トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 移動農機における道具類の収納装置
【発明者】 【氏名】梅林 竜司
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】単一のクランプで複数の道具類を適度の保持力で収納することが出来て、製造や機体への組付けが簡単で、コストも安くなる移動農機における道具類の収納装置を得る。

【解決手段】クランプの中央部に機体への取付部を有し、該取付部の左右両側に当該機体の作業に使用するための道具類を保持する収納部を夫々構成した。また、クランプに位置決め部を形成し、該位置決め部を機体に形成された段差部に接当させてクランプを取付けた。更に、機体に座席を設け、一方の収納部を座席の下方に収納させると共に、他方の収納部を座席の後方に位置させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クランプ(19)の中央部に機体への取付部(20)を有し、該取付部(20)の前後両側に当該機体の作業に使用するための道具類を保持する収納部(23a,23b)を夫々設けたことを特徴とする移動農機における道具類の収納装置。
【請求項2】 クランプ(19)に位置決め部(19a)を形成し、該位置決め部(19a)を機体に形成された段差部(18)に接当させてクランプ(19)を取付けた請求項1記載の移動農機における道具類の収納装置。
【請求項3】 機体に座席(11)を設け、一方の収納部(23a)を上記座席(11)の下方に収納させると共に、他方の収納部(23b)を上記座席(11)の後方に位置させた請求項1ないし2のいずれか1項記載の移動農機における道具類の収納装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自脱型コンバイン等の移動農機に用いる道具類の収納装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自脱型コンバイン等の移動農機に用いるこの種のクランプは、図6に示されるように当該機体の作業に使用するための複数の道具類を個々のクランプにて夫々収納保持しており、しかも、機体へのクランプの取付けに当たり、取付場所や収納する道具の種類により、通常のボルトの使用が出来ず、頭の低いトラスコネジ等の特殊なネジを用いていたため、これらクランプの製造や機体への組付けが煩雑となって煩わしく、しかもコストがかかっていた。また、図7に示す如く、単一のクランプを取付部に対して片側のみに延長して複数の道具を収納保持させるようにした場合には、両道具の保持力の設定が難しく、内側を適度な力に設定すると外側の道具の保持力が弱くなり、逆に外側を適度な力に設定すると内側の道具の取出しが難しくなるとの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的は、上記従来の不具合を改善することにあり、殊に、単一のクランプで複数の道具類を適度の保持力で収納することが出来て、製造や機体への組付けが簡単で、コストも安くなる移動農機における道具類の収納装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明においては、クランプの中央部に機体への取付部を有し、該取付部の前後両側に当該機体の作業に使用するための道具類を保持する収納部を夫々設けたことを第1の特徴とする。
【0005】また、クランプに位置決め部を形成し、該位置決め部を機体に形成された段差部に接当させてクランプを取付けたことを第2の特徴とする。
【0006】更に、機体に座席を設け、一方の収納部を上記座席の下方に収納させると共に、他方の収納部を上記座席の後方に位置させたことを第3の特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以下図面の例に基づいて説明する。図1は、自脱型コンバインの全体側面図である。図中、1は走行機体、2は走行機体1の前部に設けた前処理部、3はコンバインの機台であって、その上部には運転操作部4,エンジン部5、その後方に設けた収穀部6を設け、更に、その側方に設けた脱穀部7及び走行機体1の最後尾に設けた藁処理部8等が搭載されており、上記機台3の下部には左右一対のクローラよりなる走行部9が設けられている。
【0008】次に、図2は上記運転操作部4周辺の要部の斜視図である。図中11は運転者用の座席であって、該座席11は通常のものと同様に、前方の横方向に亘る支持部(図示省略)を支点としてその後方側を上下方向に回動出来る構成となっている。そして、その左側方には前後方向に長い操作パネル12が設けてあって、該操作パネル12上には、前方の主変速レバー13や副変速レバー14及び後方の作業機レバー15・・等が突出した状態で備えられていて、走行機体1の前後進や前処理部2,脱穀部7等への動力の入切り操作を行うように構成されている。また、17は運転台パネルであって、その下方に収納されているエンジン部5の各種部品配列の関係もあって、上記座席11の装着されている前部17aは低く、その後方側が段差部18を成して、中間部17b更に後部17cに行くに連れて徐々に高くなるように構成されている。
【0009】更に、図3は図2の座席11の後方側を前方の支持部を支点として上方に上げた状態の要部の斜視図であり、図4はクランプ19の周辺を示した説明用側断面図であって、上記段差部18の中間部17bは、クランプ19の中央部を取付部20として6角ボルト21で走行機体1に装着しており、ここでクランプ19の取付部20の前後両側にはコンバイン走行機体1の作業に使用するための道具22a,22bを保持するための収納部23a,23bが設けてある。そして、上記クランプ19の取付部20に近い位置に位置決め部19aを、運転台パネル17の後部17cの前面形状に合わせて形成しておけば、組付けの際に位置を誤って組付けするようなことがなく、位置合わせが迅速となって、回り止めも兼ねるので一箇所の取付部で十分となる。
【0010】ここで、一方の収納部23aに保持された道具22aは、コンバインで刈取出来ない圃場の畦際の穀稈や大きく倒伏した穀稈を刈取ったり、コンバインで刈残した穀稈等を人力によって刈取るための鎌である。また、他方の収納部23bに保持された道具22bは、図5図示の如く、排藁レール24の前後方向への長さの切替えを行うためのハンドルであって、排藁チェーン25に対する排藁レール24の収納状態(図5の点線状態)では排藁搬送距離を短くしてその下方に設けたカッタ(図示省略)等の藁処理装置へ排藁を送り込む時に使用し、逆に矢印A方向に引いて排藁搬送距離を長くした時(図5の実線状態)には、長藁のまま後方に搬送して走行機体1の後方に設けた結束機(図示省略)に供給したり、又はドロッパ(図示省略)等で一定量づつにまとめて圃場上に放出するためのもので、これら排藁レール24の長さ切替え操作のために、狭く且つ排藁チェーン25の突起部等が突出する場所への作業者の腕の挿入をせずして、道具22bであるハンドルの穴22cを排藁レール24の先端側に挿入して、押引操作する丈の簡単な操作で排藁の切替え操作を円滑に行うためのものである。
【0011】更にまた、本実施例の如く走行機体1に座席11を設けて一方の収納部23aを該座席11の下方のスペースに収納させた場合には、上記収納部23aに図2,3に図示の如く大きくてそのままでは危険性のある鎌のような道具22aを保持することにより、座席11の下を有効利用出来て、何ら作業の邪魔となることもなく、しかも、コンバイン機体の移動で大きな振動等があっても安全である。そして、他方の座席11後方で上部側が開放された収納部23bに保持した道具22bも何であるかが一目で分かり、道具22bが必要となった際に捜す必要もなく迅速に対応できるものである。
【0012】本発明の移動農機における道具類の収納装置は、以上のような構成よりなっており、先ず収納装置の組付けに当たっては、座席11のない状態か又は座席11の後方を上方に上げた状態で、クランプ19の中央部の取付部20を運転台パネル17の中間部17bの取付位置に合わせ、通常の6角ボルト21を取付部20に挿通した後、前後の道具類の収納部23a,23bに、夫々の道具22a,22bを収納保持出来る状態に位置合わせしてから、上記6角ボルト21を締めつけることによって行う。
【0013】従って、上記構成により、通常の6角ボルト21を使用して、単一のクランプ19で複数の道具22a,22bを収納保持出来る状態に、機体への取付けが簡単に出来、しかも、従来の如く特殊なネジも不要となって、製造や組付けが簡単であるばかりか、コストも安く出来るものである。更に、クランプ19は取付部20が中央にあるので、前後の収納部23a,23bの道具保持力が適度に保たれると共に、クランプ19に段差部18に合わせた位置決め部19aを形成しておけば、組付けの際に位置を誤って組付けするようなことがなく位置合わせが迅速となって、回り止めも兼ねるので一箇所の取付部で十分となる。このように、本件の発明は、段差部18を巧みに利用して、簡単なクランプ形状で大きな道具類でも確実に収納保持する事が可能となるものである。
【0014】そして、走行機体1に使用する道具22a,22bを収納する際には、図3図示の如く、大きくてしかもそのままでは危険性のある道具22a(実施例では鎌)をクランプ19の座席11側収納部23aで保持させ、その他の道具22b(実施例では排藁レール24の長さの切替えを行うためのハンドル)を座席11後方の上部側が開放された収納部23bで支持して夫々の道具22a,22bを確実に保持させた後、座席11を走行機体1に装着するか、若しくは、座席11の前部の支持部を支点として後部側を回動して降ろす。
【0015】それにより、前方側に収納された道具22aは、降ろした座席11の下方側の狭いスペースを有効利用して収納され、何ら作業の邪魔になるようなことがなくなり、他方の上部側が開放された収納部23bに保持した道具22bも何であるかが一目で分かり、道具22bが必要となった際に捜す必要もなく、迅速に対応出来るものである。
【0016】次に、圃場での刈取作業等を行う際に、道具類が必要となる場合があるが、この時には、前方側の道具22aが必要な時には、座席11の後方側を上方に上げた状態で道具22aの一部分を手で把持して収納部23aから外して所要の作業を行い、使用後には再び収納部23aに収納した後、座席11を元の位置に戻せば良い。また、後方側の道具22bはそのままの状態で総てが露出しているので、道具22bの一部分を手で把持して収納部23bから外して所要の作業を行い、使用後には再び収納部23bに収納すれば良い。
【0017】なお、当実施例においては、収納される道具を鎌と排藁レール24切替用のハンドルで説明したが、道具の種類は当該機体の作業時に使用するものであれば何でも良く、実施例のものに限られるものではない。
【0018】
【発明の効果】本発明は、前記の如く、クランプ19の中央部に機体への取付部20を有し、該取付部20の前後両側に当該機体の作業に使用するための道具類を保持する収納部23a,23bを夫々設けたので、単一のクランプ19で複数の道具22a,22bを収納保持出来ると共に、中央の取付部20により、前後の収納部23a,23bの道具保持力を適度に保持することが可能となり、製造や機体への組付けが簡単となってコストも安く出来るものである。
【0019】また、クランプ19に位置決め部19aを形成し、該位置決め部19aを機体に形成された段差部18に接当させてクランプ19を取付けたので、クランプ19の走行機体1への組付けの際に、位置を誤って組付けするようなことがなく位置合わせが迅速となって、回り止めをも兼ねるので一箇所の取付部で十分となるものである。
【0020】更に、機体に座席11を設け、一方の収納部23aを上記座席11の下方に収納させると共に、他方の収納部23bを上記座席11の後方に位置させたことにより、例えば大きくてそのままでは危険性のある鎌のような道具22aを、クランプ19の前方にある座席11下方の狭いスペースを有効利用して、何ら作業の邪魔となることもなく、安全に収納保持するものであり、他方の上部側が開放された収納部23bに収納保持された道具22bも何であるかが一目で分かり、道具22bが必要になった際にどこにあるかを捜す必要もなく、迅速に対応出来るものである。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成13年12月4日(2001.12.4)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−169523(P2003−169523A)
【公開日】 平成15年6月17日(2003.6.17)
【出願番号】 特願2001−369394(P2001−369394)