トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 農作業機
【発明者】 【氏名】金井 章二
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【氏名】依田 博之
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【要約】 【課題】農作物の損傷を防止できる農作業機を提供する。

【解決手段】農作業機1は、圃場Hの農作物Aを掻き込んで後方に払い出す掻込装置11とこの掻込装置11からの農作物Aを受け入れて搬送する持上搬送コンベヤ21とを具備する。掻込装置11は、左右方向の回転中心軸線Y1を中心として所定方向に回転する回転体を備え、回転体にはガイド接触部を有する掻込羽根15を回動自在に設ける。掻込装置11は、ガイド接触部14と接触して掻込羽根15の姿勢を設定する姿勢設定用ガイドを備える。掻込羽根15は、回転体とともに所定方向に回転しながら、回転体に対して回動して上側では寝た姿勢となり下側では立った姿勢となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場の農作物を掻き込んで後方に払い出す掻込手段と、この掻込手段からの農作物を受け入れて搬送する搬送手段とを具備し、前記掻込手段は、所定方向に回転しながら、上側では寝た姿勢となり下側では立った姿勢となる掻込羽根を備えることを特徴とする農作業機。
【請求項2】 圃場の農作物を掻き込んで後方に払い出す掻込手段と、この掻込手段からの農作物を受け入れて搬送する搬送手段とを具備し、前記掻込手段は、所定方向に回転する回転体と、この回転体に回動自在に設けられ、ガイド接触部を有する掻込羽根と、前記ガイド接触部と接触して前記掻込羽根の姿勢を設定する姿勢設定用ガイドとを備え、前記掻込羽根は、前記回転体とともに所定方向に回転しながら、前記姿勢設定用ガイドの姿勢設定作用に基いて前記回転体に対して回動して上側では寝た姿勢となり下側では立った姿勢となることを特徴とする農作業機。
【請求項3】 掻込羽根は、弾性変形可能な弾性板にて構成された羽根本体部を有することを特徴とする請求項1または2記載の農作業機。
【請求項4】 走行車からの動力を入力する入力軸を保持するミッションケースが、掻込手段の上方にこの掻込手段と近接して配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の農作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農作物の損傷を防止できる農作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の農作業機は、例えば圃場の農作物を掻き込んで後方に払い出す掻込手段を具備し、この掻込手段の後方には、この掻込手段からの農作物を受け入れて持上げ搬送する搬送手段が配置されている。また、この掻込手段は、左右方向の回転中心軸線を中心として所定方向に駆動回転する回転軸を備え、この回転軸には複数の掻込羽根が放射状に固定的に設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の農作業機では、例えば搬送手段による農作物の受入れの際に、掻込手段の掻込羽根から農作物に無理な力が働き、農作物を損傷するおそれがある。
【0004】本発明は、このような点に鑑みなされたもので、農作物の損傷を防止できる農作業機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の農作業機は、圃場の農作物を掻き込んで後方に払い出す掻込手段と、この掻込手段からの農作物を受け入れて搬送する搬送手段とを具備し、前記掻込手段は、所定方向に回転しながら、上側では寝た姿勢となり下側では立った姿勢となる掻込羽根を備えるものである。
【0006】そして、所定方向に回転しながら、上側では寝た姿勢となり下側では立った姿勢となる掻込羽根を備える掻込手段を具備する構成であるから、従来の構成に比べて、搬送手段による農作物の受入れの際における農作物の損傷を防止することが可能になる。
【0007】請求項2記載の農作業機は、圃場の農作物を掻き込んで後方に払い出す掻込手段と、この掻込手段からの農作物を受け入れて搬送する搬送手段とを具備し、前記掻込手段は、所定方向に回転する回転体と、この回転体に回動自在に設けられ、ガイド接触部を有する掻込羽根と、前記ガイド接触部と接触して前記掻込羽根の姿勢を設定する姿勢設定用ガイドとを備え、前記掻込羽根は、前記回転体とともに所定方向に回転しながら、前記姿勢設定用ガイドの姿勢設定作用に基いて前記回転体に対して回動して上側では寝た姿勢となり下側では立った姿勢となるものである。
【0008】そして、回転体とともに所定方向に回転しながら、姿勢設定用ガイドの姿勢設定作用に基いて回転体に対して回動して上側では寝た姿勢となり下側では立った姿勢となる掻込羽根を備える掻込手段を具備する構成であるから、従来の構成に比べて、搬送手段による農作物の受入れの際における農作物の損傷を防止することが可能になる。
【0009】請求項3記載の農作業機は、請求項1または2記載の農作業機において、掻込羽根は、弾性変形可能な弾性板にて構成された羽根本体部を有するものである。
【0010】そして、掻込羽根は弾性変形可能な弾性板にて構成された羽根本体部によって圃場の農作物を適切に掻き込んで後方に払い出すことが可能になる。
【0011】請求項4記載の農作業機は、請求項1ないし3のいずれかに記載の農作業機において、走行車からの動力を入力する入力軸を保持するミッションケースが、掻込手段の上方にこの掻込手段と近接して配置されているものである。
【0012】そして、圃場およびミッションケース間の中央位置よりミッションケース側の位置に、掻込羽根の回転中心軸線を位置させることができ、比較的大きな農作物にも対応することが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の農作業機の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【0014】図1において、1は農作業機で、この農作業機1は、例えば走行車としての牽引車であるトラクタTに脱着可能に装着されて使用される牽引式の玉葱ピッカー等の収穫機で、この農作業機1は、トラクタTの走行(牽引動作)により圃場H上を前方(進行方向X)に移動しながら、圃場Hの農作物Aを圃場Hから収穫、すなわち農作物Aを圃場Hから拾い上げて容器W内に連続的に収容するものである。
【0015】なお、収穫対象物である農作物Aは、例えば圃場Hの畝上に地干された玉葱等の根菜類である。また、容器Wは、外形略直方体状で上面を開口した箱状をなすミニコンテナ等である。
【0016】この農作業機1は、図1に示すように、トラクタTに連結された機体2を備え、この機体2は上下方向に略長手状の機枠3を有している。
【0017】そして、機枠3の下側前端部には、走行車連結手段である3点連結手段5が設けられている。この3点連結手段5は、トラクタTの作業機昇降用支持装置である回動可能な3点リンク機構(3点ヒッチ)T1に連結されている。なお、3点連結手段5は、トップピン6を有するトップマスト7、ロワピン8を有する左右一対のロワアーム9等にて構成されている。3点リンク機構T1は、例えばトップリンク伸縮式のもので、進退可能なロッドa1を有するトップリンクa、左右一対のロワリンクb等にて構成されている。
【0018】また、機枠3の下側前端部の中央には、トラクタTからの動力を入力する入力軸10を回転可能に保持するミッションケース10aが設けられており、この入力軸10はトラクタTのPTO軸(図示せず)にユニバーサルジョイント等を介して連結されている。
【0019】さらに、機枠3の下端部には、圃場Hの農作物Aを掻き込んで後方に払い出す掻込手段である掻込装置11が設けられている。
【0020】この掻込装置11は、図6および図7に示されるように、機枠3が有する互いに離間対向した左右一対のフレーム3aによって水平状に支持されて左右水平方向の回転中心軸線Y1を中心として所定方向(図6中、反時計回り)に駆動回転する回転体12を備えている。
【0021】そして、この回転体12には、姿勢設定用ガイド13のガイド面13aに摺接して移動する摺接部であるガイド接触部14を有する複数(例えば4枚)の回動式の掻込羽根15が、左右水平方向の回動中心軸線Y2を中心として上下方向に回動自在にそれぞれ設けられている。なお、トラクタTからの動力を農作業機1側に入力する入力軸10を保持するミッションケース10aが掻込装置11の上方にこの掻込装置11と近接して配置されている。
【0022】ここで、回転体12は、例えば互いに離間対向した対をなすフレーム3a間に架け渡された左右水平方向の駆動軸である回転軸16を有し、この回転軸16の軸方向両端部には側面視略十字状をなす左右一対の羽根取付部材17が一体的に取り付けられている。
【0023】各羽根取付部材17は、例えば回転軸16が中央部に連結固定されこの回転軸16と同軸上に位置する円板部17aを有し、この円板部17aの外周から取付板部17bが放射状、例えば異なる4方向に突出している。なお、回転軸16および羽根取付部材17等にて、機枠3に回転可能に設けられ回転中心軸線Y1つまり回転軸16を中心として所定方向に駆動回転する回転体12が構成されている。
【0024】また、各掻込羽根15は、例えば互いに離間対向した対をなす取付板部17b間に架け渡された左右水平方向の支軸18を有し、この支軸18には断面略L字をなす細長状の支持板19が支軸18の軸方向略全体にわたって位置するように一体的に取り付けられ、この支持板19には板状の羽根本体部29を構成する弾性変形可能な弾性板20が支持板19に沿って一体的に取り付けられている。
【0025】この弾性板20は、左右水平方向に長手方向を有する細長板状のもので、この弾性板20の短手方向の一端部が自由端部となっており、短手方向の他端部が連結部となって支持板19に連結固定されている。また、弾性板20の自由端部側には弾性板の短手方向に細長い切欠部20aが複数形成されている。
【0026】また、支軸18の軸方向両端部には、ガイド接触部14を構成する左右一対の摺接部材14aが一体的に取り付けられている。この各摺接部材14aは、略細長板状のもので、長手方向両端縁が円弧状となっており、長手方向一端部が支軸18の軸方向端部に連結固定されている。なお、支軸18、支持板19、弾性板20および摺接部材14a等にて回動中心軸線Y2つまり支軸18を中心として回転体12に対して回動自在の掻込羽根15が構成されている。
【0027】さらに、姿勢設定用ガイド13は、掻込羽根15のガイド接触部14と接触してこの掻込羽根15の姿勢を設定するもので、例えば互いに離間対向した左右一対のガイド部材34にて構成されている。
【0028】この各ガイド部材34は、摺接部材14aと略同じ厚さを有する略円板状のもので、対応する摺接部材14aと同一面上に位置するように機枠3のフレーム3aに固着されている。
【0029】すなわち、ガイド部材34は、対応する摺接部材14aと同一面上に位置しかつ回転中心軸線Y1がこのガイド部材34の略中央位置を貫通した状態になっている。また、ガイド部材34の外周面にて摺接部材14aをガイドするガイド面13aが構成されており、回転中心軸線Y1からガイド面13aまでの距離がガイド部材34の上側より下側の方が長くなっている。
【0030】そして、ミッションケース10aによって保持された入力軸10からの動力が伝動手段45を介して掻込装置11の回転体12の回転軸16に伝達されると、各掻込羽根15は、回転体12と一体となってこの回転体12とともに回転中心軸線Y1を中心として所定方向、すなわち進行方向X前側で掻込羽根15が下降し進行方向X後側(持上搬送コンベヤ21との対向側)で掻込羽根15が上昇するする方向に公転的に駆動回転する。
【0031】また、この回転の際には、各掻込羽根15は、姿勢設定用ガイド13の姿勢設定作用に基いて回転体12に対して回動中心軸線Y2を中心として回動し、回転中心軸線Y1の上側では寝た姿勢(略水平状の水平姿勢)となり、回転中心軸線Y1の下側では立った姿勢(略垂直状の垂直姿勢)となる。
【0032】すなわち、各掻込羽根15は、ガイド接触部14が姿勢設定用ガイド13のガイド部材34のガイド面13aに摺接して移動することにより、支軸18を中心に回転体12に対して回動し、ガイド部材34の上側では寝た姿勢となり、ガイド部材34の下側では掻込可能な立った姿勢となる。つまり、各掻込羽根15は、ガイド部材34の進行方向X後側(持上搬送コンベヤ21の搬送始端部との対向側)で、立った姿勢から寝た姿勢に徐々に姿勢変更する。
【0033】その結果、圃場H上の農作物Aが、掻込装置11の各掻込羽根15にて掻き込まれて後方に払い出され、前下り傾斜状の掬上げ体46上に乗り移る。なお、くし状の掬上げ体46は、左右方向に間隔をおいて並んだ複数の棒部材47等にて構成されている。
【0034】また、機枠3には、前方の掻込装置11からの農作物Aを掬上げ体46を介して受け入れて斜め上後方に向けて所定高さ位置まで持上げ搬送する搬送手段である持上搬送コンベヤ21が設けられており、この持上搬送コンベヤ21の搬送始端部である下端部が掻込装置11の後方にこの掻込装置11と近接して配置されている。すなわち持上搬送コンベヤ21の下端部前方の近接位置に掻込装置11が配置されている。
【0035】この持上搬送コンベヤ21は、左右水平方向の駆動軸22を有し、この駆動軸22の両端部には回転体である駆動側スプロケット23が一体的に取り付けられている。また、持上搬送コンベヤ21は、左右水平方向の従動軸24を有し、この従動軸24の両端部には回転体である従動側スプロケット25が一体的に取り付けられている。
【0036】さらに、これら互いに離間対向した駆動側スプロケット23および従動側スプロケット25には、左右一対の回行体であるチェーン26が回行可能に巻き掛けられ、これら左右一対のチェーン26には左右水平方向の複数のロッド27が水平状に架け渡されている。各ロッド27には農作物Aが載置される複数の搬送爪28が突設されている。
【0037】そして、入力軸10からの動力が伝動手段45を介して持上搬送コンベヤ21の駆動軸22に伝達されると、駆動軸22および従動軸24が所定方向に駆動回転するとともに両チェーン26が所定方向に駆動回行し、搬送爪28がこの両チェーン26と一体となって回行する。
【0038】その結果、掻込装置11から払い出されたの農作物Aが、掬上げ体46上から搬送爪28上に乗り移り、この搬送爪28上に載置された状態で斜め上後方に向って持上げ搬送される。なお、持上搬送コンベヤ21は、掬上げ体46から農作物Aを受け入れるとともに草等の夾雑物Bも受け入れ、この夾雑物Bを農作物Aとともに持ち上げ搬送する。
【0039】さらに、機枠3の上端部近傍には、所定の作業位置に位置した状態(図1の実線で示す後下りの傾斜状態)で、持上搬送コンベヤ21の上端部からの農作物Aおよび夾雑物Bを前端側で受け取り、その後、農作物Aと夾雑物Bとを分離し、必要な農作物Aを上面の搬送面30上を滑落させるように斜め下後方に移動させ、不要な夾雑物Bをその搬送面30上に載せて斜め上前方に搬送する突出状の分離コンベヤ31が、機枠3の後端から後方に突出した状態で上下方向に回動可能に設けられている。
【0040】すなわち、機体2の上側後端部には、農作物Aと夾雑物Bとを分離する上下動可能な分離コンベヤ31が、この分離コンベヤ31の一端側である前端側の左右水平方向の回動中心軸線αを中心として他端側である後端側が昇降するように上下方向に回動可能に設けられている。
【0041】この分離コンベヤ31は、図4および図5に示すように、細長矩形板状に形成され互いに離間対向した左右一対をなす回動可能なコンベヤフレーム32を有し、このコンベヤフレーム32の前端部が機体2のコンベヤ取付部33に回動可能に取り付けられている。
【0042】また、左右一対のコンベヤフレーム32の前端部には軸方向が左右水平方向に一致した回転体である駆動ローラ35が水平状に架け渡され、左右一対のコンベヤフレーム32の後端部には軸方向が左右水平方向に一致した回転体である従動ローラ36が水平状に架け渡されている。
【0043】さらに、これら互いに前後に離間対向した一対の駆動ローラ35および従動ローラ36には、無端状をなす平ベルト等の搬送ベルト37が回行可能に巻き掛けられている。なお、搬送ベルト37の上面、すなわち、搬送ベルト37の往路面部の表面にて搬送面30が構成されている。
【0044】そして、持上搬送コンベヤ21のチェーン26からの動力が、分離コンベヤ用伝動手段39を介して分離コンベヤ31の駆動ローラ35に伝達されると、駆動ローラ35および従動ローラ36が所定方向に駆動回転するとともに、搬送ベルト37が所定方向(図示イ方向)、すなわち搬送面30が前方に移動する方向に駆動回行する。
【0045】その結果、持上搬送コンベヤ21の搬送爪28上から搬送ベルト37の搬送面30上に落下した夾雑物Bが、搬送ベルト37にて分離コンベヤ31の前端側に向って斜め上前方に搬送される一方で、持上搬送コンベヤ21の搬送爪28上から搬送ベルト37の搬送面30上に落下した農作物Aが、その自重等で搬送面30上を滑落するように、分離コンベヤ31の後端側に向って斜め下後方に搬送される。
【0046】なお、夾雑物Bは、搬送ベルト37にて搬送された後、持上搬送コンベヤ21および分離コンベヤ31間の空間40から圃場H上に落下する。分離コンベヤ用伝動手段39は、図1に示されるように持上搬送コンベヤ21のチェーン26の回行に伴って回転する一方のスプロケット41、この一方のスプロケット41と離間対向した他方のスプロケット42、これら両スプロケット41,42に巻き掛けられたチェーン43等にて構成されている。また、機体2には分離コンベヤ31が所定の作業位置より下方に回動するのを規制する回動規制手段(図示せず)が設けられている。図1の実線で示す分離コンベヤ31は、上方への回動が許容されかつ回動規制手段によって下方への回動が規制された状態で、所定の作業位置に位置した状態にある。
【0047】また、図4および図5に示すように、分離コンベヤ31の後端部には、シュート取付体51が分離コンベヤ31の後端部から後方に突出した状態で一体的に設けられ、このシュート取付体51に搬送シュートである可動シュート52が搬送位置および非搬送位置に位置変更可能に取り付けられている。
【0048】すなわち、分離コンベヤ31の後端から後方に突出したシュート取付体51の後端部には、可動シュート52が、この可動シュート52の一端側である搬送終端側の左右水平方向の回動中心軸線βを中心として他端側である搬送始端側が昇降するように、搬送位置および非搬送位置間で上下方向に回動可能(前後に回動可能)に取り付けられている。
【0049】また、シュート取付体51の後端部には、可動シュート52からの農作物Aつまり搬送位置に位置した可動シュート52から搬出された農作物Aが容器W外に移動しようとするのを禁止するストッパ体53が左右水平方向の回動中心軸線γを中心として上下方向に回動可能(前後に回動可能)に取り付けられ、このストッパ体53の人的な回動操作に応じて可動シュート52が上下方向に回動して位置変更するようになっている。すなわち、可動シュート52が連動手段68の作用によりストッパ体53に連動して上下方向に回動する構成になっている。
【0050】そして、可動シュート52が搬送位置に位置した状態では、前方の分離コンベヤ31からの農作物Aが可動シュート52にて斜め下後方に搬送されて一の容器W内に落下して収容すなわち可動シュート52を介して容器W内に収容されるが、可動シュート52が非搬送位置に位置した状態では、分離コンベヤ31からの農作物Aは可動シュート52にて搬送されることなく一の容器Wに隣接した他の容器W内に落下して収容されるようになっている。
【0051】ここで、シュート取付体51は、細長板状に形成され互いに離間対向した左右一対の固定アーム55を有し、各固定アーム55の前端部が対応するコンベヤフレーム32の後端部にコンベヤフレーム32を延長するように固着されている。
【0052】また、左右一対の固定アーム55の後端部には、軸方向が左右水平方向に一致したシュート用回動軸56が回動可能に架け渡され、このシュート用回動軸56に一方の面を搬送面57とする矩形板状のシュート本体58の搬送終端部が一体的に取り付けられている。このシュート本体58の他方の面にはスポンジ状の緩衝部材である緩衝シート59が一体的に取り付けられている。
【0053】さらに、シュート本体58の搬送始端部近傍の両側には、固定アーム55との当接により、可動シュート52つまりシュート本体58が所定の搬送位置より下方に回動するのを規制する左右一対のシュートストッパ60が一体的に取り付けられている。各シュートストッパ60は、例えば略L字状に折り曲げられた板部材にて構成されている。
【0054】また、シュート用回動軸56の軸方向両端部には、左右一対の一方側係合体である第1回動ギヤ61が一体的に取り付けられている。なお、固定アーム55およびシュート用回動軸56等にてシュート取付体51が構成されている。シュート本体58および緩衝シート59等にて可動シュート52が構成されている。
【0055】一方、ストッパ体53は、細長板状に形成され互いに離間対向した左右一対の可動アーム63を有し、各可動アーム63の基端部が対応する固定アーム55の後端部に左右水平方向の回動軸64を介して回動可能に取り付けられている。
【0056】また、左右一対の可動アーム63の先端部相互は、左右水平方向に長手方向を有する細長板状の連結部材65にて一体に連結され、この連結部材65には左右水平方向に長手方向を有する矩形板状をなすストッパ66の短手方向の一端部が一体的に取り付けられ、このストッパ66の短手方向の他端部は自由端部となっている。このストッパ66は、例えば農作物Aを傷めないよう緩衝部材である弾性板であるゴム板67にて構成されている。なお、可動アーム63、連結部材65およびストッパ66等にてストッパ体53が構成されている。
【0057】また一方、左右一対の他方側係合体である第2回動ギヤ62が回動軸64に一体的に取り付けられ、各第2回動ギヤ62が対応する第1回動ギヤ61に係合つまり噛み合っている。なお、第1回動ギヤ61および第2回動ギヤ62等にて連動手段68が構成されている。
【0058】また一方、図1に示すように、機枠3の下側後端部からは、上下方向に長手方向を有する細長形状に形成された左右一対のマスト等の回動フレーム71が上方に向って突出しており、この回動フレーム71は、下端側の左右水平方向の回動軸72を中心として上端側が昇降するように前後方向に回動可能つまり前後傾動可能になっている。
【0059】そして、分離コンベヤ31の後端側からの農作物Aが落下して収容される複数の容器Wを支持する支持体であるフォーク73が、回動フレーム71の長手方向に沿って移動可能に設けられている。
【0060】すなわち、分離コンベヤ31からの農作物Aが分離コンベヤ31から直接的に収容されたり可動シュート52を介して間接的に収容されたりする容器Wを複数段に載置支持可能な側面視略L字状をなす容器載置手段であるフォーク73が、機体2の後端部に後方に向って突出するように昇降可能でかつ上下方向に回動可能に設けられている。
【0061】また、機体2には、フォーク73を回動フレーム71の長手方向に沿って昇降させる昇降駆動手段76が設けられているとともに、フォーク73を回動フレーム71とともに回動軸72を中心として上下方向に回動させる回動駆動手段77が設けられている。
【0062】この昇降駆動手段76は、駆動源である流体式のリフトシリンダ等の昇降シリンダ78を有するとともに、チェーン79、スプロケット80等にて構成された昇降用の作動機構81等を有し、昇降シリンダ78のロッド78aの進退に応じて作動機構81が作動してフォーク73が回動フレーム71の長手方向に沿って昇降する構成になっている。
【0063】また、回動駆動手段77は、駆動源である流体式のチルトシリンダ等の回動シリンダ83を有するとともに、第1リンク84、第2リンク85等にて構成された回動用の作動機構86等を有し、回動シリンダ83のロッド83aの進退に応じて作動機構86が作動してフォーク73が回動軸72を中心として上下方向に回動する構成になっている。
【0064】そして、昇降駆動手段76の昇降シリンダ78および回動駆動手段77の回動シリンダ83には、各シリンダ78,83を制御する制御手段90が接続されており、この制御手段90には作業者(トラクタTの運転者とは異なるサブの作業者)にて操作される操作手段91が接続されている。
【0065】この操作手段91は、例えばリフト・チルト操作スイッチとして1ユニット状に形成されて、作業者が操作し易いように機体2の上端部、すなわち例えば機体2のコンベヤ取付部33の近傍位置である持上搬送コンベヤ21の上端近傍位置に設けられている。
【0066】そして、この操作手段91は、例えば、昇降駆動手段76にフォーク73を昇降させる際に作業者がオン操作する昇降用操作スイッチ92を有しているとともに、回動駆動手段77にフォーク73を上下方向に回動させる際に作業者がオン操作する回動用操作スイッチ93を有している。
【0067】また、操作手段91は、トラクタTの操縦者である運転者に対する報知手段、すなわち例えばトラクタTの運転者に対して農作業機1側から所定情報(例えばフォーク73上の所定個数の容器Wが農作物Aで満杯になったこと等)を報知するための報知手段であるブザー(図示せず)を作動させる際に操作する報知用操作スイッチ94を有している。なお、ブザーは例えばトラクタTの車体に設けられている。また、これら3つの昇降用操作スイッチ92、回動用操作スイッチ93および報知用操作スイッチ94は、互いに近接して配置されている。
【0068】なお、機枠3の下端前側部には左右一対の前接地輪95が取付アーム96を介して取り付けられ、機枠3の下端後側部には左右一対の後接地輪98が上下回動可能な取付アーム97を介して取り付けられている。また、各後接地輪98は、図3に示されるように、ねじりばね等の付勢手段99によって常時上方に付勢され、例えば機体2が3点リンク機構T1により圃場Hの上方位置つまり地上に持ち上げられた際において地上高さ確保のために必要以上下方に回動しないようになっている。
【0069】また、機枠3には上下調整ハンドル100等にて構成された調整手段101が設けられ、この調整手段101の上下調整ハンドル100の回動操作により持上搬送コンベヤ21の上下位置が調整可能になっている。なお、掻込装置11、掬上げ体46、持上搬送コンベヤ21および分離コンベヤ31等にて、農作物Aを圃場Hから拾い上げて所定位置まで搬送する作業手段105が構成されている。
【0070】次に、上記一実施の形態の動作等を図面を参照して説明する。
【0071】図1および図5に示すように、フォーク73によって所定個数の容器W(1段目の容器W)がパレットPを介して下方から支持されるとともに、分離コンベヤ31が作業位置に位置しかつ可動シュート52が搬送位置(搬送面57が後下りの傾斜状態になる位置)に位置した状態で、農作業機1全体が、トラクタTの走行により圃場Hを進行方向Xに移動すると、農作物Aが圃場Hから拾い上げられ、容器W内に収容される。
【0072】すなわち、圃場Hの農作物Aおよび夾雑物Bが、掻込装置11の各掻込羽根15の羽根本体部29によって一定量づつ後方に払い出されて掬上げ体46上に乗り移り、持上搬送コンベヤ21によって斜め上後方に向けて所定高さ位置まで持上げ搬送され、その後、分離コンベヤ31によって、必要な農作物Aと不要な夾雑物Bとに分離される。
【0073】そして、夾雑物Bは、分離コンベヤ31の搬送面30にて分離コンベヤ31の前端側に向って斜め上前方に搬送され、持上搬送コンベヤ21および分離コンベヤ31間の空間40から圃場H上に落下する。
【0074】一方、農作物Aは、その自重等で搬送面30上を滑落するように、後下りの傾斜状の分離コンベヤ31の後端側に向って搬送面30にて斜め下後方に搬送され、続いて、搬送面30と同一面上に位置する可動シュート52のシュート本体58の搬送面57にて斜め下後方に搬送され、この可動シュート52から所定の容器W内、例えばフォーク73の先端側上の容器W内に収容される。
【0075】なお、可動シュート52の搬送終端から搬出された農作物Aは、ストッパ体53、すなわち可動アーム63、連結部材65およびストッパ66との当接により、容器W外に移動して落下するようなことがなく、所定の容器W内に適切に収容される。例えば、可動シュート52の搬送終端から農作物Aが勢いよく後方に搬出されたとしても、上端部を除く部分が容器W内に差し込まれたストッパ66に当接するため、その農作物Aは所定の容器W内に確実に収容される。
【0076】このような収容作業が進み、フォーク73の先端側上の容器W内に農作物Aが満杯に収容されると、農作業機1の後ろを追う作業者は、ストッパ体53(例えば可動アーム63または連結部材65)をつまみ、回動中心軸線γを中心として回動操作する。
【0077】すると、図4に示すように、ストッパ体53に連動して可動シュート52が上方向に回動し、搬送位置から非搬送位置に位置変更し、この可動シュート52の緩衝シート59が分離コンベヤ31と対向した前下りの傾斜状態になる。
【0078】この状態で、農作業機1全体がトラクタTの走行により圃場Hを進行方向Xに移動すると、農作物Aが圃場Hから拾い上げられ、分離コンベヤ31から所定の容器W内、例えばフォーク73の基端側(機体2側)上の容器W内に収容される。
【0079】なお、分離コンベヤ31の搬送終端から搬出された農作物Aは、固定アーム55および緩衝シート59との当接により、容器W外に移動して落下するようなことがなく、所定の容器W内に適切に収容される。例えば、分離コンベヤ31の搬送終端から農作物Aが勢いよく後方に搬出されたとしても、可動シュート52の緩衝シート59と当接するため、その農作物Aは所定の容器W内に確実に収容される。
【0080】そして、フォーク73の基端側上の容器Wが農作物Aで満杯になると、農作業機1の後ろを追う作業者は、操作手段91の昇降用操作スイッチ92をオン操作する。すると、昇降用操作スイッチ92のオン操作に応じた所定の電気信号が制御手段90に送信され、制御手段90が昇降駆動手段76の昇降シリンダ78を制御し、フォーク73が所定量下降する。
【0081】フォーク73が所定量下降して停止した後、その作業者は、1段目の容器W上に所定個数の空の容器Wを積み重ねるように載置し、フォーク73に2段目の容器Wを支持させる。そして、ストッパ体53を回動操作して可動シュート52を搬送位置に位置させた後、上述と同じ作業を繰り返す。なお、空の容器Wは、機枠3の図示しない空容器載置台上のものを用いる。
【0082】フォーク73上の2段目の容器Wが農作物Aで満杯になると、農作業機1の後ろを追う作業者は、同様に昇降用操作スイッチ92を操作して昇降駆動手段76でフォーク73を所定量下降させ、フォーク73に3段目の容器Wを支持させる。そして、図2に示すように、ストッパ体53を回動操作して可動シュート52を搬送位置に位置させた後、上述と同じ作業を繰り返す。
【0083】そして、フォーク73上の3段目の容器Wが農作物Aで満杯になった時点で、容器W内への収容作業を一旦中断し、被積込部、例えば運搬車106の荷台107への複数段、例えば3段の容器W群の積込作業つまり載せかえ作業を行う。
【0084】すなわち、図3に示すように、例えばトラクタTの運転者は、所定操作を行って3点リンク機構T1のトップリンクa・ロワリンクbを回動させ、農作業機1全体を圃場Hから地上に持ち上げる。また、作業者は、昇降用操作スイッチ92をオン操作してフォーク73を所定量上昇させるとともに、回動用操作スイッチ93をオン操作してフォーク73を所定量回動させる。
【0085】このフォーク73の上昇時に、分離コンベヤ31が、フォーク73とともに上昇するこのフォーク73上の容器Wと当接してこの容器Wによって押されて上動、すなわち例えば回動中心軸線αを中心として後端側が上昇するように上方向に所定量回動する。すなわち、分離コンベヤ31が容器Wに押圧されて跳ね上がる。
【0086】続いて、例えば図3に示す持上げ状態から、昇降用操作スイッチ92の操作でフォーク73を下降させることにより、パレットPの下面を運搬車106の荷台107の上面に当接させ、その後、トラクタTを前進走行させることにより、パレットP内からフォーク73を抜き出し、農作物Aが満杯に収容された複数段の容器W群をパレットPごとこのフォーク73上から運搬車106の荷台107上に載せかえる。なお、分離コンベヤ31は、この分離コンベヤ31自体の重力等にて所定の作業位置まで回動復帰する。
【0087】複数段の容器W群を積み込んだ後、作業者は、次のパレットPをフォーク73に差し込み、この差し込んだパレットP上に次の空の容器Wを載置して図1の状態にする。なお、農作業機1の後ろを追う作業者は、フォーク73上の所定個数の容器Wが農作物Aで満杯になったこと、フォーク73上に次の空の容器Wを載せ終ったこと等をトラクタTの運転者に報知するために、操作手段91の報知用操作スイッチ94を適宜にオン操作してブザーを鳴らす。そして、上述の一連の動作の繰り返しにより、圃場H全体の農産物Aの収穫作業が行われる。
【0088】そして、上記一実施の形態によれば、回転体12とともに左右方向の回転中心軸線Y1を中心として所定方向に回転しながら、姿勢設定用ガイド13の姿勢設定作用に基いて回転体12に対して上下回動して上側では寝た姿勢となり下側では立った姿勢となる掻込羽根15を複数備える掻込装置11を、持上搬送コンベヤ21の搬送始端部の前方近接位置に配置したので、持上搬送コンベヤ21による農作物Aの受入れの際に、掻込羽根15の羽根本体部29から農作物Aに無理な力、すなわち農作物Aを持上搬送コンベヤ21側に押し込もうとする比較的大きな外力が作用せず、従来の構成に比べて農作物Aの損傷を防止できる。
【0089】また、掻込装置11の掻込羽根15による持ち回りを防止できるばかりでなく、掻込装置11をコンパクトにでき、掻込装置11の設置スペースを小さくできる。
【0090】さらには、圃場Hの地表面および定位置のミッションケース10a間の中央高さ位置よりミッションケース10a側寄りの位置に、掻込羽根15の回転中心軸線Y1を位置させることができ、比較的大きな農作物Aにも対応できる。すなわち、圃場Hの地表面およびミッションケース10a間の距離はトラクタTの大きさ(PTO軸の高さ等)に対応して決ってしまうため、従来の構成では掻込羽根15の大きさが制限され、比較的大きな農作物Aに対応できなかったが、本実施の形態では掻込羽根15の弾性板20の短手方向長さ寸法を比較的長くでき、比較的大きな農作物Aにも対応できる。
【0091】また、例えば運搬車106の荷台107への満杯容器Wの積込作業におけるフォーク73の上昇時に、回動式の分離コンベヤ31が、フォーク73とともに上昇する容器Wによって押されて上方向に回動するので、分離コンベヤ31が積込作業の邪魔にならず、フォーク73の上昇で複数段の容器W群を所望の高さ位置まで適切に持ち上げることができ、効率よく積込作業を行うことができる。
【0092】また、分離コンベヤ31から後方に突出したシュート取付体51の後端部に搬送位置および非搬送位置に位置変更可能すなわち所定方向である上下方向に回動可能に取り付けられた回動式の可動シュート52を具備し、可動シュート52が搬送位置に位置した状態では分離コンベヤ31からの農作物Aが可動シュート52にて搬送されてフォーク73の先端側上の容器W内に落下により収容され、可動シュート52が非搬送位置に位置した状態では分離コンベヤ31からの農作物Aが可動シュート52にて搬送されることなくフォーク73の基端側上の容器W内に落下により収容される構成であるから、効率よくかつ適切に収容作業ができる。
【0093】さらに、可動シュート52上を滑落してこの可動シュート52から搬出される農作物Aが容器W外に移動しようとするのを禁止するストッパ体53をシュート取付体51の後端部に回動操作可能に取り付けた構成であるから、農作物Aが容器W外に落下するのを防止できるのみならず、ストッパ体53の回動操作によって可動シュート52を容易に位置変更できる。
【0094】また、フォーク73を昇降させる際にオン操作する昇降用操作スイッチ92およびフォーク73を所定方向である上下方向に回動させる際にオン操作する回動用操作スイッチ93のそれぞれを機体2の上端部に設けた構成であるから、例えばトラクタTの運転者とは異なるサブの作業者、すなわち農作業機1の後ろを追う補助の作業者が、昇降用操作スイッチおよび回動用操作スイッチを操作することができ、より一層効率よく作業ができる。
【0095】さらに、農作業機1の後ろを追う作業者がブザーを作動させる際にオン操作する報知用操作スイッチ94を機体2の上端部に設けたので、トラクタTの運転者に農作業機1側の作業者から所定情報を確実に知らせることができ、トラクタTの走行、停止等を適切に行うことができる。
【0096】なお、農作業機1は、掻込装置11からの農作物Aを掬上げ体46を介して直接的に受け入れて持上げ搬送する持上搬送コンベヤ21を具備する構成には限定されず、例えば、図示しないが、掻込装置11から払い出されるつまり押し出される農作物Aを直接受け入れて搬送する搬送手段を具備するものでもよい。
【0097】また、掻込手段である掻込装置11は、図6および図7に示すものに限定されず、例えば図8に示すものでも同様の作用効果を奏し得る。
【0098】この図8に示す掻込装置11は、互いに前後に離間対向した2本の左右水平方向の回転中心軸線Y1を中心として所定方向に駆動回転する回転体を構成する左右一対の無端体であるチェーン12aを備えている。
【0099】すなわち、掻込装置11は、同じ高さに位置する前後一対の回転中心軸線Y1を中心として所定方向に駆動回転するとともにこれら前後一対の回転中心軸線Y1間の上方では前方移動しその下方では後方移動する回転体を構成する左右一対の無端体であるチェーン12aを備えている。各チェーン12aは、機枠3が有する互いに離間対向した左右一対のフレーム3aによって水平状に同じ高さ位置に支持されて回転中心軸線Y1を中心として駆動回転する前後一対の左右水平方向の駆動軸である回転軸16に固着されたスプロケット16aに回転可能に巻き掛けられている。
【0100】そして、このチェーン12aには、姿勢設定用ガイド13のガイド面13aに摺接して移動する摺接部であるガイド接触部14を有する複数(例えば6枚)の回動式の掻込羽根15が、左右水平方向の回動中心軸線Y2を中心として上下方向に回動自在にそれぞれ設けられている。なお、トラクタTからの動力を農作業機1側に入力する入力軸10を保持するミッションケース10aが掻込装置11の上方にこの掻込装置11と近接して配置されている。
【0101】ここで、各掻込羽根15は、図6に示すものと同一構成であるが、姿勢設定用ガイド13は図6に示すものとは異なる構成のものである。
【0102】この図8に示す姿勢設定用ガイド13は、掻込羽根15のガイド接触部14と接触してこの掻込羽根15の姿勢を設定するもので、例えば互いに離間対向した左右一対のガイド部材34aにて構成されている。
【0103】この各ガイド部材34aは、摺接部材14aと略同じ厚さを有し前後方向に長手状の略長円板状のもので、対応する摺接部材14aと同一面上に位置するように機枠3のフレーム3aに固着されている。すなわち、ガイド部材34aは、対応する摺接部材14aと同一面上に位置しかつ各回転中心軸線Y1がこのガイド部材34aの所定位置を貫通した状態になっている。また、ガイド部材34aの外周面にて摺接部材14aをガイドするガイド面13aが構成されている。さらに、ガイド部材34aの前側では前の回転中心軸線Y1からガイド面13aまでの距離がガイド部材34の上側より下側の方が長くなっており、ガイド部材34aの後側では後の回転中心軸線Y1からガイド面13aまでの距離がガイド部材34aの上側より下側の方が長くなっている。
【0104】そして、ミッションケース10aによって保持された入力軸10からの動力が伝動手段45を介して掻込装置11の回転軸16に伝達されると、各掻込羽根15は、チェーン12aと一体となってこのチェーン12aとともに回転中心軸線Y1を中心として所定方向、すなわち進行方向X前側で掻込羽根15が下降し進行方向X後側(持上搬送コンベヤ21との対向側)で掻込羽根15が上昇する方向に公転的に駆動回転(回行)する。
【0105】また、この回転の際には、各掻込羽根15は、姿勢設定用ガイド13の姿勢設定作用に基いてチェーン12aに対して回動中心軸線Y2を中心として回動し、各回転中心軸線Y1の上側では寝た姿勢(略水平状の水平姿勢)となり、各回転中心軸線Y1の下側では立った姿勢(略垂直状の垂直姿勢)となる。
【0106】すなわち、各掻込羽根15は、ガイド接触部14が姿勢設定用ガイド13のガイド部材34のガイド面13aに摺接して移動することにより、支軸18を中心にチェーン12aに対して回動し、ガイド部材34aの上側では寝た姿勢となり、ガイド部材34aの下側では掻込可能な立った姿勢となる。つまり、各掻込羽根15は、ガイド部材34aの進行方向X後側(持上搬送コンベヤ21の搬送始端部との対向側)で、立った姿勢から寝た姿勢に徐々に姿勢変更する。
【0107】こうして、圃場H上の農作物Aが、掻込装置11の各掻込羽根15にて掻き込まれて後方に払い出され、前下り傾斜状の掬上げ体46上に乗り移り、その後、持上搬送コンベヤ21にて持上げ搬送される。
【0108】なお、掻込装置11は、同じ高さに位置する前後一対の回転中心軸線Y1を中心として回るつまり回転するチェーン12aに掻込羽根15を回動自在に複数設けた構成には限定されず、例えば、図示しないが、後の回転中心軸線Y1を前の回転中心軸線Y1より高くした異なる高さに位置する前後一対の回転中心軸線Y1を中心として回転するチェーン12aに掻込羽根15を回動自在に複数設けた構成としてもよい。この構成とした場合、持上搬送コンベヤ21と圃場との離間距離を増大でき、くし状の掬上げ体46を長くできるので、持上搬送コンベヤ21が農作物Aとともに大量の土を受け入れてしまうことを適切に防止できる。
【0109】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、所定方向に回転しながら、上側では寝た姿勢となり下側では立った姿勢となる掻込羽根を備える掻込手段を具備する構成であるから、従来の構成に比べて、搬送手段による農作物の受入れの際における農作物の損傷を防止できる。
【0110】請求項2記載の発明によれば、回転体とともに所定方向に回転しながら、姿勢設定用ガイドの姿勢設定作用に基いて回転体に対して回動して上側では寝た姿勢となり下側では立った姿勢となる掻込羽根を備える掻込手段を具備する構成であるから、従来の構成に比べて、搬送手段による農作物の受入れの際における農作物の損傷を防止できる。
【0111】請求項3記載の発明によれば、掻込羽根は弾性変形可能な弾性板にて構成された羽根本体部によって圃場の農作物を適切に掻き込んで後方に払い出すことができる。
【0112】請求項4記載の発明によれば、圃場およびミッションケース間の中央位置よりミッションケース側の位置に、掻込羽根の回転中心軸線を位置させることができ、比較的大きな農作物にも対応できる。
【出願人】 【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地
【出願日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄 (外2名)
【公開番号】 特開2003−164210(P2003−164210A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−367880(P2001−367880)