| 【発明の名称】 |
コンバインの穀稈搬送装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山崎 弘章 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
【氏名】江田 秀弥 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
【氏名】門脇 隆志 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
【氏名】錦織 将浩 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
【氏名】石橋 俊之 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
【氏名】山崎 達也 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】コンバインが走行を停止していても、こぎ深さ搬送装置が作動している間はこぎ深さ制御が可能なコンバインの穀稈搬送装置を提供する。
【解決手段】こぎ深さ搬送装置36(株元チェーン39、穂先チェーン37)が作動しているとき、その作動を搬送回転センサ95で検出し、こぎ深さ搬送装置36におけるこぎ深さ制御を行なう。即ち、コンバインの走行が停止(走行用HST60の出力軸の回転が停止)していても、搬送回転センサ95がこぎ深さ搬送装置36の搬送回転を検出している間、こぎ深さ搬送装置36が搬送回転していることを条件として、こぎ深さ制御を行なうようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取った穀稈を脱穀部へ搬送する前処理搬送部で、前記脱穀部のこぎ胴に対する穀稈の穂先の通過位置を制御して、こぎ深さ制御を行なうこぎ深さ制御装置を有するコンバインの穀稈搬送装置において、前記前処理搬送部の搬送回転を検知する搬送回転センサを設け、前記こぎ深さ制御装置を、前記搬送回転センサが前記前処理搬送部の搬送回転を検知している状態であることを条件として、前記前処理搬送部におけるこぎ深さ制御を行なうように構成した、ことを特徴とする、コンバインの穀稈搬送装置。 【請求項2】 前記こぎ深さ制御装置を、前記搬送回転センサで検出した前処理搬送部の搬送速度をパラメータとして、こぎ深さ制御の作動時間を制御するように構成した、ことを特徴とする、請求項1記載のコンバインの穀稈搬送装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの前処理部における穀稈搬送装置に係り、特に、コンバインの走行停止時にも穀稈のこぎ深さ制御が行なえるようにしたコンバインの穀稈搬送装置に関する。 【0002】 【従来の技術】通常、コンバインの前処理部の作動は、コンバインに走行速度に連動するように構成されている。従って、コンバインの走行が停止すると、前処理部も作動を停止されるようになっている。 【0003】即ち、コンバインが停止すると、コンバインの前処理部を構成する引起し装置、刈刃、掻き込み装置、こぎ深さ搬送装置や、このこぎ深さ搬送装置において行なわれるこぎ深さ制御も全て、停止するようになっている。 【0004】このようなコンバインにおいても、コンバインの走行停止時に、穀稈の保持が不安定な掻き込み装置と、穀稈の保持が安定するこぎ深さ搬送装置とを駆動させ、掻き込み装置内にある穀稈をこぎ深さ搬送装置へ搬送して、穀稈のこぼれを防止する強制掻き込みや、こぎ深さ搬送装置内の穀稈をフィードチェーンを通し、排稈チェーンから機外に排出するように搬送させることがある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このような強制掻き込みや搬送時には、コンバインの走行が停止しているため、掻き込み装置とこぎ深さ搬送装置を作動させても、コンバインの走行に連動しているこぎ深さ制御が行なわれていないので、脱穀部に送り込まれる穀稈の穂先位置の制御ができない。 【0006】上記の事情に鑑み、本発明は、コンバインの走行を停止させても、前処理搬送部が作動している間は、こぎ深さ制御を行なうことが出来るようにしたコンバインの穀稈搬送装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、刈取った穀稈を脱穀部(45)へ搬送する前処理搬送部(36)で、前記脱穀部(45)のこぎ胴(49)に対する穀稈の穂先の通過位置を制御して、こぎ深さ制御を行なうこぎ深さ制御装置を有するコンバインの穀稈搬送装置において、前記前処理搬送部(36)の搬送回転を検知する搬送回転センサ(95)を設け、前記こぎ深さ制御装置を、前記搬送回転センサ(95)が前記前処理搬送部(36)の搬送回転を検知している状態であることを条件として、前記前処理搬送部(36)におけるこぎ深さ制御を行なうように構成した、ことを特徴とする、コンバインの穀稈搬送装置にある。 【0008】また、請求項2に係る本発明は、前記こぎ深さ制御装置を、前記搬送回転センサ(95)で検出した前処理搬送部(36)の搬送速度をパラメータとして、こぎ深さ制御の作動時間を制御するように構成した、ことを特徴とする、請求項1記載のコンバインの穀稈搬送装置にある。 【0009】なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明を実施するコンバインの断側面図、図2は、図1に示すコンバインの駆動系統図、図3は、図1におけるコンバインの制御系統図、図4は、バックスイッチの配置形態を示す平面図、図5は、コンバインの走行速度と前処理部及び脱穀部の搬送速度の関係を示す特性図、図6は、前処理部の制御の過程を示すフローチャート、図7は、こぎ深さ搬送装置の制御過程を示すフローチャートである。 【0011】図1において、コンバイン10は、左右一対のクローラ走行装置11、11により支持された機体12を有している。この機体12の前部(図1の左側)の左右いずれか一側には、エンジン13が搭載されている。このエンジン13の上方には、運転席15が配置されている。 【0012】また、前記機体12の前方(図1の左側)には、穀稈を刈取る前処理部16が昇降自在に支持されている。さらに、前記機体12の前部の左右いずれか他側には、刈取られた穀稈を脱穀し、かつ脱穀した穀粒を選別する脱穀部45が配置されている。 【0013】そして、前記クローラ走行装置11、11、前処理部16及び脱穀部45は、前記エンジン13により駆動され、コンバイン10の走行と、穀稈の刈取り、脱穀作業が行なわれる。 【0014】前記前処理部16は、倒伏した穀稈を引起す引起し装置26と、切断された穀稈を掻き込む掻き込み装置31と、刈り取られた穀稈を前記脱穀部45へ向けて搬送すると共に、穀稈の位置を調整するこぎ深さ搬送装置36を備え、その作動基端側を機体12の前方に配置された伝動軸ケース17に回転可能に支持されている。 【0015】この伝動軸ケース17から機体12に対し、機体12の前方斜め下方に向けて延出された伝動ケース19は、その長手方向の中間位置に配置された油圧シリンダ20の伸縮により、伝動軸ケース17を中心として揺動する。前記伝動軸ケース17には、伝動ケース19の回動量を前処理部16の上昇量として検出するリフトポテンショメータ21が設けられている。 【0016】また、前記伝動ケース19の下方には、機体12の左右方向(図1の紙面前後方向)に亘って延設され、かつ該伝動ケース19と略T字状に直交する伝動軸筒22が一体的に連結されている。この伝動軸筒22には、機体12の前方(図1の左側)に向かって延びる前処理フレーム23を介して、未刈り穀稈を分草して引起し通路に導く複数個のデバイダ25が所定の間隔で一体的に連結されている。 【0017】また、左右両端のデバイダ25の下方には、コンバイン10の自動走行を可能とする方向センサ(図示せず)を有している。前記デバイダ25の後方には、分草された穀稈を引起こす前記引起し装置26が、前処理部16の前方(図1の左側)から後方(図1の右側)に向けて上昇する傾斜状に設けられている。 【0018】この引起し装置26は、爪付チェーン27と引起しケース29を有し、爪付チェーン27には所定の間隔で複数本の爪が取付けられ、これらの爪が引起しケース29内を上方に向けて回動して穀稈をすき上げる。 【0019】前記引起し装置26の後方で、かつ伝動軸筒22の前方下部には、地面に近接して穀稈の株元を切断する刈刃30が設けられている。この刈刃30により切断された穀稈は、掻き込み装置31によって掻き込まれて後方(図1の右側)に移送される。 【0020】前記掻き込み装置31は、搬送ベルト32と株元搬送スターホイル33、株元搬送チェーン35等を有し、前記刈刃30によって刈取られた穀稈は、搬送ベルト32と株元搬送スターホイル33によって掻き込まれて各々の通路に寄せられ、株元搬送チェーン35によって挟持され、掻き込み装置31の後方に配置された前記こぎ深さ搬送装置36に引き継がれる。 【0021】前記こぎ深さ搬送装置36は、こぎ深さ調整が可能なように、その後部が前記伝動軸ケース17を中心として上下方向(図の矢印方向)に揺動自在に支持されていて、その始端側は、前記掻き込み装置31の株元搬送チェーン35の搬送方向終端側の上方に延設されている。 【0022】このこぎ深さ搬送装置36は、穀稈の穂先側を搬送する穂先搬送チェーン37と、株元側を搬送する株元搬送チェーン39を備え、これら穂先搬送チェーン37と株元搬送チェーン39は、所定の間隔で一体に結合されている。 【0023】前記こぎ深さ搬送装置36に付設されたUパイプ部40には、搬送途中の穀稈の有無を検出する第1の検出手段としてのメインセンサ41が配設されている。このメインセンサ41は、例えば、オン、オフスイッチが用いられ、搬送途中の穀稈の有無を検出する。 【0024】また、前記Uパイプ部40には、第2の検出手段としての株元センサ42と、穂先センサ43からなる株元・穂先センサが配設されている。この株元・穂先センサは、例えば、オン、オフスイッチが用いられ、搬送途中の穀稈の穂先の位置を検出する。 【0025】前記脱穀部45には、フィードチェーン46と、このフィードチェーン46に略平行してこぎ室47が設けられていて、該こぎ室47内には機体12の前後方向に沿う回転軸を中心としてこぎ胴49が回転自在に配置されている。このこぎ胴49の下方には、脱穀された穀粒を漏下する受網50が設けられている。 【0026】該受網50の下方には、揺動選別部51が前後揺動可能に配設されている。この揺動選別部51の前後には、唐箕52と吸引ファン53が配置されている。また、前記揺動選別部51の下方には、1番樋55及び2番樋56が配設される。 【0027】そして、穀稈から脱穀された稈枝混じりの穀粒は、揺動選別部51の揺動作用と唐箕52及び吸引ファン53から発生される選別風とにより選別され、穀粒のみが残される。揺動選別部51にて選別された穀粒は、下方に配置された1番樋55又は2番樋56に落下収容される。 【0028】なお、こぎ室47内でこぎ胴49により脱穀された後の稈は、フィードチェーン46から機体12後部に設けられた排稈チェーン57に引き継がれてコンバイン10から排出される。 【0029】前記エンジン13を動力源とするコンバイン10の駆動系統は、図2に示すように構成されている。コンバイン10の走行駆動系を構成するトランスミッション59(T/M)には、走行駆動用無段変速機(主変速機)を構成する走行用HST60と、副変速機61及び歯車列62が配置され、クローラ走行装置11を駆動する。 【0030】エンジン13(E/G)から走行用HST60へは、エンジン13の出力軸13aに固定されたプーリ13bと、走行用HST60の入力軸60aに固定されたプーリ60bの間に掛け渡されたベルト63で動力の伝達が行なわれる。 【0031】駆動軸65は、コンバイン10の所定の位置に回転可能に支持されている。エンジン13から駆動軸65へは、エンジン13の出力軸13aに固定されたプーリ13cと、駆動軸65に固定されたプーリ65aの間に掛け渡されたベルト66で動力の伝達が行なわれる。なお、ベルト66には、作業機クラッチ67(テンションクラッチ)が配置されている。 【0032】中間軸69は、コンバイン10の所定の位置に回転可能に支持されている。駆動軸65から中間軸69へは、駆動軸65の一端に固定された傘歯車65bと、この傘歯車65bと噛み合うように中間軸69に固定された傘歯車69aで動力の伝達が行なわれる。 【0033】中間軸69からこぎ胴49へは、中間軸69の一端に固定されたプーリ69bと、こぎ胴49の入力軸49aの一端に固定されたプーリ49bの間に掛け渡されたベルト70で動力の伝達が行なわれる。 【0034】前処理用変速機71は、前処理駆動用無段変速機を構成する前処理用HST72を備えている。駆動軸65から前処理用HST72へは、駆動軸65に固定されたプーリ65cと、前処理用HST72の入力軸72aに固定されたプーリ72bの間に掛け渡されたベルト73によって動力の伝達が行なわれる。なお、前処理用HST72は、駆動モータ75を備えている。 【0035】前処理駆動軸76は、コンバイン10の所定の位置に回転可能に支持されている。前処理用変速機71から前処理駆動軸76へは、前処理用変速機71の出力軸71cに固定されたプーリ71dと、前処理駆動軸76に固定されたプーリ76aの間に掛け渡されたベルト77によって動力の伝達が行なわれる。 【0036】なお、ベルト77には、刈取りクラッチ79(テンションクラッチ)が配置され、脱穀部45の駆動中に前処理部16を停止させ、手こぎ作業を可能にするよう構成されている。 【0037】前記前処理駆動軸76は、傘歯車76bと、この傘歯車76bと噛み合うように前記株元搬送チェーン39の入力軸39aに固定された傘歯車39bを介して、前記株元搬送チェーン39及び穂先搬送チェーン37を駆動する。 【0038】伝動軸80は、コンバイン10の所定の位置に回転可能に支持されている。前記前処理駆動軸76から伝動軸80へは、前処理駆動軸76に固定された傘歯車76cと、この傘歯車76cと噛み合うように伝動軸80に固定された傘歯車80aにより動力の伝達が行なわれる。 【0039】この伝動軸80は、前記刈刃30を駆動すると共に、伝動軸80に固定された歯車80bと噛み合う歯車32a、この歯車32aと噛み合う歯車32bを介して前記掻き込み装置31の搬送ベルト32を駆動する。 【0040】駆動軸81は、コンバイン10の所定の位置に回転可能に支持されている。前記前処理用変速機71の出力軸71cから駆動軸81へは、出力軸71cに固定された歯車71eと噛み合う歯車71fに一体に固着されたスプロケット71gと、駆動軸81に固定されたスプロケット81aとの間に掛け渡されたチェーン82で動力の伝達が行なわれる。そして、駆動軸81に固定されたスプロケット81bにより、前記フィードチェーン46が駆動される。 【0041】コンバイン10の制御装置は、図3に示すように構成されている。即ち、制御装置85は、入力インターフェース86と、マイコン87及び出力インターフェース89を備え、コンバイン10のメインスイッチ90に接続されている。 【0042】前記入力インターフェース86には、リフトポテンショメータ21、リフト上昇スイッチ91、作業機クラッチスイッチ92、刈取りクラッチスイッチ93、こぎ深さメインセンサ41、リフトシャットスイッチ94、搬送回転センサ95、バックスイッチ96、T/M回転センサ97、HST回転センサ98、エンジン回転センサ99等が接続されている。 【0043】前記リフト上昇スイッチ91は、操作パネル(図示せず)に配置され、前処理部16を上昇させる。 【0044】前記作業機クラッチスイッチ92は、作業クラッチレバー(図示せず)に設けられ、コンバイン10の走行と、前処理部16及び脱穀部45の駆動を連動もしくは切離しする作業機クラッチ67の切り替えを行なう。 【0045】前記刈取りクラッチスイッチ93は、刈取りクラッチレバー(図示せず)に設けられ、前処理部16と脱穀部45の駆動を連動もしくは切離しする刈取りクラッチ79の切り替えを行なう。 【0046】前記リフトシャットスイッチ94は、操作パネル(図示せず)に配置され、前処理部16が所定の高さまで上昇したときに、前処理部16と脱穀部45の駆動を停止させるリフトシャット機能の有効、無効を選択する。 【0047】搬送回転センサ95は、こぎ深さ搬送装置36の株元搬送チェーン39の入力軸39aに配置され、こぎ深さ搬送装置36の作動、停止状態を検知する。 【0048】バックスイッチ96は、走行用HST60を操作する主変速レバ105(図2、図4参照)の操作領域に配置され、主変速レバ105がバック側に操作されたことを検知する。 【0049】T/M回転センサ97は、走行用HST60の出力軸に設けられ、その回転速度をコンバイン10の走行速度として検出する。 【0050】HST回転センサ98は、前処理用変速機71の前処理用HST72の出力軸に設けられ、その回転速度を前処理部16における穀稈の搬送速度として検出する。 【0051】エンジン回転センサ99は、オルタネータのパルスをカウントし、エンジン13の回転速度を検出するようになっている。 【0052】また、出力インターフェース89には、ホーン101、手こぎランプ102、前処理用HST72の駆動モータ75、E/Gストップソレノイド103が接続されている。 【0053】なお、前記バックスイッチ96は、他のスイッチ類と並べて操作パネル上に配置する外、図4に示すように、コンバイン10の前進、後進を切替える主変速レバ105の経路を案内するクランク状のガイド穴106のニュートラル領域107の後進側に設けても良い。このような構成とすることにより、コンバイン10の走行が停止した状態でも、主変速レバ105をニュートラル領域107の後進側に倒すだけで、前処理部16と脱穀部45を駆動させることが出来る。 【0054】このような構成のコンバイン10では、コンバイン10を圃場に入れた後、作業機クラッチ67、刈取クラッチ79をONにして、その方向を穀稈の配列方向に向け、コンバイン10を前進させる。すると、前処理部16、脱穀部45も作動する。この状態で、コンバイン10が前進すると、デバイダ25が穀稈の配列内に分け入り、爪付チェーン27で穀稈を引起しながら、刈刃30で穀稈を切断(刈取り)する。 【0055】刈取られた穀稈は、搬送ベルト32で搬送され、こぎ深さ搬送装置36に渡される。こぎ深さ搬送装置36で、フィードチェーン46に向けて搬送される間に、搬送される穀稈は、メインセンサ41で検出されると共に、株元センサ42と穂先センサ43で穀稈の穂先の位置が検出される。そして、その検出結果に基づいて、穀稈の穂先が株元センサ42と穂先センサ43の間に位置するように、こぎ深さ搬送装置36により、穀稈の位置が調整される。 【0056】こぎ深さ搬送装置36の終端まで搬送された穀稈は、フィードチェーン46に受け渡される。フィードチェーン46に渡された穀稈は、その穂先がこぎ室47内を通過するように搬送され、こぎ胴49との接触により脱穀される。フィードチェーン46の終端まで搬送された稈は、排稈チェーン57に受け渡され、排稈チェーン57でコンバイン10の外へ排出される。 【0057】穀稈から脱穀された穀粒は、受網50上に落下し、さらに受網50を通り揺動選別部51上に集められる。そして、揺動選別部51の揺動作用と、唐箕52及び吸引ファン53により発生される選別風により、稈枝と分離される。揺動選別部51にて選別された穀粒は、下方に配置された1番樋55又は2番樋56に落下収容される。 【0058】上記の刈取作業時におけるコンバイン10の走行速度と、前処理部16及び脱穀部45における穀稈の搬送速度の関係は、例えば、図5に示すように設定する。 【0059】即ち、コンバイン10が前進する場合、前進方向Fの走行速度がF1までは、前処理部16と脱穀部45は、コンバイン10の走行速度に簿簿比例した搬送速度でV1まで上昇する。コンバイン10の走行速度がF1を越えると、前処理部16と脱穀部45の搬送速度は、V1に維持される。また、コンバイン10が後進する場合、後進方向Rの走行速度に関係なく、前処理部16と脱穀部45の搬送速度は、V2に設定する。但し、その駆動時間は、前処理部16にある穀稈を脱穀部45のフィードチェーン46の終端まで搬送するのに必要な所定時間Tに設定する。 【0060】このようなコンバイン10の制御装置85における穀稈搬送装置の制御について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、バック搬送タイマー(図示せず)は、マイコン87内のダウンカウンタで構成される。 【0061】そして、本実施形態では、予め、このバック搬送タイマーに、エンジン13の回転速度に比例したモードで前処理部16と脱穀部45を駆動した場合、穀稈が、メインセンサ41の位置からフィードチェーン46の終端まで移動するのに必要な所定時間T1を設定する。また、バック搬送タイマーは、制御開始と同時にカウントダウンが開始される。 【0062】運転時に、バックスイッチ96のON、OFFを判定する(図6におけるステップS1、以下、単にステップS○という)。ここで、バックスイッチ96がOFFのとき(コンバイン10が前進し、刈取を行なっているとき)には、前処理部16及び脱穀部45を、トランスミッション(T/M)59の回転速度に比例したモードで駆動する(ステップS2)。また、バック搬送タイマーの設定値をリセットする。 【0063】前記ステップS1で、バックスイッチ96がONのとき、メインセンサ41のON、OFFを判定する(ステップS3)。ここで、メインセンサ41がONのとき(こぎ深さ搬送装置36に穀稈があるとき)には、前記前処理部16及び脱穀部45を、エンジン(E/G)13の回転速度に比例したモードで駆動する(ステップS4)。また、バック搬送タイマーの設定値をリセットする。 【0064】前記ステップS3で、メインセンサ41がOFFのとき、前回のステップS3での判定で、メインセンサ41がONであったか、OFFであったかを判定する(ステップS5)。前回のステップS3での判定がONであった場合には、バック搬送タイマーをリセットする(ステップS6)。 【0065】前回の判定でメインセンサ42がONであり、今回の判定でメインセンサ41がOFFになったとき、即ち、刈取られた最後の穀稈がメインセンサ41の位置を通過したとみなし、バック搬送タイマーの最終的なリセットを行なう。そして、ステップS4に移行する。 【0066】前記ステップS5で、前回のステップS3での判定でメインセンサ41がOFFであった場合、バック搬送タイマーに設定された時間T1が経過したか否かを判定する(ステップS7)。バック搬送タイマーに設定された所定時間T1が経過していない場合には、ステップS4に戻る。 【0067】即ち、今回の判定でメインセンサ41がOFFであり、しかも前回の判定でもメインセンサ41がOFFである場合、刈取られた最後の穀稈がメインセンサ41の位置を通過し,後続の穀稈がないものとみなすことができる。従って、予め設定された所定時間T1の経過を待つ。 【0068】前記ステップS7で、バック搬送タイマーに設定された所定時間T1が経過した場合には、前処理部16と脱穀部45の駆動を停止させる(ステップS8)。 【0069】上記のように、メインセンサ41のON、OFFにより、前処理部16と脱穀部45の駆動を継続させる所定時間T1を設定することにより、所定時間T1を高精度で設定することが出来る。 【0070】このような穀稈搬送装置において、こぎ深さ搬送装置36で行なうこぎ深さ制御について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。 【0071】リフトポテンショメータ21の出力に基づいて、前処理部16の高さを判定する(図7のステップS11、以下、単にステップS○○という)。 【0072】前記ステップS11で、前処理部16の高さが一定値未満の(刈取り位置にある)場合、搬送回転センサ95の出力に基づいて、こぎ深さ搬送装置36(穂先搬送チェーン37、株元搬送チェーン39)の回転を判定する(ステップS12)。 【0073】前記ステップS12で、前処理部16が刈取り位置にあり、こぎ深さ搬送装置36が回転している(刈取り状態にある)場合、搬送回転センサ95の出力(回転速度)に基づいて、こぎ深さ制御の開始を遅らせる時間T2(OFF時間)を演算して設定する(ステップS13)。 【0074】このOFF時間(又は、遅延時間)T2は、新たに刈取られた穀稈が株元センサ42及び穂先センサ43で検知される位置まで到達するのに必要な時間で、こぎ深さ搬送装置36の回転速度により異なる。 【0075】前記ステップS13で設定されたOFFタイムT2が経過したか否かを判定する(ステップS14)。なお、OFFタイムT2中は、穀稈の有無に拘わらず、こぎ深さの制御は行なわない。 【0076】即ち、メインセンサ41がこぎ深さ搬送装置36の入り口側(掻き込み装置31側)に配置され、株元センサ42、穂先センサ43がこぎ深さ搬送装置36の中央部に配置されていた場合も、メインセンサ41で穀稈を検出しても、前期OFFタイムT2が経過しなければこぎ深さ制御を行なわない。 【0077】前記ステップS14で、OFFタイムT2が経過したと判定された場合、こぎ深さ制御を開始する(ステップS15)。 【0078】従って、新たに刈取られた穀稈が株元センサ42、穂先センサ43に検出される位置、もしくはその近傍に到達したとき、穀稈のこぎ深さの制御が開始されるので、深こぎ等が発生することを防止することができる。 【0079】上記のように、本実施の形態によれば、こぎ深さ搬送装置36の作動を検出してこぎ深さ制御を行うようにしたので、コンバイン10の走行を停止させても、こぎ深さ搬送装置36が作動している間は、こぎ深さ制御を行なうことができる。 【0080】また、こぎ深さ搬送装置36の穀稈の搬送速度をパラメータとしてこぎ深さ制御の動作時間を制御するようにしたので、深こぎ等を発生させることなく、こぎ深さ制御における制御精度を向上させることができる。 【0081】上記の実施形態においては、新たに刈取られた穀稈がこぎ深さ搬送装置36に送り込まれる場合について説明したが、コンバイン10の走行停止等により、こぎ深さ搬送装置36に送り込まれる穀稈が途切れた場合、こぎ深さ搬送装置36に送り込まれた最後の穀稈が、脱穀部45のフィードチェーン46に送り込まれるまでのこぎ深さ制御の継続時間(ONタイム)を設定するようにすることもできる。 【0082】即ち、前記ONタイムの設定は、最後の穀稈の通過によりメインセンサ41がOFFしてから、穀稈がメインセンサ41の設置位置からフィードチェーン46(又は、排稈チェーン57)に受け渡されるまでに必要な時間を、搬送回転センサ95の出力(こぎ深さ搬送装置36の搬送速度)に基づいて演算して設定すればよい。 【0083】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1によれば、前処理搬送部の回転を検知して、こぎ深さ制御をおこなうようにしたので、コンバインの走行を停止させても、前処理搬送部が作動している間は、こぎ深さ制御を行なうことが出来る。 【0084】また、請求項2によれば、前処理搬送部における搬送速度をパラメータとして、こぎ深さ制御の作動時間を制御するようにしたので、こぎ深さ制御における精度を向上させることが出来る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
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| 【出願日】 |
平成13年11月29日(2001.11.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082337 【弁理士】 【氏名又は名称】近島 一夫 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−164213(P2003−164213A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月10日(2003.6.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−365207(P2001−365207) |
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