3に示すように、前記掻込みラグベルト8、8’の下方で、その搬送終端部分より前側に位置する部位に配置して設け、この掻込みラグベルト8、8’で挟持状態にして搬送する茎稈の株元を刈り取る構成としている。
【0022】そして、掻込みオ−ガ4は、図1、及び図3に示すように、テ−ブル2の後部上方に横軸3によって軸装しており、その図に示すように、外周には搬送螺旋5を巻き付けた状態に取り付け、前側から茎稈を掻き込みながら側方へ搬送し、エレベ−タ7側に達すると、掻込みクランクフィンガ−30により後側のエレベ−タ7に供給する構成としている。
【0023】そして、前記掻込みラグベルト8、8’は、図1に示すように、搬送終端部のコ−ナ部分において、前記エレベ−タ7側に向かって回動する一方側のラグベルト8の搬送ラグ9を、案内ガイド10に沿わせて掻込みオ−ガ4側に突出した状態で移動する構成とした。この実施例の案内ガイド10は、図1で解るように、掻込みオ−ガ4の前方位置でそのオ−ガとほぼ平行な間隔を保ってエレベ−タ7側に向けて延長した配置、構成としている。
【0024】そして、左右一対の掻込みラグベルト8、8’は、図2、及び図3に示す実施例の場合、背面視(図2参照)において、左右から対向する搬送ラグ9、9’がハの字型を形成する傾斜角度に配置した構成としている。そして、搬送ラグ9、9’は、掻込みラグベルト8、8’の搬送始端部(前記遊動プ−リ29の周囲)において、左右外側から内側に向かって回動する工程で上向きの軌跡を描いて回動し、圃場の茎稈に対してピックアップ機能を発揮できる構成となっている。この実施例の場合は、刈取られて圃場に置かれている茎稈に対してピックアップ作用を行なうのである。
【0025】そして、掻込みラグベルト8、8’は、図4、及び図5に示す実施例の場合、背面視(図5参照)において、左右の搬送ラグ9、9’が上下に段差を保って対向するように上下に差をつけて配置した構成としている。そして、ラグベルト8、8’は、図面から解るように、平面視(図4参照)において、左右の搬送ラグ9、9’の先端部分が同じ搬送経路を通過するように重合した構成としている。
【0026】そして、掻込みラグベルト8、8’は、図6に示す実施例の構成では、上部位置のベルト8a、8’aとその下部位置のベルト8b、8’bとの上下2段にベルトを配置した構成にしている。そして、ラグベルト8、8’は、図6に示すように、上部側のベルト8a、8’aの搬送終端部を、下部側のベルト8b、8’bと搬送終端部より掻込みオ−ガ4に接近した位置まで延長した構成としている。言い換えると、実施例の場合、上部側のベルト8a、8’aの搬送終端部を、図6に仮に設定した掻込みオ−ガ4を縦断した基準線(P−P)に対して、下部側のベルト8b、8’bの搬送終端部より接近させた位置にある構成にしている。
【0027】そして、エレベ−タ7は、始端部を上述のとおり、掻込みオ−ガ4に臨ませて設け、終端部を後部上方の脱穀装置6に連結して扱室16の供給部に接続して設け、茎稈の全部を投入する構成にしている。つぎに実施例の作用について説明する。
【0028】まず、汎用コンバイン11は、エンジンを始動して機体の回転各部を駆動しながら車体13を前進させて作業を開始する。すると、汎用コンバイン11は、大豆の圃場を走行しながら前部低位置にある分草杆25が、成熟している大豆の茎稈を分草しながら誘導してラグベルト8、8’の搬送始端部に送り、搬送ラグ9、9’が順次係止して後部上方に向けて搬送を開始する。このように、茎稈は、左右一対の掻込みラグベルト8、8’の搬送ラグ9、9’に係止された状態で搬送されながら、車体13の走行作用も関連して上方に搬送され、株元が刈取装置1に達して刈り取られる。そして、刈取茎稈は、株元がテ−ブル2上に載り、上部が搬送終端部のコ−ナに沿って回動する搬送ラグ9に係止されてエレベ−タ7側へ搬送される。
【0029】このとき、刈取茎稈は、図1に示すように、案内ガイド10によってエレベ−タ7側に案内され、搬送ラグ9によって回転方向に巻き込まれることはなく、搬送下手側(エレベ−タ7側)へ順次送られ、その過程で掻込みオ−ガ4に受け継がれる。そして、刈取茎稈は、掻込螺旋33の作用を受けながら送られてエレベ−タ7の始端部に達し、掻込みクランクフィンガ−30によりエレベ−タ7に供給される。そして、茎稈は、エレベ−タ7の搬送作用によって上方の脱穀装置6の扱室16まで送られて全稈が供給され、脱穀処理される。
【0030】以上のような一連の刈取脱穀作業中において、既に述べたように、茎稈は、掻込みラグベルト8、8’の終端部分に達すると、エレベ−タ7側に誘導する案内ガイド10と、搬送終端部のコ−ナ部分においてエレベ−タ側に向かって回動を続けている搬送ラグ9との共同作用によりエレベ−タ7方向に送られる。そのため、刈取茎稈は、従来型のように掻込みラグベルト8、8’から離れると、立ち姿で停滞することがなくなり、エレベ−タ7に近ずきながら掻込みオ−ガ4に受け継がれることになる。したがって、実施例の刈取前処理装置14は、掻込みラグベルト8、8’の終端部分から掻込みオ−ガに達するまでの停滞や詰まりがほとんどなくなり、従来からの課題、ヘッドロスをなくし、円滑な搬送、受け継ぎができ少しでもエレベ−タ7に近ずいた部位て受け継がれ、オ−ガの負担を軽くできる特徴もある。
【0031】そして、搬送ラグ9、9’は、図2、及び図3の実施例では、掻込みラグベルト8、8’が搬送始端部(遊動プ−リ29の前側)を回動するとき、外側の低い位置から内側に向かって順次高くなる軌跡を描きながら移動するから、圃場にある刈取後の茎稈を掬い上げるように作用(ピックアップ作用)をすることができる。
【0032】そして、茎稈は、図4、及び図5の実施例の場合、左右の搬送ラグ9、9’によって上下二個所を保持された状態で搬送されるから、特に、刈取後において安定した姿勢に保持されながら搬送される。したがって、茎稈は、搬送途中で抜け落ち等のロスを未然に防止できるものとなっている。
【0033】そして、茎稈は、図6の実施例の場合、掻込みラグベルト8、8’を上下二段構成にしているから、上部(8a、8’a)と下部(8b、8’b)との二か所が搬送ラグ9、9’に係止され、しかも、左右両側のラグベルト(合計4本)によって安定よく保持されながら搬送される。そして、刈取茎稈は、掻込みラグベルト8a、8’aの終端部分に達すると、株元側より上部側が後方のオ−ガ4側に押し倒されるように大きな搬送力を受け、掻込みオ−ガ4側に倒れ込みながら適確に受け継がれるものとなっている。
【0034】別実施例1つぎに、図11、乃至図14に基づいて別実施例1を説明する。別実施例1は、コンバインに搭載する穀粒タンクとその穀粒排出筒に関する改良発明である。
【0035】まず、穀粒タンク50は、図面に示すように、側面視(図11参照)においては、下側が突出した五角形に形成し、背面視(図12参照)では、底面が外側(車体51の右外側)に傾斜した変形の四角形に形成し、内部に穀粒を充填できるタンクを構成している。そして、穀粒タンク50を支持する支持枠52は、コンバインの車体51上において、脱穀装置53の側部に設置した前後の下部支持枠52aと、その上部に連結して上方に延長した上部案内支持枠52bとを枠組みして装備した構成としている。
【0036】そして、穀粒タンク50は、下部を車体51に支持連結した前後2本の油圧シリンダ54の上部(ピストン)に連結した昇降杆55に取り付け、その昇降杆55を前記上部案内支持枠52bに上下方向摺動自由に嵌合して構成している。しかして、穀粒タンク50は、油圧シリンダ54の伸縮作動によって昇降杆55を介して上部案内支持枠52bに沿って昇降する構成としている。なお、油圧シリンダ54の操作は、操縦座席68から自由に行なうことができる。
【0037】そして、穀粒タンク50は、脱穀装置53の一番揚穀筒56の供給筒57と連通させて穀粒を充填する構成としているが、タンク50が下方の定位置にある時に前記供給筒57の開口に自動的に接続して連通する構成としている。したがって、穀粒タンク50は、上昇時には自動的に連結が離れ、下降して定位置に戻ると自動的に接続して一番穀粒が供給できるように連通する構成としている。
【0038】なお、上記した穀粒タンク50の連通口は、供給筒57の開口から離脱すると自動閉鎖する構成にしているが、この構成については詳細な説明を省略する。つぎに、穀粒排出筒58は、図11、及び図12に示すように、基部を穀粒タンク50の最も低い位置で、しかも、背面視(図12参照)で傾斜した部位(面)に回動自由に連結し、先端部分には穀粒排出口59を開口している。そして、穀粒排出筒58は、穀粒タンク50の外側部の位置で、上述の斜面に連結しているから、タンク50を下部の定位置に降ろして車体51の側部に沿わせて収納した位置ではほぼ水平状態(図11参照)になり、車体51から外側に回動した排出位置(図12の仮想線で示す位置))では、先端部分の穀粒排出口59が下方に位置できるように傾斜する構成となっている。このように、穀粒排出筒58は、車体52に沿わせて収納すれば、図11に示すように、略水平になって外側から障害にならない安定姿勢を保ってコンパクトになり、穀粒排出作業にあたり、図12に示す仮想線のように、横側(外側)に回動すれば筒58が下方に傾斜し、スム−スな穀粒排出ができる特徴がある。
【0039】そして、穀粒排出筒58は、図13、及び図14に示すように、基部の内部に自動開閉装置60を構成している。すなわち、タンク50側の定位置に固定孔60aが開口され、回動する排出筒58側に回動孔60bが設けられ、収納位置では各孔60a、60bが重ならず、横並びになって流通口61を塞ぎ(図13参照)、排出位置では固定孔60aと回動孔60bとが重なって流通口61を開き(図14参照)、穀粒の排出ができるように構成している。
【0040】なお、実施例の自動開閉装置60は、定位置の固定孔60aと、回動する回動孔60bとで流通口61を開閉する構成として説明したが、逆に、孔を弁に置き換え、他を開放(流通口)にしても同一の効果が期待できる。そして、穀粒排出筒58は、図11に示すように、基部位置に旋回モ−タ62と、これに駆動される旋回ギヤ63とを設け、筒58の基部に設けた従動旋回ギヤ64を伝動して旋回する構成にしている。、そして、穀粒排出口59は、図11に示すように、首振りモ−タ65と駆動首振りギヤ66と、駆動首振りギヤ66と噛合する従動首振りギヤ67とからなり、左右に往復首振りする構成としている。
【0041】上述した、旋回モ−タ62、及び首振りモ−タ65は、それぞれコンバインの操縦座席68からスイッチ操作ができる構成としており、正逆駆動が可能な構成となっている。そして、両モ−タ62、65は、旋回、及び首振りの軌道終点位置にそれぞれリミットスイッチが設けられ、これの検出によって旋回が自動停止したり、往復首振り運動をして穀粒排出ができる構成としている。
【0042】別実施例1は、以上のように構成したから、穀粒タンク50を高く上昇して穀粒の排出を円滑化したのは勿論であるが、穀粒排出筒58が車体51に沿って穀粒タンク50の幅内にコンパクトに収納できる特徴がある。そして、穀粒排出筒58は、外側に回動した排出位置では自動的に流通口61が開いて、しかも、穀粒排出口59側が低くなって穀粒をスム−スに排出できる特徴もある。
【0043】更に、別実施例1は、穀粒排出筒58が自動旋回できたり、穀粒排出口59の首振りが自動的にできる利点もある。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成13年12月12日(2001.12.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−180124(P2003−180124A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−378967(P2001−378967)