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【発明の名称】 移植機
【発明者】 【氏名】石飛 芳夫
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】布野 隆
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】近藤 健一
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】松岡 正躬
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】可動苗載せ部を作業姿勢及び折畳み姿勢に操作する際の作業性の向上を図る。

【解決手段】乗用田植機10は折畳み可能な苗載せ台44を有し、該苗載せ台44は、固定側支持ローラ72a及び可動側支持ローラ72bにより背面側から左右方向に摺動自在に支持されていて、可動側支持ローラ72bの上下方向の長さは、苗載せ台44を移植作業時に往復摺動自在に支持する範囲L1に加えて、可動苗載せ部44bを作業姿勢から折畳み姿勢に操作する際に支持する範囲L2を加えた長さとしている。これにより、作業姿勢においては、可動苗載せ部44bは可動側支持ローラ72bの下方部分(L1)で左右に往復摺動自在にガイド支持され、また、可動苗載せ部44bを折畳み姿勢から作業姿勢に操作する際には、可動苗載せ部44bは、可動側支持ローラ72bの上方部分(L2)でガイド支持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗を載置した苗載せ部を左右方向に複数配置して苗載せ台を形成し、左右方向少なくとも一方の外側に位置する可動苗載せ部を移動させて中央側の固定苗載せ部に折畳み可能とした移植機において、前記苗載せ台を背面側から左右方向に摺動自在に支持する支持部材を有し、該支持部材が、前記苗載せ台を移植作業時に支持する範囲に、該可動苗載せ部を左右方向に展開した作業姿勢及び折畳んだ折畳み姿勢に操作する際に支持する範囲を加えた上下方向に延設した長さからなる、ことを特徴とする移植機。
【請求項2】 前記可動苗載せ部はリンク支持され、該可動苗載せ部を前記作業姿勢及び折畳み姿勢に操作する際に前記固定苗載せ部に対し上下方向に移動する、ことを特徴とする請求項1記載の移植機。
【請求項3】 前記支持部材は支持ローラである、ことを特徴とする請求項1又は2記載の移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移植機に関し、特に左右方向に複数配置された苗載せ部のうち、左右方向外側に位置する可動苗載せ部を折畳み可能とした移植機に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用田植機等の移植機にあっては、機体運搬時や機体格納時等に機体の左右幅を可及的に小さくするため、苗載せ台の左右幅方向の両端側を折畳むようにしたものが公知である。すなわち、従来の乗用田植機においては、例えば、図10に示すように、苗載せ台144は、可動苗載せ部144bの背面側に平行リンク機構からなるリンクアーム182を備えていて、折畳みに際し、可動苗載せ部144bを固定苗載せ部144aに対して外側方に引き出すと、苗載せ面が略々平行のまま可動苗載せ部144bは固定苗載せ部144aに対して側面上方に所定距離Sだけ移動した中間姿勢となる。次いで、この中間姿勢から、この可動苗載せ部144bを上方に持ち上げつつ、該可動苗載せ部144bを固定苗載せ部144a側に向けて押すと、把手軸181及び縦軸184aを支点として回動し、可動苗載せ部144bは、固定苗載せ部144aの後方に重なるように折畳まれる。
【0003】一方、苗載せ台の下方には、複数個の植付ケースが所定間隔で左右方向に整列配置されているため、苗載せ台を折畳むだけでは、機体全体の左右幅を縮小するのに限界がある。そこで、複数個の植付ケースのうち、左右幅方向の両端側の可動植付ケースを中央側の固定植付ケースの上方に回動支点軸を中心として折畳んで格納することが行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来例において、苗載せ台を、左右方向に略々同一面に配置された植付姿勢から折畳む時や、折畳み状態から植付姿勢に展開する時に、可動苗載せ部144bを背面側から支持して操作方向に案内する案内ガイドがないと、作業要領にコツが必要となり、特に初心者にとっては取扱いが困難であった。これに対し、可動苗載せ部144bを折畳む時や、折畳み状態から展開する時の作業性の向上を図るために、可動苗載せ部144bを背面側から支持する特別な案内ガイドを新設するとすれば、製造コストが増大することになる。
【0005】本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、可動苗載せ部を作業姿勢及び折畳み姿勢に操作する際の作業性の向上を図ることのできる移植機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、苗を載置した苗載せ部を左右方向に複数配置して苗載せ台(44)を形成し、左右方向少なくとも一方の外側に位置する可動苗載せ部(44b)を移動させて中央側の固定苗載せ部(44a)に折畳み可能とした移植機において、前記苗載せ台(44)を背面側から左右方向に摺動自在に支持する支持部材(72a,72b)を有し、該支持部材(72a,72b)が、前記苗載せ台(44)を移植作業時に支持する範囲に、該可動苗載せ部(44b)を左右方向に展開した作業姿勢及び折畳んだ折畳み姿勢に操作する際に支持する範囲を加えた上下方向に延設した長さからなることを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の移植機において、前記可動苗載せ部(44b)はリンク支持され、該可動苗載せ部(44b)を前記作業姿勢及び折畳み姿勢に操作する際に前記固定苗載せ部(44a)に対し上下方向に移動することを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の移植機において、前記支持部材は支持ローラ(72a,72b)であることを特徴とする。
【0009】〔作用〕本発明によれば、苗載せ台(44)を背面側から支持する支持部材(72b)の上下方向の長さを、前記苗載せ台(44)を移植作業時に支持する範囲(L1)に加えて、可動苗載せ部(44b)を作業姿勢及び折畳み姿勢に操作する際に支持する範囲(L2)を加えた長さとしたことで、可動苗載せ部(44b)が固定苗載せ部(44a)と略々同一面を形成するように配置された作業姿勢においては、該可動苗載せ部(44b)は支持部材(72b)の下方部分(長さL1の範囲)で左右に往復摺動自在にガイド支持されると共に、可動苗載せ部(44b)を作業姿勢及び折畳み姿勢に操作する際には、該可動苗載せ部(44b)は、支持部材(72b)の上方部分(長さL2の範囲)でガイド支持されるため、手動で可動苗載せ部(44b)を操作する際の作業性の向上が図られる。
【0010】なお、上述した括弧内の符号は図面を参照するためのものであり、本発明を何ら限定するものではない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0012】図1及び図2は、本発明に係る移植機としての乗用田植機の全体側面図及び平面図である。乗用田植機10は、前輪12及び後輪14にて支持された走行機体16を有しており、該走行機体16上には前部のボンネット18内にエンジン(図示せず)が搭載され、ボンネット18の後方には、ステアリングホイール22及び座席シート20等を有する運転席24が配設されている。
【0013】また、走行機体16の後方には、昇降リンク機構26を介して植付部28が昇降自在に支持され、座席シート20の側方には、この植付部28の昇降及び植付クラッチの操作を可能とする手動操作レバー(図示せず)が設けられている。更に、ボンネット18の中央前部には、センタポール30が設けられ、その左右側には、夫々施肥タンク32,32、及びその上部に補助苗載せ台34,34が設けられている。
【0014】植付部28は、油圧シリンダ33の伸縮作動により昇降制御されるようになっていて、この植付部28は、マット苗を載置可能でかつ前後に傾斜配置された苗載せ台44と、該苗載せ台44の下方で、長手方向が前後を向き所定間隔を隔てて機体左右幅方向に複数個整列配置された植付ケース46等を有している。複数個の植付ケース46は、左右方向に延設された角パイプ状のメインフレーム48に一体的に支持されていて、このメインフレーム48は、昇降リンク機構26のリンクホルダ(図示せず)にローリング自在に支持されている。
【0015】また、走行機体16の前部で、かつボンネット18の左右両側方には、圃場に機体16の走行中心線を線引きする線引マーカ36が、マーカ取付部37を介して取付けられている。
【0016】前記植付ケース46の後部には、多数の植付杆40が取付けられ、また、該植付ケース46の下部にはフロート42が上下回動可能に軸着されている。そして、植付ケース46の後部に取付けられた植付杆40により、苗載せ台44から苗を掻取ってその苗が圃場に移植される。
【0017】前記植付ケース46には、左右方向の延設されたエプロン50が一体的に取付けられていて、このエプロン50は、苗載せ台44に載置したマット状の植付苗が落下しないように苗を押える役目をなしている。また、該エプロン50には、植付杆40による苗掻取りができるように苗掻取り口(図示せず)が形成されている。
【0018】前記エプロン50は、固定エプロン50aと可動エプロン50bとに分割されていて、複数の植付ケース46が左右方向に整列された植付姿勢では、これら固定エプロン50aと可動エプロン50bとが一直線状に連結されている。また、後述するように植付ケース46が折畳んで格納されるときは、可動エプロン50bは該植付ケース46と共に折畳んで格納される。
【0019】このエプロン50の長さは、全苗載せ台44の左右幅方向の長さに対し、機体の左右方向中心線を基準として左右に夫々略々1/2条分だけ長くなるように設定されている。なお、エプロン50の左右両端側は、エプロンガード51によって保護されている(図9参照)。
【0020】図3に示すように、苗載せ台44は、苗を載置する苗載せ部44a,44bを左右方向に複数個配置して形成されていて、左右方向の両外側に位置する可動苗載せ部44bを移動させて中央側の固定苗載せ部44aに折畳み可能とされている。なお、本実施の形態では、左右方向の両外側に位置する可動苗載せ部44bを折畳む場合について説明するが、これに限らず、例えば左右いずれか一方の可動苗載せ部44bを折畳み可能とした場合であっても良い。
【0021】ここで、苗載せ台44の折畳み構造について簡単に説明する。
【0022】図4及び図5において、2条分の可動苗載せ部44b,44bの背面側の左右方向の略々中央下部に、ブラケット80が固定され、このブラケット80に把手軸81が回動自在に軸支されている。この把手軸81の上下部には、上下1対の舌片81a,81aが固定苗載せ部44a側に向けて延設されていると共に、この舌片81aには、平行リンク機構を構成するリンクアーム82,82の基端部が支軸82aにより揺動自在に軸着されている。
【0023】また、固定苗載せ部44aにおける可動苗載せ部44b側の上下端部には、上下1対の舌片83,83が設けられていて、該舌片83には、矩形状に一体枠組みされた揺動アーム84の縦軸84aの上下両端部が回動自在に軸着されている。該揺動アーム84の上下横軸84b,84bは、基部側が湾曲しており、かつ先端側が前記リンクアーム82の先端部に支軸82bを介して揺動自在に軸支されている。なお、符号85は、上側の横軸84bと下側のリンクアーム82との間に装着されたスプリング(引張)である。
【0024】そして、可動苗載せ部44bと固定苗載せ部44aとが、左右方向に略々同一面となるように配置された植付姿勢では、苗載せ台44の背面側にて左右方向に延びるネジ杆86が、舌片83に形成された雌ネジ部(図示せず)に螺合されて、可動苗載せ部44bが固定苗載せ部44aに締結されている。
【0025】次いで、可動苗載せ部44bを格納姿勢に折畳むには、螺合されているネジ杆86を外し、該可動苗載せ部44bを固定苗載せ部44aに対して外側方に引き出す。すると、図5に示すように、リンクアーム82が略々水平方向になるように約90度回動し、可動苗載せ部44bと固定苗載せ部44aの苗載せ面が略々平行のまま、該可動苗載せ部44bが、固定苗載せ部44aに対して苗載せ面の側面に沿って上方に所定量Sだけ移動した中間姿勢となる。
【0026】更に、この中間姿勢から、可動苗載せ部44bを持ち上げつつ、該可動苗載せ部44bを固定苗載せ部44a側に向けて押すと、把手軸81及び縦軸84aを支点として回動し、可動側苗載せ部44bは、固定苗載せ部44aの後方に重なり合うように折畳まれる。この状態が、可動苗載せ部44bの格納姿勢である。次いで、可動苗載せ部44bを図示しないクランプ等で固定苗載せ部44a側に固定する。このようにして、片側2条分の可動苗載せ部44bが固定苗載せ部44aの後方に略々平行に折畳まれて格納される。
【0027】しかして、前述した図3に示すように、苗載せ台44の背面側の上部には、固定スライドレール68a及び可動スライドレール68bが左右方向に直線状に延設されている。一方、固定メインフレーム48aと可動メインフレーム48bから、夫々固定補助ステー70aと可動補助ステー70bとが上方に向けて延設されていて、その上部先端側に固定側支持ローラ72aと可動側支持ローラ72bが取付けられている。そして、苗載せ台44は、その下方部を図示しないスライドピースに支持され、かつ上方部を前記固定スライドレール68a及び可動スライドレール68bを介して前記固定側支持ローラ72aと可動側支持ローラ72bに支持されて、左右方向に往復摺動自在とされている。
【0028】ここで、本実施の形態では、苗載せ台44を背面側から左右方向に摺動自在に支持する支持部材72bを有し、該支持部材72bが、苗載せ台44を移植作業時に支持する範囲に、可動苗載せ部44bを左右方向に展開した作業姿勢及び折畳んだ折畳み姿勢に操作する際に支持する範囲を加えた上下方向に延設した長さからなる。
【0029】すなわち、図6は、図3に示した苗載せ台44を機体側方から見た図であり、該苗載せ台44は、その背面側に固定されたスライドレール68が、固定側支持ローラ72a及び可動側支持ローラ(支持部材)72bに当接支持されて左右方向に往復摺動自在とされている。
【0030】ところで、前述したように、可動苗載せ部44bを折畳み姿勢から植付姿勢に操作する際、及び植付姿勢から折畳み姿勢に操作する際に、可動苗載せ部44bは、固定苗載せ部44aに対し上方に所定量Sだけずらす操作が行われる(図5参照)。このため、可動側支持ローラ72bの上下方向の長さが短い場合は、可動苗載せ部44bを折畳み姿勢から植付姿勢に操作等する際に、該可動苗載せ部44bが可動側支持ローラ72bから外れて支持されないことになる。
【0031】そこで、本実施の形態では、可動苗載せ部44bを折畳み姿勢から植付姿勢に操作する際、及び植付姿勢から折畳み姿勢に操作する際にも、該可動苗載せ部44bが可動側支持ローラ72bによって支持されるようにした。
【0032】そのために、図6に示すように、可動側支持ローラ72bの上下方向長さを、該可動側支持ローラ72bが可動苗載せ部44bを植付作業時に摺動自在に支持する範囲L1に加え、可動苗載せ部44bを折畳み姿勢から植付姿勢に操作する際、及び植付姿勢から折畳み姿勢に操作する際に支持する範囲L2を加えた長さに設定している。
【0033】すなわち、可動苗載せ部44bと固定苗載せ部44aとが、左右方向に略々同一面を形成するように配置された植付姿勢においては、植付作業中は苗載せ台44が左右に往復摺動するが、このとき、可動スライドレール68bは可動側支持ローラ72bの下方部分(長さL1の範囲)でガイド支持される。一方、可動苗載せ部44bを折畳み姿勢から植付姿勢に、又は植付姿勢から折畳み姿勢に操作する際には、可動スライドレール68bは可動側支持ローラ72bの上方部分(長さL2の範囲)でガイド支持される。
【0034】これにより、可動苗載せ部44bは、植付作業中に可動側支持ローラ72bによって摺動自在に支持されるのみならず、可動苗載せ部44bを折畳み姿勢又は植付姿勢に操作する際にも、該可動側支持ローラ72bによってガイド支持されるので、簡単な構造で作業性の向上が図られる。
【0035】このとき、可動苗載せ部44bは、それ自体ある程度の重量を有しているため、この可動苗載せ部44bを折畳み姿勢から植付姿勢に、又は植付姿勢から折畳み姿勢に操作する際に、背面側から支持する部材がないと、オペレータが可動苗載せ部44bの重量を自分の手で支えなければならない。このため、オペレータにとっては大きな負担となるが、本実施の形態によれば、可動苗載せ部44bを支持する可動側支持ローラ72bを備えているので、可動苗載せ部44bを植付姿勢又は折畳み姿勢に操作する際の操作性の向上が図られることになる。
【0036】次に、図7は、植付姿勢における植付ケース46の後面図であり、該植付ケース46は、左右方向の中央側の固定植付ケース46aと左右両端側の可動植付ケース46bとが、所定間隔を隔てて整列配置されている。そして、左右方向両外側の可動植付ケース46bは、該可動植付ケース46bに隣接する内側の固定植付ケース46aから後方に向って斜め上方に延設された支持アーム54と、可動植付ケース46bから同方向に延設された支持アーム56とを連結する回動支点軸58を中心として回動自在に支持されている。この回動支点軸58は、本実施の形態では水平面に対し略々45度に傾斜配置されている。
【0037】前記メインフレーム48は、固定植付ケース46aを支持する固定メインフレーム48aと、可動植付ケース46bを支持する可動メインフレーム48bとに分割されていて、これら固定及び可動メインフレーム48a,48bにて固定及び可動植付ケース46a,46bの前部が支持されている。
【0038】これにより、可動植付ケース46bは、固定植付ケース46aに対して左右方向に整列された移植姿勢と、折畳み線Aを境界として固定植付ケース46aの上方、かつ苗載せ台44の後方に折畳んだ格納姿勢とに姿勢変更可能となっている。
【0039】図8は、可動植付ケース46bの格納姿勢の概略斜視図である。
【0040】固定及び可動植付ケース46a,46bの後部は、固定及び可動メインフレーム48a,48bと略々平行で、かつ該固定及び可動メインフレーム48a,48bに一体的に連結された固定ステー49a及び可動ステー49bにより、ステー基部53a,53bを介して支持されている。また、前記支持アーム56は、回動支点軸58を中心として回動自在に支持されていると共に、連結金具60を介して溶接等により可動ステー49bと一体的に固定されている。
【0041】更に、可動ステー49bの所定位置には、クランプアーム62aを有するクランプ部材62が取付けられている。一方、可動植付ケース46bの格納状態において、前記クランプ部材62の取付位置に対応する固定ステー49aの長手方向の所定位置には、フック部64aを有する固定ブラケット64が該固定ステー49aに一体的に固定されている。そして、この固定ブラケット64のフック部64aに、クランプ部材62のクランプアーム62aを掛け止めることにより、格納状態の可動植付ケース46bをしっかりと固定することができる。
【0042】しかして、本実施の形態では、可動植付ケース46bは、格納姿勢にて背面視及び平面視にて略々八の字状を形成するように格納される。
【0043】図9は、可動植付ケース46bを格納姿勢に格納した状態の後面図であり、このとき、苗載せ台44も折畳んだ状態とされている。
【0044】すなわち、可動植付ケース46bは、格納姿勢にて機体後面視では、その中心線c,cが鉛直線に対し左右に傾斜した略々逆八の字状を形成すると共に、平面視では、図2に示したように、その中心線c’,c’が前後方向線に対し傾斜した略々八の字状に形成されて、固定ステー49aに固定されるので、左右の可動植付ケース46b,46bの対向部間に夫々所定の空間B,Cが形成される。そして、格納状態の可動植付ケース46bを、クランプ部材62を用いて固定ステー49aに固定する際に、前記空間B,Cを利用して機体後方又は上方からクランプ作業することができるので、作業性の向上を図ることができる。
【0045】また、可動植付ケース46bは、格納時には鉛直線及び前後方向線に対し傾斜配置されているので、左右の可動植付ケース46b,46b同士と、左右の可動エプロン50b,50b及びエプロンガード51,51同士が干渉することもない(図9参照)。更に、格納状態の可動植付ケース46bを元の植付姿勢に戻す際、該可動植付ケース46bを、従来のように略々直立状態から持ち上げて回動操作する場合に比して、小さい操作荷重で足り、取扱い性の向上を図ることができる。更にまた、回動支点軸58を、より機体前方側に配置することができるので、支持アーム54,56等の関連部品を短くすることができ、位置決め精度が向上し、部品の機械的強度も強くなる等の利点を有する。
【0046】次いで、一部重複するが作用について説明する。
【0047】圃場での植付作業を終えた乗用田植機10を、トラクタに積載して運搬したり路上走行して移動する際には、機体左右幅を可及的に縮小するため、苗載せ台44の左右方向両端側を折畳むと共に、左右両側端部の可動植付ケース46bを折畳んで格納する。
【0048】まず、苗載せ台44の可動苗載せ部44bを折畳むには、該可動苗載せ部44bを固定苗載せ部44aに対し外側方に引き出すと、リンクアーム82が平行リンクとなっていて可動苗載せ部44bが固定苗載せ部44aの苗載せ面と略々平行の状態で、固定苗載せ部44aに対して側面上方に所定量Sずれた中間姿勢となる。
【0049】このとき、可動苗載せ部44bが固定苗載せ部44aに対して所定量Sずれて移動する場合にも、可動スライドレール68bが可動側支持ローラ72bによってガイド支持されるので、安定して折畳み作業を行うことができる。なお、可動側支持ローラ72bによるガイド支持は、苗載せ台44を折畳む場合に限らず、苗載せ台44を格納状態から植付姿勢に展開操作する場合にも、同様に機能する。
【0050】そして、前述した中間姿勢から、可動苗載せ部44bを持ち上げつつ固定苗載せ部44a側に向けて押すと、可動苗載せ部44bは、固定苗載せ部44aの後方に重なり合うように折畳まれて格納姿勢となる。更に、この格納姿勢で可動苗載せ部44bをクランプ等で固定苗載せ部44a側に固定する。
【0051】次いで、左右方向に整列配置された植付ケース46のうち、可動植付ケース46bを固定植付ケース46aに対して折畳むが、まず、固定メインフレーム48a及び可動メインフレーム48bの連結と、固定ステー49a及び可動ステー49bの連結を、図示しないネジ杆を緩める等して切り離す。続いて、この可動メインフレーム48bを可動植付ケース46bと共に手で把持して、回動支点軸58を中心として機体後方上部に回動する。このとき、可動ステー49bが、固定ステー49aの固定ブラケット64に当接するまで回動させる。
【0052】可動ステー49bが固定ブラケット64に当接したら、クランプ部材62のクランプアーム62aを、固定ブラケット64のフック部64aに引っ掛けてクランプする。これで、可動植付ケース46bの折畳みを終了する。
【0053】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、苗載せ台を背面側から左右方向に摺動自在に支持する支持部材が、前記苗載せ台を移植作業時に支持する範囲に、該可動苗載せ部を左右方向に展開した作業姿勢及び折畳んだ折畳み姿勢に操作する際に支持する範囲を加えた上下方向に延設した長さからなることにより、可動苗載せ部を作業姿勢及び折畳み姿勢に操作する際の作業性の向上を図ることができる。また、支持部材を新たに追加するものではないため、コスト低減を図ることができる。
【0054】請求項2記載の発明によれば、可動苗載せ部はリンク支持され、該可動苗載せ部を前記作業姿勢及び折畳み姿勢に操作する際に前記固定苗載せ部に対し上下方向に移動するが、この可動苗載せ部が上下に移動する範囲にわたって該可動苗載せ部を支持部材にて支持することができるので、折畳み時の作業性の向上を図ることができる。
【0055】請求項3記載の発明によれば、支持部材は支持ローラであるので、構造簡単でかつ安価に製造することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成14年2月21日(2002.2.21)
【代理人】 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫 (外1名)
【公開番号】 特開2003−235314(P2003−235314A)
【公開日】 平成15年8月26日(2003.8.26)
【出願番号】 特願2002−45000(P2002−45000)