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【発明の名称】 種籾予措方法、被覆種子および種子被覆用組成物
【発明者】 【氏名】大橋 修

【氏名】山川 哲規

【氏名】角田 佐保枝

【要約】 【課題】種籾の予措作業を省力化する方法、各種被覆種子および種子被覆用組成物を提供すること。

【解決手段】種籾の予措作業(比重選別、種子消毒、浸種、芽出し)において、種子消毒後の種籾をセルロースを主成分とする組成物でコーティングすることによって、浸種、芽出し作業を省略することができた。このため、稲の育苗作業を省力化でき、加えて、種子消毒された種子から消毒剤が溶け出した浸種における廃液が出ないため、環境面からも好ましい。また、本願発明のセルロースを主成分とする組成物でコーティングした籾、ビート、芝、メロンなどは、発芽率が向上するのみならず、生育も良好である。特に、稲においては苗の移植時における根付きの強さ(活着率)および苗の栄養状態(苗糖含量)が向上する。さらに、穀類およびビートなどの根菜類においては、収穫量の増大や食味、糖度などの向上が期待できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】比重選別した後、消毒した籾を、セルロースを成分とする組成物で被覆することを特徴する種籾予措方法。
【請求項2】組成物が、シリカゲル、珪藻土、ミョウバン、炭酸カルシウムまたは単糖から選ばれる一種以上の添加剤を含有する組成物である請求項1に記載の種籾予措方法。
【請求項3】セルロースが、結晶セルロースまたは粉末セルロースである請求項1または2に記載の種籾予措方法。
【請求項4】シリカゲルが、含水二酸化ケイ素または無水二酸化ケイ素である請求項1〜3に記載の種籾予措方法。
【請求項5】単糖が、ブドウ糖である請求項1〜4に記載の種籾予措方法。
【請求項6】組成物が、澱粉からなる結合剤を含有する組成物である請求項1〜5に記載の種籾予措方法。
【請求項7】セルロースを成分とする組成物で被覆した種子。
【請求項8】組成物が、シリカゲル、珪藻土、ミョウバン、炭酸カルシウム、過酸化カルシウムまたは単糖から選ばれる一種以上の添加剤を含有する組成物である請求項7に記載の被覆種子。
【請求項9】セルロースが、結晶セルロースまたは粉末セルロースである請求項7または8に記載の被覆種子。
【請求項10】シリカゲルが、含水二酸化ケイ素または無水二酸化ケイ素である請求項7〜9に記載の被覆種子。
【請求項11】単糖が、ブドウ糖である請求項7〜10に記載の被覆種子。
【請求項12】組成物が、澱粉からなる結合剤を含有する組成物である請求項7〜11に記載の被覆種子。
【請求項13】セルロースを成分とする種子被覆用組成物。
【請求項14】組成物が、シリカゲル、珪藻土、ミョウバン、炭酸カルシウム、過酸化カルシウムまたは単糖から選ばれる一種以上の添加剤を含有する組成物である請求項13に記載の種子被覆用組成物。
【請求項15】セルロースが、結晶セルロースまたは粉末セルロースである請求項13または14に記載の種子被覆用組成物。
【請求項16】シリカゲルが、含水二酸化ケイ素または無水二酸化ケイ素である請求項13〜15に記載の種子被覆用組成物。
【請求項17】単糖が、ブドウ糖である請求項13〜16に記載の種子被覆用組成物。
【請求項18】組成物が、澱粉からなる結合剤を含有する組成物である請求項13〜17に記載の種子被覆組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種籾予措方法および被覆(コーティング)した籾を含む被覆種子および種子を被覆するための組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】稲の育苗作業は、移植時期から逆算して、育苗床土の準備、種子の予措、播種、育苗を計画的に行う。この中で、種籾の予措は、種籾の比重選別、消毒、浸種、催芽・芽出しの順に行われる作業である。そして種籾が芽切った後、播種へと育苗作業が進められる。比重選別は、病気、不揃いの原因となる種籾を塩水等に漬けて行うものであり、比重選別で選抜された種籾は、水洗後に種子消毒される。種子消毒は、ばかなえ病、いもち病などを予防するために、種子消毒剤に一定時間浸漬することにより行われる。種子消毒した種籾は、水で浸種し、次いで、芽出し(催芽)させた後、播種する。一方、セルロース系フィルム形成剤、α−セルロース誘導体および可塑剤の特定割合からなる種子のコーティングフィルム組成物(特許文献1);アスペクト比が20以上である繊維構造を有する物質としてセルロースパウダーBと撥水剤としてステアリン酸カルシウムを特定割合で含有する種子用コーティング材料(特許文献2);混合処理中に粘着性を生じない微粉末を、該微粉末を付着させるに足りる水性液を表面に保持した種子を除く活性植物組織(催芽した種子を含む)と混合し、微粉末を活性植物組織の周囲に付着させる粉衣方法(特許文献3)が知られている。
【0003】
【特許文献1】特公平3−4577号公報【特許文献2】特開平8−56425号公報【特許文献3】特開昭62−265908号公報【0004】
【発明が解決しようとする課題】種子消毒された種籾の浸種は、流水中または停滞水中で、通常、水温×日数=100以上の期間行う。この作業は、労力を必要とし、移植時期に合わせて期間を決める点が難しい。また、種子消毒された種籾から溶出した種子消毒剤が含まれる浸種水をそのまま破棄することは環境面から好ましくない。一方で、セルロースは、植物体を構成する主成分であり、紡績、製紙、人造繊維など原料として多種多様な用途が知られているが、さらなる用途の開発が求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発明者は、種籾にセルロースを成分とする組成物をコーティングすることで、出芽が促進されることを見出した。そして、種籾を、比重選別、種子消毒後、セルロースを成分とする組成物をコーティングすることによって、浸種、芽出しを省略した種籾予措方法を確立するに至った。さらに、セルロースを成分とする組成物をコーティングすることによって、稲以外にも、甜菜および芝などの発芽率が向上し、生育も促進され、収穫量が増大することを見出し本発明を完成させた。
【0006】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の種籾予措方法は、■籾を比重選別し、■選抜された籾を種子消毒した後、■籾をセルロースを主成分とする組成物でコーティングする方法である。本発明の方法では、発芽を揃えるための浸種、芽出しを行わない点で従来の方法と異なる。
【0007】籾の比重選別は、通常行われる塩水を用いた方法で行えばよいが、具体的には、例えば、比重1.05〜1.2程度の食塩水あるいは硫安水に種籾を入れ、沈んだものを選別し、これを水で濯げばよい。
【0008】種子消毒は、ばかなえ病、いもち病などを予防するために、通常行われている方法で行えばよいが、例えば、チウラム・ベノミル剤、チウラム・チオファネートメチル剤、ベノミル剤、チアベンダゾール・キャプタン剤など種子消毒剤が一定濃度含まれる薬液を10℃以上に加温し、一定時間浸漬させれはよい。種子消毒された籾は半日程度風乾し、次の作業に用いることが好ましい。
【0009】本発明の組成物で種籾および後述する各種種子に被覆する方法としては、種籾または各種種子とセルロースを成分とする組成物を混合し、結合剤水溶液を加えてさらに混合し乾燥する方法(混合法);遠心流動造粒装置(CF造粒装置)を使用し、種籾または各種種子、組成物および結合剤で被覆種子を製造する方法(遠心流動被覆法);糖衣パンを使用し、種籾または各種種子、組成物および結合剤で被覆種子を製造する方法(パンコーティング法);種籾または各種種子を水または結合剤含有水溶液に浸した後、セルロースを成分とする組成物を塗沫し、乾燥させる方法(浸漬法)などが挙げられる。
【0010】セルロースを成分とする組成物で被覆することによって、従来、行われていた浸種、芽出し工程を省略した本発明予措方法で処理した種籾は、必要に応じて乾燥した後、育苗器で発芽させればよい。また、セルロースを成分とする組成物で被覆した各種種子は、必要に応じて乾燥した後、播種すればよい。また、種子が種籾の場合直播に共することもできる。
【0011】本発明の種籾予措方法、被覆種子および種子被覆組成物に使用されるセルロースは、植物、微生物などから得られるものであれば特に限定されないが、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを鉱酸で部分的に解重合し、精製した結晶セルロースおよびα−セルロースを機械的に分解した粉末セルロースが好ましく、とりわけ結晶セルロースが好ましい。結晶セルロースには、粒子径や見かけ比重の違いによる各種グレードがあるが、それらはいずれも使用することができる。
【0012】本発明の種籾予措方法、被覆種子および種子被覆組成物で使用されるシリカゲルは、含水二酸化ケイ素および無水二酸化ケイ素(軽質無水ケイ酸など)が挙げられ、とりわけ、含水二酸化ケイ素が好ましい。
【0013】本発明の種籾予措方法、被覆種子および種子被覆組成物で使用される単糖は、ブドウ糖(グルコース)、フラクトース、キシロースなどが挙げられ、とりわけブドウ糖が好ましい。
【0014】本発明の種籾予措方法、被覆種子および種子被覆組成物で必要に応じて使用され結合剤として、例えば、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、米澱粉などの澱粉;ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体が挙げられ、好ましいものとして澱粉が挙げられ、とりわけ、トウモロコシ澱粉が好ましいもとして挙げられる。また、上記の結合剤は、それらを混合して使用してもよい。
【0015】本発明の種籾予措方法において、セルロースを成分とする組成物に、必要に応じて添加する添加物の量は、セルロースに対して、含水もしくは無水二酸化ケイ素で0.1〜10重量%;珪藻土で1〜50重量%;カリミョウバン、焼きミョウバンなどのミョウバンで0.1〜5重量%;(沈降)炭酸カルシウムで0.1〜10重量%;単糖で0.5〜20重量%である。また、結合剤の使用量は、セルロースを成分とする組成物に対して、0.5〜5重量%である。
【0016】本発明の種籾予措方法において、セルロースを成分とする組成物として好ましいものは、結晶セルロースと含水二酸化ケイ素、珪藻土、必要に応じて炭酸カルシウムからなる組成物であり、それらの配合割合(重量%)は、結晶セルロース50〜95重量%、好ましくは60〜95重量%、更に好ましくは、75〜90重量%;含水二酸化ケイ素0.1〜10重量%、好ましくは、1〜10重量%、更に好ましくは、3〜7重量%;珪藻土1〜50重量%、好ましくは、3〜25重量%、更に好ましくは、5〜20重量%;炭酸カルシウム0.1〜10重量%、好ましくは、2〜10重量%、更に好ましくは、3〜7重量%である。また、結合剤として、トウモロコシ澱粉が好ましく、その使用量は、組成物の0.5〜5重量%である。
【0017】セルロースを成分とする組成物でコーティングされる種子は、特に限定されないが、例えば、稲、小麦、大麦、燕麦、蕎麦、トウモロコシ、コウリャンなど穀類;甜菜(ビート)などの根菜類;インゲン、エンドウ、ソラマメ、大豆、小豆などの豆類;高麗芝、西洋芝など芝類;マスクメロン、アンデスメロン、プリンスメロンなどのメロン類が挙げられる。好ましいものとしては、稲(籾)、甜菜、芝、メロンが挙げられる。
【0018】本発明の種子被覆用組成物として好ましいものは、結晶セルロースと含水二酸化ケイ素、珪藻土、必要に応じて炭酸カルシウムからなる組成物であり、それらの配合割合(重量%)は、結晶セルロース50〜95重量%、好ましくは60〜95重量%、更に好ましくは、75〜90重量%;含水二酸化ケイ素0.1〜10重量%、好ましくは、1〜10重量%、更に好ましくは、3〜7重量%;珪藻土1〜50重量%、好ましくは、3〜25重量%、更に好ましくは、5〜20重量%;炭酸カルシウム0.1〜10重量%、好ましくは、2〜10重量%、更に好ましくは、3〜7重量%;過酸化カルシウム100〜1500重量%、好ましくは、200〜1250重量%、更に好ましくは、250〜1000重量%である。さらに、上記の種子被覆用組成物を種子にコーティングする際に使用する結合剤として、トウモロコシ澱粉が好ましく、その使用量は、組成物の0.5〜5重量%である。以下に本発明の組成物の被覆方法について、実施例で説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0019】実施例1(パンコーティング法)
比重選別後、種子消毒し、風乾したコシヒカリの籾150g、セルロースを成分とする組成物[結晶セルロース(アビセルPH302:旭化成):含水二酸化ケイ素(カープレックス#80:シオノギ):珪藻土=20:1:4)45g、2%(w/v)トウモロコシデンプン水溶液を使用し、糖衣パン[パン回転数:20rpm、結合剤溶液噴霧速度:10mL/分、操作温度:室温]で被覆を行い被覆終了後室温で風乾し、セルロースを成分とする組成物20重量%被覆コシヒカリ籾180gを得た。
【0020】実施例2(浸漬法)
比重選別後、種子消毒し、風乾したコシヒカリの籾150gを2%(w/v)デンプン水溶液2Lに浸した後、10.5メッシュの篩の上に濾取し、水きりを行った。この籾にセルロースを成分とする組成物[粉末セルロース(ビタセル:三木産業):含水二酸化ケイ素:珪藻土=20:1:4)70gを塗沫処理し、10.5メッシュ篩で籾に塗沫されなかったセルロースを成分とする組成物を除去し後、室温で風乾し、セルロースを成分とする組成物25重量%被覆コシヒカリ籾200gを得た。
【0021】実施例3比重選別後、種子消毒し、風乾したコシヒカリの籾にセルロースを成分とする組成物(結晶セルロース:含水二酸化ケイ素:珪藻土=20:1:4)を2%(w/v)トウモロコシデンプン水溶液を使用し、CF造粒装置により、被覆量として各々、6.4%(サンプルNo.1)、9.4%(サンプル No.2)、12.0%(サンプルNo.3)をコーティングした。この被覆籾を発芽床(脱脂綿+ペーパータオル/ポリエチレン製秤量皿)に各サンプル籾25個を播種し、7日目の発芽数と芽の長さを調べた。対照として、コーティングしない籾を同時に播種した。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】

【0023】表1より、対照群に比較して、セルロースを成分とする組成物をコーティングした籾は、発芽率が大きく、芽の長さも長かった。また、芽の長さの標準偏差がコーティングした種籾の方が小さく、コーティングした籾は、同期性にも優れていた。
【0024】実施例4比重選別後、種子消毒し、風乾したコシヒカリの籾にセルロースを成分とする組成物(結晶セルロース:含水二酸化ケイ素:珪藻土=20:1:4)を2%(w/v)トウモロコシデンプン水溶液を使用し、CF造粒装置により、被覆量として各々、10%、50%コーティングした。この被覆籾を苗床に播種して育苗を行った。一方、対照群として、従来通りの方法により、種籾を比重選別、消毒、浸種、芽出しを行った後、苗床に播種して育苗を行った。それぞれの苗を移植し、草丈、茎数、葉令の推移を指標として、成長を観察した。結果を表2に示す。また、収穫量に関して調べた結果を表3に示す。
【0025】
【表2】

表2に示した通り、セルロースを成分とする組成物を被覆した籾の成育(草丈、茎数、葉令)は、対照群とほぼ同じであった。
【0026】
【表3】10アール当たりの玄米重量
表3に示した通り、対照区に比べ、玄米の収穫量が、被覆10%区で4%、被覆50%区で6%、それぞれ、増加した。
【0027】実施例5ビート種子300gに対してセルロースを成分とする組成物(結晶セルロース:含水二酸化ケイ素:珪藻土=20:1:4)および結合剤(2%(w/v)トウモロコシ澱粉水溶液)を使用し、CF造粒装置により、被覆量が10%(70g)、20%(85g)、50%(120g)、100%(170g)の被覆ビート種子を得た。20%および50%被覆ビート種子と被覆なしビート種子の各182粒を紙ポットに播種し、播種後56日目に定植した。播種後9日後の発芽数および定植後65日目の合計根重量(n=20の加算重量)を表4に示す。
【0028】
【表4】

表4に示したように、発芽数が対照群に比べ、被覆20%群で7%、被覆50%群で13%、それぞれ増加した。また、根重量において、対照群に比べ、被覆20%群で10%、被覆50%群で26%、それぞれ増加した。
【0029】実施例6実施例5のビート種子量を1020gに、セルロースを成分とする組成物を結晶セルロース:含水二酸化ケイ素:珪藻土=20:1:2よりなるものに替え、結合剤(2%(w/v)トウモロコシ澱粉水溶液)を使用し、CF造粒装置により、被覆量59%の被覆ビート種子1618gを得た。
【0030】実施例7芝生種子(庭園用西洋芝)100g、セルロースを成分とする組成物(結晶セルロース:含水二酸化ケイ素:珪藻土=20:1:4)20gを1L容器中で混合し、さらに2%(w/v)トウモロコシ澱粉水溶液100gと水100gを加えて混合する。これをアルミ製バッターに広げ、1夜送風乾燥して、20重量%被覆芝生種子121gを得た。
【0031】実施例8芝生種子150g、セルロースを成分とする組成物(結晶セルロース:含水二酸化ケイ素:珪藻土=20:1:4)60gおよび2%(w/v)トウモロコシ澱粉水溶液を使用し、遠心流動造粒装置で被覆を行い、20重量%被覆芝生種子180gを得た。
【0032】実施例9マスクメロン種子50粒を、2%(w/v)トウモロコシ澱粉水溶液100mL浸した後、10.5メッシュの篩の上に濾取し、水切りする。この種子にセルロースを成分とする組成物(結晶セルロース:含水二酸化ケイ素:珪藻土:沈降炭酸カルシウム=20:1:2:1)2gを塗沫処理(30メッシュ篩で組成物を篩過して塗沫する)し、10.5メッシュ篩で種子に塗沫されなかった組成物を除去した後、室温で風乾する。20重量%被覆メロン種子50粒を得た。
【0033】実施例10比重選別後、種子消毒し、風乾したコシヒカリの籾100g、セルロースを成分とする組成物[結晶セルロース:含水二酸化ケイ素:珪藻土=20:1:4)20gと過酸化カルシウム(カルパー粉粒剤16:保土ヶ谷化学)200gの混合物 ]220gおよび2%(w/v)トウモロコシデンプン水溶液を使用し、CF造粒装置により、籾に対して200重量%の被覆された被覆籾(A)300gを得た。
【0034】実施例11比重選別後、種子消毒し、風乾したコシヒカリの籾100g、セルロースを成分とする組成物[(結晶セルロース:含水二酸化ケイ素:珪藻土=20:1:4)75gと過酸化カルシウム150gの混合物 ]225gおよび2%(w/v)トウモロコシデンプン水溶液を使用し、CF造粒装置により、籾に対して200重量%の被覆された被覆籾(B)300gを得た。一方、比重選別後、種子消毒し、風乾したコシヒカリの籾100g、過酸化カルシウム粉粒剤210gおよび2%(w/v)トウモロコシデンプン水溶液を使用し、CF造粒装置により、籾に対して200重量%の被覆された被覆籾300g(C)を得た。被覆籾(A)(実施例10にて製造されたもの)、被覆籾(B)、被覆籾(C)および被覆されていない籾(D)をバーミキュライト−ピートモス(3:2)を入れた400mLのバランスディシュに播種し、播種1週間後の草丈(n=5)を調べた。その結果は、(D)33mmに対して、(A)64mm、(B)68mm、(C)54mmであった。
【0035】
【発明の効果】本願発明のセルロースを主成分とする組成物でコーティングした種籾は、稲(種籾)予措において、浸種、芽出し作業を省略することができるため、稲の育苗作業を省力化でき、加えて、種子消毒された種子から消毒剤が溶け出した浸種における廃液が出ないため、環境面からも好ましいものである。また、本願発明のセルロースを主成分とする組成物でコーティングした籾、ビート、芝、メロンなどは、発芽率が向上するのみならず、生育も良好である。特に、稲においては苗の移植時における根付きの強さ(活着率)および苗の栄養状態(苗糖含量)が向上する。さらに、稲などの穀類およびビートなどの根菜類においては、収穫量の増大や食味、糖度などの向上が期待できる。
【出願人】 【識別番号】000003698
【氏名又は名称】富山化学工業株式会社
【出願日】 平成14年11月8日(2002.11.8)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−325006(P2003−325006A)
【公開日】 平成15年11月18日(2003.11.18)
【出願番号】 特願2002−324884(P2002−324884)