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【発明の名称】 コンバインの前処理駆動装置
【発明者】 【氏名】山崎 弘章
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】江田 秀弥
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】門脇 隆志
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】錦織 将浩
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】石橋 俊之
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】山崎 達也
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】穀稈刈取時に、コンバインの走行停止時にのみ穀稈の強制掻き込みを行ない、コンバインの後進時には、前処理部の駆動を停止させるようにしたコンバインの前処理駆動装置を提供する。

【解決手段】刈取レバスイッチ109がON(刈取作業状態)で、バックスイッチ73がON(主変速レバを後進領域側に傾動操作した状態)の条件で、T/M回転センサ111の出力が「停止」(走行用HSTの出力軸の回転が停止し、コンバインの走行が停止)の時のみ、駆動モータ92を作動させ、前処理用HSTを作動させて、前処理部における強制掻き込みを行ない、T/M回転センサ111の出力が「回転」(走行用HSTの出力軸が回転し、コンバインが後進方向に走行)の時、前処理用HSTを停止させ、前処理部(及び脱穀部のフードチェーン)を停止させる
【特許請求の範囲】
【請求項1】 動力源と、この動力源の出力をクローラ走行装置に伝達し、コンバインを走行させる走行駆動用無段変速機と、前記動力源の出力を前処理部に伝達して、穀稈の刈取りと搬送を行なわせる前処理駆動用無段変速機と、を備え、前記コンバインの走行速度と前記前処理部における穀稈の刈取り及び搬送速度とを連動するように制御するコンバインの前処理駆動装置において、前記コンバインが走行を停止しているとき、前記前処理駆動用無段変速機を駆動させる制御手段、を設けた、ことを特徴とする、コンバインの前処理駆動装置。
【請求項2】 動力源と、この動力源の出力をクローラ走行装置に伝達し、コンバインを走行させる走行駆動用無段変速機と、前記動力源の出力を前処理部に伝達して、穀稈の刈取りと搬送を行なわせる前処理駆動用無段変速機と、を備え、前記コンバインの走行速度と前記前処理部における穀稈の刈取り及び搬送速度とを連動するように制御するコンバインの前処理駆動装置において、前記走行駆動用無段変速機の回転を検知するセンサと、コンバインの主変速レバーのニュートラルゾーンに配置され、主変速レバーのバック側への操作を検知するバックスイッチと、前記センサがコンバインの走行停止状態を検知した状態で、かつバックスイッチがONの場合、前記前処理駆動用無段変速機を駆動させる制御手段と、を設けた、ことを特徴とする、コンバインの前処理駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの前処理駆動装置に係り、特に、刈取り作業中にコンバインを停止させたとき、前処理部の掻き込み装置にある穀稈をこぎ深さ搬送装置まで搬送する強制掻き込みを可能にしたコンバインの前処理駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、前処理部及び脱穀部は、コンバインの走行(前進、後進)に連動して駆動されるようになっている。従って、コンバインを停止させると、前処理部や脱穀部も停止する。このため、刈取り作業中にコンバインを停止させると、前処理部や脱穀部も、刈取られた穀稈が残った状態で停止することになる。
【0003】枕地では、前処理部を上げながら穀稈の刈取りを行なうため、前処理部の掻き込み装置における穀稈の保持が不安定になることがあり、コンバインの停止時における稈こぼれの原因の一つになっている。
【0004】このため、刈取り作業中のコンバインを停止させたとき、掻き込み装置にある穀稈を、穀稈の保持が安定する扱ぎ深さ搬送装置まで強制的に搬送する強制掻き込みが行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、圃場の回り刈り等において、そのコーナー部のようにコンバインの前進と後進を繰り返して刈取りを行なう部分では、後進時にもコンバインから稈が排出され、未刈取りの穀稈列の近くに排稈が堆積することがある。すると、コンバインを前進させて穀稈列の刈り取りを行なう際に、デバイダを堆積した排稈の中を通して穀稈列に侵入させるようになるため、前処理部に排稈が引っ掛り、刈取り作業のトラブル(刈取り不良、詰まり等)の原因になる。
【0006】上記の事情に鑑み、本発明は、刈取作業中におけるコンバインの走行停止時にのみ穀稈の強制掻き込みを行ない、コンバインの後進時には、前処理部の駆動を停止させるようにした、コンバインの前処理駆動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、動力源(13)と、この動力源(13)の出力をクローラ走行装置(11、11)に伝達し、コンバイン(10)を走行させる走行駆動用無段変速機(77)と、前記動力源(13)の出力を前処理部(16)に伝達して、穀稈の刈取りと搬送を行なわせる前処理駆動用無段変速機(90)と、を備え、前記コンバイン(10)の走行速度と前記前処理部(16)における穀稈の刈取り及び搬送速度とを連動するように制御するコンバイン(10)の前処理駆動装置において、前記コンバイン(10)が走行を停止しているとき、前記前処理駆動用無段変速機(90)を駆動させる制御手段(101)、を設けた、ことを特徴とする、コンバインの前処理駆動装置にある。
【0008】また、請求項2に係る発明は、動力源(13)と、この動力源(13)の出力をクローラ走行装置(11、11)に伝達し、コンバイン(10)を走行させる走行駆動用無段変速機(77)と、前記動力源(13)の出力を前処理部(16)に伝達して、穀稈の刈取りと搬送を行なわせる前処理駆動用無段変速機(90)と、を備え、前記コンバイン(10)の走行速度と前記前処理部(16)における穀稈の刈取り及び搬送速度とを連動するように制御するコンバイン(10)の前処理駆動装置において、前記走行駆動用無段変速機の回転を検知するセンサ(111)と、コンバイン(10)の主変速レバ(60)のニュートラルゾーンに配置され、主変速レバ(60)のバック側への操作を検知するバックスイッチ(73)と、前記センサ(111)がコンバイン(10)の走行停止状態を検知した状態で、かつバックスイッチ(73)がONの場合、前記前処理駆動用無段変速機(90)を駆動させる制御手段(101)と、を設けた、ことを特徴とする、コンバインの前処理駆動装置にある。
【0009】なお、括弧内の符号等は、図面において対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図7は本発明の実施の形態を示すもので、図1は、本発明を適用するコンバインの側断面図、図2は、図1におけるコンバインの運転席の運転操作部を示す斜視図、図3は、図2における主変速レバの操作経路を案内するレバガイドの平面図、図4は、図3における主変速レバの操作状態を示すもので、(a)は、図3のV矢視図、(b)は、その側面図、図5は、図1に示すコンバインの駆動系統図、図6は、図1に示すコンバインの制御系統図、図7は、本発明による前処理駆動装置の制御手順を示すプログラムフローチャートである。
【0011】図1において、コンバイン10は、左右一対のクローラ走行装置11、11により支持された機体12を有している。この機体12の前部(図1の左側)の左右いずれか一側には、エンジン13が搭載されている。このエンジン13の上方には、運転席15が配置されている。
【0012】また、前記機体12の前方(図1の左側)には、穀稈を刈取り搬送する前処理部16が昇降自在に支持されている。さらに、前記機体12の前部の左右いずれか他側には、刈取られた穀稈を脱穀し、脱穀した穀粒を選別する脱穀部45が配置されている。
【0013】そして、前記クローラ走行装置11、11、前処理部16及び脱穀部45は、前記エンジン13により駆動され、コンバイン10の走行と、穀稈の刈取り、脱穀作業が行なわれる。
【0014】前記前処理部16は、倒伏した穀稈を引起す引起し装置26と、切断された穀稈を掻き込む掻き込み装置31と、刈取られた穀稈を前記脱穀部45へ向けて搬送すると共に、穀稈の位置を調整するこぎ深さ搬送装置36を備え、その作動基端側を機体12の前方に配置された伝動軸ケース17に回転可能に支持されている。
【0015】この伝動軸ケース17から機体12に対し、機体12の前方斜め下方に向けて延出された伝動ケース19は、その長手方向の中間位置に配置された油圧シリンダ20の伸縮により、伝動軸ケース17を中心として揺動する。前記伝動軸ケース17には、伝動ケース19の回動量を検出するリフトポテンショメータ21が設けられている。
【0016】また、前記伝動ケース19の下方には、機体12の左右方向(図1の紙面前後方向)に亘って延設され、かつ該伝動ケース19と略T字状に直交する伝動軸筒22が一体的に連結されている。この伝動軸筒22には、機体12の前方に向かって延びる前処理フレーム23を介して、未刈り穀稈を分草して引起し通路に導く複数個のデバイダ25が一体的に連結されている。
【0017】また、左右両端のデバイダ25の下方には、コンバイン10の自動走行を可能とする方向センサ(図示せず)を有している。前記デバイダ25の後方には、分草された穀稈を引起す前記引起し装置26が、前処理部16の前方から後方に向けて上昇する傾斜状に設けられている。
【0018】前記引起し装置26は、爪付チェーン27と引起しケース29を有し、爪付チェーン27には所定の間隔で複数本の爪が取付けられ、これらの爪が引起しケース29内を上方に回動して穀稈をすき上げる。この爪付チェーン27は、後述する駆動系により駆動される。
【0019】前記引起し装置26の後方で、かつ伝動軸筒22の前方下部には、地面に近い位置で穀稈の株元を切断する刈刃30が設けられている。この刈刃30により切断された穀稈は、掻き込み装置31によって掻き込まれて後方に移送される。
【0020】前記掻き込み装置31は、搬送ベルト32と株元搬送スターホイル33、株元搬送チェーン35等を有している。前記刈刃30によって刈取られた穀稈は、搬送ベルト32と株元搬送スターホイル33によって掻き込まれて各々の通路に寄せられる。そして、株元搬送チェーン35によって挟持され、掻き込み装置31の後方に配置された前記こぎ深さ搬送装置36に引き継がれる。
【0021】前記こぎ深さ搬送装置36は、こぎ深さ調整が可能なように、その後部が前記伝動軸ケース17を中心として回動可能に支持されていて、穀稈の穂先側を搬送する穂先搬送チェーン37と株元側を搬送する株元搬送チェーン39を備えている。
【0022】これら穂先搬送チェーン37と株元搬送チェーン39は、前述した後部を支点に一体となって上下(図の矢印方向)動自在とされいる。また、その始端側は、前記掻き込み装置31の株元搬送チェーン35の搬送方向終端側の上方に延設されている。
【0023】前記こぎ深さ搬送装置36に付設されたUパイプ部40には、搬送途中の穀稈の有無を検出する第1の検出手段としてのこぎ深さメインセンサ41が配設されている。このこぎ深さメインセンサ41は、例えば、オン、オフスイッチが用いられ、搬送途中の穀稈の有無を検出する。
【0024】また、前記Uパイプ部40には、第2の検出手段としての株元センサ42と、穂先センサ43からなる株元・穂先センサが取り付けられている。この株元・穂先センサを構成する株元センサ42と穂先センサ43は、それぞれON、OFFスイッチを用いることができる。この株元・穂先センサは、前記掻き込み装置31からこぎ深さ搬送装置36に引き継がれた穀稈の穂先の位置を検出する。
【0025】前記脱穀部45には、フィードチェーン46と、このフィードチェーン46に略平行してこぎ室47が設けられていて、該こぎ室47内には機体12の前後方向に沿う回転軸を中心としてこぎ胴49が回転自在に配置されている。このこぎ胴49の下方には、脱穀された穀粒を漏下する受網50が設けられていて、該受網50の下方には、揺動選別部51が前後揺動可能に配設されている。
【0026】そして、こぎ胴49により脱穀された稈枝混じりの穀粒は、揺動選別部51の揺動作用と唐箕52及び吸引ファン53から発生される選別風とにより選別され穀粒だけが残される。揺動選別部51にて選別された穀粒は、下方に配置された1番樋55又は2番樋56に落下収容される。
【0027】なお、こぎ室47内でこぎ胴49により脱穀された後の稈は、フィードチェーン46から機体12の後部に設けられた排稈チェーン57に引き継がれてコンバイン10から排出される。
【0028】前記運転席15の運転操作部には、図2に示すように、メインスイッチ(キースイッチ)59と、主変速レバ60、マルチステアリングレバ61、刈取レバ62等の操作レバ類と、コンバイン10の操作状態を表示する計器パネル63が配置されている。
【0029】前記主変速レバ60の操作経路は、図3に示すように、レバガイド65に形成されたクランク状のガイド穴66によって案内されている。このガイド穴66は、コンバイン10を前進させるF領域と、コンバイン10を後進させるR領域と、コンバイン10の走行を停止させるN領域(ニュートラルゾーン)とからなり、このN領域を介して前記F領域とR領域が接続されている。
【0030】また、図4に示すように、回動支点軸67により前記機体12の前後方向に揺動自在に支持された下部レバ69の一端には、軸心が前記回動支点軸67の軸心と直交する方向になるように筒部材70が固定されている。この筒部材70に、該筒部材70の軸心を中心として前記機体12の左右方向に回転自在に嵌合する軸部材71を備えたブラケット72に、前記主変速レバ60の一端が固定されている。
【0031】従って、主変速レバ60は、前記N領域において筒部材70を中心として、FからRの間を揺動可能であり、F領域及びR領域において回動支点軸67を中心としてその前後方向に揺動可能となっている。
【0032】前記ブラケット72には、下部レバ69と対向するようにバックスイッチ73が配置されている。そして、このバックスイッチ73は、前記主変速レバ60をR領域側(バック側)への傾動操作したとき、接触子73aが下部レバ69に当接して主変速レバ60のR領域側への操作を検知する。そして、主変速レバ60がR領域側に操作されている間、即ち、主変速レバ60がR領域にある間バックスイッチ73は、主変速レバ60がR領域側にあることを検知している。
【0033】前記下部レバ69には、この下部レバ69と後述する走行用HSTとを連結する操作部材75が接続されている。
【0034】前記エンジン13を動力源とするコンバイン10の駆動系統は、図5に示すように構成されている。同図において、コンバイン10の走行駆動系を構成するトランスミッション76(T/M)には、主変速機を構成する走行駆動用無段変速機77(以下、走行用HSTという)と、副変速機79及び歯車列80が配置され、クローラ走行装置11、11を駆動する。
【0035】エンジン13(E/G)から走行用HST77へは、エンジン13の出力軸13aに固定されたプーリ13bと、走行用HST77の入力軸77aに固定されたプーリ77bの間に掛け渡されたベルト81で動力の伝達が行なわれる。なお、走行用HST77の回転は、出力軸77cに固定された歯車77dを介して副変速機79に伝達される。
【0036】駆動軸82は、コンバイン10の所定の位置に回転可能に支持されている。エンジン13から駆動軸82へは、エンジン13の出力軸13aに固定されたプーリ13cと、駆動軸82に固定されたプーリ82aの間に掛け渡されたベルト83で動力の伝達が行なわれる。なお、ベルト83には、作業機クラッチ85(テンションクラッチ)が配置されている。
【0037】中間軸86は、コンバイン10の所定の位置に回転可能に支持されている。駆動軸82から中間軸86へは、駆動軸82の一端に固定された傘歯車82bと、この傘歯車82bと噛み合うように中間軸86に固定された傘歯車86aで動力の伝達が行なわれる。
【0038】中間軸86からこぎ胴49へは、中間軸86の一端に固定されたプーリ86bと、こぎ胴49の入力軸49aの一端に固定されたプーリ49bの間に掛け渡されたベルト87で動力の伝達が行なわれる。従って、こぎ胴49は、作業クラッチ85がONの状態にあるときには、常に回転している。
【0039】前処理用変速機89は、前処理駆動用無段変速機90(以下、前処理用HSTという)を備えている。駆動軸82から前処理用HST90へは、駆動軸82に固定されたプーリ82cと、前処理用HST90の入力軸90aに固定されたプーリ90bの間に掛け渡されたベルト91によって動力の伝達が行なわれる。なお、前処理用HST90は、駆動モータ92を備え、該駆動モータ92によりその回転速度が制御される。
【0040】前記前処理用HST90は、前処理用変速機89の出力軸89cを、前記走行用HST77の回転に比例して回転させるT/M比例モードと、前記エンジン13の回転速度に比例して回転させるE/G比例モードで回転して、前記前処理部16及び脱穀部45のフィードチェーン46を駆動する。
【0041】前処理駆動軸93は、コンバイン10の所定の位置に回転可能に支持されている。前処理用変速機89から前処理駆動軸93へは、前処理用変速機89の出力軸89cに固定されたプーリ89dと、前処理駆動軸93に固定されたプーリ93aの間に掛け渡されたベルト95によって動力の伝達が行なわれる。
【0042】なお、ベルト95には、刈取りクラッチ96(テンションクラッチ)が配置され、脱穀部45の駆動中に前処理部16を停止させ、手こぎ作業を可能にするよう構成されている。
【0043】前記前処理駆動軸93からこぎ深さ搬送装置36へは、傘歯車93bと、この傘歯車93bと噛み合う傘歯車37aにより動力の伝達が行なわれ、穂先搬送チェーン37及び株元搬送チェーン39を駆動する。
【0044】伝動軸97は、コンバイン10の所定の位置に回転可能に支持されている。前記前処理駆動軸93から伝動軸97へは、前処理駆動軸93に固定された傘歯車93cと、この傘歯車93cと噛み合うように伝動軸97に固定された傘歯車97aにより動力の伝達が行なわれる。
【0045】この伝動軸97は、刈刃30を駆動すると共に、伝動軸97に固定された歯車97bと噛み合う歯車32a、この歯車32aと噛み合う歯車32bを介して掻き込み装置31の搬送ベルト32を駆動する。
【0046】駆動軸99は、コンバイン10の所定の位置に回転可能に支持されている。前記前処理用変速機89の出力軸89cから駆動軸99へは、出力軸89cに固定された歯車89eと噛み合う歯車89fに一体に固着されたスプロケット89gと、駆動軸99に固定されたスプロケット99aとの間に掛け渡されたチェーン100により動力の伝達が行なわれる。そして、駆動軸99に固定されたスプロケット99bにより、フィードチェーン46が駆動される。
【0047】コンバイン10の制御手段は、図6に示すように構成されている。同図において、制御手段101は、入力インターフェース102と、マイコン103及び出力インターフェース105を備え、コンバイン10のメインスイッチ59に接続されている。
【0048】前記入力インターフェース102には、リフトポテンショメータ21、リフト上昇スイッチ106、作業機レバスイッチ107、刈取レバスイッチ109、こぎ深さメインセンサ41、リフトシャットスイッチ110、バックスイッチ73、T/M(トランスミッション)回転センサ111、HST回転センサ112、エンジン回転センサ113等が接続されている。
【0049】前記リフト上昇スイッチ106は、操作パネル(図示せず)に配置され、前処理部16を上昇させる。このリフト上昇スイッチ106は、ONすることにより前処理部16を上昇させる。また、リフト上昇スイッチ106を連続してONさせることにより、前処理部16が連続して上昇する。
【0050】前記作業機レバスイッチ107は、作業クラッチレバー(図示せず)に設けられ、コンバイン10の走行と、前処理部16及び脱穀部45の駆動を、連動もしくは切離しする作業機クラッチ85の切り替えを行なう。
【0051】前記刈取レバスイッチ109は、刈取レバ62に設けられ、前処理部16と脱穀部45の駆動を、連動もしくは切離しする刈取クラッチ96の切り替えを行なう。
【0052】バックスイッチ73は、走行用HST77の主変速レバ60に配置され、主変速レバ60がR領域側(バック側)に操作されたことを検知する。
【0053】T/M回転センサ111は、走行用HST77の出力軸77cに設けられ、その回転速度をコンバイン10の走行速度として検出する。
【0054】HST回転センサ112は、前処理用HST90の出力軸に設けられ、その回転速度を前処理部16における穀稈の搬送速度として検出する。
【0055】エンジン回転センサ113は、オルタネータのパルスをカウントし、エンジン13の回転速度を検出するようになっている。
【0056】また、出力インターフェース105には、ホーン115、手こぎランプ116、前処理用HST90の駆動モータ92、E/Gストップソレノイド117が接続されている。
【0057】このような構成のコンバイン10は、コンバイン10を圃場に入れた後、その走行方向を穀稈の配列方向に向けて前進させる。すると、デバイダ25が穀稈の配列内に分け入り、爪付チェーン27で穀稈を引起す。刈刃30で穀稈を切断(刈取り)する。
【0058】刈取られた穀稈は、搬送ベルト32で搬送され、こぎ深さ搬送装置36に渡される。こぎ深さ搬送装置36で、フィードチェーン46に向けて搬送される間に、搬送される穀稈は、こぎ深さメインセンサ41で検出されると共に、株元センサ42と穂先センサ43で穀稈の穂先の位置が検出される。そして、その検出結果に基づいて、穀稈の穂先が株元センサ42と穂先センサ43の間に位置するように、こぎ深さ搬送装置36により、穀稈の位置が調整される。
【0059】こぎ深さ搬送装置36の終端まで搬送された穀稈は、フィードチェーン46に受け渡される。フィードチェーン46に渡された穀稈は、その穂先がこぎ室47内を通過するように搬送され、こぎ胴49との接触により脱穀される。フィードチェーン46の終端まで搬送された稈は、排稈チェーン57に受け渡され、排稈チェーン57でコンバイン10の外へ排出される。
【0060】穀稈から脱穀された穀粒は、受網50上に落下し、さらに受網50を通り揺動選別部51上に集められる。そして、揺動選別部51の揺動作用と、唐箕52及び吸引ファン53により発生される選別風により、稈枝と分離される。揺動選別部51にて選別された穀粒は、下方に配置された1番樋55又は2番樋56に落下収容される。
【0061】このようなコンバイン10の制御手段101における前処理駆動装置の制御について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0062】刈取レバ62の操作状態を刈取レバスイッチ109で判定する(図7のステップS1、以下、単にステップS○という)。
【0063】ステップS1で、刈取レバスイッチ109がONの場合、即ち、前処理部16を作動させ刈取り、搬送を行なっている場合、バックスイッチ73の操作状態を判定する(ステップS2)。
【0064】ステップS2で、バックスイッチ73がONの場合、即ち、前処理部16による刈取、搬送を行なっていて、主変速レバ60がレバーガイド65のガイド穴66のR領域側(バック側)に傾動操作されている場合、T/M回転センサ111の出力を判定する(ステップS3)。
【0065】ステップS3で、T/M回転センサ111の出力が「停止」(走行用HST77の出力軸77cの回転が停止)の場合、即ち、刈取作業を行っているときに、コンバイン10が走行を停止し、主変速レバ60をR領域側へ傾動操作している場合、駆動モータ92を作動させて、前処理用HST90を駆動して、前処理部16(掻き込み装置31)における強制掻き込みを行なう(ステップS4)。
【0066】この強制掻き込みは、コンバイン10が走行を停止したとき、刈刃30で刈取られ掻き込み装置31内に送り込まれた穀稈を、こぎ深さ搬送装置36に送り込むのに必要な時間だけ行なえばよい。
【0067】主変速レバ60をN領域のR位置からN位置もしくはF位置側へ傾動操作すると、バックスイッチ73の接触子73aが下部レバ69から離れ、バックスイッチ73はOFFになる。
【0068】すると、前記ステップS2で、バックスイッチ73がOFFになり、即ち、刈取レバスイッチ109がON(刈取作業状態)で、主変速レバ60がN位置(コンバイン10が停止)もしくはF領域(コンバイン10が前進走行)にある場合、前処理部16を通常の制御(車速連動制御)を行なう(ステップS6)。
【0069】このとき、コンバイン10が前進していれば、前処理部16はコンバイン10の走行速度に比例した速度で駆動される。また、前処理部16は、コンバイン10が停止していれば、その駆動も停止させられる。
【0070】前記ステップS1で、刈取レバスイッチ109がOFFの場合、即ち、前処理部16が駆動されておらず、刈取作業を行っていない場合、前処理用HST90を停止させる(ステップS5)。
【0071】前記ステップS3で、T/M回転センサ111の出力が「回転」(走行用HST77の出力軸77cが回転)の場合、即ち、刈取レバスイッチ109がON(刈取作業状態)で、バックスイッチ73がON(主操作レバ60がR領域にあり、コンバイン10が停止もしくは後進)で、走行用HST77の出力軸77cが回転(即ち、コンバイン10が後進)している場合、前記ステップS5に移行して、前処理用HST90を停止させ、前処理部16における穀稈の刈り取り、搬送を停止させる。
【0072】上記のように、本実施の形態によれば、刈取レバスイッチ109がON(刈取作業状態)で、バックスイッチ73がON(主変速レバ60をR領域側に傾動操作した状態)の条件で、T/M回転センサ111の出力が「停止」(走行用HST77の出力軸77cの回転が停止し、コンバイン10の走行が停止)の時のみ、前処理部16における強制掻き込みを行ない、T/M回転センサ111の出力が「回転」(走行用HST77の出力軸77cが回転し、コンバイン10が後進方向に走行)の時、前処理用HST90を停止させ、前処理部16(及び脱穀部45のフードチェーン46)を停止させるようにしているので、コンバイン10が後進方向に走行するときには、コンバイン10から稈が排出されることはない。
【0073】従って、排稈の堆積による刈取作業のトラブルを防止することができる。また、主変速レバ60の操作のみにより強制掻き込みを行なうことができるので、操作が容易であり、その構成も簡素化することができる。
【0074】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1によれば、コンバインが停止した状態で前処理部を駆動するようにしたので、枕地等でのコンバインの走行停止時にも、刈取った穀稈を確実に搬送することが出来る。
【0075】また、請求項2によれば、コンバインの後進時には、前処理部が停止しているので、稈の排出をなくし、圃場の回り刈りにおけるコーナー部で排稈が前処理部に引っ掛るなどのトラブルを無くすことが出来る。また、主変速レバーの操作のみでコンバイン停止時における前処理部の駆動を行なうことが出来、操作が容易になる。また、構成を簡素化することが出来る。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成13年11月29日(2001.11.29)
【代理人】 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫 (外1名)
【公開番号】 特開2003−164214(P2003−164214A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−365206(P2001−365206)