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【発明の名称】 芝生用肥料吹込み機
【発明者】 【氏名】西垂水 務

【氏名】平田 郁朗

【要約】 【課題】芝生に対して容易に肥料を供給できる芝生用肥料吹込み機を提供する。

【解決手段】芝生(16)の上を移動可能な車両(5)と、この車両(5)に取り付けて使用される吹込みユニット(10)とを設け、この吹き込みユニット(10)が、芝生(16)を実質的に鉛直方向に切断するためのカッター(24)と、カッター(24)の移動方向後方に設けられて切断された芝生(16)を持ち上げるための爪部(30)と、爪部(30)の移動方向後方に設けられて持ち上げられた芝生(16)の下方に肥料(3)を吹き込むための吹込み部(36)とを有することを特徴とする芝生用肥料吹込み機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 芝生(16)の上を移動可能な車両(5)と、この車両(5)に取り付けて使用される吹込みユニット(10)とを設け、この吹き込みユニット(10)が、芝生(16)を切断するためのカッター(24)と、カッター(24)の移動方向後方に設けられて切断された芝生(16)を持ち上げるための爪部(30)と、爪部(30)の移動方向後方に設けられて持ち上げられた芝生(16)の下方に肥料(3)を吹き込むための吹込み部(36)とを有することを特徴とする芝生用肥料吹込み機。
【請求項2】 カッター(24)の前方にカッター(24)の切断方向に沿って櫛(14)が設けられ、この櫛(14)が芝(16a)と芝根(16b)からなる芝生(16)の芝(16a)を揃える構成にしたことを特徴とする請求項1に記載の芝生用肥料吹込み機。
【請求項3】 櫛(14)を支持するための第1支持部(18)を設け、第1支持部(18)が、芝生(16)に沿って移動するローラー(20)と、ローラー(20)の移動に応じて移動可能に構成された第1伸縮部材(22)を有することを特徴とする請求項2に記載の芝生用肥料吹込み機。
【請求項4】 カッター(24)を支持するための第2支持部(28)を設け、第2支持部(28)が、カッター(24)の移動に応じて移動可能に構成された第2伸縮部材(34)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の芝生用肥料吹込み機。
【請求項5】 吹込み部(36)が、移動可能に構成された第3伸縮部材(42)を有していて、第2支持部(28)と一体的に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の芝生用肥料吹込み機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフ場の芝生等に粉状堆肥等の肥料を与えるために用いられる芝生用の肥料吹込み機に関する。
【0002】
【従来の技術】芝生、例えばゴルフ場の芝生を維持するためには、芝生に肥料を供給する必要がある。肥料の供給方法として、従来から化学肥料を表面散布する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、化学肥料の表面散布は、除草剤散布とともに周辺河川への水質汚染の問題を引き起こしている。
【0004】本発明は、環境対策の一環として上述のような水質汚染を引き起こすことのない芝生用肥料吹込み機を提供することを目的としている。
【0005】本発明のもう1つの目的は、平坦ではない芝生、例えば傾斜、凹凸がある芝生に対しても容易に粉状堆肥を供給できる芝生用肥料吹込み機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題を解決するための手段を例示すると、次の通りである。
【0007】(1) 芝生(16)の上を移動可能な車両(5)と、この車両(5)に取り付けて使用される吹込みユニット(10)とを設け、この吹き込みユニット(10)が、芝生(16)を切断するためのカッター(24)と、カッター(24)の移動方向後方に設けられて切断された芝生(16)を持ち上げるための爪部(30)と、爪部(30)の移動方向後方に設けられて持ち上げられた芝生(16)の下方に肥料(3)を吹き込むための吹込み部(36)とを有することを特徴とする芝生用肥料吹込み機。
【0008】(2) カッター(24)の前方にカッター(24)の切断方向に沿って櫛(14)が設けられ、この櫛(14)が芝(16a)と芝根(16b)からなる芝生(16)の芝(16a)を揃える構成にしたことを特徴とする先述の芝生用肥料吹込み機。
【0009】(3) 櫛(14)を支持するための第1支持部(18)を設け、第1支持部(18)が、芝生(16)に沿って移動するローラー(20)と、ローラー(20)の移動に応じて移動可能に構成された第1伸縮部材(22)を有することを特徴とする先述の芝生用肥料吹込み機。
【0010】(4) カッター(24)を支持するための第2支持部(28)を設け、第2支持部(28)が、カッター(24)の移動に応じて移動可能に構成された第2伸縮部材(34)を有することを特徴とする先述の芝生用肥料吹込み機。
【0011】(5) 吹込み部(36)が、移動可能に構成された第3伸縮部材(42)を有していて、第2支持部(28)と一体的に移動可能に構成されていることを特徴とする先述の芝生用肥料吹込み機。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態においては、ゴルフ場の芝生に肥料が吹込まれる。肥料は好ましくは粉状堆肥である。粉状堆肥を吹き込むことにより、化学肥料の散布が引き起こしていた周辺河川の水質汚染等をなくすことができる。
【0013】本発明における車両の一例はトラクターである。トラクターが吹込みユニットを複数個設けて移動することができるようにするのが好ましい。なお、吹込みユニットには、カッター、爪部、吹き込みユニット等を複数組(例えば20から40組)設ける構成にするのが好ましい。
【0014】本発明におけるカッターは、芝生を切断可能なものであれば良い。好ましくは芝生の下の土壌も切断できるものが良い。カッターを支持する支持部にバネを設け、カッターを上下動可能に構成するのが良い。こうして芝生の傾斜や凹凸に対応させるのが良い。
【0015】本発明における吹込み部は、以下の実施例においては吹込みパイプとして示されている。
【0016】好ましくは、櫛を支持するための支持部にバネを設け、櫛を上下動可能に構成するのが良い。
【0017】第1伸縮部材及び第2伸縮部材は、以下の実施例においては、それぞれ第1バネ及び第2バネとして示されている。
【0018】第3伸縮部材は、以下の実施例においては、蛇腹として示されている。吹込み部の一部を蛇腹として構成しても良いし、全体を蛇腹として構成しても良い。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0020】図1は、本発明による芝生肥料吹込み機1に好適に使用される吹込みユニット10の一例を示す概略側面図である。
【0021】吹込みユニット10は、図1では図示省略されたトラクター(本発明による車両の典型例)に取り付けて図中矢印A方向に移動させて用いられる。以下矢印A方向を前方とし、その反対方向を後方とする。
【0022】吹込みユニット10は、剛体的なフレーム12を有している。フレーム12には、前方から後方にかけて、第1支持部18、第2支持部28、本発明による吹込み部の典型例としての吹込みパイプ36、養生シャワー44、及び仕上げローラー48等が設けられている。
【0023】第1支持部18は、フレーム12の前方に固定され、鉛直に配置されている。第1支持部18の下部付近には、芝分け櫛14が設けられている。芝分け櫛14は、下側前方に湾曲して前方に尖った硬質部材で構成されている。芝分け櫛14の下端は、芝16aと芝根16bからなる芝生16と実質的に並行になるように構成されていて、芝16aの下端付近の芝根16b上部に位置するようになっている。芝分け櫛14を鋭利に形成することにより、後述するカッター12で芝生16に切れ目を入れる前に、予め芝16aを鋤いて揃えることができる。
【0024】第1支持部18の下端には、2つの小型ローラー20が回転自在に設けられている。小型ローラー20の間には、芝分け櫛14が配置されている。小型ローラー20の下面は芝分け櫛14の下面よりもやや下方に設定されている。小型ローラー20により、芝分け櫛14により揃えられた芝16aを、芝根16bに対して押圧し、芝生の切断をスムーズにすることができる。
【0025】第1支持部18の上部の一部分には、本発明における第1伸縮部材の典型例としての第1バネ22が含まれている。第1バネ22は、小型ローラー20を芝生16に押し当てるのに充分な弾性力を有する。また、第1バネ22は、例えば芝生16の形状が均一でない場合に、小型ローラー20を上方に移動させて対応させるのに充分な弾性力を有する。第1バネ22により、芝分け櫛14は鉛直方向に移動可能になっている。
【0026】第2支持部28は、第1支持部18の後方に間隔を空けて配置されている。第2支持部28の下部付近には、アーム26を介してカッター24が設けられている。カッター24は、直立した円盤状のカッターであり、回転自在に配置されている。カッター24は芝生16を好ましくは実質的に鉛直方向に切断するためのものである。
【0027】第2支持部28の下端には、爪部30が設けられている。爪部30は、カッター24の面に沿ってカッター24を挟む形で配置され、カッター24の両面に硬質の蹄形爪部30aと鋤の役目をする羽根部分30bからなる。
【0028】蹄形爪部30a、鋤(羽根)30bの下端はカッター24の下端よりやや高め(30mm程度の高さ)に位置している。
【0029】羽根30bは、蹄形爪部30aの上側に取り付けられている。羽根30bは、前方から後方にかけて幅広かつ高く傾斜しており、その下端は、カッターの下端よりやや高め位置にある。羽根30bにより、芝生16と好ましくはその下の土壌17を持ち上げることができる。
【0030】第2支持部28の上部の一部分には、本発明における第2伸縮部材の典型例としての第2バネ34が含まれている。第2バネ34は、カッター24を芝生16に押し当てて切断するのに充分な弾性力を有する。また、第2バネ34は、芝生16の下の地盤(土壌17)が均一でない場合、例えば岩や木の根があった場合に、第2支持部28を上方に移動させて対応させるのに充分な弾性力を有する。第2バネにより、カッター24は鉛直方向に移動可能になっている。
【0031】吹込みパイプ36は、連結部32を介して第2支持部28の後部に一体的に設けられている。吹込みパイプ36は、鉛直に配置されている。吹込みパイプ36は粉状堆肥3を持ち上げられた芝生16の下方の隙間に吹き込むためのものである。
【0032】吹込みパイプ36の上端には、堆肥ホッパ40が設けられている。堆肥ホッパ40には粉状堆肥が積載されていて、そこから吹込みパイプ36内に粉状堆肥を投下するようになっている。
【0033】吹込みパイプ36の下端は、放出口38として構成されている。放出口38付近の進行方向と垂直な方向の幅は、爪部30a付近の幅よりも狭い。放出口38は羽根30bの後方において開放されていて、そこで粉状堆肥を放出する。
【0034】放出口38のやや上部には、吹込み口39が設けられている。吹込み口39に接続されたエヤー供給手段(図示省略)によりエヤーが吹き込みパイプ36内に吹き込まれる。堆肥ホッパ40に積載された粉状堆肥は、供給されたエヤーとともに放出口38から放出される。
【0035】吹込みパイプ36の上部の一部分には、本発明における第3伸縮部材の典型例としての蛇腹42が含まれている。これにより、放出口38は、第2支持部28と共に上下方向に一体的に移動可能になっている。
【0036】養生シャワー44は、吹込みパイプ36の後方に設けられている。養生シャワー44は水46などの液を芝生16に向けて噴出させるものである。
【0037】仕上げローラー48は、養生シャワー44の後方に設けられている。仕上げローラー48は、持ち上げられた芝生16を押さえてならすためのものである。
【0038】図2には、図1のb−b断面の一例が示されている。なお、芝生16、第1支持部18及びアーム26は図示が省略されている。
【0039】図2において、芝分け櫛14は、その幅方向に小型ローラー20の前方において進行方向と垂直に伸びた2つの突起14aを有している。突起14aは、芝分け櫛14の先端部14bで分けられた芝が2つの小型ローラー20の内側に巻き込まれるのを防ぐものである。こうして、カッター24により芝が重層的に切断されて、芝生を傷めることを防止するようになっている。
【0040】図3には、図1のb−b断面の別の例が示されている。なお、芝生16、第1支持部18及びアーム26は図示が省略されている。
【0041】芝分け櫛141は、後方に向かって小型ローラー20の間隔を超えて幅広に構成されている。芝分け櫛141は、芝が2つの小型ローラー20の内側に巻き込まれることを防ぐものである。こうして、カッター24により芝が重層的に切断されて、芝生を傷めることを防止するようになっている。
【0042】図4は、図1の矢印a方向から見た芝分け櫛のさらに別の例を示す正面図である。芝分け櫛142は下方に向かって幅狭に構成されていて、芝をその根元からより分けて揃えるのに好適に利用される。揃えられた芝を小型ローラー20で押して、その間をカッター24で切断する。これにより、芝の切断を最小限にし、芝生の傷みを抑えることができる。
【0043】図5には、図1の矢印c方向から見たカッター24付近の状態の別の例が示されている。なお、第2支持部28と放出口38は見やすくするために図示が省略されている。
【0044】爪部301は、2枚の鋤30bと、その下面に取り付けられた幅広の蹄形爪部301aからなる。幅広の蹄形爪部301aで鋤30bを安定して支持することができる。芝16aと芝根16bはカッター24により共に切断されている。寸法の一例を挙げると、芝16aの高さg、芝根16bの深さhは、それぞれ30mm、70mmである。芝根16bの持ち上げ時の高さjはおよそ70mmである。
【0045】図6〜8には、本発明により芝生に粉状堆肥を吹き込む過程(施工)の一例が示されている。
【0046】図6は、施工前の芝生の一例を示す横断面図である。芝16aの高さg及び芝根16bの深さhは、それぞれ40mm、30mmである。
【0047】図7は、施工中の芝生の一例を示す横断面図である。切断された芝16の下方の隙間に粉状堆肥3が堆積している。隆起時の切断された芝16の間隔kは、例えば40〜50mmである。芝16の隆起幅lは例えば200mmであり、この場合、隆起幅lの中心から両端までの長さl1、l2は共に100mmである。
【0048】図8は、施行後の芝生の一例を示す横断面図である。芝16は、その下方に粉状堆肥3が敷かれて平坦に整形されている。整形後の芝16の間隔mは、例えばおよそ10mmである。
【0049】図9は、本発明による吹込み機1の一例を示す概略背面図である。なお、見やすくするために、養生シャワー44及びローラー48は図示が省略されている。
【0050】図9においては、3つの吹込みユニット10がトラクター5に取り付けられている。ユニット10には7組のカッターと爪部(図示省略)、吹込みパイプ36等が備えられている。すなわち、吹込みパイプ36等はピアノの鍵盤式で1つ1つ独立可動できるようになっている。寸法の一例を挙げると、吹込み機の全幅nは、例えば5.6mである。この場合、1つの吹込みユニット10の幅pと吹込みユニット10の間隔qは、それぞれ1.8m、0.1mである。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、芝生肥料吹込み機により芝生を切断して持ち上げ、持ち上げられた芝生の下に肥料を吹き込むようにしたので、芝生の下に直接粉状堆肥等の肥料を与えることができる。従って、肥料を表面散布する場合に比べて水質の汚染を抑えることができる。
【0052】また、櫛で芝を揃える構成にすれば、芝を重層的に切断することなく芝根を切断することができる。従って、切断により芝が傷むことを防止できる。
【0053】また、ローラーと伸縮部材を設けた支持部により櫛を支持して芝生の形状に応じて移動可能に構成すれば、芝生の高さが均一ではない場合に、櫛が持ち上がって対応できる。この場合、ローラーにより芝を抑えて芝が重層的に切断されて芝目が乱れるのを防止できる。
【0054】また、カッターを伸縮部材を含む支持部により支持して芝生の下の土壌の形状に応じて移動可能に構成すれば、芝生の下の土壌の地盤が均一ではなく、岩があったり、木の根があった場合に、カッターが持ち上がって対応できる。
【0055】なお、本発明は先述の実施例に限定されない。カッター、吹込みパイプ等の個数は任意である。車両に取り付ける吹込みユニットの個数も任意である。
【出願人】 【識別番号】593132629
【氏名又は名称】株式会社ウエストワーク
【出願日】 平成14年4月25日(2002.4.25)
【代理人】 【識別番号】100074538
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 徹
【公開番号】 特開2003−310015(P2003−310015A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2002−123959(P2002−123959)