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【発明の名称】 苗移植機
【発明者】 【氏名】石田 伊佐男
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】荒木 正勝
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】木下 栄一郎
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】小田切 元
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】勝野 志郎
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】大久保 嘉彦
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】舘 良和
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】森永 年行
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】機体を自走させる走行部と、つる苗を前後方向に向く姿勢で一つづつ収容する苗収容部を複数設けて該苗収容部を複数の前後方向の軸周りに一列で周回動させて苗を搬送する苗搬送部と、該苗搬送部によって搬送されてきたつる苗をとって圃場に植付ける苗植付け体とを備えた苗移植機において、前記苗収容部につる苗の基部側部分を挟持する挟持部材を左右に備える苗挟持部を設け、該苗挟持部の少なくとも左右一方側の挟持部材を他方の挟持部材に毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成したことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】苗収容部移動方向上手側の挟持部材を、苗収容部移動方向下手側の挟持部材に毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成し、苗収容部移動方向下手側の挟持部材における移動方向上手側部分を、苗挟持作業時に触れる作業者の指によって苗収容部移動方向下手側に弾性変形可能な弾性部材Eで構成したことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】苗収容部移動方向上手側部分を苗挟持作業時に触れる作業者の指によって苗収容部移動方向下手側に弾性変形可能な弾性部材Eで構成した苗収容部移動方向上手側の挟持部材の移動方向上手側表面を円滑な素材で覆ったことを特徴とする請求項2記載の苗移植機。
【請求項4】前記苗挟持部の左右一方側の挟持部材を他方の挟持部材に毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成し、他方側の挟持部材を苗挟持時に弾性変形しない部材で構成したことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項5】苗収容部移動方向下手側の挟持部材を他方の挟持部材に毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成し、苗収容部移動方向上手側の挟持部材を苗挟持時に弾性変形しない部材で構成したことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、甘しょ苗等のつる苗を圃場に植付ける苗移植機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平4−36107号公報、特開平4−36108号公報、特開平4−58809号に示されるように、機体を自走させる走行部と、つる苗を前後方向に向く姿勢で一つづつ収容する苗収容部を複数設けて該苗収容部を複数の前後方向の軸周りに一列で周回動させて苗を搬送する苗搬送部と、該苗搬送部によって搬送されてきたつる苗をとって圃場に植付ける苗植付け体とを備えた甘しょ苗移植機がある。このような苗移植機では、苗植付け体が苗搬送部の苗収容体から確実につる苗をとって植付けるために、つる苗の基部側部分を左右一対の弾性部材Eで構成した挟持部材で弾性的に挟持する構成とした苗挟持部を苗収容部に設けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成された従来の苗移植機では、苗挟持部を、具体的には、左右対称形状の板バネ或はゴムなどの一対の弾性部材Eで構成し左右の挟持部材を、互いに接する状態で、或は、つる苗の基部の茎径より若干狭い間隔をあけた状態で配置して設けていた。このため、苗挟持作業時に作業者は、苗挟持部に挟持させる個所の前後部分を左右の手で掴んで苗を苗挟持部に挟持させるという動作となり、従って、苗を一本一本、両手を使って苗挟持部に挟持させるため、迅速に苗挟持作業が行い難く、これが作業能率向上の妨げとなっていた。そこで、本発明は、片手でも苗挟持部への苗挟持作業が容易に且つ確実に行えるようにして作業能率向上を図ることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、以下のような構成のものとした。請求項1記載の発明は、機体を自走させる走行部と、つる苗を前後方向に向く姿勢で一つづつ収容する苗収容部を複数設けて該苗収容部を複数の前後方向の軸周りに一列で周回動させて苗を搬送する苗搬送部と、該苗搬送部によって搬送されてきたつる苗をとって圃場に植付ける苗植付け体とを備えた苗移植機において、前記苗収容部につる苗の基部側部分を挟持する挟持部材を左右に備える苗挟持部を設け、該苗挟持部の少なくとも左右一方側の挟持部材を他方の挟持部材に毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成したことを特徴とする苗移植機とした。
【0005】請求項2記載の発明は、苗収容部移動方向上手側の挟持部材を、苗収容部移動方向下手側の挟持部材に毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成し、苗収容部移動方向下手側の挟持部材における移動方向上手側部分を、苗挟持作業時に触れる作業者の指によって苗収容部移動方向下手側に弾性変形可能な弾性部材Eで構成したことを特徴とする請求項1記載の苗移植機とした。
【0006】請求項3記載の発明は、苗収容部移動方向上手側部分を苗挟持作業時に触れる作業者の指によって苗収容部移動方向下手側に弾性変形可能な弾性部材Eで構成した苗収容部移動方向上手側の挟持部材の移動方向上手側表面を円滑な素材で覆ったことを特徴とする請求項2記載の苗移植機とした。
【0007】請求項4記載の発明は、前記苗挟持部の左右一方側の挟持部材を前記ブラシ体Bで構成し、他方側の挟持部材を苗挟持時に弾性変形しない部材で構成したことを特徴とする請求項1記載の苗移植機とした。請求項5記載の発明は、苗収容部移動方向下手側の挟持部材を他方の挟持部材に毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成し、苗収容部移動方向上手側の挟持部材を苗挟持時に弾性変形しない部材で構成したことを特徴とする請求項1記載の苗移植機とした。
【0008】
【作用及び発明の効果】請求項1記載の発明では、走行部により機体は自走し、苗を搬送する苗搬送部は複数の苗収容部が複数の前後方向の軸周りに一列で周回動し、この苗収容部には、作業者が、つる苗を一つづつ前後方向に向く姿勢とし、そして、つる苗の基部側部分を苗挟持部の左右の挟持部材の間に挿入し挟持させる。このようにして苗収容部に収容されてつる苗は確実に搬送されるものとなり、更に、苗植付け体が確実に苗の基部とって圃場に植付けていくものとなる。また、作業者が片手でつる苗を持って苗挟持部につる苗を挟持させる場合、苗挟持部に挟持させる基部側部分の上に指を添え、その添えた指を左右の挟持部材の間に入り込ませながら苗の基部側部分を左右の挟持部材間に押し込んで挟持させることになるが、このとき、苗挟持部の少なくとも左右一方側の挟持部材が他方の挟持部材に毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成されていることにより、指を左右の挟持部材間に容易に入り込ませられ、しかも、この際に挟持部材から受ける指への負荷も軽いものとなる。更に、苗挟持部に挟持される苗の基部側部分は、ブラシ体Bの毛先部分を上下に分け入って挟まれるので、苗の基部側部分は左右に挟まれるだけでなくブラシ体Bの毛先部分によって上下にも挟まれた状態になり、よって、苗挟持部からの苗の脱落も生じにくい。従って、請求項1記載の発明により、苗挟持部への苗挟持作業が片手で軽く容易に且つ確実に行えて、作業能率の向上が図れる。
【0009】請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において更に、苗挟持部に苗を挟持させるとき苗収容部が移動して指が苗収容部移動方向下手側の挟持部材に当ることがあっても、指が当る苗収容部移動方向下手側の挟持部材における移動方向上手側部分が弾性部材Eで構成されて苗収容部移動方向下手側に弾性変形するので、指に大きな負荷がかかりにくいものとなって、苗挟持部への苗挟持作業が更に容易に且つ迅速に行えて、作業能率の更なる向上が図れる。
【0010】請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の発明において更に、苗挟持部に苗を挟持させるとき、苗収容部移動方向下手側の挟持部材における移動方向上手側部分の表面に指を当てながら下方に移動させると苗収容部の移動中でも苗挟持部への苗の挟持が容易に行えるが、このとき苗収容部移動方向下手側に弾性変形可能な弾性部材Eで構成した苗収容部移動方向上手側の挟持部材の移動方向上手側表面が円滑な素材で覆われているため、指を下方に容易に滑らせて移動でき、苗挟持部への苗挟持作業が更に一層迅速且つ容易に行え、作業能率の更に一層の向上が図れる。
【0011】請求項4記載の発明では、上記請求項1記載の発明において更に、左右の挟持部材の両側とも前記ブラシ体Bで構成した場合に、苗の基部側部分がブラシ体Bの毛先部分を上下に分け入って挟まれるのが左右のどちらか側に偏って挟まれる状態となることがあって、このため、苗の挟持位置が左右に大きくずれる場合が生じるが、左右一方側の挟持部材を前記ブラシ体Bで構成し、他方側の挟持部材を苗挟持時に弾性変形しない部材で構成することで、苗の挟持位置の左右のずれを小さく抑えることができて、移植具の苗とりがより確実に行われ苗の圃場への植え付けが適確に継続でき、よって、この点からも作業能率の向上が図れる。
【0012】請求項5記載の発明では、上記請求項1記載の発明において更に、苗収容部移動方向下手側の挟持部材を他方の挟持部材に毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成し、苗収容部移動方向上手側の挟持部材を苗挟持時に弾性変形しない部材で構成したので、苗の挟持位置の左右のずれを小さく抑えることができ、移植具の苗とりがより確実に行われ苗の圃場への植え付けが良好に行え、しかも、そのように構成したものでありながら苗収容部移動中の苗挟持作業時にかかる指への負荷も軽減できて、苗挟持部への苗挟持作業が容易に且つ確実に行えて、これによっても作業能率の向上が図れる。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態として、つる苗の一例である甘しょ苗Nを圃場に移植する苗移植機を以下に説明する。尚、以下の図示例についての説明で前又は後というときは、操縦ハンドル2を配置した側を後とし、その前後反対側を前としていう。そして、右又は左というときは、機体の後部において機体前部に向って立つ作業者から見て右手側を右とし、左手側が左としていう。
【0014】ここで説明する苗移植機は、機体を自走させる走行部1と操縦ハンドル2を備えた機体に、甘しょ苗Nを搬送する苗搬送部3と、該苗搬送部3によって搬送されてきた苗Nを圃場に植付ける苗植付け体4とを備えた苗移植機である。なお、本発明を実施するに、操縦ハンドル2が機体後部に設けられて機体操縦及び苗供給等の作業を行う作業者が機体の自走と共に地面を歩行するタイプの歩行型構成であっても、操縦者及び作業者が乗車するタイプの乗用型構成であっても良い。
【0015】走行部1は、図示例では、エンジン5と、該エンジン5の動力が伝達されて駆動回転する左右一対の後輪6,6と、該車輪6,6の前方に転動自在に支持した左右一対の前輪7,7とを備えたものとしている。上記エンジン5の後部には、ミッションケース8を配置し、そのミッションケース8は、その左側部からエンジン5の左側方に延びるケース部分を有し、これがエンジン5の左側部と連結している。このケース部分にエンジン5の出力軸が入り込んでミッションケース8内の伝動機構に動力が伝達する構成となっている。ミッションケース8の左右両側部に伝動ケース9,9を回動自在に取り付け、この伝動ケース9,9の回動中心にミッションケース8から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸の先端が入り込んで伝動ケース9,9内の伝動機構に走行用の動力を伝達している。そして、走行用の動力は伝動ケース9,9内の伝動機構を介して、機体後方側に延びてその後端側側方に突出する車軸10,10に伝動し、後輪6,6が駆動回転するようになっている。
【0016】また、伝動ケース9,9のミッションケース8への取付部には、上方に延びるアーム11,11を一体的に取り付けていて、これがミッションケース8に固定された昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド先端に上下軸心周りに回動自在に取り付けた天秤杆13の左右両側部と連結している。その連結部の右側はロッド14で連結し、左側は伸縮作動可能な左右水平制御用油圧シリンダ15で連結している。
【0017】昇降用油圧シリンダ12が作動してそのピストンロッドが機体後方に突出すると、左右の前記アーム11,11は後方に回動し、これに伴い伝動ケース9,9が下方に回動して、機体が上昇する。反対に、昇降用油圧シリンダ12のピストンロッドが機体前方に引っ込むと、左右の前記アーム11,11は前方に回動し、これに伴い伝動ケース9,9が上方に回動して、機体が下降する。この昇降用油圧シリンダ12は、機体に対する畝上面高さを検出するセンサーSの検出結果に基づいて機体を畝上面高さに対して設定高さになるよう作動するよう構成しており、また、操縦ハンドル2近傍に配置した操作具の人為操作によって機体を上昇或は下降させるよう作動する構成ともしている。
【0018】また、前記左右水平制御用油圧シリンダ15が伸縮作動すると、前記天秤杆13が、その左右中央部の昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド先端と連結する上下軸心周りに回動して左右の伝動ケース9,9を互い違いに上下動させ機体を左右に傾斜させる。この左右水平制御用油圧シリンダ15は、左右水平に対する機体の左右傾斜を検出するセンサの検出結果に基づいて機体を左右水平になるように作動するよう構成している。
【0019】前記左右前輪7,7は、エンジン5下方の左右中央位置で前後方向の軸心周りに回動自在に取り付けた前輪支持フレーム16の左右両側部の下方に延びるアーム部分の下端部側方に固定した車軸17,17に回転自在に取り付けている。従って、左右前輪7,7は、機体の左右中央の前後方向の軸心周りにローリング動自在となっている。
【0020】前記操縦ハンドル2は、ミッションケース8に前端部を固定したハンドルフレーム2bの後端部に取り付けている。ハンドルフレーム2bは、機体の左右中央から右側に偏った位置に配置されて後方に延び、また、前後中間部から斜め後上方に延びている。操縦ハンドル2は、ハンドルフレーム2bの後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル2のグリップ部2a,2aとしている。操縦ハンドル2の左右のグリップ部2a,2aは、作業者がそのグリップ部2a,2aを楽に手で握れるように適宜高さに設定する。なお、図例ではグリップ部2a,2aを左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル2の左右の後端部を互いに左右に連結してその連結部分をグリップ部としても良い。
【0021】尚、上記走行部1は、四輪構成としたものであるが、左右一対の駆動輪のみの2輪構成でもよいし、前輪の替わりに畝上面を転動する鎮圧輪としてもよい。また、クローラー式の走行部としてもよい。次に、苗植付け体4及び苗搬送部3について説明する。
【0022】苗植付け体4は、その苗植付け作用部4aを昇降動させる駆動部と連結し、該苗植付け体4の苗植付け作用部4aが、苗搬送部3により搬送されてきた苗をとって苗を圃場に植付ける構成としたものである。苗植付け体4を駆動する駆動部は、ミッションケース8内から苗植付け具駆動用の動力を受けて伝動する伝動機構を内装する植付け伝動ケース18に設けている。図例のように植付け伝動ケース18は、その前部がミッションケース8の後部に連結しそこから後斜め上方に延びる第一ケース部18aと、この第一ケース部18aの上部左側部に固定され左側方に延びる第二ケース部18bと、その第二ケース部18bの左端部に固定され後斜め下方に延びる第三ケース部18cと、その第三ケース部18cの下端部外側部に固定され左側方に延びる第四ケース部18dと、その第四ケース部18dの左端部に固定され後方水平状に延びる第五ケース部18eを有するものとしている。これら第一ケース部18aから第五ケース部18e内に苗植付け体4を駆動するための動力を伝達する伝動機構を内装している。なお、第一ケース部18a内に内装した伝動機構には、苗植付け体4をその昇降動最上位の位置で或はその近傍位置で設定時間停止させる間欠駆動機構と、苗植付け体4及び苗搬送部3を作動停止させるクラッチ機構とを備える。間欠駆動機構によって停止する時間は、該間欠駆動機構が備える変速機構によって調節され、この調節によって苗植付け体4による苗植付株間が変更調節されるようになっている。
【0023】そして、苗植付け体4は、その駆動部としての駆動回転する駆動アーム19と連結して駆動される。駆動アーム19は、前記第五ケース部18cの後部右側部から突出し駆動回転する駆動軸20に固定されている。そして、駆動アーム19の先端部に苗植付け体4の支持リンク21の上端部を回転自在に連結し、その支持リンク21の下端部に揺動リンク22の前端部を回転自在に連結している。揺動リンク22の後端部は、第五ケース部18cに前部が固定された支持フレーム23の後端部とハンドルフレーム2bに固定した支持ブラケット24とで両端部を支持された支持軸25で回転自在に支持している。
【0024】また、支持リンク21の側方に、板状に形成した苗植付け作用部4a,4aを下端部に備える左右一対の苗植付けアーム4b,4bを装着している。この左右の苗植付けアーム4b,4bの上部側は、互いに左右に交差し、その交差部で回動軸4cにより互いに回動自在に連結している。そして、左右の苗植付けアーム4b,4bの回動軸4cから上側部分と下側部分とを、支持リンク21の側方上部側部分に設けた支持ピンと、支持リンク21と揺動リンク22とが回動自在に連結する連結軸とに左右軸心方向に移動自在に連結している。更に、駆動アーム19の先端部側方に円盤状のカム体4dを駆動アーム19と一体動作するよう取り付け、該カム体4dの左右両側面外周側に凹凸を円形状に形成して構成したカム部を、左右の苗植付けアーム4b,4bの各上端部間に入り込むように設けている。また、左右の苗植付けアーム4b,4bの各上端部が互いに接近する方向に動作するよう付勢するスプリング等の弾性部材4eを左右の苗植付けアーム4b,4b間に設け、左右の苗植付けアーム4b,4bの上端部が常時カム体4dのカム部を左右両側から弾性的に挟み込むようになっている。
【0025】従って、苗植付け体4は、駆動アーム19の駆動回転により、苗植付け作用部4a,4aの先端部(下端部)が設定した軌跡Tを描くように動作し、また、カム体4dにより、苗植付け作用部4a,4aが設定したタイミングで開閉する。具体的には、駆動アーム19が駆動回転すると、該駆動アーム19と、その先端部に連結する支持リンク21と、その下端部に回動自在に連結する揺動リンク22からなるリンク機構が動作して、支持リンク21の側方に支持された左右の苗植付けアーム4b,4bが動作し、その下端部に備えた左右の苗植付け作用部4a,4aの先端部(下端部)が、図中に示すような軌跡Tを描いて運動することになる。なお、図3に示す軌跡Tは、機体に対して苗植付け作用部4a,4aの先端部(下端部)が描く運動軌跡であり、軌跡T’は、設定した作業時走行速度で機体が前進走行したとき圃場に対して苗植付け作用部4a,4aの先端部が描く運動軌跡である。
【0026】また、カム体4dのカム作用により左右の苗植付けアーム4b,4bの上端部が接近離間動作し、これにより、左右の苗植付けアーム4b,4bは回動軸4c回りに回動して、左右の苗植付けアーム4b,4bの各先端部に板状に形成した苗植付け作用部4a,4aが開閉動作する。この開閉動作のタイミングは、カム体4dのカム部の形状及び位相によって、苗植付け作用部4a,4aが苗搬送部3により搬送されてきた甘しょ苗Nの基部側部分kを挟んでとるときに、左右の苗植付け作用部4a,4aが互いに接近するように閉じ動作し、そして、左右の苗植付け作用部4a,4aは、その閉じ状態のままで圃場の土中に移動し、更に、苗植付け作用部4a,4aが土中設定個所まで移動すると、左右の苗植付け作用部4a,4aが互いに離間するよう開き動作するように設定している。
【0027】なお、本件発明においては、苗植付け作用部4a,4aが左右に開閉動作して苗Nを挟持し圃場に植え付ける構成としたが、支持リンク21の下端に開閉動作しない板状の苗植付け作用部を一体的に設けて、その苗植付け作用部を甘しょ苗Nの基部側部分kの上から当てて圃場の土中に押し込んでいって植え付けて行く構成とすることもできる。
【0028】苗搬送部3は、甘しょ苗Nを基部側部分kが前後方向に向く姿勢で一つづつ収容する苗収容部26を複数設けて該苗収容部を複数の前後方向の軸周りに一列で周回動させて苗を搬送する構成のものである。また、この実施例において、苗搬送部3は、苗収容部26を機体上部側で左右一方向に搬送する上部横搬送部3aと、該上部搬送部3aにより搬送されてきた苗収容部26を機体下方に搬送する下降搬送部3bと、該下降搬送部3bにより搬送されてきた苗収容部26を機体上方に搬送し前記上部横搬送部3aの搬送始端側に戻す上昇搬送部3cとを備えている。また、本実施例では、苗搬送部3が後輪6,6よりも後側に位置し、上部横搬送部3aが機体の左右側方に張り出すように設けているので、作業者が機体の進行と共に歩きながら苗Nを苗収容部26に供給する作業を行う作業位置WPは、上部横搬送部3aの張り出し側の機体側方位置であって上部横搬送部3a及び車輪6,7の後方位置となる。更に、本例では、上部横搬送部3aが機体の左右一側方(図例では左側方)に張り出し、ハンドル2をその左右反対側(図例では右側方)に偏らせて配置しているので、上記作業位置WPは、図2に示すように、上部横搬送部3aの後方近傍に位置するように構成でき、苗供給作業が容易に行えるものとなる。
【0029】苗収容部26は、前後に長い樋状の形態で、上部横搬送部3aで苗Nを載せる受け面となる受け板部26aと、隣接する苗収容部26,26とを仕切る面となる側板部26b,26bとを備え、上部横搬送部3aで上方に開放部を有する形態となっている。また、前後にも開放された形状であるが、後部側には、苗収容部26に甘しょ苗Nの基部側部分kを挟持する挟持部材27a・27aを左右に備える苗挟持部27を設けている。
【0030】そして、この苗収容部26・・・をチェン28,28に複数並べて取り付け、そのチェン28,28を、機体上部側の左右に各前後一対づつ設けたスプロケット29,29;30,30と、機体下部側の左右に各前後一対づつ設けたスプロケット31,31;32,32とに巻きかけている。機体上部側の左右のスプロケット29,29;30,30は、植付け伝動ケース18の第一ケース部18aの後部に固定された支持パイプ33に固着した支持部材34,35で支持した軸36,37に取り付けている。機体下部側の左右のスプロケット31,31;32,32は、植付け伝動ケース18の第五ケース部18cに前部を固定した支持フレーム23に固着した支持プレート38で支持した軸39,40に取り付けている。そして、上部右側のスプロケット29,29が駆動されて苗収容部26が設定移動方向Cに移動するよう苗搬送部3が駆動する構成となっている。そして、苗搬送部3の駆動部41は、苗植付け体4に連結して動作する部材22と一体に上下揺動する連動リンク42の先端部と連動ロッド43を介して連動連結している。また、苗植付け体4の苗植付け作用部4aが下降するときは苗収容部26が停止し苗植付け体4の苗植付け作用部4aが上昇するときは苗収容部26が移動するよう苗搬送部3が間欠駆動するように設けている。
【0031】苗搬送部3の駆動部41の具体的な構造は、例えば、図5に示すようなものとしている。まず、支持パイプ33の後端部に固着したブラケット44に支持した軸45を上部右側のスプロケット29,29を一体回転するよう取り付けている軸36の後部と軸継手を介して連結し、この軸45に一体回転するよう取り付けた突起46a付きの従動ディスク46を取付ける。そして、この従動ディスク46の後側に駆動アーム47を軸45に回転自在に取付け、この駆動アーム47の先端部に前記連結ロッド43の上端部を回動自在に取付ける。また、駆動アーム47には、従動ディスク46の突起46aに係合する爪48を取り付けていて、この爪48は、駆動アーム47が苗搬送部3の設定移動方向Cに作動させるようにスプロケット29,29を駆動回転させる方向に回動するとき(図5では駆動アーム47が上動するとき)には、従動ディスク46の突起46aに係合固定されて従動ディスク46を一体回転させる。反対方向に回動するとき(図5では駆動アーム47が下動するとき)には、従動ディスク46の突起46aに係合しても逃げて従動ディスク46を一体回転させないというように、ラチット機構を構成している。そして、従動ディスク46を時計回り及び反時計回りの回り止めとして従動ディスク46の突起46aに係合する二つの爪49a,49bを設けている。なお、従動ディスク46を一体的に回転するように駆動アーム47が回動すると、前記ラチェット機構を構成する駆動アーム47の爪48が従動ディスク46の突起46aに係合するのに先行して、駆動アーム47と一体に設けた回り止め解除カム50が、従動ディスク46の一体回動を阻止するように回り止め作用をする爪49aの先端部を従動ディスク46の突起46aと係合しない位置に移動させるようになっている。そして、駆動アーム47がそのストローク上限位置まで回動して従動ディスク46が設定角度(図5では90度)回動されると、回り止め解除カム50が前記回り止め用の爪49aから外れて、該回り止め用の爪49aは再び、従動ディスク46の突起46aと係合して従動ディスク46の回転が固定される。
【0032】以上のように、この発明の一実施態様である苗移植機は、機体を自走させる走行部1と、つる苗Nを前後方向に向く姿勢で一つづつ収容する苗収容部26を複数設けて該苗収容部26を複数の前後方向の軸36,37,39,40周りに一列で周回動させて苗Nを搬送する苗搬送部3と、該苗搬送部3によって搬送されてきたつる苗Nをとって圃場に植付ける苗植付け体4とを備えた苗移植機において、前記苗収容部26につる苗Nの基部側部分kを挟持する挟持部材27a,27aを左右に備える苗挟持部27を設けたものである。よって、この苗移植機は、走行部1により機体は自走し、苗Nを搬送する苗搬送部3は複数の苗収容部26が複数の前後方向の軸36,37,39,40周りに一列で周回動し、この苗収容部26には、作業者が、つる苗Nを一つづつ前後方向に向く姿勢とし、そして、つる苗Nの基部側部分kを苗挟持部27の左右の挟持部材27a,27aの間に挿入し挟持させる。このようにして苗収容部26に収容されてつる苗Nは確実に搬送されるものとなり、更に、苗植付け体4が確実に苗Nの基部をとって圃場に植付けていくものとなる。
【0033】更に、この苗移植機では、上記苗挟持部27を、以下のように構成するものである。
(1)まず、苗挟持部27の少なくとも左右一方側の挟持部材27aを他方の挟持部材27aに毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成する。ブラシ体Bは、左右の挟持部材27a,27aの左右一方側のみにおいて構成しても良いし、左右両方側において構成しても良い。なお、このブラシ体Bは、植物性繊維、獣毛、或は合成樹脂等の化学化合物又はゴムによる細い繊維状体などを用いた毛b1を、適宜材質の板状等のベース部材b2に植立させたものである。ブラシ体Bの毛b1は、ブラシ体Bの毛先部分に苗Nを押し込むときに適宜弾力的に屈曲し、且つ、このとき毛先に苗Nが接触しても苗Nに大きな損傷を与えないような弾力であり、また、苗Nの基部側部分kがブラシ体Bの毛先部分を上下に分け入るようにして挟んだときに苗が容易に脱落しにくいような弾力を有するよう適宜選択する。
【0034】上記のように苗挟持部27を構成すると、作業者が片手でつる苗Nを持って苗挟持部27につる苗Nを挟持させる場合、苗挟持部27に挟持させる基部側部分kの上に指を添え、その添えた指を左右の挟持部材27a,27aの間に入り込ませながら苗の基部側部分を左右の挟持部材27a,27a間に押し込んで挟持させることになるが、このとき、苗挟持部27の少なくとも左右一方側の挟持部材27aが他方の挟持部材27a,27aに毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成されていることにより、指を左右の挟持部材27a,27a間に容易に入り込ませられ、しかも、この際に挟持部材27a,27aから受ける指への負荷も軽いものとなる。更に、苗挟持部27に挟持される苗Nの基部側部分kは、ブラシ体Bの毛先部分を上下に分け入って挟まれるので、苗Nの基部側部分kは左右に挟まれるだけでなくブラシ体Bの毛先部分によって上下にも挟まれた状態になり、よって、苗挟持部27からの苗Nの脱落も生じにくい。従って、これにより、苗挟持部27への苗挟持作業が片手で軽く容易に且つ確実に行えて、作業能率の向上が図れる。
【0035】なお、ブラシ体Bの毛b1の長さを、通常の指の左右幅よりも大きくなるように設定すると、指を左右の挟持部材27a,27a間に容易に入り込ませられて、苗挟持作業が片手で容易に行える。また、ブラシ体Bの毛先が他方側の挟持部材27aに接するように或は数mm程度の間隔で接近するように設けることで、左右の挟持部材27a,27a間に苗Nを容易に押し込められ、且つ、押し込んだあとの苗Nの脱落も生じにくい。また、左右両側の挟持部材27a,27aを互いに毛先が向きあう姿勢のブラシ体B,Bで構成した場合は、左右のブラシ体B,Bのベース部材b2,b2の間隔W1を、通常の指fの左右幅W2よりも大きくなるように設定すると、指fを左右の挟持部材27a,27a間に容易に入り込ませられて、苗挟持作業が片手で容易に行える。
【0036】また、苗挟持部27の左右の挟持部材27a,27aは、苗収容部26の後部に設けた取付部26cに着脱可能に取り付ける構成としている。図6〜15に記載した例の苗挟持部27は、左右両側の挟持部材27a,27aを互いに毛先が向きあう姿勢のブラシ体B,Bで構成したものである。このうち、図6〜10に記載した例は、左右のブラシ体Bの毛先部分が接近或は接触している個所、即ち、苗挟持個所について、その前後幅を上下幅より長く、上下幅を前後幅より短く構成したものである。この例は、苗挟持個所の前後幅が長いので、左右両側の挟持部材27a,27aで挟持される苗Nの基部側部分kが長くなって苗挟持部27から後方に突出する苗Nの基部側部分kの姿勢が左右に傾きにくく、よって、苗植付け体4がより適確に苗Nの後端部をとって圃場に植え付けることができる。しかも、苗挟持個所の上下幅が短いので、苗Nの基部側部分kを苗挟持個所の下側まで迅速且つ容易に押し込むことができ、よって、苗挟持作業の能率向上に利点がある。図6は、上例の苗挟持部27の斜視図、図7、図8はその側面図と背面図、図9は上例の苗挟持部27が苗Nの基部側部分kを挟持した状態を示す背面図である。
【0037】また、図10は、苗挟持作業時に作業者が行う作業動作を示している。この作業動作は、作業者が片手でつる苗Nを持って苗挟持部27につる苗Nを挟持させる場合であって、苗挟持部27に挟持させる基部側部分kの上に指を添え、その添えた指を左右の挟持部材27a,27aの間に入り込ませながら苗Nの基部側部分kを左右の挟持部材27a,27a間に押し込んで挟持させるという作業動作である。なお、図10では、苗挟持部27が図6に示した例の構成となっているが、他の図で示した例の構成であっても同様な作業動作となる。
【0038】図11に記載した例は、左右の挟持部材27a,27aによる苗挟持個所について、その前後幅を短く(好ましくは、通常の指の長さよりも短く、更に、好ましくは、指先から第一間接付近までの長さと同等、或は、それよりも短く)、上下幅を長く(好ましくは、通常の指の上下幅より長く)構成したものである。この例は、苗挟持個所の前後幅が短いので、苗Nの基部側部分kを苗挟持個所の下端まで押し込むのが容易に行え、且つ、苗挟持個所の上下幅が長いので、苗挟持個所の下端まで苗Nの基部側部分kを押し込んだ後、指を抜くときに指が苗の節部などに引っかかって苗が連れ上がろうとしても苗が抜け出ることが少なくなり、よって、苗挟持作業の能率向上に利点がある。
【0039】図12に記載した例は、図6に記載した例の構成に加え、更に、苗挟持個所の前後中間部に左右の挟持部材27a,27a間の間隔が広い空隙部b3を設けた構成のものであり、図13に記載した例は、左右の挟持部材27a,27aを間隔b4をあけて前後に2組設けた構成としたものである。苗挟持作業時に、作業者は上記空隙部b3或は間隔b4部に指先を入れながら苗Nの基部側部分kを苗挟持個所の下端まで押し込めるので、苗Nを苗挟持部27の適確な位置に容易に挟持させられ、よって、苗挟持作業の能率向上に利点がある。なお、図12の記載例は、左右の挟持部材27a,27aをブラシ体B,Bで構成した例であるが、左右の挟持部材27a,27aをスポンジ等の弾性部材で構成した場合にも、上記構成は効果がある。なお、左右の挟持部材27a,27aをブラシ体B,Bで構成したものを、前後に2組設けた場合にあって、苗Nの後端部側を挟持する後側の左右の挟持部材27a,27aのブラシ体B,Bの毛の硬さを比較的硬めにし、その前側の左右の挟持部材27a,27aのブラシ体B,Bの毛の硬さを比較的軟らかめにすると、苗Nの基部側部分kが前後に間隔をおいて挟持されて苗Nの後端部が左右にずれず、苗Nを適確に植付けられるものとなり、しかも、苗挟持作業時に、先に前側の挟持部材27a,27a間に指を押し込み、続いて、後側の挟持部材27a,27a間に指を押し込んで苗を前後の各挟持部材27a,27a;27a,27a間に挟持させる際に指を入れやすくなって、苗挟持作業の能率向上に利点がある。また、図14に記載した例のように、前側の左右の挟持部材27a,27aの苗挟持個所の左右間隔W3を広く(苗の基部側部分kの直径程度)、後側の左右の挟持部材27a,27aの苗挟持個所の左右間隔W4を狭く(苗の基部側部分kの直径よりも狭く)設けると、上例の様に、苗Nの基部側部分kが前後に間隔をおいて挟持されて苗Nの後端部が左右にずれず、苗Nを適確に植付けられるものとなり、しかも、苗を前後の各挟持部材27a,27a;27a,27a間に挟持させる際に指を入れやすくなって、苗挟持作業の能率向上に利点がある。なお、この構成は、図14に記載の例のように、前後の各挟持部材をブラシBで構成した例に限定されるものではなく、他の弾性部材で構成しても同様の効果を奏する。図15に記載した例のように、前側の左右の挟持部材27a,27aの毛先方向が後側に傾斜する方向となるよう設け、後側の左右の挟持部材27a,27aの毛先方向は、前後に傾斜せず左右方向となるように設けると、上例の様に、苗Nの基部側部分kが前後に間隔をおいて挟持されて苗Nの後端部が左右にずれず、苗Nを適確に植付けられるものとなり、しかも、苗を前後の各挟持部材27a,27a;27a,27a間に挟持させる際に指を入れやすくなって、苗挟持作業の能率向上に利点がある。
(2)上記(1)の構成にあって、更に、苗収容部移動方向D上手側の挟持部材27aを、苗収容部移動方向D下手側の挟持部材27aに毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成し、苗収容部移動方向D下手側の挟持部材27aにおける移動方向D上手側部分を、苗挟持作業時に触れる作業者の指によって苗収容部移動方向D下手側に弾性変形可能な弾性部材Eで構成する。当該弾性部材Eは、例えば、ウレタンやスポンジなどの化学合成物等による軟らかい(天然ゴムよりも軟らかい)弾性部材が望ましい。図16〜図18に、当該構成の図示例を示す。
【0040】上記のように苗挟持部27を構成すると、上記(1)の構成としたものにあって更に、苗挟持部27に苗Nを挟持させるとき苗収容部26が移動して指が苗収容部移動方向D下手側の挟持部材27aに当ることがあっても、指が当る苗収容部移動方向D下手側の挟持部材27aにおける移動方向D上手側部分が弾性部材Eで構成されて苗収容部移動方向D下手側に弾性変形するので、指に大きな負荷がかかりにくいものとなって、苗挟持部27への苗挟持作業が更に容易に且つ迅速に行えて、作業能率の更なる向上が図れる。
【0041】なお、図16〜18に示した例では、苗収容部移動方向D下手側の挟持部材27aが苗収容部移動方向D上手側の挟持部材27aより上方に高く突出していて、当該突出部27bは、苗挟持部27に苗Nを挟持させるとき、作業者は片手で持って苗Nの基部側部分k上に指を添え、その指を当該突出部27bの苗収容部移動方向D上手側から下手がわに移動させて当該突出部27bの苗収容部移動方向D上手側面に指を当て、そしてそのまま下方に移動させることで、左右の挟持部材27a,27a間の苗挟持個所に指を移動させて苗Nを押し込んでいくことができ、従って、当該突出部27bは、苗挟持作業時のガイド部として機能し、これにより、作業能率の更なる向上が図れる。なお、このガイド部としての機能は、左右の挟持部材27a,27aの具体構成が、ブラシ体や弾性体で構成されることに限定されない。
(3)上記(2)の構成にあって、更に、苗収容部移動方向D上手側部分を苗挟持作業時に触れる作業者の指によって苗収容部移動方向D下手側に弾性変形可能な弾性部材Eで構成した苗収容部移動方向D上手側の挟持部材27aの移動方向D上手側表面を円滑な素材Cで覆う。例えば、ビニール等の合成樹脂系のシートで構成した円滑な素材Cで苗収容部移動方向D上手側の挟持部材27aの移動方向D上手側表面に貼り付け或は包んで覆う。また、合成樹脂系の溶剤を苗収容部移動方向D上手側の挟持部材27aの移動方向D上手側表面に付着乾燥させてコーティングする。図19に、当該構成の図示例を示す。
【0042】上記のように苗挟持部27を構成すると、上記(2)の構成としたものにあって更に、苗挟持部27に苗Nを挟持させるとき、苗収容部移動方向D下手側の挟持部材27aにおける移動方向D上手側部分の表面に指を当てながら下方に移動させると苗収容部26の移動中でも苗挟持部27への苗Nの挟持が容易に行えるが、このとき苗収容部移動方向D下手側に弾性変形可能な弾性部材Eで構成した苗収容部移動方向D上手側の挟持部材27aの移動方向D上手側表面が円滑な素材Cで覆われているため、指を下方に容易に滑らせて移動でき、苗挟持部27への苗挟持作業が更に一層迅速且つ容易に行え、作業能率の更に一層の向上が図れる。
(4)上記(1)の構成にあって、更に、前記苗挟持部27の左右一方側の挟持部材27aを前記ブラシ体Bで構成し、他方側の挟持部材27aを苗挟持時に弾性変形しない部材Hで構成する。苗挟持時に弾性変形しない部材としては、プラスチックや金属等を選択することができる。図20に、当該構成の図示例を示す。
【0043】上記のように苗挟持部27を構成すると、上記(1)の構成としたものにあって更に、左右の挟持部材27a,27aの両側とも前記ブラシ体Bで構成した場合に、苗Nの基部側部分kがブラシ体Bの毛先部分を上下に分け入って挟まれるのが左右のどちらか側に偏って挟まれる状態となることがあって、このため、苗Nの挟持位置が左右に大きくずれる場合が生じるが、左右一方側の挟持部材27aを前記ブラシ体Bで構成し、他方側の挟持部材27aを苗挟持時に弾性変形しない部材で構成することで、苗Nの挟持位置の左右のずれを小さく抑えることができて、苗植付け体4が確実に苗をとっていけるようになって苗Nの圃場への植え付けが適確に継続でき、よって、この点からも作業能率の向上が図れる。
【0044】なお、この図示例では、苗収容部移動方向D下手側の挟持部材27aが苗収容部移動方向D上手側の挟持部材27aより上方に高く突出していて、この突出部27bの苗収容部移動方向D上手側部を、ウレタンやスポンジなどの化学合成物等による軟らかい(天然ゴムよりも軟らかい)弾性部材で構成している。従って、当該突出部27bを、前記のように苗挟持作業時のガイド部として機能させて用いるとき、苗収容部26の移動によって指に大きな負担がかかるのを軽減できるものとなる。
(5)上記(1)の構成にあって、更に、苗収容部移動方向D下手側の挟持部材27aを他方の挟持部材27aに毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成し、苗収容部移動方向D上手側の挟持部材27aを苗挟持時に弾性変形しない部材で構成する。図21に、当該構成の図示例を示す。
【0045】上記のように苗挟持部27を構成すると、上記(1)の構成としたものにあって更に、苗収容部移動方向D下手側の挟持部材27aを他方の挟持部材27aに毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成し、苗収容部移動方向上手側の挟持部材を苗挟持時に弾性変形しない部材で構成したので、苗の挟持位置の左右のずれを小さく抑えることができ、苗植付け体4が確実に苗をとっていけるようになって苗Nの圃場への植え付けが適確に継続でき、しかも、そのように構成したものでありながら苗収容部移動中の苗挟持作業時にかかる指への負荷も軽減できて、苗挟持部27への苗挟持作業が容易に且つ確実に行えて、これによっても作業能率の向上が図れる。
【0046】なお、この図示例では、ブラシ体Bで構成した挟持部材27aの毛b1を植立させているベース部材b2と、反対側の挟持部材27aの支持部とを、連結部27cで互いに連結した形態にプラスチック等の材料にて一体形成している。そして、その左右の挟持部材27a,27aを下方で互いに連結している連結部分27cに前後に貫通する孔27dを設け、この孔27dに苗収容部26の後部に設けた取付部26cが勘合して、当該苗挟持部27が苗収容部26の後部に取り付けられる構成として、苗挟持部27の取付が容易に行えるものとしている。また、この構成で、苗挟持部27の前後の向きを反対にしても取り付けられるように構成すると、図21の取付状態から図22の取付状態に変更することもでき、この図22の取付状態とすれば、図16に示した構成と同様な効果を奏するものとなる。なお、図2の作業位置WPに位置して、右利きを作業者が苗を右手で苗挟持作業を行う場合は、上記苗挟持部27を図22の取付状態にすると、突出部27bに当てた右手の指は、苗収容部26の右側移動方向Dへの移動により右側に移動される。この移動は体の外側方向への移動なので指が体の内側方向へ移動させられるよりも、作業動作としてはやり易い。一方、左利きを作業者が苗を左手で苗挟持作業を行う場合は、上記苗挟持部27を図22の取付状態にすると、突出部27bに当てた左手の指は、苗収容部26の右側移動方向Dへの移動により右側に移動される。この移動は体の内側方向への移動なので指が体の外側方向へ移動させられるよりも、作業動作としてはやり難い。よって、左利きを作業者が苗を左手で苗挟持作業を行う場合は、上記苗挟持部27を図21の取付状態にすれば作業がやり易くなる。従って、図21のように、一方側の挟持部材27aが他方側の挟持部材27aより上方に高く突出した苗挟持部27を、苗収容部26に対し、左右の挟持部材27a,27aの左右位置が反対になるよう取付可能に構成すると、右利きを作業者が苗を右手で苗挟持作業を行う場合も、左利きを作業者が苗を左手で苗挟持作業を行う場合も、作業動作がやり易く、これにより作業能率の向上が図れる。
【0047】図23に記載した例で、図21,図22に記載されていない符号27fを付した部分は、連結部分27cに前後に貫通する孔27dに苗収容部26の後部に設けた取付部26cを勘合させた後に、ネジにて固定するときのネジ孔を示す。27eは、凹部であり、図12に記載した例の構成のように、苗挟持作業時に、作業者は当該凹部27eにより形成された空間部に指先を入れながら苗Nの基部側部分kを苗挟持個所の下端まで押し込めるので、苗Nを苗挟持部27の適確な位置に容易に挟持させられ、よって、苗挟持作業の能率向上に利点がある。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成14年3月4日(2002.3.4)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−250310(P2003−250310A)
【公開日】 平成15年9月9日(2003.9.9)
【出願番号】 特願2002−57608(P2002−57608)