| 【発明の名称】 |
刈払機 |
| 【発明者】 |
【氏名】長島 彬 【住所又は居所】東京都青梅市末広町一丁目7番地2 株式会社共立内
|
| 【要約】 |
【課題】スロットルバルブに対し、スロットル操作用レバーによるスロットル操作とは別の操作を行うことを可能とする刈払機の提供。
【解決手段】スロットル操作と、刈刃の空転を制する制動装置の解除とが連動している刈払機に関し、スロットルワイヤは、スロットル操作用レバーと揺動部材との間に延びる第一ワイヤ部分と、揺動部材とスロットルとの間に延びる第二ワイヤ部分とで構成され、これらによって、スロットル操作用レバーからスロットルバルブへの第一操作伝達経路が構成されている。更に、スロットル操作とは別の操作を行うための別操作用レバーと、揺動部材に枢着された滑車とを有し、第二ワイヤ部分は、滑車を介してスロットルと別操作用レバーとの間に延びており、これらによって、第一操作伝達経路とは別の第二操作伝達経路が構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スロットル操作と、刈刃(8)の空転を制する制動装置(60)の解除とが連動している刈払機(2)であって、スロットル操作用レバー(18)と気化器(50)との間に延びるスロットルワイヤ(28)と、該スロットルワイヤ(28)の途中に介在され、かつ、前記スロットル操作用レバー(18)を操作することによる前記スロットルワイヤ(28)の引張力によって揺動する揺動部材(30)とを有し、前記スロットルワイヤ(28)は、前記スロットル操作用レバー(18)と前記揺動部材(30)との間に延びる第一ワイヤ部分(29)と、前記揺動部材(30)と前記気化器(50)との間に延びる第二ワイヤ部分(32)とで構成され、これらによって、前記スロットル操作用レバー(18)から前記気化器(50)への第一操作伝達経路(P1)が構成されており、前記制動装置(60)は、内燃機関(10)の運動を前記刈刃(8)に伝達する遠心クラッチ用クラッチドラム(24)に対して押圧される制動位置と、前記揺動部材(30)の揺動運動に伴って、前記クラッチドラム(24)から離間する解除位置との間で移動する摩擦部材(24a)を有し、更に、スロットル操作とは別の操作を行うための別操作用レバー(22,41)と、前記揺動部材(30)に枢着された滑車(34)とを有し、前記第二ワイヤ部分(32)は、前記滑車(34)を介して前記気化器(50)と前記別操作用レバー(22、41)との間に延びており、これらによって、前記第一操作伝達経路(P1)とは別の第二操作伝達経路(P2)が構成されていることを特徴とする刈払機。 【請求項2】 前記第二ワイヤ部分(32)には、前記スロットル操作用レバー(18)の操作初期において、前記第二ワイヤ部分(32)に引張力を与えないように遊びが設けられており、該遊びは、前記スロットル操作用レバー(18)を最大限に操作したとき、前記内燃機関(10)の出力が、所定の中間レベルとなるように、前記気化器(50)を開く大きさであり、また、前記別操作用レバーは、前記スロットル操作用レバー(18)を最大限に操作したときの前記内燃機関(10)の出力を、前記所定の中間レベルから更に上昇させるための出力調整用レバー(22)であり、該出力調整用レバー(22)を操作すると、前記第二ワイヤ部分(32)が引張られて前記遊びがなくなり、前記スロットル操作用レバー(18)の操作におけるストローク全体にわたって前記気化器(50)が開かれることを特徴とする請求項1に記載の刈払機。 【請求項3】 前記別操作用レバーは、前記内燃機関(10)の始動時にアイドル回転数を高めるためのアイドルアップ操作用レバー(41)であり、該アイドルアップ操作用レバー(41)を操作すると、前記第二ワイヤ部分(32)が引張られて、前記気化器(50)が部分的に開かれることを特徴とする請求項1に記載の刈払機。 【請求項4】 前記クラッチドラム(24)の回転軸(O)に対して平行な方向に見たとき、前記気化器(50)は、前記クラッチドラム(24)の側方かつ上方に位置しており、前記揺動部材(30)は、前記クラッチドラム(24)の上方に位置しており、更に、前記揺動部材(30)と前記気化器(50)との間に配置された中間部材(40,42)とを有し、前記内燃機関(10)のハウジング(10a)内において、前記第一ワイヤ部分(29)は、前記クラッチドラム(24)に対して前記気化器(50)とは反対側の側方空間において縦方向に前記揺動部材(30)まで延び、また、前記第二ワイヤ部分(32)は、一端(32a)が前記気化器(50)に連結され、前記クラッチドラム(24)に対して上方の空間において前記気化器(50)から横方向に延び、前記滑車(34)によって折返し偏向され、他端(32b)が中間部材(40,42)に連結され、該中間部材(40,42)を介して、前記別操作用レバー(22,41)による引張力が前記第二ワイヤ部分(29)に伝達されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の刈払機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、草などを刈るための刈払機に関し、より詳細には、気化器のスロットル操作と刈刃の空転を制する制動装置の解除とが連動する刈払機に関する。 【0002】 【従来技術】小型空冷式2サイクルガソリンエンジン等の内燃機関によって駆動される、草などを刈るための刈払機において、従来から、スロットル操作と刈刃の空転を制する制動装置の解除とが連動する刈払機が知られている。例えば、特開平11−196648号公報に開示された刈払機がある。該刈払機は、摩擦部材と、該摩擦部材をクラッチドラムに対して押圧する制動位置と、該クラッチドラムと離間させる解除位置との間で揺動可能な揺動部材とを有し、該揺動部材は、スロットルワイヤの操作に伴って揺動するように構成されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の刈払機のように、スロットル操作用レバーによるスロットル操作と、刈刃の空転を制する制動装置の解除とが連動する刈払機において、気化器(のスロットル)に対し、スロットル操作用レバーによるスロットル操作とは別の操作を行うことを可能とする刈払機を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、スロットル操作と、刈刃の空転を制する制動装置の解除とが連動している刈払機であって、スロットル操作用レバーと気化器との間に延びるスロットルワイヤと、該スロットルワイヤの途中に介在され、かつ、前記スロットル操作レバーを操作することによる前記スロットルワイヤの引張力によって揺動する揺動部材とを有し、前記スロットルワイヤは、前記スロットル操作用レバーと前記揺動部材との間に延びる第一ワイヤ部分と、前記揺動部材と前記気化器との間に延びる第二ワイヤ部分とで構成され、これらによって、前記スロットル操作用レバーから前記気化器への第一操作伝達経路が構成されており、前記制動装置は、内燃機関の運動を前記刈刃に伝達する遠心クラッチ用クラッチドラムに対して押圧される制動位置と、前記揺動部材の揺動運動に伴って、前記クラッチドラムから離間する解除位置との間で移動する摩擦部材を有し、更に、スロットル操作とは別の操作を行うための別操作用レバーと、前記揺動部材に枢着された滑車とを有し、前記第二ワイヤ部分は、前記滑車を介して前記気化器と前記別操作用レバーとの間に延びており、これらによって、前記第一操作伝達経路とは別の第二操作伝達経路が構成されていることを特徴とする刈払機によって達成することができる。 【0005】本発明においては、前記スロットル操作用レバーの操作が、前記気化器に伝達されて、該気化器(のスロットルバルブ)が開閉される第一操作伝達経路と、前記別操作用レバーの操作が前記第二ワイヤ部分にのみ作用する、前記第一操作伝達経路とは別の第二操作伝達経路の、二つの操作伝達経路が設けられている。より詳細には、前記第一操作伝達経路においては、前記スロットル操作用レバーの操作が、前記第一ワイヤ部分、前記揺動部材、および、前記第二ワイヤ部分を介して前記スロットルバルブに伝達され、該スロットルバルブが開閉されるとともに、前記制動装置が解除される。また、前記第二操作伝達経路においては、前記別操作用レバーの操作が、前記滑車を介して前記スロットルバルブに延びる前記第二ワイヤ部分にのみ作用する。 【0006】本発明によれば、前記スロットル操作用レバーの操作によって、前記スロットルバルブを開き、また、前記制動装置を解除する前記第一操作伝達経路と、該第一操作伝達経路とは別の前記第二操作伝達経路が設けられているので、刈払機に様々なスロットル操作機能を付加することができる。本発明の実施形態においては、前記第二ワイヤ部分には、前記スロットル操作用レバーの操作初期において、前記第二ワイヤ部分に引張力を与えないように遊びが設けられており、該遊びは、前記スロットル操作用レバーを最大限に操作したとき、前記内燃機関の出力が、所定の中間レベルとなるように、前記気化器を開く大きさであり、また、前記別操作用レバーは、前記スロットル操作用レバーを最大限に操作したときの前記内燃機関の出力を、前記所定の中間レベルから更に上昇させるための出力調整用レバーであり、該出力調整用レバーを操作すると、前記第二ワイヤ部分が引張られて前記遊びがなくなり、前記スロットル操作用レバーの操作におけるストローク全体にわたって前記気化器が開かれる。本発明の別の実施形態によれば、前記内燃機関の出力調整機能を、簡易かつ小型の構造で実現することができる。 【0007】また、本発明の別の実施形態においては、前記別操作用レバーは、前記内燃機関の始動時にアイドル回転数を高めるためのアイドルアップ操作用レバーであり、該アイドルアップ操作用レバーを操作すると、前記第二ワイヤ部分が引張られて、前記気化器が部分的に開かれる。本発明のこの実施形態によれば、前記内燃機関の始動を容易にするアイドルアップ機能を、簡易かつ小型の構造で実現することができる。 【0008】更に、本発明の別の実施形態においては、前記クラッチドラムの回転軸に対して平行な方向に見たとき、前記気化器は、前記クラッチドラムの側方かつ上方に位置しており、前記揺動部材は、前記クラッチドラムの上方に位置しており、更に、前記揺動部材と前記気化器との間に配置された中間部材とを有し、前記内燃機関のハウジング内において、前記第一ワイヤ部分は、前記クラッチドラムに対して前記気化器とは反対側の側方空間において縦方向に前記揺動部材まで延び、また、前記第二ワイヤ部分は、一端が前記気化器に連結され、前記クラッチドラムに対して上方の空間において前記気化器から横方向に延び、前記滑車によって折返し偏向され、他端が中間部材に連結され、該中間部材を介して、前記別操作用レバーによる引張力が前記第二ワイヤ部分に伝達される。本実施の形態によれば、前記内燃機関のハウジング内の、前記クラッチドラムの周囲の既存の空間を利用して収容することができるので、刈払機が大型化するのを防止することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しつつ、本発明にかかる刈払機の種々の実施の形態について説明する。図1は、第一実施形態にかかる刈払機の全体図である。また、図2は、第一実施形態にかかる刈払機の本体部分の内部構造を示す。 【0010】本第一実施形態にかかる刈払機2は、スロットル操作と、刈刃8の空転を制する制動装置60の解除とが連動するようになっている。また、本第一実施形態にかかる刈払機2には、所謂パーシャル運転機能が設けられており、異なる出力で刈払い作業を行うことができる。すなわち、前記刈払機2を用いて作業する際、庭などで柔らかい草などを刈る場合には、小型空冷式2サイクルガソリンエンジン等の内燃機関の出力は小さくても十分であり、その方が安全面でも有利である。一方、山岳部で木の下刈り作業等の場合には、最大出力で行う必要がある。そこで、本第一実施形態においては、前記内燃機関の出力を所定の中間レベルと、該中間レベル以上の高い出力に変更する機構が設けられている。以下、その構造について詳細に説明する。 【0011】図1に示すように、刈払機2は、基本的に、後端に設けられた小型空冷式2サイクルガソリンエンジン等の内燃機関10と、該内燃機関10から前方に真っ直ぐに延びる操作杆6と、該操作杆6の先端に設けられた刈刃8とを有する。また、前記操作杆6の内部には、前記刈刃8に前記内燃機関10からの回転動力を伝達するための伝動軸12が真っ直ぐに延びている。また、前記操作杆6の中間部分には、U字形のハンドル部14が設けられている。該ハンドル部14の右側グリップ部16には、スロットル操作用レバー18が設けられており、また、左側グリップ部20には、前記スロットル操作用レバー18を最大限握った状態での前記内燃機関10の所定中間出力から出力を更に高めるための、別操作レバーとしての出力調整用レバー22が設けられている。前記スロットル操作用レバー18だけを一杯に握ると、前記内燃機関の出力は前記中間出力レベルまで上昇する。前記出力調整用レバー22も一杯に握って、前記スロットル操作用レバー18を一杯に握ると、出力は前記中間レベルより高い最大レベルとなる。 【0012】前記内燃機関10と前記伝動軸12との間には、遠心クラッチが介在されている。該遠心クラッチは、周壁部24aを有する皿形の円形クラッチドラム24(図2参照)と、前記内燃機関10のクランクシャフト(図示せず)の回転による遠心力によって、前記クラッチドラム24の前記周壁部24aの内周面に対して押圧されて、前記クラッチドラム24に回転を伝達するシュー部材(図示せず)とを有する。前記クラッチドラム24の外面側には、該外面、本実施形態においては、前記周壁部24aの外周面に対して押圧されて、回転を制する制動装置60の摩擦部材26が設けられている。より詳細には、該摩擦部材26は、前記周壁部24aの外周面に沿って延びるブレーキバンド26で構成されている。該ブレーキバンド26は、前記周壁部24aの外周面の周りに締付けられた制動位置(図2に実線で示す)と、弛緩された解除位置との間で移動可能に設けられている。より詳細には、前記ブレーキバンド26の一端26aは、前記内燃機関10のハウジング10aに固定されており、また、他端26bは、後述するように、揺動部材30の第二連結点30bに連結されており、前記揺動部材30の揺動運動によって、締付・弛緩される。図2に示す状態においては、前記ブレーキバンド26は、前記クラッチドラム24の前記外周壁に対して締付けられた前記制動位置にある。 【0013】前記内燃機関10の気化器50は、前記クラッチドラム24の回転軸Oと平行な方向に見た状態において、すなわち、図2に示す状態において、前記クラッチドラム24の上方かつ側方に位置している。また、前記第一実施形態にかかる刈払機2は、図2に示すように、前記スロットル操作用レバー18と前記気化器50との間に延びるスロットルワイヤ28と、前記スロットルワイヤ28の途中に介在され、かつ、該スロットルワイヤ28の引張力により揺動する前記揺動部材30とを有する。前記スロットルワイヤ28は、前記スロットル操作用レバー18と前記揺動部材30との間に延びる第一ワイヤ部分29と、前記揺動部材30と前記気化器50(のスロットルバルブ)との間に延びる第二ワイヤ部分32とで構成されている。これらによって前記スロットル操作用レバー18から前記気化器50への第一操作伝達経路P1が構成されている。また、前記第一実施形態にかかる刈払機2は、前記出力調整レバー22と、前記揺動部材30に枢着された滑車34とを有し、前記第二ワイヤ部分32は、前記滑車34を介して前記気化器50と前記別操作用レバー22との間に延びており、これらによって、前記第一操作伝達経路P1とは別の第二操作伝達経路P2が構成されている。 【0014】図2に示すように、前記揺動部材30は、前記ハウジング10a内の収納空間の、前記クラッチドラム24の上方位置において、前記ハウジング10aに対して枢着されている。前記揺動部材30は、その中間部分が枢軸39で前記ハウジング10aに枢止されている。前記揺動部材30は前記枢軸39のまわりに、前記気化器50とは反対側の側方に配置された第一連結点30aと、下方に配置された前記第二連結点30bと、上方に配置された回動自在な前記滑車34とを有する。前記揺動部材30は、上部に扇形部分と、下部に下方に細長く延びる棒状部分とを有し、全体として銀杏葉形をなしている。前記第一連結点30aは、前記扇形部分の側方角部近傍に位置している。また、前記滑車34は、上方角部近傍に位置している。また、前記第二連結点30bは、前記棒状部分の下端に位置している。前記揺動部材30の前記滑車34の周囲近傍には、該滑車34の周りに巻き掛けられた前記第二ワイヤ部分32が外れるのを防止するための外れ防止用突起36が設けられている。前記揺動部材30は、付勢手段としての第一ばね38によって、前記初期(制動)位置に付勢されている。なお、前記滑車34は、前記気化器50に対して側方に位置している。 【0015】前記揺動部材30と前記気化器50との間には、中間部材としての第一アーム部材40が配置されている。該第一揺動アーム部材40は、互いに異なる方向に延びる前記第二ワイヤ部分32と、前記出力調整用レバー22に連結された出力調整用ワイヤ42とを作動上連結可能とするためのものである。すなわち、前記第一揺動アーム部材40は、前記ハウジング10a内の前記クラッチドラム24の上部空間において横方向に延びる前記第二ワイヤ部分32と、前記クラッチドラム24の前記気化器50側の側方空間において、上下方向に延びる前記出力制限用ワイヤ42とを作動上連結する。前記第一揺動アーム部材40は、全体として、L字形をなし、L字形の上側端部には第三連結点40aを、また、横側端部に第四連結点40bを、また、中間角部に枢着点40cを有する。前記第一揺動アーム部材40は、図2に実線で示す初期位置と、仮想線で示す揺動位置との間で揺動可能に設けられており、付勢手段としての第二ばね44によって、前記初期位置に付勢されている。 【0016】また、前記スロットルワイヤ28の前記第一ワイヤ部分29の一端は、前記スロットル操作用レバー18に連結されており、他端は前記揺動部材の前記第一連結点30aに連結されている。前記第一ワイヤ部分29は、前記クラッチドラム24に対して、前記気化器50とは反対側の側方空間内で縦方向に延びている。 【0017】更に、前記第二ワイヤ部分32の一端32aは、前記気化器50のスロットルバルブ(図示せず)に連結されている。前記第二ワイヤ部分32は、前記気化器50から側方に延び、前記滑車34に上側から下方に向けて巻き掛けられ、U字形に折り返し偏向されて、前記気化器50に向けて横方向に延びている。前記第二ワイヤ部分32の他端32bは、前記第一揺動アーム部材40の前記第三連結点40aに連結されている。前記出力調整用ワイヤ42は、前記クラッチドラム24に対して前記気化器50側の側方空間内で上下方向に延びており、一端が前記出力調整用レバー22に、また、他端が、前記第一揺動アーム部材40の前記第四連結点40bに連結されている。すなわち、前記第二操作伝達経路P2は、前記気化器50から横方向に延びる前記滑車34によってU字形に折り返し偏向され、前記第一揺動アーム部材40によって、下方に偏向されている。 【0018】前記第二ワイヤ部分32は、前記滑車34の周りに遊びをもって巻き掛けられている。すなわち、前記第二ワイヤ部分32には、前記スロットル操作用レバー18の操作初期において、前記第二ワイヤ部分32に引張力を与えないように遊びが設けられている。該遊びは、前記スロットル操作用レバー18を最大限に操作した(一杯に握った)とき、前記内燃機関10の出力が前記所定の中間レベルとなるように、前記気化器50のスロットルバルブを中間開度まで開く大きさである。その状態で前記出力調整用レバー22も操作すると、前記第二ワイヤ部分32が更に引張られて前記遊びが完全になくなった状態で、前記スロットル操作用レバー18の操作におけるストローク全体にわたって前記スロットルバルブが操作量に対応して開かれるように構成されている。 【0019】図2に示す第一実施形態にかかる刈払機2は、以下の通り作用する。初期(制動)位置において、前記揺動部材30および前記滑車34は、図2に実線で示す位置にある。前記第二ワイヤ部分32は、遊びをもって前記滑車34の周りに位置している。前記第一揺動アーム部材40も、図2に実線で示す位置にある。 【0020】前記出力調整用レバー22を操作することなく、前記スロットル操作用レバー18だけを操作すると、前記スロットル操作用ワイヤ28を介して、前記揺動部材30が図で見て反時計回りに揺動され、それに伴って前記滑車34が、図2に実線で示す初期位置から仮想線で示す最大移動位置に移動する。前記スロットル操作用レバー18の操作初期においては、前記第二ワイヤ部分32に遊びが設けられているので、前記滑車34が移動しても、前記第二ワイヤ部分32に引張力は与えられない。前記滑車34が所定距離移動すると前記第二ワイヤ部分32の遊びはなくなり、前記第二ワイヤ部分32は緊張状態となる。前記スロットル操作用レバー18を更に操作して前記滑車34が移動すると、前記第二ワイヤ部分32が引張られて、前記スロットルバルブが所定の中間出力に対応する開度だけ開く。なお、前記第二ワイヤ部分32は、前記滑車34によって、U字形に折返し偏向されている。したがって、前記第二ワイヤ部分32は、前記滑車34の移動量の約二倍の長さ分だけ引張られる。 【0021】一方、前記出力調整用レバー22を操作した場合について説明する。前記出力調整用レバー22を操作すると、前記第一揺動アーム部材40は、図2に実線で示す初期位置から、仮想線で示す揺動位置に、前記第二ワイヤ部分32を引く方向に移動する。これによって、前記第二ワイヤ部分32が引張られて遊びがない状態、すなわち、緊張状態となる。前記第二ワイヤ部分32の遊びがなく緊張状態となっているので、この状態で前記スロットル操作用レバー18の操作をすると、それに応答して、前記スロットル操作用レバー18のストローク全体(この間、前記滑車34は実線で示す前記初期位置から仮想線で示す前記最大移動位置へ移動する)にわたって前記第二ワイヤ部分32が引張られ、前記スロットルバルブが全開状態となり、出力は最大となる。 【0022】なお、本第一実施形態にかかる刈払機2には、前記スロットル操作用レバー18から、前記第一ワイヤ部分29、前記揺動部材30、前記滑車34、および、前記第二ワイヤ部分32を介して、前記スロットルバルブへ延びる前記第一操作伝達経路P1と、前記出力調整用レバー22と作動上連結された前記第二ワイヤ部分32を介して前記スロットルバルブまで延びる前記第二操作伝達経路P2とを有する。該第二操作伝達経路P2は、前記第一操作伝達経路P1とは作動上独立しているので、前記出力調整用レバー22は、前記スロットル操作用レバー18の操作中、必要に応じていつでも操作することができる。前記スロットル操作用レバー18を解放すると、前記揺動部材30は前記第一ばね38によって前記初期(制動)位置に移動され、また、前記出力調整用レバー22を解放すると、前記第一揺動アーム部材40は、通常は前記気化器50のスロットルバルブ戻しばね(図示せず)によって、初期位置に付勢されているが、必要に応じて設けられる、第二ばね44によって初期位置に戻る。 【0023】図3は、本発明の第二実施形態にかかる刈払機2の本体部分の内部構造を示す。図3を参照しつつ、本発明の第二実施形態にかかる刈払機2について説明する。前記第二実施形態にかかる刈払機2においては、前記内燃機関10の始動を容易にするため、始動時に前記スロットルバルブを僅かに開くためのアイドルアップ操作用レバー41が、前記ハウジング10aから外方に突出して設けられている。なお、図1に示す、前記第一実施形態にかかる刈払機2においては、前記左側グリップ部20に、前記出力調整用レバー22が設けられているが、前記第二実施形態にかかる刈払機2には、出力調整機能はないので、このようなレバーは設けられていない。 【0024】以下、図3を参照しつつ、本発明の第二実施形態にかかる刈払機2について説明する。図2に示す前記第一実施形態と同じ構造部分は、同じ符号で示して概略的にだけ説明することとし、以下、異なる部分を中心に説明する。本第二実施形態にかかる刈払機2においては、前記第一実施形態にかかる刈払機2と同様に、前記クラッチドラム24と、該クラッチドラム24の前記周壁部24aの外周面に沿って延びる前記ブレーキバンド26とを有し、該ブレーキバンド26は、図3に実線で示す制動位置において、前記周壁部24aの外周面の周りに締付けられ、また、仮想線で示す制動解除位置において弛緩される点については、前記第一実施形態と同様である。また、本第二実施形態にかかる刈払機2は、前記スロットル操作用レバー18と前記スロットルバルブとの間に延びる前記スロットルワイヤ28と、前記スロットルワイヤ28の途中に介在され、かつ、該スロットルワイヤ28の引張力により揺動する前記揺動部材30とを有し、前記スロットルワイヤ28が、前記スロットル操作用レバー18と前記揺動部材30との間に延びる前記第一ワイヤ部分29と、前記揺動部材30と前記スロットルバルブとの間に延びる前記第二ワイヤ部分32とで構成されている点も、前記第一実施形態と同様である。また、前記揺動部材30や前記滑車34の形状、位置関係、前記第一ワイヤ部分29および前記第二ワイヤ部分32との連結関係も、前記第一実施形態と同様である。 【0025】本第二実施形態においては、前記揺動部材30と前記スロットルバルブとの間に、前記アイドルアップ操作用レバー41の操作によって揺動する第二揺動アーム部材42が設けられている。該第二揺動アーム部材42は、全体的に縦方向に細長い形状をなし、その下端に枢軸42aが設けられている。該枢軸42aに、前記ハウジング10aの外に設けられている前記アイドルアップ操作用レバー41が一体的に連結されている。また、前記第二揺動アーム部材42の上端には、前記第二ワイヤ部分32の前記他端32bの連結点である第五連結点42bが設けられている。前記第二揺動アーム部材42は、図3に実線で示す初期位置と、仮想線で示す揺動位置との間で揺動可能に設けられている。なお、前記第二揺動アーム部材42は、通常は前記気化器50のスロットルバルブ戻しばね(図示せず)によって、前記初期位置に付勢されているが、必要に応じて付勢手段としての第3ばね45によって、前記初期位置に付勢せしめてもよい。 【0026】前記第二ワイヤ部分32の前記一端32aは、前記スロットルバルブに連結されている。前記第二ワイヤ部分32は前記スロットルバルブから横方向に延び、前記滑車34の周りに上側から下方に向かって巻き掛けられてU字形に折返し偏向され、前記他端32bは、前記第二揺動アーム部材42の前記第五連結点42bに連結されている。図3に実線で示す状態においては、前記ブレーキバンド26は、前記クラッチドラム24の前記外周壁に対して締付けられた前記制動位置にある。この状態において、前記第二ワイヤ部分32は、前記滑車34の周りに、実質的に遊びのない状態で巻き掛けられている。 【0027】図3に示す、本第二実施形態にかかる刈払機2は、以下の通り作用する。まず、前記内燃機関10の始動前に、前記ハウジング10aの外に突出している前記アイドルアップ操作用レバー41を押し下げ回転させて、前記第二揺動アーム部材42を、図3に実線で示す位置から仮想線で示す位置に時計回り方向へ移動させる。前記第二揺動アーム部材42の揺動によって、前記第二ワイヤ部分32が若干引張られ、前記スロットルバルブがアイドル状態位置から僅かに開かれる。この状態において、リコイルスタータ10bなどによって、前記内燃機関10を始動させる。引き続き、前記スロットル操作用レバー18を操作すると、前記スロットルワイヤ28を介して、前記揺動部材30が揺動され、それに伴って前記滑車34が、図3に実線で示す初期位置から仮想線で示す最大移動位置に移動する。これに応答して、前記スロットルバルブが開かれ、前記スロットル操作用レバー18を完全に握ると、前記スロットルバルブは最大開度まで完全に開かれ、最大出力となる。なお、前記パーシャルアップ操作用レバー41は、手で反対方向に操作することによって、解除することができる。 【0028】本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。前記第一実施形態および第二実施形態にかかる刈払機2の前記制動装置60は、摩擦部材が前記クラッチドラム24の前記周面の周りに設けられた前記ブレーキバンド26で構成されているが、前記摩擦部材は、前記クラッチドラム24の外面に押圧されて回転を制動し、かつ、前記揺動部材30の揺動運動によって解除可能な別の摩擦部材であってもよい。 【0029】また、前記第一実施形態および第二実施形態にかかる刈払機2においては、前記第二操作伝達経路P2に、前記第一揺動アーム部材40および前記第二揺動アーム部材42が介在されており、限られた空間の前記ハウジング10a内に収容するために、ワイヤ部材の方向を偏向することができる点で有利である。しかし、ワイヤ部材の延びる方向の偏向が必要でない場合においては、これらの部材は必須ではない。更に、前記第一実施形態および第二実施形態にかかる前記揺動部材30は、銀杏葉形をなしているが、該揺動部材30は、前記スロトッルワイヤ28および前記ブレーキバンド26の連結点を有するいかなる形状であってもよく、例えば、前記第一連結点30a、第二連結点30b、および前記滑車34を端部に有するT字形などであってもよい。 【0030】更に、前記第一実施形態においては、前記出力調整用レバー22を操作することによって、前記第二ワイヤ部分32が緊張状態、すなわち、遊びのない状態にされ、出力が最大となるように構成されている。しかし、これらは、その反対に、前記第二ワイヤ部分32を初期状態において遊びのない状態とし、前記出力調整用レバー22を操作することによって、前記第二ワイヤ部分32に遊びが設けられるようにし、最大出力を前記中間レベルとなるように構成してもよい。 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、スロットル操作用レバーによるスロットル操作と、刈刃の空転を制する制動装置の解除とが連動する刈払機において、気化器に対し、スロットル操作用レバーによるスロットル操作とは別の操作を行うことを可能とする刈払機を提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000141990 【氏名又は名称】株式会社共立 【住所又は居所】東京都青梅市末広町1丁目7番地2
|
| 【出願日】 |
平成13年12月3日(2001.12.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059959 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 稔 (外10名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−169521(P2003−169521A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月17日(2003.6.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−368569(P2001−368569) |
|