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【発明の名称】 田植機
【発明者】 【氏名】牧原 邦充
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】向井 猛
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】清水 孝式
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】網代 成良
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】田中 政一
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】久保 守
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】標準株間と疎植株間のいずれによっても植付け不良が発生しにくい状態で苗植え付けできるようにする。

【解決手段】エンジン8の出力を植付側と走行側とに分岐させる分岐伝達軸39から植付駆動機構90に至る植付側伝動系ULに、株間変速装置70と伝動切換装置110とを設けてある。伝動切換装置110は、回転入力を等速のままで出力して植付け爪28が回転軌跡の全体にわたって等速で作動するように苗植付機構20を駆動する等速伝動状態と、回転入力を不等速回転に変更して出力することによって苗植付機構20の駆動回転数の割には植付け爪28が田面内を低速移動するように苗植付機構20を駆動する不等速伝動状態とに切り換えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植付け爪が先端側で回動軌跡を描きながら苗取出し口と圃場との間を上下移動する苗植運動を行う苗植付機構、及び、この苗植付機構を駆動する植付駆動機構を備えている苗植付装置が自走機体に連結されている田植機であって、エンジン出力を前記植付駆動機構と、自走機体の走行装置とに分岐させて伝達する伝動系における分岐点から植付駆動機構に至る植付側伝動系に、株間変速装置と、回転入力を等速回転のままで出力する等速伝動状態と不等速回転に変更して出力する不等速伝動状態とに切換え操作自在な伝動切換装置とを設けてある田植機。
【請求項2】 前記伝動切換装置を、入力軸によって一体回転自在に支持されている入力軸ギヤ、出力軸によって一体回転自在に支持されている出力軸ギヤ、入力軸と出力軸を一体回転自在に連結することによって入力軸の回動力を等速回転のままで出力軸に伝達するクラッチ、前記入力軸ギヤに入力ギヤが噛合い、前記出力軸ギヤに出力ギヤが噛合うことによって、入力軸の回動力を不等速回転に変更して出力軸に伝達する不等速連動機構を備えて構成し、前記不等速連動機構に、入力軸の回動力を減速して出力軸に伝達するギヤ伝動比を備えてある請求項1 記載の田植機。
【請求項3】 植付け爪が先端側で回動軌跡を描きながら苗取出し口と圃場との間を上下移動する苗植運動を行う苗植付機構、及び、この苗植付機構を駆動する植付駆動機構を備えている苗植付装置が自走機体に連結されている田植機であって、エンジン出力を前記植付駆動機構と、自走機体の走行装置とに分岐させて伝達する伝動系におけるエンジンから分岐点に至るエンジン側伝動系に、前後進切換え自在な変速装置を設け、エンジン出力を前記植付駆動機構と、自走機体の走行装置とに分岐させて伝達する伝動系における分岐点から植付駆動機構に至る植付側伝動系に、正回転と逆回転方向のいずれか一方だけの入力回転を出力する一方向回転クラッチを設け、前記一方向回転クラッチの出力側回転部材に制動作用する摩擦ブレーキを設けてある田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植付け爪が先端側で回動軌跡を描きながら苗取出し口と圃場との間を上下移動する苗植運動を行う苗植付機構、及び、この苗植付機構を駆動する植付駆動機構を備えている苗植付装置が自走機体に連結されている田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記田植機にあっては、エンジン出力を苗植付装置の植付駆動機構と、自走機機体の走行装置とに分岐させて伝達するように構成される。そして、従来、前記伝動系のうち、伝動が植付側と走行側とに分岐する点から植付駆動機構に至る植付側伝動系に株間変速装置を設け、この株間変速装置を操作することにより、苗植付機構の駆動速度が変化して自走機体が単位走行距離を走行する間に苗植付機構が行う苗植運動の回数が変化し、植付苗の機体走行方向での間隔、いわゆる株間の大きさを変更できるものがあった。
【0003】また、従来、前記伝動系のうち、エンジンから分岐点に至るエンジン側伝動系に、前後進切換え自在な変速装置を設け、この変速装置を操作すれば、走行装置の駆動方向や駆動速度が変化するが、苗植付機構の駆動速度が走行装置に同調して変化して走行変速にかかわらず株間の大きさが変化せず、変速装置を操作するだけで操作簡単に前後進を切り換えられるとともに走行速度を変更できるものがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記株間変速装置を設けたものにおいては、株間変速装置を低速側に操作することにより、株間の大きさを大にして、いわゆる疎植株間にして苗植え付けを行うのであり、また、株間変速装置が低速側になれば、苗植付機構の駆動速度が遅くなるのである。このため、従来、株間がかなり大きい疎植株間が得られるようにすると、苗載せ台から下降して田面に突入した植付け爪が田面内に位置している時間が長くなり、植付け爪によって田面にできる穴が大きくなって植付け苗の姿勢が悪くなる場合があった。時には植付け苗が倒れてしまうこともあった。
【0005】前記エンジン側伝動系に前後進切換え自在な変速装置を設けたものにおいては、従来、伝動が植付側と走行側とに分岐する点から植付駆動機構に至る植付側伝動系に一方向回転クラッチを設け、変速装置が後進側に切り換えられても、一方向回転クラッチの作用によって植付駆動機構に逆回転方向の駆動力が伝わらないようにされているが、高速走行されると、苗植付機構の駆動速度も速くなって苗植付機構に強い駆動反力が発生しやすくなることにより、この駆動反力のために一方向回転クラッチの出力側部材が逆回転方向に回転し、この逆回転のために苗植付機構が本体のタイミングより遅れたタイミングで苗植え付けを行い、株間の大きさが変化する場合があった。
【0006】本発明の目的は、株間が大きい疎植株間で苗植付けできるとともに疎植株間でも標準株間でも苗姿勢乱れなどの植付け不良を発生にくくしながら苗植付けできるとか、前後進切換えや変速走行が構造面や操作面で有利にできながら株間変化が発生しにくい状態で苗植え付けできる田植機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0008】〔構成〕植付け爪が先端側で回動軌跡を描きながら苗取出し口と圃場との間を上下移動する苗植運動を行う苗植付機構、及び、この苗植付機構を駆動する植付駆動機構を備えている苗植付装置が自走機体に連結されている田植機において、エンジン出力を前記植付駆動機構と、自走機体の走行装置とに分岐させて伝達する伝動系における分岐点から植付駆動機構に至る植付側伝動系に、株間変速装置と、回転入力を等速回転のままで出力する等速伝動状態と不等速回転に変更して出力する不等速伝動状態とに切換え操作自在な伝動切換装置とを設けてある。
【0009】〔作用〕株間変速装置を操作すると、走行装置の駆動回転数が変化しないで苗植付機構の駆動回転数が変化し、機体が単位走行距離を走行する間に苗植付機構が行う苗植運動の回数が変化して株間の大きさが変化する。伝動切換装置を等速伝動状態に切り換えた場合と不等速伝動状態に切り換えた場合とでは、苗植付機構の駆動回転数が同じであっても、不等速伝動状態に切り換えた場合に植付爪が田面に突入して苗植え付けを行っていくときの植付け爪の移動速度が、等速伝動状態に切り換えた場合におけるその移動速度よりも速くなるものである。
【0010】これにより、株間変速装置を高速側に操作すれば、機体が単位走行距離を走行する間の苗植付機構の苗植運動回数が多くなって株間の大きさが標準になるようにして苗植付機構を駆動できる。このとき、苗植付機構に比較的高速の駆動力が伝達されることから、苗植付機構に不等速回転の駆動力が伝達されると、植付け爪が田面内を高速で移動することになり、高速移動による大きな移動抵抗のために苗が植付け爪に食い込んで植付け爪から離れにくくなるなどの植付け不良が発生しやすくなるが、伝動切換装置を等速伝動状態に切り換えておけば、植付け爪が回動軌跡の全体にわたって均等であるとかそれに近い移動速度で上下移動し、植付爪が田面内を比較的緩やかに移動して前記した植付け不良が発生しにくいように苗植付機構を駆動できる。
【0011】株間変速装置を低速側に操作すれば、機体が単位走行距離を走行する間の苗植付機構の苗植運動回数が少なくなって株間が大きくなるようにして苗植付機構を駆動できる。このとき、伝動切換装置を不等速伝動状態に切り換えておくことにより、苗植付機構に低速の駆動力が伝達される割には植付け爪が田面内を迅速に移動するようにして苗植付機構を駆動できる。すなわち、苗植付機構が低速で苗植運動して株間のかなり大きい疎植株間で苗植え付けするようにして、その割には植付け爪が田面内を迅速に移動して田面に大きな穴を形成しないようにして苗植付機構を駆動できる。
【0012】〔効果〕従って、株間変速装置を高速側に操作するとともに伝動切換装置を等速伝動状態に切り換えることにより、機体が単位走行距離を走行する間における苗植付機構の苗植運動回数が多くなるようにして、その割には植付け爪が田面内を苗離れが悪くならない速度で移動するようにして苗植付機構を駆動し、標準株間にして、しかも植付け姿勢が良いなど良好な仕上がり状態にして苗植え付けできる。そして、株間変速装置を低速側に操作するとともに伝動切換装置を不等速伝動状態に切り換えることにより、機体が単位走行距離を走行する間における苗植付機構の苗植運動回数が少なくなるようにして、その割には植付け爪が田面内を大きな穴ができない速度で移動するようにして苗植付機構を駆動し、苗を通風や日当たりが良い状態で育成できるように株間の大きい疎植株間にして、しかも苗の姿勢乱れや倒れなどが発生しにくい良好な仕上がり状態にして苗植え付けできる。
【0013】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0014】〔構成〕請求項1による発明の構成において、前記伝動切換装置を、入力軸によって一体回転自在に支持されている入力軸ギヤ、出力軸によって一体回転自在に支持されている出力軸ギヤ、入力軸と出力軸を一体回転自在に連結することによって入力軸の回動力を等速回転のままで出力軸に伝達するクラッチ、前記入力軸ギヤに入力ギヤが噛合い、前記出力軸ギヤに出力ギヤが噛合うことによって、入力軸の回動力を不等速回転に変更して出力軸に伝達する不等速連動機構を備えて構成し、前記不等速連動機構に、入力軸の回動力を減速して出力軸に伝達するギヤ伝動比を備えてある。
【0015】〔作用〕伝動切換装置を不等速伝動状態に切り換えると、苗植付機構が低速で作動しても、植付け爪が田面内を迅速に移動して田面に大きな穴を形成しないようにしながら苗植付機構を駆動できるのみならず、不等速連動機構による減速伝動のために苗植付機構に低速伝動できる。これにより、苗植付機構を株間変速装置の操作だけで変速して駆動するよりも、伝動切換装置による減速を組み合わてより数多くの変速段に変速して駆動できる。
【0016】〔効果〕従って、苗植付機構を株間変速装置だけで変速するよりも数多くの駆動速度に変速して駆動し、数多くの株間から選択して適切な株間で苗植え付けできる。しかも、伝動切換装置を変速手段に利用した構造簡単なものにして、しかも、伝動切換装置の不等速連動機構に減速のギヤ伝動比を備えるだけの構造簡単なものにしてコンパクトかつ安価に得られる。
【0017】請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0018】〔構成〕植付け爪が先端側で回動軌跡を描きながら苗取出し口と圃場との間を上下移動する苗植運動を行う苗植付機構、及び、この苗植付機構を駆動する植付駆動機構を備えている苗植付装置が自走機体に連結されている田植機において、エンジン出力を前記植付駆動機構と、自走機体の走行装置とに分岐させて伝達する伝動系におけるエンジンから分岐点に至るエンジン側伝動系に、前後進切換え自在な変速装置を設け、エンジン出力を前記植付駆動機構と、自走機体の走行装置とに分岐させて伝達する伝動系における分岐点から植付駆動機構に至る植付側伝動系に、正回転と逆回転方向のいずれか一方だけの入力回転を出力する一方向回転クラッチを設け、前記一方向回転クラッチの出力側回転部材に制動作用する摩擦ブレーキを設けてある。
【0019】〔作用〕変速装置を操作すると、エンジンからの駆動力が変速装置によって前進側や後進側に切換えられたり変速されて走行装置に伝達される。変速装置が前進側に切り換えられた場合、この変速装置からの出力が一方向回転クラッチを介して植付駆動機構に伝達されるが、変速装置が後進側に切り換えられた場合、この変速装置からの出力が一方向回転クラッチのために植付駆動機構に伝達されないものである。
【0020】苗植付機構に駆動反力などによって逆回転動力が発生し、この逆回転動力のために一方向回転クラッチの出力側回転部材が回転しようとしても、この出力側回転部材の回転が摩擦ブレーキによって抑制される。これにより、苗植付機構が逆回転して株間の大きさが変化することを防止したり、逆回転しても回転角が少なくなって、逆回転のために発生する苗植付機構の苗植え付けタイミングの遅れがわずかになるように抑制される。
【0021】〔効果〕従って、変速装置をエンジン側伝動系に設けるとともにこの変速装置を操作するだけの簡単な構造及び操作で前後進の切換えや走行速度の変更が行える。その割には、苗植付機構が逆回転することを摩擦ブレーキによって防止したり抑制し、苗植付機構の逆回転による株間の大きさの変化が無いとか少ない良好な仕上がでの苗植え付けを行える。
【0022】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕図1に示すように、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪1と、左右一対の駆動自在な後車輪2とで成る走行装置によって自走し、かつ、運転座席3を有する搭乗型運転部、原動部の両横側に位置する予備苗収容装置7を備えている自走機体の後部に施肥装置80を設け、前記自走機体の機体フレーム9の後端部にリンク機構6を介して苗植付装置10を連結し、リンク機構6にシリンダロッドが連結しているリフトシリンダ5によってリンク機構6を機体フレーム9に対して上下に揺動操作することにより、苗植付装置10を昇降操作するように構成し、自走機体から回転軸140によって苗植付装置10に動力伝達するように構成して、乗用型の施肥装置付き田植機を構成してある。
【0023】この田植機は、苗植付装置10を接地フロート11が圃場の田面に接地した作業状態に下降させて自走機体を走行させることにより、苗植付装置10が田面に複数条の苗植付けをしていき、これと同時に、施肥装置80が田面の複数条の植付け苗それぞれの近くに粒状の肥料を供給していくものであり、詳しくは、次の如く構成してある。
【0024】図1、図2に示すように、苗植付装置10は、機体横方向に長い角パイプ材で成るメインフレーム16と、このメインフレーム16の中央部に連結しているフィードケース17と、前記メインフレーム16に前端側が連結しているとともに機体横方向に並んでいる複数個の植付けケース19とで成る機体フレームの前記各植付けケース19の後端部の両横側に駆動自在に付いている苗植付機構20、前記機体フレームの前端側の上方で図3の如きガイドレール12などに機体横方向に摺動自在に取付けてある苗載せ台18、前記機体フレームの下方に機体横方向に並べて装着してある前記複数個の接地フロート11を備えて構成してある。
【0025】図2、図3などに示すように、各苗植付機構20は、植付けケース19によって機体横向きの軸芯まわりで回動自在に支持されているロータリケース27と、このロータリケース27の両端部に回動自在に連結している植付けアーム29と、ロータリケース27の内部に位置する遊星ギヤ機構などを利用した植付けアーム駆動機構27aとで成り、ロータリケース27が回動駆動されると、このロータリケース27の回動に伴って植付けアーム駆動機構27aが両植付けアーム29を回動操作することにより、図3に示す如く苗植運動を行う。すなわち、各植付けアーム29が備えている植付け爪28が先端側で図3の如き回動軌跡Pを描きながら前記ガイドレール12に備えてある苗取出し口12aと圃場との間を上下移動し、一方の植付けアーム29の植付け爪28と、他方の植付けアーム29の植付け爪28とが交互に苗取出し口12aで苗載せ台上のマット状苗の下端側から一株分のブロック苗を切断し、このブロック苗を保持して圃場の田面内に下降して植え付け、この後上昇して苗取出し口12aに戻るように苗植運動を行う。苗載せ台18は、各苗植付機構20の苗植運動に連動して機体横方向に往復移動するように駆動されて、各苗植付機構20の一対の植付け爪28が交互に苗載せ台上のマット状苗Fの下端側から、その横一端側から他端側に向けて順次にブロック苗を取出していくように各苗植付機構20に苗供給するように構成してある。苗載せ台18が左右の横移動ストロークエンドに到達すると、その都度、苗載せ台18の各苗植付機構20に対応する苗載置部に備えある苗縦送りベルト13が設定ストロークだけ駆動されて苗載せ台上のマット状苗を苗取出し口12aに向けて縦送りするように構成してある。
【0026】これにより、苗植付装置10は、田面上を自走機体による牽引によって移動していくに伴い、各苗植付機構20の一対の植付け爪28によって交互に、田面の接地フロート11が整地した後の植付け箇所に苗植え付けしていく。
【0027】図1に示すように、施肥装置80は、肥料タンク81の下部に連結している繰出し装置の複数の吐出部に送風する電動ブロワ82、繰出し装置の複数の吐出部に各別に供給ホース83を介して連通しているとともに各苗植付機構20の横付近に1 個ずつ位置するように配置して接地フロート11に取付けてある複数個の作溝器84を備えており、苗植付装置10が苗植え付け作業を行うに伴い、タンク81から粒状の肥料を繰出し装置によって繰出し、この繰出し装置からの肥料を電動ブロワ82からの風によって供給ホース83を介して作溝器84に供給し、各作溝器84によって田面の植付け苗の横側近くに溝を形成するととものこの溝内に肥料を供給していく。
【0028】図4に示すように、前車輪1が両横側に付いている前ミッションケース9aの内部に位置する前輪差動機構51を備えている走行駆動機構50を、前ミッションケース9aと、後車輪2が両横側に付いている後輪駆動ケース60とにわたって設け、図5に示すように、前記フィードケース17が支持する入力軸91を備える植付駆動機構90を苗植付装置10に設け、自走機体の原動部に位置するエンジン8の出力を図4、図5に示す伝動系によって前記走行駆動機構50及び植付駆動機構90に伝達することによって前後輪1,2、苗植付機構20、苗横送り機構95、苗縦送り機構93のそれぞれに伝達するように構成し、前後輪1,2、苗植付機構20、苗載せ台18、苗縦送りベルト13の駆動を可能にしてあり、詳しくは次の如く構成してある。
【0029】図4、図6に示すように、前記走行駆動機構50は、前輪差動機構51の駆動ギヤで成る入力ギヤ52の回動力を前輪差動機構51の左側の出力軸53から減速伝動機構54を介して左側の前車輪1に、前輪差動機構51の右側の出力軸53から減速伝動機構54を介して右側の前車輪1にそれぞれ伝達するように構成し、かつ、前記入力ギヤ52の回動力を、差動ケース55が一体回転自在に備えている出力ギヤ56から前ミッションケース9aの出力軸57、回転伝動軸58を介して後輪駆動ケース60の入力軸61に伝達し、この入力軸61から左側の操向クラッチ62及び減速伝動機構63を介して左側の後車輪2に、前記入力軸61から右側の操向クラッチ62及び減速伝動機構63を介して右側の後車輪2にそれぞれ伝達するように構成してある。
【0030】図2、図5に示すように、植付駆動機構90は、フィードケース17の前記入力軸91の回動力を、伝動軸92を介して苗縦送り機構93の駆動軸である苗縦送り軸93aに伝達するように構成し、かつ、前記入力軸91の回動力を、前記伝動軸92、植付け爪28がマット状苗Fから切断するブロック苗の横幅方向の大きさを変更する苗横送り変速装置94を介して苗横送り機構95の駆動軸である苗載せ台横送り軸95aに伝達するように構成し、さらに、前記入力軸91の回動力を、前記伝動軸92、フィードケース17の内部に位置する伝動チェーン96、フィードケース17の出力軸に連結している回転伝動軸97、前記各植付けケース19の内部に位置する伝動チェーン98を介して苗植付機構20のロータリケース27の回転支軸で成る駆動軸27bに伝達するように構成してある。
【0031】図4、図5に示すように、前記伝動系は、エンジン8の出力軸8aから前記前ミッションケース9aの内部に位置する分岐伝動軸39に至るエンジン側伝動系ELと、前記分岐伝動軸39から走行駆動機構50の前記入力ギヤ52に至る走行側伝動系SLと、前記分岐伝動軸39から植付駆動機構90の前記入力軸91に至る植付側伝動系ULとによって構成してある。
【0032】図4、図6などに示すように、エンジン側伝動系ELは、エンジン8の出力軸8aに伝動ベルト利用の伝動機構31を介して入力軸32aが連動している主変速装置32、この主変速装置32の出力軸32bに伝動軸33を介して入力側回転体34aが連動している湿式の多板式クラッチで成る主クラッチ34、この主クラッチ34の出力ギヤ34bに入力ギヤ39aが噛合っている前記分岐伝動軸39を備えて構成してある。
【0033】前記主変速装置32は、前記入力軸32aが入力軸と成っている可変容量形のアキシャルプランジャポンプと、このポンプからの圧油によって駆動されるとともに前記出力軸32bが出力軸と成っているアキシャルプランジャモータとを備えて成る静油圧式無段変速装置に構成してあり、油圧ポンプの斜板角を変更操作することにより、エンジン8からの回転動力を前進側と後進側の回動力に変更するとともに前進側と後進側のいずれにおいても無段階に変速して出力軸32bから出力したり、この出力を停止したりする。
【0034】図4、図6などに示すように、走行側伝動系SLは、前記分岐伝動軸39の一端側に入力ギヤ37aが一体回転自在に連結している高低速の2段変速可能な走行用副変速装置37と、この走行用副変速装置37の出力軸37bの端部に一体回動自在に連結しているとともに走行駆動機構50の前記入力ギヤ52に噛合っている伝動ギヤ38とを備えて構成してある。
【0035】図5、図6、図7に示すように、植付側伝動系ULは、前記分岐伝動軸39の他端側に入力側回転部材41が一体回転自在に連結している一方向回転クラッチ40と、この一方向回転クラッチ40の出力側回転部材42が一体回転自在に備えているギヤ部42aに入力ギヤ71が噛合っている株間変速装置70と、この株間変速装置70の出力ギヤ72に入力ギヤ101が噛合っている植付けクラッチ100と、この植付けクラッチ100の出力軸で成る前ミッションケース9aの植付用出力軸102に継ぎ手103を介して入力軸111が一体回動自在に連結していて、株間変速装置70とは互い直列に連結し合う連結関係にある伝動切換装置110と、この伝動切換装置110の出力軸112を植付駆動機構90の前記入力軸91に連結している前記回転軸140とを備えて構成してある。
【0036】図6に示すように、前記一方向回転クラッチ40は、分岐伝動軸39を構成している部材の端部分で成り、分岐伝動軸39と一体回転する前記入力側回転部材41と、この入力側回転部材41に相対回転自在に外嵌している前記出力側回転部材42と、両回転部材41,42の間に介在しているクラッチ体43とによって構成してあり、このクラッチ体43と回転部材の間のカム作用により、主変速装置32から分岐伝動軸39に伝達されて入力側回転部材41に入力した前進側回転方向と後進側回転方向のうち、前進側回転方向だけの回転動力を出力側回転部材42から出力する。
【0037】図7などに示すように、株間変速装置70は、走行用副変速装置37の出力軸37bに相対回転自在に外嵌している取付け筒軸に兼用の連結軸73によって前記入力ギヤ71に一体回動自在に連結しているとともに外径が異なる6枚の入力側変速ギヤ74と、この6枚の入力側変速ギヤ74に各別に噛合っている6枚の出力側変速ギヤ75と、この6枚の出力側変速ギヤ75を相対回転自在に支持している出力軸76の筒軸部分と6枚の出力側変速ギヤ75それぞれとの間に位置するクラッチボール77と、前記出力軸76に一体回転自在に付いている前記出力ギヤ72とを備えて構成してあり、出力軸76の筒軸部に一端側が入り込んだ状態で前記ミッションケース9aの側壁部を摺動自在に貫通している変速操作軸78を摺動操作することによって6段階の変速伝動状態に切り換わる。
【0038】すなわち、変速操作軸78を摺動操作すると、この変速操作軸78の先端部に位置する大径の操作部78aが6枚の出力側変速ギヤ75から選択された1枚の出力側変速ギヤ75だけのクラッチボール77に作用し、このクラッチボール77が出力側変速ギヤ75の凹部75aと、出力軸76とにわたって係合して出力側変速ギヤ75と出力軸76とを一体回転するように連結した入り状態に切り換え操作される。つまり、入力ギヤ71の回動力を、6つのギヤ対のうち、クラッチボール77が前記入り状態になった1つのギヤ対によって変速して出力軸76に伝達し、この出力軸76の回動力を出力ギヤ72から植付けクラッチ100の入力ギヤ101に伝達するのであり、各苗植付機構20による植付け苗の走行方向での間隔すなわち株間の大きさが6段階に変化するように入力ギヤ71の回動力を6段階に変速して出力ギヤ72から出力する。
【0039】図8などに示すように、前記伝動切換装置110は、前記入力軸111のギヤケース113の内部に位置する端部にスプライン噛合いによって一体回動自在に連結している入力軸ギヤ114と、前記出力軸112のギヤケース113の内部に位置する端部にスプライン噛合いによって一体回転自在及び摺動自在に連結している出力軸ギヤ115と、この出力軸ギヤ115と前記入力軸ギヤ114との間に設けたクラッチ116と、前記入力軸ギヤ114に入力ギヤ121が噛合っている不等速連動機構120とを備えて構成してある。
【0040】前記クラッチ116は、入力軸ギヤ114のボス部が備えているクラッチ爪114aと、出力軸ギヤ115のボス部が備えているクラッチ爪115aとを備えて成る噛合いクラッチに構成してあり、ギヤケース113の外側に一端側が連結ピン17aで回動自在に連結している切換えレバー117を操作することにより、入力軸111と出力軸112とを一体回転するように連結させ合った入り状態と、入力軸111と出力軸112とが相対回転するように両軸111,112の連結を解除した切り状態とに切り換わる。
【0041】すなわち、出力軸ギヤ115のボス部にフォーク部が係合しているシフトフォーク118の基部に一端側が連結しているシフトフォーク支軸119がギヤケース113の支持部を摺動自在に貫通しているとともに、このシフトフォーク支軸119のギヤケース外に位置する端部に切換えレバー117の端部が係合しており、切換えレバー117を前記連結ピン117aの軸芯まわりで揺動操作すると、シフトフォーク支軸119がギヤケース113に対して摺動してシフトフォーク118が出力軸ギヤ115をシフト操作するのであり、切換えレバー117を等速位置Aに操作すると、出力軸ギヤ115は、これのクラッチ爪115aが入力軸ギヤ114のクラッチ爪114aに噛合った位置になり、切換えレバー117を不等速位置Bに操作すると、出力軸ギヤ115は、これのクラッチ爪115aが入力軸ギヤ114のクラッチ爪114aから外れた位置になる。出力軸ギヤ115のクラッチ爪115aが入力軸ギヤ114のクラッチ爪114aに噛合うと、クラッチ116は、入り状態になり、入力軸ギヤ114と出力軸ギヤ115とが一体回転自在に連結することと、入力軸ギヤ114は入力軸111に、出力軸ギヤ115は出力軸112にそれぞれ一体回転自在に連結していることとにより、入力軸111と出力軸112とを一体回転するように連結する。出力軸ギヤ115のクラッチ爪115aが入力軸ギヤ114のクラッチ爪114aから外れると、クラッチ116は、切り状態になり、入力軸ギヤ114と出力軸ギヤ115の相対回転が可能になることにより、入力軸111と出力軸112とが相対回転するように両軸111,112の連結を解除する。
【0042】前記不等速連動機構120は、前記ギヤケース113に両端側が連結している1本の支軸122の一端側部分122aによってこの支軸部分122aの軸芯121aまわりで回転自在に支持されているとともに前記入力軸ギヤ114に噛合っている前記入力ギヤ121と、前記支軸122の他端側部分122bによってこの支軸部分122bの軸芯であって、入力ギヤ12の回転軸芯121aとは偏芯している軸芯123aまわりで回転自在に支持されている出力ギヤ123と、前記入力ギヤ121の出力ギヤ123に対向する方の側面がわに支軸124を介してローラを回転自在に取付けることによって設けた図9、図10の如き回転式の伝動部125と前記出力ギヤ123のボス部に溝形部材を固設することによって、前記伝動部125が回転及び摺動自在に入り込むようにして、かつ、出力ギヤ123と共に回転するようにして出力ギヤ123に備えさせた図9、図10の如き伝動溝126とを備えて構成してあり、株間変速装置70から伝動されて回動する入力軸111の角速度が360度にわたって変化しない等速回動力を、単位時間当たりの回転数が同一であるが、図11に示す如く角速度が変化する特性を有する不等速回動力に変更して出力ギヤ123から出力する。
【0043】すなわち、入力ギヤ121の歯数は、入力軸ギヤ114の歯数と同じであり、入力ギヤ121は、入力軸111から入力軸ギヤ114を介して伝達される回動力によって軸芯121aのまわりで等速回動する。すると、伝動部125は入力ギヤ121と共に軸芯121aまわりで回動するとともにこの軸芯121aとは偏芯した伝動軸芯125aを備えていることにより、かつ、入力ギヤ121の回転軸芯121aと、出力ギヤ123の回転軸芯123aとは偏芯していることにより、伝動部125が出力ギヤ123の前記伝動溝126の内部を出力ギヤ123の半径方向に沿う方向に往復移動しながら、すなわち、伝動溝126の内部壁面に当接して出力ギヤ123に伝動作用することとなる点の出力ギヤ123の回転軸芯123aからの距離を変化させながら伝動溝125を介して出力ギヤ123に伝動する。これにより、出力ギヤ123は、軸芯123aまわりで入力軸111の回転速度と同じ回転速度で、かつ、図11に示す特性の不等速回転で回動する。
【0044】前記切換えレバー117が不等速位置Bに操作されて前記クラッチ116が切り状態に操作されると、出力軸ギヤ115が前記出力ギヤ123に噛合い、出力ギヤ123の不等速回転の回動力が出力軸ギヤ115を介して出力軸112に伝達するように構成してある。このとき、出力軸112の単位時間当たりの回転数が入力軸111のそれと同じになるように、出力ギヤ123の歯数と、出力軸ギヤ115の歯数とを同一にしてある。
【0045】これにより、伝動切換装置110は、切換レバー117を等速位置Aに操作して出力軸ギヤ115を入力軸ギヤ114の方にシフト操作すれば、クラッチ116が入り状態になるとともに出力軸ギヤ115が不等速連動機構120の出力ギヤ123から外れることにより、株間変速装置70から入力軸111に導入した等速回転の回転入力をクラッチ116によって等速回転のままで出力軸112に伝達してこの出力軸112から植付駆動機構90に出力するように等速伝動状態に切り換わる。切換レバー117を不等速位置Bに操作して出力軸ギヤ115を不等速連動機構120の出力ギヤ123の方にシフト操作すれば、クラッチ116が切り状態になるとともに出力軸ギヤ115が不等速連動機構120の出力ギヤ123に噛合うことにより、株間変速装置70から入力軸111に導入した等速回転の回転入力を不等速連動機構120によって回転速度は変化しないが、不等速回転する回転力に変更して出力軸ギヤ115を介して出力軸112に伝達し、この出力軸112から植付駆動機構90に出力するように不等速伝動状態に切り換わる。
【0046】図5、図6に示すように、前記分岐伝動軸39の一方向回転クラッチ40が付いている方の端部に、摩擦プレート131を備えた摩擦ブレーキ130を設けてある。この摩擦ブレーキ130は、分岐伝動軸39の周方向での複数箇所に位置する回り止め部39bに内径側部分が噛合っていて、分岐伝動軸39に対して相対回転しないように、かつ、軸芯方向に摺動するように付いている前記摩擦プレート131と、この摩擦プレート131に対して一方向回転クラッチ40とは反対側で分岐伝動軸39の端部にストッパー132によって受け止め支持された状態で装着してある環状のばね受けプレート133と、このばね受けプレート133と前記摩擦プレート131との間で分岐伝動軸39に外嵌してあるブレーキばね134とによって構成してある。ブレーキばね134は、皿形ばねで成り、ばね受けプレート133を反力部材として摩擦プレート131を一方向回転クラッチ40の出力側回転部材42の端面に当て付け付勢している。これにより、摩擦ブレーキ130は、一方向回転クラッチ40の出力側回転部材42に摩擦プレート131との摩擦によって発揮する摩擦ブレーキを常に掛けている。
【0047】従って、前記伝動系は、エンジン8の回転出力を主変速装置32によって前進側と後進側とに切り換えるとともに前進側においても後進側においても無段階に変速して主クラッチ34を介して分岐点としての分岐伝動軸39に伝達し、この分岐伝動軸39に付いている副変速装置37の前記入力ギヤ37aと、一方向回転クラッチ40の前記入力側回転部材41とによって走行側と植付側とに分岐させ、走行側の回転力を、前進側と後進側のいずれの回転力であっても、走行用副変速装置37によって高低速の2段階に変速して走行駆動機構50の入力ギヤ52に伝達する。そして、分岐伝動軸39で植付側に分岐させた回転力のうちの前進側だけの回転力を一方向回転クラッチ40によって株間変速装置70に伝達し、この株間変速装置70によって6段階に変速して植付けクラッチ100を介して伝動切換装置110に伝達し、この伝動切換装置110によって回転数はそのままの等速回転と不等速回転とに切り換えて植付駆動機構90の入力軸91に伝達する。
【0048】つまり、主変速装置32を前進側に操作することにより、エンジン8の出力が主変速装置32によって前進側の駆動力にして分岐伝動軸39に伝達され、この分岐伝動軸39から走行側伝動系SL及び走行駆動機構50を介して前後輪1,2に伝達されて自走機体が前進走行し、分岐伝動軸39から植付側伝動系ULを介して植付駆動機構90に伝達されて苗横送り機構95、苗縦送り機構93及び苗植付機構20が駆動され、植付け作業を行える。このとき、主変速装置32を変速操作すると、速度変化した前進駆動力が走行駆動機構50及び植付駆動機構90に伝達されて前後輪1,2の駆動速度が変化するとともに前後輪1,2の変速に同調して苗横送り機構95、苗縦送り機構93及び苗植付機構20の駆動速度が変化し、各苗植付機構20による植付け苗の株間の大きさが変化しないようにして走行速度を変更できる。このとき、株間変速装置70を変速操作することにより、自走機体が単位走行距離を走行する間に苗植付機構20が駆動される回転数が変化し、株間を大きさが約16cm,18cm,21cm,24cm,26cm,30cmの6段階に変更できるが、株間変速装置70を高速側に操作して株間を大きさが約16cm,18cm,21cm,24cmのものにする場合、伝動切換装置110を等速伝動状態に切り換えておく。すると、苗植付機構20に等速回転の駆動力が伝達されて植付け爪28が回動軌跡Pの全体にわたって均等であるとかそれに近い移動速度で上下移動するようにして苗植付機構20が苗植運動を行い、田面内で苗が植付け爪28からスムーズに離れるようにしなが苗植付けできる。そして、株間変速装置70を低速側に操作して株間を大きさが約26cm,30cmの疎植株間にする場合、伝動切換装置110を等速伝動状態に切り換えておけば、苗植付機構20に等速回転の駆動力が伝達されて植付け爪28が田面内を移動するときの速度が遅くなり、植付け爪28が図13の如き田面Tに対する爪先端軌跡を描いて移動して、植付け爪28によって田面Tに形成される穴の前後長さWが大きくなる。これに対し、伝動切換装置110を不等速伝動状態に切り換えておけば、苗植付機構20に不等速回転の駆動力が伝達されて苗植付機構20の駆動速度の割には植付け爪28が田面内を移動するときの速度が速くなり、植付け爪28が図12の如き田面Tに対する爪先端軌跡を描いて移動して、植付け爪28によって田面Tに形成される穴の前後長さWが小さくなる。これにより、伝動切換装置110を不等速伝動状態に切り換えておくことにより、株間の大きさの割には植付け苗に姿勢乱れや倒れが生じにくくしながら苗植え付けできる。
【0049】殊に、株間変速装置70を高速側に切り換えて苗植付機構20の駆動速度が速くなった場合、植付け爪28が田面に突入したときなど苗植付機構20に発生する駆動反力が大きくなるが、この駆動反力のために一方向回転クラッチ40の出力側回転部材42が入力側回転部材41に対して逆回転方向に回転したり、この逆回転の回転ストロークが大きくなることを摩擦ブレーキ130によって防止したり抑制される。これにより、出力側回転部材42が逆回転して株間の大きさが変化したり、大きく変化することを抑制しながら植え付け作業できる。
【0050】主変速装置32を後進側に操作することにより、エンジン8の出力が主変速装置32によって後進側の駆動力にして分岐伝動軸39に伝達され、この分岐伝動軸39から走行側伝動系SL及び走行駆動機構50を介して前後輪1,2に伝達され、自走機体が後進走行する。このとき、分岐伝達軸39の後進側の駆動力は、一方向回転クラッチ40によって植付駆動機構90に伝達されず、苗植付装置10が駆動されないで後進走行できる。
【0051】〔第2実施形態〕図14は、第2実施形態を備える伝動切換装置110を示し、この伝動切換装置110にあっては、不等速連動機構120が備えるギヤ伝動比の点においてのみ、第1実施形態を備える伝動切換装置110と相違しており、この相違点のみについて説明する。すなわち、第1実施形態の伝動切換装置110では、入力軸ギヤ114と入力ギヤ121の歯数、出力ギヤ123と出力軸ギヤ115の歯数をそれぞれ同一にし、入力軸111の回動力をその回転数が変更しない状態で出力軸112に伝達するギヤ伝動比を不等速連動機構120に備えさせているのに対し、第2実施形態の伝動切換装置110では、入力軸ギヤ114と入力ギヤ121の歯数を同一にし、出力軸ギヤ115の歯数を出力ギヤ123の歯数より大にし、入力軸111の回動力を減速して出力軸112に伝達するギヤ伝動比を不等速連動機構120に備えさせている。
【0052】つまり、株間変速装置70を高速側に調節するとともに伝動切換装置110を不等速伝動状態に切換えれば、株間変速装置70を同一の速度段階の高速側に調節するとともに伝動切換装置110を等速伝動状態に切換えた場合よりも、株間の大きさが大きくなるのであり、株間変速装置70による変速と、伝動切換装置110の不等速伝動による減速とを組み合わせることにより、数多くの変速段での変速伝動を行って大きさが種々異なる数多くの株間を選択できるようにしてある。
【0053】この第2実施形態の伝動切換装置110を採用した場合、この伝動切換装置110より伝動下手側に植付クラッチ100を設ける。すると、この植付クラッチ100を切り操作した場合、伝動切換装置110による減速伝動にかかわらず、苗植付機構20を植付け爪28が田面外に位置した特定の停止位置で停止するようにできる。
【0054】〔別実施形態〕伝動切換装置110の不等速連動機構120に減速のギヤ伝動比を備えさせるに当たり、上記第2実施形態の如く出力ギヤ123と出力軸ギヤ115の歯数を相違させる他、入力軸ギヤ114と入力ギヤ121の歯数を相違させて実施してもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成14年1月29日(2002.1.29)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2003−219712(P2003−219712A)
【公開日】 平成15年8月5日(2003.8.5)
【出願番号】 特願2002−19960(P2002−19960)