トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 乗用型移植機の補助苗載せ台
【発明者】 【氏名】秦 啓二
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】平井 博
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】1本の苗台支持杆を強固に支持すると共に、該苗台支持杆の取付作業の容易化を図る。

【解決手段】補助苗載せ台36の苗台支持杆38は、基部側57aが前輪12の内方でフロントアクスルケース56上部に固定され、該基部側57aを起点として機体前方に水平に延設された第1の横ステー部57と、該第1の横ステー部57の終端側から機体外方に向け水平に延設され、中途部を機体フレーム42に固定された第2の横ステー部58と、該第2の横ステー部58の終端側から上方に向けて立設された縦ステー部59とを有している。そして、苗台支持杆38は、前記基部側57aと第2の横ステー部58の2箇所が、夫々フロントアクスルケース56と機体フレーム42の平面視機体外方部に強固に取付けられているので、前後左右への倒れが防止されると共に、取付作業の容易化が図られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の前部に立設された苗台支持杆と、該苗台支持杆に取付けられた多段の苗置き台と、を有し、前記苗置き台に多量のマット苗を載置し得る乗用型移植機の補助苗載せ台において、前記苗台支持杆は、基部側が前輪の機体内方でフロントアクスルケース上部に固定されると共に、該基部側を起点として前記前輪と干渉しないように機体前方に沿って略々水平に延設された第1の横ステー部と、該第1の横ステー部の終端側のボンネット側方から機体外方に向け略々水平に延設され、中途部を機体フレームに固定された第2の横ステー部と、該第2の横ステー部の終端側から上方に向けて略々垂直に立設された縦ステー部と、を有する、ことを特徴とする乗用型移植機の補助苗載せ台。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機等に付設される補助苗載せ台に関し、特に、走行機体の前部に立設された苗台支持杆に多段の苗置き台を取付けた乗用型移植機の補助苗載せ台に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用田植機等においては、植付装置の高性能化により苗の植付速度の向上が図られており、これに伴い、機体後部に装着された苗載せ台への苗の補給効率も高められるようになっている。すなわち、植付作業中における苗載せ台への苗の補給を行うため、機体前部又は後部には、予め多量のマット苗を載置した補助苗載せ台が設けられている。この補助苗載せ台に載置されたマット苗は、苗載せ台のマット苗が残り少なくなった際に、機体を操縦しているオペレータにより、機体を停止させた状態でセンターステップ又はサイドステップを足場として補助苗載せ台からマット苗を苗載せ台に移して補給される。
【0003】従来は、例えば図7及び図8に示すように、乗用田植機110に装着された補助苗載せ台140は、前輪112及び後輪114にて支持された走行機体116の前部左右側に夫々立設された前後2本の支柱144,146と、この支柱144,146に取付けられた苗置き台136とを有していて、これら左右側の支柱144,144間は、機体外方に横開きしたり回動したりしないように、連結部材138によって連結されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した補助苗載せ台140のように、前後2本の支柱144,146で苗置き台136を支持し、左右側の支柱146,146間を連結部材138によって連結する場合は、機体前後方向又は機体外方への倒れを防止することはできるが、例えば、苗置き台136を1本支柱により支持してボンネット側方に取付けようとすると、該1本の支柱を機体フレームにダイレクトに固定しなければならず、支持強度が弱く不安定となる。また、支持強度を強くしようとして、前記1本の支柱をミッションケースに固定しようとすると、該ミッションケースの側部には無段変速装置があるため、取付けが困難である等の課題があった。
【0005】本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、1本の苗台支持杆を機体に強固に支持すると共に、該苗台支持杆の取付作業の容易化を図り得る乗用型移植機の補助苗載せ台を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、走行機体(16)の前部に立設された苗台支持杆(38)と、該苗台支持杆(38)に取付けられた多段の苗置き台(40)と、を有し、前記苗置き台(40)に多量のマット苗を載置し得る乗用型移植機(10)の補助苗載せ台(36)において、前記苗台支持杆(38)は、基部側(57a)が前輪(12)の機体内方でフロントアクスルケース(56)上部に固定されると共に、該基部側(57a)を起点として前記前輪(12)と干渉しないように機体前方に沿って略々水平に延設された第1の横ステー部(57)と、該第1の横ステー部(57)の終端側のボンネット側方から機体外方に向け略々水平に延設され、中途部を機体フレーム(42)に固定された第2の横ステー部(58)と、該第2の横ステー部(58)の終端側から上方に向けて略々垂直に立設された縦ステー部(59)と、を有することを特徴とする。
【0007】[作用]本発明によれば、苗台支持杆(38)は、基部側(57a)が前輪(12)の機体内方で、かつフロントアクスルケース(56)の上部に固定されると共に、第1の横ステー部(57)の終端側から機体外方に向け略々水平に延設された第2の横ステー部(58)の中途部が機体フレーム(42)に固定されていて、平面視にて比較的機体外方に位置する部材(フロントアクスルケース及び機体フレーム)に取付けられているので、取付作業の容易化が図られる。また、前記苗台支持杆(38)は、フロントアクスルケース(56)と機体フレーム(42)の2箇所で取付けられているので、強固に支持されると共に、機体前後・左右への倒れが効果的に防止される。
【0008】なお、上述した括弧内の符号は図面を参照するためのものであり、本発明を何ら限定するものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基き本発明の実施の形態を説明する。
【0010】図1は、乗用型移植機としての乗用田植機の全体側面図であり、乗用田植機10は、前輪12及び後輪14により支持された走行機体16を有し、該走行機体16上には、前部のボンネット17内にエンジン18が搭載され、その後部に座席シート20及びステアリングホイール22を有する運転席24が配設されている。また、機体後方には、昇降リンク機構26を介して植付部28が昇降自在に支持されている。
【0011】この植付部28は、油圧シリンダ29の伸縮作動により昇降制御されるようになっていて、該植付部28には、マット苗を載置可能で前後に傾斜配置された苗載せ台30と、該苗載せ台30の下方に配置された多数の植付杆32と、圃場面を滑走するフロート34等を有している。前記植付杆32により、苗載せ台30から苗を掻取ってその苗が圃場に移植される。
【0012】また、走行機体16の前部でボンネット17の左右側には、苗載せ台30のマット苗が残り少なくなった際に、該苗載せ台30にマット苗を補給する補助苗載せ台36が装着されている。この補助苗載せ台36は、走行機体16の前部に立設された苗台支持杆38と、該苗台支持杆38に取付けられた多段の苗置き台40とを有している。この苗置き台40には、補給用の多量のマット苗が載置されている。
【0013】なお、機体前部には、降車して操作可能であって、前後に傾動操作することにより機体走行と停止を切換え可能な手動クラッチレバー66が設けられている。
【0014】また、図2(a)(b)に示すように、走行機体16は、平面視機体左右両側に、該走行機体16を構成すると共に、前後方向に向けて延設された2本のメインフレーム42−1,42−2を有していて、該メインフレーム42−1,42−2の前部は内方に向けて略々直角方向に折曲され、エンジンベース44に接続されている。このメインフレーム42の長手方向の中間部には、プレート46を介して横架フレーム48が固定され、後部には枢支ロッド49が連結されている。
【0015】また、メインフレーム42の内側には、2本のセンタフレーム50が機体前後方向に延設されている。このセンタフレーム50の後部には、縦フレーム51が左右側に夫々立設されていて、該左右の縦フレーム51の上端部は、略々水平なプレート53によって連結されている。更に、メインフレーム42の長手方向の中途部の外側方には、サブフレーム47と補助ステップ55が取付けられている。また、前記メインフレーム42の前部左右両側には、支持金具52,52が固定されていると共に、該左右両側から内方に向けて略々直角方向に折曲された中央部には、ブラケット82が固定されている。そして、前記支持金具52の上部に、ボンネット17が取付けられる。
【0016】前記エンジンベース44にはエンジン18が支持されるが、該エンジン18の後部には、該エンジン18と一体的にミッションケース54が取付けられ、該ミッションケース54から機体左右側に略々直交方向に延びるファイナルケース54aを介して、左右のフロントアクスルケース56が取付けられている。このフロントアクスルケース56内の図示しない駆動軸には、ミッションケース54内のデフギヤ(図示せず)及び前記ファイナルケース54a内の駆動軸を介して動力が伝達され、前輪12が駆動される。
【0017】本実施の形態では、苗台支持杆38は、基部側が前輪12の機体内方でフロントアクスルケース上部に固定されると共に、該基部側を起点として前輪と干渉しないように機体前方に沿って略々水平に延設された第1の横ステー部57と、該第1の横ステー部57の終端側のボンネット側方から機体外方に向け略々水平に延設され、中途部を機体フレームに固定された第2の横ステー部58と、該第2の横ステー部58の終端側から上方に向けて略々垂直に立設された縦ステー部59とを有している。
【0018】すなわち、図3及び図4(a)(b)に示すように、前記苗台支持杆38は、その固定基部側57aが後述する取付板60に溶接固定されていて、これにより、該固定基部側57aは、前輪12の機体内方でかつフロントアクスルケース56の上部に固定されることになる。また、苗台支持杆38は、固定基部側57aを起点として、前輪12と干渉しないように機体前方に沿って略々水平に延設された第1の横ステー部57と、該第1の横ステー部57の終端側のボンネット17側方から機体外方に向け略々水平に延設された第2の横ステー部58と、該第2の横ステー部58の終端側から上方に向けて略々垂直に立設された縦ステー部59とを有している。第2の横ステー部58は、第1の横ステー部57の終端側から機体外方に延びる中途部57bにて、メインフレーム42に溶接固定されている(図3参照)。
【0019】すなわち、本実施の形態では、苗台支持杆38を2箇所で溶接固定しているため、該苗台支持杆38を強固に支持することができると共に、フロントアクスルケース56に対する固定基部側57aの固定位置、及びメインフレーム42に対する第2の横ステー部58の中途部57bの固定位置は、図3で明らかなように、いずれも平面視機体外方に位置しているため、これらの溶接作業を容易に行うことができる。
【0020】前記取付板60は、機体側面視が鉤状に折曲された水平面部60aと垂直面部60bを有し、水平面部60aは第1の横ステー部57及び第2の横ステー部58に溶接固定されていると共に、第2の横ステー部58の延設方向の中途部にて、ボルト62によりメインフレーム42に固定されている。垂直面部60bは、第1の横ステー部57の固定基部側57aにてフロントアクスルケース56の前面側に沿って下方に折曲されている。また、プレート46は、フロントアクスルケース56の後面側に沿って上下に延設されていて、これら取付板60とプレート46とが、フロントアクスルケース56を前後から抱き込むように配置され、両者は3個のボルト63とナット64で締結されている。
【0021】こうして、苗台支持杆38の固定基部側57aは、前輪12の機体内方でかつフロントアクスルケース56の上部に固定され、また、第2の横ステー部58の中途部は、メインフレーム42に溶接固定されているため、苗台支持杆38は、平面視機体外方部の2箇所に強固に取付けられることになる。
【0022】前記縦ステー部59には、苗置き台40が多段に取付けられていて、この苗置き台40に多量のマット苗が載置される。オペレータは、機体後方に配置された苗載せ台30の苗が残り少なくなると、この苗置き台40からマット苗を取出して苗載せ台30に補給する。
【0023】一方、走行機体16の前部には、該走行機体16を衝撃から保護するバンパー部材72が取付けられ、このバンパー部材72は金具部材74,76を介して機体フレーム42に取付けられている。そして、これらバンパー部材72と金具部材74,76とでバンパー70が構成されている。
【0024】本実施の形態では、前記バンパー部材72は下方に偏移した形状を有し、該バンパー部材72が機体フレーム42に取付けられて、機体下方からの突上げによる衝撃を緩和できるようにしている。
【0025】図3、図5及び図6に示すように、前記バンパー部材72は、下方に偏移した形状を有し、その固定基部側86’は、固定金具74により前輪12の機体内方で、かつフロントアクスルケース56の上部に固定されていて、バンパー部材72の機体中央側は、固定金具76を介して機体前部のブラケット82に固定されている。
【0026】すなわち、前記バンパー部材72は、本実施の形態では中空パイプからなり、図5及び図6に示すように、機体中心線に対し左右略々対称に配置され、その固定基部側86’を起点として前輪12と干渉しないように機体前方に向け下方に偏移する傾斜部86aと、該偏移した下方位置にて機体前方に沿い略々水平に延設された水平部86bとを有する第1の部位86と、該第1の部位86の終端側から機体内方に向け略々水平に延設された水平部88bと、その延設方向の中途部から上方に偏移する傾斜部88aとを有する第2の部位88と、該偏移した上方位置にて機体内方に向け略々水平に延設された第3の部位90とを有している。
【0027】そして、前記バンパー部材72の固定基部側86’に一体固定された固定金具74は、苗台支持杆38の第2の横ステー部58から突設された舌片78とボルト80により固定されている。このため、固定基部側86’は、苗台支持杆38の第2の横ステー部58に一体的に固定されているが、前述したように、この第2の横ステー部58は第1の横ステー部57と一体で、かつその固定基部側57aを介してフロントアクスルケース56の上部に固定されているため、バンパー部材72の固定基部側86’も、フロントアクスルケース56の上部に固定されていることになる。また、バンパー部材72の第3の部位90は、機体前部の中央側に固定金具76が固定されているが、この固定金具76は、機体フレーム42の機体前部中央側に配置されたブラケット82にボルト84により固定されている。
【0028】このように、バンパー部材72は、その機体中央側を機体フレーム42に強固に固定され、かつ固定基部側86’が、苗台支持杆38の第2の横ステー部58に一体的に固定されているので、バンパー部材72自身の剛性が高められるばかりでなく、苗台支持杆38の剛性が高められるため、安定して苗置き台40を支持することができる。
【0029】また、バンパー部材72は、もともと下方に偏移した形状を有しているため、突上げの衝撃に対して強く、畦際での回行時等に畦に乗り上げたり、深田での作業時において、機体下方からの突上げに対して機体を保護することができる。
【0030】次に、作用について簡単に説明する。
【0031】本実施の形態における補助苗載せ台36は、1本の苗台支持杆38にて苗置き台40を多段に取付けたものであり、その強度を確保するために、取付け構造を工夫している。すなわち、苗台支持杆38の機体前後方向及び機体外方への倒れを防止するため、該苗台支持杆38を、フロントアクスルケース56と機体フレーム42の2箇所で固定している。このように、苗台支持杆38の固定基部側57aと第2の横ステー部58の中途部とを、機体フレーム42に固定することで、該苗台支持杆38の第1及び第2の横ステー部57,58は機体に強固に支持され、かつ機体前後・左右への倒れも効果的に防止される。
【0032】また、苗台支持杆38は、その固定基部側57aが前輪12の機体内方で、かつフロントアクスルケース56の上部に固定され、更に第2の横ステー部58の中途部が機体フレーム42に固定されており、平面視にて比較的機体外方に位置する部材に取付けられているので、例えば、苗台支持杆38の固定基部側57aを、機体内方のミッションケース54に取付ける場合に比して取付作業の容易化が図られる。
【0033】更に、苗台支持杆38は、その固定基部側57aを起点として前輪12と干渉しないように機体前方に延設されているので、苗台支持杆38と前輪12とのクリアランスが十分に確保されており、例えば前輪12が上下にスイングしたとしても、苗台支持杆38と前輪12とが干渉することはない。
【0034】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、苗台支持杆を、前輪の機体内方側のフロントアクスルケース及び機体フレームのように、比較的機体外方に位置する部材に取付けたので、取付作業の容易化を図ることができる。
【0035】また、苗台支持杆を、フロントアクスルケース及び機体フレームに(2箇所で)取付けたので、該苗台支持杆を強固に支持することができ、よって苗台支持杆の前後・左右への倒れを効果的に防止することができる。
【0036】更に、苗台支持杆と前輪とのクリアランスが十分に確保されるため、例えば前輪が上下にスイングしたとしても、苗台支持杆と前輪との干渉を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成14年2月20日(2002.2.20)
【代理人】 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫 (外1名)
【公開番号】 特開2003−235315(P2003−235315A)
【公開日】 平成15年8月26日(2003.8.26)
【出願番号】 特願2002−43528(P2002−43528)