| 【発明の名称】 |
乗用型水田作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】森本 琢也 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】吉田 和正 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】中尾 康也 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】小池 康三 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】永田 康弘 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】小林 鑑明 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
|
| 【要約】 |
【課題】昇降制御感度を調節機構に対する誤動作を阻止して作業が安定する乗用型水田作業機を提供する点にある。
【解決手段】苗植付装置の対地高さを検出するセンターフロートと苗植付装置の昇降駆動を司る昇降制御弁56とをレリーズワイヤ25で連係して昇降制御手段を構成する。レリーズワイヤ25のアウタワイヤ端25eを移動させて感度調節する感度調節具29を、四連リンク機構14に取付けてある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体に昇降リンク機構を介して作業装置を昇降自在に装着してある乗用型水田作業機であって、前記作業装置の対地高さを設定高さに維持する昇降制御手段とその昇降制御手段の制御感度を調節する感度調節手段とを設け、前記作業装置の対地高さを検出する接地センサと前記作業装置の昇降駆動を司る昇降制御弁とをレリーズワイヤ式連係機構で連係して前記昇降制御手段を構成するとともに、前記レリーズワイヤ式連係機構のアウタワイヤ端を移動させて感度調節する前記感度調節具を、前記昇降リンク機構に取付けてある乗用型水田作業機。 【請求項2】 走行機体に昇降リンク機構を介して作業装置を昇降自在に装着してある乗用型水田作業機であって、前記作業装置の上昇作動を司る昇降制御弁の操作位置を、前記作業装置が上昇限に達すると中立位置に強制戻し操作する上限設定具を前記昇降リンク機構のロアーリンクに一体揺動自在に設けてある乗用型水田作業機。 【請求項3】 走行機体に昇降リンク機構を介して作業装置を昇降自在に装着してある乗用型水田作業機であって、走行に伴い次回の機体走行基準線を圃場面に引くべく横外方に突出した作用姿勢と内方に引退した格納姿勢とに切換え揺動自在な左右一対の線引マーカーを設け、前記作業装置を下降させた作業状態で線引マーカーを作用姿勢に設定するとともに、前記格納姿勢に維持するロック具を設け、前記線引マーカーの基部に設ける回動支点軸部分と前記ロック具に係合するロック係合部分とを単一の部材で形成してある乗用型水田作業機。 【請求項4】 走行機体に昇降リンク機構を介して作業装置を昇降自在に装着してある乗用型水田作業機であって、走行に伴い次回の機体走行基準線を圃場面に引くべく横外方に突出した作用姿勢と内方に引退した格納姿勢とに切換え揺動自在な左右一対の線引マーカーと、前記作業装置の両横側面において左右に突出する状態でその作業装置を保護する作用姿勢と引退した格納姿勢とに切換自在なガード部材とを設け、前記作業装置を下降させた作業状態で線引マーカーとガード部材とを作用姿勢に設定するとともに、前記線引マーカーの回動支点軸部分に対して前記ガード部材を係合させることによって、前記ガード部材を前記格納姿勢に維持すべく構成してある乗用型水田作業機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体に昇降リンク機構を介して作業装置を昇降自在に装着してある乗用型水田作業機に関する。 【0002】 【従来の技術】前記作業装置の対地高さを設定高さに維持する昇降制御手段とその昇降制御手段の制御感度を調節する感度調節手段とを設け、感度調節手段を運転座席の横側方に設けていた。つまり、作業装置の対地高さを検出する接地センサをもうけるとともに、接地センサの検出結果に基づいて作業装置の対地高さを一定に維持する昇降制御手段を設けるとともに、接地センサの基準姿勢を変更して昇降制御手段の制御感度を調節する手段として、接地センサと昇降制御弁とを連係するレリーワイヤとしてのセンサワイヤを調節して接地センサの基準姿勢を変更する感度調節レバーを設けていた(例えば、特開平11- 313515号公報)。 【0003】前記した昇降制御弁に対して作業装置を強制的に上昇作動させる昇降操作レバーを設け、作業装置が上昇限に達すると作業装置の上昇作動を停止させるべく、昇降リンク機構のロアーリンクと昇降操作レバーとを機械的に連係する連係ロッドを設け、昇降操作レバーを中立位置に戻す構成を採っていた(例えば、特開平11−313515号公報)。 【0004】走行に伴い次回の機体走行基準線を圃場面に引く左右一対の線引きマーカーと、前記作業装置の両横側面においてその作業装置を保護するガード部材とを設け、線引マーカーとガード部材とを作業装置より横側方に向けて延出した機体フレームに取り付けていた(特開平10−178816号公報)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、感度調節手段を運転座席の横側方に設けると、感度調節レバーがフェンダー等より突出することになるので、苗補給時の作業の邪魔になったり、誤って感度調節レバーに接触して不測に操作して、設定感度を変更してしまう、という欠点があった。 【0006】作業装置が上昇限に達した際に、昇降駆動系を中立状態に戻す構成において、昇降操作レバーと昇降制御弁とを近接して配置し、昇降操作レバーを中立位置に戻す構成を採っていた。そうすると、昇降操作レバーと昇降制御弁との連係に不具合があった場合に、作業装置が上限に至った場合にも、上昇作動が停止されないという自体が起こる。また、昇降リンク機構と昇降操作レバーの配置に制約があり、昇降操作レバー等の自由な配置構成に制限があった。 【0007】線引マーカーの構造は、機体フレームに対して前後軸芯回りで揺動自在な天秤アームを取り付けとともに、天秤アームの一端に線引マーカーを固定して、線引マーカーを作用姿勢と格納姿勢とに切換可能に構成し、格納姿勢を維持するロック具を設け、天秤アームを機体フレームに取り付ける支持ピンを線引アームとは別部品に形成していた。また、線引マーカーに近接して配置されている作業装置保護用のガード部材とその線引マーカーとは同一の部材、つまり、機体フレームに取り付けてあるだけで、両者が互いに連係するものはなかった。 【0008】本発明の目的は、上記欠点を解消する為に、感度調節手段の設置位置を変更し、作業性のよい誤操作を回避できる乗用型水田作業機を提供する点にある。また、本発明の目的は、作業装置の上限停止を迅速確実に行える乗用型水田作業機を提供する点にある。更に、本発明の目的は、線引マーカーを構成するに部品点数少なくできるように、かつ、近接して配置されることになる線引マーカーとガード部材とを連係させて、機器の組立を容易迅速に行うことのできる乗用型水田作業機を提供する点にある。 【0009】 【課題を解決するための手段】[構成]請求項1にかかる発明の特徴構成は、前記作業装置の対地高さを設定高さに維持する昇降制御手段とその昇降制御手段の制御感度を調節する感度調節手段とを設け、前記作業装置の対地高さを検出する接地センサと前記作業装置の昇降駆動を司る昇降制御弁とをレリーズワイヤ式連係機構で連係して前記昇降制御手段を構成するとともに、前記レリーズワイヤ式連係機構のアウタワイヤ端を移動させて感度調節する前記感度調節具を、前記昇降リンク機構に取付けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0010】[ 作用]接地センサと昇降制御弁とを連係するレリーワイヤ式連係機構におけるアウタ端を移動調節することによって接地センサの基準姿勢を変更する感度調節具の設置位置として、昇降リンク機構を選定したので、乗用型水田作業機を運転して作業をする際や、予備苗を補充する等の停止状態での作業時においても、昇降リンク機構に対する作業を必要とする場合以外に、直接的に作業者が係わることのない部位であるので、作業者が不測に操作することを回避できる。 【0011】[効果]したがって、感度が変更されたにも拘わらず、作業者がそのことに気づくことなく、作業が続行されることを回避でき、作業の精度不良によるやり直し等の作業能率の低下を未然に防止することができ、作業性のよい乗用型水田作業機を提供できるに至った。 【0012】[構成]請求項2にかかる発明の特徴構成は、前記作業装置の上昇作動を司る昇降制御弁の操作位置を、前記作業装置が上昇限に達すると中立位置に強制戻し操作する上限設定具を前記昇降リンク機構のロアーリンクに一体揺動自在に設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0013】[作用効果]上限設定具を連係する対象として、従来のように、昇降操作レバーではなく昇降制御弁に設定してあるので、昇降シリンダの作動を直接制御する制御弁に作動を停止させることができるので、昇降制御弁と昇降操作レバーの連係状態に影響されない。しかも、昇降操作レバーを昇降リンク機構や昇降制御弁に対して近接して配置する要請が小さくなり、昇降操作レバーの設置位置に制約が少なくなる。 【0014】[構成]請求項3にかかる発明の特徴構成は、走行に伴い次回の機体走行基準線を圃場面に引くべく横外方に突出した作用姿勢と内方に引退した格納姿勢とに切換え揺動自在な左右一対の線引マーカーを設け、前記作業装置を下降させた作業状態で線引マーカーを作用姿勢に設定するとともに、前記格納姿勢に維持するロック具を設け、前記線引マーカーの基部に設ける回動支点軸部分と前記ロック具に係合するロック係合部分とを単一の部材で形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0015】[作用効果]従来、別個に設けていた、線引マーカーを揺動自在に支持する回動支点軸部分とロック係合部分とを単一の部材に纏めて形成することによって、部品点数の削減が図れるとともに、組立て工数の低減等の製作上の効果も大きい。 【0016】[構成]請求項4にかかる発明の特徴構成は、走行に伴い次回の機体走行基準線を圃場面に引くべく横外方に突出した作用姿勢と内方に引退した格納姿勢とに切換え揺動自在な左右一対の線引マーカーと、前記作業装置の両横側面において左右に突出する状態でその作業装置を保護する作用姿勢と引退した格納姿勢とに切換自在なガード部材とを設け、前記作業装置を下降させた作業状態で線引マーカーとガード部材とを作用姿勢に設定するとともに、前記線引マーカーの回動支点軸部分に対して前記ガード部材を係合させることによって、前記ガード部材を前記格納姿勢に維持すべく構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0017】[作用効果]つまり、線引マーカーの回動支点軸部分にガード部材を係合させることによって、ガード部材を格納姿勢に維持することができる。これによって、ガード部材を格納姿勢に維持するための専用具を必要とせず、回動支点軸部分による兼用化が達成できる。 【0018】 【発明の実施の形態】4条植えの乗用型田植機について説明する。図1及び図2に示すように、前車輪1と後車輪2とを備えた走行機体3の前部にエンジン4、静油圧式無段変速装置5、ミッションケース6を備えて原動部を構成するとともに、ミッションケース6の後端横側面に左右一対の後車輪ケース7,7をミッションケース6との接続点を中心として上下揺動可能に枢支し、サスペンション機構8で後車輪ケース7,7を支持し、走行機体3の前端部に操縦ハンドル9、操縦ハンドル9の左側に静油圧式無段変速装置5等を変速操作する変速操作レバー10、操縦ハンドル9の右側に後記する苗植付装置38の昇降作動を司る昇降操作レバー11、走行機体3の中間部に操縦座席12、操縦座席12の後方に吊上げ式の昇降シリンダ13によって昇降駆動可能な昇降リンク機構としての四連リンク機構14と、その四連リンク機構14に苗植付装置38をローリング作動自在に取付けて、乗用型田植機を構成してある。 【0019】四連リンク機構14は、単一広幅構成のトップリンク14A、左右一対のロアーリンク14B、両リンク14A、14Bを連結する後端リンク14Cとからなり、後端リンク14Cの下端部に前後軸芯回りで左右揺動可能に苗植付装置38の植付ケース15を取り付けている。苗植付装置38は、前記した植付ケース15、前後向き姿勢の植付伝動ケース16、植付伝動ケース16の後端横側面に支持された左右一対の回転ケース17、各回転ケース17に植付回転自在に取り付けられている一対の植付アーム18、4条分の苗載せ面19aを備えた苗載せ台19、を装備し、植付圃場面を均す整地フロート21及び次回の植付予定走行線を圃面に印す左右一対の線引きマーカー20,20を備えて構成されている。 【0020】図3,4に示すように、ミッションケース6の上部に昇降制御弁56が取り付けられており、昇降制御弁56の作動油の給排操作によって昇降シリンダ13が伸縮駆動されて、苗植付装置38が昇降駆動される。次に、昇降制御弁56を操作する昇降操作レバー11の構造について説明する。図5及び6に示すように、エンジン搭載用の後フレーム24の右横部分24aに支持板61が連結されて、支持板61に連結された支持軸61aに操作板62が揺動自在に支持されており、昇降制御弁56(図3参照)と操作板62の操作アーム62aとが、ワイヤ64を介して連係されている。エンジン16の動力を苗植付装置38に伝動及び伝動遮断自在な植付クラッチ(図示せず)が、ミッションケース1の内部に配置されており、操作板62の操作アーム62aと植付クラッチとが、ワイヤを介して連係されている。 【0021】図5に示すように、支持板61にレバーガイド63が備えられており、レバーガイド63に沿って支持軸61a周りに、昇降操作レバー11及び操作板62を上昇位置U、中立位置N、下降位置D及び植付位置Aに操作することができる。植付位置Aにおいて昇降操作レバー11を支持軸60bの軸芯周りに、右及び左マーカー位置MR,MLに操作することができる。図6に示すように、支持板61の横軸芯P7周りにデテントアーム65が揺動自在に支持されて、デテントアーム65と支持軸61aとに亘って引っ張りバネ66が接続されており、操作板62の外周部に形成された3つの凹部にデテントアーム65のローラー65aが入り込むように、引っ張りバネ66によってデテントアーム65が上方に付勢されている。これにより、操作板62の凹部にデテントアーム65のローラー65aが入り込むことによって、昇降操作レバー11及び操作板62が中立位置N、下降位置D及び植付位置Aに保持される。固定側フレーム(図示せず)と操作板62とに亘って引っ張りバネ67が接続されており、引っ張りバネ67により昇降操作レバー11及び操作板62が上昇位置Uに付勢されている。 【0022】一方、昇降制御弁56の操作構造は、次のようになっている。図6及び図7に示すように、昇降制御弁56が昇降用の四連リンク機構14の基端部よりやや機体前方側に備えられ、昇降制御弁56のスプール56aが突出側(図7の紙面右方)(昇降シリンダ13の伸長側で苗植付装置38の下降側)に付勢されており、昇降制御弁56のスプール56aを図7の紙面左方に押し操作(昇降シリンダ13の収縮側で苗植付装置38の上昇側)する駆動アーム27が備えられている。この駆動アーム27は後記する天秤アーム55と隣接して設けてある。 【0023】図4〜図7に示すように、駆動アーム27は、昇降操作レバー11を駆動する操作アーム62aから延出されたワイヤ64のインナーワイヤー64aに連係されており、昇降操作レバー11の操作に連動して揺動する。そして、駆動アーム27は、突出側に付勢されている昇降制御弁56のスプール56aから受ける揺動力と、昇降操作レバー11とがバランスして、中立位置に設定されている。 【0024】昇降操作レバー11を上昇位置Uに操作すると、昇降制御弁56から昇降シリンダ13に作動油が供給され、昇降シリンダ13が収縮作動して苗植付装置38が上昇駆動される。昇降操作レバー11を中立位置Nに操作すると、昇降制御弁56の作動油の給排操作が停止され昇降シリンダ13が停止して、苗植付装置38が停止する。昇降操作レバー11を下降位置Dに操作すると、昇降制御弁56を介して昇降シリンダ13から作動油が排出され、昇降シリンダ13が伸長作動して苗植付装置38が下降駆動される。上昇位置U、中立位置N及び下降位置Dにおいて、植付クラッチが伝動遮断側に操作されており、右及び左の線引マーカー20が格納姿勢に保持されている。昇降操作レバー11を植付位置Aに操作すると、植付クラッチが伝動側に操作されて、苗植付装置38による苗の植え付けが開始されるのであり、後記するように、苗植付装置38が田面から設定高さに維持されるように、昇降シリンダ13により苗植付装置41が自動的に昇降駆動される。 【0025】次に、植付深さを一定に維持すべく、苗植付装置38が田面から設定高さに維持される自動昇降制御の構成について説明する。図7及び図8に示すように、植付ケース15に取り付けられて左右に延出された角パイプ状の横フレーム22と平行に、各植付伝動ケース16に亘って支持軸30が回転自在に支持され、支持軸30における植付伝動ケース16の付近の部分から2本ずつ支持アーム31が延出されており、支持アーム31の横軸芯P2周りに、センターフロート21A及びサイドフロート21Bの後部が上下揺動自在に支持されている。 【0026】図8に示すように、センターフロート21A及びサイドフロート21Bの前部の左右中央部に、平面視コ字状のリンク部材35が上下揺動自在に支持されて、横フレーム22の前面に平面視コ字状のリンク部材37が上下揺動自在に支持されており、リンク部材35,37の先端が揺動自在に連結されている。これにより、リンク機構35,37によってセンターフロート21A及びサイドフロート21Bの前部が左右に振れないように案内されながら、センターフロート21A及びサイドフロート21Bが横軸芯P2周りに上下揺動自在に支持される。 【0027】図8に示すように、支持軸30に植付深さレバー32が連結されており、植付深さレバー32により支持軸30及び支持アーム31の角度を変更し、後述するように横軸芯P2の位置を上下に変更して、苗の植付深さを変更するのであり、横フレーム22に連結されたレバーガイド33に植付深さレバー32を係合させて固定することによって、苗の植付深さを設定する。横フレーム22に固定されたブラケット41の横軸芯P3周りに、平面視コ字状のフレーム43が上下揺動自在に支持され、植付深さレバー32とフレーム43とに亘って連係ロッド26が接続されており、植付深さレバー32によってフレーム43の姿勢が決まるように構成されている。 【0028】図8に示すように、センターフロート21Aの前部の横軸芯P4周りに正面視コ字状のフレーム40が前後揺動自在に支持され、フレーム43に固定されたピン44がフレーム40の長孔40aに挿入されて、フレーム40の上部とピン44とに亘ってバネ45が架設されており、バネ45によってセンターフロート21Aが下方側に付勢されている。図8に示すように、レリーズワイヤ機構としてのワイヤ25のインナー25aがピン44に接続され、ワイヤ25のアウター25bがフレーム40に接続されている。これにより、田面Gに接地追従するセンターフロート21Aに対して、機体の上下動等により苗植付装置38が上下動すると、苗植付装置38に対してセンターフロート21Aが横軸芯P2周りに上下揺動する状態となる。 【0029】一方、昇降制御弁56の操作構造は、次のようになっている。前記したように、昇降制御弁56が四連リンク機構14の前方に備えられ、昇降制御弁56のスプールを図7の紙面左方に押し操作(昇降シリンダ13の収縮側で苗植付装置38の上昇側)する天秤アーム55が備えられている。この天秤アーム55の一端に対して、駆動アーム27が植付位置に位置する側からピン27aを介して当接して、天秤アーム55を上昇位置側に駆動移動させるように構成してある。図7に示すように、天秤アーム55の他端は、センターフロート21Aから延出されたワイヤ25のインナーワイヤー25aに連係されており、駆動アーム27が植付位置Aにある場合には、駆動アーム27と当接することなく、自由にセンターフロート21Aが横軸芯P2回りで揺動するに連れて天秤アーム55が揺動すべく構成してある。 【0030】そして、天秤アーム55は、突出側に付勢されている昇降制御弁56のスプールから受ける揺動力と、センターフロート21Aを接地付勢するバネ45の付勢力とのバランスによって、昇降制御弁56の中立位置Nに保持されている。図8に示すように、センターフロート21Aが横軸芯P2回りで上下揺動すると、ピン44に対してフレーム40に取り付けられているワイヤ25のアウタ端25bが上下に移動する。このように、アウタ端25bが移動することによって、そのアウタ端25bとピン44との第1間隔L1が変動する。この変動を受けて天秤アーム55に連係されたインナー端が、そのインナー25aを突出させたアウタ端25bに対して第1間隔L1を補うように第2間隔L2を変動させる。つまり、第1間隔L1が広くなれば第2間隔L2は狭くなるように、かつ、第1間隔L1が狭くなれば第2間隔L2が広くなるように、変動する。そして、この第2間隔L2の変動を受けて天秤アーム55が中立位置Nより上下位置U、Dに揺動する。 【0031】以上のようなセンターフロート21Aの構成に基づく、自動昇降制御を説明すると、苗植付装置38が圃面より設定された高さに位置する場合には、センターフロート21Aに作用する接地圧によって前後方向での所定傾斜姿勢に維持される。通常は水平状態にある。所定傾斜姿勢において、走行機体3が耕盤での凹凸部に至って沈み込みを生じた場合には、走行機体3とともに苗植付装置38も沈み込みを生じるためにセンターフロート21Aにかかる接地圧が大きくなって、センターフロート21Aに前後方向での傾斜姿勢が、フロート21Aの前端を上方に位置する上向き傾斜姿勢に変動しようとする。センターフロート21Aの上向き移動によって、接地圧を設定しているバネ45の上端を係止しているフレーム40が上方に移動し、フレーム40の上端とピン44とに亘って架渡されているバネ45が伸びる方向に変化する。このことは、ワイヤ25のアウタ端25bからピン44までのインナーワイヤ25aが引き出されたことになる。 【0032】そうすると、第1間隔L1が長くなる分、第2間隔L2が短くなるように、天秤アーム55が揺動して昇降制御弁56を上昇側に押圧操作する為に、苗植付装置38は上昇する。苗植付装置38が上昇すると、センターフロート21Aに対する接地圧が低下することになって、第1間隔L1が基準間隔に戻ろうとする。これによって、バネ45の付勢力が弱くなるとともに突出側に付勢された昇降制御弁56のスプールにより天秤アーム55が中立位置に復帰して、基準の昇降位置に維持することができる。 【0033】上記場合と反対に、走行機体3が凸面に乗り上げて苗植付装置38が圃面より浮上した場合には、夫々の機構が反対の動きをして、昇降位置を維持する制御を行う。 【0034】次に、昇降制御の制御感度調節構造について説明する。圃場面の硬軟に対応して、適切なバネ付勢力を作用させるように調節する構造を採用している。つまり、圃面が硬い場合にバネ45の付勢力を弱くすると、センターフロート21Aの昇降感度が敏感になりすぎる為に、頻繁に苗植付装置38の昇降制御が行われることになり、基準状態に戻る前に、センターフロート21Aの作動によって次に制御指令が入ることもあり、却って、制御のハンチングを起こすおそれがある。これに対して圃面が柔らかい場合に、バネ45の付勢力が大きすぎると応答性が悪く、センターフロート21Aが前下がり姿勢になりすぎる傾向を呈するために、苗植付装置38が基準高さを維持できない。 【0035】以上のように、圃面の硬軟が異なる場合であっても、これに対応すべく昇降制御感度調節構造を設けている。図9及び図10に示すように、センターフロート21Aと昇降制御弁56とを連係しているワイヤ25の途中に感度調節手段としての昇降制御感度調節機構28を設けてある。具体的には、ワイヤ25におけるアウタワイヤ25bをフロート側アウタワイヤ25cと制御弁側アウタワイヤ25dとに分割し、フロート側アウタワイヤ25cと制御弁側アウタワイヤ25dの相対向する端部においてフロート側アウタワイヤ25cの端部25eを可動できるようにするとともに、制御弁側アウタワイヤ25dの端部25fを固定する。 【0036】つまり、フロート側アウタワイヤ25cの端部25e近傍には、感度調節具としての感度調節レバー29を設けてある。図9から図11に示すように、四連リンク機構14における左のロアーリンク14Bに対してレバーガイド33を取付固定するとともに、このレバーガイド33に横軸芯回りで揺動自在に感度調節レバー29を設けてある。レバーガイド33には硬軟度を表示したガイド溝33Aに沿ってスライド移動する可動体34を設け、この可動体34に感度調節レバー29を係合して、可動体34を移動させるように構成してある。可動体34には、フロート側アウタワイヤ25cの端部25eが取り付けてあり、感度調節レバー29を揺動操作すると可動体34とともに、フロート側アウタワイヤ25cの端部25eをインナーワイヤ25bに対して相対移動させることができる。尚、硬軟度は1から7までの数値で示され、この数値を大きく設定するほどセンターフロート14Aの目標姿勢が前上がり状態になり、硬い圃面に対応した鈍感状態となる。 【0037】以上のような構成により、フロート側アウタワイヤ25cの端部25eと制御弁側アウタワイヤ25dの端部25fとの間隔が広がる方向に操作すると、第1間隔L1が狭まるようにフロート側アウタワイヤ25cのフレーム40に取り付けられている端部25gが下降することになり、バネ45付勢力は弱くかつセンターフロート21Aの姿勢は前下がり姿勢となり、圃面が柔らかい場合に対応した敏感状態に設定できる。反対側に感度調節レバー29を操作すると、圃面が硬い場合に対応した鈍感状態に設定できる。 【0038】上記のように、感度調節レバー29をロアーリンク14Bに配置する構成によって、操縦座席12の近傍に配置する必要がなく、図2に示すように、操縦座席12の横側方における後輪フェンダー部36を操作具を配置しない構成とでき、その後輪フェンダー部36を補助ステップとして形成し、予備苗を補給する際に有効に使用できる。無意識に感度調節レバー29を操作することがないので、不測に植付感度が変動することがない。ワイヤ25はロアーリンク14Bに沿ってその下方に配置され、操縦座席12の下方に配置されている昇降制御弁56まで延出されている。 【0039】次に、苗植付装置38を上昇限に操作した際に、昇降制御弁56及び昇降操作レバー11を中立位置Nに戻すフィードバック機構46について説明する。図11〜図13に示すように、左側のロアーリンク14Bの揺動支点近傍に、逆U字状に向きを設定されたフィードバックアーム46Aが固着されるとともに、昇降制御弁56を駆動操作する駆動アーム27に対して上限設定具としての連係ロッド46Bを係合連係し、駆動アーム27よりフィードバックアーム46Aに向けて連係ロッド46Bを延出し、その延出端をフィードバックアーム46Aの逆U字状空間内を貫通させてある。貫通した連係ロッド46Bの先端部には受け止めディスク46Cが取り付け固定してあり、フィードバックアーム46Aに対して後方より当接するように構成してある。 【0040】上記した構成において、図12(イ)に示すように、苗植付装置38が下降した状態にあると、フィードバックアーム46Aは受け止めディスク46Cより前方に位置して離間している。この状態より苗植付装置38の上昇が開始されると、フィードバックアーム46Aが受け止めディスク46Cに当接する時点より駆動アーム27を中立位置に戻し操作し、図12(ロ)に示すように、苗植付装置38が上昇限に至った時点で駆動アーム27が中立位置Nに戻り昇降操作レバー11を中立位置に戻すようにしてある。ロアーリンク14Bと昇降制御弁56の駆動アーム27との間は連係ロッド46Bで連係して、確実に中立復帰が行えるようにし、昇降操作レバー11を中立位置に戻す構成として、昇降操作レバー11と昇降制御弁56とを連係するワイヤを利用しているので、調整が容易である。 【0041】図1及び図2に示すように、1回の植付行程の走行時に次の植付行程の指標を田面に形成する線引マーカー20が、苗植付装置38の右及び左横部に備えられており、以下、線引マーカー20について説明する。図14に示すように、右及び左の線引マーカー20は田面に突入して指標を形成する作業姿勢、及び田面から上方に離れた格納姿勢に操作自在に構成されており、苗植付装置38が田面から大きく上昇駆動されると、右及び左の線引マーカー20が格納姿勢に操作されて、後記する右及び左のロック機構47により右及び左の線引マーカー20、20が格納姿勢に保持されるように構成されている。苗植付装置38を田面まで下降駆動する際に、右又は左のロック機構47を解除操作すると、右又は左の線引マーカー20が格納姿勢から作業姿勢に操作される。 【0042】線引マーカー20の構造について説明する。図14及び図15に示すように、植付伝動ケース16より延出されたサイドフロート支持用のパイプ製の支点軸30に、線引マーカー20を揺動自在に支持する支持ブラケット48を取付けてある。支持ブラケット48は、左右に立設された一対の立上壁48A,48Aと、その立上壁48A、48Aを連結する底壁48Bとからなり、底壁48Bをボルト49で支点軸30に固定して、取付られている。 【0043】図15に示すように、線引マーカー20は一本の丸棒材を曲げ形成して構成したものであり、直線状に形成した回動支点軸部分20Aを両立上壁48A、48Aに亘って架設し、両立上壁48A、48Aに枢支された回動支点軸部分20Aの横向き軸芯P1を中心として上下揺動自在に支持されており、その揺動によって作用姿勢と格納姿勢とに切り換え可能に構成してある。両立上壁48A、48Aに支持された回動支点軸部分20Aより上方の部分はその回動支点軸部分20Aと平行な状態となるように折り返されており、この折り返されて形成されたロック係合部20Bは後記するロック具としてのロック金具47Aが係止して、線引マーカー20を格納姿勢に維持するように構成する。ロック金具47Aは両立上壁48A、48Aに架け渡された支軸回りで上下揺動可能に支持されており、バネ47Bによりロック係合部20Bと係合方向に付勢されている。ここに、ロック金具47Aとロック係合部20Bとでロック機構47を構成する。 【0044】図14及び図15に示すように、線引マーカー20の回動支点軸部分20Aとロック係合部20Bとの一端部に、ワイヤ係止ブラケット50を嵌め込み固定してあり、ワイヤ係止ブラケット50の上端部に線引マーカー20を格納姿勢に引き上げ操作する引上げワイヤ51を連係し、ワイヤ係止ブラケット50の下端部には線引マーカー20を作用姿勢に付勢するバネ52を連係してある。一方、図16に示すように、四連リンク機構14におけるロアーリンク14Bと後端リンク14Cとの連結点から延出された連結フレーム14Dと、昇降シリンダ13のピストン13Aとの連結部位に係止片14dを立設し、ワイヤ係止ブラケット50に連係された引上げワイヤ51の他端を、係止片14dに抜け止め不能に係入させてある。したがって、昇降シリンダ13を引き上げると、係止片14dで引き上げワイヤ51を引き操作して、線引マーカー20を格納姿勢に切換える。線引マーカー20が格納姿勢に切換ると、入り付勢されたロック金具47Aが線引マーカー20のロック係合部20Bに係合して、格納姿勢をロックする。 【0045】前記したロック機構47に対する解除機構を備えてあり、それについて説明する。図5に示すように、支持板61に固定された支持軸61b周りに、正面視で扇型の操作板68が揺動自在に支持され、左右ロック機構47のロック金具47Aと操作板68とが右及び左のワイヤ70を介して接続されており、操作板68を中立姿勢に付勢する引っ張りバネ71が、操作板68と支持板61とに亘って接続されている。上記した構成において、昇降操作レバー11を植付位置Aに切り換えた状態で、左側に傾倒させると、操作板68を支持軸61b回りに右回りに回転させて、左側のワイヤ70を引き操作し左側のロック金具47Aをロック係合部20Bより離間させる。右側のワイヤ70は弛みを生じるだけで右側のロック金具47Aに対しては操作力を及ぼさない。 【0046】以上の操作によって、左側の線引マーカー20が作用姿勢に突出され、右側の線引マーカー20は格納姿勢を維持する。昇降操作レバー11を植付位置Aで右側に傾倒させると、反対に、右側の線引マーカー20が作用姿勢に突出するとともに、左側の線引マーカー20は格納姿勢を維持することになる。 【0047】なお、線引マーカー20は回動支点軸部分20Aを形成するのに折り曲げ部を形成してあり、しかも、回動支点軸部分20Aとロック係合部20Bとを連結する折り曲げ部近傍までワイヤ係止ブラケット50を装着してある。このような特殊な状態にワイヤ係止ブラケット50を装着するには、図17に示すように、ワイヤ係止ブラケット50に回動支点軸部分20Aを挿通する基端係合孔50aとロック係合部20Bを挿通するロック用係合孔50bとを形成するが、まず、図17(イ)に示すように、ロック用係合孔50bを回動支点軸部分20Aに挿通し、ロック用係合部20Bの奥まで一旦差し入れる。そして、図17(ロ)に示すように、基端係合孔50aを回動支点軸部分20A内に差し込んで、図17(ハ)に示すように、所定の位置まで戻し移動させる。このような手順によって、ワイヤ係止ブラケット50を装着することができる。ワイヤ係止ブラケット50を装着した後に、回動支点軸部分20Aを両立上壁48Aに亘って架け渡し、線引マーカー20を取り付ける。 【0048】線引マーカー20を支持している支持ブラケット48に対してパイプ製の摺動板ガード部材53を設けてある。苗載せ台19は植付け作動に連動して一定ストロークで左右に往復移動するが、この苗載せ台19の横移動を支持する摺動板19Aが苗載せ台19の下方に配置してある。この摺動板19Aが横側方に張り出してあるので、他物との接触による損傷を回避すべく、摺動板ガード部材53が設けてある。 【0049】図14,15,16,18に示すように、摺動板ガード部材53は左右に張り出した支持ピン53Aを両立上壁48A、48Aに形成した支持孔48a内に挿通させて支持されている。支持孔48aは、鉤状に屈折した長孔に形成してあり、支持ピン53Aを長孔に沿って移動させると、図14、16に示すように、摺動板ガード部材53を横側方に張り出した作用姿勢と、図18に示すように、下向きに折り畳んだ収納姿勢とに切り換えることができる。支持ピン53Aの近傍には線引マーカー20の回動支点軸部分20Aが枢支してあり、摺動板ガード部材53の内端には、回動支点軸部分20Aに係合可能な切り欠き部53aが設けてある。摺動板ガード部材53を作用姿勢に切換えると、切り欠き部53aが回動支点軸部分20Aに係合して、作用姿勢が維持される。支持ピン53Aと回動支点軸部分20Aとに亘ってバネ54が架け渡してあり、摺動板ガード部材53の収納姿勢と作用姿勢とを維持するように機能する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ 【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
|
| 【出願日】 |
平成14年2月26日(2002.2.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
|
| 【公開番号】 |
特開2003−250312(P2003−250312A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月9日(2003.9.9) |
| 【出願番号】 |
特願2002−49628(P2002−49628) |
|