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【発明の名称】 施肥装置付き乗用型田植機
【発明者】 【氏名】園田 義昭
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】松村 哲也
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】複数条の植付け苗それぞれに肥料供給する施肥装置の肥料供給装置部を自走車体の後部に設けてあるとともに、作溝施肥具に肥料を搬送風によって供給する肥料供給路を備えている乗用型田植機において、肥料供給に可撓性を備えさせるとともにその振れ止めが構造簡単かつ作業容易に行えるようにする。

【解決手段】肥料供給路は、苗植付装置20の機体フレームに固定の空気抜き機構55と、空気抜き機構55の肥料供給管に肥料繰出し装置40の肥料排出口41を接続している可撓性のホース52と、空気抜き機構55の肥料供給管を作溝施肥具70に接続している管部材53とによって構成してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自走車体の後部に、機体横方向に並ぶ複数の苗植付機構が付いている苗植付装置を昇降操作自在に連結し、前記複数の苗植付機構による苗植え箇所の付近に各別に肥料供給する施肥装置における肥料供給装置部を自走車体の後部に設けてある施肥装置付き乗用型田植機であって、前記肥料供給装置部の肥料繰出し装置からの肥料を作溝施肥具に肥料搬送風によって供給する肥料供給路を備え、前記肥料供給路は、前記苗植付装置の機体フレームに固定の支持部材に姿勢変化不能に取付けてある空気抜き機構と、この空気抜き機構の入口を前記肥料繰出し装置の肥料排出口に接続している可撓性ホースと、前記空気抜き機構の出口を前記作溝施肥具に接続している管部材とによって構成してある施肥装置付き乗用型田植機。
【請求項2】 前記支持部材に対して基端側が前記空気抜き機構と共締め固定され、先端側が前記可撓性ホースの途中に作用する振れ止め杆を備えてある請求項1記載の施肥装置付き乗用型田植機。
【請求項3】 前記管部材が非可撓性パイプである請求項1又は2記載の施肥装置付き乗用型田植機。
【請求項4】 自走車体の後部に、機体横方向に並ぶ複数の苗植付機構が付いている苗植付装置を昇降操作自在に連結し、前記複数の苗植付機構による苗植え箇所の付近に各別に肥料供給する施肥装置における肥料供給装置部を自走車体の後部に設けてある施肥装置付き乗用型田植機であって、前記肥料供給装置部の肥料繰出し装置からの肥料を作溝施肥具に供給する肥料供給路を、肥料繰出し装置とは別部品に形成して肥料繰出し装置の肥料排出口に基端側を接続してある非可撓性の管部材と、この管部材の先端側に一端側が接続し、他端側が作溝施肥具に連通している可撓性のホースとを備えて構成してある施肥装置付き乗用型田植機。
【請求項5】 自走車体の後部に、機体横方向に並ぶ複数の苗植付機構が付いている苗植付装置を昇降操作自在に連結し、前記複数の苗植付機構による苗植え箇所の付近に各別に肥料供給する施肥装置における肥料供給装置部を、自走車体の後部に設けてある施肥装置付き乗用型田植機であって、前記肥料供給装置部の肥料繰出し装置からの肥料を作溝施肥具に肥料搬送風によって供給する肥料供給路を備え、前記肥料供給路に作用する空気抜き機構における空気抜き管の空気出口を開閉する蓋体が閉じ位置にある状態での空気の漏れ出しを許容する隙間を、前記蓋体と空気抜き管との間に設けてある施肥装置付き乗用型田植機。
【請求項6】 前記蓋体に、この蓋体の周部から前記空気抜き管の方に突出する側壁を備えてあるとともに、前記蓋体の全開状態において、前記側壁が空気抜き管の先端側を覆っているように構成してある請求項5記載の施肥装置付き乗用型田植機。
【請求項7】 自走車体の後部に、機体横方向に並ぶ複数の苗植付機構が付いている苗植付装置を昇降操作自在に連結し、前記複数の苗植付機構による苗植え箇所の付近に各別に肥料供給する施肥装置における肥料供給装置部を自走車体の後部に設けてある施肥装置付き乗用型田植機であって、前記肥料供給装置部の肥料繰出し装置からの肥料を作溝施肥具に肥料搬送風によって供給する肥料供給路を備え、前記肥料供給路に作用する空気抜き機構における空気抜き管の空気出口の上方を覆うように形成して固定されている傘部材を備えてある施肥装置付き乗用型田植機。
【請求項8】 自走車体の後部に、機体横方向に並ぶ複数の苗植付機構が付いている苗植付装置を昇降操作自在に連結し、前記複数の苗植付機構による苗植え箇所の付近に各別に肥料供給する施肥装置における肥料供給装置部を自走車体の後部に設けてある施肥装置付き乗用型田植機であって、前記肥料供給装置部の肥料繰出し装置からの肥料を作溝施肥具に肥料搬送風によって供給する肥料供給路を備え、前記肥料供給路の管部材と前記作溝施肥具とにわたって装着してあるゴム筒に、前記作溝施肥具の後方向きの開口を閉じる蓋部を一体成形して備えてある施肥装置付き乗用型田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自走車体の後部に、機体横方向に並ぶ複数の苗植付機構が付いている苗植付装置を昇降操作自在に連結し、前記複数の苗植付機構による苗植え箇所の付近に各別に肥料供給する施肥装置における肥料供給装置部を自走車体の後部に設けてある施肥装置付き乗用型田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記田植機において、従来、肥料供給装置部の肥料繰出し装置から苗植付装置の作溝施肥具に肥料供給するための肥料供給路が長くなるとか屈曲するなどしても、その肥料供給が搬送風によって確実に行なわれるように構成されたものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記田植機にあっては、肥料供給装置部の肥料繰出し装置から苗植付装置の作溝施肥具に肥料供給するための肥料供給路を、苗植付装置が昇降する際に撓んで障害にならないように可撓式に構成される。このため、従来、肥料供給路が走行時などに振れ過ぎることを防止するように、肥料供給路に専用の振れ止め部材が装着されていたが、肥料供給路の振れ止めを効果的に行わせるには、振れ止め部材が数多く必要になり、振れ止め部材の装着に手間が掛かっていた。
【0004】また、同一機種の自走車体に大きさが異なる苗植付装置を連結して植付け条数が相違するなど異なる機種の田植機を構成するに当たり、大きな苗植付装置を連結するなど、肥料供給装置部の肥料繰出し装置から苗植付装置の作溝施肥具までの距離が大になる場合も、前記肥料供給路が長くなることから同様の問題が生じていた。
【0005】また、肥料繰出し装置から作溝施肥具に肥料を搬送風によって供給する場合、作溝施肥具が田面の泥土や水に深く入り込んでその開口が塞がるなどして肥料搬送風が肥料供給路から抜けなくなれば肥料が流れにくくなることから、肥料供給路に作用する空気抜き機構を備えられる。この空気抜き機構において、空気抜き口の蓋体が開いて引っ掛かるなどして、空気抜き口が開いたままになると、浸水して肥料供給路の内部が濡れるなどの問題が発生する。
【0006】また、肥料繰出し装置から作溝施肥具に肥料を搬送風によって供給する場合、作溝施肥具の田面の入り込みが浅くなってその開口が大きく開くと、肥料搬送風が漏れ出やすくなって肥料が搬送風と共に漏れ出て飛散し、肥料が所望箇所に供給されにくくなる事態が発生する。
【0007】本発明の目的は、前記肥料供給路に振れ防止が構造簡単かつ作業容易にできるようにしながら可撓性を備えさせることができるとか、空気抜き機構での浸水などのトラブルを発生しにくくしながら肥料を搬送風によって供給できるとか、作溝施肥具の内部清掃が容易にできるようにしながら、かつ、作溝施肥具からの風漏れを構造簡単に回避しながら肥料を搬送風によって供給できる施肥装置付き乗用型田植機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0009】〔構成〕自走車体の後部に、機体横方向に並ぶ複数の苗植付機構が付いている苗植付装置を昇降操作自在に連結し、前記複数の苗植付機構による苗植え箇所の付近に各別に肥料供給する施肥装置における肥料供給装置部を自走車体の後部に設けてある施肥装置付き乗用型田植機において、前記肥料供給装置部の肥料繰出し装置からの肥料を作溝施肥具に肥料搬送風によって供給する肥料供給路を備え、前記肥料供給路は、前記苗植付装置の機体フレームに固定の支持部材に姿勢変化不能に取付けてある空気抜き機構と、この空気抜き機構の入口を前記肥料繰出し装置の肥料排出口に接続している可撓性ホースと、前記空気抜き機構の出口を前記作溝施肥具に接続している管部材とによって構成してある。
【0010】〔作用〕肥料供給路を前記空気抜き機構と可撓性ホースと管部材とによって構成し、かつ、空気抜き機構を機体フレームに固定の支持部材に姿勢変化不能に取付けてあるものだから、空気抜き機構の固定のために肥料供給路が振れ動きにくくなるとかその振れ幅が小さくなり、その振れ動きを数少ない振れ止め部材で効果的に抑制できるとか、振れ止め部材を不要にするとかしながら、肥料供給路を可撓性ホースで撓むように可撓性があるものにできる。
【0011】〔効果〕したがって、苗植付装置を昇降操作する際、肥料供給路が可撓性ホースで撓んで支障なく行える。その割には、肥料供給路の振れ動きを抑制して、肥料供給路が走行振動などで大きく振れて周辺の部材に当たるなどのトラブルを回避でき、しかも、空気抜き機構を振れ止め手段に利用できるとともに数少ない振れ止め部材を付加するだけで済むとか振れ止め部材を不要にして、構造簡単にかつ作業作業容易にできる。
【0012】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0013】〔構成〕請求項1による発明の構成において、前記支持部材に対して基端側が前記空気抜き機構と共締め固定され、先端側が前記可撓性ホースの途中に作用する振れ止め杆を備えてある。
【0014】〔作用〕可撓性ホースの振れ動きが振れ止め杆によってさらに効果的に抑制されて肥料供給路がさらに振れ動きにくくなるものである。振れ止め杆及び空気抜き機構を支持部材に対して共締めして一挙に固定できるものである。
【0015】〔効果〕可撓性ホースがさらに振れ動きにくくて肥料供給路がより一層振れにくく、肥料供給路の周辺部材に対する当たりなどをさらに効果的に防止できる。その割には、振れ止め杆を空気抜き機構と共に一挙に取付けて取付け作業が楽に行える。
【0016】請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0017】〔構成〕請求項1又は2による発明の構成において、前記管部材が非可撓性パイプである。
【0018】〔作用〕管部材が非可撓性パイプであるものだから、空気抜き機構から作溝施肥具までの経路が振れ動かなくなり、空気抜き機構を通過した肥料が管部材をスムーズに通過して作溝施肥具に至る。
【0019】〔効果〕したがって、空気抜き機構から作溝施肥具に肥料がスムーズに流動して肥料詰まりを発生にくくしながら施肥作業できる。
【0020】請求項4による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0021】〔構成〕自走車体の後部に、機体横方向に並ぶ複数の苗植付機構が付いている苗植付装置を昇降操作自在に連結し、前記複数の苗植付機構による苗植え箇所の付近に各別に肥料供給する施肥装置における肥料供給装置部を自走車体の後部に設けてある施肥装置付き乗用型田植機において、前記肥料供給装置部の肥料繰出し装置からの肥料を作溝施肥具に供給する肥料供給路を、肥料繰出し装置とは別部品に形成して肥料繰出し装置の肥料排出口に基端側を接続してある非可撓性の管部材と、この管部材の先端側に一端側が接続し、他端側が作溝施肥具に連通している可撓性のホースとを備えて構成してある。
【0022】〔作用〕肥料繰出し装置の肥料排出口から作溝施肥具までの肥料供給路が長くなる場合、この肥料供給路を肥料排出口に直接に接続している可撓性ホースによって構成すると、この可撓性ホースが長くなるとか苗植付装置の上昇に伴って大幅に屈曲しやすくなり、振れ動きを抑制するためには、数多くの振れ止め部材が必要になる。これに対し、肥料供給路を肥料排出口に接続している非可撓性の管部材と、これに接続している可撓性のホースを備えて構成してあるものだから、肥料排出口から作溝施肥具までの肥料供給路が長くなっても、その長さの割には可撓性ホースを短いものに済ませ、可撓性ホースが振れ動きにくくなるとかその振れ幅が小さくなって、その振れ動きを数少ない振れ止め部材で効果的に抑制するとか振れ止め部材を不要にするとかしながら、肥料供給路を可撓性ホースで撓むように可撓性があるものにできる。
【0023】〔効果〕したがって、苗植付装置を昇降操作する際、肥料供給路が可撓性ホースで撓んで支障なく行える。肥料供給路の長さの割にはその振れ動きを数少ない振れ止め部材で効果的に抑制して、肥料供給路が走行振動などで大きく振れて周辺の部材に当たるなどのトラブルを回避でき、しかも、数少ない振れ止め部材を付加するだけで済むとか振れ止め部材を不要にして、構造簡単にかつ作業作業容易にできる。
【0024】請求項5による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0025】〔構成〕自走車体の後部に、機体横方向に並ぶ複数の苗植付機構が付いている苗植付装置を昇降操作自在に連結し、前記複数の苗植付機構による苗植え箇所の付近に各別に肥料供給する施肥装置における肥料供給装置部を、自走車体の後部に設けてある施肥装置付き乗用型田植機において、前記肥料供給装置部の肥料繰出し装置からの肥料を作溝施肥具に肥料搬送風によって供給する肥料供給路を備え、前記肥料供給路に作用する空気抜き機構における空気抜き管の空気出口を開閉する蓋体が閉じ位置にある状態での空気の漏れ出しを許容する隙間を、前記蓋体と空気抜き管との間に設けてある。
【0026】〔作用〕空気抜き機構にあっては、空気出口の蓋体の開く回数が多いほど、かつ、蓋体の開きストロークが大きくなるほど、雨水であるとか田面から跳ね上がった水が空気出口から入り込む確率が高くなる。また、蓋体の開きストロークが大きくなるほど、蓋体の支持部にこじれが発生するとか周辺の部材が蓋体に干渉して蓋体が閉じなくなる事態が発生しやすくなる。本発明にあっては、蓋体と空気抜き管との間に隙間を設けてあり、肥料搬送風のために肥料供給路の内部圧が上昇しても、その内部圧があまり高くない場合は、蓋体を閉じたままにしながら前記隙間から空気が漏れ出るものだから、蓋体が開くことによって始めて空気が抜け出るものに比し、蓋体が開く頻度、及び、蓋体が開いたときのストロークを小に済ませながら、搬送風が空気抜き機構から抜け出るようにできる。
【0027】これにより、肥料供給路から搬送風が抜け出にくくなっても、空気抜き機構から抜け出て風詰まりによる肥料の供給不良が発生しにくくなる。この場合、蓋体が閉じたたままで抜け出るとか、開いても極力大きく開かないで抜け出て、空気抜き機構の空気出口から水が入りこむとか、その蓋体が引っ掛かって閉じなくなる事態が発生しにくくなる。
【0028】〔効果〕したがって、作溝施肥具に肥料を搬送風によって供給して施肥作業できるものでありながら、空気抜き機構が作動しても水の入り込みや蓋体の閉じ不良が発生しにくく、浸水による肥料詰まりなどが発生しにくい信頼性の高いものになる。
【0029】請求項6による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0030】〔構成〕請求項5による発明の構成において、前記蓋体に、この蓋体の周部から前記空気抜き管の方に突出する側壁を備えてあるとともに、前記蓋体の全開状態において、前記側壁が空気抜き管の先端側を覆っているように構成してある。
【0031】〔作用〕蓋体の全開状態において蓋体の側壁が空気抜き管の先端側を覆っているものだから、蓋体が全開しても、空気出口が蓋体とその側壁とで覆われて雨水とか田面からの跳ね上がった水などが入りにくくなる。
【0032】〔効果〕したがって、空気抜き機構が蓋体全開の状態に作動しても浸水が発生しにくく、浸水による肥料詰まりなどがより回避しやすくなる。
【0033】請求項7による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0034】〔構成〕自走車体の後部に、機体横方向に並ぶ複数の苗植付機構が付いている苗植付装置を昇降操作自在に連結し、前記複数の苗植付機構による苗植え箇所の付近に各別に肥料供給する施肥装置における肥料供給装置部を自走車体の後部に設けてある施肥装置付き乗用型田植機において、前記肥料供給装置部の肥料繰出し装置からの肥料を作溝施肥具に肥料搬送風によって供給する肥料供給路を備え、前記肥料供給路に作用する空気抜き機構における空気抜き管の空気出口の上方を覆うように形成して固定されている傘部材を備えてある。
【0035】〔作用〕空気出口の上方を覆うように形成して固定されている傘部材を備えてあるものだから、開閉蓋の場合の如く蓋の作動不良が発生してカバー不良を伴うことがないようにしながら、空気出口をカバーできる。これにより、肥料搬送路から搬送風が抜け出にくくなっても、空気抜き機構から抜け出て風詰まりによる肥料の供給不良が発生しにくくなる。この場合、蓋体としての傘部材に作動不良が発生することがなく、カバー機能が低下することがない。
【0036】〔効果〕したがって、作溝施肥具に肥料を搬送風によって供給して施肥作業できるものでありながら、空気抜き機構が作動しても水の入り込みやカバー機能の低下が発生せず、浸水による肥料詰まりなどが発生しにくい信頼性の高いものになる。。
【0037】請求項8による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0038】〔構成〕自走車体の後部に、機体横方向に並ぶ複数の苗植付機構が付いている苗植付装置を昇降操作自在に連結し、前記複数の苗植付機構による苗植え箇所の付近に各別に肥料供給する施肥装置における肥料供給装置部を自走車体の後部に設けてある施肥装置付き乗用型田植機において、前記肥料供給装置部の肥料繰出し装置からの肥料を作溝施肥具に肥料搬送風によって供給する肥料供給路を備え、この肥料供給路の管部材と前記作溝施肥具とにわたって装着してあるゴム筒に、前記作溝施肥具の後方向きの開口を閉じる蓋部を一体成形して備えてある。
【0039】〔作用〕作溝施肥具の後方向きの開口を大きくするほど、作溝施肥具の内部を清掃するなどの作業が行いやすくなるが、肥料搬送風が開口から吹き出し、肥料が風と共に漏れ出て飛散する事態が発生しやすくなる。ところが、本発明によれば前記ゴム筒に作溝施肥具の後方向きの開口を閉じる蓋部を一体成形して備えてあるものだから、内部清掃などの際には、蓋部を開け操作すれば作溝施肥具の後側が大きく開放して作業しやすくなるように、前記開口を大きなものにしても、施肥作業を行う際には、この開口を前記蓋部によって閉じて、この開口の大きさの割には、肥料搬送風が開口から吹き出にくくなって肥料が漏れ出にくいようにできる。
【0040】〔効果〕したがって、前記開口を極力大きくして、施肥具内の清掃などの作業が容易に行えるようにでき、その割には、施肥作業時には、開口を肥料搬送風が吹き出にくいように蓋部で閉じて、肥料を所望箇所に精度よく供給させられる。しかも、前記ゴム筒に蓋部を一体形成するだけの簡単な構造で済み、安価に得られる。
【0041】
【発明の実施の形態】図1、図2に示すように、左右一対の操向操作な前車輪1と、左右一対の後車輪2とがエンジン11からの駆動力によって駆動されて自走し、かつ、前記エンジン11が設けられている原動部10の両横側に位置する予備苗収容装置3、車体後部に位置する運転座席4が設けられている搭乗型運転部のそれぞれを備えている自走車体の後部に、リンク機構6を介して苗植付装置20を連結するとともに、リンク機構6にロッド側が連結しているリフトシリンダ7によってリンク機構6を車体に対して上下に揺動操作することによって苗植付装置20を昇降操作するように構成し、前記エンジン11からの駆動力を回転軸8によって苗植付装置20に伝達するように構成し、運転座席4の後側に位置する車体横方向に長い一つの肥料タンク31が付いている施肥装置Sを備えさせて、施肥装置付き乗用型田植機を構成してある。
【0042】この田植機は、苗植付装置20を接地フロート21が田面に接地した下降作業状態にして自走車体を走行させることにより、苗植付装置20が植付け機体の横方向に並んでいる複数の苗植付機構22によって複数条の苗植え付けを行っていき、これと同時に、施肥装置Sが複数条の植付け苗それぞれの横側付近に粒状の肥料を供給していくものであり、詳しくは、次の如く構成してある。
【0043】図1、図2、図3などに示すように、苗植付装置20は、前記回転軸8から入力するフィードケース23、植付け機体の横方向に並ぶ複数個の植付けケース24などで成る植付け機体フレームと、前記各植付けケース24の後端部の両横側に駆動回動自在に付設してある前記苗植付機構22と、前記植付け機体フレームの前端側の上方に植付け機体の横方向に摺動自在に設けてあるとともに各苗植付機構22の苗植え運動に連動して左右方向の往復移送されて各苗植付機構22に苗供給する苗載せ台25と、前記植付け機体フレームの下部に植付け機体の横方向に並べて後端側の軸芯まわりで上下揺動するように付設してある前記複数個の接地フロート21とを備えて構成してある。
【0044】図1、図3、図4などに示すように、施肥装置Sは、前記肥料タンク31を備えている肥料供給装置部30と、この肥料供給装置部30の車体横方向に並んでいる複数個の肥料排出口41から各別に苗植付装置20の方に延出し、延出端側が苗載せ台25の裏面側に位置している複数本の肥料供給路50と、この複数本の肥料供給路50の延出端部に各別に接続してあるとともに前記各苗植付機構22の横側近くに一つずつ位置する配置で植付け機体の横方向に並べて前記接地フロート21に固定してある複数個の作溝施肥具70と、運転座席4の下方に位置する送風機61を備えている送風装置部60とによって構成してある。
【0045】図4、図5などに示すように、肥料供給装置部30は、蓋32が上部に揺動開閉自在に付いているとともにこの蓋32を開けなくとも外部から内部が見えるように蓋32もタンク本体も透明の樹脂材で作製してある前記肥料タンク31と、この肥料タンク31の車体横方向に並んでいる複数個の下細り底部31aのそれぞれに2個ずつ連結する状態で肥料タンク31の下部に車体横方向に並んで連結している複数個の肥料繰出し装置40とによって構成してある。
【0046】図6〜図9などに示すように、前記各肥料繰出し装置40は、肥料タンク31の前記下細り底部31aに上端側が連結しているとともに外部から内部が見えるように透明の樹脂材で作製してある繰出しケース42、この繰出しケース42の内部に位置する左右一対の繰出し室の一方に回転自在に設けてある繰出しロール43、前記繰出しケース42の下端側に前記一対の繰出し室に各別に連通させて車体横方向に並べて設けてある2個の前記肥料排出口41のうちの一方の肥料排出口41、繰出しケース42の内部に繰出しロール43に対して肥料供給するように設けてある供給口44のための2枚のシャッター45などを備えて構成してある。
【0047】すなわち、各肥料繰出し装置40は、前記各シャッター45の一端側に連結している摺動ロッドで成る繰出し量調節具46の繰出しケース42から外部に突出している端部に操作ノブを付設して設けてある操作部46aにより、前記繰出し量調節具46を図9の如き操作ガイド118のガイド溝118aに沿わせて摺動操作することによって、2枚のシャッター45の少なくとも一方を繰出しケース42の内部に位置するシャッター収容室45aに押し込み操作して前記供給口44を開けた状態にし、他方の繰出し室に位置する繰出しロール43の回転支軸に兼用してある回転支軸47が駆動されることにより、繰出しロール43によって肥料タンク31から肥料排出口41に肥料を繰出す。すなわち、繰出しロール43が回転支軸47によって水平向きの軸芯まわりで繰出し方向の回転するように駆動され、肥料タンク31の排出口31bから繰出しケース42の内部に流下して前記供給口44から繰出しロール43の上側に供給された肥料を繰出しロール43の周面にロール回転方向に並んでいる図6、図7の如き複数個の繰出し凹部43aによって繰出しロール43の下側に取り出して繰出し室の出口から肥料排出口41に流下させる。
【0048】尚、肥料タンク31の一つの下細り底部31aに連結している2個の肥料繰出し装置40にあっては、一方の肥料繰出し装置40の繰出しケース42と、他方の肥料繰出し装置40の繰出しケース42とを単一部品に作製して構成してあり、両肥料繰出し装置40の繰出しロール43が1本の回転支軸47によって回転操作自在に支持されている。そして、肥料タンク31の車体内側に位置する一つの下細り底部31aに連結している2個の肥料繰出し装置40のうちの一方の繰出し装置40にあっては、前記供給口44を蓋体によって閉じて、使用しないようになっている。
【0049】図10〜図12に示すように、前記送風装置部60は、ブロワ62及びこのブロワ62を駆動する電動モータ63が備えられている前記送風機61と、前記各繰出し装置40の下端部の前側に連結している送風ダクト65と、前記送風機61のブロワ62の吸気口62aから車体前方側に延出して延出端側が原動部10に開口している吸気ダクト68とを備えて構成してある。
【0050】図12に示すように、前記吸気ダクト68の原動部10に位置している開口68aは、エンジン排気マフラー12に対して外嵌するように装着してある筒型のマフラーカバー13の後端側に対して、マフラーカバー13の振動が吸気ダクト68に伝達することを抑制する蛇腹形のゴム筒14を介して接続してある。
【0051】図6、図10、図13、図15などに示すように、前記送風ダクト65は、前記複数の肥料繰出し装置40それぞれの前記繰出しケース42の下端部の前面側に前記肥料排出口41に対して車体前後方向に一直線状に並んで連通するようにして設けてある風取入れ口48に対して接続している車体横向きの丸パイプ形状の分配ダクト部66と、この分配ダクト部66の車体横方向での中央部に位置する部分66aから車体下方向きで、かつ、やや前方向きに延出しているとともに前記中央部分66aとの単一部品になるようにこの中央部分66aに一体成形してある導入ダクト部67とによって構成してある。図13などに示すように、送風ダクト65の前記導入ダクト部67は、運転座席4の後方の車体左右方向での中央部に、車体フレームの後部の上方を覆っている車体カバー71を貫通している状態に配置してあり、前記導入ダクト部67の導入口67aは、前記車体カバー71の下方で前記ブロワ62の吹出し口62bに対して継ぎ手69によって接続してある。
【0052】つまり、送風装置部60は、エンジン排気マフラー12によってマフラーカバー13の内部で加熱されて温度上昇した空気を、電動モータ63によって駆動されるブロワ62によって吸気ダクト68を介して吸引して温度の高い肥料搬送風を発生させ、この肥料搬送風を吹出し口62bから送風ダクト65の導入ダクト部67を通して分配ダクト部66に送り込み、この分配ダクト部66によって複数個の肥料繰出し装置40に分配して各肥料繰出し装置40の風取入れ口48から肥料排出口41に供給する。
【0053】各肥料繰出し装置40の繰出しロール43は、図4の如く各肥料繰出し装置40の前記繰出しケース42の後面側にわたって回転自在に取付けた車体横向きの1本の六角軸で成る繰出し駆動軸81を備えている施肥駆動装置80によって駆動すように構成してあり、この施肥駆動装置80は、図4、図5、図7などに示す如く構成してある。
【0054】すなわち、施肥駆動装置80は、前記繰出し駆動軸81と、この繰出し駆動軸81と前記繰出しロール43を2個ずつ一体回転自在に支持している前記複数本の回転支軸47それぞれとの間に設けた少数施肥クラッチ90と、図17、図19の如く繰出し駆動軸81に出力側回転体82a,83aが一体回転自在に連結している第1及び第2一方向回転クラッチ82,83と、両一回転方向クラッチ82,83の入力側回転体82b,83bどうしを連動させているリンク機構84と、第1一回転方向クラッチ82の入力側回転体82bから一体回転自在に延出している操作アーム85と、この操作アーム85にアーム側連動部材96が連結している施肥量調節機構95と、この施肥量調節機構95の駆動側連動部材97に一端側が相対回転自在に連結している丸棒材で成る駆動杆86と、この駆動杆86の他端側にクランクアーム87aが相対回転自在に連結している動力取出し機構87とを備えて構成してある。
【0055】図7、図16に示すように、前記各少数条施肥クラッチ90は、前記回転支軸47の肥料繰出しケース42から外部に突出している端部に一体回転自在に設けてあるギヤ部47aに噛合っている状態で前記繰出し駆動軸81によって相対回転自在に支持されている出力ギヤ91と、繰出し駆動軸81によって摺動自在に支持されているとともに繰出し駆動軸81の六角形状のために繰出し駆動軸81と一体回転する入力側部材92と、この入力側部材92と前記出力側部材91との間に設けた噛合い形式のクラッチ本体90aと、入力側部材92を摺動付勢しているクラッチバネ93とを備えて成り、入力側部材92の操作溝に操作ピン94aによって係合している操作部94を揺動操作すると、この操作部94に伝達される人為操作力と、クラッチバネ93による操作力とのために入力側部材92が繰出し駆動軸81に対して摺動してクラッチ本体90aの入力側部材92のクラッチ爪を出力ギヤ91のクラッチ爪に対して係脱させることにより、繰出し駆動軸81の回動力を入力側部材92、クラッチ本体90a、出力側部材91を介して回転支軸47のギヤ部47aに伝達して2個の肥料繰出し装置40の繰出しロール43を纏めて駆動するように入り状態になったり、繰出し駆動軸81から回転支軸47に対する伝動を絶つことによって2個の肥料繰出し装置40繰出しロール43の駆動を一挙に停止するように切り状態になったりする。
【0056】図17、図19に示すように、前記リンク機構84は、第1一回転方向クラッチ82の前記入力側回転体82bに一端側が連結しているロッド製の連動リンク84aと、この連動リンク84aの他端側が一方のアーム部に連結しているとともに支持部材88によって揺動自在に支持されている揺動リンク84bと、この揺動リンク84bの他方のアーム部を第2一回転方向クラッチ83の入力側回転体83bに連動させているロッド製の連動リンク84cとで成り、前記操作アーム85の繰出し駆動軸81の軸芯まわりでの往復揺動による各肥料繰出し装置40の繰出しロール43の駆動を可能にしている。すなわち、操作アーム85が上昇側(図17の矢印イ側)に揺動操作されると、この操作アーム85の回動力が第1一方向回転クラッチ82によって繰出し駆動軸81に伝達される。このとき、第1一方向回転クラッチ82の入力側回転体82bの回動力のために連動リンク84aが揺動リンク84bを揺動操作し、この揺動リンク84bが連動リンク84cを介して第2一方向回転クラッチ83の入力側回転体83bを回転操作するが、この入力側回転体83bは、繰出し方向とは反対の回転方向に回転操作されて出力側回転体83aに対して空回りする。そして、操作アーム85が下降側(図17の矢印ロ側)に揺動操作されると、第1一方向回転クラッチ82の入力側回転体82bが出力側回転体82aに対して空回りする。このとき、第1一方向回転クラッチ82の入力側回転体82bの回動力のために連動リンク84aが揺動リンク84bを揺動操作し、この揺動リンク84bが連動リンク84cを介して第2一方向回転クラッチ83の入力側回転体83bを繰出し方向に回転操作し、リンク機構84が第2一方向回転クラッチ83を介して繰出し駆動軸81を駆動する。
【0057】図4などに示すように、動力取出し機構87は、エンジン11からの駆動力を図1の後輪駆動ケース72に伝達する回転軸73の途中からこの駆動力を取り出してこの駆動力によってクランクアーム87aを回動するように駆動し、この回動するクランクアーム87aによって駆動杆86を往復駆動するように構成してある。
【0058】これにより、施肥駆動装置80は、左右後輪2に動力伝達する回転軸73の駆動力によってクランクアーム87aを駆動してこのクランクアーム87aによって駆動杆86を往復駆動し、この駆動杆86の往復動力を施肥量調節機構95を介して操作アーム85に伝達してこの操作アーム85を繰出し駆動軸81の軸芯まわりで往復揺動させ、この操作アーム85によって一対の一方向回転クラッチ82,83とリンク機構84とを介して繰出し駆動軸81を回駆動し、この繰出し駆動軸81の駆動力を各肥料繰出し装置40の繰出しロール43の回転支軸47に少数条施肥クラッチ90を介して伝達することにより、各肥料繰出し装置40の繰出しロール43を所定の繰出し回転方向にのみ回転するように駆動する。
【0059】つまり、施肥装置Sは、次の如く施肥を行うようになっている。すなわち、肥料供給装置部30の各肥料繰出し装置40の繰出しロール43を、左右後輪2に動力伝達する前記回転軸73の駆動力を動力源とする施肥駆動装置80によって駆動し、この繰出しロール43によって肥料タンク31から粒状の肥料を繰出し凹部43aの容積と、開き操作してあるシャッター45の枚数とによって決まる設定量ずつで肥料排出口41に繰出し、この肥料を、送風装置部60の送風機61と送風ダクト65とによって肥料排出口41に供給された肥料搬送風によって肥料供給路50を通して作溝施肥具70に供給し、各作溝施肥具70によって苗植付機構22による植付け苗の横側近くで田面に溝を形成してこの溝の内部に肥料を落下させていくようになっている。
【0060】そして、各肥料繰出し装置40において、2枚のシャッター45を前記繰出し量調節具46によって開閉調節することによって肥料の繰出しを入り切りしたり、肥料の繰出し量を調節するようになっている。すなわち、2枚のシャッター45のいずれもを閉じ側に操作すると、供給口44が全閉状態になり、繰出しロール43に対して肥料が供給されなくなり、肥料の繰出しが切りになる。2枚のシャッター45のいずれもを開き側に操作すると、供給口44が全開状態になって繰出しロール43の一方の片側半分における繰出し凹部43aと、他方の片側半分における繰出し凹部43aとのいずれにも肥料が供給されることになり、肥料の繰出しが入りになるとともに単位時間当たりの繰出し量が多くなる。これに対し、2枚のシャッター45のいずれか一方を開き側で他方を閉じ側に操作すると、供給口44が半開き状態になり、繰出しロール45のいずれか一方の片側半分における繰出し凹部43aのみに肥料が供給されることになり、肥料の繰出しが入りになるとともに単位時間当たりの繰出し量が少なくなる。
【0061】図18に示すように、前記施肥量調節機構95は、板金部材で成る前記アーム側連動部材96と、このアーム側連動部材96の一端側を前記操作アーム85の背板部85aに締め付け連結する連結ネジ98と、横断面コの字形状の板金部材で成るとともに前記駆動杆86の端部が連結ピン97aによって連結している前記駆動側連動部材97と、この駆動側連動部材97の背板部97bを前記アーム側連動部材96の背板部96aに連結している調節ネジ99とを備えて構成してある。
【0062】アーム側連動部材96は、これの一対の横板部にわたって固設してある位置決めピン96bが、操作アーム85の縦板部に操作アーム85の長手方向に並べて設けてある複数個の位置決め凹部85bから選択した一つに入り込んだ連結位置にして前記連結ネジ98によって操作アーム85の背板部85aに締め付け連結するように構成してある。つまり、アーム側連動部材96の連結ネジ98による操作アーム85に対する締め付けを解除すると、操作アーム85の連結ネジ98のためのネジ孔85cが長孔であることにより、アーム側連動部材96を連結ネジ98と共に操作アーム85に対してスライド調節でき、このスライド調節を行って位置決めピン96bが入り込む操作アーム85の位置決め凹部85bを変更することにより、アーム側連動部材96の操作アーム85に対する連結位置が操作アーム85の長手方向に、位置決め凹部85bの並ぶピッチによって決まる位置変更ピッチで変化するようにしてある。
【0063】駆動側連動部材97に一端側が固着されている前記調節ネジ99の他端側に装着されているナットで成る調節部材99aを回動調節することにより、駆動側連動部材97の前記位置決めピン96bが挿通しているピン孔97c、前記アーム側連動部材96の前記連結ピン97aの端部が入り込んでいるピン孔96cのそれぞれが長孔であることにより、駆動側連動部材97のアーム側連動部材96に対する連結位置が、操作アーム85の長手方向に沿う方向に、調節ネジ99のネジピッチで決まる位置変更ピッチであって、かつ、アーム側連動部材96の操作アーム85に対する位置変更ピッチよりも小さな位置変更ピッチで変化するように構成してある。
【0064】これにより、施肥量調節機構95は、駆動杆86の往復動力を駆動側連動部材97及びアーム側連動部材96を介して操作アーム85に伝達することにより、駆動杆97による操作アーム85の駆動を可能にしている。そして、アーム側連動部材96の操作アーム85に対する連結位置を変更することにより、操作アーム85における駆動杆86の連結位置を操作アーム85の長手方向に比較的大きな変更ピッチで変更して操作アーム85が駆動杆86によって駆動される揺動角度を大まかに変更し、各肥料繰出し装置40における単位時間当たりの肥料繰出し量の粗調節を行う。そして、駆動側連動部材97のアーム側連動部材96に対する連結位置を変更することにより、操作アーム85における駆動杆86の連結位置を操作アーム86の長手方向に比較的小さな変更ピッチで変更して操作アーム85が駆動杆86によって駆動される揺動角度を微細に変更し、各肥料繰出し装置40における単位時間当たりの肥料繰出し量の微調節を行う。
【0065】前記肥料供給装置部30の複数の肥料排出口41に各別に接続している前記複数の肥料供給路50のそれぞれは、図6の如く肥料繰出し装置40の繰出しケース42とは別部品に作製して肥料繰出し装置40の前記肥料排出口41に継ぎ手51aによって基端側が接続している非可撓性の樹脂製管部材51と、この管部材51の先端側に継ぎ手51aによって一端側が接続している可撓性のホース52と、図3の如くこのホース52の他端側に肥料供給管56の入口が接続している空気抜き機構55と、図20の如くこの空気抜き機構55の前記肥料供給管56の出口を前記作溝施肥具70に接続している非可撓性の樹脂製管部材53とによって構成してある。
【0066】肥料供給装置部30は、図4、図5、図21などに示す取付け構造により、自走車体の左右一対の角パイプ材で成る車体前後向きの車体メインフレーム5によって支持させてある。
【0067】すなわち、前記左右一対の車体メインフレーム5の後部に各別に立設されている左右一対の板金製車体フレーム75の一方の後端側の上部に連結部材101aを介して下端側が連結していて前記車体フレーム75の後部に立設されている一方の車繰出し支柱101と、他方の板金製車体フレーム75の後端側の上部に前記連結部材101aを介して下端側が連結していて他方の車体フレーム75の後部に立設されている繰出し支柱101と、前記両繰出し支柱101の上端部どうしにわたって車体横向きの後枠部103が連結していて両繰出し支柱101によって支持されている繰出し支持枠102と、前記両板金製車体フレーム75の上端側の車体前後方向での中間部どうしにわたって連結している車体横向きの丸パイプ材で成る車体フレーム76の支持部76aに立設されている左右一対の丸パイプ材で成るタンク支柱107と、この両タンク支柱107の上端部どうしにわたって連結していて両タンク支柱107によって支持されている車体横向きの丸パイプ材で成るタンク支持体108とのそれぞれを、自走車体の運転座席4の後側に設け、前記繰出し支持枠102の前記後枠部103を、前記各繰出し装置40の繰出しケース42の後面側に連結ボルト103aによって連結し、前記繰出し支持枠102の前記後枠部103の前方側に位置している車体横向きの丸棒材で成る前枠部104を、前記各繰出し装置40の繰出しケース42の前面側に連結ボルト104aによって連結し、前記タンク支持体108を、肥料タンク31の前記各下細り底部31aの前面側に支持作用するように当接させてある。
【0068】図22、図23などに示すように、前記左右一対のタンク支柱107それぞれと、前記繰出し枠体102の前枠部104とにわたって連結部材109を取付け、タンク支柱107と繰出し枠体102とが連結部材109によって連結されて互いに支持し合うように構成してある。
【0069】図21に示すように、前記繰出し支持枠102は、車体前後方向に並んでいるとともに互いに平行になっている前記後枠部103と前記前枠部104のそれぞれと、この前枠部104と後枠部103の両端部どうしを連結している帯板金で成る左右一対の外側連結枠部105と、この外側連結枠部105よりやや車体内方側で、かつ、前記連結部材109の近くで前枠部104と後枠部103とを連結している左右一対の内側連結枠部106とのそれぞれによって構成してある。
【0070】前記送風機61は、図4、図13、図14、図15・に示す取付け構造により、自走車体の前記一対の車体メインフレーム5によって支持させてある。
【0071】すなわち、前記左右一対の板金製車体フレーム75のそれぞれに貫通孔75aを設け、送風機61のブロワ62の回転軸芯62cが車体横向きになり、かつ、ブロワ62の吹出し口62bが車体上方向きでやや後ろ向きになって肥料繰出し装置40の方に向かう状態になり、さらに、ブロワ62が前記左右一対の板金製車体フレーム75どうしの間に位置し、さらに、送風機61の電動モータ63が前記一方の板金製車体フレーム75の前記貫通孔75aを、前記吸気ダクト68が前記他方の板金製車体フレーム75の前記貫通孔75aをそれぞれ挿通する取付け姿勢にして運転座席4の下方に配置し、吸気ダクト68が位置している方の前記車体メインフレーム5に固定されている支持体77にブロワケースの下端側を連結ボルトによって締め付け連結し、電動モータ63が貫通している方の前記板金製車体フレーム75の前記貫通孔75aの下端側のまわりに付設してあるゴム製の緩衝材75bを介して板金製車体フレーム75によって電動モータ63を受け止め支持させてある。
【0072】図15に示すように、前記送風ダクト65における前記分配ダクト部66の最も車体横外側に位置する2個の肥料繰出し装置40それぞれの前記風取入れ口48に接続している部分と、この2個の肥料繰出し装置40に隣接している車体内側の2個の肥料繰出し装置40それぞれの前記風取入れ口48に接続している部分との間に、分配ダクト部66とは別部品に作製した図25の如き絞り形成部材113を内装して絞り部114を設けてあるとともに、この絞り部114は、分配ダクト部66の前記中央部分66aで分配ダクト部66の両端側に分岐して流入した来た肥料搬送風に流動抵抗を与え、肥料搬送風が分配ダクト部66の風上側に接続している車体内側の肥料繰出し装置40と、これよりも風下側に接続している車体外側の肥料繰出し装置40とに極力均等に分散して流入するようにしている。
【0073】図26に示すように、前記複数の肥料供給路50それぞれの前記空気抜き機構55は、非可撓性の樹脂管で成る前記肥料供給管56と、この肥料供給管56の上端側の横側部に基端側が連結しているとともに肥料供給管56の内部に連通している非可撓性の樹脂管で成る空気抜き管57と、この空気抜き管57の植付け機体上方向きの空気出口57aに対する蓋体58とを備えて構成してあり、そして、図24に示すように、肥料供給管56の上端側に固設してある取付けブラケット59を、植付け機体フレームの前端側に植付け機体の横方向に並べて立設されている複数本の苗載せ台支柱150にわたって固定されている横断面L字形状の支持部材151に連結ボルト152によって締め付け連結することにより、この支持部材151に対して取付け姿勢が変化しないように取付けてある。
【0074】前記蓋体58は、この蓋体58の基端側から延出している一対の取付けアーム部58aそれぞれの先端側が肥料供給管56に備えてある支持部56aに軸芯58bまわりで回動自在に連結していることにより、前記軸芯56bまわりで上下に揺動して前記空気出口57aを開閉するように、かつ、蓋体58の遊端側の内面側が空気抜き管57の先端に当接して受止め支持された下降取付け状態になれば、閉じ位置OFFになり、この下降取付け状態から上昇揺動して空気抜き管57から離れた状態になれば、開き状態になり、さらに、前記取付けアーム部58aの先端側が前記支持部56aに備えてあるストッパー56bに当接した上昇取付け状態になれば、全開位置OPになるように構成してある。
【0075】前記蓋体58が前記閉じ位置OFFにあっても、この蓋体58の内面側と空気抜き管57の上端との間に隙間Kが形成されるとともに、この隙間Kは、空気抜き管57の内部の空気が空気出口57aから外部に漏れ出ることを許容するように構成してある。前記蓋体58の外周部から空気抜き管57の方に突出している側壁58cを蓋体58に備えてあるとともに、蓋体58が前記全開位置OPになって前記側壁58cが蓋体58と共に空気抜き管57に対して上昇した状態になっても、前記側壁58cが空気抜き管57の先端側を覆っているように構成してある。
【0076】これにより、空気抜き機構55は、可撓性ホース52からの肥料を肥料供給管50を通して作溝施肥具70に流下させ、肥料供給路50の肥料搬送風が作溝施肥具70から抜け出なくなった場合、肥料搬送風が肥料供給路50から抜け出るように次の如く空気抜きを行う。すなわち、肥料搬送風のために肥料供給路50の内部圧が上昇しても、その内部圧が蓋体58の自重による閉じ力によって決まる設定圧より低い場合、蓋体58を閉じ位置OFFにしたたまにして空気出口57aに雨水などが入り込まないようにしながら前記隙間Kから空気を外部に流出させる。そして、肥料供給路50の内部圧が前記設定圧以上の高圧になると、その風圧によって蓋体58を押し揚げ開放して空気出口57aを開放し、空気出口57aから空気を迅速に流出させる。このとき、蓋体58と側壁58cとが空気出口57aの周囲を覆っており、雨水などを空気出口57aに入り込みにくくしながら空気を流出させる。
【0077】図3、図28に示すように、前記複数の肥料供給路50それぞれの前記可撓性ホース52の途中に、振れ止め杆154の先端側のループ状の振れ止め作用部154aを作用させてある。図27に示すように、この振れ止め杆154は、これの基端側の取付け部154bを前記連結ボルト152によって、空気抜き機構55の前記取付けブラケット59との共締めで前記支持部材151に締め付け固定することにより、この支持部材151によって支持させてある。
【0078】図29に示すように、前記複数の肥料供給路50それぞれの前記管部材53は、この管部材53の先端側にゴム製筒体を付設して設けた接続筒部156aによって作溝施肥具70に対して連通させてある。前記接続筒部156aと一体部品に形成してある蛇腹形のゴム筒156を前記接続筒部156aと作溝施肥具70とにわたって装着し、接続筒部156aと作溝施肥具70との間から肥料搬送風が漏れ出ることをゴム筒156によって防止してある。前記ゴム筒156の下端側に、ゴム筒156を成型する際に同時に成型することによってゴム筒156との一体部品に成形した蓋部156bを備えさせてあるとともに、この蓋部156bは、作溝施肥具70に備えてある後方向きの開口70aの上端側を閉じて肥料搬送風の吹出しを防止するように構成してある。尚、図29に示す157は、詰まりセンサーであり、作溝施肥具70の内部に肥料が詰まった場合にこれを検出するものである。
【0079】〔別実施形態〕
【0080】図30は、別の実施形態を備える空気抜き機構55を示し、この空気抜き機構55にあっては、空気抜き管57の上端側に外嵌している締め付けバンド160と、この締め付けバンド160の周方向での複数箇所に基端側が各別に連結している複数本の支持脚161とによって空気抜き管57に固定してある傘部材162を備えてあるとともに、この傘部材162は、空気抜き管57の空気出口57aから空気が抜け出ることを可能にしながらこの空気出口57aの上方を覆って空気出口57aに雨水などが入り込むことを防止するように構成してある。
【0081】図31は、別の実施形態を備える施肥装置付き田植機を示し、この施肥装置付き田植機にあっては、8条植えが可能なように機体横方向に並ぶ8個の苗植付機構22を備え、肥料供給路50における空気抜き機構55の肥料供給管56から作溝施肥具70に至る非可撓性の管部材53として、直管形の管部材53と、屈曲形の管部材53aとを備えている。屈曲形の管部材53aとして、左向き屈曲と右向き屈曲の管部材を備えてあるが、右向き屈曲の管部材と、左向き屈曲の管部材とは、屈曲形状を同一にして作製した一種類の屈曲管部材53aで成り、この同一形状の屈曲管部材53aの組付け向きを相違させたものである。
【0082】図32は、別の実施形態を備える作溝施肥具70を示し、この作溝施肥具70にあっては、肥料供給路50の前記管部材53が接続する管部70bを作溝施肥具70に一体成形してある。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成14年4月30日(2002.4.30)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2003−310007(P2003−310007A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2002−129284(P2002−129284)