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【発明の名称】 コンパクトトラクタの操縦部
【発明者】 【氏名】豊川 光夫
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】西川 文顕
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】後藤 廉史
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】操作性を向上することができる上に、省スペース配置によるコンパクト化が可能となるコンパクトトラクタの操縦部を提供する。

【解決手段】コンパクトトラクタの操縦部は、左後輪フェンダ部7aに2本のレバーガイド11、12を平行し、内側のレバーガイド11には、PTOクラッチレバー13を、外側のレバーガイド12には、前半部にミッドPTOセレクトレバー14、後半部にリヤPTOセレクトレバー15を配置する。同様に、右後輪フェンダ部7bの内側のレバーガイド41には、メイン昇降レバー43を配置し、外側前半部のレバーガイド42aには四輪駆動レバー44、後半部のレバーガイド42bには副変速レバー45を配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右の後輪の間に位置する伝動機の上方に設けられたオペレータシートと、上記伝動機に設けたミッドPTO軸を稼動制御するために傾動操作可能なミッドPTOセレクトレバーと、同伝動機に設けたリヤPTO軸を稼動制御するために傾動操作可能なリヤPTOセレクトレバーとを備え、これらミッドPTOセレクトレバーおよびリヤPTOセレクトレバーをオペレータシートの側方に配置したコンパクトトラクタの操縦部において、上記ミッドPTOセレクトレバーの後方にリヤPTOセレクトレバーを配置し、これらミッドPTOセレクトレバーおよびリヤPTOセレクトレバーそれぞれの傾動動作をガイドするレバーガイドを平面視で一直線上に形成したことを特徴とするコンパクトトラクタの操縦部。
【請求項2】 前記伝動機にミッドPTO軸とリヤPTO軸への伝動制御をするためのPTOクラッチレバーを設け、このPTOクラッチレバーをミッドPTO軸よりオペレータシート寄りに配置し、かつ、その傾動動作をガイドするレバーガイドを平面視で前記レバーガイドと平行して形成したことを特徴とする請求項1記載のコンパクトトラクタの操縦部。
【請求項3】 左右の後輪の間に位置する伝動機の上方に設けられたオペレータシートと、上記伝動機に設けた四輪駆動部を稼動制御するために傾動操作可能な四輪駆動レバーと、同伝動機に設けた副変速部の車速域を切り替えるために傾動操作可能な副変速レバーと、同伝動機に設けた昇降アームの昇降制御をするために傾動操作可能なメイン昇降レバーとを備え、これら四輪駆動レバー、副変速レバーおよびメイン昇降レバーをオペレータシートの側方に配置したコンパクトトラクタの操縦部において、上記四輪駆動レバーの後方に副変速レバーを配置し、これら四輪駆動レバーおよび副変速レバーそれぞれの傾動動作をガイドするレバーガイドを平面視で一直線上に形成し、かつ、四輪駆動レバーよりオペレータシート寄りにメイン昇降レバーを配置し、このメイン昇降レバーの傾動動作をガイドするレバーガイドを前記レバーガイドと平行して形成したことを特徴とするコンパクトトラクタの操縦部。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトトラクタの操縦部に関し、特に、操作性を向上することができる上に、省スペース配置によるコンパクト化が可能となるコンパクトトラクタの操縦部に関する。
【0002】
【従来の技術】ミッドPTO軸とリヤPTO軸とを伝動機に設けたコンパクトトラクタが知られている。このコンパクトトラクタの操縦部には、ミッドPTO軸とリヤPTO軸とをそれぞれ稼動制御するためにミッドPTOセレクトレバーとリヤPTOセレクトレバーとを備え、これらミッドPTOセレクトレバーとリヤPTOセレクトレバーをオペレータシートの側方位置に配置する。また、伝動機のHST入力軸から分けたPTO系動力を伝動制御するためのPTOクラッチレバーを備えるほか、四輪駆動部を稼動制御するために四輪駆動レバーと車速域を切り替えるための副変速部の副変速レバーとをオペレータシートの側方に配置したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記コンパクトトラクタは、多くの操作レバーが狭い操縦部に配置されていることから、コンパクトに構成された操縦部の煩雑化による操作性の低下を招き、誤操作の原因となるおそれもあった。
【0004】本発明の目的は、操作性を向上することができる上に、省スペース配置によるコンパクト化が可能となるコンパクトトラクタの操縦部を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、左右の後輪の間に位置する伝動機の上方に設けられたオペレータシートと、上記伝動機に設けたミッドPTO軸を稼動制御するために傾動操作可能なミッドPTOセレクトレバーと、同伝動機に設けたリヤPTO軸を稼動制御するために傾動操作可能なリヤPTOセレクトレバーとを備え、これらミッドPTOセレクトレバーおよびリヤPTOセレクトレバーをオペレータシートの側方に配置したコンパクトトラクタの操縦部において、上記ミッドPTOセレクトレバーの後方にリヤPTOセレクトレバーを配置し、これらミッドPTOセレクトレバーおよびリヤPTOセレクトレバーそれぞれの傾動動作をガイドするレバーガイドを平面視で一直線上に形成することによりコンパクトトラクタの操縦部を構成したものである。
【0006】上記構成のコンパクトトラクタの操縦部は、明確な対応関係の下で前後に一直線上に個々に配置されたミッドPTOセレクトレバーとリヤPTOセレクトレバーにより、それぞれのPTO軸の入切が個別に制御される。
【0007】請求項2に係る発明は、前記伝動機にミッドPTO軸とリヤPTO軸への伝動制御をするためのPTOクラッチレバーを設け、このPTOクラッチレバーをミッドPTO軸よりオペレータシート寄りに配置し、かつ、その傾動動作をガイドするレバーガイドを平面視で前記レバーガイドと平行して形成することによりコンパクトトラクタの操縦部を構成したものである。
【0008】上記構成のコンパクトトラクタの操縦部は、操作性を向上するべく、PTO系の操作レバーが操作方向を同一に配置構成される。
【0009】請求項3に係る発明は、左右の後輪の間に位置する伝動機の上方に設けられたオペレータシートと、上記伝動機に設けた四輪駆動部を稼動制御するために傾動操作可能な四輪駆動レバーと、同伝動機に設けた副変速部の車速域を切り替えるために傾動操作可能な副変速レバーと、同伝動機に設けた昇降アームの昇降制御をするために傾動操作可能なメイン昇降レバーとを備え、これら四輪駆動レバー、副変速レバーおよびメイン昇降レバーをオペレータシートの側方に配置したコンパクトトラクタの操縦部において、上記四輪駆動レバーの後方に副変速レバーを配置し、これら四輪駆動レバーおよび副変速レバーそれぞれの傾動動作をガイドするレバーガイドを平面視で一直線上に形成し、かつ、四輪駆動レバーよりオペレータシート寄りにメイン昇降レバーを配置し、このメイン昇降レバーの傾動動作をガイドするレバーガイドを前記レバーガイドと平行して形成することによりコンパクトトラクタの操縦部を構成したものである。
【0010】上記構成のコンパクトトラクタの操縦部は、操作性を向上するべく、走行系をまとめて四輪駆動レバー、副変速レバーが一直線上に配置されて構成される。
【0011】
【発明の効果】本発明のコンパクトトラクタの操縦部は以下の効果を奏する。上記構成のコンパクトトラクタの操縦部は、前後位置に配置されたミッドPTOセレクトレバーとリヤPTOセレクトレバーにより、配置対応するそれぞれのPTO軸を混同することなくその入切が個別に制御される。また、両レバーが一直線上で前後に配置されていることから、省スペース配置が可能となる上に、他のレバーとの混同を回避して誤操作を防止することができる。PTOクラッチレバーをミッドPTO軸等と平行動作するように構成した場合は、PTO関係の操作レバーの操作方向が同一であることから、操作性を向上することができる上に、コンパクトトラクタの操縦部の省スペース化が可能となる。
【0012】四輪駆動レバーと副変速レバーを前後に一直線上に、かつ、メイン昇降レバーを平行動作するように構成した場合は、四輪駆動レバー、副変速レバーが一直線上に配置され、かつ、メイン昇降レバーを含めて操作方向が同一であることから、操作性を向上することができる上に、省スペース配置によるコンパクトトラクタの操縦部のコンパクト化が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】上記技術思想に基づき具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつコンパクトトラクタの操縦部について説明する。
【0014】本発明に係る操縦部を配置構成したコンパクトトラクタの側面図を図1に、また平面図を図2に示す。図1および図2において、コンパクトトラクタ1は、前輪2、2を操舵する操舵ホイール3を機体中央に、また、左右の後輪4、4間に配置した伝動機5の上方にオペレータシート6を配置し、伝動機5と連結する各種操作レバーをオペレータシート6の近傍すなわち左右の後輪フェンダ部7a、7bに配置して操縦部を構成する。伝動機5には、走行系の操作レバーの他に、機体下部のモア8a等を駆動するミッドPTO軸8、後方出力するリヤPTO軸9、昇降アーム10、10等の作業機用出力部、およびその稼動操作のための操作レバーを備える。操縦部においてこれらのレバー操作により、走行操作の他、それぞれ連結した作業機を必要に応じて操作することができる。
【0015】つぎに、左後輪フェンダ部のレバー配置について説明する。左後輪フェンダ部のレバーガイドの平面図を図3に、操作レバーを含む図3のA矢視図を図4に示す。図3および図4において、左後輪フェンダ部7aに機体の前後方向に伸びる2本のレバーガイド11、12を平行して形成する。内側のレバーガイド11には、ミッドPTO軸8とリヤPTO軸9のPTO動力を油路を介して断接するPTOクラッチレバー13を配置する。PTOクラッチレバー13は油路切換弁であって、レバーガイド11の前端側を接続位置13aとして支軸16を中心とする所定の傾動範囲に構成する。外側のレバーガイド12には、前半部にミッドPTOセレクトレバー14、後半部にリヤPTOセレクトレバー15を配置する。前半部のミッドPTOセレクトレバー14は、レバーガイド12の中間部を入位置14aとし、また、後半部のリヤPTOセレクトレバー15は、レバーガイド12の後端側を入位置15aとし、両方ともに支軸17を中心とする所定の傾動範囲にそれぞれ構成する。また、図例では前記の構成としたが、外側のレバーガイド12の前半部に設けるミッドPTOセレクトレバー14の入・切位置および後半部に設けるリヤPTOセレクトレバー15の入・切位置を、共に、前側を入位置とし、後側を切位置と逆にすると、PTOクラッチレバー13とミッド,リヤのPTOセレクトレバー14,15の「入・切」操作方向が共に同方向となって、さらに操作性が向上する。
【0016】このようにPTO系の操作レバー13、14、15を構成することにより、それぞれのPTO軸8、9の入切が対応するミッドPTOセレクトレバー14およびリヤPTOセレクトレバー15により、個別に制御することができる。また、両PTOセレクトレバー14、15が一直線上で前後に配置されていることから、省スペース配置が可能となる上に、他のレバーとの混同を回避して誤操作を防止することができる。また、PTOクラッチレバー13を含むPTO系の操作レバーが操作方向線を揃えて配置されていることから、操作性を向上することができる上に、コンパクトトラクタの操縦部の省スペース化が可能となる。
【0017】つぎに、PTO系操作レバーの連動構成について説明する。PTO系操作レバーの連動構成例の側面図を図5に、また、PTOクラッチレバーの詳細構成図を図6に示す。図5において、ミッドPTOセレクトレバー14およびリヤPTOセレクトレバー15は、その傾動範囲の前端を接続位置14a、15aとし、PTOクラッチレバー13を含め、すべての操作方向を揃えるようにしてPTO系の操作レバー13、14、15を上記同様に配置する。PTOクラッチレバー13の基部にはアーム20を形成し、このアーム20からミッドPTOセレクトレバー14との間に連結部材21を設けるとともに、アーム20からリヤPTOセレクトレバー15との間に連結部材22を設ける。また、図6において、PTOクラッチレバー13は、傾動範囲の両端における切位置13bおよび入位置13aで安定保持され、その中間部で支点越えするようにスプリング23を架設する。
【0018】上記のように構成されたPTOクラッチレバー13は、ミッドPTOセレクトレバー14またはリヤPTOセレクトレバー15のいずれか一方の傾動操作により、対応する連結部材21、22を介して押し付けられる。支点越えする位置まで押し付けられると、操作中のミッドPTOセレクトレバー14またはリヤPTOセレクトレバー15を伴って切位置13bにみずから移動する。すなわち、ミッドPTOセレクトレバー14およびリヤPTOセレクトレバー15のいずれか一方の切操作により、伝動機5のHST入力軸からPTO系動力を分けるPTOクラッチが必ず切断される。したがって、その後ミッドPTOセレクトレバー14またはリヤPTOセレクトレバー15の入操作を続けて行った場合等の、PTO軸8、9のセレクトギヤの保護と確実な噛合を図りつつ油圧クラッチの過大な負荷を回避することができる。
【0019】つぎに、PTO系操作レバーの別の連動構成について説明する。PTO系操作レバーの別の連動構成例の側面図を図7に示す。図7において、ミッドPTOセレクトレバー14およびリヤPTOセレクトレバー15は、PTOクラッチレバー13を含め、すべての操作方向を揃えるようにしてPTO系の操作レバー13、14、15を上記同様に配置する。PTOクラッチレバー13の中段位置30からミッドPTOセレクトレバー14の先端部33との間に長穴31aで連結する連結部材31を設ける。同様に、PTOクラッチレバー13の中段位置30からリヤPTOセレクトレバー15の先端部34との間に長穴32aで連結する連結部材32を設ける。連結部材31は、PTOクラッチレバー13を「入」(13aの位置)のままミッドPTOセレクトレバー14の切操作を行ったときに、ミッドPTO軸8のセレクトギヤの噛合が抜ける前にPTOクラッチが「切」となるように形状寸法を定める。同様に、連結部材32は、PTOクラッチレバー13を「入」(13aの位置)のままリヤPTOセレクトレバー15の切操作を行ったときに、リヤPTO軸9のセレクトギヤの噛合が抜ける前にPTOクラッチが「切」となるように形状寸法を定める。
【0020】上記のように構成されたPTOクラッチレバー13は、ミッドPTOセレクトレバー14またはリヤPTOセレクトレバー15のいずれか一方の傾動操作により、対応する連結部材31、32を介して切動作が行われ、かつ、PTOクラッチ遮断が先行される。したがって、連結部材31、32により、PTOクラッチレバー13と、PTOセレクトレバー14、15の切動作に必要な手順が確保されることにより、油圧クラッチの過大な負荷を回避して磨耗を防止するとともに、ギヤの保護を図ることができる。
【0021】つぎに、右後輪フェンダ部のレバー配置について説明する。右後輪フェンダ部のレバーガイドの平面図を図8に、操作レバーを含む図8のB矢視図を図9に示す。図8および図9において、右後輪フェンダ部7bに機体の前後方向に伸びる2本のレバーガイド41、42aを平行し、このレバーガイド42aの後方にさらにレバーガイド42bを一直線上に形成する。内側のレバーガイド41にはメイン昇降レバー43を配置する。メイン昇降レバー43は、レバーガイド41の中間部位を中立位置とし、後端側を上昇位置43a、前端側を下降位置43bとして支軸46を中心とする所定の傾動範囲に構成する。この傾動操作に伴い昇降アーム10を上下操作する。外側前半部のレバーガイド42aに四輪駆動レバー44、後半部のレバーガイド42bに副変速レバー45を配置する。四輪駆動レバー44は、レバーガイド42aの前端側を入位置44aとして前輪2を駆動し、後輪側を切位置44bとして前輪2を遊転として支軸47を中心とする所定の傾動範囲に構成している。また、副変速レバー45は、レバーガイド42bの後端側を高速位置45a、前端側を低速位置45b、これら高速位置45aと低速位置45bの間を中立位置として支軸48を中心とする所定の傾動範囲にそれぞれ構成する。
【0022】このように右後輪フェンダ部7bに操作レバー43、44、45を構成することにより、走行系の四輪駆動レバー44と副変速レバー45が一直線上で前後に配置されていることから、操作性の向上とともに、省スペース配置が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【代理人】 【識別番号】100077779
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 哲郎 (外2名)
【公開番号】 特開2003−180115(P2003−180115A)
【公開日】 平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願番号】 特願2001−389365(P2001−389365)